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このところ、多和田葉子の作品を集中的に読んでいるのだが・・・デジタル朝日で『(文化の扉)多和田文学、ふわり越境』という記事を見て、この際、多和田さんのアンソロジーを編んでみました。・多和田葉子の〈演劇〉を読む(2021年)・星に仄めかされて(2020年)・(文化の扉)多和田文学、ふわり越境(2019年)・文学界(2019年1月号)(2019年)・歓待する文学(2018年刊)・地球にちりばめられて(2018年刊)・言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編む(2016年)・献灯使(2014年刊)・雪の練習生(2011年刊)・尼僧とキューピッドの弓(2010年)・ソウル-ベルリン玉突き書簡(2008年刊)・溶ける街透ける路(2007年刊)・エクソフォニー(2006年刊)・容疑者の夜行列車(2002年刊)・球形時間(2002年刊)R11:「球形時間」を追加***********************************************************************『星に仄めかされて』3:ハンブルグまで行く連中『星に仄めかされて』2:「だるまさんが転んだ」という遊び『星に仄めかされて』1:「パンスカ」が出てくるあたり『文学界(2019年1月号)』2:古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談『地球にちりばめられて』4:「第10章 クヌートは語る3」『地球にちりばめられて』3:「第9章 Hirukoは語る3」『地球にちりばめられて』2:第6章 Hirukoは語る2『地球にちりばめられて』1:独自の言語“パンスカ”『歓待する文学』4:小野正嗣さんのフランス体験『歓待する文学』3:J・M・クッチェーの『マイケル・K』『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生『献灯使』4:言語の輸出入『献灯使』3:日本の鎖国『献灯使』2:「ナウマン象」『献灯使』1:『献灯使』の語り口『雪の練習生』『尼僧とキューピッドの弓』1『ソウル-ベルリン玉突き書簡』4:ヨーロッパの景観『ソウル-ベルリン玉突き書簡』3:旅の楽しみ『ソウル-ベルリン玉突き書簡』2:中国人ディアスポラ『ソウル-ベルリン玉突き書簡』1:漢字や東アジア人の名前『溶ける街透ける路』3:リガ『溶ける街透ける路』2:デュッセルドルフ『溶ける街透ける路』1:パリ『エクソフォニー』4:ハンブルグ『エクソフォニー』3:森鴎外とドイツ語『エクソフォニー』2:マルセイユ『エクソフォニー』1:北京『容疑者の夜行列車』2:北京へ『容疑者の夜行列車』1:グラーツへ『球形時間』1:冒頭の語り口***********************************************************************【多和田葉子の〈演劇〉を読む】多和田葉子著、谷川道子(編集)、論創社、2021年刊<amazon>より〈演劇人間(ホモテアトラーリス)〉としての多和田葉子に本格的に光をあてる初の試み。劇評、演出ノート、作品論、ドキュメント、初邦訳戯曲2本他で多和田の演劇ワールドを探り、パノラマ・可視化する。多和田書き下ろしエッセイ「多声社会としての舞台」も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/31予約、副本1、予約2)>amazon多和田葉子の〈演劇〉を読む***********************************************************************【星に仄めかされて】多和田葉子著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より世界文学の旗手が紡ぎだす国境を越えた物語の新展開!失われた国の言葉を探して地球を旅する仲間が出会ったものはー?<読む前の大使寸評>多和田葉子さんと言えば・・・ドイツに在住の作家で、なんといっても「パンスカ」という言葉を造語した言語感覚が素晴らしいのです。つまり汎スカンディナビア語を「パンスカ」としたのです♪<図書館予約:(1/05予約、副本5、予約20)>rakuten星に仄めかされて***********************************************************************<(文化の扉)多和田文学、ふわり越境>デジタル朝日が「日独2言語で/言葉遊びとユーモアと」と説いているので、紹介します。この記事を紙媒体でスクラップしたのだが、電子媒体でも保存するところが、いかにも老人であるなあ。(この記事を6/24デジタル朝日から転記しました)ドイツ在住の作家、多和田葉子が世界的に注目を集めている。日本、ドイツ、米国で権威ある文学賞を受けてきた。作風は前衛的で国境や言語にとらわれないコスモポリタン。と同時に、日本語の魅力を追究した日本文学である。 多和田葉子は大学卒業後、22歳でハンブルクに移住した。現在はベルリンに暮らす。日本語とドイツ語の両方で、小説や詩を発表してきた。日本では芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞といった純文学の大きな賞を次々に受賞。ドイツではクライスト賞を受け、独特の文体が評価された。いま、世界で活躍する日本人作家のひとりだ。 昨秋には英語版の「献灯使」が米国の権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した。大災厄の後に鎖国を選んだ近未来の「日本」が舞台。訳者の満谷マーガレットさんは、「受賞作は震災後の汚染された日本を描く。決して日本だけの問題ではない。全米図書賞という重要な賞を受けたことでこの作品が世界で広く読まれ、受け止められる、その意義は大きいと思う」と話す。 100歳を超えても頑丈な老人たちが社会を支え、子どもは弱くて歩けない。「彼女のファンタジーは現実に根ざしているから力がある」と満谷さん。深刻な物語だが、ユーモアに包まれ、読後感は朗らか。理由の一つに多和田作品の特徴である言葉遊びがある。「献灯使」では「みどりの日」があるなら「赤の日」も、と休日が際限なく増えていく。すたれてきた性交を奨励する「枕の日」、「インターネットがなくなった日を祝うのは「御婦裸淫の日」だ。***********************************************************************<『文学界(2019年1月号)』1>図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談*********************************************************************** <『歓待する文学』>図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪歓待する文学この本でJ・M・クッチェーが語られているので、『多和田葉子アンソロジー』R5を参照ください。***********************************************************************【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>言語学的なSFは、モロに太子のツボであるが・・・ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出したHirukoという元ニッポン人が、興味深いのです。<図書館予約:(2/18予約、8/28受取)>rakuten地球にちりばめられて***********************************************************************【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使***********************************************************************<『雪の練習生』>図書館に予約していた『雪の練習生』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。【雪の練習生】多和田葉子著、新潮社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサーカスの花形から作家に転身し、自伝を書く「わたし」。その娘で、女曲芸師と伝説の「死の接吻」を演じた「トスカ」。さらに、ベルリン動物園で飼育係の愛情に育まれ、世界的アイドルとなった孫息子の「クヌート」。人と動物との境を自在に行き来しつつ語られる、美しい逞しいホッキョクグマ三代の物語。<読む前の大使寸評>ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。<図書館予約:(8/01予約、8/08受取)>rakuten雪の練習生***********************************************************************【球形時間】多和田葉子著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>より鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。<読む前の大使寸評>おお 多和田葉子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。rakuten球形時間***********************************************************************以降については、『多和田葉子アンソロジー』R5による。
2023.02.28
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図書館で『球形時間』という本を、手にしたのです。 おお 多和田葉子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。【球形時間】多和田葉子著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>より鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。<読む前の大使寸評>おお 多和田葉子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。rakuten球形時間冒頭あたりの語り口を少しだけ、見てみましょうp11~14 その時、隣の文房具売り場の前に展示された綺麗な金属の列が、視覚の隅でピンクやブルーに光ったので、何をする機械かなあ、と思って、すうっとそちらに吸い寄せられていった。呼び込みの人がすかさず近ずいてきて、「最新型の電子辞書です、すごく軽いんですよ」 と言った。二十代後半の男性。髪の毛が洗いすぎの染めすぎで、ぺらぺらになっている。サヤは、なんだ、ただの辞書か、と思って、そのままその場を去ろうとした。すると、店員はサヤの心の内をすばやく読み取って、「今までのと違ってデザインがオシャレですよね。」 と付け加えた。そうかな、と思って、サヤは手に取ってみる。可愛いけれども、でも辞書なんか、もう持ってるからいらない。「煙草の箱より小さくて薄いでしょう。持ち歩きに便利です。たとえ持ち歩きの必要がないとしても、家に置いて使うだけでも、可愛いですよ。英和、和英、国語、合わせて、十万語入ってますから。」 と店員は早口で言う。十万語って、多いのかな。少ないのかな。サヤはふとさっきの出来事を思い出して、「それじゃ、ドジンって言葉、載っているか、引いてください。」 と頼んでみた。それまでニコニコしていた店員は、急に眉をしかめて。「え、ドジ?」 と聞き返した。「いいえ、ドジじゃなくて、ドジンです。土の人」 店員はうなずいて、きれいに切った爪で小さなボタンを押して、「はい、どうぞ。」 とサヤに画面を見せた。「土人=その土地に生まれ住んでいる人。」と、電光文字が出ている。ええ、なんだ、土人って、その土地で生まれて、まだしつこくその土地に居残っている人のこと。それじゃあ、あたしなんか、本当に土人なのね。まぎれもなく、この土地、東京で生まれ育ったんだから。 店員は、機械の一番隅にある黄色いボタンを、つつつつつ、とおした。すると、下に隠れていた続きが画面に現れた。「未開の土着人。(要注意!差別用語)」あ、これだ。あの男、あたしを差別するために、そう言ったんだ。未開の土着か。でも、未開の人って、駅のプラットフォームにすわって化粧するんだろうか。そんな話、聞いたこともないなあ。なんで、あたしのこと、土人だなんて言ったのかなあ。 店員は、いかがですか、と言うようにサヤの顔を見ている。店員の知りたいのは、買うか、買わないか、それだけ。サヤは、店員の顔を見て、首をゆっくり左右に振った。辞書って面白い言葉がたくさん載ってるんだ、でも、誰かが、あたしにその言葉を言ってくれないと、辞書を引くことだってできない。いろんな言葉を耳の中に囁き込んでくれる機械ってないんだろうか。 サヤは、金属の曲面を口蓋で読み取るように、スプーンをゆっくりとしゃぶりあげた。スプーンを口から出してからも、インスタントカレーの甘さが、しばらく口蓋に残った。母親と父親は、テレビの画面に見入っている。画面には、ちかちかといりいりな顔が映るけれども、サヤは画面に目を固定し続けることができない。せかせかと無駄な動きが多すぎるような気がする。音も落ち着きがない。テレビの中で会話しているタレント族の途切れのないおしゃべり、べとべとしていて、しかも、そっけない。 変な人たち。そうなんですよねえ、だから、それは、やっぱり、そういうことだとは思うんですけれどね。でも、わたくしどもなんかは、やっぱりあれなんで、ほら、最近はよくそういうことも言われるようになってきましたけれども、やっぱり、何と言っても、そうですよねえ、本当にそうですよねえ、ええ、わたしも本当にそう思ったんです、と休みなく声が続いて、そのうち急に番組が変わって、ドラマティックになって、何よ、あなたたちにはあたしの気持ちなんか少しも分からないんだわ、などと盛り上がるので、サヤはそのわざとらしい演技に恥ずかしくなって画面から目をそらす。からっぽのお皿には、薄くカレー色が残っている。サヤは黙って席を立って自分の部屋に入り、ドアを閉めた。 コンピューターの清涼な青い光が灯る。コンピューターは人間ぶって声を張り上げたりしないから神経が苛立たなくていい。それに、色が綺麗。テレビしかなかった時代の人って可哀想。画面に、今日のニュースが映った。継ぎはぎパッチワークの四角い画面の右上は、アサマカズヤという歌手の浮気事件。その下が、エレガントな金貸しの広告。その下は、旅行情報。写真の中で、ヤシの木の緑がつるつるして、今にも触れそうな、タイ五日の旅。目眩のするサリーの赤、インド名所巡り。香港、ソウル、北京。今お金のないあなたもすぐに旅立ち、と書いてある。 そうか、貯金なんかなくても、お金を借りて旅行に出ることができるんだ、それで、帰って来たらバイトして返せばいいんだ。バイトと旅行とセットで申し込めるようになっている。今すぐ誰でも、旅に出ることができるんだ。(中略) その後、インターネットの街をなんとなくうろうろ散歩しているうちに、「準喫茶ドジン」というサイトに入り込んだ。「ドジン」と今日言われたことがまだ気になっていて、つい、指がこのキーワードを捜索してしまった。でも、喫茶店の名前はカタカナで書いてあるから、「土人」のことではなくて、「ロダン」とか「魯迅」みたいに、「ドジン」っていう名前の芸術家か作家が外国にいたのかもしれない。住所も書いてある。それは、驚いたことに、サヤがいつも使っている駅の近くだった。 西口を出れば歩いて5分で行ける、と書いてある。御来店をお待ちしております、と書いてある。ネット上で、今着ている人たちとチャットで会話することもできる。英語の会話も出て来るところを見ると、日本語のできない訪問者もいるらしい。本当にこんな茶店、あるんだろうか。この本も『多和田葉子アンソロジー』R10に収めておくものとします。
2023.02.28
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図書館に予約していた『李良枝セレクション』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。 本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国と台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国、台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション李良枝のエッセイを一つ、見てみましょうp373~375<言葉の杖を求めて> このたび、ほぼ2年間かけて「由熙」を完成させ、発表することになった。 作品には、韓国に留学に来たけれども、韓国での暮らしに適応できなくて日本へ帰っていった在日同胞女子学生の姿が、彼女が下宿していた家のオンニと叔母さんの回想を通して描かれている。 本国に住んでいる韓国人の目を通して在日同胞の姿を描いてみたいという私の着想は、当初の動機が自分自身をより客観的に、より徹底的に把握せねばならないということにあったので、想像もつかなかった苦しみを、自分から招いた格好になり、そんなことから2年という時間が必要だったともいえる。 一言でいうと、私は自分の中にあった「由熙」を葬り去りたかったのである。「由熙」を捨てて「ユヒ」を私自身が越えていかない限り、私は例えば「ウリ(われわれ)」という言葉の音と訓、自分の体内を流れている韓国人としての血、そしてその血が沸きたち苦痛となって迫ってくる、精神的な自立を得ることが覚束ないだろうことを、先刻承知していたのである。「由熙」は、「ア」と「あ」の間で言葉の杖をつかむことができなくて、思い悩み、結局は日本へ帰っていく。けれども私は、ようやくこのような「由熙」、つまり私の中にもいた「由熙」に別れを告げ、新たな力を得て、またしても母国と接しなければならないと考えている。 いま、多くの方たちに感謝したい私の気持ちは、とても言葉でいい表わすことはできない。 物事をそれとしてあるがままに見る目、そうした力を私は心底から持ちたいと思う。あるがままに見る目とその力の大切なことを教えてくれ、励ましてくれたのが、まさにこの国であり、この国の空気と光と風を共有している人たちの姿だった。 そのような意味で、私に「由熙」を書けるようにしてくれたうえ、さらに、私に「ウリ(われわれ)」という言葉の深みと温もりを悟らせてくれたすべての人たち、じかに出会った人たちは言うまでもなく、顔も名前も知らないこの国のすべての人たちに、感謝したいだけである。 1989年1月 李良枝『李良枝セレクション』2:「由熙」の冒頭の語り口『李良枝セレクション』1:編・解説者でもある温又柔さんが李良枝を語る。
2023.02.27
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図書館に予約していた『李良枝セレクション』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。 本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国と台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国、台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション小説「由熙」の冒頭の語り口を少しだけ、見てみましょうp7~11<由熙> 由熙の電話を切った時から、私は落ち着きを失くした。 机の上には処理しなければならない伝票や書類がたまっていた。しかし、仕事に全く身が入らなくなってしまった。 そのうちに、腕時計が四時をさした。 見上げると、会社の時計も同じ時刻をさしていた。 しばらくしてやり残していた仕事を始め、六時少し前にその日の仕事を終えるとすぐ身支度をした。六時ちょうどに会社を出た。 走り寄ってきた空車のタクシーを呼び止め、乗りこんだ。タクシーが家の方向に向かって走り出すと、思い出したようにまた落ち着きを失くした。電話での由熙の声がまるで今話しているような鮮やかさで迫ってきた。タクシーが信号の前で急ブレーキをかけるごとに、瞬いた瞼の内側に由熙が現れ、走り出すとともに遠のいた。 タクシーを使って家に帰ることなど滅多にないことだった。一分でも早く帰りたかった。しかし、家までの道のりは、いつもより長く、バスに乗って帰る時よりも車が揺れ、止まる信号の数も多く感じられた。 会社を出てくる時、社長と同僚に挨拶をしてきただろうか、私はそんなことを考え始めた。ついさっきまでのことがよく思い出せない。時間からすれば数分前の、タクシーに乗りこむまでの時分のことがはっきりとしなかった。 寒かった。風も強かった。ソウルは春の日が短く、朝晩はまだ冬のように日中との温度差が激しい。ブレーキの音が前からもうしろからも聞こえ、からだがぶらつくたびに、バッグを抱え、背中を丸めた。 家の前でタクシーを降りた。 来た道の角の方に戻っていくタクシーを、私は降り立った同じ場所に立ちつくしながら見つめた。ごくわずかに傾斜しながら下った坂道の左側の角の向こうに、タクシーが消えていった。 家の前の道に人の姿はなく、道の角からも人や車が現れ出てくる気配はなかった。今し方消えたタクシーの轟音もすでに聞こえなくなった。 記憶の中の由熙の声が、私の背中を突ついた。声そのものに滲みこんでいる視線の動きも立ち現れた。声と、その視線に誘われ、私は振り返った。由熙が横に立っていた。坂道の上方を見上げているその横顔がはっきりと思い出された。6ヵ月前のある日と同じ様に、私は由熙と並んで立ち、うしろにある岩山の連なりを見上げた。坂道は右にくねり、道に沿って続く人家が見上げる私の視界の下方で鎮まり返っていた。その上方に岩山がそそり立っていた。(中略) 視線は、過去のある日と同じように一番高いところに位置する岩の表面に引きつけられた。・・・パウイ(岩) 由熙の声を思い出し、その発音を真似るようにして私は呟いた。ウィの音を強調し、ことさら正確に発音しようとしていた由熙の、かえってぎこちなく聞こえたその声が蘇った。 風は冷たく、険しさを感じるほど、刺々しく強かった。手を交差させ、両腕を抱いて慄えている自分の姿も、6ヵ月前の、冬に近づいていた日の自分を思い出させた。あの日、この坂道の少し下で、厚手のカーディガンを羽織り、その端を引っ張りながらカディガンをからだに巻きつけるようにして私は立っていた。風もやはり冷たく、刺々しかった。 向き直り、また人気のない坂道の角の方を見た。いつまで立っていても誰もそこからは現れてきそうになかった。 由熙は、この国にはもういないのだ。 そしてこの家にもいず、この道に現れることもない。 風の中に立ち、道の角を見つめているうちに、自分がようやく落ち着きを取り戻していることに気づいていた。 低い石の段を上り、鉄扉の横にあるチャイムを押した。・・・ヌグセヨ?(誰ですか) インターフォンから叔母の声が聞こえた。・・・チョエヨ(私です) 叔母の、小さな機械の中で響きを変えた声に向かって私は答えた。 家の中にあるインターフォンのボタンが押されると自動的に鉄扉の鍵を開く。金属を叩くような音がして鍵が開き、鉄扉を押すと小さな庭が現れた。私は中に入り、鉄扉を閉めた。余韻を聞き取り、道の方にやはり人が歩いてくる気配がないことを確かめるようにして、まだ少し経ったままでいた。(中略) 外とは違う匂いが、小さな庭に入った時から辺りにたちこめていた。その匂いで、自分が住んでいる家に帰ってきたことを今更のように想い、匂いに敏感になっている自分に気づいて戸惑いもした。 肩のうしろ辺りから、イイニオイ、と遠い日に呟いた由熙の日本語の声が聞こえてくるような気がした。『李良枝セレクション』1:編・解説者でもある温又柔さんが李良枝を語る。
2023.02.27
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図書館に予約していた『李良枝セレクション』という本を、待つこと3ヶ月ほどでゲットしたのです。 本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国と台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国、台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション編・解説者でもある温又柔さんが李良枝を語っているので、見てみましょうp413~417<解説 切実な世界性を帯びた李良枝の文学> 二十三歳のとき、一篇の小説が、わたしに自信を与えた。日本語はあなたのものでもある、とその小説は教えてくれた。 日本語は、わたしのものでもある。 そう断じる勇気を得たおかげでわたしは、自分を取り囲む世界の輪郭や細部が、以前とはまるで違って見えるのを確かに感じていた。そして、小説を書いてみたい、本を書く人になりたい、という幼い頃からずっと淡く抱いてきたあこがれが、ほんものの野心へとみるみる変容していった。 その一篇の小説とは、李良枝の「由熙」である。 当時のわたしにとって、李良枝の文学と巡り合えたことは、とてつもなく大きなことだった。そのため、李良枝という作家について本格的に論じる前に、まずわたし自身について少々詳しく述べることを許して欲しい。 書くことに限定すれば、日本語は、わたしにとって、たった一つの、自在に操ることが可能な言語である。わたしは日本人ではない。しかし、あたかも、それだけが「生まれながらの自分のことば」であるかのように、日々、日本語を書いていた。 わたしは、ほとんど無意識のうちに、日本語でものを書くのであれば、日本人のように書かなければならないと思っていた。わたしは得体の知れない何かに対して、知らず知らずのうちに遠慮していた。日本語は日本人のものであり、わたしのものでは決してないのだ、と。 ところが「由熙」を読んだことによってわたしは、日本人として生まれなくても、日本語の中で堂々と生きていいのだと知った。それは、日本語ということばに対して、日本人ではない自分が過剰に礼儀正しく振る舞わなくてもいい、という気づきとも繋がっていた。さらに、この気づきによって、それまでは日本語では救いあげることなど到底できないと思いこんでいた領域をも射程に入れて、小説を書いてみたいと夢想するようにもなった。書き上げることができたら「好去好来歌」と題するつもりで、その小説を書く日々が始まった。 わたしは、自分が進もうとしている道はきっと正しいはずだと祈りにも似た気持ちで、繰り返しくり返し、李良枝を読んだ。自分自身の小説を模索しながら、「由熙」に至るまでの李良枝が歩んできた道筋を、何度も辿り直していたのだ。 * 田中淑枝(たなかよしえ)。 李良枝の「本名」である。正確には、戸籍上の姓名だ。普段は「淑枝」ではなく「良枝」の字を使っていたという。1940年に済州島から渡日した良枝の父親は「李」ではなく「田中」と名乗って日本での生活を切り開く。この「田中」という姓が、富士山麓に居を定めた一家が日本に帰化する際の戸籍名となった。 父母の意志による帰化をめぐって、のちに作家となった彼女は自筆年譜に「私は未成年で、自動的に日本国籍を持つことになったが、冬至十六歳だった長兄が日本帰化に反対していたことを、二十歳を過ぎて知ることになる」と書く。 典型的な田舎町で生まれ、近所には韓国人が一人も住んでいない環境の中で、日本式の生活になじみ、日本人としての教育を受けて田中淑枝(良枝)として生きてきた。両親はめったに韓国語を使わないし、キムチも食べなかった。韓国語を話す親戚とたまに会えば、「文化が遅れている」とか「野蛮だ」と感じるほどだった。 高校一年の夏、戸籍謄本を見て、はっきりと自分が朝鮮人であることを知る。初めこそ、その出自を「しじゅう隠そう隠そうとする意識と、違う違うと首を振っている自分が、心の底でうごめいていた」が、ある日、チョゴリを纏った朝鮮高校の女性とたちが堂々と朝鮮語を喋る姿に胸を打たれて、「日本と朝鮮の歴史」について熱心に学び始める。その学びは、朝鮮人である父母の来歴や出自を否定的なものとして切り捨てたかった自分の思考が、日本の歴史や社会の中でどんなふうに形成されたのかを知ることとも直結していた。 二十歳になり母国語を習い始めると、「自分の名前をイ・ヤンジと読むことを知った」。そして、その時期に、田中淑枝だった「それ以前の私」に別れを告げるかのように、「在日朝鮮人の一女性として」李良枝を名乗ることを決意する。 同じ頃、韓国の琴、伽耶琴と韓国舞踏も習い始めている。十五歳の時から日本舞踊と日本の琴を習い「招来は琴のお師匠さんになるのが夢だった」ほどの李良枝にとって、伽耶琴との出会いは「言葉で表現できないくらい」の出来事だったという。それぐらい「自分の国にも琴があること」は新鮮な驚きだったのだ。 五年後、二十五歳になった李良枝は韓国をついに訪れる。民主主義を求める学生と市民のデモが行われている光州事件のさなかだった。初めて訪れた母国で李良枝は、伽耶琴の独奏やパンソリ(語り歌)の弾き語りを本格的に習い始め、また、土俗的な坐俗舞踏に出会って衝撃を受けるのだ。チマチョゴリを着て音の中でただ踊れば、韓国語も日本語も忘れられる。「踊っている時だけが、二つの言語の間でうずくまっている自分を起きあがらせることができた」とのちに李良枝は当時について振り返る。そしてこの時期に、韓国滞在中だった作家・中上健次と李良枝は巡り合う。『輪舞する、ソウル』で中上健次は、作家になる前夜の李良枝との出会いを記している。(中略) その後、主に東京で暮らしながら「かずきめ」「あにごぜ」の二篇を描いたのち、1984年の㋂、李良枝はふたたび韓国にその拠点を移す。次兄の死によってやむを得ず休学していたソウル大学国語国文学科に復学することを決意したのだ。ソウルに舞い戻った李良枝は、「まるで韓国語の海にもひとしい国文学科での留学生活を通じて、人間にとっての言語、言い換えるなら人間における母国語と、さらに母語とは何だろうかという問題を、自分自身の存在つまり実存の問題と直結する深刻な問題と考え」るようになる。ちなみに在日同胞(在日韓国人)としてソウル大学国語国文学科で卒業を果たした最初の一人は李良枝だったという。奇しくも22日の朝日新聞「時代の栞」シリーズが「由熙」を取り上げています。(時代の栞)「由熙」1989年刊・李良枝李良枝の妹・栄さんと、温又柔さん
2023.02.26
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<東インド会社あれこれR2>図書館で『スパイス戦争』という本を借りて読んでいるところです。太子はこれまでに、東インド会社や倭寇や海上覇権にからむ本を読んできたわけで、ツボのようなそれらを集めてみました。・『食文化からイギリスを知るための55章』(2023年刊)・ハイパー世界史用語集「イギリス東インド会社」・『東インド会社とアジアの海賊』(2015年刊)・『紅茶スパイ』(2011年刊)・『スパイス戦争』(2000年刊)英メネシス号の中国兵船砲撃R2:『食文化からイギリスを知るための55章』を追加***********************************************************************『食文化からイギリスを知るための55章』3:東インド会社による紅茶貿易『食文化からイギリスを知るための55章』2:各国のパン『食文化からイギリスを知るための55章』1:フィッシュ・アンド・チップスハイパー世界史用語集「イギリス東インド会社」『東インド会社とアジアの海賊』1:東インド会社の特徴や商品『東インド会社とアジアの海賊』2:徽州海商と後期倭寇『東インド会社とアジアの海賊』3:ポルトガル人や後期倭寇の海賊行為『東インド会社とアジアの海賊』4:オランダ東インド会社の登場『東インド会社とアジアの海賊』5:オランダ東インド会社のダークサイド『東インド会社とアジアの海賊』6:清朝に雇われたイギリス海軍『紅茶スパイ』1:プロローグ『紅茶スパイ』2:庭園を愛でるイギリス人『紅茶スパイ』3:1848年東インド会社本社『紅茶スパイ』4:1848年チェルシー薬草園『紅茶スパイ』5:中国への再渡航『紅茶スパイ』6:アヘン貿易『紅茶スパイ』7:フォーチュン余話『スパイス戦争』1:プロローグ『スパイス戦争』2:探検隊の悲劇『スパイス戦争』3:日本人海賊の登場***********************************************************************【食文化からイギリスを知るための55章】 石原孝哉, 市川仁著、明石書店、2023年刊<「BOOK」データベース>よりもっと知りたい、世界のこと。国や地域を理解するには、まずこのシリーズから。政治・経済・社会・歴史・文化を網羅した“入門書”。<読む前の大使寸評> NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。rakuten食文化からイギリスを知るための55章***********************************************************************ハイパー世界史用語集「イギリス東インド会社」より(1)1600年、ロンドンの商人がインド以西のアジア各地との貿易を独占するため、エリザベス1世の特許を得て設立した。1601年からアジア貿易を開始したが1航海ごとに資金を集める形態であったため、1602年に始まるオランダ東インド会社に後れをとるようになり、東南アジアの香辛料貿易からは撤退し、インド経営を主力とするようになった。 イギリス絶対王政の最盛期、テューダー朝のエリザベス1世は、1600年12月31日、正式に「イギリス東インド会社」、つまり「東インド諸地域に貿易するロンドン商人たちの総裁とその会社」を法人と認める特許状を下付した。従って「東インド会社」East India Company というのは通称であるが、EICの略称は広く世界に知られるようになった。 最初の東インド会社船4隻がロンドンを発ったのは1601年3月であった。500人以上が乗り組み、大砲を110門備えた武装船団であった。翌年10月にスマトラのアチェに到着、さらにジャワ島のバンテンに立ち寄り、マラッカ海峡ではポルトガル船を襲い、積荷の胡椒などを略奪、1603年9月に無事イギリスに戻り、103万ポンドの胡椒を持ち帰った。ロンドンに入荷した胡椒はそこからヨーロッパ各地に売りさばかれた。■オランダ東インド会社との競争イギリス東インド会社は、国王から貿易の特権を与えられた特許会社であり、それ以後、オランダ、フランス、デンマーク、スウェーデンといった西ヨーロッパ諸国が競って設立した東インド会社の最初のものである。その手本となったのは、すでに存在していたロンドン商人による地中海での東方貿易のためのレヴァント会社であった。それは一航海ごとに資金(株)を集め、船が帰国した後にその輸入品またはその販売代金を、投資額に比例して利益を分配するという株式会社の形態を採っていた。しかし、航海ごとに利益は分配されたため、恒常的・組織的な株式会社としては不十分なものであった。イギリスより遅れたが1602年に発足したオランダ東インド会社は、1回の航海ごとではなく、永続的に資金を集め、組織的な会社を組織し、利益を配当する形式をとったので、実質的な最初の株式会社と言うことができ、イギリスの東インド会社はその競争では後れをとることになる。 イギリス東インド会社は一時、オランダ東インド会社との合同も考えたが、反対も強く、とくに1623年のアンボイナ事件での両国の対立から、イギリスは東南アジア地域から撤退し、インド亜大陸経営に方向を転じる。1643年には現在のイラクのバスラに商館を設け、西アジアにも進出した。***********************************************************************【東インド会社とアジアの海賊】東洋文庫編、勉誠出版、2015年刊<「BOOK」データベース>より誰が海賊だったのか?海賊の多様性を歴史から読み解く。17世紀初頭にヨーロッパで誕生した東インド会社とその海上覇権の確立にあたって大きな障壁となった現地の海賊たち。両者は善と悪という単純な図式では表せない関係にあった。東インド会社もまた海賊であったー。東インド会社と海賊の攻防と、活動の実態を明らかにする。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、アジアの海賊、国姓爺、アヘン戦争とか興味深い史実が見られます。要するに、清朝末期の列強の大陸侵食が興味深いのでおます。rakuten東インド会社とアジアの海賊***********************************************************************【紅茶スパイ】サラ・ローズ著、原書房、2011年刊<「BOOK」データベース>より19世紀、中国がひた隠ししてきた茶の製法とタネを入手するため、英国人凄腕プラントハンター/ロバート・フォーチュンが中国奥地に潜入…。アヘン戦争直後の激動の時代を背景に、ミステリアスな紅茶の歴史を描いた、面白さ抜群の歴史ノンフィクション。<読む前の大使寸評>ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。rakuten紅茶スパイ***********************************************************************【スパイス戦争】ジャイルズ・ミルトン著、朝日新聞出版、2000年刊<「BOOK」データベース>より香料残酷物語。アジアの片隅の小さな島々が歴史の流れを変えていく!黄金より貴重なスパイス、ナツメグの支配権をめぐって血なまぐさい戦いを繰り広げるイギリスとオランダ。埋もれた史料から、その渦中にいた人々の勇気と知略、残虐さと陰謀を活写して、英米でベストセラーになった傑作歴史ノンフィクション。<読む前の大使寸評>イギリスとオランダの戦いに日本人傭兵もからむという、波乱にみちた南シナ海を描くノンフィクションが、興味深いのである。rakutenスパイス戦争
2023.02.26
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図書館で『ダーティ・ワーク』という本を、手にしたのです。 おお 絲山秋子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。【ダーティ・ワーク】絲山秋子著、集英社、2007年刊<「BOOK」データベース>よりギタリストの熊井望は、自分をもてあましながら28年間生きてきた。音楽以外に興味はなく、唯一思いを寄せるのは、昔の友人。自分の分身のようにかけがえのない存在だったが、今はもう会えない。彼女が取り返しのつかないことをしてしまったからー。様々に繋がる人間関係から見えてくる、ささやかな希望。ローリング・ストーンズに乗せておくる、不器用な若者たちのもどかしくも胸に迫る物語。<読む前の大使寸評>おお 絲山秋子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。rakutenダーティ・ワーク冒頭の語り口を少しだけ、見てみましょう。いきなり禁煙の話が出てくるが・・・なかなかの掴みでおます♪p7~9 どちらが長く禁煙が続くかなんて、本気でやめる気もないくせにベーシストの坂間とくだらない賭けをした。結局熊井は負けて、約束通り大嫌いな健康診断に行く羽目になった。二人とも、そんなものはナンセンスだと思っていた。 健康あっての仕事なんてことはいやというほどわかっている。けれど、一曲いくら、ライブになれば1本いくらで働いている彼らが、体が動くのにどこか悪いと言われたって仕事を休むはずがない。休むのはどこかが痛くて立っていられなくなってからだ。熊井は生命保険にも入っていない。受け取って欲しい相手がいない。国民健康保険料だって渋々払っているのだ。 病気休暇があるリーマンとは違うんだ、と熊井は思った。リーマン、と頭の中で強い調子で発音したとき、まだあの男への腹立ちが残っていることに気がついて、自分で「へえ」と思った。 坂間は賭けに勝ったとわかった瞬間から、またパーラメントを吸い始め、熊井が目の前で病院に問い合わせと予約の電話をするのをほくほくしながら見守っていた。いつかこの借りは返してやると熊井は思った。 熊井の医者嫌いは子供の頃からだった。風邪をひいても医者に行くのが嫌でギリギリまで我慢していた。健康なのに病院に来るなんて愚の骨頂だ、と思いながら、服を脱いで軽く畳むとロッカーに入れた。それから薄いピンク色の術衣とも寝間着ともつかぬものを身につけた。もしも大地震とかが起きたらこんなみっともない恰好で逃げるのだろうか。ここは病院だけれど火災が起きない保証はないし、そのときはやはり財布も鍵も持たずに逃げなければならないのではないだろうか。 検診は検尿、胸部Ⅹ線、心電図、採血、身長体重測定、問診の順番ですみやかに、しかし学生時代とほとんど変わらない設備で行われた。婦人科系の検査は改めて来て下さいと言う。行くかよ婦人科なんて、と呟きながら病院の玄関を出たときにはもう午後二時をまわっていた。 熊井は一度見た楽器は決して忘れないが、自分のママチャリはどこに置いたのかいつも忘れてしまう。やっとみつけて乗ったとき、また自分の体から消毒のにおいがつんと立つような気がした。大通りを渡る信号を待っているとき、一瞬、夏の街が黄色っぽく見えた。 スタジオに出かけるまでにはまだ時間があった。 どんなに忙しくても暇なものは暇だ。つぶせないからそれを暇と言う。熊井は映画もテレビも見ないし、本も新聞も読まない。いつまでもギターをいじっている。けれどふと途切れる瞬間というものはあって、それがフレーズの途中だったりしても、ここまでだ、というのは直感でわかる。 音が止まった後に残るのは膨大な暇だ。音楽は聴くが、聴くといっても仕事のものが多い。それが終わってしまうと、結局ローリング・ストーンズばかりになる。そのストーンズだって別にまじめに聴いているわけではなくて、流しているだけだ。ビデオクリップを見て熱くなっていた時代は終わった。 ツアーに出ればそれはそれで忙しそうなものだが、サウンドチェックはいつも三時頃からだし、睡眠時間の少ない彼女は出発でどこを見て回るでも買い物をするでもなく、ただ暇なのだ。それでホテルのベッドの上にだらしなく座ってギターを触っている。
2023.02.25
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ウクライナ侵攻2年目となり、戦争の長期化が予想されています。朝日のネット記事から小泉悠さんの予想を見てみましょう。小泉悠さんの書籍を、図書館に予約しているが・・・ウクライナに関しては小泉悠さんの知見が群を抜いていると思うのです。HIMARS(ハイマース)小泉悠さんが語るウクライナ侵攻2年目の行方と懸念 新兵器の威力はより 射程の長い米国の精密誘導ロケット弾「GLSDB」の威力は大きいと思います。ウクライナ軍は昨夏以降、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」によってロシア軍の武器弾薬庫を先にたたき、戦況を有利に進めました。 ハイマースの射程は従来80キロに制限されてきましたが、GLSDBの射程は150キロとされ、現在のロシア軍の占領地域の大部分を射程に収めることができます。 ロシア軍は既に武器弾薬庫をハイマースの射程圏外に下げてきましたが、GLSDBが導入されれば、更にロシア領内まで下げるか、拠点を分散させざるを得ません。 本来であればGLSDBや射程約300キロとされるATACMS(エイタクムス)のような長距離兵器で敵の戦力を制約し、それから戦闘機の援護の下で、大規模戦車部隊を中心とする機甲部隊を動かすという一貫したシステムとして運用したいところです。 西側諸国がロシアのエスカレーションを恐れて二の足を踏むなか、ウクライナ軍が与えられた戦力でどのような作戦を選ぶかが注目されます。 戦争が長期化した場合、人口も兵器保有量も圧倒的に多いロシアが有利になる可能性が高い。ロシアの核使用のリスクも残るなか、西側諸国がウクライナへの軍事支援をどこまで継続できるかも不透明です。一方で、中国がよりロシア寄りの動きを見せています。長期化が予想される中で、ウクライナに対する軍事支援が求められているが、中国の動きには要注意なんだろう。中国企業 ロシア軍に自爆型無人機100機 4月にも納入で交渉かよりドイツの有力メディアは、中国企業がロシア軍に、自爆型無人機100機を早ければ4月にも納入するための交渉を進めていることが分かったと伝えました。ドイツの有力誌、シュピーゲルは23日、無人機を製造する中国企業が自爆型無人機のロシアへの売却に向けて、ロシア軍と交渉を進めていると伝えました。記事では、ことし4月までにロシア国防省に納入することを念頭に、無人機100機の製造と試験を行うことで合意したとみられるとしています。この無人機は、最大で重さ50キロの弾頭を搭載することが可能で、ロシアがウクライナの戦場で使用しているとされるイランの自爆型無人機に似ているということです。さらに、この中国企業は、ロシアみずからが、無人機を製造できるよう、部品の納入や技術移転も計画しているとしています。このほか記事では、中国軍の管轄下にある別の企業が書類を偽造し、ロシアのスホイ27戦闘機などの、交換部品の納入を計画していたとしています。アメリカのブリンケン国務長官は今月18日、訪問先のドイツで、中国で外交を統括する王毅政治局委員と会談した際、中国がロシアに軍事支援を検討しているという懸念が高まっていると伝えたことを明らかにしています。ブリンケン長官は、仮に中国が軍事支援を行えば、米中関係に深刻な影響を及ぼすと警告したとしています。
2023.02.25
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図書館で『食文化からイギリスを知るための55章』という本を、手にしたのです。 NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。【食文化からイギリスを知るための55章】 石原孝哉, 市川仁著、明石書店、2023年刊<「BOOK」データベース>よりもっと知りたい、世界のこと。国や地域を理解するには、まずこのシリーズから。政治・経済・社会・歴史・文化を網羅した“入門書”。<読む前の大使寸評> NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。rakuten食文化からイギリスを知るための55章「Ⅲ 食材の文化史」から、東インド会社による紅茶貿易を見てみましょうp177~178<27 紅茶の話> 茶の歴史は古く、中国では隋王朝の貴族階級が喫茶の習慣を持っていたことが知られている。日本では『日本書紀』に登場するが、本格的に普及したのは鎌倉時代で、栄西禅師が源実朝に献上したのが端緒となった。 ヨーロッパに茶を紹介したのは日本と交易があったオランダ人で、1609年に平戸から日本茶を、同時にマカオからは中国茶を本国に送っている。当時アジア貿易を支配していたのはオランダの東インド会社で、イギリスの東インド会社は専らインドに重点を置いていた。■教区教会まで巻き込んだ紅茶密輸業 イギリスで茶が普及したのは、チャールズ二世妃のキャサリン・オヴ・ブラガンザが茶を愛し、持参金としてポルトガルから茶と砂糖を大量にイギリスに持ち込んだからである。チャールズ二世は銀による持参金を望んだが、最後はキャサリンの望みをかなえた。茶も砂糖も高価で、銀を凌ぐ価値があったからである。 キャサリンは、茶をそれ以前のように薬として服用するのではなく、社交の場での演出に使った。特権階級しか手に入れられない茶に、同じく高価な砂糖を惜しげもなく入れて、貴婦人たちに振舞った。茶に砂糖を入れるというのは、中国の伝統では考えられないことであった。これは発想の転換というより、高価なものを組み合わせるという自己顕示欲のなせる業といったほうが正しいかもしれない。やがて、より発酵の進んだブラック・ティーが砂糖と、さらにミルクとの相性が良いことがわかって、砂糖入りミルクティーがイギリスの貴婦人のスタイルとして定着することになる。 茶には高い税金がかけられ、茶を売るコーヒーハウスも免許制になった。ちなみに、コーヒーハウスはコーヒーばかりでなく、紅茶やチョコレート(ココア)を飲ませる場所で、ここは紳士たちのたまり場であった。このようにして、1680年代になると茶は宮廷から女性に広まり、コーヒーハウスから紳士たちの間に広まっていった。 18世紀になると、茶が東インド会社の主たる貿易品となり、大量に買い付けられるようになった。一方で、砂糖も自前のプランテーションから大量に手に入るようになり、茶は一気に中流階級まで普及していった。1720年代になると、紅茶の人気がますます高まり、ついに緑茶や烏龍茶などの他の茶を合わせた量を超えてしまった。そうなると紳士淑女たちの間に、紅茶の淹れ方、飲み方の作法、茶器の選定などの作法ができ、安定した税収を確保できることから政府もこれを後押しするに及んで、紅茶を飲むことが愛国的であるとさえみなされるようになった。 18世紀後半になると、イギリスの茶税が高いために、オランダの安い茶を蜜輸入する者が後を絶たなかった。イギリスは島国であり、オランダは対岸であるから、蜜輸入業者はいとも簡単に茶を運び込むことができた。運び込まれた茶は、安全な場所(一番多かったのは教区教会だったという)に保管されてから、慎重に売りさばかれた。この本も東インド会社あれこれに収めるものとします。『食文化からイギリスを知るための55章』2:各国のパン『食文化からイギリスを知るための55章』1:フィッシュ・アンド・チップス
2023.02.24
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<宇宙への関心R5>本屋でも「ヒッグス粒子」本が並んでいるように、ヒッグス粒子が発見されたのは、画期的なことでしたね♪現代物理学と宇宙との関係が、ぐっと現実味を帯びてきたわけで・・・アホな大使でも、宇宙への関心が初期宇宙のように膨張している昨今です(笑)・・・ということで、宇宙関連の記事、書籍を集めてみました。・H3ロケットの打ち上げが2月17日に(2023年)・宇宙はなぜ美しいのか(2021年)・明けの明星(2020年)・村山斉の時空自在 3(2019年)・火星で生きる(2018年刊)・火星ガイドブック(2018年刊)・宇宙の誕生と終焉(2016年刊)・「宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)」(2014年刊)・宇宙はなぜこんなにうまくできているのか(2012年刊)・星と暮らす。(2012年刊)・4%の宇宙(2011年刊)R5:「宇宙はなぜ美しいのか」「H3ロケットの打ち上げが2月17日に」を追加***********************************************************************【H3ロケットの打ち上げが2月17日に】日本の国産基幹ロケット「H3」の打ち上げが2月17日に予定されています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月15日に予定していたH3ロケット試験機1号機の打ち上げ日を2月17日に変更したことを発表した、とのことです。 ついに初打ち上げ、日本の国産基幹ロケット「H3」より■H3ロケットをひたすら待っていたチーム 宇宙航空研究開発機構(JAXA)がプロデュースし、三菱重工など民間企業が開発に取り組んできた国産第3世代の強大H3ロケット1号機は、当初、2020年度中の打ち上げ予定だったが、「やっと、やっと」3年遅れの2022年度末ぎりぎりの、2月17日に種子島宇宙センターでの初打ち上げにこぎつけた。 H3ロケット1号機は「試験機」ではあるが、質量約3トンの大型衛星を搭載し、高度669km(太陽同期準回帰軌道)へと運ぶ。その初荷は「だいち3号」だ。 「だいち(ALOS)」は2006年に1号機が打ち上げた陸域観測技術衛星で、全世界の2万5000分の1の地図も作成した実績をもつ。アフリカなど地図が整備されていなかった地域の貢献ははかりしれない。 災害の状況把握などいわば地球のあらゆる状態を精密に知るインフラとしても欠かせない役割を担ってきた。3種の高機能センサーを搭載しており、そのひとつ、高性能の合成開口レーダー「PALSAR」は雲で覆われた、あるいは夜間でも地表の姿を捉えることができるからだ。文字数削減のため後略、全文は ここ***********************************************************************【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか『宇宙はなぜ美しいのか』3:ブラックホールの撮影『宇宙はなぜ美しいのか』2:星の誕生『宇宙はなぜ美しいのか』1:「はじめに」***********************************************************************<「明けの明星」>早朝に散歩に出る習慣があるので・・・晴れていれば東南の空に「明けの明星」が見えるのです。この時期の明星(金星)は太陽との距離が離れているので、よりくっきり見えてきれいである。天文ファンというほどではないが、金星の公転が気になったのでネットで覗いてみました。宵の明星の金星より金星は2020年6月上旬に内合となり、太陽と同じ方向に位置するので見えなくなります。その後は6月下旬ごろから、明け方の東天に「明けの明星」として見えるようになります。見かけ上太陽から最も離れるころには、日の入り後や日の出前の地平線からの高度が高くなり見やすくなります。金星が太陽から東に最も離れるときを「東方最大離角」といい、「日の入りのころに夕方の西の空」で見やすくなります(東と西を間違えないように注意)。反対に太陽から西に最も離れるときは「西方最大離角」で、「日の出のころに明け方の東の空」で見やすくなります。公転周期: 225日会合周期: 584日「西方最大離角」ってか・・・ネットの画像を紹介します。ようわからんけど(汗)***********************************************************************<村山斉の時空自在 3>朝日の(村山斉の時空自在)シリーズをスクラップしているのだが・・・今回分が興味深いので紹介します。(2019.12.18デジタル朝日から転記しました)<「あんこ」なければ反応見やすく> 空気のように気づかないが、私たちを守ってくれているヒッグス粒子。2012年に加速器による実験でようやく出会えた。翌年、理論を提案した英国の物理学者ピーター・ヒッグス氏ら2人がノーベル賞を受賞した。 ところが観測回数を増やしても顔がよく見えない。ヒッグス粒子は、映画「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」のようだ。今まで見つかった素粒子にはみんな「スピン」という顔があり、見る方向によって違って見えた。粒がぐるぐる回っていて向きがあるからだ。ところが、ヒッグス粒子は回らない「のっぺらぼう」の特別な粒子だとわかった。 今まで会ったことのないタイプの人には、だれもが最初は違和感を抱く。でも親戚に会うと「ああ、こういう人だったんだ」と納得する。ヒッグス粒子の親戚の粒子探しが続いている。そして初めて会った人は新しい世界を開いてくれるものだ。ヒッグス粒子は宇宙の謎「暗黒物質」に一番近いと考えられている。ヒッグス粒子をもっと知り、そのつてで暗黒物質に会いたい。 だが、今の欧州合同原子核研究機関(CERN)の加速器LHCでは、ヒッグス粒子を調べるのは難しい。LHCでぶつける陽子は、クォークという小さな粒をグルーオンというのりでくっつけた豆大福のようなもの。大きいので投げてぶつけやすいが、あんこが飛び散る。その中からヒッグス粒子を観測するのは難しい。 日本が誘致を検討している国際リニアコライダー(ILC)なら、中身のない素粒子である電子とその反物質の陽電子をぶつけられる。つまり豆同士なので、邪魔なあんこがなく反応が見やすい。小さくてぶつけるのは難しいが、13年に技術が確立した。日本の最先端技術で宇宙の謎が解けるのではと期待されている。(素粒子物理学者)・(村山斉の時空自在)「あんこ」なければ、反応見やすく(2019.12.18)デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。***********************************************************************【火星で生きる】スティーブン・ペトラネック著、朝日出版社、2018年刊<「BOOK」データベース>より 2027年、流線形の宇宙船が火星に降りていくーいまや問題は火星に「行く」ことから、そこでどう「暮らす」かへと移った。 イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーズワンといった民間プレーヤーが宇宙をめぐって激しく開発競争を展開するなか、新型ロケットやテラフォーミング技術など、火星移住に向けた準備は着々と進んでいる。駆り立てるのは地球の危機と人類の探求心。数々の科学誌編集長を歴任したジャーナリストが、宇宙開発史から環境的・経済的な実現可能性まで、「最後のフロンティア」火星の先にある人類の未来を活写する。<読む前の大使寸評>表紙にTED Booksとシリーズ名が見えるとおり、いかにもアメリカの本でんな。…と、言いつつも借りた反米の大使でおます。rakuten火星で生きる『火星で生きる』6:イーロン・マスクの火星入植構想『火星で生きる』5:第8章「ゴールドラッシュの再来」p172~177『火星で生きる』4:第6章「火星で生きる」p86~89『火星で生きる』3:民営化する宇宙開発競走p38~43『火星で生きる』2:夢の続きp13~15『火星で生きる』1:イントロダクション 夢p8~10***********************************************************************【火星ガイドブック】鳫宏道著、恒星社厚生閣、2018年刊<「BOOK」データベース>より本書では、火星は何が面白いのか、何を見たらいいのか、その方法と楽しむポイントについて、解説。さらに、過去の火星観測から今の火星探査に至る歴史的な経緯やその過程で考えられてきた火星像、得られた情報をどう解釈してきたのか、さらに何を知ろうとしているのか、そのための手段としての探査の歴史と積み重ねてきた成果、など大まかな火星に関する歴史をまとめました。<読む前の大使寸評>おお 火星やんけ♪ 先日『火星で生きる』という本を読んだが、まるで尻取り借出しのように借りたわけです。rakuten火星ガイドブックネットで北極冠を見てみましょう。火星の北極冠のなぞ、解明かより NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)による観測から、火星の北極冠の複雑な地下構造が明らかになった。構造の分析から、北極冠の渦模様や巨大な谷がどのように形成されたのかという、長年のなぞに迫る成果が得られた。北極冠***********************************************************************【宇宙の誕生と終焉】松原隆彦著、SBクリエイティブ、2016年刊<「BOOK」データベース>より宇宙の始まりはどうだったのか?外に時間がないとはどういうことか?どんな物質でできているのか?そして私たちの住む地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?宇宙に興味をもつ方が抱く数々の疑問に応えるため、宇宙論を長年専攻してきた新進気鋭の著者が、誕生から終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説していく。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の誕生と終焉***********************************************************************【宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)】ムック、ニュートンプレス、2014年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>似たようなニュートン別冊をよく借りているが、インフレーションとかダークマターが気になるわけです。amazon宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)インフレーション宇宙論を提唱した佐藤博士については、ブラックホールを見たいでも触れています。佐藤博士は中性子星(パルサー)研究からスタートした実証的な学者であるが、インフレーション宇宙論を提唱し、宇宙論を牽引するまでになったのが、すごい♪***********************************************************************<『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』6>図書館で『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』という本を、手にしたのです。朝日新聞の連載コラム「村山斉の時空自在」を3年間も続けた村山博士である。難しい事象を読みやすい筆致で面白く書くことにかけては、天下一品でんな♪【宇宙はなぜこんなにうまくできているのか】村山斉著、集英社、2012年刊<商品説明>よりこれほどやさしい宇宙論の本はなかった!なぜ太陽は燃え続けていられるのか。なぜ目に見えない暗黒物質の存在がわかったのか。なぜ宇宙はこんなにも人間に都合よくできているのか・・・宇宙の謎がよくわかる、村山宇宙論の決定版。<読む前の大使寸評>朝日新聞の連載コラム「村山斉の時空自在」を3年間も続けた村山博士である。難しい事象を読みやすい筆致で面白く書くことにかけては、天下一品でんな♪rakuten宇宙はなぜこんなにうまくできているのか『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』6:人間原理とマルチバース『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』5:宇宙のインフレーション『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』4:宇宙の晴れ上がり『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』3:暗黒物質『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』2:ブラックホール『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』1:太陽系は「新興住宅地」?***********************************************************************図書館で「星と暮らす。」を借りたので、柄にもなく「冬の星座」を見る気になったわけですが・・・寒気到来で、寒いでぇ。雲がわいてきて星が隠れたので、また別の日に見ることにしましょう。【星と暮らす。】藤井旭著、誠文堂新光社、2012年刊<内容説明>より星空とともに風景をとらえた美しい星景写真をメインとして、星や星座と文明の歴史、暮らしとのかかわりを紹介します。占星術や星座神話に代表される星にまつわる文化、流星やほうき星、隕石など世界各地で古い記録が残る天文現象が当時の人達にあたえた影響、枕草子など文学作品に見る星空を思う人間の心、地動説から天動説、最新の天文学へと続く人類の星や宇宙への挑戦の歴史など、様々な観点から星と人の関わりを紹介し、現代の暮らしの中に星の存在を取り入れてより豊かに生きることを提案します。<大使寸評>天文学入門書としていいかも。時節柄、「冬の星座の見つけ方」から読み始めたのです。冬の大三角、オリオン座、おうし座、スバルなどが見られて・・・・一年中で一番豪華な夜空ではないでしょうか。Amazon星と暮らす。<誕生星座>星空の中で太陽の通り道を「黄道」とよび、その黄道上にあるのが黄道十二星座です。これが自分の誕生日と関係ある、いわゆる「誕生星座」とよばれ親しまれているものです。おひつじ座(牡羊座、Aries) おうし座(牡牛座、Taurus) ふたご座(双子座、Gemini) かに座(蟹座、Cancer) しし座(獅子座、Leo) おとめ座(乙女座、Virgo) てんびん座(天秤座、Libra) さそり座(蠍座、Scorpio) いて座(射手座、Sagittarius) やぎ座(山羊座、Capricornus) みずがめ座(水瓶座、Aquarius) うお座(魚座、Pisces) アルデバランとスバルの中間が黄道となっているので、このあたりに最近は木星が見られます。***********************************************************************<『4%の宇宙』2>図書館で『4%の宇宙』という本を、手にしたのです。おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。【4%の宇宙】リチャード・パネク著、SBクリエイティブ、2011年刊<商品の説明>より「この宇宙は加速膨張している! 」 2011年のノーベル物理学賞をそろって受賞した米ローレンス・バークレー国立研究所のソウル・パールムッター教授、オーストラリア国立大学のブライアン・シュミット特別教授、米ジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リース教授らは、独自の超新星探査プロジェクトの観測結果から、誰も予想しなかった上記の結論をほぼ同時期に得ることになる。本書は、この天文学者と物理学者を巻き込み、世界中の天体望遠鏡+宇宙望遠鏡を駆使して、数十億光年彼方で瞬く超新星のドップラー効果を測定し、ハッブルが発見した宇宙の膨張速度が加速されているか、減速されているかを見極めた3人の科学者の物語である。 この得られた結論からなにが導けるのか? 1つは、この宇宙の未来の姿だ。そしてもう1つ。この宇宙膨張を加速するものこそ、まだ正体もつかめていないダーク・エネルギーであるということだ。<読む前の大使寸評>おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。amazon4%の宇宙重力レンズ
2023.02.24
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図書館に予約していた『宇宙はなぜ美しいのか』という新書を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか「第1章 宇宙はこんなに美しい」からブラックホールの撮影を、見てみましょう。p53~55<ブラックホールの写真を撮ることに成功!> ブラックホールは入ってしまうと光も出ないので、直接見ることができません。ですが、2019年、初めてブラックホールの「写真」を撮ることに成功しました。 先ほど出てきたM87銀河は、私たちの銀河系の10倍ほど星がある大きな楕円銀河です。この銀河では、中心から高速で高エネルギーのガス「ジェット」が噴き出しています。何かとてつもないものが中心にあるに違いありません。 考えられるのは「超大質量のブラックホール」です。太陽の何十億倍もの重さのあるブラックホールの周りをガスがぐるぐる回り、落ち込むものもあれば噴き出すものもあるのだと考えられています。 大きさが太陽と地球の距離の120倍もある巨大なブラックホールですが、なにせ5350万光年先。よほど小さいものが見える望遠鏡でないと、その姿を写真に撮ることはできません。小さいものを見るには光景が大きな望遠鏡が必要です。しかもM87銀河の中心には星や塵がたくさんあり、ふつうの光は届きません。 このような観測で使われるのが電波望遠鏡です。 車でラジオを聞いていると、FMは建物の陰に入ると聞こえなくなりますが、AMは大丈夫。波長の長い電波は障害物を回り込んで届くからです。これと同じで、電波を使うと星や塵を回り込んで、銀河の中心からでも信号が届きます。 電波を使って天体を見る電波望遠鏡は、地球上のいろいろなところにあります。それらをつないでひとつの地球サイズの望遠鏡として使えれば、計算上、M87の中心のブラックホールのような小さいものも見える。私の視力の0.3に比べたらはるかに目がいい、視力1.4億が実現できるはずです。 そんな野心的なプロジェクトが始まり、日本も大きな貢献をしました。日本、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、メキシコ、中国、台湾、韓国という、文字どおり地球サイズの国際協力プロジェクトです。 プロジェクトの名前は「イベント・ホライズン・テレスコープ」といいます。ブラックホールの周りの、出てこられるところともう決して出てこられないところの境目を「事象の地平線」といいます。英語ではイベント・ホライズンです。 「地平線」とは、たとえば山の上から海を見ると、地球が丸いために、あるところから向こうは見えない、この境目のことです。「事象」というのは、何かしら起きている現象のことです。「事象の地平線」とは、この境目の内側で起きたどんな事象も見ることができない境目のことです。そのイベント・ホライズンを見るテレスコープ(望遠鏡)というのが、このプロジェクトの触れ込みです。 こうして撮ったブラックホールの写真が写真[1-29]です。[1-29]M87の中心のブラックホールのシャドウ 周りの明るいところがブラックホールの周りを回るガス、真ん中の黒いところの縁は光がブラックホールの周りを公転してしまって出てこられなくなる「光子リング」、光子リングの内側の半径3分の2ぐらいのところに「事象の地平線」があります。写真の下半分はガスが私たちの方を向いているので明るく、上半分はガスの運動が遠ざかっているので暗く見えています。2019年、日本を含む国際研究チームの観測によって、ブラックホールが初めて視覚的に証明されました。2019/04/11ブラックホール初撮影 5500万光年先を直接観測 日本など国際チームより あらゆる物質をのみ込む巨大ブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際研究チームが世界で初めて成功し、10日発表した。世界6ヵ所の望遠鏡で同時に観測して解像度を飛躍的に高め、真っ黒な穴を捉えた。ブラックホールの存在を直接裏付けたことになり、銀河の成り立ちの解明につながる。 撮影に成功したのは、地球から約5500万光年離れた銀河「M87」にあるブラックホール。 ブラックホールは重力が極めて強く、光も吸い込んでしまう。光が脱出できなくなる境界は「事象の地平線」と呼ばれる。巨大ブラックホールは宇宙に無数ある銀河の中心にそれぞれ存在すると考えられているが、誕生の仕組みなどはわかっていない。これまでは、周囲を回る星の動きなどから、間接的に存在を確認していた。 研究チームは、宇宙空間のちりなどに吸収されにくく、地球まで届きやすい電波「ミリ波」に着目。ブラックホールに吸い込まれる際に周囲のガスが発するミリ波を観測し、画像に変換することを試みた。 2017年4月、南米・チリのアルマ望遠鏡や米ハワイ、南極など世界6ヵ所、計八つの電波望遠鏡を使って計5日間、M87と、天の川銀河の中心にある「いて座A*(エースター)」のブラックホールを観測した。 最大約1万キロ離れた望遠鏡のデータを合成することで、解像度を月面に置いたゴルフボールを地球から見分けられるほどに高め、わずかな電波を捕捉。約2年かけ解析した結果、M87の画像では、ガスの光に包まれた黒いブラックホールの姿が確認できた。質量は太陽の約65億倍に相当することがわかった。いて座A*については解析中という。 研究チームで日本の代表を務める国立天文台の本間希樹(まれき)教授は会見で「写真はアインシュタインの相対性理論以来初めて、ブラックホールを視覚的に証明するもの。銀河の真ん中にブラックホールが存在することを決定づける意味のある一枚だ」と話した。(石倉徹也、小宮山亮磨)この記事も『ブラックホールを見たいR3』に収めるものとします。『宇宙はなぜ美しいのか』2:星の誕生『宇宙はなぜ美しいのか』1:「はじめに」
2023.02.23
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図書館に予約していた『“正しい”を疑え!』という本を、待つこと2ヶ月ほどでゲットしたのです。 他人がのたまう“正しさ”を自分に照らして疑うことは、まあ大事なことなので・・・真山仁さんはどのように述べているのか見てみようと思うのです。 【“正しい”を疑え!】真山仁著、岩波書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えは絶対に正しい」と自分の意見を押し付ける人、他人の意見に安易に流される人…。不安と不信が蔓延する社会において私達はいったい何を拠り所にすればよいのか?作家・真山仁から困難な時代を生きる人々へ魂のメッセージ。自分を信じて自分らしく生きるためのヒント。<読む前の大使寸評>他人がのたまう“正しさ”を自分に照らして疑うことは、まあ大事なことなので・・・真山仁さんはどのように述べているのか見てみようと思うのです。<図書館予約:(12/22予約、副本6、予約8)>heibonsha“正しい”を疑え!「3章 不安は“正しい”を求める」から、日本人の不安を見てみましょう。p36~39<日本人は不安気質?> 不安は、なぜ生まれるのでしょう。 要因は人それぞれですが、自分自身の立場があいまいだと不安が膨らむことは、共通していると思います。 屋外にいるときに目を閉じてみてください。 突然、周囲が見えなくなると、簡単には歩けないでしょう。人とぶつかるかもしれません。あるいは、何かにつまずく、水たまりにはまる、もしかしたら崖から落ちる・・・。 ああ、どうしよう。どっちへ行ったらいいの! あなたの頭の中でどんどん膨らんでいく恐怖・・・それが、不安です。 さらに、耳をふさがれ、嗅覚も感じないようにされたら、もうその場にしゃがみ込んで助けを待つしかありません。 現代社会は、いつでもそんな状況にあなたお陥れることができる、「危険な世界」なのです。 今まで書いてきたように、日本では、何でもかんでも事実を明確にするより、場の空気を読み、ことを荒立てずにすませる社会風潮が長く続きました。 目を開けていてもわからないことだらけなのに、わかりやすく説明してもらえず、自分で感じ取れ、と放り出されてしまうのです。 生まれ育った場所にずっと住むのであれば、情報や知識は徐々に身につくので、不安はあまり大きくなりません。 でも、転校、進学や就職などで、まったく知らない場所や環境に身を置く可能性は誰にでもあります。 わからないから教えて、と誰にでも物怖じせずに言える人は、新しい環境になじみやすく、不安も解消されていくでしょう。 でも、日本人にはシャイな人が多い。また、他者とのコミュニケーションが苦手な人も増えているようです。苦手意識がある上に、そんなことも知らないなんてバカじゃないのと思われる、恥ずかしいと考えて、自分でハードルを上げてしまう。よくないループです。<情報の氾濫が不安を深刻にする> 新聞、テレビ、オンライン・ニュースなど情報を伝えるメディアの発達と普及によって、誰かに直接尋ねなくても、新しい環境や時代の変化、あるいは社会状況を把握できるようになりました。 さらに、誰もがスマホを手にし、SNSが普及していますから、情報は手軽に入手できます。 スマホとSNSが不安を解消! となるはずが、実際は逆に、日々の不安はさらに広がり、深刻になっています。 どうしてだと思いますか? 主な原因は、情報の氾濫です。 発信される情報が爆発的に増えて、処理が追い付かなくなり、人々は情報の海に溺れ始めたのです。 自らシャットアウトしない限り、時々刻々あふれんばかりに届く情報に溺れてしまい、どれが真実で、どれがフェイクかを見極める余裕もなくなりました。 こうして、不安は深刻の度を強めています。 不思議ですよね。 場の空気から自力で情報を得なければならない社会も不安ですが、情報が山ほどあるのも不安。 何事もほどほどがいい、ということに尽きます。 スマホを使う時間が長く、生きていくためにSNSが欠かせないツールとなっている私たちは、日々、不安や不信と隣り合わせで暮らしています。 現代社会は、過去に類のない不安社会なのです。『“正しい”を疑え!』1:SNSに影響されすぎてない?
2023.02.23
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図書館で『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』という本を、手にしたのです。 猫たちもさることながら、飼い主の人気作家たちが角田光代、村山由佳、養老孟司となかなかのメンバーなので・・・チョイスしたのです。【もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた】角田光代, 吉田修一著、河出書房新社、2019年刊<「BOOK」データベース>より6人の人気作家と個性あふれる愛猫たちの日常。125点の写真+インタビュー+番組書き下ろし作品収録!!<読む前の大使寸評>猫たちもさることながら、飼い主の人気作家たちが角田光代、村山由佳、養老孟司となかなかのメンバーなので・・・チョイスしたのです。rakutenもの書く人のかたわらには、いつも猫がいた村山由香さんちの5匹を、見てみましょうp58~61<五匹の誘眠動物と暮らす>Q:村山家のネコたちを紹介してください。 もみじ17歳(放映後の2018年3月永眠)、青磁9歳、楓とサスケ3歳、銀次9歳です。 軽井沢に来た時は、もみじと銀次しかいなかったんです。でも若い頃の銀次は、ジャイアンみたいなガキ大将だったので、老いてゆくもみじの手には負えなくて。それで、楓とサスケの兄弟を、近所のスーパーの張り紙で見て引き取ることにしました。 子猫を迎えたら、銀次がすごく大人になりましたね。楓もサスケも銀次おじさんにベタベタで、暑い時でもくっついて寝ています。親だと思っているみたい。人懐こさで言ったら、銀次は、前世はゴールデンレトリバーとか、犬ですよ絶対。今は彼の懐の深さにすごく救われています。私の父亡きあと引き取った青磁を、最初に受け入れてくれたのも銀次でした。 みんなそれぞれに性格が違いますよ。楓は全身女の子。「私を見て見て」って感じ。小柄で敏捷でね。サスケはビビリの甘えん坊。青磁は見た目こそ貴公子ですが、性格は少し屈折してる。銀次は撮影の人が来ると必ずカメラに映りたがります。Q:もみじとは17年間の付き合いですね? もみじは、私がその親猫の手を握って産ませました。ちゅるっとした葛餅みたいな姿で出てきた時から知っている猫なので、今までたくさん猫を飼いましたけど、どの子とも違います。17年間、本当にいろんな時期を一緒に過ごしたから。私の全部を知っていますし。 最初の旦那さんは猫が大嫌いだったんですが、たまたま一匹の猫が迷い込んで来たのをきっかけに猫を受け入れるようになりました。猫の可愛さとか魅力がわかるようになって。外猫から始まって3年目にして、親子三代目の猫がもみじとその姉妹たちだったんです。 春夏秋冬にちなんだ名前で「かすみ、むぎ、もみじ、つらら」と四匹いました。結局、私は後に鴨川の家を出ることになったんですが、もみじだけは私でなくちゃダメだったから、住む家を決めてから迎えに行きました。1ヶ月ぶりに会った時はさんざんなじられました。それからずーっと一緒です。こんな猫はこれまでいなかった。 初めての一人暮らしももみじと一緒だったし、その後のいろんな恋愛もほとんど見ているし。もちろん二度目の旦那さんとの出会いと別れも彼女は見ています。 それで8年前に一緒に東京から軽井沢に引っ越して、今のパートナーが2年前に来て、まあ、もみじは今がいちばん幸せに過ごしてくれているんじゃないかなと思うんですけど。 なんか、付かず離れず、でも必ずそこにいる。よく猫のような女は魅力的だっていうじゃないですか。でもあんなの、マネのしようがないですね。「もみじ先輩」っていう感じ。 猫っていう生き物の特性なのかもしれないけど、人の心の穴ぼこをぴったりとこう、体で埋めに来てくれるというか。ほっといて欲しい時はほっといてくれるし、寄り添って欲しい時は寄り添ってくれるし、ああいう距離感の掴み方は天才的ですよね。Q:もみじにとって村山さんはどんな存在でしょう? なんだと思っているんでしょう。手のかかる腐れ縁の女とか思っているんじゃないかな。もみじにしてみれば、「もう、うちがついてなあかんねん」くらいの。 男の人のことで一喜一憂したり。小説が書けないって泣いたり、才能なんかないんだってぐるぐるしたり。そういう姿を彼女はずうっと見ているので、しょうがないなって思っているんでしょうね。もみじが人語を喋れなくてよかったと思います。まずいこといっぱい知っていますから(笑)。(中略) 猫と暮らすことは、物書きの習性に合っているんですかね。犬も飼っていたことがあって好きなんですが、今にしてみると、よく早起きして散歩に行けたなと。犬に比べると猫は大人の付き合いを落ち着いてできる感じがします。子どもではなく対等。 でも、向こうは自分のほうが偉いと思っているはず。時には夜中に原稿をずうっと待っていてくれるちっちゃい編集者ですね。「終わったよ」って言うと「遅いワ」って。たいていは寝て待っているんですけど、それでもとりあえず傍で、その寝息を聞きながら仕事をするっていうのはとても幸福なことです。誘眠動物なのが困るんですけどね。 『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』1:
2023.02.22
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今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「女性作家」でしょうか♪<市立図書館>・李良枝セレクション・球形時間・ダーティ・ワーク<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国、台湾にルーツを持つお二人には、大使のツボが疼くわけです。<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション【球形時間】多和田葉子著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>より鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten球形時間【ダーティ・ワーク】絲山秋子著、集英社、2007年刊<「BOOK」データベース>よりギタリストの熊井望は、自分をもてあましながら28年間生きてきた。音楽以外に興味はなく、唯一思いを寄せるのは、昔の友人。自分の分身のようにかけがえのない存在だったが、今はもう会えない。彼女が取り返しのつかないことをしてしまったからー。様々に繋がる人間関係から見えてくる、ささやかな希望。ローリング・ストーンズに乗せておくる、不器用な若者たちのもどかしくも胸に迫る物語。<読む前の大使寸評>おお 絲山秋子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。rakutenダーティ・ワーク図書館大好き580
2023.02.22
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図書館で『食文化からイギリスを知るための55章』という本を、手にしたのです。 NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。【食文化からイギリスを知るための55章】 石原孝哉, 市川仁著、明石書店、2023年刊<「BOOK」データベース>よりもっと知りたい、世界のこと。国や地域を理解するには、まずこのシリーズから。政治・経済・社会・歴史・文化を網羅した“入門書”。<読む前の大使寸評> NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。rakuten食文化からイギリスを知るための55章「Ⅲ 食材の文化史」から、各国のパンを見てみましょうp158~161<小麦とライ麦の話>■小麦 初夏にイングランドの田園を走ると、ダウンと呼ばれる丘陵が果てしなく続き、そこが黄金色に染まって特有の田園風景を作っている。これはほとんどが冬小麦である。ところが、イングランド北部やスコットランドは冷涼で小麦には適さず、もっぱらオート麦やライ麦が主体になる。 小麦の栽培はメソポタミア地方で始まり、紀元前3000年頃にはヨーロッパに伝わっているから、ローマ支配以前からイギリスにあった食材であるが、大麦などに比べて贅沢品であった。当初は、大麦などとともに粥にされたが、粉に挽いてパンにするようになると需要が増した。パンにしたときの味は良かったが高級品だったために、庶民のパンは大麦、オート麦が主体の硬い黒パンであった。 小麦のパンは、祭りのときに神に捧げられたことからもその希少価値ぶりは窺える。これほど古い穀物であり、おいしいパンの食材でありながらなぜ小麦は貴重品だったのだろう。答えは簡単で、収穫量が少なかったからである。なぜ少なかったかというと、小麦には二つの系統があり、一つは穂が柔らかく、成熟すると穂がほつれて種がこぼれてしまうものである。もう一つの系統は、穂が硬く、頴が固く覆われているために、穂から種が取り出しにくいものであった。穀物として利用できるのは、この両種の中間で、自然には落ちないが脱穀によって簡単に種を取れる種類であった。 風媒花の麦は自然の中で交配し、時に良いものもできるが安定しなかった。今のように、メンデルの法則がわかり、科学的な交配や遺伝子組み換えの無かった時代には、ひたすら良い種を選び続けることによって、何百年も努力するしかなかった。かくして、ローマの時代末期にはパンの主原料になったが、小麦は寒さに弱く、それがヨーロッパの中・北部で栽培されるようになるにはさらに年月が必要であった。(中略) 12世紀になるとポリッジに比べて堅パンが増加し、15世紀を過ぎると小麦、ライ麦のパンが主流になっていく。普通はライ麦粉と小麦粉を混ぜるが、小麦粉だけのパンも次第に増えていく。小麦パンとはいえ、ブラン、すなわちふすまが残っていたのでブラウン・ブレッドであるが、イースト菌で発酵させていたので柔らかかった。ふすまをすっかり取り除いた大型の白パンがいつ頃できたかは詳細にはわからないが、17世紀初頭には既にロンドン子がバター付きトーストを堪能していたことが知られている。白いふかふかのパンは、裕福の証、ステイタス・シンボルであった。 イギリス料理はフランス料理に劣るといわれるが、パンに限って言えばイギリスに軍配が上がる。フランスパンは皮が硬く中もぱりぱりしているが、イギリスパンはよく膨らんでしっとりとしている。もちろん食は好みによるが、パンとしてはふっくら、ふわふわが高級である。原因は小麦の種類が違うためで、フランスの小麦はグルテンが少ないために粘りけが無く、大型のパンができない。苦肉の策が、直焼きでしっかり皮を焼くバゲットに行きついたのである。一方、イギリスの小麦は粘性が高く、ふっくらとよく膨らんで大型パンができた。 これはイギリスの小麦のほうがグルテンが多いためである。グルテンとは穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種であるグルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状につながったものであるが、粘性ばかりでなく味に重要な影響を与える。 日本人が、米の産地や銘柄にこだわるように、ヨーロッパ人は小麦の産地と銘柄にこだわる。誰も自分の親しんだ味こそ一番であると言い張る。たとえ、筆者がパンはイギリスに軍配を上げるとしても、フランス人はこれに納得しないであろう。「フランスパンは長持ちする」、「イギリスパンのような柔らかいパンでは役に立たない・・・。夫婦喧嘩の時に安心して棍棒代わりに使うことができるのはフランスパンだけだ」。 フランスはヨーロッパ有数の小麦生産国でありながら「なぜイギリスの後塵を拝するのか?」というのは外国人の筆者の見解で、フランス人は最初からたんぱく質のの多さでパンの質を計らない。彼らは「白い食パンはパンではなくフランスパンこそパンである」と信じているからである。彼らは小麦粉の質を計る目安として灰分を使い、数値化している。灰分は皮の部分に多いから、数字が高いと全粒粉に近いことになる。タイプ45はケーキ用に、タイプ65はビスケット用で、生産されている小麦粉の90%以上を占めるタイプ55がフランスパン用に使われる。 ちなみに、日本のパンがフカフカなのはグルテンが非常に多いアメリカやカナダの硬質小麦をふんだんに使っているためである。フランスやイギリスは自国の小麦保護のために、輸入を制限しているので、このまねはできない。日本のパンのおいしさが、米を保護するために他の穀物を犠牲にした農業政策の失敗の結果であるのは何とも皮肉である。『食文化からイギリスを知るための55章』1:フィッシュ・アンド・チップス
2023.02.21
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図書館に予約していた『宇宙はなぜ美しいのか』という新書を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのかわし星雲の「創造の柱」「第1章 宇宙はこんなに美しい」から星の誕生を、見てみましょう。p36~39<新しい星が生まれる「創造の柱」や「神秘の山」> 星が爆発して生涯を終えるのは寂しいことですが、その「死」は決して無駄にはなりません。実は、私たちの体がさまざまな元素から成り立っているのは、信じられないかもしれませんが、超新星爆発のおかげです。 宇宙がビッグバンによって始まったとき、炭素、酸素、窒素、鉄、カルシウム・・・などの元素は存在しませんでした。あったのは、水素とヘリウムです。それだけでは、地球もそこにすむ生命も作れません。 炭素や酸素のような重い元素は、宇宙空間ではほとんど合成されず、星の内部で作られました。先ほど、太陽の内部で水素の原子核(陽子)からヘリウムが創られる話をしましたが、大きな星の中でその核融合がさらに進むと、もっと重い元素も合成されるのです。 しかし、いくら重い元素が作られても、星の内部に閉じ込められていたのでは、それを使って物質を作ることはできません。さまざまな元素を作り出した星が爆発することによって、それが宇宙空間にバラ撒かれるのです。それが再び重力によって集まり、また新しい星が生まれる。「超新星」は名前とは裏腹な古い星ですが、その爆発はたしかに「新しい星」の材料を次世代に残していることになります。 その次世代の星は最初から重い元素を持っているので、そこからさらに重い元素をたくさん作ることができるでしょう。私たちの太陽は、そうやって生まれた「3代目」の星だと考えられています。 そのため太陽には、最初から炭素や鉄やカルシウムなどがふんだんにありました。したがって、太陽系の惑星である地球にもそうした元素がたくさん存在し、そのおかげで私たちの体も作られているのです。 自分の体が「星屑」でできているのかと思うと、かに星雲の写真も単に遠い宇宙で起きたイベントには見えません。私たちのルーツも、このような大爆発だったはずなのです。 では、超新星爆発でバラ撒かれた物質は、どのように再び集まるのか。その様子がわかるのが、写真(上の写真)です。「わし星雲」の一部を拡大したもので、「創造の柱」と名付けられました。 宇宙空間にフワフワと漂っていた塵が集まり、柱のような形になっています。全体は向こう側にある星の陰になって黒っぽくなっていますが、よく見ると、ところどころにチラチラと明るい部分がある。それが、塵が集まって生まれた星の光にほかなりません。「創造の柱」という名のとおり、ここは新しい星を生み出すゆりかごのような場所なのです。『宇宙はなぜ美しいのか』1:「はじめに」
2023.02.21
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図書館に予約していた『宇宙はなぜ美しいのか』という新書を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのかわし星雲の「創造の柱」この本の「はじめに」が格調高いので、見てみましょうp3~5<はじめに> 星空を見上げるとその美しさに引き込まれます。 ハッブル宇宙望遠鏡の写真集などは人気が高いようで、天体の写真を見て癒される人は多いと思います。 以前、NHKの取材で、夜、ハワイ島にあるマウナケアの山頂に登ったことがあります。すばる望遠鏡のすぐ横で、夏だったのに寒さに震えながら撮影をしました。空気が薄く服も着込んでいるのでゆっくりしか動けません。しかし星空の美しさは素晴らしいものでした。しかも空気が薄いので、星がまたたかないのです。とても印象に残っています。 私たちはなぜ宇宙を美しいと感じるのでしょうか。 私たちが宇宙から来た星のかけらだからでしょうか。 何を美しいと思うかは、人によって違うでしょう。どんな絵が好きか、好みのタイプは、などは話が付きません。花を美しく飾るという目的は同じでも、欧米のフラワーアレンジメントと日本の生け花はずいぶん違います。 科学はせっかくの自然界の美しさを台無しにする、といわれることがあります。 私は紅葉を鑑賞しているときに、うっかり「葉っぱが黄色から赤へと変わるのは、養分の供給を絶たれて窒息しかけているからだよね」と呟いて、周囲の人に思いっきり嫌な顔をされたことがあります。 もちろん私も紅葉を美しいと思います。科学的に説明ができてしまうと美しさが損なわれると思わないというところで、変わっていると思われてしまうのでしょうか。 ほとんどの物理学者は、重力を記述するアインシュタイン方程式を「美しい」と感じます。数式を見て「美しい」と感じるとは奇妙な人種だ、と思われるかもしれません。 アインシュタイン方程式のどこが美しいかというと、まずこの方程式は、座標系をどうとってもいいという「高い対称性」を持っています。また、1本の式で書けてしまう「簡潔さ」があります。そして簡単に変更を加えることができない「安定感」もあります。 しかもブラックホールから惑星の運動、宇宙全体の膨張まで、空間と時間に関わる全てを説明してくれる、一種の「統一理論」なのです。こうした性質を物理学者は美しいと感じるのです。 そして物理学者には、物理法則は美しいはずだ、という信念のようなものがあります。 実際、暗黒物質の正体について新しい理論を考えていると、同僚から「その理論、きれいだね」といったコメントがきたりします。逆に「そのアイデアは嫌いだな」ということもあるのです。今までの科学の歴史で、研究者は「こういう理論の方が正しそうだ」というカンを育ててきたのでしょう。直感的に「美しい」「醜い」という判定をしているのです。 しかし本文でお話しするように、暗黒エネルギーの発見以来、「美しい物理法則」を求める物理学者の信念は、もしかすると変更を迫られているのかもしれません。 この本は、物理学者が感じる「美しさ」を説明してみようという試みです。 私たち物理学者の気持ちが伝わるかどうか。「美しい物理法則」の探求はどこまで行けるのか、壁にぶち当たっているのか。 みなさんが本書を読んでどのように感じられるのか、とても楽しみです。「物理学者というのは、やっぱり変な人種だ」で終わるのかもしれませんが(笑)。
2023.02.20
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在98位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在1位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在9位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在9位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在2位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在52位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在3位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在1位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在1位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在36位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在36位・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、副本5、予約17)現在3位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在2位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在185位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在15位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々・養老孟司『形を読む』・篠田謙一『人類の起源』・宇野常寛『砂漠と異人たち』:図書館未収蔵・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・スマラサーラ『怒らないこと』・横尾忠則「見えるものと観えないもの」<予約分受取:11/20以降> ・半藤一利『日本のいちばん長い日』(11/16予約、11/20受取)・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、11/23受取)・「監視資本主義」(2/07予約、12/06受取)・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、12/13受取)・女のいない男たち(3/31予約、1/13受取)・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、2/14受取)・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、2/14受取)・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、2/21受取予定)**********************************************************************【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.02.20
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図書館で『世にも奇妙なマラソン大会』を手にしたが・・・おや、著者の名前に見覚えがあるのです。『青春と読書:2月号』にも出ていたし、『謎の独立国家ソマリランド』を読んで、実に面白かったのです。探検部で鍛えた著者の破天荒なパーソナリティが、ええでぇ♪・・・ということで、この際、高野秀行関連を集めてみます。(図書館予約分を含む)・語学の天才まで1億光年(2022年)・辺境メシ(2018年)・間違う力(2018年)・謎のアジア納豆(2016年)・恋するソマリア(2015年)・世界の辺境とハードボイルド室町時代(2015年)・青春と読書2月号(2015年) ・移民の宴(2012年)・謎の独立国家ソマリランド(2012年)・世にも奇妙なマラソン大会(2011年)・怪獣記(2007年)・アジア新聞屋台村(2006年)R7:『語学の天才まで1億光年』『間違う力4,5』を追記【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【辺境メシ】高野秀行著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より人類最後の秘境は食卓だった!食のワンダーランドへようこそー辺境探検家がありとあらゆる奇食珍食に挑んだ、驚嘆のノンフィクション・エッセイ!【目次】1 アフリカ ゴリラを食った男の食浪漫/2 南アジア 怪魚、水牛、密造酒…爆発だ!/3 東南アジア 思わずトリップするワンダーフード/4 日本 猛毒フグの卵巣から古来のワニ料理まで/5 東アジア 絶倫食材に悶絶した日々/6 中東・ヨーロッパ 臭すぎてごめんなさい/7 南米 魔境へようこそー<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、恐ろしげな写真が並んでいて・・・これはヤバそうである。いや、突撃的フィールドワークと讃えるべきか。rakuten辺境メシ『辺境メシ』2【間違う力】高野秀行著、KADOKAWA、2018年刊<「BOOK」データベース>より人生は脇道にそれてこそ。ソマリランドに一番詳しい日本人になり、アジア納豆の研究でも第一人者となるなど、間違い転じて福となしてきたノンフィクション作家が、間違う人生の面白さを楽しく伝える!!破天荒な生き方から得られた人生訓10箇条!<読む前の大使寸評>これこれ、高野さんの「間違う力」については、かねてより注目していたのです。rakuten間違う力『間違う力』5:コンゴで謎の怪獣を探してp37~40『間違う力』4:はじめにp3~6『間違う力』3:高野さんの戦略p168~172『間違う力』2:就職しないで生きる方法を探すp42~46 『間違う力』1:高野さんの輝かしい業績p211~213【謎のアジア納豆】高野秀行著、新潮社、2016年刊<「BOOK」データベース>より山奥のジャングルで出会った衝撃的納豆ご飯。ぱりぱりと割れるせんべい納豆。元・首狩り族の優雅な納豆会席。中国湖南省の納豆入り回鍋肉。そして日本で見つけてしまった「究極の納豆」。本気度1000パーセントのノンフィクション大作。壮大すぎる“納豆をめぐる冒険”<読む前の大使寸評>これまで高野さんの本を5冊ほど読んでいるが、どれも面白かった。この新刊も面白いはずである。<図書館予約:(6/11予約、10/08受取)>rakuten謎のアジア納豆【恋するソマリア】高野秀行著、集英社、2015年刊<「BOOK」データベース>より台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。<読む前の大使寸評>あれ?講談社ノンフィクション賞受賞作を集英社から刊行しているけど・・・そのあたりの仁義は、どうなっているんだろう?<図書館予約:(3/3予約済み)>rakuten恋するソマリア【世界の辺境とハードボイルド室町時代】高野秀行, 清水克行著、集英社、2015年刊<「BOOK」データベース>より人々の心の動きから法体系まで、こんなにも似ている社会が時空を超えて存在したとは!その驚きからノンフィクション作家と歴史家が世界の辺境と日本史を徹底比較。辺境を知れば日本史の謎が、日本史を知れば、辺境の謎が解けてきた…。【目次】第1章 かぶりすぎている室町社会とソマリ社会/第2章 未来に向かってバックせよ!/第3章 伊達政宗のイタい恋/第4章 独裁者は平和がお好き/第5章 異端のふたりにできること/第6章 むしろ特殊な現代日本<読む前の大使寸評>これまで高野さんの本を3冊よんでいるが、どれも面白かった。この新刊も面白いはずである。<図書館予約:(3/28予約、6/16受取)>rakuten世界の辺境とハードボイルド室町時代『世界の辺境とハードボイルド室町時代』3byドングリ【青春と読書:2月号 】雑誌、集英社、2015年刊<目次>より【巻頭インタビュー】高野秀行謎めいた“絶世の美女(ソマリ人)”の日常に迫る【特集 第38回すばる文学賞対談】Part1 堀江敏幸×足立 陽 人類学から小説までの近くて遠い道のりPart2 江國香織×上村亮平 旅するように本を読む、小説を書く【インタビュー】新ライト文芸レーベル「集英社オレンジ文庫」創刊!<大使寸評>この月刊誌はノンフィクション関連の紹介が充実している。「集英社オレンジ文庫」という文庫を今月20日に創刊したんだそうで・・・集英社はエンタメに注力して棲み分けを計るようです。shueisha青春と読書:2月号【移民の宴】高野秀行著、講談社、2012年刊<「BOOK」データベース>より突撃、隣の外国人の食卓。日本初の比較“ごはん”文化論的ルポ。【目次】成田のタイ寺院ーThailand/イラン人のベリーダンサーーIran/震災下の在日外国人/南三陸町のフィリピン女性ーPhilippines/神楽坂のフランス人ーFrance/中華学校のお弁当ーTaiwan/群馬県館林市のモスクーMuslim/鶴見の沖縄系ブラジル人ーBrazil/西葛西のインド人ーIndia/ロシアン・クリスマスの誘惑ーRussia/朝鮮族中国人の手作りキムチーKorean Chinese/震災直後に生まれたスーダン人の女の子、満1歳のお誕生日会ーSudan <読む前の大使寸評>「比較ごはん文化論的ルポ」という切り口が、いかにも高野秀行やでぇ♪rakuten移民の宴【謎の独立国家ソマリランド】高野秀行著、本の雑誌社、2013年刊<カスタマーレビュー>よりルポルタージュといってもいいし、探検記といってもよい。冒険・政治経済・安全保障・国際問題・民族問題・海賊問題などさまざまなテーマが詰め込まれ、500ページほどの本がすいすい読める。<大使寸評>高野さんは、エミレーツ航空の飛び立つ直前に、在日ソマリランド人を訪ねて現地でのツテを教えてもらったが、ここに高野氏の嗅覚と幸運が表れていると思うのです。死と隣り合わせの取材を楽しんでいるようだが・・・伊達に探検部に籍を置いていたわけでもないようですね♪この本は文化人類学の薀蓄もはさみながら、かなりスピーディに展開していくが・・・高野さんのやや楽天的な人柄が表れていて、ええでぇ♪<図書館予約順番:33(9/02予約、11/6受取)>Amazon謎の独立国家ソマリランド謎の独立国家ソマリランドbyドングリ【世にも奇妙なマラソン大会】高野秀行著、本の雑誌社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサハラ砂漠でマラソン!?ある深夜、ネットでサハラ・マラソンなるサイトを見つけた著者。酔った勢いで主催者に参加希望のメールを送ったところ、あっさりと参加を認める返信がきた。開催まではたった二週間あまり。15キロ以上は走ったこともないランニング初心者の闘いがいま始まる―。表題作のほか、「謎のペルシア商人」など著者の“間違う力”が炸裂する超絶ノンフィクション作品集。<読む前の大使寸評>探検部で鍛えた著者の破天荒なパーソナリティが、ええでぇ♪Amazon世にも奇妙なマラソン大会【怪獣記】高野秀行著、講談社、2007年刊<出版社>より怪獣ジャナワールを探す著者を次々と襲う怪しい現象・事件…。そして湖に浮かぶ謎の黒い物体。未知動物・UMAを追って世界騒然!驚きの怪獣探索ノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/03予約、副本1、予約0)>rakuten怪獣記【アジア新聞屋台村】高野秀行著、集英社、2006年刊<「MARC」データベース>よりワセダ三畳間にくすぶっていたタカノ青年、突然、新聞社の編集顧問に迎えられて…本邦初!自伝仕立て“多国籍風”青春記。<読む前の大使寸評>高野秀行さんの本は絶対に外れはないはずである♪・・・大使が断言します。rakutenアジア新聞屋台村アジア新聞屋台村byドングリ*******************************************************************『青春と読書:2月号』の巻頭インタビューが、ネットで読めるので、覗いてみたのです。謎めいた“絶世の美女(ソマリ人)”の日常に迫るより アフリカ大陸東端、通称「アフリカの角」に位置するソマリア(ソマリ世界)。20年以上無政府状態が続き、武装勢力や海賊が跋扈する危険エリアに飛び込んだ高野さんは、謎の宝庫・ソマリアに魅せられ、恋い焦がれ、秘境へと分け入っていきます。 台所から戦場まで──誰も知らなかったソマリ人の日常を命がけで見てきた見聞録『恋するソマリア』の刊行を機に、お話を伺いました。<海賊や内戦よりも謎のベールに包まれたもの>Q:「現代における数少ない『秘境』」であるソマリ世界。こんな世界があったのかと驚きました。 ソマリ世界って、玉ねぎみたいなんです。一皮剥くと、新たな皮が現れる。面白いことが次々と出てくるから、剥くのをやめられない。僕がソマリ世界に初めて足を踏み入れたのは2009年です。20年以上、無政府状態が続くソマリアに、民主主義を達成した「ソマリランド」という国があると知って半信半疑で旅立ちました。行ってみると果たして、ソマリランドは実在していた。それも、アフリカやアジアの平均以上の平和と安定を享受していたんです。これは凄いとびっくりして、独立の謎を解き明かしたのが、2013年に出した『謎の独立国家ソマリランド』です。Q:かつてのソマリアは現在、「ソマリランド」と、海賊が猛威をふるう「プントランド」と、イスラム過激派アル・シャバーブと暫定政府軍の戦闘が続く「南部ソマリア」の三地域に分かれているんですね。 先の本で書いたのは主にソマリランドについてで、他の地域、とりわけ南部ソマリアの風景を見ていないという思いがありました。それから取材ってどうしても、社会の構造や仕組みといった大枠を捉えるところから入るんです。で、その次は、中に入っていきたくなるんですね。今回の本ではソマリ人の日常や素の姿を書きたいと思いました。実はこの二つは、資料や情報がほとんどないんです。ある意味でソマリアの内戦や海賊よりも謎のベールに包まれている。ちなみにこの本は前作の続編ではないので、どちらからでも面白く読めると思います。Q:そうしてソマリ人のベールを剥ごうと迫る高野さん。ですが、一筋縄ではいきません。ソマリ人を美女にたとえ、彼女に「認められたい」と希(こいねが)う高野さんの「片想い」が、切なくもユーモラスに綴られています。 ソマリ人は僕にとって手の届かない絶世の美女であり、巨大な敵のような存在です。元来遊牧民の彼らの行動は「超速」で、目の前にあることにしか興味を持たない。誇り高い反面、冷徹なリアリストでもある。世の中を動かすのは所詮カネと武力であると理解していて、一冊や二冊の本が大勢に影響を及ぼすなどとゆめゆめ思っていないから、取材してもつれない。ただ、非常に論理的なので、一見、不可解な行動であっても、彼らなりの一貫した論理に基づいていることがわかってきました。Q:徐々に懐に入って、見えてきたんですね。 そうです。ソマリ人に限らず、相手の懐に入るために大事なのは一緒に何かをすることです。話を聞いているだけでは距離が縮まらないんですね。一番いいのは仕事。仕事って、綺麗ごとでは済まない局面が多々あるし、目的のために必然的に協力せざるをえない。丁々発止とやり合うことで見えてくるもの、築ける関係があります。(中略)<「生きていてよかったです」>Q:高野さんが見たいと望んでいた南部ソマリア取材も、ついに実現します。南部ソマリアの首都モガディショの美人ジャーナリスト、ハムディさんの計らいで、知事や国会議員らの停戦交渉ツアーに同行することになったんですね。修学旅行のような和気藹々とした旅はしかし、命がけの旅となります。あの戦闘シーンには言葉を失いました……。 生きていてよかったです(笑)。僕はこれまでに、辺境や秘境含めて色んなところへ行っていますが、危険度で言えば一番だったでしょうね。 あのときは現実離れしていて、実感が湧かなかったので、恐怖もそれほど感じなかったんですよ。弾は飛んでくるんだけど敵は見えないし、状況が全くわからない。敵の姿を目の当りにしたら怖かったかもしれませんけど。ただ、その後しばらくは眠れなかったですね。うとうとするとあの場面がフラッシュバックするんです。辛かったですね。Q:危険な場所はこりごり、とは思われませんか。 それは思わないです。今回は運が悪かっただけだ、次は大丈夫だろうって。Q:そう思うのは作家としての業(ごう)なのでしょうか? いえ、性格でしょう。忘れちゃうんですよ、僕は。もちろん書くときには思い出すんだけど、書くときに撃たれているわけではありませんしね。
2023.02.19
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図書館で『もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた』という本を、手にしたのです。 猫たちもさることながら、飼い主の人気作家たちが角田光代、村山由佳、養老孟司となかなかのメンバーなので・・・チョイスしたのです。【もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた】角田光代, 吉田修一著、河出書房新社、2019年刊<「BOOK」データベース>より6人の人気作家と個性あふれる愛猫たちの日常。125点の写真+インタビュー+番組書き下ろし作品収録!!<読む前の大使寸評>猫たちもさることながら、飼い主の人気作家たちが角田光代、村山由佳、養老孟司となかなかのメンバーなので・・・チョイスしたのです。rakutenもの書く人のかたわらには、いつも猫がいた養老孟司さんに寄り添った故“まる”から、見てみましょうp132~133<猫ブームを牽引する“まる”>Q:猫ブームですが、先生は猫歴が長いですね。 子どもの頃から家に猫がいたね。小さい頃の自分の写真も、仔猫を抱いて写っているし。姉が猫好きだったんだけど、世話はもっぱら私が押しつけられていた(笑)。今の家に住んでからは、まるが二代目。先代はチロっていうメスの白猫で、獣医さんからもらったんですよ。 面白い猫でね、台所でカニを盗み食いしてたこともあったし、夜中に内線電話をかけてきたこともあった。偶然踏んづけたんだろうけど、あれはびっくりしたな。「もしもし」って受話器をとったら、「にゃ~ん」って聞こえるんだもの。 そのチロが十八歳で亡くなってね。やっぱり猫がいないのは寂しいってことで、娘が奈良のブリーダーでまるを見つけてスカウトしてきた。スコチッシュフォールドのオスで、我が家初の洋猫なんですよ。 私は「まる」と呼んでるけど、娘は「まぁくん」と呼んでいる。性格は鈍いほうだね。生後2ヶ月くらいでうちに来たんだけど、庭にいるリスめがけて突進して、ガラス戸にいやというほどぶつかったこともあった。 我が家は人の出入りが多いから、まるも慣れたものであまり人見知りはいないんだけれど、撮影の時なんかは警戒して逃げちゃったりすることもある。逆に、全く動かなくて絵にならないこともある。Q:写真集や単行本、DVDまで出ている人気者です。 スコチッシュフォールド特有の「スコ座り」ってあるでしょう。うちでは「どすこい座り」っていうんだけど、我が家に来た人が、そういう姿を見て、それで写真集を出すことになった。それでまあ、看板猫だから、有限会社養老研究所の営業部長という肩書きになったんですな。でも、まる本人はそんな自覚まったくない。食べるか遊ぶか寝ているか。経済性ゼロだよ、あいつ(笑)。 【養老孟司】日本人の皆さん、とにかくこの話を聞いて下さい。がお薦めです。
2023.02.19
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・生産性の高い社会のゆくすえ・ウクライナ危機と反抗・「生きづらさについて考える」単行本あとがき・「街場の米中論」まえがき・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)(その53):『生産性の高い社会のゆくすえ』を追記2023-02-15生産性の高い社会のゆくすえより 若い経済学者が高齢化について「唯一の解決策ははっきりしている」として、「高齢者の集団自決」を提言したことが話題になっている。「人間は引き際が重要だと思う」ということも、「過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる」ということも事実の適示としては間違っていない。でも、この人が「解決」と呼んでいるものは、やってもたぶん「解決」にはならないと思う。 似たようなロジックでかつてドイツは「ユダヤ人問題の最終的解決」を企てた。問題そのものをなくすことで問題が解決できると信じてホロコーストを始めたのである。だが、いくらユダヤ人を殺してもドイツの国運は向上しなかった。やむなく、「チャーチルもルーズベルトもスターリンも世界ユダヤ政府の走狗だ」と「ユダヤ人」概念を拡大解釈することで問題が解決しない理由を説明しようとした。それでも戦況はさらに悪化するばかりだった。最後は「政権の中枢にユダヤのエージェントがいて、政策を失敗に導いている」と言い出す者さえ出てきて体制が滅びた。 たぶんこの経済学者やそれに賛同する人たちもいずれ同じことを言い出すような気がする。「誤解している人が多いが、『高齢者』というのは生物学的概念ではなくて、社会的概念である。つまり私たちは日本をダメにしている人たちのことを年齢とは無関係に比喩的に『高齢者』と呼んのだ」と「高齢者」概念の拡大を図るのである。 でも、仮にそうやって「無能な人間」たちを社会から組織的に排除し、発言権を認めず、行政コストもかけない仕組みを作ったとしても、やはり日本の国運の衰退は止まらないだろう。そうなると次には「無能者の排除」を声高に主張している人たち自身のうちに「隠れ無能者」がいて、社会の停滞を引き起こしているのだと言い出す人が出てくるからだ。 でも、「社会的に有害無益なメンバー」の摘発と排除にどれほど資源を投じてもそれは価値を創り出すことにはならない。社是に「フリーライダーをゼロにすること」を掲げ、全社員がひたすら「働きのないやつ」の摘発と排除業務に励んでいる会社は遠からず売り上げがゼロになるのと同じことである。(AERA 1月26日)2022-12-29 ウクライナ危機と反抗より「誰かが『勝手なふるまい』をして、境界線を越えてその権利を拡張しようとする時、人がそれに抵抗するのは、『ものには限度がある』と感じるからである。その境界線をはさんで一つの権利と別の権利が向き合っており、互いを制限している。反抗の運動はそこでなされた許し難い侵犯行為に対する決然たる『否』と、反抗する人間の側の『自分はそうする権利がある』という曖昧な確信というよりは気分にもとづいている。」(『反抗的人間』) これは今のウクライナとロシアの関係を言っているようにも読める。でも、ここでカミュが書いているのは、領域侵犯行為に対して、人が反抗を選ぶのは、単に「もう我慢ならない」という感情に衝き動かされているだけではないということである。これを受け入れてしまうと、自分ひとりでは弁済し切れないほどのものを失うと感じた時に人は反抗を選ぶ。それがカミュの考えであった。 自分ひとりが屈辱に耐え、苦痛を甘受すれば済むことについてなら人は必ずしも「反抗」を選ばない。「私一人が苦しめばそれで済む」と思えるのなら、権利侵害を受け入れることは心理的にはそれほど難しくない。私ならそうするかも知れない。だから、人が死を賭しても「反抗」を選ぶのは、ここで権利侵害を受け入れたら、それによって失われるのはその人ひとりの権利や自由ではなくなると感じるからである。カミュはこう続けている。「人が死ぬことを受け入れ、時に反抗のうちで死ぬのは、それが自分個人の運命を超える『善きもの』のためだと信じているからである。人が自分が護っている権利を否定するくらいならむしろ死ぬ方を選ぶのは、その権利を自分自身より上に位置づけているからである。人がある価値の名において行動するのは、漠然としてはいても、その価値を万人と共有していると感じているからである。」 そうだと私も思う。だから、反抗的人間は孤独ではない。その反抗の戦いを通じて、潜在的には万人と結びついているからである。 ウクライナ市民たちの勇敢な戦いの動機を多くの人は「愛国心」によるものだと説明している。そのせいで「愛国心は有益だ(どの国の国民もこれくらい愛国心を持つべきだ)」と考えている人たちと「愛国心は有害だ(現に、そのせいでたくさんの人が死んだり傷ついたりしている)」と考えている人たちの意見が対立して、まったく対話が成り立たないでいる。 でも、私はカミュに倣って、ウクライナで戦っている人たちやあるいはロシア国内で投獄のリスクを冒しながら「反戦」を叫んでいる人たちは必ずしも「愛国心」からそうしているのではないと考えようと思う。おそらく彼らはそれよりもっと上位の価値のために戦っている。 愛国心のための行動と、それよりもっと上位の価値のための行動(万人のための行動)は、外見的にはよく似ている。ほとんど見分けがつかないほど似ることもある。 もしかすると行動している本人たち自身「あなたが『反抗』を選んだ動機はなんですか?」と訊かれたら「愛国心ゆえです」と答えるかも知れない。でも、それだけなら、いま世界中の人たちがこの問題をわが身に切迫したものとして感じていることの説明がつかない。2022-12-12 「生きづらさについて考える」単行本あとがきより 日本のベビーブームはご存じの「団塊の世代」、1947年から49年、戦争が終わってすぐに、どっと子どもが生まれました。年間260万人超えが3年続いたのです。 ドイツでも戦後にベビーブームが始まってそれが63年まで続きました。イタリアもドイツとほぼ同じで65年まで出生率は上がり続けました。戦後すぐは敗戦国でも、子どもたちはどんどん生まれた。まるで戦死者たちの分を取り返すような勢いで子どもが生まれた。 僕は1950年生まれ、「団塊の世代」の尻尾です。その時代の子どもの多さをよく覚えています。小学校の教室が足りなくて、最初のうちは「二部授業」をしていたくらいですから(午前と午後で入れ替え制だったんです)。 僕は東京の南西のはずれの工場街の中学校に通ってましたけれど、1クラス50人超で、僕の学年が8クラスでした。2つ上の学年は10クラスありました。とにかく子どもの数が多かった。 でも、どこも家は貧しかったんです。井戸水汲んで、たらいに水溜めて洗濯板で洗濯して、暖房は火鉢だけ。そういう「共和的な貧しさ」の中で、東京でも地域の共同体は助け合いながら、わりと機嫌よく暮らしていた。 機嫌がよかったのは、みんな貧しかったけれど、自由だったからです。長く戦争が続いた後に、ようやく平和が訪れた。もう兵隊にとられることもなくなったし、空襲もなくなったし、特高も憲兵隊も治安維持法も隣組もなくなった。1930年代から長く続いた重苦しい「戦争の時代」が終わった。もう戦争で死ぬ心配もなくなったし、もう強権で抑圧的な政治体制に怯える必要もなくなった。そのことにみんな心底「ほっとしていた」のです。 父親たちが酒を酌み交わしているときに、何かのはずみで戦争の話になったときに、「でも、敗けてよかったじゃないか」という言葉が口にされるのを僕は何度か聞いた覚えがあります。それは比較的穏やかな口調で語られ、そのフレーズが出ると、そこで戦争の話は終わりました。 小津安二郎の『秋刀魚の味』のことは本書の初めの方にも出てきますが、「敗けてよかったじゃないか」というのは戦後のある時期までは、戦中派の人たちにとってはずしんと腹にこたえるような説得力のあるフレーズだったのです。「敗けてよかった」というのは、戦争で死ぬ恐怖と、強権的な政府に弾圧される恐怖の二つの恐怖から解放されたということです。それが日本の若いインテリたちの偽らざる実感だった。 つまり、その時点では、日本の敗戦は決してトラウマ的な経験、屈辱的な経験としては受け止められていなかったということです。 敗けたおかげで自分は死なずに済んだ、自由で民主的な社会が実現した、言論の自由も集会結社の自由も、信教の自由も手に入れた。とにかくやっと手に入れたこの自由を思い切り享受しよう。「戦勝国に恵んでもらった自由なんかうれしがるな。押し付けられた憲法なんかありがたがるな」というような話をしている人はその時代の日本にはいませんでした。いたのかも知れないけれど、ほとんど声にならなかった。敗戦がうれしいくらいに戦争がつらかったと、内田先生は続けています。更に続けて・・・ どの敗戦国でも、ある時期までは「敗けてよかった」という実感が支配的であった。人々は貧しいけれど明るく、日々はつらいけれど明日に希望があった。だから、子どもが生まれた。でも、ある時期から「つらいけれど、倫理的な責務に耐えるべきだ」派と「うるせえな。倫理なんて知らねえよ。俺は絶対謝らないからな」派に国民が二分された。日本における左翼リベラルと右派ネトウヨの分断はまさにその通りのものですが、ドイツでも、イタリアでも、ほとんど同じような国民分断が起きていると思います。どちらの道を行くにせよ、「笑顔がなくなる」ことだけは一緒です。以降の全文は内田先生かく語りき38による。
2023.02.18
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「ずらり17本、米国の下院で審議が始まった反中国法案の中身」というネット記事が出たので紹介します。 スパイ気球に関する中国政府の報道官の猛々しい言い草には、科学的な論旨がなく・・・アメリカ側が怒るのもわかるが、17本の反中国法案とはね。ずらり17本、米国の下院で審議が始まった反中国法案の中身よりマイク・ロジャース委員長■軍事委、財務委とも対中強硬派委員長 中国のスパイ気球による米国領空侵犯が米議会の反中国審議に火をつけた。 中間選挙で下院を制覇した下院共和党が選挙公約でもあった対中国強硬路線を前面に押し出した。 下院軍事委員会(マイク・ロジャース委員長)と財務委員会(パトリック・マクヘンリー委員長)が2月7日、中国に関する聴聞会を同時に開催した。 前会期からの積み残し法案を含め、反中国法案は財務委員会だけで17本もある。 聴聞会は事前に予定されていたとはいえ、中国スパイ気球による米国領空侵犯が米メディアを騒がしたこともあって反中派議員にとっては「渡りに船」だった。 下院軍事委員会・聴聞会の冒頭、ロジャース委員長は次のように述べた。「ジョー・バイデン政権は先週、中国共産党のスパイ気球が米国の最も重要な軍事施設の一部を横切ることを許した」「これにより中国のスパイ活動がすべての米国人の目に完全に明らかになった。気球が現れたのは計算された武力示威であることに間違いない」「米国が直面している中国の脅威に対して、われわれはお人よしな対応をしてはならない。米国に時間的余裕はない。この脅威を跳ね除ける手段は今行動することだ」「聴聞会名には『China』(中国)ではなく『Chinese Communist Party』(中国共産党)の脅威としたところに一党独裁の中国共産党を目の敵にする共和党の対中認識が色濃く出ている」(主要メディアのベテラン政治記者)■中国は文化的、経済的、政治的、軍事的脅威 証人として、第7艦隊司令官を経て在韓米大使を務めたハリー・ハリス退役海軍大将(日系)、ロバート・オブライアン元国家安全保障担当補佐官、タルボット安全保障戦略技術研究所のメラニー・シソン上級研究員(元ランド研究所上級研究員)ら軍事専門家が証言に立った。 ハリス氏は「中国は競争者ではなく敵(Adversary)だ」と言い切り、こう指摘した。「中国は、超音速を含むミサイル・システム、第5世代戦闘機、空母、AI(人工知能)を含む先端軍事技術、宇宙・サイバー軍事力など多方面にわたり劇的な進歩を遂げている」「中国の狙いはただ単に東アジアにおける覇権だけではなく、より広いアジア、そして世界制覇だ」
2023.02.18
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図書館に予約していた『“正しい”を疑え!』という本を、待つこと2ヶ月ほどでゲットしたのです。 他人がのたまう“正しさ”を自分に照らして疑うことは、まあ大事なことなので・・・真山仁さんはどのように述べているのか見てみようと思うのです。 【“正しい”を疑え!】真山仁著、岩波書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えは絶対に正しい」と自分の意見を押し付ける人、他人の意見に安易に流される人…。不安と不信が蔓延する社会において私達はいったい何を拠り所にすればよいのか?作家・真山仁から困難な時代を生きる人々へ魂のメッセージ。自分を信じて自分らしく生きるためのヒント。<読む前の大使寸評>他人がのたまう“正しさ”を自分に照らして疑うことは、まあ大事なことなので・・・真山仁さんはどのように述べているのか見てみようと思うのです。<図書館予約:(12/22予約、副本6、予約8)>heibonsha“正しい”を疑え!「2章 SNSに影響されすぎてない?」から、見てみましょう。p23~26<同じ価値観とつながる> SNSから逃れられないのには、わけがあるはずです。 一つには、自分と同じような考え方をしている人とつながって安心できるからです。 たとえば、「原発が怖い、全部なくしてほしい!」というような思いは、なかなか人前では吐き出せません。 ところがSNSでは、似た考え方の人が見つかります。そういう「仲間」がいる、不安や不満を抱いているのは自分だけじゃないとわかれば、安心できるわけです。 種々の理由から、不安と孤独を抱える人が増えています。 他人と折り合えない。自分はずっと浮いている・・・。そんな不安を抱いているときに、似た考え方を持つ人がいるとわかったら、とても心強いでしょう。 孤独感がやわらぎ、「おかしいのは、自分ではなく社会のほうなのでは」と考えるようになるかもしれません。 その結果、自分が否定される恐怖は薄れ、やがて、「自分のほうが正しい」という確信に変わっていきます。 そうなると、今まで生きづらいと思っていた状況が違って見えてきます。 だとすればSNSは、精神安定剤的な効果を及ぼすツールだと言えるかもしれません。<「許せない!」という感情> でも、この「自分のほうが正しい」と言いたくなる感情は曲者です。 いつの間にか、その人にとって大切な揺るぎない信念になり、その“正しさ”を知らない人に、これが本当に“正しい”ことなんだと、教えたくなるからです。 まあ、そこまではいいとしましょう。 その意見を聞いて、相手が考えを改めるかもしれませんから。 ところが、「それは、おかしくないか」とか「おまえの考え方間違ってるよ」などと反論されると、猛烈に腹が立ちます。そして、相手を軽蔑したり、ブロックしたり、絶交したり、烈しい反応をしかねません。 自分は相手のためを思って「本当に正しいこと」を教えてあげたのに、それを否定するためだけでなく、非難するとか、ありえない、絶対に許せない!というふうにです。 人生において、自分が考える“正しさ”に則って行動するのは、問題ないと思います。しかしながら、自分の“正しい”を振りかざしたり、その“正しさ”から逸脱する人を「許せない!」と激しく非難したりする人が増えています。 ある人の行動が自分に深刻な迷惑を及ぼさない限り、他人のことは放っておけばいい。なのに、会ったこともない人をSNSなどで激しく攻撃する例が、後を絶ちません。 (中略) 著名人の結婚報道でも、それを「許せない」人と「おめでとう!」と祝福する人が、SNS上で戦っていたりします。 他人が口を挟むことではないし、好きにさせてあげればと思うんですが、そうはいかないようです。
2023.02.17
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図書館で『にっぽんツバメ紀行』という本を、手にしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、普段目近で見ることのない生態のクローズアップ写真が満載となっていて・・・即チョイスしたのです。【にっぽんツバメ紀行】宮本桂著、カンゼン、2022年刊<出版社>より春の訪れとともに人家近くに姿を現すツバメ。農作物を食したりする虫を捕らえる益鳥、軒先などで子育てをすることから福をもたらす縁起のいい鳥、といったイメージは時代により変化しつつも、日本各地で会える最も身近な渡り鳥として、古来愛されてきました。そんなツバメたちの世界を、写真家の宮本桂さんによる写真群で紹介した『にっぽんツバメ便りーツバメが来た日』。幅広い層の読者の方に親しんでいただいた同書に続くツバメビジュアルガイドブック第2弾をお届けします。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、普段目近で見ることのない生態のクローズアップ写真が満載となっていて・・・即チョイスしたのです。rakutenにっぽんツバメ紀行ツバメの「渡り」研究について、見てみましょうp68~70<「渡り」研究の最新事情:長谷川克> ひとくちに「渡り」の研究といっても、いろいろです。「どこに渡っていくのか」「どういったルートを使うのか」「いつ渡っていくのか」等々、多岐にわたります。足環を利用した従来の渡り研究にはどうしても限界がありましたが、近年では鳥に付けられるジオロケーターなどの小型デバイス(最軽量はなんと0.3g!)の技術革新も進んでいます。 これによって、従来の渡り研究の基本だった「どこに渡っていくのか」という疑問だけでなく、「どういったルートを使うのか」「いつ渡っていくのか」といった、単に始点と終点を知るだけではない「時系列」の情報がツバメのような小鳥からも得られるようになってきました。越冬地でツバメをわざわざ捕獲したり、標識(足環)をチェックしたりしなくとも、最新デバイスから得られる情報を活用することで、繁殖地にいながらにして渡りの全行程を追えるようになってきたわけです。 例えば、越冬地への向かうときと繁殖地へ戻るときで全く違うルートを採用するツバメがいることや、繁殖地の気象条件が悪化したときにちょうどツバメが渡りを開始するといった報告もジオロケーターを使ったからこそ得られた知見です。 「目視でも頑張ればわかるんじゃないか」と思う方もおられるかもしれませんが、ツバメのような素早い小鳥は容易に見失ってしまいますので、こうした機器なしでこれらの情報を得ることはほぼ不可能です(おまけに、ツバメは足が短いので、双眼鏡を使った足環チェックだけでもなかなか大変です)。 ジオロケーターなどから得られる情報に加えて、渡りの中継地や越冬地で羽毛に取り込まれた元素情報などを繁殖地で読み取ることもできます。これによって緯度経度情報だけでなく、どういった環境を利用しているのか、現地での栄養状態、降水量、金属汚染、陸地由来の餌で暮らしているのか、(カゲロウやカワゲラといった)水域由来の餌で暮らしているのか、といった中継地や越冬地の細かな様子まで明らかになりつつあります。 複数の手法を組み合わせることで渡りを調べる手段も多角的になり、一度にたくさんの情報を得ることが可能になったといえます。結果として、新しい手法がひとつ登場するだけで生物の理解が飛躍的に進む状況になりました。日々新しい手法が登場し、また手法が改善されていく現代は、毎日のようにツバメの新しい側面が解明されていくという、とても楽しくラッキーな時代といっていいと思います。 こうした研究はツバメという生物の渡り行動(あるいは越冬地情報)そのものを知りたいという、移動パターン自体への好奇心から開始されるのです。細菌はそうした渡り行動が生物の生態や進化にどういった影響を与えるのかといった、学問領域横断的な研究に行こうしつつあります(学際的な研究ともいいます)。 例えば2019年には、ユーラシア大陸のツバメを広く扱って渡りとの関係を調べることで、渡り時にヒマラヤ山脈を西に迂回するか、東に迂回するかというルートの違いが西と東のツバメの形態差や遺伝的差異をもたらしていることが報告されました。繁殖地だけを見ると、ユーラシア大陸は地続きで、西のツバメと東のツバメの間に障壁があるようには見えません。でも、渡りのルートがヒマラヤの西迂回経路と東迂回経路で分かれてしまうことで、必然的に両者が繁殖できる場所も分かれてくることになります。 これは、渡りが同一集団の分岐(ひいては1種から2種へと分かれる「種分化」と呼ばれる現象)をもたらす核心的なイベントであることを裏付ける報告です。高精度の調査手法の発展に伴い、これまで夢物語でしかなかった進化生態学的な地球規模のイベントも実証できる時代になったということです。『にっぽんツバメ紀行』1:ツバメ基本の“き”
2023.02.17
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図書館で『にっぽんツバメ紀行』という本を、手にしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、普段目近で見ることのない生態のクローズアップ写真が満載となっていて・・・即チョイスしたのです。【にっぽんツバメ紀行】宮本桂著、カンゼン、2022年刊<出版社>より春の訪れとともに人家近くに姿を現すツバメ。農作物を食したりする虫を捕らえる益鳥、軒先などで子育てをすることから福をもたらす縁起のいい鳥、といったイメージは時代により変化しつつも、日本各地で会える最も身近な渡り鳥として、古来愛されてきました。そんなツバメたちの世界を、写真家の宮本桂さんによる写真群で紹介した『にっぽんツバメ便りーツバメが来た日』。幅広い層の読者の方に親しんでいただいた同書に続くツバメビジュアルガイドブック第2弾をお届けします。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、普段目近で見ることのない生態のクローズアップ写真が満載となっていて・・・即チョイスしたのです。rakutenにっぽんツバメ紀行「PART1 ツバメ基本の“き”」から、見てみましょうp16~17<最大の特徴‐「渡り鳥」> ツバメが雛たちのために採餌に励む姿がよく目撃されるようになる4月。彼らはそれよりかなり早い時期に、越冬していた東南アジアを離れ、繁殖地である日本にやってきます。 なかでもまだ寒さの残る早い時期に来る第一陣は、体が丈夫で優秀な個体といわれています。恒温動物の鳥類は気温が低いと体温を保つため特にエネルギーを大量に消費します。つまり、寒い時期に巧みにエネルギー補給しながら数千キロの過酷な「渡り」に耐えられたこと自体が優秀さの証明になっているわけです。 繁殖地を早く訪れるメリットは複数あります。まず、子育てに有利な営巣場所を確保でき、パートナーを見つけやすくなること。また、子育てを早くスタートすることで、一番子のひとり立ち後、餌となる虫が減少する季節が来る前に二番子の子育てにもチャレンジできます。 ツバメの寿命は成長になってから1年半ほどの短さともいわれます。多くのツバメの繁殖のチャンスは生まれた翌年にかかっているのです。その貴重な機会に二番子まで育てるということが自らのDNAを残すためにどれだけ価値のあることか。そもそも生存上のリスクを背負ってまで渡りをするのは、餌の豊富さなどの繁殖上の利点のためと考えられています。繁殖を重視するツバメの立場で考えると、できるだけ早期に渡りに挑もうとするのもわかるような気がします。 とはいえ、早く到着できないツバメも当然出てきます。その理由としては、出発が遅かったから、越冬地が遠かったから、一度到着した場所からさらに移動してきたから、等々。ただ、遅くとも6月くらいまでに繁殖地に着けば、子育てできる可能性はあります。 なお、足環を使った調査から、親鳥は毎年同じ地域に帰る傾向があることがわかっています。<ツバメのそのほかの生態> ツバメはほとんどの場合、一夫一妻で雛を育てます。しかし渡りを行うためか死亡率は高く、多くのペアは次の年も同じ相手と繁殖を行うことはかなわないようです。 とにもかくにも、ペアになった二羽は営巣をスタート。オスが見繕った場所に巣材の泥を運んでワラなどを混ぜ込みながら協力して巣を作っていきます。 巣の完成後の理想の流れとしては交尾→産卵→抱卵→孵化で、抱卵など巣内の世話は主にメスが担います。そして雛が誕生すると、親鳥たちは採餌に大忙し。春先によく目にするのはこうした親鳥の姿です。 ツバメの主食は、ガ、ウンカ、ユスリカ、カゲロウ、シロアリ(羽アリ)、ハエ、ハチ、アブ、トンボなどの昆虫です。同じく虫を食す他の鳥がとまったり歩いたりしながら植物などについた虫を探すことが多いのに対し、ツバメは長く大きな両翼を広げ、田んぼや畑、草地、林、水路や小川、池などの上を滑空しながら飛んでいる虫を捕えます。 飛び続けていると体力の消耗が激しそうですが、ツバメは滑空や慣性飛行を挟むことで体力を節約し、長時間の飛行を可能としているのです。また、ツバメは水飲みも水浴びも飛びながら行いますが、これもかなり特徴的な生態です。この本ではツバメの容姿がたくさん見られるが、くりっとした眼とぐっと締めた口が凛々しいし(ややすっとんきょうだが)、翼や尾羽の美しさが・・・私のツボに響くわけです。以前に読んだ第1弾『にっぽんツバメ便り』を紹介します。【にっぽんツバメ便り】宮本桂×ポンプラボ著、カンゼン、2018年刊<出版社>より日本に春を告げるいちばん身近な渡り鳥「ツバメ」身近だけど、意外と知らないツバメのかわいい姿と生態を紹介!意外とまじまじと見ることのできないツバメの姿を多彩な写真で紹介。<読む前の大使寸評>全ペ-ジにわたってカラー写真満載のビジュアル版で・・・ええでぇ♪rakutenにっぽんツバメ便り『にっぽんツバメ便り』3:ツバメとのつき合い方
2023.02.16
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図書館で『食文化からイギリスを知るための55章』という本を、手にしたのです。 NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。【食文化からイギリスを知るための55章】 石原孝哉, 市川仁著、明石書店、2023年刊<「BOOK」データベース>よりもっと知りたい、世界のこと。国や地域を理解するには、まずこのシリーズから。政治・経済・社会・歴史・文化を網羅した“入門書”。<読む前の大使寸評> NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。rakuten食文化からイギリスを知るための55章逆説的ではあるが「V 本当はおいしいイギリス料理」から、見てみましょうp224~228<フィッシュ・アンド・チップス> イギリス料理は一般的に「おいしくない」とか「まずい」とよく言われる。川北捻氏は、娯楽と料理などのぜいたくを禁じたクロムウェル時代に続いて、産業革命により都市に人口が集中しはじめ、商業化された食生活の環境となり、自給や家庭で作っていたなども購入することで済ませる生活の商業化が進んできたことを一つの理由として上げている。■フィッシュ・アンド・チップスのルーツをたどる イギリスの国民食とも言えるフィッシュ・アンド・チップスも産業革命がひとつの基点となっているが、その原点は一体何処にあるのだろうか。フィッシュ・アンド・チップスは文字通り「魚とチップス」である。 とはいえ、魚なら何でもいいというわけではない。魚はタラ、タラの一種のハドック、カレイの一種のプレイスがイギリスでは用いられている。魚はギリシャ・ローマ時代から油で揚げ、月桂樹の葉、香辛料、塩などをまぶすなどの保存方法があった。 新世界の発見により北大西洋産の安価なタラが入手できるようになったが、保存するためには干物にする必要があり、塩が重要であった。しかしフィッシュ・アンド・チップスが普及した背景には鮮魚が手に入りやすくなったという事実が重要である。産業革命により、19世紀中頃には蒸気トロール漁船の導入、1850年頃までにはイギリス国内の鉄道網が完成していたこと、氷の利用により冷凍保存が可能となり、ロンドンを越える地域に普及していったのである。 魚食の習慣は本来カトリックの肉食禁止令が原点だが、エリザベス朝になってウィリアム・セシルの政策によってさらに強化されたことは既に述べた。パニコス・パナイーは『フィッシュ・アンド・チップスの歴史』のなかで、その後王政復古後の1960年代になって再び週三日の肉食禁止令が出され、その延長線上で魚食は国民に受け入れられるようになった点に着目している。(中略) フィッシュ・アンド・チップスのもうひとつの食材、ジャガイモについても見ておきたい。ジャガイモはもともとアメリカ大陸からヨーロッパに伝わり、1580年代にはイングランドに伝播し、普及に時を要したが、1940年頃までにはすっかりイギリス人の生活に馴染みの食材になっていた。 イギリス人の食文化を代表する紅茶もジャガイモも外来のものであった。紅茶は王室から庶民に広まったが上品なもの、一方、ジャガイモは労働者を支えた食べ物という印象がある。ジャガイモはゆでる、オーブンで焼くという調理法が主であるが、もうひとつ油で揚げる方法もある。 フィッシュ・アンド・チップスではジャガイモの調理法はもちろんであるが、チップスの形状も気になるところだ。日本ではチップスと言えば、薄切りのジャガイモを油で揚げたサクサクのポテトチップスのことを言う。しかし、イギリスでは棒状のフライドポテトをチップスと呼ぶ。アメリカならフレンチフライズとなる。 林望『イギリスはおいしい』もフィッシュ・アンド・チップスを取り上げているが、チップスについて「これこそがイギリス人の国民的食品と言って差し支えない」と述べている。(中略)『イギリスの生活と文化事典』には、イギリスで生まれて大衆的な食品になったのはフィッシュ・アンド・チップスしかないだろうと述べられている。またパナイーも、フィッシュ・アンド・チップスは産業革命とともに労働者に定着し、庶民に開かれた最初の外食産業となり、今やローストビーフを押しのけて、イギリス人のナショナル・アイデンティティとなっている、と述べている。 さらに1950年代、60年代になって外来のイタリア料理、インド料理、中国料理などの異国の料理がレストランに溢れるようになると、フィッシュ・アンド・チップスは数少ないイギリスの伝統的な国民食の代表となっていった。ウーム フィッシュ・アンド・チップスはイギリス人のナショナル・アイデンティティってか・・・まったく身も蓋もない冷厳なご宣託ではあるなぁ。これでは「レイチェルのイギリス料理」を国民的な番組として後押しする必要がありますね。
2023.02.16
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・食文化からイギリスを知るための55章・宇宙はなぜ美しいのか・“正しい”を疑え!・にっぽんツバメ紀行<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【食文化からイギリスを知るための55章】 石原孝哉, 市川仁著、明石書店、2023年刊<「BOOK」データベース>よりもっと知りたい、世界のこと。国や地域を理解するには、まずこのシリーズから。政治・経済・社会・歴史・文化を網羅した“入門書”。<読む前の大使寸評> NHK番組「レイチェル」でロンドン料理が紹介されていたが・・・これが思いの他おいしそうだったので、この本を借りたのです。rakuten食文化からイギリスを知るための55章【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【“正しい”を疑え!】真山仁著、岩波書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えは絶対に正しい」と自分の意見を押し付ける人、他人の意見に安易に流される人…。不安と不信が蔓延する社会において私達はいったい何を拠り所にすればよいのか?作家・真山仁から困難な時代を生きる人々へ魂のメッセージ。自分を信じて自分らしく生きるためのヒント。<読む前の大使寸評>他人がのたまう“正しさ”を自分に照らして疑うことは、まあ大事なことなので・・・真山仁さんはどのように述べているのか見てみようと思うのです。<図書館予約:(12/22予約、副本6、予約8)>heibonsha“正しい”を疑え!【にっぽんツバメ紀行】宮本桂著、カンゼン、2022年刊<出版社>より春の訪れとともに人家近くに姿を現すツバメ。農作物を食したりする虫を捕らえる益鳥、軒先などで子育てをすることから福をもたらす縁起のいい鳥、といったイメージは時代により変化しつつも、日本各地で会える最も身近な渡り鳥として、古来愛されてきました。そんなツバメたちの世界を、写真家の宮本桂さんによる写真群で紹介した『にっぽんツバメ便りーツバメが来た日』。幅広い層の読者の方に親しんでいただいた同書に続くツバメビジュアルガイドブック第2弾をお届けします。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、普段目近で見ることのない生態のクローズアップ写真が満載となっていて・・・即チョイスしたのです。rakutenにっぽんツバメ紀行図書館大好き579
2023.02.15
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日本の国産基幹ロケット「H3」の打ち上げが2月17日に予定されています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月15日に予定していたH3ロケット試験機1号機の打ち上げ日を2月17日に変更したことを発表した、とのことです。・・・ということで、ネット情報を探してみました。*********************************************************** ついに初打ち上げ、日本の国産基幹ロケット「H3」より■H3ロケットをひたすら待っていたチーム 宇宙航空研究開発機構(JAXA)がプロデュースし、三菱重工など民間企業が開発に取り組んできた国産第3世代の強大H3ロケット1号機は、当初、2020年度中の打ち上げ予定だったが、「やっと、やっと」3年遅れの2022年度末ぎりぎりの、2月17日に種子島宇宙センターでの初打ち上げにこぎつけた。 H3ロケット1号機は「試験機」ではあるが、質量約3トンの大型衛星を搭載し、高度669km(太陽同期準回帰軌道)へと運ぶ。その初荷は「だいち3号」だ。 「だいち(ALOS)」は2006年に1号機が打ち上げた陸域観測技術衛星で、全世界の2万5000分の1の地図も作成した実績をもつ。アフリカなど地図が整備されていなかった地域の貢献ははかりしれない。 災害の状況把握などいわば地球のあらゆる状態を精密に知るインフラとしても欠かせない役割を担ってきた。3種の高機能センサーを搭載しており、そのひとつ、高性能の合成開口レーダー「PALSAR」は雲で覆われた、あるいは夜間でも地表の姿を捉えることができるからだ。 2009年9月、私はロシアやブラジル各地で外務省による環境に関する講演ツアーを行ったが、ブラジルのアマゾンにあるパラー州立農牧大学の講演会場の内外にはこの講演に合わせて「だいち」によるアマゾンの森林画像が多く展示されており驚いた。ブラジル・アマゾンではで、森林の違法伐採の監視に「だいち」の観測画像が大きな役割を担っており、関係者から感謝の言葉を受けた。 2011年3月の東日本大震災でも津波などによる被災状況を把握する多くの画像データを国や自治体に提供した。だが残念なことに災害発生から約1ヶ月後、「だいち」は電力異常が発生、5月12日に運用を終了せざるを得なかった。東日本大震災という経験したことのない巨大災害の直後の運用停止に、「だいち」のプロジェクトを担ってきたJAXAの担当者が見せた悔しさの表情が忘れられない。 後継機「だいち2号」がH-IIAロケット24号機で打ち上げられたのは2014年5月だった。つまり、「だいち2号」が打ち上げられるまで、約3年間にわたり「だいち」のデータ収集は途絶えていたのだ。こういう空白期間がないよう、「だいち3号」は「だいち2号」の5年という設計寿命(目標は7年)に達しないうちの打ち上げることにして準備が進んでいたが、「だいち2号」の設計寿命は2022年なのだ。 「だいち3号」の2023年2月の打ち上げは「だいち2号」の設計寿命後となるので、H3ロケットの「やっと、やっと」の打ち上げを「だいち」の担当チームはハラハラした思いで待っていたのに違いない。(中略)■H3ロケットはの印象は、とにかく「でかい!」 これまで私は、種子島でのH-IIロケット、H-IIAロケットの打ち上げを何度も見てきたが、国産大型ロケットを間近で見るのは初めてだった。 H3ロケットを見た。 その印象は「でかい!」。 H3ロケットは6.5トン以上、フル搭載の大型のバスを運ぶことを目標に開発してきたが、これがそのロケットかと感動した。
2023.02.15
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在2位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在11位・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在106位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在10位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在3位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在56位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在3位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在2位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在2位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在41位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在37位・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、副本5、予約17)現在5位・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、副本1、予約1)現在1位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在3位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在187位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在15位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々・養老孟司『形を読む』・篠田謙一『人類の起源』・宇野常寛『砂漠と異人たち』:図書館未収蔵・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・スマラサーラ『怒らないこと』<予約分受取:11/15以降> ・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、11/15受取)・半藤一利『日本のいちばん長い日』(11/16予約、11/20受取)・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、11/23受取)・「監視資本主義」(2/07予約、12/06受取)・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、12/13受取)・女のいない男たち(3/31予約、1/13受取)・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、2/15受取予定)・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、2/15受取予定)**********************************************************************【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.02.14
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<NHKワイルドライフ「巨岩のロストワールド 」>NHKワイルドライフ「巨岩のロストワールド 未知の生命を発見せよ!」の再放送(2/7放送)を観たのだが、興味深い番組でおました。NHK 巨岩のロストワールド 未知の生命を発見せよ!より オーストラリアのメルヴィル山地は、無数の巨岩が積み重なってできた「現代のロストワールド」。その頂に広がるのは、数百万年間外界から隔絶されてきた前人未踏の森だ。 今回特別な許可を得て、この森で初の本格的な科学調査を敢行。すると新種とみられる生きものが続々と見つかったのだ。動物たちが独自の進化を遂げてきたオーストラリア。その中でも最も不思議な森で人知れず世代を重ねてきた、未知の生命を探す大冒険!(初回放送日: 2020年3月23日)オーストラリアのメルヴィル山地は乾季の一時期だけたどり着ける秘境である。また、プロクライマーでないと踏破できない巨石群に囲まれたメルヴィル山地にはヘリコプターでないと到着できないのです。山の頂上には直径3キロにおよぶ湿潤な熱帯雨林が繁っています。その周囲には乾燥した気候のサバンナ地域が広がっていてメルヴィル山地がロストワールドと言われる由縁です。脊椎動物の新種今年の調査で新種が発見されたのは、ヨーク岬半島のメルビル岬高所にある岩場。豪ジェームズクック大学のコンラッド・ホスキン氏とナショナルジオグラフィックの撮影隊は、そこで発見したものに驚いた。 見つかったものの中には、葉っぱのような尻尾を持つ、奇妙な姿をしたリーフテールゲッコーと呼ばれるヤモリや、金色のトカゲ、岩場に生息するカエルなど、これまで発見されていない種が含まれていた。「メルビル岬の頂上はロストワールドだ」と探検隊のホスキン氏は語った。番組では巨石群が発生した地学的メカニズムにも触れていたが、なかなか興味深いものでした。NHKプラス動画「巨岩のロストワールド 」
2023.02.14
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<嫌中本あれこれR8>図書館で『中国壊死』という本を借りたのだが・・・この本はまさに嫌中本なんだろうと、借りる際、若干躊躇したのです。過去に読んだ中国関連の本で、嫌中感のあふれる本を並べてみます。・・・壮観やで。・マネーモンスター 中華帝国の崩壊(2022年)・中国はなぜいつも世界に不幸をバラ撒くのか(2020年)・腐敗と格差の中国史(2019年)・「中国」という神話(2018年)・儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇(2017年)●日本の武器で滅びる中華人民共和国:兵頭二十八(2017年)・日本人が知らない中国人の不思議な生活:富阪聰(2016年)・中国「歴史認識」の正体:石平(2015年)・中国壊死:宮崎正弘×宮脇淳子(2015年)・中国を捨てよ(2014年)・貧者を喰らう国 中国格差社会からの警告:阿古智子(2014年)・中国の破壊力と日本人の覚悟:富阪聰(2013年)●2014年、中国は崩壊する:宇田川敬介(2012年)●「無法」中国との戦い方:古森義久(2012年)●日中もし戦わば:富阪聰、他(2011年)・日本と中国は理解しあえない:日下公人×石平(2008年)・中国はなぜ「反日」になったか:清水美和(2003年)注:●印はわが蔵書でおますR8:『マネーモンスター 中華帝国の崩壊』『腐敗と格差の中国史』を追加【マネーモンスター 中華帝国の崩壊】藤井厳喜著、ダイレクト出版株式会社 (2022年刊)<カスタマーレビュー>より内容は良いのですが、校正や編集が入っているのか疑うほど読みにくい本です。対談か動画の文字起こしをそのまま本にしたような文章で、非常に読みにくいです。例えば、わずか5〜6行で構成されている一つの段落の中で何度も同じことを書いていたり、接続詞に「ですから」と「しかし」が多用されています。とにかく読みにくいです。<読む前の大使寸評>追って記入amazonマネーモンスター 中華帝国の崩壊マネーモンスター 中華帝国の崩壊***********************************************************************【中国はなぜいつも世界に不幸をバラ撒くのか】石平著、徳間書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より新型肺炎、南シナ海問題、知財パクリ…なぜ中国は世界のトラブルメーカーなのか。歴史背景から儒教、中華思想まで習近平政権に見る「中国の本性」を解説!<読む前の大使寸評>新型コロナウイルスの対応などが載っていて、ディープスロートのホットな話題が借りる決め手になりました。rakuten中国はなぜいつも世界に不幸をバラ撒くのか***********************************************************************【腐敗と格差の中国史】 岡本隆司著、NHK出版、2019年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ中国では党幹部や政府役人の汚職がやまないのか?なぜ共産主義国にもかかわらず、貧富の差が拡大するのか?超大国を蝕み続ける「病理」の淵源に、実力派歴史家が迫る。エリート/非エリートの金・コネ・権力をめぐる相剋の二千年を一望し、独裁の度合いを強める中国共産党、および現代中国の実相を大胆かつ明快に読み解いた一冊。<読む前の大使寸評>危険な隣国・中国の歴史的メカニズムを探究することは、個人的には喫緊のテーマになっているのです。amazon腐敗と格差の中国史『腐敗と格差の中国史』3:中国革命『腐敗と格差の中国史』2:19世紀の内憂外患『腐敗と格差の中国史』1:はじめに***********************************************************************【「中国」という神話】楊海英著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。<読む前の大使寸評>目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。rakuten「中国」という神話『「中国」という神話』3:世界史におけるチンギス・ハーンの評価『「中国」という神話』2:ウイグル人「テロ」の背景『「中国」という神話』1:モンゴル人を殺して匈奴を愛す***********************************************************************【儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇】ケント・ギルバート著、講談社、2017年刊<出版社>より日本人に「自虐史観のアホらしさ」を気づかせてくれたのはアメリカ人だった……ベストセラー連発、日本人より日本文化を深く知っているケント・ギルバートの新境地! 中国や韓国と上手に付き合うには、まず「自己中心主義」の大本たる儒教の本質を知り、そして日本は儒教国家でないことを認識すべし!!<読む前の大使寸評>おお 嫌中本で稼いできたギルバートさんが今回は儒教に着目しているがな・・・これは興味深いでぇ♪rakuten儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇***********************************************************************【日本の武器で滅びる中華人民共和国】兵頭二十八著、講談社、2017年刊<「BOOK」データベース>より日本国が、自衛隊の最新の戦闘機や艦艇をいくら増やそうとしたところで、中共の領土的な野望が消えてなくなることはありません。核武装国の中共が日本に降伏することもあり得ません。しかし、マレーシア、ベトナム、フィリピン等、地政学的に中共の味方とはなり得ない国々に対して、わが国から「機雷敷設専用の超小型潜航艇」等を武器援助するならば、日本の有権者は、驚くほど廉価な負担で、東アジアから侵略的な専制政体を除去し、世界の平和に貢献することができます。これが、「日本の武器で中華人民共和国が滅びる」という意味です。<読む前の大使寸評>嫌中本に喰いつかないよう自戒していたのだが、5年ぶりに喰いついてしまったのです。rakuten日本の武器で滅びる中華人民共和国日本の武器で滅びる中華人民共和国byドングリ***********************************************************************【日本人が知らない中国人の不思議な生活】富坂聰著、海竜社、2016年刊<商品の説明>より●中国人が絶対口にしない本音を暴露します・なぜ中国人だけが「爆買い」できるのか?・中国人は腹の底で日本をどう思っているのか?・中国の若者に希望はあるのか?ここ数年、中国人の爆買いが日本でも注目されています。多くの場合、中国のごく一部の富裕層がそれに興じている、と語られています。ですが、実態は? 国有企業の社員でさえ、日本のサラリーマンに比べて見劣りする報酬しかもらっていないのです(少なくとも帳簿上は)。そこには汚職だけではない、中国独特の金儲けのカラクリがあるのです。本書ではその驚きのカラクリから派生する中国人の生活のすべてを完全暴露します!<読む前の大使寸評>著者はテレビや雑誌でよく見かけるチャイナ・ウォッチャーであるが・・・中国人の不思議な生活とは、如何なるものか♪amazon日本人が知らない中国人の不思議な生活日本人が知らない中国人の不思議な生活byドングリ***********************************************************************【中国「歴史認識」の正体】石平著、 宝島社、2015年刊<「BOOK」データベース>より「ご都合主義」でつくられる中国史の病巣。日本軍から逃げていただけの「抗日戦争」、尖閣諸島領有権、南京大虐殺ー。捏造された中国史観は打ち破れるか!嘘が真実に変えられる!<読む前の大使寸評>まるで、ネトウヨのような石平さんの鋭い舌鋒がすごいでぇ♪生活のためとはいえ売国奴のような論調の石平さんであるが、その経歴を見ると愛国的であることが分かります。rakuten中国「歴史認識」の正体***********************************************************************【中国壊死】宮崎正弘, 宮脇淳子著、ビジネス社、2015年刊<「BOOK」データベース>より転んでもただでは起きない嫌われ者の中国人が雪崩込む!歴史捏造と漢字支配の恐怖。いやでも中国人と戦う時代がやってきた!【目次】第1章 強盗国家の常識/第2章 漢字支配と歴史捏造の実態/第3章 中国を動かす客家コネクション/第4章 中国は大分裂するのか/第5章 「習王朝」権力闘争の行方/第6章 経済大崩壊の末路/第7章 いやでも中国人と戦う時代<大使寸評>あまた出てくる嫌中本には食いつかないようにしているのだが・・・目次にもある「いやでも中国人と戦う時代」なんかを見ると、つい手が出たのです。rakuten中国壊死中国壊死3byドングリ***********************************************************************【中国を捨てよ】石平, 西村幸祐著、イースト・プレス、2014年刊<「BOOK」データベース>より超軍事強国化を進める習近平政権と、それに対峙する第二次安倍政権。この構図は、戦後体制の矛盾を体現した民主党政権の崩壊が用意したものだった。強硬一辺倒の姿勢を貫く隣国に対して、日本が取るべき正しい戦略とは?「もう、中国を捨てる時代がやってきた。韓国は中国にくれてやってもいい!」尖閣諸島問題勃発後の日中関係を中心に、反日プロパガンダを強める韓国、さらにアメリカやロシアの動向も踏まえ、東アジア情勢を多角的に考察する。稀代の中国問題評論家と保守論壇の雄の「同志」二人による、憂国の提言!<読む前の大使寸評>いわゆる嫌中本なんだろうけど、この種の本を時々読みたくなるわけです。ガス抜きしないと、ガスが溜まり過ぎて体に良くないから(笑)rakuten中国を捨てよ***********************************************************************【貧者を喰らう国 中国格差社会からの警告】阿古智子著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>より焦燥、怨嗟、慟哭、絶望…「格差」が人間を破壊する!中国建国65周年、共産主義の理想は、なぜ歪んだ弱肉強食の社会を生み出したのか。エイズ村、農民工、学歴競争、役人汚職、ネット世論、反日デモ…中国社会の暗部に深く踏み込んだ研究者による衝撃レポート。格差社会の臨界点へと突き進む隣国を、ソフトランディングに導くことは可能なのか。日本人必読の書。【目次】第1章 エイズ村の慟哭/第2章 荒廃する農村/第3章 漂泊する農民工/第4章 社会主義市場経済の罠/第5章 歪んだ学歴競争/第6章 ネット民主主義の行方/第7章 公共圏は作れるのか<読む前の大使寸評>朝日新聞の記事「書棚から見える中国 書店「万聖書園」」で、この本の存在を知り図書館に予約を入れたら、二日後にゲットできたのである。ラッキー♪この本は、なかなか根性の入ったフィールドワークとなっているようです。(予約して借りたのは、2009年刊のハードカバーです)<図書館予約:(9/15予約、9/17受取)>rakuten貧者を喰らう国 中国格差社会からの警告***********************************************************************【中国の破壊力と日本人の覚悟】富坂聰著、朝日新聞出版、2013年刊<「BOOK」データベース>より尖閣衝突、反日デモで見せた無法ぶりが怖い。軍事力が怖い。残虐性が怖い。環境汚染が怖い。要するに何を考えているかわからないのが怖い。でも、厄介なことに、中国は必ずやってくる。日本人のための「中国恐怖症」克服講座。中国がもたらす“災禍”はさらに増大。正しく対処する武器としての知識。【目次】第1章 中国軍はどれだけ怖いか(火器管制レーダー照射問題の発端/解放軍を把握できていない外交部 ほか)/第2章 “殺到”が破壊力を生み出す(緊迫した日中関係/漁船衝突事件の本当の被害者 ほか)/第3章 中国はなぜかくも「残酷」なのか(中国から見れば日本は残虐/中国の「極刑史」 ほか)/第4章 環境汚染と危険食品「負の連鎖」(PM2.5にまつわる中国環境事情/PM2.5に対する政府の反応 ほか)/第5章 「何をするか分からない国」の核心(たくましいが危険な中国人/負の側面から見た中国の怖さ ほか)<読む前の大使寸評>とにかく、中国の脅威にどう対処するか?…この難問に、日本人の覚悟が試されているわけですね。rakuten中国の破壊力と日本人の覚悟***********************************************************************【2014年、中国は崩壊する】宇田川敬介著、扶桑社、2012年刊<内容紹介より>13億の人民の暴走が始まる!尖閣諸島の奪取に失敗し、頼みの経済成長も減速。やがて、自壊する中国。日本人よ準備はできているか? ■本書の構成第1章 尖閣諸島で敗北した中国第2章 日本人が知らないメンツ社会第3章 中国経済の問題第4章 中国崩壊とその後<大使寸評>amazonより今日発送されたので、到着後に寸評の予定。他力本願になるけど、ひたすら中国の自壊を待つわけですね。Amazon2014年、中国は崩壊する怒りの衝動買いbyドングリ***********************************************************************【「無法」中国との戦い方】古森義久著、小学館、2012年刊<内容紹介より>「中国を刺激するな」「ホワイトハウスも日中交戦は望んでいない」「日本の強硬論が戦争を招く」――尖閣諸島の国有化以降、日本側の毅然たる対応が、日中間の戦争を引き起こしかねないという批判が一部で起きています。しかし著者の古森氏は、「中国を刺激するな」的なこの種の主張は、中国側の尖閣奪取への意欲を増長するだけだとして、米国の中国研究者の次のような警告を紹介しています。「中国が、東シナ海の尖閣諸島に対してはまだ南シナ海でのような攻撃的な態度をとっていないのは、紛争相手の日本が、東南アジア諸国よりも強い立場にあるからです」――。つまり、「相手が弱い」と判断すれば、ためらうことなく軍事的手段をとるのが中国の常套手段だと、著者は看破します。さらに米国の足元を揺さぶる中国の熾烈なロビー活動等も紹介。他では読めない論考が満載です。 <大使寸評>他力本願でひたすら中国の自壊を待つのも方便だが、やや情けないので・・・・アメリカ流の戦い方を知っておくことも肝要かと思い、本屋で衝動買いした本です。「共産党支配が続く限り、反日暴動は繰り返される」と著者が説くとおり、日本の敵は中国共産党であり、中国人民ではないのだ。Amazon「無法」中国との戦い方***********************************************************************【日中もし戦わば】マイケル・グリーン×張宇燕×春原剛×富阪聰、文春新書、2011年刊<amazon紹介>より緊張高まる日中両国だが、実際に戦ったらどうなるのか。日米中を代表する専門家・ジャーナリストが一堂に会し激論を交わした。<大使寸評>人民解放軍の暴走を抑えることのできるのは共産党中枢9人のうち2人だけという、薄氷を踏むような文民統制システムが怖いわけで・・・・その中華のシステムを究明したいわけだけど、日米の専門家にしても不透明さは変わらないようです。Amazon日中もし戦わば『日中もし戦わば』byドングリ***********************************************************************【日本と中国は理解しあえない】日下公人×石平著、PHPパブリッシング、2008年刊<「BOOK」データベース>より付き合わないときが、お互い一番幸せだった。かくも異なる両国は、根本が違うからそうなる。深く付き合うと、両方とも歪みが出てしまう。だからほどほどがいい。友好・親善、善悪や正邪を論ずるなかれ。<読む前の大使寸評>この本のタイトルが断定的であるが・・・大使は日中を、文明の衝突であるとさえ思うほどなので、このタイトルがこの本を借りる決め手になったのです。日下公人×石平というマッチングを企画したことが、この本を単なる嫌中本となることを防いだようですね。rakuten日本と中国は理解しあえない***********************************************************************【中国はなぜ「反日」になったか】清水美和著、平凡社、2003年刊<「BOOK」データベース>より 中国が「反日」姿勢を鮮明にしたのは、たかだか十数年、江沢民が実権を握ってからに過ぎない―。一九七二年の国交回復以来、親愛と憎悪の間を大きく揺れ動いてきた日本と中国の関係を、歴史の遠近法で検証してみると、なぜ中国側が首相の靖国参拝を問題とし、繰り返し「歴史問題」を取り上げて謝罪を要求するのかが明確になる。全土を覆うかにみえる「反日」は、中国側が仕掛けた戦略なのだ。<大使寸評>日本たたきも過ぎると、光栄に満ちた同床異夢のような歴史認識が生まれるようです。また、日本たたき、言論統制、幹部の腐敗がセットで生まれるところが、中国の政治状況であるが・・・民主主義が一度も根付かなかった中華帝国の特殊事情ではないだろうか。amazon中国はなぜ「反日」になったか軍拡、言論統制、幹部の腐敗がセットで生まれるところが、中国の政治状況であるが・・・民主主義が一度も根付かなかった中華帝国の特殊事情ではないだろうか。
2023.02.13
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このところ、スパイ気球などの騒動や安全保障にからむ禁輸強化など米中間の対立が激しくなってきたが・・・中国側の問題が気になるのです。ということで、『腐敗と格差の中国史』という本を以下のとおり復刻したのです。***********************************************************図書館で『腐敗と格差の中国史』という新書を、手にしたのです。危険な隣国・中国の歴史的メカニズムを探究することは、個人的には喫緊のテーマになっているのです。【腐敗と格差の中国史】 岡本隆司著、NHK出版、2019年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ中国では党幹部や政府役人の汚職がやまないのか?なぜ共産主義国にもかかわらず、貧富の差が拡大するのか?超大国を蝕み続ける「病理」の淵源に、実力派歴史家が迫る。エリート/非エリートの金・コネ・権力をめぐる相剋の二千年を一望し、独裁の度合いを強める中国共産党、および現代中国の実相を大胆かつ明快に読み解いた一冊。<読む前の大使寸評>危険な隣国・中国の歴史的メカニズムを探究することは、個人的には喫緊のテーマになっているのです。amazon腐敗と格差の中国史「むすびに」で毛沢東と習近平を、見てみましょう。p219~221■改革開放 毛沢東たちの主観的な意図はどうあれ、文革の惨憺たる結末はかくれもない。なかんづく最貧国レベルに落ち込んだ経済である。何にもまして、その復興を優先しなくてはならなかった。 復権を果たしたトウ小平らは、毛沢東的な上下一体化はあきらめ、共産党の支配を維持しながら、同時に経済を再建する方針をたてる。それが1978年にはじまる「改革開放」であって、のち「社会主義市場経済」という現在の体制に結実した。 「社会主義」と「市場経済」という一見あい矛盾する概念・制度の組み合わせは、中国の実情に適合していた。政治は「社会主義」の共産党政権が独裁的にひきうけ、経済は民間が自由な「市場経済」をとりいれる。毛沢東も最後まで克服できなかった上下乖離の二元構造に応じていた。「改革開放」がめざましい成果を収めたのも、そのためである。 1980年代前半までに農村改革が成功して、生産力が回復、伸長すると、都市にも商品経済を容認して、企業活動が活発化した。90年代に入って、「市場経済」の全面化にふみきると、中国は長期にわたる高度成長を実現してゆく。その結果が現在の経済大国なのである。 「社会主義市場経済」が中国旧来の社会構成に応じた体制だとするなら、それに根ざす弊害も、また免れない。かつて実現したかに見えた官吏の清廉潔白や犯罪の根絶は、毛沢東がめざした中国の一体化によって、みなが貧しくなった結果であった。本書132頁にみた陸龍其の「清貧」を彷彿させる。「改革開放」以後、継続する経済発展は、あくなき富の追及と、それにともなう格差の拡大を生み出した。こちらはいわば、乾隆の「盛世」から20世紀にいたる歴史にあたり、「腐敗」の蔓延・犯罪の多発という社会不安を深刻化させている。 時を同じくして、「国進民退」というフレーズも、人口に膾炙した。具体的には、国有企業の肥大と民間企業の縮小を指していうが、国家と民間の乖離と対立関係を示すに、これほどふさわしい表現もあるまい。 二元構造の上下乖離が、あらためて拡大した所産である。もちろんその上層を占め、富裕化したのは、共産党員とその縁類、もしくは関連企業にほかならない。その豪奢に比べれば、70年前・国民政府時代の「四大家族」など、おそらく足許にもおよばないだろう。■亡党亡国 これでは共産党の要人も、さすがに危機感をいだかざるをえない。胡錦濤前国家主席は2012年、第18回中国共産党大会の政治報告要旨で、「腐敗」問題が解決できなければ、党は致命的なダメージを受け、「亡党亡国」になると述べた。 同年11月、党総書記に就任したばかりの習近平も、「腐敗」問題が深刻化すれば、「きっと亡党亡国の結果になる」と口をそろえている。なればこそ習近平新政権は、敢えて強権的な手法をも辞さずに、反「腐敗」キャンペーンを張ったのである。「亡党亡国」は文字どおり、共産党が亡んで中国が亡ぶ、という意味なのだろう。一党独裁・「党国家」・民主集中制らしい認識ながら、句作りとしては、顧炎武の「亡国亡天下」を下敷きにしたものらしい。そこにどうやら現代中国の矛盾と苦悩もかいまみえる。ウーム 富裕化したのは共産党員とその縁類とのこと・・・これが「亡党亡国」につながる利権というものなんでしょうね。『腐敗と格差の中国史』4:「むすびに」『腐敗と格差の中国史』3:中国革命『腐敗と格差の中国史』2:19世紀の内憂外患『腐敗と格差の中国史』1:はじめに
2023.02.13
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『文芸ピープル』(復刻)この本は2年前に借りて読んでいた本であるが、うっかりしてまた借りたのである(またか)、つまりそれだけツボがうずく本と言いますか・・・ということで、以下のとおり復刻したのです。***********************************************************図書館で『文芸ピープル』という新書を、手にしたのです。日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。【文芸ピープル】辛島デイヴィッド著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より著名な賞の受賞、ベストセラー…、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、デザイナーなど、本づくり&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセー!<読む前の大使寸評>日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。rakuten文芸ピープル「第2章」で日本人女性作家の快進撃を、見てみましょう。p81~84<順調な滑り出し> 2018年の夏にアメリカ版が刊行された時点で、『コンビニ人間』は日本で既に60万部以上売り上げていた。ブラックストックもさすがに日本ほどの数字は期待していなかった。グローヴ・アトランティック社の基本方針も、書店から想定される注文に出来るだけ近い部数を刷り、必要に応じてタイムリーに、そして頻繁に増刷する、というものだった。 だが、『コンビニ人間』の英訳はすぐに注目を集めた。刊行前日に掲載されたニューヨーク・タイムズ紙のプロフィール記事が話題になり、刊行直後から東はニューヨーカー誌から西はシアトル・タイムズ紙まで、全国の主要紙誌に好意的な書評が掲載された。 日本国内同様、多くの評者は、すでに小説を10冊以上出している著者が長年コンビニで働いていた事実に触れ、本の書影とともにコンビニの前や店内に立つ著者の写真を掲載する新聞や雑誌も目立った。 12月上旬には、ニューヨーカー誌が発表した2018年のベスト本9冊のうちの1冊(そして唯一の翻訳作品)にも選ばれた。(中略)<スーパー・エディター・イン・イングランド>『コンビニ人間』は大西洋の反対側でも有能な編集者に恵まれた。グローヴ経由でイギリスでの翻訳出版権を獲得したのはグランタ&ポートベロ・ブックスのアン・メドーズ。 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学の修士号を取得し、文芸エージェントでのインターンシップなどを経て2010年にグランタ&ポートベロ・ブックスに入社したメドーズは、2019年にエディトラル・ディレクターに昇進した。現在はマーゴ・ジェファーソン、サンドラ・ニューマン、多和田葉子、をはじめ、多彩な作家の作品を「年8冊から10冊のペースで」刊行している。 オフィスの壁には「NEW. WOMEN. DIFFICULT」と書かれた紙が貼られている。同じ西ロンドンのオフィスを共有しているグランタ誌で編集者をしていたユカ・イガラシ(五十嵐由香)から引き継いだもので、ツイッターのトップバナーにもしている。「あの紙はとても大切にしている・・・ユカと交わした会話を思い出します。何か違うもの、もしくは難しいことに取り組みたいと話していたこと・・・私が出版している作家は今も大半が女性[WOMEN]。そして、マリアーナ・エンリケスや多和田葉子や紗耶香さんなど、私にとって新しさ[NEW]を象徴する国際的な作家の作品を出版できていることも誇りに思っています。ひとつ変わったことがあれば、難しさ[DIFFICULTY]については以前ほど関心がないこと。いま求めているのは小さな爆発のように感じられる小説」。 そう言うメドーズが編集者になって初めて出した本は、日本の小説の英訳だった。同僚のイガラシの薦めで、アメリカのカウンターポイント・プレスから2012年春に出たばかりの川上弘美の『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)を読み、ぜひイギリスで出版したいと考えたのだ。 日本でベストセラーとなり、英語圏でもマン・アジア文学賞の最終候補に選ばれていたThe Briefcaseだが、当時アメリカでの売れ行きはゆるやかなものだった。それでもイギリスで刊行できるようメドーズは「何週間もかけて」同僚を説得した。そして英題をStrange Weather in Tokyoに変え、表紙を林ナツミの「本日の浮遊」シリーズの写真を使用し、2013年の夏に出版した。 同作は、2014年の春にインデペンデント紙外国小説賞の最終候補に選ばれ、イギリスで(2020年10月現在)7万部近いロングセラーになっている。『文芸ピープル』8:日本人女性作家の快進撃p81~84『文芸ピープル』7:日本人作家の業界情報p200~203『文芸ピープル』6:『コンビニ人間』イギリス版の自販機p137~143『文芸ピープル』5:最新の英訳刊行状況p189~193『文芸ピープル』4:柳美里『JR上野駅公園口』p185~188『文芸ピープル』3:村田沙耶香『地球星人』の続きp92~96『文芸ピープル』2:村田沙耶香作品の2冊目p89~91『文芸ピープル』1:新しい日本文学を編む編集者たちp66~69
2023.02.12
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この本は2年前に借りて読んでいた本であるが、うっかりしてまた借りたのである(またか)、つまりそれだけツボがうずく本と言いますか・・・ということで、今回の紹介記事は(その8)とします。【文芸ピープル】辛島デイヴィッド著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より著名な賞の受賞、ベストセラー…、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、デザイナーなど、本づくり&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセー!<読む前の大使寸評>日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。rakuten文芸ピープル「第2章」で日本人女性作家の快進撃を、見てみましょう。p81~84<順調な滑り出し> 2018年の夏にアメリカ版が刊行された時点で、『コンビニ人間』は日本で既に60万部以上売り上げていた。ブラックストックもさすがに日本ほどの数字は期待していなかった。グローヴ・アトランティック社の基本方針も、書店から想定される注文に出来るだけ近い部数を刷り、必要に応じてタイムリーに、そして頻繁に増刷する、というものだった。 だが、『コンビニ人間』の英訳はすぐに注目を集めた。刊行前日に掲載されたニューヨーク・タイムズ紙のプロフィール記事が話題になり、刊行直後から東はニューヨーカー誌から西はシアトル・タイムズ紙まで、全国の主要紙誌に好意的な書評が掲載された。 日本国内同様、多くの評者は、すでに小説を10冊以上出している著者が長年コンビニで働いていた事実に触れ、本の書影とともにコンビニの前や店内に立つ著者の写真を掲載する新聞や雑誌も目立った。 12月上旬には、ニューヨーカー誌が発表した2018年のベスト本9冊のうちの1冊(そして唯一の翻訳作品)にも選ばれた。(中略)<スーパー・エディター・イン・イングランド>『コンビニ人間』は大西洋の反対側でも有能な編集者に恵まれた。グローヴ経由でイギリスでの翻訳出版権を獲得したのはグランタ&ポートベロ・ブックスのアン・メドーズ。 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学の修士号を取得し、文芸エージェントでのインターンシップなどを経て2010年にグランタ&ポートベロ・ブックスに入社したメドーズは、2019年にエディトラル・ディレクターに昇進した。現在はマーゴ・ジェファーソン、サンドラ・ニューマン、多和田葉子、をはじめ、多彩な作家の作品を「年8冊から10冊のペースで」刊行している。 オフィスの壁には「NEW. WOMEN. DIFFICULT」と書かれた紙が貼られている。同じ西ロンドンのオフィスを共有しているグランタ誌で編集者をしていたユカ・イガラシ(五十嵐由香)から引き継いだもので、ツイッターのトップバナーにもしている。「あの紙はとても大切にしている・・・ユカと交わした会話を思い出します。何か違うもの、もしくは難しいことに取り組みたいと話していたこと・・・私が出版している作家は今も大半が女性[WOMEN]。そして、マリアーナ・エンリケスや多和田葉子や紗耶香さんなど、私にとって新しさ[NEW]を象徴する国際的な作家の作品を出版できていることも誇りに思っています。ひとつ変わったことがあれば、難しさ[DIFFICULTY]については以前ほど関心がないこと。いま求めているのは小さな爆発のように感じられる小説」。 そう言うメドーズが編集者になって初めて出した本は、日本の小説の英訳だった。同僚のイガラシの薦めで、アメリカのカウンターポイント・プレスから2012年春に出たばかりの川上弘美の『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)を読み、ぜひイギリスで出版したいと考えたのだ。 日本でベストセラーとなり、英語圏でもマン・アジア文学賞の最終候補に選ばれていたThe Briefcaseだが、当時アメリカでの売れ行きはゆるやかなものだった。それでもイギリスで刊行できるようメドーズは「何週間もかけて」同僚を説得した。そして英題をStrange Weather in Tokyoに変え、表紙を林ナツミの「本日の浮遊」シリーズの写真を使用し、2013年の夏に出版した。 同作は、2014年の春にインデペンデント紙外国小説賞の最終候補に選ばれ、イギリスで(2020年10月現在)7万部近いロングセラーになっている。『文芸ピープル』7:日本人作家の業界情報p200~203『文芸ピープル』6:『コンビニ人間』イギリス版の自販機p137~143『文芸ピープル』5:最新の英訳刊行状況p189~193『文芸ピープル』4:柳美里『JR上野駅公園口』p185~188『文芸ピープル』3:村田沙耶香『地球星人』の続きp92~96『文芸ピープル』2:村田沙耶香作品の2冊目p89~91『文芸ピープル』1:新しい日本文学を編む編集者たちp66~69
2023.02.12
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この本は2年前に借りて読んでいた本であるが、うっかりしてまた借りたのである(またか)、つまりそれだけツボがうずく本と言いますか・・・ということで、今回の紹介記事は(その7)とします。【文芸ピープル】辛島デイヴィッド著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より著名な賞の受賞、ベストセラー…、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、デザイナーなど、本づくり&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセー!<読む前の大使寸評>日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。rakuten文芸ピープル「終章 変化の年」で日本人作家の業界情報を、見てみましょう。p200~203<ニューヨークタイムズ紙とタイム誌の「お薦めリスト」に> 2章・3章では、アメリカで2020年10月に英訳が刊行された『地球星人』『穴』『おばあちゃんたちがいるところ』の例を見るなかで、各種メディアが定期的に発表する「お薦めリスト」に作品が掲載されることの重要性について触れた。これらのリストは、選出方法や注目度もさまざまだが、プレスティージの高い媒体に選ばれることは、文学賞の候補に挙がるのと近い効果がある。 なかでも、毎年11月下旬から12月上旬にかけて発表される、その年を総括するお薦めリストに載ることは大きい。例えば、村上春樹の『海辺のカフカ』は、2005年にニューヨークタイムズ紙のベスト本10冊に選ばれているが、これが、作品が広く認知されるきっかけとなった。村田紗耶香『コンビニ人間』も、2018年にニューヨーカー誌のベスト本の1冊に選ばれている。 2020年は、注目度の高いニューヨークタイムズ紙の(Notable)100冊とタイム誌の(Must-read)100冊に、それぞれ日本の女性作家の作品が4冊含まれた。 100冊のうち翻訳作品の割合は、ニューヨークタイムズのリストが10冊、タイム誌のリストが6冊。なので、タイム誌に関しては6冊中4冊と、半数以上が日本語からの翻訳ということになる。日本を中心にアジア圏の女性作家が高く評価された年だと言えるだろう。<恩田陸『ユージニア』とリテラリー・クライム> 一方、ニューヨークタイムズ紙の100冊のリストには、『夏物語』『地球星人』『JR上野駅公園口』の他に、恩田陸『ユージニア』が挙がった。 ここでも「格差」がひとつのキーワードになっている。本作は、日本では2005年に刊行されているが、2020年2月に英訳が刊行された際には、アカデミー賞を4部門で受賞したばかりの韓国映画『パラサイト』を引き合いに出し、根底に「所得格差」があるという意味でタイムリーだと指摘する評者もいた。 英国文芸翻訳センター(BCLT)の翻訳ワークショップのメンバーでもある訳者のアリソンも、本作の特徴のひとつとして「幅広い社会的階層の人物たちを描いている」ことを挙げ、十数人の視点から描かれる作品が呼び起こす「不安」が、コロナ禍で「アメリカの」読者の心を掴んだ可能性も指摘する。「身近な人物のなかに殺人犯[毒殺者]がいるけれども、それが誰だか分からないという恐怖」には、身近にいる人物を介して命を脅かす疫病の脅威になぞらえることのできる部分があるかもしれないという。 本書でここまで紹介してきたような、英語圏で注目されている日本の「純文学」の小説は、英語では「リテラリー・フィクション」に分類されることが多い。が、「リテラリー・フィクション」と「ジャンル・フィクション」(ミステリー、ファンタジー、ホラーなど)の狭間にある、文芸性の高いジャンル・フィクションやエンターテインメント性の高い純文学作品も近年注目されており、今後さらに需要が伸びそうだ。 とくに「リテラリー・クライム」(文学的要素の強いミステリーや犯罪小説)は、映像化とも相性がよい。2019年にロンドンの事務所で面会した際に英語版の編集者であるリズ・フォーリーが「ハイ・クオリティー・インターナショナル・スリラーとして刊行する」と語っていた伊坂幸太郎『マリアビートル』は、デヴィッド・リーチ監督、ブラッド・ピット主演で映画化が決まった。『文芸ピープル』6:『コンビニ人間』イギリス版の自販機p137~143『文芸ピープル』5:最新の英訳刊行状況p189~193『文芸ピープル』4:柳美里『JR上野駅公園口』p185~188『文芸ピープル』3:村田沙耶香『地球星人』の続きp92~96『文芸ピープル』2:村田沙耶香作品の2冊目p89~91『文芸ピープル』1:新しい日本文学を編む編集者たちp66~69
2023.02.11
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中国の「スパイ気球」撃墜という騒動が気になりネットをめぐってみたので、以下のとおり紹介します。*********************************************************** 2023.2.7中国の「スパイ気球」はいったい何を狙っていたのかより 中国の気球が騒動になっている。 中国の偵察気球がアメリカ上空を飛行していると、最初に大きく報じられたのは2月2日のことだ。米国防総省のパトリック・ライダー報道官が、偵察用の気球がアメリカに飛来したと発表した。 結局、気球はアメリカを横断して、4日にF-22戦闘機により、サウスカロライナ州沖で撃墜された。回収された気球に搭載されていた機器などは、バージニア州クアンティコにあるFBI(米連邦捜査局)の研究所で精査されることになる。■本当に「気象研究用」なのか 中国側はこの気球が「気象研究用の民間の飛行機」であり、「不可抗力によってアメリカに迷い込んだ」ものであると主張し、アメリカの対応に激しく反発した。ただ、民間の飛行機であっても、アメリカの領空に勝手に入ったら、相応の対応が行われるのは当たり前である。まして無人の気球だ。撃ち落されても文句を言える立場にはない。逆に中国で同じことがあったら、同様の措置を取ることになるだろう。 つまり、今回の件が不都合な事態だからこそ、中国側は過敏に反応していると見られる。今回の騒動は、単に気球がミスでアメリカに迷い込んだというような話では済まない。■洋上に出るのを待って撃墜 まず簡単に、ことの顛末をおさらいしたい。 最初に気球がアメリカ領空に入ったのが確認されたのは1月28日で、アラスカ州のアリューシャン列島の上空だった。国防総省はそれを確認しているが発表することはなかった。というのも、トランプ政権時も3度、中国の気球がアメリカ上空を飛んでおり、当時は安全保障の脅威だとみなしていなかった。 30日には気球はカナダに入ったが、翌31日にはまたアメリカのアイダホ州上空に入ったのを確認された。この時点で国防総省は撃墜も検討したが、残骸の落下により地上で被害が出ることを恐れて、そのまま飛行させた。 2月1日になると、気球はモンタナ州上空に入る。すると、何人かの市民がその「飛行物体」を発見。この時点で、バイデン大統領は撃墜命令を発しているが、やはり地上の状況を鑑みて、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)が追跡を続けた。 そして2日には政府高官らが「中国のスパイ気球」が飛来していると発表。モンタナ州には、150発のICBM(大陸間弾道ミサイル)を保管し、発射施設も設置されているマルムストロム空軍基地があったので、2日にはメディアなどでも大騒ぎになった。基地周辺の情報を集める意図があったのではないかと、専門家らも指摘し始めた。 3日になると、気球は中部で目撃される。この事態を受けて、アンソニー・ブリンケン国務長官は、予定されていた訪中の延期を発表した。そして4日には、サウスカロライナ州沖で撃墜されたのである。■気球の目的は何か この偵察機級について何よりも気になるのは、その目的だ。米政府高官らは早い段階で、この気球は、中国の偵察気球で「情報収集をしている」と指摘している。 というのも、そのサイズが気象観測のための気球よりも大きいことが挙げられる。幅は27メートルほどあり、気球に付けられている機器が通常の観測機器とは別のものである可能性があるということだ。また、これまでになく長時間、アメリカ上空を飛行していたことも特筆すべきだろう。 一方で、中国は世界で600機以上の軍事衛星を打ち上げ、監視衛星も大量に使っているので、「わざわざ気球で情報収集する必要はない」との見方もある。気球で地上の画像の収集をしていたのではないかとも指摘されているが、現在は衛星からもかなり高解像度で撮影ができるようになっているため、気球を使う必要性はそれほどないとも思われる。 ただ少なくとも、気球ならば飛行ルートや撮影危機の角度などある程度のコントロールはできるので、上下に動いて小型化された機器で何らかの撮影を行うことが考えられ、衛星では難しいゆっくりとした動きで情報収集も可能かも知れない。 加えて、気球にはセンサーなども取り付けられていると見られており、地上の通信データや無線トラフィック、電磁波、放射線などを拾っている可能性もあると見る専門家もいる。これは衛星ではできない“任務”であり、もしもこのようなことが実際に行われたとなれば、安全保障上の大きな脅威となる。 気球の“任務”の詳細は、回収された気球の機器やセンサーなど解析を行うことで今後、明らかになっていくだろう。 だがそれ以上に懸念されることがある。それは、気球が容易く米本土の上空に入ることができ、長い時間飛行した事実である。■核物質や生物化学兵器の運搬・攻撃も不可能ではない 今回は、気球にセンサーなどが付いていたと見られているが、何らかの攻撃のための機器を、米軍に悟られずに運ぶこともできた可能性がある。例えば、電磁波による攻撃が考えられるし、小型化された核物質や生物化学兵器などとともに気球が上空に現れる可能性すら否定できない。 実は、今回の気球は、日本上空も通過してきた可能性が指摘されている。また2020年には仙台でも同様の気球が確認されており、当時は脅威ではないとしてやり過ごしたことがあった。今回のアメリカでの騒動は、決して他人事ではない。 そもそもバイデン政権は、その発足後から中国を「戦略的な競争相手」と位置付けており、議会から「中国に甘い」と批判されてきた。だが実際は、中国を最大の脅威であると明確にし、中国に対する締め付けは続けてきた。それはCIAのウィリアム・バーンズ長官が2021年に「中国政府は21世紀最大の地政学的脅威である」と語った言葉からも明らかで、CIAは2021年10月に対中スパイ工作に特化した専門チームの立ち上げを発表している。 また国務省も「チャイナ・ハウス」という組織を立ち上げ、対中政策に力を入れている。■気球の分析でどのような結果が出るか 一方で、ロシアのウクライナ侵攻の余波や、アメリカによる中国IT企業への規制強化、半導体サプライチェーンからの中国締め出しなど、国際社会の中で追い詰められた中国が台湾侵攻を強行するのではないかと懸念する声も高まっている。そうしたことから、バイデン政権は、2022年11月の米中首脳会談から、中国との対話のチャンネルを維持するよう働きかけを行なってきた。 その流れで、ブリンケン国務長官は、新しく中国の外交部長(外相)になった秦剛(チンガン)氏と会談するために訪中することになっていた。これが今回の気球騒動で延期になった。 実は、情報機関や米軍の中には、「アメリカも中国も、衛星からの監視やサイバー工作なども含むありとあらゆる手で情報収集をしている。気球一つくらいで大騒ぎするのはいかがなものか」という議論もある。中国が、アメリカ側の気球撃ち落しや外相会談延期などに対して、強く抗議しているのも、そうした思いが影響しているのかも知れない。 ただ、電子機器が小型化や軽量化し、通信も可能で、しかも人工衛星に比べはるかにローコストで製造・運用できる気球は、十分安全保障上の脅威になる。上述のように、気球を利用した核物質や生物化学兵器による攻撃も可能だ。これまで何度か確認されてきた中国の気球が、直接的な安全保障の脅威になってはいなかったからといって、今回の気球が安全ということにはならない。バイデン大統領としては「いい加減にしろ」という意思表示だったのかも知れない。あるいは米国内の反中感情に配慮したのかも知れない。 いずれにせよ、近づきつつあった米中の距離は、今回の一件で再び遠のき始めた。おそらくバイデン大統領は、基本的には中国と対話を続ける意思があり、この件でいつまでもやり合う意図はないだろう。ただ、撃墜した気球を分析して出てきた結果次第では、緊張がいっそう高まる可能性もある。(山田敏弘・国際ジャーナリスト)10日の報道によれば、回収した気球残骸からは通信傍受用と思われるアンテナが出て来たそうで、気象研究用の装備ではないようです。その後のネット記事を見てみましょう。2023.2.9中国気球を撃墜した米軍F22、コールサインの由来は第1次大戦の「気球撃墜王」より 1月28日から2月4日(米国時間)にかけて、アラスカ、カナダ、アメリカ上空を通過した中国の気球を巡って、アメリカ政府・軍内外ではいまだに侃々諤々の議論が交わされている。 連邦議会共和党をはじめバイデン政権に批判的な勢力は、中国“偵察”気球を撃墜するまで数日間も要した意思決定の遅さを問題にしている。また、国防長官ロイド・オースティン退役陸軍大将や統合参謀本部議長マーク・ミリー陸軍大将をはじめとする軍指導部に批判的な対中強硬派の人々は「あいかわらずの腰抜けぶりをさらけ出した」と攻撃している。 一方、中国政府は「アメリカが中国の民間気象観測気球を戦闘機まで飛ばして撃ち落としたのは異常な過剰反応だ」と米側を強く非難している。 これに対して米軍内外からは、中国も2019年に高高度から中国を偵察していた「外国偵察気球」を殲撃10C型戦闘機1機を出動させて霹雳10空対空ミサイルによって撃墜しており(参考:新浪新聞)、中国側の非難は当たらないと反論している。ただし、その反論に対し中国側からは、中国が撃墜したのは「軍事偵察気球」であって、アメリカが撃ち落とした「民間気象観測気球」とはまったく状況が違うという反論が寄せられているようだ。■モンタナだったから大騒ぎ 今回大騒ぎを引き起こした中国気球に類似した気球は以前にも(2017年以降に限るが)トランプ政権下で3回、バイデン政権下でも1回、アメリカ上空を通過しているが、アメリカ空軍は追尾捕捉はしなかった、とグレン・D・ヴァンヘルク空軍大将が明らかにした。 要するに、軍隊ならば軍事偵察気球と推測するであろう巨大気球がアメリカの領空を侵犯したという状況は以前にもあったが、かつては真剣に対処しなかった、というわけである。 しかしながら今回の気球に対しては、米中関係が劣悪になっている土壌に加えて、カナダからモンタナ州上空に侵入してきたため大騒ぎになってしまった。 もし中国気球がモンタナ州ではなくハワイ上空を通過したのならば、同じ領空侵犯事件であってもさしたる騒ぎにならず、ヒッカム基地からF-22が出動して見せしめ的に気球を撃墜することはなかったであろう。大騒ぎになった理由は、モンタナ州グレートフォールズには「マルストローム空軍基地」が位置しているからに他ならない。 モンタナ州中央部の1万3800平方マイルの土地に広がるマルストローム空軍基地には、大陸間弾道ミサイルを運用する第341ミサイル航空団が配置されている。150基のミニットマン-III大陸間弾道ミサイルが配備あるいは貯蔵されている西半球で最大の核兵器施設である。(北村 淳:軍事社会学者)
2023.02.11
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図書館で『間違う力』という新書を、手にしたのです。 おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。帰って調べてみたら、この本を4年前に借りて読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その5)とします。【間違う力】 高野秀行著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より人生は脇道にそれてこそ。ソマリランドに一番詳しい日本人になり、アジア納豆の研究でも第一人者となるなど、間違い転じて福となしてきたノンフィクション作家が、間違う人生の面白さを楽しく伝える!!破天荒な生き方から得られた人生訓10箇条!<読む前の大使寸評>おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。rakuten間違う力「第1条 他人のやらないことは無意味でもやる」から、見てみましょうp37~40<コンゴで謎の怪獣を探してスタートラインにつく> 佐藤さんとの出会いから二年後、私は三年生つまり部を主導する立場になっていた。私がリーダーとなって進めていたいたのは、アフリカのコンゴで、恐竜の生き残りとも思われる謎の怪獣を探すというものだった。 佐藤さんには強く影響を受けたものの、私は「もう無意味なことはやめたい」と思うようになっていた。洞窟潜水は確かに凄いが世間ではまったく認められない。やはり社会的意味があってなんぼのものではないか。 その点、コンゴの怪獣探査は、誰がどう見ても「探検」であり、その怪獣の正体が恐竜の生き残りにしても新種の哺乳類にしても、調査には生物学的に意義がある。 私の意見は支持されて、総勢十名の仲間が参加し、大遠征隊となってコンゴのジャングルに出かけた。1988年のことである。 結果はというと、まあ、もしそこで大発見をしていれば私はここでこんな本など書いておらず、『奇跡を起こす力』とか『リーダーの品格』とかいう本を書いているにちがいないから、詳しく話す日ちようもないだろう。 ただ、その顛末を記した『幻獣ムベンベを追え』という手記が意外に評価され、書評に取りあげられたり、著者インタビューを受けたりした。「週刊文春」の読書欄のインタビューを受けたとき、「どうしてこんな探検をやろうと思ったのか」と訊かれ、私は正直に「社会的意味のあることを一度くらいやってみたいと思いました」と答えた。するとインタビュアーに「どこに社会的意味があるの?」と爆笑された。編集者もカメラマンも一緒に笑っていた。 え、意味、なかったのか?! そのとき、やっと自分の思う「意味」が、一般社会での「意味」とかけ離れていたことを知ったのだが、笑われても別に悪い気はしなかった。 それよりショックだったのは、「アフリカ」というアフリカ関連の専門誌の書評で、「所詮、探検ごっこの域を出ない」と書かれたことである。 私は洒落や酔狂でコンゴまで行ったわけじゃなかったから、これは悔しかった。 ラジカル佐藤さんの潜水は無意味かつ無謀だったが、「遊び」や「探検ごっこ」とは誰も言わなかった。私はまだ佐藤さんの足下にも及ばないということなのか。 今度は絶対に何かすごいことをしてやる、みんなをぎゃふんと言わせてやると固く誓い、ここに私の30年にわたる辺境作家的人生がスタートしたのである。 『間違う力』4:はじめにp3~6『間違う力』3:高野さんの戦略p168~172『間違う力』2:就職しないで生きる方法を探すp42~46 『間違う力』1:高野さんの輝かしい業績p211~213
2023.02.10
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図書館で『ヒエロニムス・ボスの世界』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・部分的な拡大図がたくさん図鑑のように並んでいて圧巻です。 【ヒエロニムス・ボスの世界】ボルヒェルト,ティルホルガー著、パイインターナショナル、2019年刊<出版社>より拡大で見る!奇想の画家ボスによる奇々怪々のモノたちと風景美。《こんなにディテールを拡大して見られるボスの本は、他に無い!》15世紀末から16世紀初め、ダ・ヴィンチと同時代に活躍したボス。人間の快楽や罪と罰、異形ながらも憎めない悪魔や愉快な怪物たちなど、ボスの細かな描写を高精細の拡大画像で紹介します。近年、再評価された風景画の草分けとしての功績にも着目したファン必携の1冊です。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・部分的な拡大図がたくさん図鑑のように並んでいて圧巻です。 rakutenヒエロニムス・ボスの世界「樹木人間」最も有名な絵画《快楽の園》の「樹木人間」が語られているあたりを、見てみましょうp260~261<快楽の園 部分> 《快楽の園》の地獄の翼扉で中心的な位置を占めるいわゆる「樹木人間」は、ヒエロニムス・ボスの最も有名な視覚的創意の一つであることは疑いない。ボスは、この擬人化された造形の別のヴァリエーションの一つとして、さまざまなモティーフが加えられた印象的な素描を加えている。 この画家に近い親類もまた、別の素描において関連する作品を作っている。ただ、現在一般的になっている「樹木人間」という呼称は誤解を招きやすい。このグロテスクな姿には確かに、2本の枯れ木が2本のボートにつけられているが、その上半身はむしろ、卵あるいは食用のムラサキイガイのようだ。貝のような表皮には枯れた枝が刺さっており、それは肋骨にも似た効果を生み出している。怪物の上半身の後部は引きちぎられ、体の内部が露出している。 そこには薄暗い宿の情景があり、そこに悪魔の子分たちが集まっており、悪魔の宿屋としての地獄を連想させる。カンテラではなく水差しをもち、尻をあらわにした夜の警備人が梯子を上り、いうなれば、肛門から悪魔のパブへと入っている。 怪物の人間の顔は肩越しに振り返り、体の中で動き回るものを見ている。研究者の中には、これが芸術家の偽装された自画像なのではないかと考える人もいる。しかし、全体的な造形上の文脈はこれと適合しない。この芸儒家が、自分の欲望に屈して人間でなくなった存在のエンブレムとして自分を使った可能性は低い。 これは結局のところ、この人物の頭の上に、呪われた魂たちがバグパイプの音に合わせて円を描いて躍ると言う意味なのだ。ボスは、15世紀にオランダで描かれた「生命の木」のイメージから、船に浮かぶ木のモティーフを描いたのだろう。教養のある同時代人はこの像を、“arbor malus”、すなわちエデンの園にある木の対になるもの、と認識し理解したことであろう。『ヒエロニムス・ボスの世界』1:Introduction
2023.02.10
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図書館で『活字博物誌』という新書を、手にしたのです。 おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。【活字博物誌】椎名誠著、岩波書店、2013年刊<商品レビュー>よりシーナの読書から派生した四方山話。良い具合に酔ってきて、話があっち行ったり戻ってきたりするのを、楽しく聞いている感じで読めるエッセイ。男女のヘソ出し、ケツ出しルックに疑問を呈したり、カメムシに七転八倒してみたり、今回もシーナはシーナだった。面白い。<読む前の大使寸評>おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。rakuten活字博物誌アナログ人間の(ヨタ)話を、見てみましょうp33~36<ナゾの一角> 時代はいつの間にか超ハイテクずくめになっているようで、どうも落ちつかない。本屋に行くとコンピュータ関係の雑誌や書籍のコーナーがなんだか日増しに拡大しているようで、その方面に暗い(まっくらな)ぼくには当然わけのわからないナゾの一角になっている。 新聞をひらけばどうも世界はどんどんインターネットというものでつながれていっているようだ。こうしてはいられない!と思わず椅子から立ち上がったりするのだが、立ち上がってみても何をすればいいのかわからず、またむなしく座るしかない。 こんなふうに何かいろんなものが急激に変わっていく「きざし」のようなものを感じたのは「ワープロ」の登場だったような気がする。そのころ積極的にワープロ方向に挑んでいたら、もう少しなんとかなったのかもしれない。思えばあのワープロが出はじめた頃、ぼくはあるワープロメーカーのCMに出ていたのだ。 その縁でその会社のワープロの第1号機を貰ったりしていたのだが、ワープロ操作wpおぼえるよりも、迫りくる締め切りのラッシュに、従来通り手書きで原稿を書くことに忙しく、結局手を染めずにいた。当時はまだワープロからひろがっていくハイテク社会の広大な未来山野を眺めわたす予見能力がまるでなかった。 そうしてアレヨアレヨという間に、パソコンなんていうのが出てきて、ナンダナンダといっているうちにフト気がつくと訳のわからない電脳社会にとり囲まれてしまっていたのだ。 モノカキであるから、ワープロぐらいはマスターしておくべkだった、と今になるとつくづく思う。ハッと気がついたらいまだに手書きのくねくね文字を書いている。手書きの小説家はもう追われてゆく少数派らしい。時代がこんなに早く変化していくとは思ってもみなかったのだ。 根っからのアナログ人間なので、たとえばワープロがどうしてあのような能力や機能を持っているのか、まずわからない。するとそのまるで見当もつかないそのあたりの理解に戸惑ってしまっていて飛びつくタイミングを失した、というようなところがある。しかしよく考えてみると「どうせ考えたって」わからないのだから、理解しようとせずにミズテンでとびこめばよかったのである。 さらにまたよく考えてみるとわが人生のうちのそれ以前にも、急激な時代の変転を招いたモノどもを沢山見てきたのである。これからの世の中はさらに激変の時代だ、ということはある程度訓練されてもいたのだ。(中略) CDの出現によって円盤型のレコードはほぼ完全に駆逐されてしまった。そんなことはぼくが中学、高校時代には想像もしなかった。レコードの科学はつまりはまだ「エジソン的科学」の内で、どうしてあのような円盤から音が出るのか、というのは、本を読めばある程度理解できた。理解の中にある機会というのは嬉しい。電気の力を理解するのも、テレビよりは電球、もっといえばニクロム線の電熱器のほうがより深く親しみやすく理解できた。 電話も、有線のダイヤル式ならばある程度そのしくみがわかったけれど、携帯電話やPHSなどちうことになるととたんにわからなくなってくる。たとえばどうしてコンクリートの部屋の中にいるのに通じてしまうのだ?という本質的な疑問がある。どうして自分のところにかかってきた電波をこの小さな電話機が「あっオレのところへきた電話だ」といって正しくつかまえてしまえるのか?まるでわからない。 ということはこの狭い部屋の中にすさまじい量のいろんな、ヒトとヒトをつなぐ会話の電話がびっしり飛び回っている、ということになる。「会話でいっぱいの部屋」なんてのを思い浮かべるとなんだか息苦しくなってくる。『活字博物誌』2:科学はキライだ『活字博物誌』1:字のヨロコビと悲しみ
2023.02.09
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・塞王の楯・ヒエロニムス・ボスの世界・文芸ピープル・もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【ヒエロニムス・ボスの世界】ボルヒェルト,ティルホルガー著、パイインターナショナル、2019年刊<出版社>より拡大で見る!奇想の画家ボスによる奇々怪々のモノたちと風景美。《こんなにディテールを拡大して見られるボスの本は、他に無い!》15世紀末から16世紀初め、ダ・ヴィンチと同時代に活躍したボス。人間の快楽や罪と罰、異形ながらも憎めない悪魔や愉快な怪物たちなど、ボスの細かな描写を高精細の拡大画像で紹介します。近年、再評価された風景画の草分けとしての功績にも着目したファン必携の1冊です。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・部分的な拡大図がたくさん図鑑のように並んでいて圧巻です。 rakutenヒエロニムス・ボスの世界【文芸ピープル】辛島デイヴィッド著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より著名な賞の受賞、ベストセラー…、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、デザイナーなど、本づくり&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセー!<読む前の大使寸評>日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?・・・読むしかないでぇ。rakuten文芸ピープル【もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた】角田光代, 吉田修一著、河出書房新社、2019年刊<「BOOK」データベース>より6人の人気作家と個性あふれる愛猫たちの日常。125点の写真+インタビュー+番組書き下ろし作品収録!!<読む前の大使寸評>追って記入rakutenもの書く人のかたわらには、いつも猫がいた図書館大好き578
2023.02.09
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図書館で『ヒエロニムス・ボスの世界』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると・・・部分的な拡大図がたくさん図鑑のように並んでいて圧巻です。 【ヒエロニムス・ボスの世界】ボルヒェルト,ティルホルガー著、パイインターナショナル、2019年刊<出版社>より拡大で見る!奇想の画家ボスによる奇々怪々のモノたちと風景美。《こんなにディテールを拡大して見られるボスの本は、他に無い!》15世紀末から16世紀初め、ダ・ヴィンチと同時代に活躍したボス。人間の快楽や罪と罰、異形ながらも憎めない悪魔や愉快な怪物たちなど、ボスの細かな描写を高精細の拡大画像で紹介します。近年、再評価された風景画の草分けとしての功績にも着目したファン必携の1冊です。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・部分的な拡大図がたくさん図鑑のように並んでいて圧巻です。 rakutenヒエロニムス・ボスの世界はじめにIntroductionを見てみましょうp5<Introduction> ヒエロニムス・ボスの絵画は、かかれたばかりの頃の魅力を、げんざいでも全く失っていない。美術館では世界中から何千人もの訪問者が、ボスというこの唯一無二の画家の奇妙な視覚世界を再発見し、魅了されている。《快楽の園》の白い樹木人間や、《干し草車》に登場するモティーフは、ヨーロッパ圏をはるかに越えて知られるようになった。時間を超えた文化的な典型となっている。 数多くの模作や複製が、この画家の生前、そして本格的には没後に生み出されていることは、絶対的な個人主義者に見えるこの画家に、多大な敬意が向けられていることを証明している。このような模作・複製によって、ボスの描き出す世界は近世美術史の驚異的な現象となったのである。 ボスに対する好奇心は、当初は、後期中世の宮廷趣味に根ざす空想への関心が中心であった。しかい、16世紀半ばになると、その関心はボス作品の解釈に向けられていった・・・ボスの時代から現在までずっと中心となっているアプローチである。 多様でありながら矛盾に満ちているボスの絵画は読解されることが中心で、つい最近まで、その創造的かつ芸術的なクオリティーが見落とされがちであった。その一方、ボスの物語叙述の力はぼやかさ、彼がオランダ美術における風景画、人物画の発展で重要な役割を果たしてきたことは隠されてしまった。 長い間、作品解釈に対して関心が向けられてきたために、ボスが、後期中世の視覚表現の歴史と慣習に由来を持つ伝統的な造形を見事に扱ってきていることは見落とされることにもなった。しかい、これらの点こそが、この画家が鑑賞者を引き込もうとした対話の中心にあり、このイメージから発展して認識されるようになる議論の原点といえる。 ヒエロニムス・ボスの絵画は過去数十年にわたり、大規模な科学調査の対象となってきた。近年では、ボス調査・保存プロジェクトは、短い時間で、ボスとその工房が制作した木材を支持体とする作品のほとんどを徹底的に分析・記録した。この調査の結果によって私たちは、芸術家やその制作に関する19世紀的な考えに固執していれば知りえなかったボスの創造過程に関する、魅力的な知見が得られた。(中略) 本書は、一人の芸術家の(学術的なものであろうがそうでなかろうが)「モノグラフ」を目指してはいない。いくつかの短いテキストと、大量の拡大図とをあわせて紹介しているのは、ヒエロニムス・ボスの絵画・素描の、長い間看過されていたクオリティーに対する読者の好奇心を刺激するものであることを期待しているからだ。以前読んだ『謎解き ヒエロニムス・ボス』がお薦めです。
2023.02.08
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日本製半導体の敗因を知りたいわけで・・・この本を読み直してみようと思い立ったのです。***********************************************************大使の実例が示すように、パソコンがタブレットやスマホに置き換わりつつある昨今ですね。この本で言うところのパラダイムシフトなんでしょう。そのパラダイムシフトとして、インテルの判断ミスとサムスン電子の躍進が気になるわけです。そして、大使としてはとにかく日本製半導体の敗因を知りたいので「日本型モノづくりの敗北」という本を買ってきたわけです(笑)【日本型モノづくりの敗北】湯之上隆著、文藝春秋、2013年刊<「BOOK」データベース>より「日本の技術力は高い」-。世界では言われているが、なぜ半導体・電機業界が壊滅したのか?日立の技術者から学界に転じた著者が、零戦やサムスン、インテル等を例にとりながら日本の問題点を抉るとともに復活のための処方箋を提示する。<読む前の大使寸評>アップルとサムスン電子の製品をボイコットしている大使であるが・・・とにかく、日本製半導体の敗因を知りたいわけです。rakuten日本型モノづくりの敗北インテルのミスジャッジを見てみましょう。<インテル史上最大のミスジャッジ>p199~200より アップルは、初代「iPhone」用プロセッサの生産委託をインテルに打診した。その際、アップルは、それに一定の金額を払うが、その金額以上はびた一文も出す意志がないと伝えたという(ジョブスの言いそうなことだ)。 おそらくジョブスは、プロセッサ1個当り約10ドルとし、それ以上払わないと言ったのだろう。インテルは、これに基いて利益を出すにはどのくらい生産すればいいか、つまり「iPhone」がどのくらい売れるかを予想した。インテルは、まさか将来スマホの出荷台数がPCを超えるとは予測できなかった。したがって、1個約10ドルのプロセッサをつくっても利益は出ないと判断した。だからこそ、インテルCEOオッテリーニ氏は、アップルからの依頼を断ったのだろう。 しかし、蓋を開けてみれば、インテルの予測したコストは間違っていた。なぜならば、「iPhone」の生産量はあらゆる人が考えていた量の100倍だったからだ!<インテルの代わりにサムスン電子が受託>p200~201より ちなみに、インテルが断った「iPhone」用プロセッサは、韓国のサムスン電子が製造することになった。サムスン電子は、DRAMやNANDフラッシュメモリで世界シェア1位だが、メモリは好不況の波を受けやすいため、随分前からファンドリーに進出しようとしていたが、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。 そんな時に「iPhone」用プロセッサを受託し、ファンドリービジネスを開花させ、その利益を享受することになった。「iPhone」効果で、ファンドリー部門では、サムスン電子はこの3年間で10位から3位に大躍進した。 さらに、「iPhone」用プロセッサの受託は、もっと大きな果実をもたらした。サムスン電子は、自他共に認める「ファーストフォロワー」、つまり模倣者である。その模倣者に、アップルは、スマホの付加価値の源泉ともいうべきプロセッサを製造委託したわけである。 現在、サムスン電子のスマホ「GALAXY」は、出荷台数で「iPhone」を抜いて世界一となり、同社の最も大きな収益源となっている。「GALAXY」の開発・製造に、「iPhone」用プロセッサ製造で知り得たノウハウが活かされていることは間違いない。 アップルとサムスン電子は、2012年以降、世界各国で、スマホに関する訴訟合戦を繰り広げている。これについては、アップルは墓穴を掘ったとしか言いようがない。パラダイムシフトの前兆を察知する感性も大事なんでしょうね(なーんちゃって)<パラダイムシフトの前には技術力は無力>p210~211より 1980年代半ばに世界シェア80%を占め、世界最高品質を誇り、産業のコメとまで言われた半導体メモリDRAMは、コンピュータ業界のパラダイムシフトに適応できず、破壊的に安く大量生産するサムスン電子によって駆逐され、撤退した。 1社だけ残った残ったエルピーダメモリは、日立が新技術の研究開発を行い、三菱がインテグレーション技術を担当し、NECが量産工場の生産技術に専念したら、世界最強のDRAMメーカーになったかもしれない。しかし、実際は「ほとんどNEC」になってしまい、PCの低価格化に伴ってDRAM1ドル時代を迎えていたにもかかわらず、従来の“こてこて”のプロセス技術から脱却することができず、倒産した。 DRAMから撤退した日本は、雑誌に煽られて確たる戦略もなくSOC(システムLSI)に舵を切った。ニッチな集合であるSOCに必要なことはマーケティングとシステム設計だったが、日本は30年以上前に形成された技術文化から何一つ変わろうとせず、上位発注者から言われた通りに、ひたすら高品質につくることだけに注力した結果、まったく利益が出ず、壊滅的状態に陥った。 かつて日本のお家芸だったテレビ産業では、モジュール部品の組み合わせでデジタルテレビが製造可能になったにもかかわらず、ほんのわずかの差の高画質にこだわり、しかも世界展開はほとんどできず、壊滅的状態になった。 1992年以降、世界半導体売上高1位の座に君臨し、PC用のプロセッサを独占し、世界最先端の半導体技術を開発し続けてきた米インテルは、PCがスマホに駆逐され始めたため、史上最大の危機に直面することになった。 こうしてみてくると、世界シェア1位、世界最高品質の製造技術、世界最高の高画質技術、世界最先端の技術を持っていても、パラダイムシフトの前にはまったく無力であることがわかる。 だからといって、技術開発を行うことが無意味だと言っているわけではない。世界のパラダイムが変化しているにもかかわらず、過去の成功体験に囚われ、それゆえ強いと思っている技術にしがみつき、自身が変わろうとしないことが問題なのだ。 日本が再起するためには、パラダイムシフトにうまく適応し、イノベーションを起こすような技術を開発し、製品をつくることが必要である。 このままでは後口が悪いので、最後は湯之上さんの宣託を拝聴しましょう♪<あなたが世界をどう変えたいのか?>p247~249より エジソンがウォシュレットを発明できなかった理由は、自分のお尻を洗えないと言う不幸せを不幸せと思えなかったことにある。つまり、「お尻を洗うと気持ちがよいのではないか?」という問題を発明することができなかったからだ。 三宅氏によれば、新市場の創出には四つの制約条件がある。これを幸せの制約条件と呼んでいる。 ウォッシュレットの例でいえば、温水器やポンプなどの技術的制約がある。また、水洗トイレのための水道インフラや送電インフラなどの社会的制約もある。さらにモノを購買し維持するだけの経済的制約も存在する。 しかし、この三つの制約より重要なのが文化的制約だと結んでいる。なぜなら、「お尻を洗いたい」と思わなければ、たとえ全期3条件が満たされていても、ウォシュレットを使おうという気にはなれないからだ。 私は2007年に48日間かけて世界一周をしてみたが、日本以外にウォッシュレットが普及している国はなかった。中国やインドなどの新興諸国には経済的及び社会的制約があったかもしれない。しかし、欧米にはそのような制約はないはずだ。にもかかわらずウォシュレットがあまり普及していないということは、「お尻を洗いたい」という文化がないからに他ならない。 逆に言えば、「お尻を洗いたい」という文化が広まりさえすれば、ウォシュレットの普及は難しくない。ここに、日本の電機・半導体産業が新市場をつくり出すヒントがあるのではないだろうか? ビジネスをしたい国に行って、その国民目線で、その国民が幸せになるにはどんなモノやコトが有効か、そして、そのモノやコトはどうしたら受け入れられるかを探求し、考え、企画する。これが出発点ではないか?そうしてみて、模倣による解決策を考えるのである。 結局、新市場の創造とは、あなたが世界の何をどう変えたいかという信念ではないか?つまり、あなたがこの世界をどう理解し、何を変えたいと思い、自分に何ができるか、何を分担するかということだ。「技術者を盗む」というような大胆な発想が、孫子を産んだ大陸マインドであるが(笑)・・・わりと視野が狭いのが日本の経営者の弱点なんでしょうね。企業統合という官主導のわりと安易な方法で、この大陸マインドを蹴散らすことができるとは思えないけど、まあお手並み拝見というところでしょうか(弱気な大使でんがな)。日本型モノづくりの敗北(その2):インテルのミスジャッジ日本型モノづくりの敗北(その1):
2023.02.08
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NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、三谷幸喜さんの脚本にしびれたわけであるが・・・三谷さんの「創作」の真髄に触れてみたいということで、この本を読み直してみようと思い立ったのです。***********************************************************図書館で『三谷幸喜 創作を語る』という本を、手にしたのです。おお 三谷さんの「ハウツー脚本家」のような本ではないか・・・三谷さんのコメディの原点が見えるかも。【三谷幸喜 創作を語る】三谷幸喜著、講談社、2013年刊<「BOOK」データベース>より「新しいこと」「おもしろいこと」ばかり考える希代のクリエイターの頭の中身。『古畑任三郎』から『清須会議』まで制作の舞台裏を語る。<読む前の大使寸評>おお 三谷さんの「ハウツー脚本家」のような本ではないか・・・三谷さんのコメディの原点が見えるかも。rakuten三谷幸喜 創作を語る三谷さんの大ヒット映画『THE有頂天ホテル』について、見てみましょう。インタビュアーは松野大介さんです。p174~178<15 THE有頂天ホテル> 監督3作目にして、大ヒット映画が生れた。きらびやかなホテルに集結したオールスターキャストという話題性もあり、日本のオリジナル映画としては異例の興行成績を収める。 三谷:台本を書いている時点での僕のイメージは、古びた小さなホテルだったんですね。だから、小劇場に出てるような、メジャーじゃないけどうまい役者さんを起用して、地味だけどおもしろい作品を創りたいなと思ってた。単館ロードショー的な。最初はそんな感じだったんです。Q:それがなぜ、あんなにド派手できらびやかなホテルが舞台に変わったんですか。三谷:イメージキャストといって、この役はこの俳優さんのイメージと、メジャーな俳優さんの名前をたくさん書いて渡したら、ほとんどの俳優がOKになっちゃった。すんごいオールスターキャストですよ。これだけの俳優さんが出るからには、舞台も大きなホテルにしたくなるし、そうなるともっともっと予算をかけて撮影しようということになり、僕が考えていたよりも企画がでかくなってって。Q:そういった意味では前作からさらにというか、はるかに豪華なセットと出演陣になった。三谷:前の2本は、芝居作品と自分の実体験で、僕の趣味の延長線上みたいな作品だったのに『有頂天…』はいつの間にか大作になった。結果的にすごくお客さんが入ってくれたのは、そういうううに持っていったプロデューサーの勝利だと思います。僕自身のテイストとは違うけど、細部にいたるまでオールスターキャストでお祭り的な感じ。映画がキラキラしてる。 タイトルは、『グランド・ホテル』と『有頂天時代』と、共に1930年代のモノクロのアメリカ映画に由来している。大晦日の夜から年明けまでの2時間、ホテル・アバンティに居合わせた人々の人間模様を描いた。文字どおり“グランド・ホテル”形式である。 登場人物は、ホテル従業員17名/客15名/芸能人16名/その他8名総勢56名とされる。 その配役は、主役のホテルマン役所広司、ベルボーイに香取慎吾、メイドに松たか子、客の政治家に佐藤浩市、客の演歌歌手に西田敏行、ホテルに出入りする娼婦に篠原涼子、さらに唐沢寿明、津川雅彦、戸田恵子、原田美枝子、生瀬勝久、伊東四朗、オダギリジョー、角野卓造、麻生久美子、YOU、寺島進、悲鳴を上げる女に高島彩…など名を羅列しただけで長くなるのですべては書かない。様々な人々が入れ代わり立ち代り現れて悩みや喜びや決意を持って各自の大晦日を送る。(中略)Q:すごいヒットですよね。ヒットして、何か変わりましたか三谷:この映画から、僕の映画に対するスタンスが変わったんです。前2作は僕自身が楽しめればいいとも思ってたけど、これだけのお客さんが入ったことで、これからは日本中の人が楽しめる映画を創ろうと思うようになった。 本当に自分がおもしろいと思えるものは舞台でやればいいわけで、映画は大勢の人が楽しめるものを創る。今の自分がそういう仕事をやらせてもらえる土壌にいるのなら、それえをやらなきゃいけない気がした。楽しみに待ってくれるお客さんが大勢できたわけですから。そのためにはどういう題材を選んで、どういうキャスティングにするかを考えていこうと。 興行的にはすごくて、当時は邦画の歴代興行成績ベスト10に入った。他にランクされてるのは『踊る大捜査線THE MOVIE』のようにドラマの映画化とかマンガの映画化が多い。そうではなく、オリジナル映画で上位って邦画ではあんまりない。これ自慢。Q:今回もさらに長回しが多用されてますけど、三谷さんは監督と同時に編集権もあるわけですよね三谷:編集マンは別にいるけれど、今の日本映画では、ふつうは監督が編集に立ち会うんじゃないかな。Q:北野武監督のエッセー集に、編集マンから「こういう編集はありえない」と言われて、編集については闘ったという話がある。編集との闘いは三谷さんの場合はないんですか?三谷:長回しのシーンだから編集そのものがない(笑)。『有頂天…』はほぼ全シーンを“ワンシーン・ワンカット”にしたんですよ。それこそ編集のしようがない。シーンとシーンを機械的に繋げていくだけだから。でも、だからこそ編集の上野聡一さんと議論というかモメました。「申し訳ないけど、これは商品にならない。映画とはいえない。人前に出せるレベルになってません」 そこまで言われた。上野さんは信頼できる人なんで、結構言うことは正しいんです。「でもこれは脚本を書く時から僕の頭にあった手法だし、その手法で撮り、シーンを繋いだので、仮に商品になってないと言われても、これ以外の形はない」 僕の意見に対し、上野さんは、「長回しのシーンでも、編集によってカットバックみたいなことも出来るので、そうして映画にリズムを作りたい」とも言ってきた。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』2022.03.08・『三谷幸喜 創作を語る』4:おわりに:松野大介・『三谷幸喜 創作を語る』3:映画『THE有頂天ホテル』・『三谷幸喜 創作を語る』2:日芸での修業エピソード・『三谷幸喜 創作を語る』1:この本の冒頭
2023.02.07
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図書館で『活字博物誌』という新書を、手にしたのです。 おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。【活字博物誌】椎名誠著、岩波書店、2013年刊<商品レビュー>よりシーナの読書から派生した四方山話。良い具合に酔ってきて、話があっち行ったり戻ってきたりするのを、楽しく聞いている感じで読めるエッセイ。男女のヘソ出し、ケツ出しルックに疑問を呈したり、カメムシに七転八倒してみたり、今回もシーナはシーナだった。面白い。<読む前の大使寸評>おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。rakuten活字博物誌ファーストコンタクトの(ヨタ)話を、見てみましょうp123~125<科学はキライだ> 期待したい次の世紀の最大のニュースは、やっぱりどう考えても未知との遭遇であろう。つまりまあ宇宙からの訪問者とのファーストコンタクトでありますね。 来世紀はどうやら火星への有人宇宙船の飛行が行われるらしいが、願わくばこの火星あたりで、ヨソの星からやってきた宇宙人とバッタリ遭遇などということになってほしい。 そういうのは、たとえていえば、ずっと大昔、まだ日本が外国の人々とほとんど触れ合っていなかった頃、九州のはじっこのほうの島とか、北海道のどこかのとんがった岬のあたりで、外国人と接近遭遇するのと似たような構造になるのではあるまいか。『幕末の小笠原』(田中弘之、中公新書)を読むと、四国のみかん船が漂着したり、イギリスの軍艦がやってきたり、スペインの探検調査船がきたり、アメリカの捕鯨船がきたり、とけっこう賑やかにいろんな国の人々が当時の小笠原諸島に上陸している。 しかしかれらは、小笠原諸島の沢山の島々のどこかに、永い年月のそれぞれいろんな時期に、いたって気まぐれに、つまりはまあ唐突にやってきているだけであるから、上陸して永く済まないかぎり、それらがハチあわせすることはなかった。 だから、それこそ人類搭乗五百万年の歴史のなかで、まったくのひょいとしたつかのま(五百万年からみたら一瞬の閃光とすら認識されないくらいの)瞬間的時間、火星に降り立ったとして、それがなんぼのものか!というのが宇宙常識というものなんだろう。 しかしまあ人情として折角あんな遠い火星までいくんだから、かえりがけにちょいとしたお土産でも持たせてくれまいか・・・、という気分はあるではないか。 どっちにしたって地球でじっとしているよりは宇宙まで出ていったほうが、ヨソの世界のナニカと出会う可能性は高い筈なのだから・・・。 宇宙というと、ここしばらくはNASAのスペースシャトルが周回しているあたりはそんなたいした宇宙ではないように思うのだ。 スペースシャトルの周回軌道は平均300キロであるから、これはよく考えるてみるとそんなに驚くほどの高度ではない。 たとえば我々がごく普通に乗っているジャンボ機などでも、すぐに機長が「ただいまの高度は1万メートルです」などと得意げにいうではないか。あの高度と較べてみると、あのあたりからちょいと上の、たかだか30倍程度のところを飛んでいるのである。どうってこと(あるか)・・・。 いや、いちばんはじめに人工衛星からの写真を見たとき、正直なはなし、僕は驚いたのである。それはなんて地球の地表にちかいところを飛んでいるのだい?という驚きであった。これはまあ言うまでもなく百パーセントぼくの科学的無知からきているイチャモンでしかないのだが、でも人情としてそういうの、あるんじゃあないか。 とりあえず、あれだけの大装置で空高く飛んでいくのである。もうちょっとわしらのいるところの、ずっとずっと上のほうを飛んでいるのかと思っていた。 人工衛星からの写真を見ると、飛行機の上から見た風景とそんなにとてつもなく違ってはいないような気がした。だいいち地球の丸い姿が見えない。地球の部分しかみえないじゃあないか。『活字博物誌』1:字のヨロコビと悲しみ
2023.02.07
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在110位・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、副本3、予約49)現在2位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在11位・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、副本2、予約19)現在1位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在10位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在4位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在58位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在3位・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、副本1、予約12)現在2位・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、副本2、予約10)現在2位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在43位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在38位・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、副本5、予約17)現在6位・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、副本1、予約1)現在1位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在3位・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、副本6、予約8)現在3位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在189位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・ジンセイハ、オンガクデアル・カズオ・イシグロ『夜想曲集』<予約候補>・戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々・養老孟司『形を読む』・篠田謙一『人類の起源』・宇野常寛『砂漠と異人たち』:図書館未収蔵・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・沢木耕太郎『深夜特急』・スマラサーラ『怒らないこと』<予約分受取:10/27以降> ・『スマホ脳』(1/28予約、10/27受取)・『帝国日本のプロパガンダ』(7/30予約、11/15受取)・半藤一利『日本のいちばん長い日』(11/16予約、11/20受取)・阿川佐和子『アガワ家の危ない食卓』(11/13予約、11/23受取)・「監視資本主義」(2/07予約、12/06受取)・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、12/13受取)・女のいない男たち(3/31予約、1/13受取)・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)**********************************************************************【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【ブルシット・ジョブの謎】酒井隆史著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より仕事とは何か?悩み苦しむすべての人へ。誰も見ない書類を作成する事務、上司の虚栄心を満たすだけの部下…資本主義や効率化が進めば進むほど無意味な仕事が生まれる「不思議」。『ブルシット・ジョブ』翻訳者が贈る特別講義!世界的現象の「謎」を解き明かすー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/02予約、副本3、予約49)>rakutenブルシット・ジョブの謎【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より二〇二二年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。三月十二日にキーウ入りして以来、四月十七日に出国するまで各地で取材。そして五月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【“正しい”を疑え!】真山仁著、岩波書店、2022年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えは絶対に正しい」と自分の意見を押し付ける人、他人の意見に安易に流される人…。不安と不信が蔓延する社会において私達はいったい何を拠り所にすればよいのか?作家・真山仁から困難な時代を生きる人々へ魂のメッセージ。自分を信じて自分らしく生きるためのヒント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/22予約、副本6、予約8)>heibonsha“正しい”を疑え!【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.02.06
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『東洋文庫ガイドブック』という本に、『熱河日記』に触れたあたりが載っているので再読しようと思い立ったのです。***********************************************************図書館で『東洋文庫ガイドブック』という本を手にしたのです。この本の半分ほどが短い紹介のついた東洋文庫の目録になっています。(あとの半分が諸氏による書評となっています)東洋文庫といえば、難しくて歯が立たないものが多いのだが・・・時がたてばそのうち読めるだろうと、まさに知の宝庫のような観があるわけです。【東洋文庫ガイドブック】平凡社編、平凡社、2002年刊<出版社>より東洋文庫700巻突破記念! 血湧き肉躍る冒険物語から深い思索にしずむ叡知の書まで、多彩な書目をどう愉しむか、その道筋を各分野の練達が指南する。全巻詳細内容解説付き。<読む前の大使寸評>この本の半分ほどが短い紹介のついた東洋文庫の目録になっています。(あとの半分が諸氏による書評となっています)東洋文庫といえば、難しくて歯が立たないものが多いのだが・・・時がたてばそのうち読めるだろうと、まさに知の宝庫のような観があるわけです。heibonsha東洋文庫ガイドブック良きにつけ悪しきにつけ朝鮮が気になるわけで、まず朝鮮を見てみましょう。p73~75 <「大陸国家」朝鮮を知るために:野崎充彦>■「はじめての」東洋文庫 東洋文庫の何を最初に読んだか? 実は、よく思い出せない。幼い頃、父親の書架にあった、バートン版の『アラビアンナイト』を盗み読みし、何やら「禁断」の匂いを嗅ぎとっていたものだから、或いは前嶋信次氏の手になるアラビア語原点からの直訳『アラビアン・ナイト』(全18巻)あたりを手に取ったような気もする。しかし、その時、私が経験したのはセクシャルな刺激ではなく、同じ作品でも訳者によってどれほどイメージが変わりうるのか、という知的興奮であった。 確か、林達夫氏の言葉に「翻訳を読むときには、原典を横に置いて読め」というのがあったと記憶する。後年、古典語も含め、多少なりとも外国語に親しむようになって、早速、この教えを実行に移したところ、およそ原典の精彩を保った翻訳など稀であり、なかには「言語明瞭、意味不明」といったシロモノも少なくないことを見出すようになった。そのような中で、数少ない例外の一つが、今村与志雄氏訳の『熱河日記』である。 朝鮮実学派として名高い朴趾源は卓越した才を有しながら、科挙を望まず、40を過ぎても浪々の身をかこっていた。そんな彼が1780年、清の乾隆帝70歳の寿を祝うために派遣された燕行使に随行し、5ヶ月にわたる道中の見聞をまとめたのが『熱河日記』である。 北学派(実学派のなかでも、商工業の発展に重きをおく立場)の巨匠と称された朴趾源だけあって、日記の記述は多彩をきわめる。罵旅のおりおりに目にする自然と風物の自ずと触発され、越し方行く末への歴史的社会的洞察を滔々と論じるのは、朝鮮士大夫としては当然のことだが、彼の視野はそれのみに留まるものではなかった。 焼き物の窯やオンドルの構造をはじめ、車の制度やタバコの由来、それに糞尿の利用法に至るまで薀蓄を傾け、果てはチベット僧のパンチェン・ラマに拝謁するなど、その好奇心の旺盛さたるや童子のそれに等しいものがある。 これほど多種多様な内容は、読者をして朴趾源の精神世界に誘い、めくるめく博学ワールドに誘うのに十分だが、一方、訳者の立場からすれば非常な困難が待ち受けていることは容易に想像がつこう。それを今村氏は確かな読解力と緻密な注釈作業を通じ、一点のゆらぎもない確固たる日本語に置き換えることに成功されたのである。まさに名訳と呼ぶに値するものであろう。 私はこの『熱河日記』を、これまで原典と対照しながら数え切れないほど繰り返し読み、今では朴趾源の肉声さえ、日本語で聞こえてくるほどだが、それらは全て「今村版」朴趾源に基づくものだといっても過言ではない。(中略)■「許生伝」から野談の世界へ さて、『熱河日記』の中には「許生伝」なる短篇小説が収められている。これは貧窮のうちに暮らす没落両班の許生が、都随一の富豪から借りた財をもとでに、物価の騰貴を利用して巨富を得、国中にはびこる盗賊たちを引き連れ、無人島に渡って理想国家をつくった後、その才を聞きつけて尋ねてきた丞相に向かい、痛烈な国政批判をあびせる、という実学派の思想を濃厚に反映した「イデオロギー小説」で、今日の韓国でもよく知られている。ウーム 「イデオロギー小説」ってか・・・いかにも韓国である。それにしても、翻訳者をこれほどにまで熱狂させた『熱河日記』が気になるので、図書館で探してみることにしよう♪『東洋文庫ガイドブック2』1:『東洋文庫ガイドブック2』2:
2023.02.06
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図書館で『活字博物誌』という新書を、手にしたのです。 おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。【活字博物誌】椎名誠著、岩波書店、2013年刊<商品レビュー>よりシーナの読書から派生した四方山話。良い具合に酔ってきて、話があっち行ったり戻ってきたりするのを、楽しく聞いている感じで読めるエッセイ。男女のヘソ出し、ケツ出しルックに疑問を呈したり、カメムシに七転八倒してみたり、今回もシーナはシーナだった。面白い。<読む前の大使寸評>おお シーナの「活字博物誌」ってか・・・口から出まかせのヨタ話かもしれなが、それが売りなんだろう。rakuten活字博物誌沢野ひとしのイラスト活字がテーマの(ヨタ)話を、見てみましょうp44~46<字のヨロコビと悲しみ> ぼくの本によくイラストを描いている友人の沢野ひとしとは高校1年が一緒だった。両方ともまったく勉強しないのですぐ仲よくなった。勉強ができない、という大きな恥があったので、せめて字だけでもちゃんとした読めるようなのを書いてバカがバレないようにしよう、とあるとき両者でつよく頷きあい、その練習をしたことがある。 字はできるだけ漢字にしたほうが知的に見えるだろうと思ったので、いちいち辞書で調べ、好きな女の子に「或る日蒼い空を眺めている内に貴女のことを想い気持ちが無闇に叢々しまして・・・」などと書いて送ったりした。女の子はすぐバカを見抜き誰も相手にしてくれなかったが、しかしおかげでこの頃は内容はわからないものの、文字だけは丁寧に書いていたので「字」をほめられることが時おりあった。『おろかな日々』(文春文庫)というぼくのエッセイ集に沢野ひとしが解説を書いているのだが、こういう一文がある。「高校時代の彼の字は均衡が取れ、実に味わいのある美しい文字であった。彼と私はガリ版の同人雑誌を作り、もっぱら原紙に鉄筆で文字を書くのは彼の仕事であった」 ガリ版の文字というのは一本一本丁寧に書かないとハナシにならない。当時はその雑誌を見た人に読みやすい字、ともいわれた。 しかしいまぼくは作家の中ではどうやら悪筆のベスト5に入るらしい。ものすごく読みにくく、しかもわかりにくいらしい。ひらがなの「て」と「つ」とカタカナの「フ」がみんな同じにみえるらしい。そのことも沢野ひとしは同じ開設の中で証言している。「ただし、最近の彼の生原稿を見た人は、あまりの字のひどさにあきれるはずである。長い間、彼の挿絵の仕事をしてきた私からいうのもつらいことだが象形文字のような形をした文字が原稿用紙に並んでいて“キタナイ”のひとことにつきる」 随分ケナサレているのだが、言われてもしかたがないくらい、自分でもひどいなあ、と思っているので文句はない。文句はないが、悲しみはある。いったいどうしてこのようにヒドイ文字になってしまったのだろう。 少し真剣に考えてみると、どうもモノカキになってから加速度的に文字が乱れていったようである。原稿用紙に文字を沢山書けば書くほどキタナク読みにくい文字に劣化していった。 しかし冷静に考えるとどうも世の中のフツーと逆のような気がしてならないのだ。人間というものはたとえば釣りの人は竿を出せば出すほど、ゴルフの人はクラブをふり回せばふり回すほど、将棋の人は駒を指せば指すほどうまくなるものでしょう。 その伝でいくとどうもぼくのこの退歩劣化はあまりにも道理に反してひたすらむなしいだけのような気がする。最近ではとてつもなく急いで書いた原稿などは自分でもあとで読めない宇宙文字となっている。書いた本人が読めないのだから、もう地球上の誰にも読みとることはできないのだ。
2023.02.05
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恐竜の消滅や羽毛恐竜には、我がツボがうずくわけで・・・『生命史35億年の大事件ファイル (ニュートン別冊)』というムック本について、以下のとおり復刻してみます。***********************************************************図書館で『生命史35億年の大事件ファイル (ニュートン別冊)』というムック本を、手にしたのです。おお 表紙にもカンブリア紀の生命爆発や恐竜の消滅が出ているではないか・・・やはり二つに絞ればこうなるのか。【生命史35億年の大事件ファイル】ムック、ニュートンプレス、2010年刊<レビュー>より-内容- カンブリア爆発はなぜおきたのか? 古生代末の大量絶滅の原因は? 哺乳類が生き残ったのはなぜなのか? 生命誕生から人類の登場まで、生命史35億年の間に起きたさまざまな事件のなぞときにせまる。<読む前の大使寸評>おお 表紙にもカンブリア紀の生命爆発や恐竜の消滅が出ているではないか・・・やはり二つに絞ればこうなるのか。rakuten生命史35億年の大事件ファイル「事件19 白亜紀末の絶滅事件」でもうひとつの大事件を、見てみましょう。p124~125<小惑星が大量絶滅を引きおこした> 今から6550万年前、一つの小惑星がメキシコのユカタン半島に落下した。その影響はすさまじく、それまで1億年以上にわたって繁栄していた恐竜たちを絶滅に追いやることになる。この絶滅でどの生物が滅び、そしてどの生物が生きのびたのか? 生死の運命を分けた条件とは何なのか? 絶滅事件の実態をのぞいてみよう。 それは突然の出来事だった。今から6550万年前、恐竜の栄えた中生代白亜紀の末期に、直径10メートルにおよぶ小惑星がメキシコのユカタン半島に衝突した。直径10メートルという値は、東京中心部を走る環状線「山手線」の長径に匹敵する大きさだ。 この小惑星は、東京ー静岡間の直線距離を上まわる直径170キロメートルにおよぶクレーターをつくった。この衝突によって地殻の表層がはぎとられ、大量の粉塵が大気中に巻き上げられ、その塵によって太陽光が遮断された。その結果として、光合成生物が激減し、植物とそれを食べていた大型の動物たちを滅ぼすことになったとみられている。 この事件は、中生代白亜紀と新生代古第三紀の境界となったことから、「白亜紀」を意味するドイツ語のKreide、古第三紀を意味する英語のPaleogeneの頭文字をとって、「K/Pg境界絶滅事件」あるいは「白亜紀末絶滅事件」と呼ばれる。生命史上の5大絶滅の一つであり、そして最後の大量絶滅である。 鳥類をのぞく恐竜類、翼竜類、クビナガリュウなどの3大海棲爬虫類のすべてが絶滅し、哺乳類も数多くのグループが滅んでいる。無脊椎動物ではアンモナイト類の絶滅などが知られている。 過去4回の絶滅とくらべると何がちがうのだろう? 早稲田大学教養学部で古生物学を研究し、絶滅にくわしい平野弘道教授は次のように指摘する。「K/Pg境界の絶滅は、陸・海・空のすべてに大きなダメージをあたえていたという点が特徴的です」。 中生代ジュラ紀に出現した鳥類によって、生命ははじめて本格的に空を生活圏にした。K/Pg境界の絶滅は、この鳥類にも大きな影響をあたえたものだったという。ただし、鳥類への絶滅の影響に関してはまだ化石のデータが少なく、今後の研究によるところも多いようだ。<恐竜を滅ぼしたのは小惑星で確定か>K/Pg境界で絶滅事件があったことは古くから知られていた。「その原因が小惑星である」という仮説を提唱したのは、アメリカの核物理学者であるルイス・アルバレズたちが最初である。1980年のことだった。 当初、この仮説は、すべての研究者に受けいれられたものではなかった。とくに1980年当時はまだクレーターも発見されていなかったことも、その理由のひとつとされている。 また、とくに恐竜の絶滅を小惑星衝突に求めるかどうかでは異論もあった。恐竜に関しては、「白亜紀末に向かってしだいに数を減らしていった」という指摘もなされていたからだ。つまり恐竜の絶滅は、小惑星の衝突によるものではなく、もしその影響があったとしても“弱っていた恐竜たち”への最後の一撃にすぎなかった、という見方だ。(中略) 1990年代以降になって膨大な量のデータが統計的に計算されるようになった結果、恐竜はやはり突然に滅んだとみなされるようになったようだ。突然の絶滅となれば、小惑星衝突による絶滅説は有力なものとなる。 2010年の3月には、世界12ヶ国41人の研究者によるK/Pg境界絶滅事件をめぐる研究が発表され、その原因は小惑星の衝突にあると断定された。『生命史35億年の大事件ファイル』2:事件4 節足動物の繁栄『生命史35億年の大事件ファイル』1:事件3 カンブリア爆発 その1
2023.02.05
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図書館で『間違う力』という新書を、手にしたのです。 おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。帰って調べてみたら、この本を4年前に借りて読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その4)とします。【間違う力】 高野秀行著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より人生は脇道にそれてこそ。ソマリランドに一番詳しい日本人になり、アジア納豆の研究でも第一人者となるなど、間違い転じて福となしてきたノンフィクション作家が、間違う人生の面白さを楽しく伝える!!破天荒な生き方から得られた人生訓10箇条!<読む前の大使寸評>おお 高野秀行さんの「間違う力」ってか・・・これは間違いなくホンマモンではなかろうかと思うわけです。rakuten間違う力はじめに「はじめに」の冒頭を見てみましょうp3~6<はじめに>「オンリーワンになる方法をについて本を書いてほしい」 編集者のN氏からそんな依頼を受けたとき、「何だ、そりゃ?」と思った。オンリーワンという言葉はあちこちで見聞きするが、正直言って意味はよくわからないし、ましてや自分がそうだと思ったこともない。 困惑したまま黙っていると、N氏は私が企画に対して乗り気でないと受け取ったようで、熱心に話し出した。「ima、若い人たちは大変なんです。私たちのような昭和世代とちがって、彼らは個性的な人間になれとか好きなことを仕事にしろとか言われて育ったきているんです。要するにオンリーワンですね。でもなかなかオンリーワンなんかなれないでしょう?『さあ、これがオンリーワンになる方法ですよ』なんてものもないですし。ある意味、『みんなと一緒にやれ』より『オンリーワンになれ』と言われるほうが難しいんですよ」 N氏の熱弁により、なんとなくオンリーワンが「個性的な素晴らしい人間」を指すようだとわかってきたが、でもなぜ私にそれを依頼するのか。確かに辺境ノンフィクション作家などと名乗り、人とは全くちがう仕事をしているが、それは数的に「たった一人(オンリーワン)」というだけで、「個性的な素晴らしい人間」ではまったくない。だいたい、私は人間的にはごく普通だ。 正直に「僕はオンリーワンなんて思ったこともないですよ。どうして僕にそんなことを頼むんです?」と言うと、N氏は目を丸くした。「だって、高野さんのホームページに『オンリーワンの偏狭冒険作家』って書いてあるじゃないですか!」「え・・・?」 そういえば、以前、私があまりに「売れない、売れない」と嘆いていたら、親切な友人たちがホームページを作ってくれた。そのとき何かそういうキャッチー(かどうか不明だが)なコピーをつけてくれたような覚えがある。だが、いかんせん、自分のホームページなんてほとんど見ないのですっかり忘れていた。「ああ、そういえば・・・」と遠い目をしていたら、N氏は「ほら、見なさい」と勝ち誇ったような笑みを見せた。しかも話をよく聞けば、別にオンリーワンには「素晴らしい」という概念は含まれていないらしい。単に「個性的な人間」という意味のようだ。 この辺で私のアドバンテージ(?)は崩れ、なんとなくN氏の「困っている若い人のために」という説得に乗ってしまい、本を書くことに同意してしまった。 私はときどき、こういうふうによく知らない人の誘いにうかうかと乗ってしまい、痛い目を見ることがある。今回もまさにそうで、時期がたてばたつほど、「オンリーワン」というものがわかなくなっていった。 困り果てて、インターネットで検索してみた。すると、何十万件という数字がヒットして、ブログの類いぞこぞこ出てきた。最初の二十件くらいしか読まなかったが、どうやらオンリーワンの定義には大きく分けて二種類の解釈があるらしい。 一つは「あなたはもともとあなたであって、ほかの誰でもない。だからただ生きているだけでいいんです」というもの。典型例はSMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」にある。「No.1にならなくてもいい。もともと特別なOnly one」というやつだ。 もう一つは、「人とはちがう個性や存在感をもって、その世界で独特な立場を築いている」というもの。こちらは主に仕事や社会活動にかかわっていくようだ。 前者のオンリーワンは、極端な話、生きているだけでいいのだから、とくに何もすべきことはない。「大般涅槃経」という経典では「人はみな生まれながらに仏になる素質をもっている」とされ、浄土真宗をひらいた親鸞は修行も何もせず、ただただ念仏を唱えれば極楽浄土に行けると教えたらしいが、それに似ている。何も考えず、SMAPの歌をカラオケで繰り返し歌うのがいちばんよい方法かもしれない。 となれば、私が考えるべきは後者のオンリーワンだろう。 だがしかし、存在感とか個性という言葉はあまり好きではないのだ。もちろん、私も考えたことがないわけじゃない。というより、「個性とは何か」をかなり長く考えていた時期もある。だが、個性的かどうかなんてことをうだうだ考えていたのは調子の悪いときで、乗っていたときはそんな抽象的なことは考えなかった。 だいたい、個性がよく「感性」と結びつけられているのが気に入らない。そんな曖昧模糊としたことを考えてどうするのだろう。私にとって個性なんてものがもしあるとするなら、それは「ネタ」じゃないかと思う。人とはちがう体験や過去みたいなものが要するに個性じゃないのか。『間違う力』3:高野さんの戦略p168~172『間違う力』2:就職しないで生きる方法を探すp42~46 『間違う力』1:高野さんの輝かしい業績p211~213
2023.02.04
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図書館で『ファンタジーと英国文化』という本を、手にしたのです。目次を見てみると、『不思議の国のアリス』や『千と千尋の神隠し』、そしてロアルド・ダール文学紀行が載っているんで、チョイスしたのです。【ファンタジーと英国文化】安藤聡著、彩流社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりなぜ英国はファンタジー王国なのか。英国の文化的、風土的背景から名作をたどる。『チャーリーとチョコレート工場』『思い出のマーニー』から『ハウルの動く城』『ハリー・ポッター』まで。そして『アリス』『ホビット』『ナルニア』『ピーター・パン』『パディントン』もみんな英国生まれ!<読む前の大使寸評>目次を見てみると、『不思議の国のアリス』や『千と千尋の神隠し』、そしてロアルド・ダール文学紀行が載っているんで、チョイスしたのです。rakutenファンタジーと英国文化第九章で、『不思議の国のアリス』と『千と千尋の神隠し』に触れたあたりを見てみましょうp175~177<『不思議の国のアリス』と『千と千尋の神隠し』> 宮崎駿監督によるアニメイション映画『千と千尋の神隠し』(2001)とルイス・キャロルの古典的児童文学作品『不思議の国のアリス』(1865)は、まったく異なった背景を持って創作されたにもかかわらず多くの共通点を持つ。『不思議の国のアリス』が書かれた時代の英国は工業化、都市化、そしてダーウィニズムによってもたらされた世界観の急激な変化のただ中にあり、一方で『千と千尋の神隠し』は日本の1990年代前半、すなわちバブル経済崩壊直後の、繁栄から衰退への転換の時代に設定されている。いずれの作品も変化の時代の産物であることは言うまでもない。 このような変化の時代には不安と悲観主義が蔓延し、人びとは未来を直視できずに過去に逃避する傾向があり、こうした「歴史的危機」と呼ぶべき状況の中でしばしば優れたファンタジー作品が創られ評価される。ハンフリー・カーペンターは「楽観主義的な社会は優れたファンタジーを産み出さない」と断言している。多くの優れたファンタジー(小説であれ映画であれ)は何らかの意味で過去を探求しているが、それは不安と悲観主義の藩営だとも言えよう。 『不思議の国のアリス』と『千と千尋の神隠し』のいずれにおいても、思春期前の少女が偶発的に不可解な「別世界」に迷い込み、そこで自己同一性の危機を経験している。千尋は十歳という設定になっていて、一方のアリスは『』では年齢が明らかにされていないが、いずれにせよ彼女らは早晩思春期を迎えるのであり、そこでさまざまな通過儀礼を経験する、という事実こそが重要なのである。 少女は思春期を通過する際に、何らかの形で自己同一性の危機を経験する。それは思春期が彼女らの生涯を通して最も大きな非連続的変化のひとつだからである。『不思議の国のアリス』と『千と千尋の神隠し』は双方とも主人公が近い将来迎えるであろう「変化」に対する「当惑」を表現している。彼女らは近くその非連続的変化を迎えるに際して、過去から断絶されて自己同一性や自分の未来に対する確信を見失っているのである。過去と繋がっているという実感は人に慰安と確信を与えるものであり、また自己同一性とは過去の経験やその記憶の総体に他ならない。<一 アリスの自己同一性喪失>『不思議の国のアリス』の冒頭でアリスの姉が読んでいる「挿絵も会話もない本」は、アリスにとっての大人の世界の退屈さや単調さを暗示している。彼女には姉がいるゆえ、彼女はすでに思春期における少女の変化の実例を見ているということになろう。姉の本を覗き込んで感じた違和感はしたがって、自分がその本に象徴される退屈な世界へと接近しつつあるという漠然とした予感によって引き起こされる不安や違和感を示していると解読できる。羞恥のとおりアリスは、懐中時計を手に慌てて走り去って行くウサギを追いかけて穴に入り、気づくと地下深く落下していた。この地下の世界で彼女は絶えず、「この上なく美しい庭」に行こうと試み続ける。テーブルの上に彼女は庭に続く小さな扉の「黄金の鍵」を見つけ、その扉を通り抜けるべくそこにあった水薬を飲んで小さくなるが、やがて今度は小さくなり過ぎてテーブルの上の鍵に手が届かなくなったことに気づく。 魔法が掛かった菓子や茸を食べるなどして何度拡大と縮小を繰り返してもアリスは庭に到達することができない。ここでこの庭は幼少時代のシンボルであり同時に大人の世界のシンボルでもあると解釈できよう。アリスは大きすぎて庭に入ることができず、また小さすぎて庭に入ることができないのである。彼女は庭にたどり着くことができずに苛立ち、拡大と縮小を繰り返したことによって混乱しているが、これは子供と大人の狭間で居場所を見失っている彼女の現在の状態の暗喩とも考えられる。 『ファンタジーと英国文化』1:ロアルド・ダール文学紀行
2023.02.04
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