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<宇宙への関心R6>本屋でも「ヒッグス粒子」本が並んでいるように、ヒッグス粒子が発見されたのは、画期的なことでしたね♪現代物理学と宇宙との関係が、ぐっと現実味を帯びてきたわけで・・・アホな大使でも、宇宙への関心が初期宇宙のように膨張している昨今です(笑)・・・ということで、宇宙関連の記事、書籍を集めてみました。・H3ロケットの打ち上げが2月17日に(2023年)・宇宙はなぜ美しいのか(2021年)・明けの明星(2020年)・村山斉の時空自在 3(2019年)・火星で生きる(2018年刊)・火星ガイドブック(2018年刊)・宇宙の誕生と終焉(2016年刊)・「宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)」(2014年刊)・宇宙への旅(2013年刊)・宇宙はなぜこんなにうまくできているのか(2012年刊)・星と暮らす。(2012年刊)・4%の宇宙(2011年刊)R6:「宇宙への旅」を追加***********************************************************************【H3ロケットの打ち上げが2月17日に】日本の国産基幹ロケット「H3」の打ち上げが2月17日に予定されています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月15日に予定していたH3ロケット試験機1号機の打ち上げ日を2月17日に変更したことを発表した、とのことです。 ついに初打ち上げ、日本の国産基幹ロケット「H3」より■H3ロケットをひたすら待っていたチーム 宇宙航空研究開発機構(JAXA)がプロデュースし、三菱重工など民間企業が開発に取り組んできた国産第3世代の強大H3ロケット1号機は、当初、2020年度中の打ち上げ予定だったが、「やっと、やっと」3年遅れの2022年度末ぎりぎりの、2月17日に種子島宇宙センターでの初打ち上げにこぎつけた。 H3ロケット1号機は「試験機」ではあるが、質量約3トンの大型衛星を搭載し、高度669km(太陽同期準回帰軌道)へと運ぶ。その初荷は「だいち3号」だ。 「だいち(ALOS)」は2006年に1号機が打ち上げた陸域観測技術衛星で、全世界の2万5000分の1の地図も作成した実績をもつ。アフリカなど地図が整備されていなかった地域の貢献ははかりしれない。 災害の状況把握などいわば地球のあらゆる状態を精密に知るインフラとしても欠かせない役割を担ってきた。3種の高機能センサーを搭載しており、そのひとつ、高性能の合成開口レーダー「PALSAR」は雲で覆われた、あるいは夜間でも地表の姿を捉えることができるからだ。文字数削減のため後略、全文は ここ***********************************************************************【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』5:宇宙のインフレーション『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』4:宇宙の晴れ上がり『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』3:暗黒物質『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』2:ブラックホール『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』1:太陽系は「新興住宅地」?***********************************************************************<「明けの明星」>早朝に散歩に出る習慣があるので・・・晴れていれば東南の空に「明けの明星」が見えるのです。この時期の明星(金星)は太陽との距離が離れているので、よりくっきり見えてきれいである。天文ファンというほどではないが、金星の公転が気になったのでネットで覗いてみました。宵の明星の金星より金星は2020年6月上旬に内合となり、太陽と同じ方向に位置するので見えなくなります。その後は6月下旬ごろから、明け方の東天に「明けの明星」として見えるようになります。見かけ上太陽から最も離れるころには、日の入り後や日の出前の地平線からの高度が高くなり見やすくなります。金星が太陽から東に最も離れるときを「東方最大離角」といい、「日の入りのころに夕方の西の空」で見やすくなります(東と西を間違えないように注意)。反対に太陽から西に最も離れるときは「西方最大離角」で、「日の出のころに明け方の東の空」で見やすくなります。公転周期: 225日会合周期: 584日「西方最大離角」ってか・・・ネットの画像を紹介します。ようわからんけど(汗)***********************************************************************<村山斉の時空自在 3>朝日の(村山斉の時空自在)シリーズをスクラップしているのだが・・・今回分が興味深いので紹介します。(2019.12.18デジタル朝日から転記しました)<「あんこ」なければ反応見やすく> 空気のように気づかないが、私たちを守ってくれているヒッグス粒子。2012年に加速器による実験でようやく出会えた。翌年、理論を提案した英国の物理学者ピーター・ヒッグス氏ら2人がノーベル賞を受賞した。 ところが観測回数を増やしても顔がよく見えない。ヒッグス粒子は、映画「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」のようだ。今まで見つかった素粒子にはみんな「スピン」という顔があり、見る方向によって違って見えた。粒がぐるぐる回っていて向きがあるからだ。ところが、ヒッグス粒子は回らない「のっぺらぼう」の特別な粒子だとわかった。 今まで会ったことのないタイプの人には、だれもが最初は違和感を抱く。でも親戚に会うと「ああ、こういう人だったんだ」と納得する。ヒッグス粒子の親戚の粒子探しが続いている。そして初めて会った人は新しい世界を開いてくれるものだ。ヒッグス粒子は宇宙の謎「暗黒物質」に一番近いと考えられている。ヒッグス粒子をもっと知り、そのつてで暗黒物質に会いたい。 だが、今の欧州合同原子核研究機関(CERN)の加速器LHCでは、ヒッグス粒子を調べるのは難しい。LHCでぶつける陽子は、クォークという小さな粒をグルーオンというのりでくっつけた豆大福のようなもの。大きいので投げてぶつけやすいが、あんこが飛び散る。その中からヒッグス粒子を観測するのは難しい。 日本が誘致を検討している国際リニアコライダー(ILC)なら、中身のない素粒子である電子とその反物質の陽電子をぶつけられる。つまり豆同士なので、邪魔なあんこがなく反応が見やすい。小さくてぶつけるのは難しいが、13年に技術が確立した。日本の最先端技術で宇宙の謎が解けるのではと期待されている。(素粒子物理学者)・(村山斉の時空自在)「あんこ」なければ、反応見やすく(2019.12.18)デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。***********************************************************************【火星で生きる】スティーブン・ペトラネック著、朝日出版社、2018年刊<「BOOK」データベース>より 2027年、流線形の宇宙船が火星に降りていくーいまや問題は火星に「行く」ことから、そこでどう「暮らす」かへと移った。 イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーズワンといった民間プレーヤーが宇宙をめぐって激しく開発競争を展開するなか、新型ロケットやテラフォーミング技術など、火星移住に向けた準備は着々と進んでいる。駆り立てるのは地球の危機と人類の探求心。数々の科学誌編集長を歴任したジャーナリストが、宇宙開発史から環境的・経済的な実現可能性まで、「最後のフロンティア」火星の先にある人類の未来を活写する。<読む前の大使寸評>表紙にTED Booksとシリーズ名が見えるとおり、いかにもアメリカの本でんな。…と、言いつつも借りた反米の大使でおます。rakuten火星で生きる『火星で生きる』6:イーロン・マスクの火星入植構想『火星で生きる』5:第8章「ゴールドラッシュの再来」p172~177『火星で生きる』4:第6章「火星で生きる」p86~89『火星で生きる』3:民営化する宇宙開発競走p38~43『火星で生きる』2:夢の続きp13~15『火星で生きる』1:イントロダクション 夢p8~10***********************************************************************【火星ガイドブック】鳫宏道著、恒星社厚生閣、2018年刊<「BOOK」データベース>より本書では、火星は何が面白いのか、何を見たらいいのか、その方法と楽しむポイントについて、解説。さらに、過去の火星観測から今の火星探査に至る歴史的な経緯やその過程で考えられてきた火星像、得られた情報をどう解釈してきたのか、さらに何を知ろうとしているのか、そのための手段としての探査の歴史と積み重ねてきた成果、など大まかな火星に関する歴史をまとめました。<読む前の大使寸評>おお 火星やんけ♪ 先日『火星で生きる』という本を読んだが、まるで尻取り借出しのように借りたわけです。rakuten火星ガイドブックネットで北極冠を見てみましょう。火星の北極冠のなぞ、解明かより NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)による観測から、火星の北極冠の複雑な地下構造が明らかになった。構造の分析から、北極冠の渦模様や巨大な谷がどのように形成されたのかという、長年のなぞに迫る成果が得られた。北極冠***********************************************************************【宇宙の誕生と終焉】松原隆彦著、SBクリエイティブ、2016年刊<「BOOK」データベース>より宇宙の始まりはどうだったのか?外に時間がないとはどういうことか?どんな物質でできているのか?そして私たちの住む地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?宇宙に興味をもつ方が抱く数々の疑問に応えるため、宇宙論を長年専攻してきた新進気鋭の著者が、誕生から終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説していく。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten宇宙の誕生と終焉***********************************************************************【宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)】ムック、ニュートンプレス、2014年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>似たようなニュートン別冊をよく借りているが、インフレーションとかダークマターが気になるわけです。amazon宇宙、無からの創生(ニュートン別冊)***********************************************************************【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅 『宇宙への旅』4:宇宙の生涯や歴史 『宇宙への旅』3:星の誕生から爆発まで 『宇宙への旅』2:光を感知する古代生物 『宇宙への旅』1:ハッブル宇宙望遠鏡***********************************************************************<『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』6>図書館で『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』という本を、手にしたのです。朝日新聞の連載コラム「村山斉の時空自在」を3年間も続けた村山博士である。難しい事象を読みやすい筆致で面白く書くことにかけては、天下一品でんな♪【宇宙はなぜこんなにうまくできているのか】村山斉著、集英社、2012年刊<商品説明>よりこれほどやさしい宇宙論の本はなかった!なぜ太陽は燃え続けていられるのか。なぜ目に見えない暗黒物質の存在がわかったのか。なぜ宇宙はこんなにも人間に都合よくできているのか・・・宇宙の謎がよくわかる、村山宇宙論の決定版。<読む前の大使寸評>朝日新聞の連載コラム「村山斉の時空自在」を3年間も続けた村山博士である。難しい事象を読みやすい筆致で面白く書くことにかけては、天下一品でんな♪rakuten宇宙はなぜこんなにうまくできているのか『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』6:人間原理とマルチバース『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』5:宇宙のインフレーション『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』4:宇宙の晴れ上がり『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』3:暗黒物質『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』2:ブラックホール『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』1:太陽系は「新興住宅地」?***********************************************************************図書館で「星と暮らす。」を借りたので、柄にもなく「冬の星座」を見る気になったわけですが・・・寒気到来で、寒いでぇ。雲がわいてきて星が隠れたので、また別の日に見ることにしましょう。【星と暮らす。】藤井旭著、誠文堂新光社、2012年刊<内容説明>より星空とともに風景をとらえた美しい星景写真をメインとして、星や星座と文明の歴史、暮らしとのかかわりを紹介します。占星術や星座神話に代表される星にまつわる文化、流星やほうき星、隕石など世界各地で古い記録が残る天文現象が当時の人達にあたえた影響、枕草子など文学作品に見る星空を思う人間の心、地動説から天動説、最新の天文学へと続く人類の星や宇宙への挑戦の歴史など、様々な観点から星と人の関わりを紹介し、現代の暮らしの中に星の存在を取り入れてより豊かに生きることを提案します。<大使寸評>天文学入門書としていいかも。時節柄、「冬の星座の見つけ方」から読み始めたのです。冬の大三角、オリオン座、おうし座、スバルなどが見られて・・・・一年中で一番豪華な夜空ではないでしょうか。Amazon星と暮らす。<誕生星座>星空の中で太陽の通り道を「黄道」とよび、その黄道上にあるのが黄道十二星座です。これが自分の誕生日と関係ある、いわゆる「誕生星座」とよばれ親しまれているものです。おひつじ座(牡羊座、Aries) おうし座(牡牛座、Taurus) ふたご座(双子座、Gemini) かに座(蟹座、Cancer) しし座(獅子座、Leo) おとめ座(乙女座、Virgo) てんびん座(天秤座、Libra) さそり座(蠍座、Scorpio) いて座(射手座、Sagittarius) やぎ座(山羊座、Capricornus) みずがめ座(水瓶座、Aquarius) うお座(魚座、Pisces) アルデバランとスバルの中間が黄道となっているので、このあたりに最近は木星が見られます。***********************************************************************<『4%の宇宙』2>図書館で『4%の宇宙』という本を、手にしたのです。おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。【4%の宇宙】リチャード・パネク著、SBクリエイティブ、2011年刊<商品の説明>より「この宇宙は加速膨張している! 」 2011年のノーベル物理学賞をそろって受賞した米ローレンス・バークレー国立研究所のソウル・パールムッター教授、オーストラリア国立大学のブライアン・シュミット特別教授、米ジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リース教授らは、独自の超新星探査プロジェクトの観測結果から、誰も予想しなかった上記の結論をほぼ同時期に得ることになる。本書は、この天文学者と物理学者を巻き込み、世界中の天体望遠鏡+宇宙望遠鏡を駆使して、数十億光年彼方で瞬く超新星のドップラー効果を測定し、ハッブルが発見した宇宙の膨張速度が加速されているか、減速されているかを見極めた3人の科学者の物語である。 この得られた結論からなにが導けるのか? 1つは、この宇宙の未来の姿だ。そしてもう1つ。この宇宙膨張を加速するものこそ、まだ正体もつかめていないダーク・エネルギーであるということだ。<読む前の大使寸評>おお 96%の宇宙はダーク・エネルギーに満ちているってことか・・・このところ宇宙関連のネット記事、書籍が個人的ミニブームになっています。amazon4%の宇宙重力レンズ
2023.03.31
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図書館で『日本がウクライナになる日』という本を、手にしたのです。著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。rakuten日本がウクライナになる日このところ台湾海峡や尖閣列島では中国の脅威が増しているが・・・「第六章 日本をウクライナにしないために」で、日本の安全保障が語られているので、見てみましょう。p139~140<日米同盟とNATO、その他の緩い連結> この一、二年、イギリスを筆頭に、フランスやドイツの軍艦が太平洋にやってきて、日本に寄港する例が増えている。 イギリスは2021年9月、できたての新鋭空母「クイーン・エリザベス」号とその艦隊を神奈川県の横須賀に寄港させた。これは、何と言っても世界におけるイギリスの地位を誇示するため、そして太平洋に残るイギリスの領土、利権を守るために派遣されたものだ。新鋭の戦闘機F35Bを積載、空母を守るための付随艦もついているから、有事には大変な戦力となる。フランス、ドイツの軍艦も同じような考えでアジアにやってきて、日本に寄港している。 加えてオーストラリアが最近めっきり防衛づいて、日本にも軍艦を派遣している。これはオーストラリアの資源の大口顧客になったからと言って、上から目線で接してくる中国にキレての対応だ。 オーストラリアは、アメリカ、イギリスから原子力潜水艦製造の技術も手に入れようとしている。オーストラリアは人口わずか二千六百万人弱だが、GDPではブラジルと同等の世界第十三位ほどで、今回の制裁後のロシアより経済力がある。この国が対中国を念頭に、日本との連携を強めているのは、日本にとっても心強いことだ。 NATO諸国の間では、港を指定し、加盟国の軍艦の寄港と便宜の供与を行っている。どの国の玄関でも、どの国の港にも理論上は入れる。だが、寄港して補給とか乗員の無査証入国とかになると、協定がないとできない。 日本も似たようなことを、いくつかの国の軍艦・軍用機に対しては行える。朝鮮戦争を受けて1954年6月、日本は「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)を結んだ。この「朝鮮国連軍」の司令部は日本にある。国連軍地位協定で、カナダ、ニュージーランド、イギリス、南アフリカ連邦、オーストラリア、フィリピン、フランス、イタリア、タイ、トルコの十ヵ国もの軍艦・軍用機が、米軍に加えて日本の施設を利用できることになっている。 こうした取り決めがあると、日本とこれらの国の間の関係は、日米同盟とNATOその他が一体化したような効果を生ずる。つまりこれらの国の軍艦が、日本や台湾の安全のためにも動いてくれることになって、日本の防衛にも役立つだろう。『日本がウクライナになる日』4:迷える中国『日本がウクライナになる日』3:ロシアの悲劇『日本がウクライナになる日』2:ウクライナ侵略の理由『日本がウクライナになる日』1:異常なプーチン
2023.03.31
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図書館に予約していた『サイレントアース』という本を、待つこと5ヶ月半ほどでゲットしたのです。表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアースこの本に「私の好きな虫」というコラムがあるのだが・・・著者が関心を寄せる昆虫が挙げられているので、そのひとつを見てみましょう。p62<ホソクビゴミムシ> 昆虫は捕食者から身を守るすばらしい防御法を数多く進化させてきた。さまざまなカマキリ、ガ、バッタなどは見事なカモフラージュで身を守る。翅に巨大な目の模様を付けて、自分を大きくて危険な存在だと見せている生物もいるし、体の中に毒をもっているということを伝えるために鮮やかな色をまとっている生物もいる。 とはいえ、甲虫のホソクビゴミムシ(日本では俗に「屁っぴり虫」と呼ばれテイルミイデラゴミムシもこの仲間)ほど劇的かつ効果的な防御法をもっている生き物はほとんどいない。地上性の中型の甲虫で、一見無害なのだが、独特な能力を備えている。 その尾部には、過酸化水素とヒドロキノンをたっぷり蓄えているのだ。攻撃を受けると、これら二つの化合物が触媒を備えた分厚い壁の反応室に吹き出し、激しく反応して体内で爆発を起こし、ほぼ沸騰したベンゾキノンという有毒物質を、ポンという音を立てて尾部から不運な攻撃者に向けて噴射するのだ。 ほかの昆虫など、小型の捕食者は即死することもあるが、鳥など、もっと大型の捕食者はたいてい退散することになる。私はこの昆虫を不注意にも手でつかんでしまい、指先をやけどしたことがあるから、その経験はぎょっとすること請け合いだ。 甲虫の熱心なコレクターであるチャールズ・ダーウィンは若い頃、採集した甲虫を淹れる容器がなくなってしまい、口の中に入れたという。それがホソクビゴミムシじゃなくて本当によかった。ナショナル ジオグラフィックのカエルの胃腸を「屁」で攻撃、嘔吐させる虫を発見が、面白いでぇ♪『サイレントアース』3:昆虫の減少『サイレントアース』2:野生哺乳類減少の続き『サイレントアース』1:野生哺乳類減少
2023.03.30
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図書館で『宇宙への旅』という大型本を、手にしたのです。カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックです。【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅宇宙の生涯や歴史が語られているので、見てみましょう。p224~227<宇宙の生涯>最初の恒星の誕生は、宇宙の進化の中でも注目すべき画期的な瞬間である。それは光の時代の始まりであり、私たちにも宇宙の見分けがつくようになる瞬間だ。 人間と同じように、惑星や恒星も生まれ、その生涯を生き、死んでいく。宇宙も障害のさまざまなステージを生きていく。137億5千万年前にビッグバンとともに始まり、「原始の時代」と言われる萌芽期の宇宙は、その最初に灼熱の火の玉のような時期があったはずだが、まだ星の光のない場所であった。 初めの1億年ほどは、星が形成されるにはあまりにも激しい状態が続いた。これが変化したのは宇宙が膨張して十分に冷えた頃で、弱い重力でも原始の塵やガスやダークマターを寄せ集めて銀河系を形成できるようになる。こうなると宇宙の生涯における第2段階に入る。私たちのいる「星の輝く時代」だ。 最初の恒星の誕生は、宇宙の進化の中でも注目すべき画期的な瞬間である。それは宇宙が構造も形もない虚空の異世界であった時代の終りを告げる。星々の時代の始まりは光の時代の始まりであり、私たちにも宇宙の見分けがつくようになる瞬間だ。夜空の闇の中に銀河の発光と恒星の銀の煌めきが散りばめられる。星の光が夜を彩り、昼を照らす―これこそ私たちが生きる今日の宇宙だ。 私たちの太陽はこの銀河系に少なくとも2千億はある恒星の一つであり、この銀河系は観測可能な宇宙に存在する千億の銀河の一つである。宇宙を光で満たす無数の星、無数の小世界の一つに私たちは住んでいる。宇宙が誕生して130億年以上という事実にもかかわらず、私たちがいる現在はまだほんの始まりの時期にすぎない。 宇宙には星があふれ、広大な星雲や惑星系やまだ探検できていない無数の世界で賑わっているが、私たちが生きているのは「星の輝く時代」、驚くほど美しく複雑な時代の始まりに近い。しかし宇宙は固定されたものではなく流転していく。いつまでもこのままということはありええない。時間の矢によって、美しいだけでなくダイナミックな宇宙が形作られていく。<ファーストスター> 2009年4月23日グリニッジ標準時7時55分、NASAの衛星スウィフトがこれまで最も遠い天体の爆発、10秒間のガンマ星バーストを観測した。スウィフトはガンマ星バーストというたまに起こる現象の研究用に設計・建造された観測衛星である。この現象は何秒間かしか続かないが、わかっている範囲では宇宙で最も強力なエネルギー放射である。 ガンマ星バーストは、大質量の星が超新星爆発で崩壊しブラックホールを形成する時に起こる現象と考えられる。この直後、8時16分にはハワイにある英国の赤外線望遠鏡UKIRTがこの爆発による発光を観測した。時間を追って、地平線上にその現象が現れるのを待ちわびていた世界中の巨大望遠鏡が焦点を合わせる。残光は数時間観測されたが、4月28日にはこの現象は完全に視界から姿を消した。 写真に示した画像は2台のスウィフト望遠鏡からのデータを合わせたものだが、この合成画像で注目すべきはあまりパッとしない中央の赤いしみだ。このしみが、かつて宇宙で最も明るく輝く星の一つであったGBR 090423の消えゆく残り火である。(中略) GBR 090423はウォルフライエ星の中でも大きい星で、太陽の40~50倍の質量があると思われるが、興味深いのはこればかりではない。このぼやけた赤い点が短時間現れたことで天文学者が虜になった理由は、単にこの星の死の物語だけではなく、その年齢にある。この赤い点から発した光は、途方もなく長い距離を途方もなく長い時間をかけて旅をして私たちのもとへ届いた。この爆発の残光を見るとき、私たちははるか遠い銀河での大昔の出来事を見ている。 実際この光は宇宙の歴史全体に近い時間をかけて、私たちのもとへたどり着いた。GBR 090423は宇宙誕生の6億年後、今から130億年以上前に爆発したのである。宇宙の歴史の中では信じられないほど早い時期だ。 『宇宙への旅』3:星の誕生から爆発まで 『宇宙への旅』2:光を感知する古代生物 『宇宙への旅』1:ハッブル宇宙望遠鏡
2023.03.30
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図書館で『宇宙への旅』という大型本を、手にしたのです。カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックです。【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅星の誕生から爆発までが語られているので、見てみましょう。p84~85<星のゆりかご> 私たちの頭上では、生と死の物語が壮大に繰り広げられている。その物語が始まる場所は、新しい恒星がはじかれたように誕生する巨大な星のゆりかご。恒星が形成されるこの肥沃な場所は星雲と呼ばれ、夜空で見られる最も美しい構造物の一つだ。そんな場所の一つ、オリオン大星雲(写真)は、おそらく最も研究が進んでいる天体だろう。 この星雲は通常、ニコラ=クロード・ファブリ・ド・ペーレスクが19610年に発見したとされているが、マヤの人々も、オリオンのベルトの下にぼんやりした“にじみ”があることを知っていたという証拠が民話に残っている。この星雲は、よく晴れた非常に暗い夜空の下でなら、肉眼でも見ることができる。星の誕生物語にまつわる多くのことを私たちに教えてくれたのも、このオリオン大星雲の、複雑かつ常に変化し続ける構造だった。 オメガ星雲(馬蹄形星雲または白鳥星雲とも呼ばれる)は巨大な星間雲で、15光年分の幅があり、多数の若く明るい恒星に照らされている。このような恒星は、その質量に応じて数億年から数千億年燃え続け、絶え間なく宇宙に光を放ち続ける。そしてついに中心核の中の水素を使い果たすと、拡張を余儀なくされて、巨星へと変貌する。 いよいよ命の終りに近づくと、最も大きな恒星は巨星に変わる。例えば、赤色巨星のミラがその例だ。ミラの直径は太陽の400倍もあり、その終焉は間近に迫っている。このような恒星の最後がついに訪れ、超新星爆発が起こったあとに残るのは、かつてあった恒星のほんのわずかな形跡だけだ。最大級の巨星の場合、超新星爆発のあとにはブラックホールが残される。ブラックホールの密度はきわめて高いため、光さえそこから抜け出すことはできない。 それよりいくらか小さい恒星は、超新星爆発のあと、中性子星になる。中性子星の存在は、数秒間に一回あるいはそれ以上の超高速で自転しながら灯台の光のように放たれる電波の観測により検出される。 ミラよりずっと小型の恒星は、命の最後を爆発で終わらせることはない。このような比較的低温の恒星は赤色矮星と呼ばれ、私たちの銀河系では最もよく見られるタイプだ。おそらく研究されているなかで最も有名な赤色矮星は、グリーゼ581だろう。地球からほんの20光年と少ししか離れていないこの恒星には、すくなくとも6個の太陽系外惑星があることが発見されたため、近年、非常に熱心に観察されている。***********************************************************<オリオン大星雲> オリオン大星雲はおそらく最もよく研究されてきた天体で、夜空に浮かぶ最も美しい構造物の1つでもある。アメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡は、2004年10月から2005年4月にかけ、地球の軌道を回りながら100回以上にわたってこの大星雲のイメージをとらえた。それらは史上有数の最も詳細な天体写真だ。3000個以上の大小さまざまな恒星を含むこの壮大な構造物は、よく晴れた暗い夜であれば、肉眼でも見ることができる。 『宇宙への旅』2:光を感知する古代生物 『宇宙への旅』1:ハッブル宇宙望遠鏡
2023.03.29
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図書館で『宇宙への旅』という大型本を、手にしたのです。カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックです。【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅光を感知する古代生物が語られているので、見てみましょう。p72~75<最初のまなざし> カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州ロッキー山脈北部に、地球上で科学的に最も貴重で好奇心をそそる場所の一つが隠れている。そこは光と私たち生命をつなぐ物語が始まった場所だ。5億500万年前、原始の海の海面下にあったこの地域全体に、膨大な土砂が流れ込み堆積した。泥はすべてを埋め尽くし、地球生命進化の中でも注目すべき時代のスナップショットができあがる。 この地の古代の生態系が、泥の中にそっくり手つかずの状態で冷凍保存されることになった。原始に生きた生物たちの記録が5億年前の地質学的偶然のおかげで、細心の注意を払って残された。ちょうど古代エジプト人によって栄光の墓が細心の注意を払って残されたように、何億年もの間閉ざされていたこの太古の宝庫は、1909年山腹の高みで発見された。バージェス頁岩層と呼ばれる。 バージェス頁岩層は世界で最も貴重な化石層の一つである。ここで見つかった動物の数や種類の多さだけでなく、その時代に驚かされる。5億4000万年前より以前の複雑な生物の化石は、地球上どこにも見つかっていない。もちろんこの時期より前にも生き物がいたことはわかっているが、かなり単純な動物ばかりで骨格などは備わっていない。化石の記録にそういうものが現れていないという意味である。 ところがバージェス頁岩層に永久保存された、カンブリア紀の中でも地質学的には一瞬と言ってもいいほどの期間に、広い範囲の複雑な多細胞生物がこの惑星上に一斉に現れたようなのだ。生物学者はこれを「進化のビックバン」、あるいは「カンブリア爆発」と呼ぶ。 では複雑な生命進化の引き金になったのは何だろう。答えの鍵はカナディアンロッキー高地にあるこの化石層の中にある。次ページの写真はここで見つかった複雑な古生物の一つ、三葉虫の化石である。絶滅して久しい三葉虫は外骨格と節足をもつ生物だが、最も衝撃的なのは複雑な複眼を備えたものがいるという事実だ。 この古生代の捕食動物は形を見分け、動きを感知し、眼を使って獲物をたくみに追いかけた。見る能力のおかげでこの三葉虫は繁栄できたと言えるのではないか。実際彼らは2億数千万年も生き延び、2億5000万年前ペルム紀末の大量絶滅で地上から姿を消した。 進化のビッグバンが起こった原因を、眼の出現によって説明する説がある。三葉虫のような生物に視覚が備わったことが、カンブリア爆発を引き起こしたというのだ。ひとたび捕食動物が獲物を狙う眼をもてば、即座に生物の自然淘汰に新しい力が加わる。淘汰を生き残れる動物は、この新たな脅威にうまく適応できたものだけだ。あるものは擬態で身を隠すが、これはさらに視覚的に洗練された姿につながる。 捕食動物の攻撃から身をかわして逃れようとするものは、さらに視覚を鋭敏にする。つまりある捕食の種が眼を獲得し発達させると、他の種も眼を発達させ感度を上げなければ生き延びられない、という淘汰のメカニズムが強力に働く。するとさらに高度な眼をもった捕食動物が現れるという連鎖である。これはある意味で進化のための武器獲得競争だ。自然淘汰の圧力はますます複雑な生命形態の発達を促すことになる。 バージェス頁岩層に永久保存されたこの初期の生き物たちこそ、初めて宇宙を満たす光を利用して動き回った存在だ。彼らが出現する以前、登り沈む太陽や満天の星に気づいたものは誰もいない。この生き物たちは私たちの祖先だ。実際バージェスでは、人間が存在できたのはある奇妙な生き物の適用のおかげかもしれない、と考えさせる証拠も見つかっている。 ナメクジのような姿のこの生物はピカイアと呼ばれ、とりたてて印象的には見えないが、これまでに発見された動物の中でもきわめて重要なものの一つかもしれない。一部の進化生物学者たちは、ピカイアは私たち人間もその仲間である脊椎動物につながる最初期の祖先たちの一つだと考えている。(中略) ピカイアのもう一つの魅力は、光を感知する細胞をもっていた可能性である。その機能があれば捕食動物から逃れ、カンブリアの海を生き延びることができる。その細胞が何億年かの年月を経て私たちの眼に進化したと考えるのはどうだろう。 もちろんすべては憶測にすぎない。それでもピカイアの原始的だが注目すべき太陽光感知能力がなければ、人類はこの惑星に登場しなかったかもしれない。たぶんある一つの行為を実践する能力を身につけなければ、この生命の形も存在しなかっただろう。その行為こそ他の何よりも私たちを宇宙の理解へと駆り立てる。見上げるという行為だ。 宇宙を理解することは推理小説を読むことに似ている。謎を解く鍵は、広大な時空の広がりを越えて光によって届けられる。私たちは時の始まりからやって来る光さえ捕らえられるようになり、その光の中に私たち自身の起源の種子を垣間見ることができた。私たちは祖先には信じられないようなものを見た…はるか遠い王国で生まれる星々、見ることのできる宇宙の限界で時に迷い込んだ銀河、そしてすべてが始まった直後の私たちの宇宙。 5億年前のカンブリア爆発で地球上に現れた古生物たちの光感知器官が、私たちの身体でも最も人間らしい感覚器官に進化したと考えるのは素敵だ。私たちの緑や、青や、茶色の瞳は、夜空を見上げ、彼方の星から届く光をとらえ、宇宙の物語を読み取る。 『古生物たちのふしぎな世界』1に載っている「光スイッチ説」が興味深いのです。 『宇宙への旅』1:ハッブル宇宙望遠鏡
2023.03.29
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図書館で『宇宙への旅』という大型本を、手にしたのです。カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックです。【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅当初計画より10年も遅れて運用が開始されたハッブル宇宙望遠鏡が語られています。p52~53<ハッブル宇宙望遠鏡> 肉眼による観察で過去への旅ができるのは、せいぜい人類の誕生の頃、250万年前までである。最近までアンドロメダ銀河が、私たちが自分の眼で振り返れる最も遠い場所だった。しかしより高性能な望遠鏡によってより深く宇宙をのぞき込めるようになった現代、アンドロメダ銀河をはるかに越え、遠く隔たった過去を解き明かす豊富な情報をとらえられるようになった。 天文学の歴史において最初のガリレイ式望遠鏡以来、ハッブルと呼ばれる重さ11トンの装置ほど大きな衝撃を与えた望遠鏡は他にない。ハッブル宇宙望遠鏡の構想は1970年代に発案され、ジミー・カーター大統領の時代に国会の承認を受けて始まり、当初は1983年に打ち上げを予定していた。 宇宙の膨張を発見したエドウィン・ハッブルの名で呼ばれるこの複雑なプロジェクトは、しかしスタートから相次ぐトラブルに見舞われる。計画より3年遅れて1986年に望遠鏡を送り出す準備が整い、10月に打ち上げの日程が組まれた。しかし1986年1月、スペースシャトル・チャレンジャー号が発射の73秒後に空中分解し、ハッブルのみならずアメリカの宇宙計画全体がストップした。その後4年間、望遠鏡を無塵室で純粋窒素に包んで保管する費用だけで月600万ドルにのぼったという。 計画再開にあたり打ち上げは1990年4月24日に設定された。シャトル計画STS‐31により、当初の予定より7年遅れてハッブル望遠鏡は地上600㎞上空の軌道へ向かった。ハッブルの任務は単純明快である。地球の大気によるゆらぎのない宇宙の画像を撮影することだ。新しい眼が開き、汚れのない天空を見つめようとしていた。ところが数週間の内に、ハッブル望遠鏡の視力はとても正常とは言えないことが明らかになったのである。 送られてきた画像は何か重大な視覚的欠陥があることを示している。予備調査の後、ハッブルチームは徐々に事態を把握し始めた。十数年にわたって計画を立て、数十億ドルの予算をつぎこんだハッブル望遠鏡は、主鏡にわずかだが決定的なゆがみがあるままうちあげられたのである。これまでに作られた最も完璧な鏡であるはずのハッブルの輝く網膜に1000分の2.2mmのゆがみがあり、その結果宇宙の画像はぼけてしまうのだ。(中略) 新しい鏡に付け替えることはできないが、鏡の欠陥による乱れをきちんと計算して、いわばハッブルに眼鏡をかけさして補正することは可能だと技術者たちは判断した。 1993年12月、スペースシャトル・エンデバー号の乗組員たちは、10日かけて新しい補正そうちを取り付け望遠鏡を調整した。軌道上でこれまで企てられた任務の中でも、群を抜いて複雑なこの修理を担当したのはストーリー・マスグレイブ宇宙飛行士である。(中略) ハッブルに視力を回復させる仕事のもつ意味を彼自身の言葉で聞いてみよう。「星々を旅する宇宙船として、荘厳で雄大なハッブル。こんなに美しいものに取り組み、生き返らせ、その輝きと秘められた力を回復させること、この仕事には重大な価値と意味があった。情熱は仕事の中に、ハッブル望遠鏡の可能性の中にあった」 1994年1月13日、NASAはハッブルの矯正された眼を開き、私たちの眼を宇宙の驚くべき美しさに向かって開かせた。10年遅れ、60億ドルをつぎ込んだけれど、その価値はあったことがわかった。
2023.03.28
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図書館に予約していた『サイレントアース』という本を、待つこと5ヶ月半ほどでゲットしたのです。表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース「第3部 昆虫が減少した原因」で、昆虫の減少が語られているので、見てみましょう。p98~101 昆虫が世界的に減少した原因は何だろうか? 最近では多くの仮説が登場し、昆虫の数と同じぐらいありそうに思えるほどだ。証拠に裏づけられた説や、証拠の裏づけは弱いが妥当に思える説がある一方で、まったくばかげた説もある。 昆虫のなかでも野生のミツバチが減少した原因は多く議論されてきて、いまだに議論は続いているものの、生息域の喪失、複雑に入り交じった多様な農薬への慢性的な曝露、養蜂の巣における外来の感染症の蔓延、出始めた気候変動の影響、ほかの要因もあるだろうが、こうした人為的な負荷の組み合わせが原因であると大部分の科学者は考えている。 まだ誰も気づいていない要因もきっとあるだろう。ほかの昆虫もおそらく似たような困難に直面している。減少の原因は場所によっても異なるだろう。つまり、入り組んでいるということだ。 しかし、そうした減少を食い止め、そして増加に転じさせるためには、減少の原因を正しく理解しなければならない。そうすれば、昆虫の仲間たちがもっとすみやすい世界をつくるために必要な対策を導き出すことができる。 「6章 すみかの喪失」 経済的利益のために多雨林を破壊することは、ルネサンスの絵画を燃やして料理をつくるようなものである。 E・O・ウィルソン(アメリカの生物学者) 20世紀以降、自然および半自然の生息環境が農地や道路、住宅地、工場、トラックの駐車場、ゴルフコース、郊外のショッピングセンターなどを建設するために更地にされ、しかも開発のスピードは増してきた。 こうした改変のほぼすべては生物多様性の喪失をもたらして、自然の豊かな生物群集を駆逐し、そこで小麦や大豆、アブラヤシを単一栽培する広大な農地、コンクリート、きれいに刈りそろえられた芝生といった、あらゆる人工的な環境を生んだ。そのほとんどが野生生物には役に立たない。数少ない例外は庭園や家庭菜園、そしてより持続可能な一部の農法だ。これらは生物多様性を支えることができる。 野生生物の豊かな生息環境が失われるスピードは、人口の増加と、人口一人当たりの自然への影響を大きくする技術の進歩によって加速している。一人の人間がブルドーザーを使えば、鉈を使うより1000倍も広い多雨林を1日に伐採することができるのだ。 熱帯林は私が生まれてからずっと伐採され続けてきた。ティーンエイジャーだった1980年代には、アマゾンの多雨林の広大な範囲でそそり立つ太古の巨木が伐採されてその場で燃やされ、葉をなくして黒く焼けこげた木々の枝だけが煙に包まれている写真を見て、ショックを受けたものだ。地球上で最も多様な生態系が灰燼に帰したのである。 2019年にアマゾン盆地の何千ヘクタールもの森林が煙に包まれたニュース映像を見たとき、既視感に襲われた。1980年代には、伐採された熱帯林の大部分は安いファストフード店のハンバーガーをつくるための牛を飼育する放牧場となった。抗議運動もあったのだが、ほとんど効果がなかった。森林伐採は数十年にわたって規制されることなく続けられてきた。最近では、伐採された森林の大部分が大豆やアブラヤシの単一栽培に利用されているが、一部は依然として牛の放牧に使われている。いまや熱帯での森林伐採のペースは遅くなるどころか、かつてないほど速くなり、1990年代以降、伐採のペースは依然と比べて10~25%上昇した。熱帯林は現在、年間7万5000平方キロ、1日にするとおよそ200平方キロのペースで伐採されていて、それよりはるかに広い範囲が損傷を受け、劣化している。その結果、熱帯林にすむ生物のうち、1日当たり135種が絶滅していると推定され、その大部分が昆虫だという。『ドイツ発ハチのための自動販売機』1はミツバチが住める環境を目指しているようです。『サイレントアース』2:野生哺乳類減少の続き『サイレントアース』1:野生哺乳類減少
2023.03.28
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朝日新聞Globeの「ドイツ発ハチのための自動販売機」という記事がええのでスクラップしたのだが、ネットでも以下のとおり紹介します。(アナログ老人には、紙の記録をネットでも残す性癖がありまんねん) ドイツ発ハチのための自動販売機より日本で昆虫食の自動販売機が話題になっている。ドイツでも「ハチの自販機」が注目を浴びているという。ただし、人が食べるためではなく、ハチに食べさせるための自販機らしい。いったいどういうことだろう。現地を訪ねた。<50セント投入 カプセル内には草花の種>ドイツ西部に位置するドルトムント。郊外の静かな住宅街に、それはあった。商店の外壁に設置された黄色地でカラフルな自販機。正面には、かわいらしいハチと花々が描かれていて、「ハチのごはん自販機」とある。「2019年秋に造った1号機です。50セント硬貨を入れてみて」と、実業家のセバスチャン・エバーディングさん(40)。硬貨を入れてハンドルを回すと、コロンコロンと音がした。取り出し口を開けると、親指の先ほどの大きさのカプセルが転がっている。カプセルに入っていたのは、たくさんの植物の種だ。「家に持って帰って、庭やベランダにまくんだ。やがて草花が育ち、ハチがやって来るというわけ」自販機の隣には、種をまいた後のカプセルを返却する箱がある。「回収したらきれいに洗浄して、また種を入れて使ってもらえるようにしている」<チューインガムのガチャガチャをアップサイクル>機械はもともと、子ども向けにチューインガムやおもちゃを売るガチャガチャだった。エバーディングさんはそれらを修理して、新たな用途に使えるように「アップサイクル」している。遊び心をうまくくすぐるこのアイデア、エバーディングさんによれば、もともとは有名コメディアンがガチャガチャを利用して「ジョークの自販機」を造ったのが始まりだった。カプセルの中にジョークを書いた紙を入れて、買った人に笑ってもらう仕掛けだ。そのアイデアをエバーディングさんはいたく気に入り、コメディアンに連絡。自分もすぐに造ってみた。秀逸なジャーマンジョークもひねりだした。自宅の前に設置したところ、なかなか好評で、時折聞こえてくる笑い声に満足もしていた。ただ、当時のパートナーの女性にこう言われたという。「次はもっと人のためになるものを造ったら良いね」そうは言っても、手間のかかる作業だ。自販機の多くは風雨にさらされているし、時には心ない人に壊されていることもある。通貨ユーロの導入前の古い自販機は、投入口も取り換えなければならない。自販機を覆う鉄のカバーを磨いたり、塗装したりする工程は外注しているが、自販機そのものを修理したり、ステッカーを貼ったりするのは全てエバーディングさんの手作業。1台修理するのに2~5時間かかるという。設置する人は自販機を買い、カプセルを入れる。中の種はエバーディングさんに賛同するドイツ西部フランクフルトの会社が補充し、設置した人に送る仕組みだ。<農作物の花粉を媒介するハチ 生息地は減少>なぜハチなのか。ドイツが児童文学「みつばちマーヤの冒険」で知られているから?エバーディングさんは「最初みんなそれを連想するんだけど、僕の自販機はむしろ野生のハチのためなんだ。ミツバチは養蜂家が大切にしているけど、野生のハチのことはほとんどの人が気にしない。生息地はどんどん少なくなっている」。野生動物が好きで、保護団体でボランティア活動をした経験もあるという。国連食糧農業機関によれば、花粉を媒介するハチや鳥の働きは、農作物生産の4割近くに影響を与え、果実や種子として栽培される作物の75%がハチの恩恵を受けている。国連は、近代養蜂のパイオニア、スロベニアのアントン・ヤンシャの誕生日にちなみ、5月20日を「世界ミツバチの日」としている。ハチの生息地を生み出すこの自販機、エバーディングさんがこつこつと始めただけだったが、わずか3年半でドイツ全土に広がり、現在稼働中のものが約300台もある。一つのカプセルで1~2平方メートルの植栽ができると仮定すると、これまでに100万平方メートル以上になる計算という。
2023.03.27
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図書館で『週刊東洋経済 2022年11/12月』という週刊誌を、手にしたのです。 表紙には「半導体 次なる絶頂」というコピーが踊っているので、チョイスしたのです。【週刊東洋経済 2022年11/12月】週刊誌、東洋経済新報社、2022年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>表紙には「半導体 次なる絶頂」というコピーが踊っているので、チョイスしたのです。rakuten週刊東洋経済 2022年11/12月p34~<始動する日本勢復活の「10年の計」>「10年間でいつ何をするか、半導体戦略の工程表がもうできている」…。自民党の半導体戦略推進議員連盟で会長を務める甘利明衆議院議員は、本誌取材にそう明かした。半導体支援の国策は、水面下で具体的なロードマップが練られていた。 甘利氏の言う工程表は、経済産業省を中心に作られた。その内容は議連の幹部メンバーとのみ共有されており非公開だ。ただそのベースは、経産省が2021年3月に設けた「半導体・デジタル産業戦略検討会議」で「3ステップ」として示されている。そこで目指すのは、半導体生産能力の「挽回」、次世代半導体開発の「推進」、将来技術への「布石」だ。10年間で10兆円投資 ステップ1 は半導体の製造拠点を国内に確保する。世界最大手の半導体受託製造企業・TSMC(台湾積体電路製造)を政府主導で熊本に誘致したのはその一環だ。 ステップ2 は、最先端のロジック(演算用)半導体を米国と開発する「ビヨンド2ナノ」と呼ぶ次世代半導体技術の確立を狙う。 ステップ3 は、30年代を見据え低消費電力かつ高速データ処理を可能にする半導体技術の実現や、量子コンピューターを社会インフラにすることなどを目標にする。 この経産省の青写真に呼応する形で、議連は今年5月に資金面について提言した。半導体の製造基盤強化のために「10年で官民合わせて10兆円規模の投資」を求めるとの決議をまとめたのだ。つまり工程表は、30年代前半までの10年間で10兆円規模を半導体産業に投じる内容とみられる。 関係者によると、工程表はステップ2の次世代半導体に関して「この年にこれぐらいの技術を実現するところまで行きたいという『メド』を置いたもの」。その程度なら公にしてもよさそうだが、公表には否定的だ。「ここまでハードルの高い技術の獲得に大金をつぎ込むのか」と、予算を握る財務省に渋られることを恐れているというのだ。 なぜなら経産省と議連幹部が狙うのは、過去30年で凋落したニッポン半導体の失地回復にとどまらない。「ビヨンド2ナノ」の最先端半導体で新たな技術を獲得し、日本が再び世界のトップへと躍り出るという大胆な計画だからだ。 半導体は電子回路を細かく造る微細化が進むほどに性能が上がる。日本企業が持つ最も微細な半導体は40ナノメートルだが、現在の最先端半導体の回路線幅は3ナノメートル。そして、さらに小さい「ビヨンド2ナノ」の開発競争で各国がしのぎを削っている。 そこでのキーワードが「GAA(ゲートオールアラウンド)」だ。2ナノメートルより先の微細化を進めるには、半導体チップの構造自体をGAA型に変える必要がある。 いわば今は、ゲームチェンジのタイミング。経産省と議連幹部は、これを好機としてニッポン半導体の巻き返しを一気に図る算段だ。工程表では、米国とも連携してこのGAAの技術を10年以内に確立させるもよう。まさに日本勢復活のための「10年の計」となる。 10月3日。岸田文雄首相は国会での所信表明演説で、「10年間で10兆円増が必要ともいわれる半導体の分野に官民の投資を集めていく」と発言。同28日には、日米による次世代半導体の共同開発などに1.3兆円を投じると表明した。経産省と議連幹部の描く工程表のとおり、国策は動き出した。市況は冬到来 ひるがえって世界の半導体市況を見渡すと、「冬の到来」を迎えようとしている。半導体メモリー大手のキオクシア(旧東芝メモリ)は10月から当面、3割の生産調整をすると発表。同じくメモリー大手の米マイクロン・テクノロジーも9月末、稼働率の引き下げと設備投資の抑制を明言した。半導体にはいくつか種類があるが、中でもメモリーは需要が落ちると、差別化が難しいこともあって価格競争に陥りやすい。そのため真っ先に製品の供給を絞ることが多い。 株式市場は冬の訪れをいち早く察知していた。米国の株式市場に上場する半導体関連企業の時価総額は、21年末をピークに約4割が吹き飛んだ。ただ、ピークに至るまでの20年央から21年末にかけての上り幅も大きかった。「20~21年にかけて、過去にない公共だった」。半導体関連の企業経営者はそう口をそろえる。空前の活況をもたらしたのは新型コロナ禍だ。全世界的なテレワークの普及や巣ごもり消費の拡大に伴い、パソコンやスマートフォンなど半導体を使う機器が売れまくった。(中略) 今はそれらの動きが一巡したことで、半導体需要にブレーキがかかっている。野村証券の和田木哲哉アナリストは、「メモリー市況が悪化しているのに、ロジックだけいいわけがない。ロジックも調整が来る」とみる。実際、TCMCが22年の設備投資を当初計画から引き下げるなど、メモリー以外にも寒波は広がり始めている。 半導体業界の動向が日刊工業新聞社の記事検索「半導体」で、見られます。 NHK「半導体 大競争時代 第1回」もお薦めです。
2023.03.27
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「宇宙人」でしょうか♪<市立図書館>・週刊東洋経済 2022年11/12月・地球星人・蛍・納屋を焼く・その他の短編・宇宙への旅<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【週刊東洋経済 2022年11/12月】週刊誌、東洋経済新報社、2022年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>表紙には「半導体 次なる絶頂」というコピーが踊っているので、チョイスしたのです。rakuten週刊東洋経済 2022年11/12月【地球星人】村田沙耶香著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>より私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。地球では、若い女は恋愛をしてセックスをするべきで、恋ができない人間は、恋に近い行為をやらされるシステムになっている。地球星人が、繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろうー。常識を破壊する衝撃のラスト。村田沙耶香ワールド炸裂!<読む前の大使寸評>追って記入rakuten地球星人【蛍・納屋を焼く・その他の短編】村上春樹著、新潮社、1984年刊<出版社>より秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。<読む前の大使寸評>追って記入shinchosha蛍・納屋を焼く・その他の短編【宇宙への旅】ブライアン・コックス著、創元社、2013年刊<「BOOK」データベース>より宇宙誕生から137億年。今、時空をめぐる発見と興奮の旅が始まる。イギリスBBCの科学ドキュメンタリー番組「Wonders of The Universe」を完全書籍化。ナビゲーターのブライアン・コックスが古代遺跡を訪れ、化石を探し、無重力を体験しながら、宇宙の不思議へと迫る壮大なロマンティック・サイエンス・ストーリー。<読む前の大使寸評>カラー画像満載で、記事内容も充実しているのでチョイスしたわけですが・・・BBC科学ドキュメンタリー番組から翻訳しただけに、とにかくアカデミックのようです。rakuten宇宙への旅図書館大好き584
2023.03.26
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在61位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在2位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在7位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在38位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在28位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在30位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在1位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在161位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在13位・砂漠と異人たち(2/25予約、副本1、予約5)現在3位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・『小川さゆり、宗教2世』:図書館未収蔵・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・スマラサーラ『怒らないこと』・横尾忠則「見えるものと観えないもの」・鈴木大介「ネット右翼になった父」・小林快次「恐竜は滅んでいない」・動的平衡3:あるいは購入・千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話<予約分受取:2/04以降> ・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、2/14受取)・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、2/14受取)・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、2/21受取)・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、2/25受取)・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、2/25受取)・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、3/07受取)・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、3/07受取)・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、3/14受取)・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、3/14受取)**********************************************************************【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たち【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.03.26
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ジャック・プレヴェールが著した『鳥への挨拶』という本を再読したいというわけで・・・・以前の日記から以下のように復刻します。***********************************************************図書館で『鳥への挨拶』という本を手にしたのです。ジャック・プレヴェールの詩を高畑勲さんが訳し、全ページサイズの奈良美智さんの絵が散りばめられている絵本のような、きれいな本です。ふだん、詩の本など読まない大使なんだが、奈良さんの絵を見ながらジャック・プレヴェールの詩をながめるのも・・・ええやんか♪【鳥への挨拶】ジャック・プレヴェール×高畑勲編著、ぴあ、2006年刊【目次】(「BOOK」データベースより)校門を出たら/パリの色彩/そして祭りはつづく/一生が首飾りなら/地球それはひとつの星/自然にならって/この子の見ているものは/血と羽根/絶望がベンチにすわっている/礼儀正しくな/血だらけの歌/自由な外出/鳥の肖像を描くには<大使寸評>ふだん、詩の本など読まない大使なんだが、奈良美智さんの絵に惹かれて借りたのです。ところで、この本は装丁や紙質が、フランス風であり・・・いい感じの本である。(デジタル・メディアもこの点に関しては手も足も出ないんだろうね)rakuten鳥への挨拶訳者の高畑勲さんの「あとがき」の一部を紹介します。 ジャック・プレヴェール(1900~1977)は20世紀フランス最大の民衆詩人です。1946年『ことばたち』(全訳版、ぴあ)が出版されて以来、詩の好きな人にも、ふだん詩など読むことのない人々にも彼の詩は愛しつづけ、「枯葉」など60曲ものシャンソンとなって多くの歌手に歌われました。彼はまた、『天井桟敷の人々』(直訳「天国の子どもたち」)『王と鳥』など数々のフランス映画の名作を生みだした脚本家でもあります。21世紀に入ってもプレヴェールの人気はおとろえず、いまなお世界中で読まれているだけでなく、新しい節づけを得て、新しい歌手がそのレパートリィに加えています。 一昨年『私は私このまんまなの~プレヴェールの歌~』(ユニヴァーサルミュージック)というCDの選曲・訳詩・解説をしたとき、そのジャケットには奈良美智さんの絵がいいな、と私も思いました。あの、かわいいくせに自立して、世の中つっぱって生きている子どもたち。使わせてもらったのは、赤い帽子に赤い服の、大きな眼でこちらを見上げる女の子です。手にはしっかりとナイフを握りしめていて、プレヴェールにぴったり、「愛し合う子どもたち」や「私は私このまんまなの」を歌ったジェリエット・グレコさんにそれを見せたら、たちまちナイフに気づき、手を叩いて喜んでくださいました。(中略) 奈良さんの子どもたちのまなざしは、プレヴェールの書いたさまざまな子どもたちを思わせます。しかしまた同時に、プレヴェールその人を、そしてプレヴェールを読むときの私たち自身のまなざしをさえ、そこに見いだすことができるのではないでしょうか。プレヴェールと奈良さんの絵と私たちがふしぎに響き合うのです。そしておそらく奈良さん自信も。先日読んだ『王と鳥 スタジオジブリの原点』という本なんですが・・・編集、装丁がこの本に似ているので、紹介します。この「王と鳥」というアニメーションの脚本をジャック・プレヴェールが手懸けたようです。【王と鳥 スタジオジブリの原点】高畑勲×叶精二×大塚康生 著、大月書店、2006年刊<「MARC」データベース>より若き日の高畑勲、宮崎駿に影響を与えたとされる、1979年に完成したフランスのアニメーション映画「王と鳥」を軸に、アニメーションの魅力、作品に込められた意味、国家と個人の関係、そして今の日本について考える。<大使寸評>この本の前半は「王と鳥あらすじ」となっていて、上にアニメ画面、下にあらすじという絵本スタイルになっています…しゃれてまんな♪脚本にかかわったジャック・プレヴェールは『枯葉』の作詞で知られるが、脚本家が本業のようですね。まさにクロスメディアの芸術家なんだ♪ところで、大塚康生という人はアニメ「白蛇伝」の原画にかかわったアニメーターとのことで、おみそれしました。「じゃりン子チエ」の作画監督でもあったそうです。Amazon王と鳥 スタジオジブリの原点王と鳥byドングリさて、この記事をどこに収めるか迷ったが、装丁に敬意を表して本に携わる職人たちに収めました。
2023.03.25
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図書館で『日本がウクライナになる日』という本を、手にしたのです。著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。rakuten日本がウクライナになる日「第五章 戦争で世界はどうなる」で、宇露戦争で迷える中国が語られているので、見てみましょう。p111~114<迷える中国は?> ■ロシアとウクライナ、両方とも大事 中国は今回の宇露戦争で、ふらついている。「ロシアがこれだけ世界の孤児になると、中国一国だけではとてもアメリカに立ち向かえない。ロシアはこれから中国にとって余計な負担になるかもしれない。ロシアのせいで自分も世界経済の中で干されたら、国内が大騒ぎになって権力がもたない」と思っているからだ。 それに、中国は今回、ロシアの肩を持ってウクライナを敵に回すことはできない。なぜならば、中国はウクライナと緊密な経済関係を築いており、トウモロコシなど穀物の輸入先としてウクライナは一、二位の位置にあるからだ。そしてウクライナは実は軍事技術の宝庫で、中国はカネのないウクライナの弱みにつけこんで、ずっとこの技術を吸収し続けている。 既に言ったように、ソ連時代のウクライナは、アメリカを狙う長距離核ミサイルSS‐18を製造できる唯一の企業を持っていたし、軍艦のタービン・エンジン、ヘリコプターのエンジンも独占供給していた。 それにロシアはアメリカに対抗するため、中国と準同盟関係にあっても、このごろは最先端の技術は出したがらない。四千キロメートルもの国境線を境にして、旧満州部分だけでも人口はロシア極東部の二十倍、経済力ではそれをはるかに越える中国である。ロシアはその存在を怖がっているのだ。 2014年、ウクライナはロシアにクリミアを併合された。そのため、ヘリコプター、エンジンなど軍需品をロシアに輸出するのを停止した。結果として、ウクライナは自分の首を絞めることとなった。いくつかの軍需企業は存続の危機に直面した。それを中国は「救出」した。 ロシアの独立新聞が調査したところでは、中国は陝西省の工業団地に特別の工場まで作って、ウクライナの軍需工業技術者を家族ぐるみで誘致している。それは、千人単位の規模だそうだ。ある中国企業は、ウクライナの航空機エンジン・メーカー「モトール・シッチ」社の買収まで策したが、これはアメリカに止められている。 ウクライナは穀物や石炭の宝庫だから、中国は「一帯一路」のレッテルで、インフラも建設してきた。規模はまだ大したことはないようだが、今回のロシア軍の攻撃で破壊されている可能性がある。例えばアゾフ海に面する港町マリウポリは、ウクライナの鉄鋼と穀物の輸出拠点で、中国はここに施設を建設していたのだ。壊されたら、気分はよくないだろう。 こうした経済関係の象徴として、2011年、中国とウクライナは「戦略的パートナーシップ宣言」を発表している。これは何の義務もない、同盟条約でもないものだ。とは言え、もし今回、ウクライナを捨ててロシア支持に回れば、中国は「人否人」ならぬ「国否国」になってしまうだろう。 中国と「戦略的パートナーシップ」の関係を結んだ国は多い。だから、実はこの関係に何の意味もないということを中国が見せつけると、パートナー諸国は「なーんだ」ということになってしまう。それでなくても最近の中国は、以前のような資金ばらまきをやらんし。「カネの切れ目が縁の切れ目」になりかけている国々の尻を押してしまうのだ。 だから今回、中国は思い悩む。王毅外交部長は2月24日、ロシアのラヴロフ外相に電話をした。「ロシアの事情もわかるが、ウクライナの主権も大事にして」という、どっちつかずのメッセージを伝えている。(中略) また、ウクライナでの戦況が思わしくなったロシアが、中国にドローンなどの供与を頼んできた時にも、アメリカの圧力も受けて、供与の決定を引き延ばしている。 制裁で、ロシアが世界経済の孤児にされたのを、中国はじっと見ている。今回ロシアを助けたら、中国もアメリカに制裁を食らいかねない。今年の秋には共産党の党大会がある。習近平が終身の指導者になるのを決めようという時に、なけなしの経済をさらに悪くするわけにはいかないのだ。 何千年もの、血で血を洗う抗争を経てきた中国には、冷酷な格言がある。それは、「水に落ちた犬は叩け」というもの。今回ロシアは、世界の孤児扱いになる。それを助けるのは大変な負担だ。もともとアメリカに対抗するためにロシアを引き込んでいたのだ。力になるどころか、しがみつかれては叩きたくもなる、というものだ。『日本がウクライナになる日』3:ロシアの悲劇『日本がウクライナになる日』2:ウクライナ侵略の理由『日本がウクライナになる日』1:異常なプーチン
2023.03.25
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図書館で『日本がウクライナになる日』という本を、手にしたのです。著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。rakuten日本がウクライナになる日「第四章 ロシアは頭じゃわからない」で、ロシアの悲劇が語られているので、見てみましょう。p65~70<ロシアの悲劇―改革不能の国> ロシアのウクライナ軍事進攻。このグローバリゼーションの時代、ロシアはなぜそのような時代遅れのやり方で、自分の縄張りを作ろうとするのか? ロシアが魅力ある経済・社会を築いていれば、ウクライナの方からロシアに寄っていくだろう。 今から約160年前、外交官で詩人だったフョードル・チュッチェフは書いた。「ロシアは頭じゃわからない。普通の物差しじゃ測れない」と。ロシアが魅力ある経済・社会をこれから築けるのかどうか、一つ歴史の物刺しと人の心で測ってみよう。ロシアの経済や社会については拙著『ロシア皆伝』(イースト・プレス)にも詳しく書いたので、参考にしていただきたい。 僕は大学時代をマルクス主義学生運動全盛の1960年代後半に過ごしたから、社会主義・計画経済というものに関心を持ち、卒業レポートもそのテーマにした。ハーバードではソ連経済研究の大御所エイブラム・バーグソン教授のゼミにもいた。その後は外交官として、全盛期のソ連、ゴルバチョフが登場した時のソ連、ソ連崩壊とロシアの誕生、1990年代前半の経済崩壊とハイパー・インフレ、そこからのデフォルトとプーチンの台頭と、移り変わるロシア社会を横で見てきた。 外務省を辞めてからは、最近まで十年以上、ほぼ毎年モスクワ大学のビジネス・スクールで集中講義をやって、ビジネス専攻の学生たちの脈にふれてきた。その間ずっと、「社会主義は成り立つのか?」「ロシアは市場経済化できるのか?」という問題意識を抱えて。 格差が広がっている今の日本では、「分配」を求める声が強くなっている。「ソ連で失敗した計画経済は、膨大な生産力、世界一の計算能力を誇るスパコンを持つ日本でなら実現できるのではないか。政府が経済を計画し、ソ連よりもっと公平な分配を実現できるのではないか」そんな声も聞かれる。 しかし、このことをもう50年考え、実際のロシアを見てきた僕に言わせれば、こうだ。 ―それはおそらく無理だ。そんなことをしたら、日本経済は競争力を失い縮んでいくから、皆の取り分も縮小する。(中略) ロシアは多分、これからじり貧になる。なぜそう言えるのか、それをここでは論じることにする。<ルネッサンスと宗教改革=「近代化」の不在> ロシア人はよく、仲間内で論争する。自分たちはヨーロッパ人なのか、あるいはアジア人なのか、と。大体“リベラルで裕福なエリート、インテリ”は、一にも二にもヨーロッパに組し、アジアを上から目線で見る。ロシアがうまくいかない理由を、「昔モンゴルに支配されアジア的奴隷根性を植えつけられた“ロシアの大衆”」になすりつけるのである。 その一般大衆は、自分たちをアジア人だとはもちろん思っていない。彼らは彼らである。ロシア人であり、ろしあ正教の習俗(と言っても、その中には原始宗教時代の習俗が色濃く残っている)に従う人たちなのだ。根底には、中東のバザール商人のぶったくり、ビザンチン帝国の専制主義、モンゴルが叩きこみロシアの貴族が受け継いだむき出しの力の支配、こういったものがごった煮となっている。 かつてロシアに、ドイツの中世商業都市と同じような民主政の芽はあった。が、それは13世紀のモンゴル侵入でつぶされた。だから、14世紀に始まったルネッサンス、そして16世紀の宗教改革の波とは無縁に過ごすこととなった。この二つは、教会より人間を前面に出すことで、経済、科学を活性化し、18世紀西欧の産業革命を導いた。 逆にロシアは、17世紀には農奴制を強化して、自国民を搾取する逼塞した社会を作り上げた。農奴制が廃止されるのは1861年。近代化を開始したのは、日本の明治維新とさして変わらない、ついこの前のこと。ヨーロッパやアメリカでのような自由、民主主義、権利意識、勤労精神は根づいていない。 それでも19世紀末から20世紀初頭のロシアは、鉄道建設ブームなどで経済が発展した。しかし同時期のアメリカが、ヨーロッパから千五百万人もの移住者(自分の貯金を持ってきた)を得て急成長を実現したのには及ばなかった。『日本がウクライナになる日』2:ウクライナ侵略の理由『日本がウクライナになる日』1:異常なプーチン
2023.03.24
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神戸のサクラ開花宣言はまだ出ていないが・・・ツボミもふくらんでいて1、2日のうちに宣言がが出るでしょう。ドングリ国では、ハクモクレンの落花がさかんで、ユキヤナギ、レンギョウは見ごろになっています。ということで、 『今年の花見は、どこで見ようか?』1をのぞいてみたのです。これは11年前の日記なので、昨今の温暖化の影響が歴然とあらわれているようです。***********************************************************今年の花見は、どこで見ようか?京都もいいなあと思ったけど、近場の夙川にしたのです。(阪急特急で三宮から2駅なら近いといえるだろう)今まで、夙川のサクラは例年、車窓からながめていたが、花見に出かけるのは初めてなんです。いつでも行けるということで、行ってない場所って、案外あるもんですね。夙川はそんな場所であり、神戸の縄張りというよりは西宮、尼崎の縄張りになるんでしょうか。夙川1夙川2翌日はさらに近い妙法寺川にしました。散策エリアは夙川より狭いが、サクラの植え込み密度はこちらの方が上かな♪妙法寺川1妙法寺川2【追記】2023年は、3月24日に神戸の開花宣言が出ました。花見は3月末~4月初旬あたりか♪
2023.03.24
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図書館に予約していた『太陽諸島』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島「第10章」で本州沈没とかゴミの島が語られているので、見てみましょう。p314~316「第10章 Hirukoは語る」 わたしの心臓は早鐘を打ち始めた。本州が海に沈んでしまう直前に、住人たちが新しく発生したゴミの島に避難したということも考えられる。新しい島で歴史をやりなおそうと決心し、それまでのことはすべて忘れてしまった。だから連絡がとれなくなった。わたしのことを覚えている人はもういない。ノラもナヌークも新しい島が生まれ育っていく話をしているというのに、わたしは過去に存在した島が沈んでしまったかもしれないということばかり考えている。 夕日の位置はほとんど変わらないのに頭上を黒い雲がマントのように覆い始め、あたりは暗くなっていた。「本州は海に沈んで、住民たちはそのゴミの島に移住した。もしもそうだったらどうする?」 自分だけの心に暗い想像を抱えているのが重くなったので、声に出して言ってみると、クヌートはすかさず、「大きな島はそう簡単に海には沈まない。それに、もしも民族大移動があったならニュースが入ってきたはずだよ」 とわたしの肩に手を置いて言った。「蒸発。」「え?」「わたしの国は、やかんの水だけでなく、人間が蒸発する国だった。ある日突然、家族にも友人にも同僚にも別れを告げずに別の土地に映り、新しい名前を名乗り、新しい人生を始める。そういうことの行われる国だった。もしも国民全体が同時に蒸発したとしたら? 海外にいる家族や友人には知らせずに」「それは困るけれど、でも、考え方によってはそれほど悲しいことじゃない。住む場所が変わっただけだ。誰も命を落としてはいない。ゴミの島への集団移動は隣国に亡命するよりも心理的に楽かもしれない。外国人排斥主義者から暴力を受ける心配もないし」 とナヌークがわたしを慰めるつもりなのか、そんなことを言ったが、頭上は墨汁をこぼしたように暗い雲に覆われていた。ノラもまた彼女なりのやり方でわたしを慰めるつもりなのか、明るい声で言った。「ゴミの島はこの世の天国かもしれない。ゴミからエネルギーを得ることができるから、原発も石炭もいらない。ゴミを材料にして自動車や冷蔵庫をつくることができる。天然資源を輸入する必要がないから、他の国に依存する必要もない。付き合ってもどうせ喧嘩になるだけなら、初めから付き合わない方がいいということで、まわりの国々と関係を絶ってしまった。そういうことって、ありうるんじゃない?」「つまり隣国と付き合うのはのは地下資源が欲しいからか。地下資源を売りつけたいからか。それだけの理由か。」 クヌートが憤慨し、アカッシュが同意するようにしきりと頷いていた。『太陽諸島』3:浦島太郎の話『太陽諸島』2:バルト海の料理『太陽諸島』1:第1章 Hirukoは語る
2023.03.23
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・3.11から学ぶこと・韓国の地方移住者たちに話したこと・生産性の高い社会のゆくすえ・ウクライナ危機と反抗・「生きづらさについて考える」単行本あとがき・「街場の米中論」まえがき・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)(その55):『3.11から学ぶこと』を追記2023-03-093.11から学ぶことより 3.11の時、東京電力福島第一原発では炉心溶融、建屋爆発が連続発生し、事故はチェルノブイリ原発事故と同レベルの過酷事故と認定された。以後再稼働することなく廃炉作業が続けられている。廃炉作業にどれほどの歳月と費用が必要なのかもまだわからない。経産省は2016年に22兆円と計算したが、2019年には民間シンクタンクが最高81兆円の試算を示した。政府のこの種の試算はだいたい後になって大幅に上方修正されるのが通例であるから、いずれ81兆円を超えても私は驚かない。 日本列島は、全世界のマグニチュード6以上の地震の20%が周辺で発生する世界有数の地震多発地帯である。世界標準を超えるレベルの安全基準を採用するのが当然だと私は思うが、原発を建てた人たちはそうは思わなかったらしい。 東電の旧経営陣3人が業務上過失致死傷で起訴された裁判で、東京高裁は「巨大津波の襲来を予測することはできず、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」と判断して、一審に続いて全員に無罪を言い渡した。「想定外」だったからどれほどシリアスな事故を起こしてもとがめることはできないというのは法理としては通るかも知れないが、常識では通らない。 万一事故が起きたら広範囲の土地が半永久的に居住不能になるほどのリスクのあるテクノロジーを扱うときに、「想定外のことが起きたのだから自分には責任がない」という言い訳をすらっと口にできるような人間はそもそもそのような危険なシステムの管理者になるべきではない。そのような危険なテクノロジーを扱う技術者に最も求められる知的資質は「起こる可能性のある最悪の事態」についての想像力だからである。2023-03-03韓国の地方移住者たちに話したことより 韓国から地方移住者たちの団体が凱風館を訪れた。人口減社会における地方の生き残りについて話を聞きたいという。韓国は合計特殊出生率0.78という超少子化に加えて、全人口の半分近くがソウル近郊に住むという人口一極集中が進行している。地方では人口減のせいで経済活動が低迷し、学校や病院の統廃合が始まっている。韓国政府は効果的な対策を講じていない。(中略) 行政は本来弱者のためのものであると言うと目を剥く人がいるかも知れない。けれども、防災も防犯も公衆衛生も社会福祉もどれも発生的には自分ひとりでは身の安全を保てない人たちのものである。私が子ども頃、防災や防犯は町内の仕事だった。冬の夜に父親たちは「火の用心」と拍子木を打ちながら町内を回った。日曜は町内総出で「どぶさらい」をして感染症を予防した。市町村の行政が整備されていない時期は「共同」で弱者たちは身を護ったのである。その「共同で身を護る」仕事を制度化したものが行政である。 だから、その根本の趣旨から言えば、共同で身を護るための相互扶助ネットワークに帰属していない人こそがまず行政による支援の対象でなければならないはずである。医療が癒しを求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるように、教育が学びの機会を求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるように、行政は共同体からの支援を求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるはずである。 そうであるならば、共同体の相互支援を十分には期待できずに、取り残された人たちの「小さな声」を汲み上げることこそ他のいかなる公的機関も代替することのできぬ行政の仕事ではないのか。過疎地に居住している人々は、少数者であるがゆえに行政サービスを諦めねばならないというのは行政の趣旨として間違ってはいないか。 もちろん、世の中そうそう道理が通らないことは私も承知している。行政のリソースが有限である以上、費用対効果ということも当然配慮しなければならないことはよくわかる。それでも、過疎地の行政機関を統廃合するときには「小さな声」を聴き取る機会を逸することへの「疚しさ」が行政側にあって然るべきだろうと私は思う。しかし、現実に行政の側にも、メディアの論調にも、そのような「疚しさ」を感じることはほとんどない。 たしかに「住民が少ないので、行政・医療・教育機関を置くだけの余裕がない」ということは十分な理がある。だが、実際には行政・医療・教育機関がなくなると、人はそこに暮らせなくなるのである。だから、これは暗黙のうちに「地方にはもう人は住むべきではない」という遂行的なメッセージを発信しているのである。そして、それはコロラリーとして「社会的弱者は公的支援を期待すべきではない」という「強者のイデオロギー」に帰着することになる。 みなさんのような地方移住者はその圧倒的趨勢に抗って「人間性を守るための戦い」を戦っているのである。屈せずに戦い続けてください。韓国からの来訪者たちをそう言って励ました。2023-02-15生産性の高い社会のゆくすえより 若い経済学者が高齢化について「唯一の解決策ははっきりしている」として、「高齢者の集団自決」を提言したことが話題になっている。「人間は引き際が重要だと思う」ということも、「過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる」ということも事実の適示としては間違っていない。でも、この人が「解決」と呼んでいるものは、やってもたぶん「解決」にはならないと思う。 似たようなロジックでかつてドイツは「ユダヤ人問題の最終的解決」を企てた。問題そのものをなくすことで問題が解決できると信じてホロコーストを始めたのである。だが、いくらユダヤ人を殺してもドイツの国運は向上しなかった。やむなく、「チャーチルもルーズベルトもスターリンも世界ユダヤ政府の走狗だ」と「ユダヤ人」概念を拡大解釈することで問題が解決しない理由を説明しようとした。それでも戦況はさらに悪化するばかりだった。最後は「政権の中枢にユダヤのエージェントがいて、政策を失敗に導いている」と言い出す者さえ出てきて体制が滅びた。 たぶんこの経済学者やそれに賛同する人たちもいずれ同じことを言い出すような気がする。「誤解している人が多いが、『高齢者』というのは生物学的概念ではなくて、社会的概念である。つまり私たちは日本をダメにしている人たちのことを年齢とは無関係に比喩的に『高齢者』と呼んのだ」と「高齢者」概念の拡大を図るのである。 でも、仮にそうやって「無能な人間」たちを社会から組織的に排除し、発言権を認めず、行政コストもかけない仕組みを作ったとしても、やはり日本の国運の衰退は止まらないだろう。そうなると次には「無能者の排除」を声高に主張している人たち自身のうちに「隠れ無能者」がいて、社会の停滞を引き起こしているのだと言い出す人が出てくるからだ。 でも、「社会的に有害無益なメンバー」の摘発と排除にどれほど資源を投じてもそれは価値を創り出すことにはならない。社是に「フリーライダーをゼロにすること」を掲げ、全社員がひたすら「働きのないやつ」の摘発と排除業務に励んでいる会社は遠からず売り上げがゼロになるのと同じことである。(AERA 1月26日)以降の全文は内田先生かく語りき38による。
2023.03.23
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図書館に予約していた『サイレントアース』という本を、待つこと5ヶ月半ほどでゲットしたのです。表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース「第4章」で、野生哺乳類減少の続き(こちらがメインだが)が語られているので、見てみましょう。p69~72 「4章 データで見る昆虫減少」 私たちは研究結果を論文にまとめ、最も権威のある学術誌「ネイチャー」と「サイエンス」で発表しようとしたが、両誌は論文を興味深いとは考えなかった。あれこれ議論しているうち、論文は最終的に「プロスワン」という学術誌に掲載された。 さいわいこの研究は世界中で報道され、それ以来さまざまな議論を呼んできた。データが生物量(重量)だけであり、昆虫の種も数も記録されていないことから、このデータ群では不十分だとの見方もある。簡単に言うと、生物量の減少は数種の重い昆虫だけが減少したことを示している可能性がある、というのが批判派の考えだ。確かに大型の種が小型の種に置き換わったのだとしたら、実際の昆虫の個体数はいまも安定しているのかもしれないし、増えている可能性さえもある。 また、63ヵ所の採集地のなかには1年しか標本が採集されていない地点もある一方で、調査期間中に複数回採集が行われている地点もある。資金が無尽蔵にあれば、すべての地点で27年間、毎年採集を行って完璧な研究にするだろう。イギリス政府の環境当局である環境・食料・農村地域省(DEFRA)の当時の主任科学者だったイアン・ボイドは、クレーフェルトの研究にいくらか懐疑的で、長期的な個体数データにもバイアスが潜む可能性があると指摘した。(中略) クレーフェルトの研究結果が2017年後半に発表されたあと、ほかの地域でも同様に昆虫の生物量が減少しているのか、それともこれはドイツの自然保護区だけで起きている特異な現象なのかという議論が起きた。答えの一部が出たのは、ほぼ2年後の2019年10月 のことだ。ミュンヘン工科大学のセバスティアン・ザイボルトが率いるドイツの別の研究グループが、2008~2017年の10年間にドイツの森林と草原で昆虫の個体数を精査した研究成果を発表したのだ。 調査対象は150ヵ所の草原と140ヵ所の森林で、草原は集約的に耕作された牧草地から花々が咲き誇る草地まで、森林は管理された針葉樹の植林地から古い広葉樹の森まで、多様な植生を含んでいる。草原では植生の中の昆虫を捕虫網で採集する方法が、森林では主に飛翔性昆虫を捕まえるアクリル製のトラップが使用された。 クレーフェルトの研究とは異なり、ザイボルトの研究グループは研究機関を通して同じ地点で系統的にデータを集めているし、調査対象の地点には昆虫が豊富と思われる場所だけでなく、昆虫がほとんどいなさそうな地点も含まれているので、イアン・ボイドが提起した批判にも反論することができる。彼らは豊富な資金や人員を確保し、採集した100万匹を超える節足動物(クモやザトウムシなど昆虫以外も含む)を数え、およそ2700種を同定した。 研究の結果、年間の減少率はクレーフェルトのデータで示された減少率よりも大きかった。わずか10年という短い調査期間を考えると、この研究結果は深刻だ。草原での減少率が最も大きく、平均で節足動物(昆虫、クモ、ワラジムシなど)の生物量の三分の二、種の数では三分の一、節足動物の全個体数の五分の四が失われた。森林における減少幅は、生物量で40%、種の数で三分の一強、節足動物の全個体数では17%だった。 草原にいくらか除草剤が散布された例はあるものの、殺虫剤や殺菌剤がまかれた調査地点はなかった。しかし、全体的な減少幅が最も大きい傾向があったのは、周囲にある耕地の割合が相対的に高い地点だった。 クレーフェルトの研究とザイボルトの研究グループによる新たなデータを合わせると、およそ350地点のデータが得られたことになる。これを考えれば、ドイツで昆虫の個体数が遅くとも1980年代以降に激減しているという解釈に合理的な疑いはないように思える。ザイボルトの論文に付随して掲載された論評で、英国リーズ大学のウィリアム・クーニン教授はこう書いている。「結論ははっきりしている。少なくともドイツでは現実に昆虫が減少している。それまで懸念されてきたとおりに深刻だというしかない」『サイレントアース』1:野生哺乳類減少
2023.03.22
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図書館で『きのうの神さま』という本を、手にしたのです。 おお 西川美和といえば、『ゆれる』とか『ディア・ドクター』という映画の監督ではないか・・・ということでチョイスしたのです。【きのうの神さま】 西川美和著、ポプラ社、2009年刊<「BOOK」データベース>より『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。『ディア・ドクター』に寄り添うアナザーストーリーズ。【目次】1983年のほたる/ありの行列/ノミの愛情/ディア・ドクター/満月の代弁者<読む前の大使寸評>おお 西川美和といえば、『ゆれる』とか『ディア・ドクター』という映画の監督ではないか・・・ということでチョイスしたのです。rakutenきのうの神さまラブラドル・レトリーバー種のトーマス君のお話しを少しだけ、見てみましょう。p86~90<ノミの愛情> らせん階段の踏み板を、最後の1枚まで磨き上げたら、体を持ち上げ、うんと伸びをして、二階の小窓を開けてわずかばかりの風を吸い込むのが私の日課だった。 そこからは、裏隣の藤崎さんの庭が見下ろせる。 その庭の裏手、つまり小窓のちょうど真下あたりには、藤崎さんのお宅の飼い犬で、ラブラドル・レトリーバー種のトーマス君の小屋があるのだ。 小窓から顔を出して下をのぞけばトーマス君は必ずそこに鎖でつながれて、窮屈そうな小屋の中でぐったりとうつぶせている。暑い日も、寒い日も。雨の日も、風の日も。 私はときたま、できる限り首を長く伸ばし、ちょっ、ちょっ、ちょっ、と舌を打ってトーマス君の気を引こうと試みるが、私たちが三年前にこの家を建てて住み始めた時にはすでにその場所の主のようにしていた老齢のトーマス君には、どんな音も、どんな声も、関心を誘うには足りないようで、こちらが何と呼びかけようとも、ぴくりともせずにただ小屋の中に留まっているのであった。小屋の入口からちょこっと突き出した顔から見て取れるその表情には、一切の感情を放棄したような諦観が漂っていた。 私の生まれ育ったところは、山に迫られた田んぼばかりの田舎の集落であった。 どこの農家もたいていは番犬も兼ねて、およそ犬にも見えないような見栄えの悪い雑種犬を一匹や二匹は飼っていたものだけれど、公道も家々の庭も、境のあってないようなとちなので、飼い犬たちは皆ぶらぶらのんきに暮らしていたものだった。 飼い主から猫かわいがりされるようなこともない代わりに、日々の気ままだけは許されていたそんな犬たちを見て育った私には、吹きさらしの小屋につながれて毎日同じ風景の中に閉じ込められているトーマス君の生活は、あまりに自由がきかないようで、不憫にも思えた。 藤崎さんのお宅は、季節の花も折々に咲く庭付きの立派な構えで、車も高級なドイツ車で、十分余裕のあるお家なのに、手をかけられてしかるべき立派な犬種に生まれついたトーマス君を、好んで飼っておきながら平気で野ざらしにするのだ、と思うと、いかにもそれは暴挙のように見えて、哀れに思うのを通り越し、ときおりぐっ、と怒りさえこみ上げてくるのだった。 私はトーマス君が目を輝かす瞬間を、一度でいいからこの目で見たい、と思うようになった。 我が家と藤崎さんのお宅とは背中合わせなので、その構えを正面から見る機会は滅多にないが、夏の終わりのある日のこと、ぽつぽつと夕立の気配を感じて小窓を閉めに階段を駆け上がると、ふと表の鉄門に小さな紙切れが貼り付けてあるのが目に入った。それには何やら文字が書いてある。我が家の窓からは裏表逆さに透けて見える上に、大きな文字ではないのだけれど、たしかに「エサ」というカタカナを確認することができた。 ラブラドル・レトリーバーという犬種の食欲は、犬の中でも並外れて旺盛であると、いつか息子と見ていたテレビの動物番組の司会者が語っていた。トーマス君の弱点は、通行人から不用意に与えられる「エサ」なのだ。藤崎さんは、トーマス君に何らの自由を与えることもしない上に、棚ぼたの喜びすら、禁じているのだ。 私の内側には、ふつふつとその禁を犯したいという衝動が湧き上がり、大急ぎでらせん階段を駆け下りて台所の戸棚から食パンをつかんで戻って来ると、小さく指でちぎってこねたそのかけらを、窓からぽとんと下に落としてみた。それは自分でも驚くくらい、ぴたりと小屋の前に転がった。 すると、三つと数えない内に、小屋の柱に括りつけられた鎖が、ごりごりと重たい音を立て始めたのである。そして、小屋の中から、鼻先をひくつかせながらトーマス君の巨体がのそっと現れたかと思うと、突然のパンのかけらの出現を不思議がる様子すらなく、ぱくり、と飲み込んでしまったのだ。 私は、胃の奥のほうから興奮がこみあげてくるのを感じた。 そして、トーマス君は、これまで私が見たこともない異様な懸命さで、他にかけらはないものかと、くんくん地上を嗅ぎまわり始めた。たまらなかった。私は、すかさず第二投目を放った。 それは先ほどの位置から、1メートルほど外れた場所に転がった。トーマス君は依然として、かけらの出所が自分の頭上であるということには気付く様子も関心もないようだったが、老いをみじんも感じさせない鋭い嗅覚と聴覚で、その落下を瞬時に感じ取り、驚くべき俊敏さで、猛然と駆け寄った。 しかしそのとたん、ぐいい、とトーマス君の首には首輪が食い込み、がたん、と小屋が音を立てた。トーマス君の伸ばす鼻先から、数十センチの黒い土の上に、静かにかけらは留まっていた。トーマス君は、口から舌をだらんと垂らし、ハッ、ハッ、と荒い息を吐きながら、上り坂につっかえる輓馬のような格好で必死に体を伸ばして、前足で空を掻いたが、どんなにあえぎ、もがこうとも、彼がかけらに達する見込みがないのは上から見ていて明らかであった。 私は悲鳴を上げそうになり、すぐにもう一投、と手を振り上げたが、自分のコントロールの不確かさを思うと、また同じ過ちを犯すのではと、すくんだ。あまりトーマス君が大きな音を立てて、ご主人が庭に出てくるのでは、とも思った。切ないトーマス君を助けるためにお宅を訪ね、私が投げたパンを食べられずに苦しんでいますよ、と伝えに行くわけにもいかない。荒々しい野生をむき出し、とりつかれたようにいびつな体勢になって、かけらを食らおうとしているトーマス君を見ているのが忍びなく、私は静かに小窓を閉めた。 外の雨音は、とたん激しく立ち昇った。 何ということをしてしまったのかと、後悔が押し寄せ、泣き出しそうになった。私が愚かな情をかけたせいで、彼は味わわなくてよいはずの苦しみを強いられた。トーマス君、ごめんなさい。鉄門の忠告に、従うべきだったのだ。藤崎さんは間違ってはいない。二度としないと自分に誓った。 それから小窓は、私が階段を磨いた後も開けられることはなくなった。
2023.03.22
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図書館で『詩のきらめき』という本を、手にしたのです。 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。【詩のきらめき】池澤夏樹著、岩波書店、2018年刊<「BOOK」データベース>より詩から詩へ、膨らむ言葉のイメージ。詩と詩の間に、ぽっと浮かび上がる青春、人生のかがやき。一冊の本の中に豊かに広がる、古今東西の言葉の持つ芳醇な世界。奔放な言葉の流れによってつむがれた、散文では表現できない想いを伝える、多くの詩を読む。詩人でもある著者が、誰もが見知った言葉の持つ、新鮮なきらめきを案内する。<読む前の大使寸評> 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。rakuten詩のきらめき日本の民謡が語られているので、見てみましょう。p77~79<『山家鳥虫歌』で民謡を読む> 岩波文庫に『山家鳥虫歌―近世諸国民謡集』という本がある。成立は明和年間だから18世紀の後半、上田秋成の「雨月物語」や与謝蕪村の「春風馬堤曲」が出た頃だ。 その名のとおり諸国の民謡の歌詞を集めたもので、この書名は「ヤマガ(ノ)トリムシウタ」と読むべきかもしれないと編者は言う。 最初にあるのが・・・ 一 めでためでたの若松様よ 枝も栄える葉も茂る で、これだけでこの集の雰囲気が知れる。 我々が知っていて、慣れ親しんで、それゆえにこれがどことなく気恥ずかしいのだ。あまりによく知っている情感で、今さらという気がする。 この歌の補注には「現行民謡では単に船下ろし唄、長持唄(婚礼唄)・木槍唄などの祝唄として歌われるばかりでなく、一般に土搗唄・田植唄・苗取唄・代搔唄・木挽唄・籾摺唄・麦打唄・蹈鞴唄などの労作唄や、盆踊・田植踊・獅子舞などの踊唄としても盛んに用いられ、殆ど全国に行われる名歌の一首」とある。 そうやって暮らしてきたのだと思うし、予祝という民俗学の言葉も浮かぶ。その意味では「君が代」にも似ている。 この集には恋の歌が多い。ざっと見て七割が色恋関係という気がするのだが、そちらに行く前に世間知に関わるものを二つほど挙げておこう・・・ ・鮎は瀬につく鳥は木にとまる 人の情の下に住む ・金の威光の横柄顔も 昨日限りの三途川 ちょっと気の利いた言い回し、物知りの説明を聞けば誰にでもわかる内容。否定のしようのない普遍の真理。民謡というのはそういうものなのだろう。凡庸なほどヒットしやすいのは、つまり流行歌と同じと言えばそのとおりで、これはみな何百年か前の流行歌・歌謡曲である。 「若松様」は全国で歌われたというが、他の歌も各地で似たようなものが多い。信濃国の「追分節」が北前船で蝦夷に渡って「江差追分」になった例でわかるとおり、民謡は旅をする。江戸時代はとりわけ人の行き来が多い時代だった。 恋の歌のパターンの一つは、恋仲になれば世間に知れるというもの・・・ ・人の口には戸が立てられぬ 流れ川滝堰きならぬ ・蝶よ胡蝶よ菜の葉にとまれ とまりゃ名がたつ浮名たつ この歌の前半は後にあの文部省唱歌になった。後半は都々逸の・・・ ・浮き名立ちゃそれも困るし世間の人に知らせないのも惜しい仲 に繋がる。都々逸は民謡よりも作者性があって、(例えば「三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい」の作者は高杉晋作とか)その分だけ気恥ずかしさが少ないというのは、無名の大衆に対するぼくの偏見の故か。『詩のきらめき』2:大江健三郎からW・H・オーデンへ『詩のきらめき』1:アルチュール・ランボーをどう読むか
2023.03.21
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。酷寒厳しき折りなんて思っていたが、週間天気予報は三寒四温となっており・・・いずれにしても、もうすぐ花見との予報に浮かれている太子でおます。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、春分のあたりを見てみましょう。和暦p10<春分>五穀豊穣への祈りと祖霊への感謝を捧げる節目の節季 春分は、現行暦では3月21日ころから始まる15日間の節である。春分に入る当日が「春分の日」となり、国民の祝日になっている。 ちなみに春分の日は、1878年(明治11)に制定された「春季皇霊祭」を前身として生まれた祝日で、1948年(昭和23)に交付・施行されている。 前身時代も含めて春分の日の趣旨は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」であり、旧暦で暮らす時代の人々は、「自然に感謝し春を祝福する日」と捉えていたようだ。この日は、仏教行事として「春季彼岸会」が行われており、その影響からか、多くの人が「先祖のお墓参り」に出かける。 春分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むため、しばしば「昼と夜の長さが同じになる日」と言われているが、実際には昼のほうが長い。また「夜の長さが一番長い日」と言われている冬至も、実際は冬至の当日ではない。冬至から4分の1年(91.31日)後が春分の日になる。 春分の日から夏至までは、昼が少しずつ長くなる。二十四節季では、春分の日の3日前から数えて7日間を「彼岸」とし、春分の日を「彼岸の中日」としている。この時期の七十二候は、次のようになる。 初候「雀始巣(すずめ、はじめて、すくう)」 次候「櫻始開(さくら、はじめて、ひらく)」 末候「雷乃発声(かみなり、すなわち、こえをはっす)」また、当節は寒気も緩んで、 『朧月夜』 という唱歌が歌うとおりとなってきましたね。 『朧月夜』 1番菜の花畠に、入日薄れ、見わたす山の端(は)、霞ふかし。春風そよふく、空を見れば、夕月かかりて、にほひ淡し。2番里わの火影(ほかげ)も、森の色も、田中の小路をたどる人も、蛙(かはづ)のなくねも、かねの音も、さながら霞める 朧月夜。1914年(大正3年)『尋常小学唱歌 第六学年用』に初出。二十四節季の立春に注目(復刻)
2023.03.21
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図書館で『日本がウクライナになる日』という本を、手にしたのです。著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。rakuten日本がウクライナになる日「第三章 プーチンの決断」で、ウクライナ侵略の理由が語られているので、見てみましょう。p56~58<日本にとっての満州は、プーチンにとっての東ウクライナ> 戦争でやり過ぎると、後でろくなことにならない。日露戦争で南満州の利権を手に入れた日本は、それを守るために満州国設立にまで突き進み、アメリカから石油禁輸の制裁を食らう。その結果、「今やらねばじり貧で」ということで、真珠湾を襲ったのだ。 この構図、ロシアによるクリミア併合以後の展開とよく似ている。どういうことなのかと言うと・・・。 2014年3月、クリミアを首尾よく併合したロシア軍(と言うより、海兵隊と軍内部の情報部GRU所管の特殊部隊)を高く評価した前出のドキュメンタリーには、「これが我々ロシア人にできることかと思った」というプーチンの言葉があったと書いた。 これでGRUは図に乗った。ロシアに接しロシア語人口も多い東ウクライナ、つまりドネツ、ルガンスク、ハリコフ三州に手を伸ばす。地元親露勢力を武装させて州長などを占拠させ、ロシアから義勇兵を送り込んで制圧する。そういう一手に出たのだ。 ハリコフは極右勢力が死守したので、親露勢力はドネツ、ルガンスク両州の一部を手中に収めるだけで事態は収束した。その地はただし、石炭、鉄鋼生産の中心地である。 ウクライナの歴史は複雑だから、東ウクライナにはロシア語を主言語とする人口が多い。しかしその中には、ロシアでの領主の圧政から逃れて「コサック」になった者の子孫もいる。だから、ロシア語をふだん使っているから、ロシアが好き、ということにはならない。 2019年8月、ベルリンのCenter for Èast Èuropean and International Studies(ZOiS)が、ドネツ、ルガンスク両州住民の意識を電話で調査した。キエフ政府が支配する地域と親露派が支配する地域で千二百名ずつに対して行った。すると、キエフ政府が支配する地域でさえ、自分たちをウクライナ人だと意識する者は26.1%のみで、2016年の53.2%からは大きく後退していた。キエフ支配地区の住民は全般に疲れていて、ウクライナでもロシアでもどっちでもいい、という感じ。 一方で、親露派が支配する地域では、ロシアへの併合を望む者は18.3%しかいなかった。2016年の11.4%よりは増えてはいるものの、ロシアへの併合の可否についての住民投票が公正に行われれば親露側は結局負けるのである。 だからクリミアとは違って、ドネツ、ルガンスクは、ロシアにとっての満州のような存在となる。 プーチンは、「ウクライナは極右=ナチが支配している。だからロシアはナチ殲滅の『特殊軍事作戦』をやっているのだ」と言っている。「ナチ」と戦うのは聖戦。何でもあり、というわけだ。 しかし、ナチを名乗りナチの旗を振り回すネオ・ナチは、アメリカにも欧州にもいる。そして他ならぬロシアにもいる。ヒットラー・ナチは、「自分の領土」を回復すると称して戦争をしかけた勢力だ。今、ロシアがウクライナにやっていることは、ウクライナの住民にとっては、昔「真正ナチ」がウクライナにした残虐行為とまったく同じなのだ。『日本がウクライナになる日』1:異常なプーチン
2023.03.20
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図書館に予約していた『太陽諸島』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島「第9章」で浦島太郎の話が語られているので、見てみましょう。p271~273「第9章 Susanooは語る」「もちろん知っている。海岸で不良少年たちが海亀をいじめる。漁師のウラシマが亀を助ける。亀はウラシマをドラゴン・パレスに招待する」 オレの母語でそう答えたナヌークの語彙は豊かだが、どうやら「竜宮城」という言葉は知らないようなので教えてやった。「ドラゴン・パレスは、竜宮城というんだ。」「リューグージョー? 固有名詞か?」「海の底さ。」「どこの海?」「さあ。中国の南の方じゃないかな。竜宮城ではひっきりなしにグルメ料理が出て、綺麗なダンサーたちがうっとりするような音楽に合わせて踊っている。それを楽しんでいるうちに指の間から砂がこぼれ落ちるように時間が過ぎていって、浦島太郎は自分の身体が老化していくことに気がつかないのさ。」「竜宮城はウェルネス・ホテルみたいなところか。」「もっといいところだ。ホテル・ユートピアという名がふさわしい。でも、浦島太郎はある日やっぱり故郷が恋しくなって漁村に帰る。すると誰も知っている人がいない。竜宮城でおみやげにもらった小箱を開けると、煙がもくもくと立ち昇って浦島太郎は一瞬で白髪の老人に変身する。変身するというよりは、実際には老人になっていたのにそれが彼の目にはずっと見えなかったんだな。」「ドリアン・グレイの肖像画みたいだな。その小箱が人間の老いを引き受けてくれたわけだ」「ドリアン・グレイの話、しているの?」 と尋ねた。ナヌークはドイツ語で面倒臭そうに、「違うよ。ドラゴン・パレスの話さ。その城で時間を過ごしている限り、誰も歳をとらない。仕事もしなくていい。贅沢な食事と美しい音楽と踊りがある」 と答えた。「でも、ドラゴン・パレスにはドラゴンがいるんでしょう。怖くないの?私なら、そんなところへは絶対に行きたくない。」 とノラは意外なことを気にした。「そのドラゴンは悪者じゃない。客のもてなしが上手で、気前のいい、億万長者なんだ。」「ナイトクラブみたいなところ?」「違うよ、無料なんだ。」「でも、最後には客を食べてしまうつもりなんでしょう。」「そういう悪いドラゴンじゃない。小さな蛇が修業を積んだ結果、大きくて立派な龍に成長する。その龍は権力があるがそれを悪用せず、みんなを守ろうとする。精神がエレガントだから、暴力はふるわない」「そのドラゴン、みんなの幸せを考えてはいるかもしれないけれど、でも権力を独占しているんでしょう。それは民主主義的じゃないと思う」 と不満をもらした。『太陽諸島』2:バルト海の料理『太陽諸島』1:第1章 Hirukoは語る
2023.03.20
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図書館に予約していた『サイレントアース』という本を、待つこと5ヶ月半ほどでゲットしたのです。表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>表紙の副題が『昆虫たちの「沈黙の春」』とあるが、何やらえらいことになっているようです。<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース「第4章」で、野生哺乳類の減少が語られているので、見てみましょう。p64~69 「4章 データで見る昆虫減少」 私たちはいま「アントロポセン(人新世)」という新たな地質時代に暮らしているとの見方は広く受け入れられている。地球の生態系と気候が人間の活動によって根底から改変されている時代、という意味だ。私はこの言葉が大嫌いなのだが、妥当であるということは否定しない。 この新たな地質時代の特徴として、生物多様性の喪失が加速しているというものがある。野生の動植物が失われているだけでなく、生物群集全体が消えているということだ。こうした喪失について一般の人々が思い浮かべるのは、特に「絶滅」に直面している生物のことだ。とりわけマウンテンゴリラやアフリカゾウといった大型哺乳類、リョコウバトやドードーなど、すでに絶滅した鳥類に関心が集まる。 人々を引き付けるこうした大きな生物は大衆の心をとらえ、創造をかき立て、保護団体が保護活動の資金を集めるために「象徴種」として広く利用している。最後に残ったキタシロサイや、ピンタゾウガメの最後の個体だった「ロンサム・ジョージ」(2012年に死亡)がすみかをのっそり歩きながら絶滅を待っていたときの映像を見ると、心が張り裂けそうになる。 近代(西暦1500年以降とされることが多い)以降に絶滅していることがわかっている哺乳類は80種、鳥類は182種にのぼる。もちろん、この期間には、ヒトが世界に拡散し始めた4万年前に起きた後期更新世の「メガファウナ(大型動物相)の絶滅」は含まれていない。この絶滅に比べれば近代に絶滅した種の数は少ないとの印象を受けるかもしれないが、近年の調査では、世界中の野生生物がいま受けている影響は数字よりもはるかに深刻だという証拠が見つかり始めている。 大部分の種はまだ絶滅には至っていないだろうが、全体的に野生動物はかつての数よりもはるかに少なくなっているということが明らかになってきた。イスラエルの科学者イノン・バル=オンが最近発表した画期的な論文では、1万年前に人類の文明が生まれて以降、野生哺乳類の生物量は83%も減少したと推定されている。言い換えれば、六匹中五匹ぐらいの野生哺乳類が消えてしまったということだ。 彼の驚くべき推定によると、いまや野生哺乳類はすべての哺乳類のたった4%しか占めていないということから、そこからも人間の影響の大きさがわかる。ちなみに、家畜(主に牛、豚、羊)は60%、私たち人間は残りの36%を占める。これを理解するのは難しいが、この推定が正しいとすると、ネズミやゾウ、ウサギ、クマ、レミング、カリブー、ヌー、クジラなど、世界に5000種いる野生哺乳類すべてを足し合わせても、家畜の牛と豚の合計体重の十五分の一にしかならないということだ。 また、野生哺乳類の合計体重は全人類の合計体重の九分の一しかないということでもある。さらにバル=オンは、いまや世界の鳥類の生物量の七割が家禽であるとも推定している。 2018年には世界自然保護基金(WWF)とロンドン動物学会の「生きている地球レポート」が発表され、1970年から2014年までの44年間に世界の野生の脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類)を合計した個体数が六割も減ったと推定された。いま生きている人の記憶にある期間のなかで、そして、1965年生まれの私が生きているあいだに、野生の哺乳類の半分以上が失われている。私たちは生物の減少を抑制する努力はほとんど何もしていない。さらに44年後には、いったい何が残っているのか? 子どもたちが受け継ぐ世界はどんな姿になるのだろうか?
2023.03.19
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図書館で『詩のきらめき』という本を、手にしたのです。 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。【詩のきらめき】池澤夏樹著、岩波書店、2018年刊<「BOOK」データベース>より詩から詩へ、膨らむ言葉のイメージ。詩と詩の間に、ぽっと浮かび上がる青春、人生のかがやき。一冊の本の中に豊かに広がる、古今東西の言葉の持つ芳醇な世界。奔放な言葉の流れによってつむがれた、散文では表現できない想いを伝える、多くの詩を読む。詩人でもある著者が、誰もが見知った言葉の持つ、新鮮なきらめきを案内する。<読む前の大使寸評> 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。rakuten詩のきらめき先日、ノーベル文学賞受賞者でもある大江健三郎さんが天寿を全うされましたね。この本で大江健三郎と詩の関係が語られているので、見てみましょう。p37~39<大江健三郎からW・H・オーデンへ> 小説家である大江健三郎と詩の関係はおもしろい。 作品を読んでいるとほとんど詩の領域に踏み込みそうな時があるのに、しかし大江さんは詩を書かないで来た。その代わりにもっぱら英語の詩を読み、それを自分のものとして消化/昇華した上で自在に用いてきた。『人生の親戚』におけるダンテとブレイク、イェイツなどそのいい例だ。 大江さんはしばしば小説のタイトルに詩を借りる。 例えば、『新しい人よ眼ざめよ』はブレイクの「ミルトン」という長詩に由来する。 元はRouse up, O Young Men of the New Age!だから、愚直に訳せば「新しい時代の若い人よ、眼ざめよ」だが、大江訳の方が直截で勢いがある。 もう40年以上前の話だが、日夏耿之介の全集を編むという仕事に携わったことがある。本はきちんと作ったが、この人の詩業には惹かれると同時に反発も覚えた。まあ若くて生意気ざかりだったし(この件、前にも書いたのだが敢えて再論する) 言葉づかいがむずかしい。見たこともない漢字がぞろぞろ出てくる。E・A・ポーのAnnabel Leeの一行を日夏さんは(一度はお目にかかった仲だから親しく呼ばせてもらおう)・・・ アナベル・リイそうけ立ちつ身まかりつ と訳した。原文は・・・ Chilling and Killing my Annabel Lee 中学生でもわかるやさしい英語なのだ。 今ならば、詩人は自分なりの何かを加えて創造的な訳を試みたのだとわかるが、その時はむやみに反発した。 ところが、この難解でペダンティックな訳が大江健三郎を鼓舞して、この一行をほぼそのままタイトルとする小説を書かしめた(後に『美しいアナベル・リイ』と改題されたが)。詩にはそういう力がある。僕は若き日の浅慮を恥じざるを得ない。 大江さんの『見るまえに跳べ』と『狩猟で暮らしたわれらの先祖』というタイトルはオーデンに由来する。 詩の訳者としてポーの場合は日夏耿之介の全集を信頼したように、大江さんはオーデンについては深瀬基寛に頼った。後者の原文は・・・ Our hunting fathers told the story Of the sadness of the crestures であって、ぼくの手元の深瀬訳では「狩猟で暮らしたわたしたちの先祖は/生きものの悲哀の物語りをものがたった」となっている(この詩はベンジャミン・ブリトンが曲をつけてミュージカルになったらしい)。 オーデンはぼくにとってさほど親しい詩人ではなかった。 『海と鏡』という詩集が好きで何度も読んだけれど、T・S・エリオットの次の時代を拓いた詩人としての仕事ぜんたいには疎かった。 去年(2014年)から大江さんの小説を読み返していて、その途中でオーデンに迷い込んだ。政治的な意味の濃いメッセージが昨今の時節に強く訴える。しかもそれが同時に詩として完璧なのだ。『詩のきらめき』1:アルチュール・ランボーをどう読むか
2023.03.19
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図書館で『日本がウクライナになる日』という本を、手にしたのです。著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>著者は外務省に入省後、ソ連、ロシアに4度も駐在したことで・・・そんなディープスロートが語るプーチンが興味深いではないか。rakuten日本がウクライナになる日「第一章 戦争で見えたこと」で、異常なプーチンが語られているので、見てみましょう。p20~23 プーチンは秘密警察KGB(ソ連の情報機関・秘密警察)の出身。警察や軍隊は秘密体質が強い。敵に情報がもれると操作や作戦に差し支えるから、部下に何のために何をするのか全容を言わない。ただ細かい具体的な任務ばかりを言いつけて、情報は自分が一手に独占する。 今回のウクライナ作戦がそうだった。大臣たちも、そのほとんどはこれを事前に知らなかったし、軍や情報機関の中堅幹部でもこれを知らなかった。それでも、アメリカのバイデン政権は2021年の秋から、「ロシアはウクライナへの侵入を準備している」と騒いでいたのだが、これはまぐれだろうか? 全容を知らずに、通信体制も悪いのに、北方、東方に方面、南方を合わせて四方面に兵力を分散して侵入を開始する。これでは兵力が薄まってしまう。しかも国道を一列縦隊で整然と進軍するなど、侵入というよりは、既に破った相手を占領するための行動だ。 ロシアの情報機関は、ロシアのエリート層のいい加減な国際情勢認識に合わせたようなレポートを、上に上げ続けていたのだろう。「EUはばらばら。アメリカは民主党・共和党に分裂し、アフガニスタン撤退の時に見せたように、もはや世界を仕切る力も、意志もない。東ウクライナのロシア系住民は虐げられていて、ロシア軍の進駐に喝采することでしょう」という調子で。 それに加えて、プーチンの思い込み、そして自分の「軍事的才能」への過信が軍をあおったのかもしれない。彼の軍事勘は2014年のクリミア併合、次の年のシリア平定ではみごとに成功した。アメリカやNATOが何もしない、何もできない間に、うまく隙を見つけて、小さな兵力で大きな成果を上げることができたのだ。 素人の総司令官が自分の能力を過信して軍を動かして、いいことは起こらない。ヒットラー・ドイツはそれで自滅している。プーチンは2021年7月、「ロシア人とウクライナ人の歴史的同一性について」という論文を発表し、ロシア人とウクライナ人はもともと同根、しかしウクライナ人はきちんとまとまった国家を作れていない。スラブ民族の団結はロシアの使命だと主張した。これはウクライナへの宣戦布告である。(中略) 思い込みの強い社長がいる企業は、もしかすると大崩れする。上司の思い込みが強すぎる場合、部下は「何かしているふり」をする。そして自分の身に危険が迫れば逃亡するか、仲間と示し合わせて上司に辞任を迫る。それが1814年、ナポレオンに起きたことだ。 そして補給。大げさなことを言えば、戦争は補給で決まる。戦闘は何日か激しく撃ちあいが続くと、ぱたりと止まることがある。これは全滅したのではなく、弾薬が切れたのである。兵隊は飲み食いしなければ動けない。弾薬がなければ戦闘ができない。守る方も、食糧が切れたら降参するしかない。こえを全て担っているのは補給=ロジスティックだ。 そして補給とは、現場の状況を考えて、必要なものを必要な時に届ける想像力、思いやりの問題でもある。太平洋戦争で、日本軍は230万人の戦死者を出しているが、情けないことに、このうち140万人は、食糧が届かずに餓死した人たちだとされる。絶海の孤島、硫黄島に配備された群もそうだった。日本の本部はもう捨て駒のつもり、「戦地から補給を頼んでも、ない袖は振れない式の対応だった」と生存者たちは語っている。 三月初め、CNNで米軍の元将軍が語るには、「ロシア軍は今の兵力ではとてもウクライナ全土を抑えられない。キエフの占領さえおぼつかない。投降する兵、捨て置きにされる兵器が増えている」と。相手をなめてのいい加減なインテリジェンスは、怪我のもとなのだ。
2023.03.18
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<新聞連載コラムのスクラップ R1>朝日新聞に連載されているコラムを、クリアファイルにスクラップしているのだが・・・スクラップは増える一方で、クリエイティブかと問われれば、?がつくのです。で、厳選あるいは整理する目的で、以下集めてみました。・池澤夏樹(終わりと始まり)・三谷幸喜のありふれた生活・北欧女子オーサの(日本探検)・小熊英二(論壇時評)・沢木耕太郎「銀の街から」・佐伯啓思(異論のすすめ)・又吉直樹のいつか見る風景・吉岡桂子(多事奏論)・沢木耕太郎「銀の街から」・島田雅彦の居酒屋「まさっち」:連載終了・デジタル朝日 文芸時評R1:デジタル朝日を反映し全面的に見直した。・池澤夏樹(終わりと始まり)一覧・(三谷幸喜のありふれた生活)一覧・沢木耕太郎「銀の街から」コラム一覧・記者ページの紹介:吉岡桂子・沢木耕太郎「ゼロ・グラビティ」・多事奏論:吉岡桂子・デジタル朝日 文芸時評<(終わりと始まり)漢字の来し方行く末>大使の新聞スクラップの一つに池澤夏樹さんの(終わりと始まり)シリーズがあるのだが・・・そこに載っていた「漢字の来し方行く末」がええでぇ♪ということで、紹介します。坊主憎けりゃ、袈裟まで憎し、というか・・・とにかく中国で使われる簡体字が嫌いな大使である。2017-2-2(終わりと始まり)漢字の来し方行く末より 先日、自分が書いている小説の中で、ある男が中国人であることを伝えなければならなくなった。主人公との出会いは一瞬で会話はない。服装や容貌(ようぼう)をしっかり見る暇もない。 その場に男が書いたメモが落ちていたことにした。「●●●●●(職員駐車場の簡体字表記)」と書いてある。「職員駐車場」の意だが、五字とも中国のいわゆる簡体字。 アルファベットは世界の広い範囲で使われているが、簡体字の漢字を使うのは中国とシンガポールなどに限られる。 昨今、日本でもテレビの旅行番組などでこの文字を見かけることは少なくないけれど、我々は使わない。 文字というものの発明に改めて感心する。声に乗って空中を漂ってすぐに消えるものだった言葉が、粘土や木片や石や紙の上に定着できるようになった。そこで記憶が記録に変わった。 はじまりは帳簿だったか呪術だったか。公的な用途ばかりで私的な使用が始まるのはずっと後のことだ。 * 文字には表音と表意がある。 人体が声帯と咽喉と口腔で作れる音にはかぎりがあるから、表音文字の数はさほど多くはならない。七、八十もあればまず充分。 しかし意想の方は無限に多い。だから表意文字はいくらでも増え、どんどん複雑になった。表意文字は文字であると同時にそのまま単語なのだ。 世界ぜんたいを見て、繁栄した表意文字は漢字だけらしい。中国に生まれた漢字は日本や朝鮮や越南(ベトナム)に伝わり、異なる言語を記述するのに使われた。マヤの文字はマヤ文明と共に消えてしまった。 文字としては煩雑なので筆などで急いで書く時は細部を略す。しかし公式の文書では一画ずつを丁寧に美しく書く。そこから崩すのは自由だが、基本は楷書。 その状態が何千年も続いたのに、二十世紀に入ってなぜ漢字の簡略化が図られたのだろう? 知識の大衆化? 日本は仮名という表音文字も併用してきたから、漢字の数を制限することができたが、中国には漢字しかない。そこで彼らは文字そのものを変えることにした。「廣」という字は複雑すぎるから「广」にしてしまおう。十五画がわずか三画になるが、見た目はすかすか。日本では「広」で、台湾の繁体字は「廣」と昔のまま。 中国でどんな論議があったかぼくは知らない。政治的なメッセージを書いた大字報(壁新聞)が書きやすいというのが理由だったとも思えない(日本でも学生運動の立て看板には「斗争(とうそう)」のような文字が踊っていた)。 私用の略字を公用の文字に反映させて文字体系を変えてしまってよかったのか。伝統との断絶ということは考えなかったのか。植字工の作業において、「廣」でも「广」でも活字一本を拾う労力に差はないのだが。 簡体字が普及した後でコンピュータが登場した。活字の場合と同じでここでも廣と广の間に手間の差はない。もう我々は文字を書くのではなく打ち込む、ないし入力するのだから。 * 漢字改革は日本でも行われた。 戦争に負け、何もわかっていない占領軍の連中が漢字こそが日本の後進性の理由だと誤解したとしても、そんなものは突っぱねればよかった。 これが中国の場合ほど徹底しなかったのは、中途半端を好む日本人の性格のおかげかもしれない。 吉行淳之介さんがどこかで、戻るという字は中が犬だから実感があったのに、それが大になってしまってつまらない。と言っていた。手で「戻る」と書いて、犬を書くところで勝手に遊びに行った犬が戻ってくるという情景を人々は一瞬だけ想像した。そもそも、戻と●(戻の大が犬)、一画だけ節約してどんな利があるというのだろう。なんともみみっちい話だ。 文字を統括するのは度量衡や法律などと同じく権力者の権能である。だから近代の漢字の基準は清朝の最盛期に康熙帝の指示で作られた康熙字典だった。 文字を改めるのはリスクが多い。朝鮮のハングルはまこと優れた表音文字だが、それだけを用いるか漢字も併用するかで今も議論が続いている。ベトナムは漢字を捨ててアルファベットにしてしまった。ホーチミンが元は胡志明であったことを知る人は少ない。 ひらかなとカタカナと漢字を使う日本語の表記法は複雑で、習得には手間がかかるが、しかし利点も多い。意味を漢字で表し、発音をふりがなにすると方言などがうまく伝わる。その他さまざまな利用法を駆使して我々はずいぶん豊かな言語生活を送っている。 歴史はもとに戻せない。コンピュータの出現は予想できなかったとしても、中国は拙速に走って何かを失った気がする。同じことは我が国の仮名遣いについても言えるのだが。アレ? 楽天が「广」という簡体字を受け付けてくれたなあ…どういう基準になっているんだか?紙のスクラップとWebデータとで、重複保管になるのだが、ま~いいか。【(三谷幸喜のありふれた生活:899)】2018-6-7(三谷幸喜のありふれた生活:899)ダンゴムシと暮らすより息子がダンゴムシを拾ってきた。近所の公園で見つけたらしい。彼のダンゴムシの知識は、既に僕のそれを遥(はる)かに凌駕している。こっちは今までの人生で、ダンゴムシについて考えたことはほとんどなく、触るとクルッと丸まる、フナムシに似た生物ということくらいしか知らない。 * 和菓子ログイン前の続きが入っていた紙の容器の中で、三匹のダンゴムシがうごめいていた。息子は彼らを飼いたいらしい。図鑑を調べて、ダンゴムシの飼育法について学ぶ。 まず、空のペットボトル(大)の下三分の一を切り取り、底に土を敷く。 この土を敷くという作業が、東京に暮らしていると、なかなか難しい。庭がないので、よそから持ってくるしかない。公園の土は勝手に頂くわけにはいかない。二人でさんざん町を探し回ったものの、結局見つからず、家に戻って、駐車場の片隅に食パンくらいの広さの地面を発見、そこの土を少しだけ貰って容器に敷く。 「ここにコンクリートの塊を置くんだよ」と息子。なんとダンゴムシはコンクリートを食べるらしい。息子によれば、彼らにとってそれは大事な栄養源。近所の工事現場から小さなコンクリの塊を頂いて、土の上に置く。三匹のダンゴムシがこのコンクリを食べ尽くすにはあと五百年くらい掛かりそうだ。 * 「次に新鮮な枯れ葉を用意して欲しい」と息子。枯れ始めということだろうか。家の周辺を探して、出来るだけ活きのいい枯れ葉をゲット。コンクリの横に置いてやる。 これで完成、ダンゴムシの家。彼らを放してやると、嬉しそうに丸まった。枯れ葉とコンクリがあれば餌はいらないというが、さすがに不安で、ニンジンの切れ端を一緒に置いておく。 深夜。息子は既にダンゴムシを忘れて熟睡していたが、こっちはどうにも落ち着かず、そっと覗きに行く。夜行性なのだろうか。彼らはびっくりするほど活発に容器の中をうろうろしていた。昼間、一匹だけ丸くなったまま微動だにしない奴がいて、死んでしまったのかと不安だったが、そいつも嘘のように元気にうろうろしている。 触るとすぐ丸くなる。危険を察知するとそうなるのだろうが、彼らがどのタイミングで「危険は去った」と判断するのか、その瞬間を見届けたくなり、しばらく凝視するが、見ている間は絶対に動かず、ちょっと目を離した隙に動き出す。真夜中にダンゴムシとせめぎ合いを繰り広げるも、結局一度もその瞬間を見届けることはなかった。 翌日の夕方、息子を説得して、彼らを自然に帰してやることに。息子は「春になってから自然に戻すんだよ」と言っていたが、まだ秋にもなっていない。知らない間に逃げ出すんじゃないかとか、イヌたちが容器をひっくり返すんじゃないかとか、ダンゴムシとの共同生活は、思いの外、ストレスが溜まるのである。 * 三匹のダンゴムシを、駐車場の片隅の小さな地面に放してやる。彼らは嬉しそうに丸まっていた。 息子が十匹のダンゴムシを連れ帰ってきたのは、その次の日のことだった。【ゼロ・グラビティ】アルフォンソ・キュアロン監督、2013年米制作<観る前の大使寸評>12/13公開予定の映画だが、これほどネタバレの映画評となっていいのかと、あるブロガーが怒っていたが…うーむ どうなんでしょうね。 面白そうな映画であることは良くわかりました。movie.walkerゼロ・グラビティゼロ・グラビティより<無重力、究極の「漂流」を体験:沢木耕太郎> 偶然、先月に続き、この「ゼロ・グラビティ」もまた、私にヤン・デボンの「スピード」を思い出させることになった。 それは何と言っても、女主人公がサンドラ・ブロックだったことが大きい。しかも、その女主人公は、「スピード」と同じように、乗り物を操って絶対の危機を脱しようとするのだ。 ただし、秀れた能力を持つ男性からの指示を受けつつ、彼女がパニックを起こしそうになりながら操るのが、「スピード」のような「乗り合いバス」ではなく、「スペースシャトル」だという違いはあったのだが。 デジタル朝日 文芸時評より<「多和田語」の世界 境界も〈私〉も解き放つ星々:小野正嗣> 現代の傑作もまた過去の傑作につねに応答する。「翻訳」という点に注目すると、『ペルシア人の手紙』と似た構造を持つのが、多和田葉子の『星に仄(ほの)めかされて』(講談社)だ。 これは三部作の第二部にあたる。第一部『地球にちりばめられて』(同)と登場人物は重なるが、単独の作品として読めるようになっている。 ドイツ語と日本語の両方で、詩や小説を書き続けている多和田であるが、この小説はどうやらそれらとは違う言語で書かれている。「クヌートは語る」という章題からも明らかなように、各章ごとに一人ひとりの人物が語るようになっている。この中で、日本人だと考えられるのは、HirukoとSusanooという人物だけだ。 なぜアルファベット表記? どうもこの二人の生まれ育った列島はもはや地球上には存在しないからだ。二人は文字通りの〈故郷喪失者〉である。そればかりか二人の母語は消滅の危機に瀕している。 本書では、失語症に陥ったとおぼしきSusanooを見舞うため、その友人たち、Hirukoをはじめ、言語学徒のクヌート、グリーンランド出身のエスキモー、男性として生まれるも女性として生きる選択をしたインド人などの魅力的な人物が、コペンハーゲンの病院を訪れる。 個々の人物の語りには、言語の音楽性や物質性に敏感な多和田らしい日本語の慣用句や同音異義語を駆使した言葉遊びがちりばめられる。『献灯使』(講談社文庫)の英訳が全米図書賞翻訳部門を受賞するなど、多和田が各国語に翻訳されていることを思い出し、こんな言葉遊び、翻訳できるのかな、と想像をたくましくした瞬間、ハッとする。 登場人物たちのほとんどが非日本人である以上、各章の語り手はそれぞれの母語であるデンマーク語やドイツ語で語っているはずだ。つまりこの小説こそが「翻訳」なのだ。 * では、これほどの創造性と愉悦に溢れる日本語に訳されるこの「原語」はどこに見出(みいだ)せるのだろうか。 興味深いことに、本書では人物たちのアイデンティティーが入れ替わる場面がある。傑作『雪の練習生』(新潮文庫)で、人間と動物(ホッキョクグマ)との境界をやすやすと越えたこの作家の言葉は、これまで言語や国籍、人種、性差といった人々を遠ざけ分断する境界線に絡め取られることなく歩を進めてきた。本書の言葉はさらに、私たちを閉じ込め自由を奪う〈私〉という牢獄からの解放を夢見させてくれる。 多和田葉子の言葉は、日本語でもドイツ語でもなく、地球上のどこからでも見える夜空よりも広大な言語と言語の〈あいだ〉にちりばめられた美しい星々のように輝いている。
2023.03.18
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図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。この本の表紙には、なんか見覚えがあるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って調べると、やはり借りるのは3度目でした。ということでこの記事は(その9)とします。【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たちアメリカにおける長編小説の抜粋・短縮出版が語られているので、見てみましょう。p306~308■46 The Wind-Up Bird Chronicle刊行に向けての長いワインドアップ『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』8:長編小説の抜粋・短縮出版p306~308『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』7:「パン屋再襲撃」の英訳p296~299『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』6:翻訳家バーンバウム氏の続きp18~22『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』5:翻訳家バーンバウムができるまで(続き)p12~14『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』4:翻訳家バーンバウムができるまでp7~10『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』3:冬の時代p236~238『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2:出版社の出版事情p32~35『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1:翻訳家バーンバウムp23~27p306~308■46 The Wind-Up Bird Chronicle刊行に向けての長いワインドアップ 雑誌や出版社の編集者による「エディット」は、文章レベルの編集にとどまらない。どの作品が、いつ、どこで、どのように読まれるか(ときには「文学作品」として読まれるか否か)までに及ぶ。この広い意味での「エディット」の興味深い例のひとつに、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の英訳が挙げられる。 『ねじまき鳥クロニクル』の英訳が大幅に編集された形で刊行されたのはよく知られた話である。後に再び触れるが、アメリカの出版社のクノップフ社との契約で文字数が制限されていたため、翻訳家のジェイ・ルービンが大胆に編集・短縮した原稿を(全訳の原稿と一緒に)出版社に送り、短縮版が出版された。 英訳版から重訳されたドイツ語などの複数外国語版も同じく短くされた形で流通したこともあり、この「村上春樹の許可を得て」行われた単行本の「アダプテーション」は、一部の批評家や読者に批判された。 だが、『ねじまき鳥(英)』の広義での「エディット」は、単行本の刊行前から既に『ニューヨーカー』誌面上ではじまっていた。前述のとおり、、担当編集者のリンダ・アッシャーがはじめて『ニューヨーカー』に掲載したのは、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。つまり『ニューヨーカー』の読者は、1990年11月の段階でこの村上作品と遭遇していたことになる。 その数年後に『ねじまき鳥』の翻訳が進んでいることを知ったアッシャーは、「抜粋を乗せたいから、その部分を選んでほしい」と村上に依頼する。 雑誌での抜粋の先行掲載について、村上は次のように語っている。アメリカの出版界では長編の抜粋を雑誌に載せることが、雑誌にとっても、版元にとってもかなり大きなことなんです。出版社にとっては発売前の評判につながるし、雑誌にとっても話題作を先行して掲載できるということで熱心になる。 このアッシャーからの依頼を受けて、村上は訳者のルービンと「よく相談して抜粋部分をえらびだした」と述べているが、この点について再び確認すると、「抜粋ということ自体にほとんど興味がない」ため、全面的にルービンに「まかせた」という。他の抜粋箇所を提案することもなかった。「そこを載せたいと思うんだったらそれでいいんじゃないっていうしかないですね。日本にはそういう、長編小説を抜粋して雑誌に載せるという文化がないじゃない」。 一方、ルービンは、膝を突き合わせて二人で決めたのか、電話でやりとりしたのか、当時の記憶が曖昧だという。「でも、抜粋した二つの章は特に好きな部分で、独立した作品としても読めると思ったことは覚えているわ」 担当編集者のアッシャーも、当時の記憶がほとんどないと言う。「村上作品の編集については、翻訳者とのやりとりを含めて、とても興味深くて、楽しいプロセスだった記憶はあるけど、それ以外は細かく覚えていないし、残念ながらもう手元に参考となるような資料もほとんどないわ」
2023.03.17
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図書館で『詩のきらめき』という本を、手にしたのです。 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。【詩のきらめき】池澤夏樹著、岩波書店、2018年刊<「BOOK」データベース>より詩から詩へ、膨らむ言葉のイメージ。詩と詩の間に、ぽっと浮かび上がる青春、人生のかがやき。一冊の本の中に豊かに広がる、古今東西の言葉の持つ芳醇な世界。奔放な言葉の流れによってつむがれた、散文では表現できない想いを伝える、多くの詩を読む。詩人でもある著者が、誰もが見知った言葉の持つ、新鮮なきらめきを案内する。<読む前の大使寸評> 詩というものはあまり読まないが、池澤夏樹が詩を語るということが興味深い♪・・・ということでチョイスしたのです。rakuten詩のきらめきランボーに触れたあたりを少しだけ、見てみましょう。・・・ランボーの詩を読んだことはないのだが。p186~189<影と旋風の地> アルチュール・ランボーをどう読むか、ずっと考えてきた。 彼は偉大な詩人ではないだろう。ユーゴーはもちろん、ボードレールやマラルメほども大きくはない。しかし気になってしかたがない。 一言で言えば彼は破格で濃密なのだ。遠く離れた言葉が強引に引き寄せられ並べられて、混乱するイメージが絡み合って、解きほぐすのに苦労する。それでいて、それ故に、底の知れない魅力がある。帰り道のわからないまま森の奥へ歩いてゆくようで、恐ろしいとも思う。 しかも彼の詩作は数奇な人生に埋め込まれている。だから詩集と同じくらい彼の伝記がおもしろい。ある時期まで標準はアイルランド人の女性の評論家Ènid Starkieが1947年にはっぴょうしたものだったが、その後これには多くの批判が出た。今は百家争鳴の感があるけれど、まず読むべきはステンメッツのものか。 無数の評論や評伝を積み上げた山の頂点におぼろげな詩人の姿が見える。詩集だけ開いてもよくわからない。実に手間がかかってその手間の分だけおもしろい。 ランボーはおそろしく早熟だった。定型詩から散文詩へ速やかに移行した。『地獄の一季節』を書いたのは19歳の時だった。その後で『イリュミナシオンン』を書き始め、21歳で仕上げて、その後は詩集の形でまとまった施策はない。 一般に詩人はよい詩をたくさん書いて、それが一定の数になったところでぜんたいの構成を考えながら一冊の詩集にまとめるものだ。それを繰り返して詩人としての評価を得る。しかし彼にはそういう考えがなかったらしい。詩は書簡などの形で世に放たれ、一度自分の手を離れてしまうと後は何の関心もない。 そしてある時から詩を書かなくなる。 生きかたが変わったわけではないだろう。猛烈に移動ないし逃亡を重ねる暮らしは最後まで持続した。いったい彼の年譜にはいくつの地名が出てくるか・・・ 手元の簡単な年譜によれば、生まれはフランス北東部アルデンヌの町シャルルヴィル。そこを逃れて初めてパリに行ったのが16歳の時。それから何度となく出奔してパリと郷里を往復し、後にはブリュッセル、ロンドン、シュトゥットガルト、ミラノ、ウィーン、オランダ領インドシナのバタヴィア、ケルン、ブレーメン、ストックホルム、アレクサンドリア、ジェノヴァ、キプロス、アデン、ハラル、アンコベール、カイロ、アデン、と動き続け、最後はマルセイユまで戻って苦痛に満ちた死を迎えた。 この地名の羅列をぼくは旅券を改める税官吏の目ではなく、彼の詩を読む読者の目で読む。このリスト自体が放浪者=浮浪者であったランボーが身をもって綴った詩である(と書きながら、この表現を恥じる。彼にあっては詩という言葉はどこか気恥ずかしいのだ)。 どの土地もそそくさと通り過ぎたかのよう。彼には蓄積というプチ・ブルジョワの美徳が欠如していた。富を蓄えるのではなく借財を返し続けるように生きた。書くべき詩を書くことが返済ならばまだわかるのだが、むしろ詩を書くことから必死で逃れようとしていたように思われる。 詩はしつこい出血のように滲み出した・・・ [おお季節よ、おお城よ] おお季節よ、おお城よ! 無疵な魂などどこにある? おれは幸福の魔法の研究を してきたが、こいつは誰も避けて通れぬ。 降伏に敬礼だ、ゴールの雄鶏が 歌声あげるその度に。 ああ!もうこれ以上のものは欲しくない。 幸福がおれの命を引き受けた。 この魅惑に身も魂もとらえられ 無理する気持ちも消え失せた。 おお季節よ、おお城よ! こいつが逃げ去るそのときは、ああ! それこそ最後のときだろう。 おお季節よ、おお城よ! (渋沢孝輔訳) この切迫感が彼の人生を貫いている。 ランボーが逃げたのは定住という状態からか、あるいは自分自身からか。自分だとすると逃げ切れるはずがない。彼には「ぼくは他人だ」という言葉があるが、自分が二人に分かれてしまうという感覚がずっと付きまとっていたかのよう。人は己の影からは逃れられない、光がないところに行くか、あるいは赤道直下の真昼の広場に立たないかぎり。 1880年、26歳のランボーはヨーロッパを出て、アラビア半島南端のアデンという町に行った。今、ぼくたちはこの地名をポール・ニザンの『アデン、アラビア』という本で知っているが、その前はまずはランボーが行ったところだった。彼は11年後に亡くなる半年前までヨーロッパに戻らなかった。
2023.03.16
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、3/14受取)・『サイレントアース』(10/01予約、3/14受取)・『日本がウクライナになる日』・『Haruki Murakamiを読んでいるときに』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【日本がウクライナになる日】河東哲夫著、CCCメディアハウス、2022年刊<「BOOK」データベース>より文明国同士ではあり得ないと思っていた戦争が起きた。起きてみれば、いとも簡単だった。自由と平和を守るために知っておきたいこと。【目次】第1章 戦争で見えたことープーチン独裁が引き起こす誤算/第2章 どうしてこんな戦争に?-ウクライナとは、何があったのか/第3章 プーチンの決断ーなぜウクライナを襲ったのか/第4章 ロシアは頭じゃわからないー改革不能の経済と社会/第5章 戦争で世界はどうなる?-国際関係のバランスが変わる時/第6章 日本をウクライナにしないためにーこれからの日本の安全保障体制<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本がウクライナになる日【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち図書館大好き583
2023.03.16
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在74位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在5位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在8位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在43位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在30位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在33位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在1位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在167位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在14位・砂漠と異人たち(2/25予約、副本1、予約5)現在4位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・『小川さゆり、宗教2世』:図書館未収蔵・篠田謙一『人類の起源』・スヴェン・ベッカート『綿の帝国』・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・スマラサーラ『怒らないこと』・横尾忠則「見えるものと観えないもの」・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:2/04以降> ・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、2/14受取)・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、2/14受取)・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、2/21受取)・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、2/25受取)・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、2/25受取)・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、3/07受取)・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、3/07受取)・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、3/14受取)・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、3/14受取)**********************************************************************【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たち【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.03.15
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図書館に予約していた『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』という本を、待つこと5ヶ月ほどでゲットしたのです。 御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。 なお著者はドングリ国近隣の明石出身だそうで、この本の文体はやや下卑てはいるが、私にとって違和感のない関西弁になっていて、ええでぇ♪【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。3月12日にキーウ入りして以来、4月17日に出国するまで各地で取材。そして5月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場「第8章 再び戦地へ」で、22年5月の状況を、見てみましょう。p184~186 殺るか殺られるか、勝って祖国を敵の手からとりもどし、再び蘇るか、負ければ国を亡くし、これからもあのプーチンの奴隷となるのか、1秒たりとも油断できぬ戦いを続けるウクライナの国民にとっては取るに足らぬ理由で、不肖・宮嶋やむなく4月末に内地に戻った。<いまだ砲声鳴りやまず> だが不肖・宮嶋、これが最後の戦場と言いながら、再び5月にウクライナに舞い戻ってきたのである。今度のベースはロシア国境からわずか40キロ、ウクライナ第二の都市ハルキウ(ハリコフ)。 ウクライナ軍の健闘により、ハルキウを包囲していたロシア軍を国境近くまで押し返し、市民も徐々に町に戻ってきた。しかし、そのハルキウの中心部に昼間から砲弾が降り注ぐ始末である。夜中に轟く空襲警報に何度も飛び起きるばかりか、その直後の爆発音と衝撃の連続で一睡もできん。 ロシア軍の狙いは明らか。ウクライナ南東部の完全制圧を企むロシア軍は、ウクライナ軍の兵力分散の目的で、国境の向こうやルハンスク州などから砲撃を繰り返し、斥候を送り込み、ハルキウ市民をびびらし続けている。そして避難の機会を逃した市民が地下鉄に殺到、地下都市と呼べるコミュニティーを作り上げた。 飲料水は無料、ボランティアから温かい食事も日に三度提供される。教育はオンラインしかないが、今夜安全に眠れ、明日も目が覚める日々のほうを選ばざるをえないのである。にもかかわらず、ハルキウ市は早々に地下鉄営業再開を決定、地下の住民は地上の避難所へ移住しつつある。市民が地上の我が家へ帰る日はいつになるのか。<団地群が標的に> 五月上旬までに町中から人影が消えたハルキウだが、徐々に市民が戻りつつある。今や日本の新聞、テレビの報道機関まで出張るようになったというからには、かなり安全になった証拠でもあろう。 ロシア国境からわずか40㎞の距離にある、ここ、ウクライナ第二の都市ハルキウ。IT産業や工業がさかんな150万人都市であるが、ロシア国境に近いことから、侵攻直後からすさまじい攻撃にさらされた。特にロシア側の東北部に位置したサルトゥフカは昼夜問わず、大小無数の砲弾、ロケット弾が降り注ぎ、ロシア軍が周囲から撤収したとされる現在もいまだ砲声が止むことはない。 こんな高島平の数倍もの団地群がもろ標的になったのである。一棟に一発や二発やない。数え切れんロケット弾が突き刺さり、次々に炎に包まれたのである。家具も部屋も茂枝落ち、水道、電気、ガスすべてのインフラが破壊され、人が住める状態やないのである。商店もレストランも軍民問わずロシア軍は標的を選ばない。 そして街から人が消えた。公園から井戸端会議も子供の歓声も絶え、代わりに砲声が止まぬこのヨーロッパ有数のベッドタウンがゴーストタウンと化し代わりに地下都市が出現した。最寄りの地下鉄ヘロイフ・プラッツィ駅、スツデンツカ駅等に団地からの避難民が安全を求めて殺到、約700人の市民が地下生活を送るはめになったのである。『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』2:イルピン取材の続き『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』1:最前線への取材ルート
2023.03.15
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<砂漠の映画あれこれ3>砂漠の映画をあれこれ集めてみました。こう並べてみると、我ながら古くから砂漠に惹かれていたことが分かるのです。途中30年間くらいブランクがあるけど、仕事に明け暮れていたせいだろうか?・砂漠は生きている(1953年)・撃墜王アフリカの星(1957年)・アラビアのロレンス(1962年)・飛べ!フェニックス(1966年)・バグダッド・カフェ(1987年)・イングリッシュ・ペイシェント(1996年)・サハラに舞う羽根(2002年)・ナイロビの蜂(2005年)・草原の椅子(2013年)・奇跡の2000マイル(2013年)・千年医師物語(2013年)なお『奇跡の2000マイル』については、観た後の感想にしたので改3としました。 <砂漠は生きている> 大使が幼少の頃に観た映画であるが、記憶に残る最初の長編記録映画である。その次が『沈黙の世界』(1956年)、『佐久間ダム』(1957年)だったかな。斯様に子供時代の記録映画の印象は強かったわけだが、そのあたりを大人は忘れているのではないか。・・・つまりは、記録映画とか、ドキュメンタリー映画の威力とでも、言いましょうか♪【砂漠は生きている】ジェームズ・アルガー監督、1953年米制作<movie.walker解説>より 「水鳥の生態」「大自然の片隅」「ビーバーの谷」などの“自然の驚異”シリーズを発表したウォルト・ディズニーが、この記録短編シリーズを長編にきりかえ、“自然の冒険”シリーズと名づけて発表した第1作である。総指揮はウォルト・ディズニー、監督ジェームズ・アルガー。 日本版の解説はNHKアナウンサー今福祝が担当した。1953年度アカデミー長編記録映画賞受賞作品。<大使寸評>大使が幼少の頃に観た映画であるが、記憶に残る最初の長編記録映画である。ボブキャットがサボテンを駆け上るシーンは、今でも鮮明に覚えています♪movie.walker砂漠は生きている <撃墜王アフリカの星> 『橋』も『撃墜王アフリカの星』も映画館で見た古くからの戦争映画オタク?の私としても、『撃墜王アフリカの星』は名画だと評価しているのです。砂漠に墜落したメッサーシュミットの残骸のシーンでも、テーマミュージックの「アフリカの星のボレロ」が流れるが・・・・これがいいんだなー。【撃墜王アフリカの星】アルフレッド・ワイデンマン監督、1957年制作<Movie Walkerストーリー>より1939年夏。ドイツ空軍士官学校の生徒たちは青空を飛び廻って青春をエンジョイしていた。なかでもハンス・ヨアヒム・マルセイユ(ヨアヒム・ハンセン)は規律無視の常習犯だった。間もなく、ヨーロッパは戦火につつまれ、マルセイユはアフリカ戦線出動を命じられた。明けてもくれても英軍のスピットファイアーとの空中戦が続く日々がやってきた。愛機のメッサーシュミットを駆って活躍する彼は、たちまち撃墜王として敵から恐れられる存在となった。<大使寸評>最初に観たドイツ映画であり、個人的には記念碑的な作品です。砂漠に墜落したメッサーシュミットの残骸のシーンでも、テーマミュージックの「アフリカの星のボレロ」が流れるが・・・・これがいいんだなー。哀愁を含んだ軽いこの曲が流れるモノクロのシーンは・・・・ハードボイルドな映像詩とでもいうんでしょうね。Movie Walker撃墜王アフリカの星BOLERO, THE STAR OF AFRICA :DER STERN VON AFRIKA 撃墜王アフリカの星byドングリ <アラビアのロレンス> 70ミリスペクタクルの迫力、砂漠の美しさ、それからサウンドトラック・・・どれをとっても、しびれたわけです♪「アカバ!」・・・艱難の果て、アカバにたどり着き、紅海が見えたときのシーンが目に浮かびます。【アラビアのロレンス】デイヴィッド・リーン監督、1962年英制作<movie.walker解説>より T・E・ロレンス自伝『知恵の七柱』からロバート・ボルトが脚色し、「戦場にかける橋」のデイヴィッド・リーンが監督した70ミリスペクタクル。 撮影はフレデリック・A・ヤング、音楽はモーリス・ジャール。出演者は舞台俳優のピーター・オトゥール、「戦艦デファイアント号の反乱」のアレック・ギネス、「バラバ」のアンソニー・クイン・「紳士同盟」のジャック・ホーキンス、「カサブランカ」のクロード・レインズ、ホセ・フェラー、アーサー・ケネディ、アンソニー・クェイルなど。<大使寸評>70ミリスペクタクルの迫力、砂漠の美しさ、それからサウンドトラック・・・どれをとっても、しびれたわけです♪movie.walkerアラビアのロレンス<飛べ!フェニックス>飛行機映画というよりは・・・成せば成る、あるいは絶対にあきらめない心を描いた映画として忘れがたいのである。【飛べフェニックス】ロバート・アルドリッチ監督、1966年米制作<movie.walkerストーリー>より アラビア石油空輸会社所属の輸送兼旅客機が、サハラ砂漠にある採油地から基地へ帰る途中、砂あらしに遭遇し、砂漠の真只中に不時着した。 この事故で、2名の死者と1名の負傷者がでた。操縦士のフランク(ジェームズ・スチュアート)は、事故の一切の責任をとる決心をして、航空士ルー(リチャード・アッテンボロ--)と共に、なんとか、乗客を無事救出すべく策を練った。 年若い飛行機デザイナーのハインリッヒ(ハーディー・クリューガー)は、人手と器材さえあれば、こわれた飛行機から、あたらしい小型の単発機を組立てることができると、フランクに説いた。<大使寸評>砂漠と飛行機といえば、大使のツボを突いているわけです。movie.walker飛べ!フェニックス <バグダッド・カフェ> この映画はドイツ映画の一押しになるのだが(大使の場合)、舞台がアメリカのモハベ砂漠というのが、何とも場違いな感じがしないでもないのです。いずれにしても、砂漠を描く映画としても忘れ難い映画である。(2004.2.1鑑賞)【バグダッド・カフェ】パーシー・アドロン監督、1987年ドイツ制作<Movie Walkerストーリー>より ミュンヘン郊外の田舎町、ローゼンハイムから観光旅行にやってきたミュンヒグシュテットナー夫妻は、ディズニーランドからラスヴェガスの道中で夫婦喧嘩になってしまい、夫と別れ車を降りたジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、重いトランクを提げてあてどもなく歩き出した。やっとの思いでたどりついた、さびれたモーテル兼カフェ兼ガソリンスタンド“バグダッド・カフェ”で部屋を借りようとするジャスミンに、女主人のブレンダは不機嫌な迷惑そうな表情を隠そうとしない。<大使寸評>ハイウェイの夕焼けをバックに流れる「コーリングユー」という歌がまたいいのだ。文明果つる所のような剥き出しの風景に、ハイウェイ沿いの安モーテルの乾いた哀愁に・・・・この透とおった高いキーの歌がよく合うのだ♪ドイツ映画の一押しと言えば、大使の場合はこの映画になるわけです。劇場で1回、DVDで2回観たかな。Movie Walkerバグダッド・カフェバグダッド・カフェbyドングリ三度公開された「バグダッド・カフェ」byドングリ<イングリッシュ・ペイシェント> 看護婦の女優(ジュリエット・ビノシュ)は知っていたが、主人公(レイフ・ファインズ)もどこかで見たと思ったが、「ナイロビの蜂」に出ていたんだ♪・・・なかなか存在感のある俳優ですね。 movie.walkerのストーリーを読んでみると、あらためてややこしいストーリーであったと思うが、寡黙な主人公のガッツが印象に残っています。近々、レイフ・ファインズが出る「グランド・ブダペスト・ホテル」という映画が2本立て館にかかるので、観にいこうと思う。【イングリッシュ・ペイシェント】アンソニー・ミンゲラ監督、1996年米制作<movie.walkerストーリー>より 44年、イタリア。砂漠の飛行機事故で全身に火傷を負い、記憶の大半を失って生死をさまよう男が野戦病院に運び込まれた。戦争で恋人も親友も亡くして絶望にかられていた看護婦のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は移動する部隊を離れて、爆撃で廃墟と化した修道院に患者を運び込み、献身的な看護を続ける。男は断片的に甦る思い出をハナに聞かせる。彼の名はアルマシー(レイフ・ファインズ)。ハンガリーの伯爵の家柄に生まれた冒険家の彼は、英国地理学協会に加わり、アフリカはサハラ砂漠で地図作りに没頭していた。<大使寸評>看護婦役(ジュリエット・ビノシュ)は知っていたが、男優もどこかで見たと思ったら、「ナイロビの蜂」に出ていたんだ♪・・・なかなか存在感のある俳優ですね。近々、彼が出る「グランド・ブダペスト・ホテル」という映画が2本立て館にかかるので、観にいこうと思う。movie.walkerイングリッシュ・ペイシェント<サハラに舞う羽根>原作小説『四枚の羽根』の6回目の映画化ということで、原作はイギリスでは古典的名作のようです。砂漠地域を植民地化したイギリスでは、砂漠に対する思い入れが強いのではないだろうか・・・イギリス人に聞いてみたいですね。【サハラに舞う羽根】シェーカル・カプール監督、2002年制作、H24.4.5観賞<movie.walker解説>より「エリザベス」のシェカール・カプール監督が、A・E・W・メイスンの名著を映画化した文芸ロマン。19世紀のアフリカで、苛酷な戦闘に身を投じた若者の運命をドラマチックに描く。<大使寸評>サウジでのきつい仕事のほとぼりが冷めてくると、砂漠とラクダの映像が見たくなるわけで・・・「アラビアのロレンス」のような映画を探していて見つけた映画です。この映画のストーリー展開には疑問も多いが、砂漠の過酷さと美しさは期待どおりでした。なお原作小説『四枚の羽根』の6回目の映画化ということで、原作はイギリスでは古典的名作のようです。ストーリーの疑問は原作によるものか、シナリオによるものか?案外とカプール監督がインド人ということで説明がつくのかも知れないですね。(笑)youtube映像movie.walkerサハラに舞う羽根<ナイロビの蜂>ジョン・ル・カレの原作ということで、サスペンス映画でもあるけど・・・アフリカを舞台にした社会派映画というところも良かった♪【ナイロビの蜂】フェルナンド・メイレレス監督、2005年英制作、2006年9月20日観賞<movie.walker解説>よりガーデニングが趣味の物静かな英国外務省一等書記官のジャスティンは、スラムの医療施設を改善する救援活動に励む妻テッサと、ナイロビで暮らしていた。しかし突然、テッサがトゥルカナ湖の南端で殺害されたという報せが届く。彼女と同行していた黒人医師アーノルドは行方不明。警察はよくある殺人事件と断定して処理しようとするが、その動きや、テッサに密かに思いを寄せていた同僚サンディの不審な振る舞いから、疑念にかられたジャスティンは、妻の死の真相を独自に調べ始める。<大使寸評>よくできたサスペンス映画でもあるわけだが、ジョン・ル・カレの原作ということで納得するわけです。でも、公式HPにもあるようにラブストーリーなんでしょうね。movie.walkerナイロビの蜂ナイロビの蜂byドングリ<草原の椅子>愛憎うずまく日常と、フンザの砂漠がシュールと言えるほど鮮やかな対比を成していますね。育児放棄した母親と、子供を保護する善人たちといえば・・・・よく似た映画を思い出したのです。「キリマンジャロの雪」という映画だが、まったく同じ題材を扱っていることに驚くのです。【草原の椅子】成島出監督、2013年制作<movie.walker解説>より登場人物の繊細な心の動きや、大自然の描写の美しさで絶賛されている宮本輝の同名小説を映画化。『八日目の蝉』の成島出が監督を務め、原作と同じ舞台設定となるパキスタン・フンザで、日本映画初の本格的な長期ロケを敢行し、見事な映像を納めることに成功した。キャストには、憲太郎役に優しさと強さを圧倒的な存在感で表現する佐藤浩市、親友の富樫役にジャンルを越えた活躍を続ける西村雅彦、貴志子役に幅広い世代の女性に絶大な支持を得る吉瀬美智子が配されるなど、見ごたえ十分な布陣となっている。<大使寸評>西域大好きの大使にとっては、砂漠と高山の映像が見られただけでも観た甲斐がありました。フンザの老人が、星の王子さまのような哲学的なせりふをのべていました。movie.walker草原の椅子草原の椅子公式サイト <奇跡の2000マイル> 神戸地域は8/29より公開だったので、満を持して9/2に観に行ったのです。【奇跡の2000マイル】ジョン・カラン監督、2013年豪制作、H27.9.2観賞<movie.walker解説>よりラクダ4頭と愛犬を連れ、オーストラリア西部に広がる砂漠2000マイル(約3000キロ)を横断した女性の回顧録を映画化。オーストラリア各地で大規模ロケを敢行、アリス・スプリングスからウルル(エアーズロック)を経由しインド洋へと彼女がたどった道程を再現している。監督は「ストーン」のジョン・カラン。製作には「英国王のスピーチ」のイアン・カニングとエミール・シャーマンが加わっている。冒険の旅に出た女性を「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが、ナショナルジオグラフィックの写真家を「フランシス・ハ」のアダム・ドライバーが演じている。第70回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。<大使寸評>ラクダ4頭と愛犬を連れ砂漠2000マイルを横断する実録の映画化なのだが、予想にたがわずかなりワイルドな砂漠、ラクダが見えて・・・ええでぇ♪驚いたのはオーストリアでは野生のラクダが闊歩していることです。世界でも野生ラクダの数はオーストラリアがいちばんとのこと。(オーストリア大陸へ家畜として人間が移入した後に野生化したようです)それから・・・向かってくる野生ラクダを撃ち殺すシーンがあるのだが、実際、野生ラクダは危険なので、砂漠横断には銃の携行はかかせないとのことです。この映画で見えるラクダは、大使がサウジで見た種類よりもやや大きくて、かなり強面の種類のようです。母の死があって以降、人間不信に陥っている主人公は、父親の跡を継ぐように砂漠横断を決意するわけで・・・ラクダを手に入れるために食堂やラクダ牧場で、アルバイトに精を出すのです。ラクダ4頭を手に入れて、砂漠横断に踏み出すと・・・過酷な砂漠や、アボリニジーとの交流がドキュメンタリー映画のように描かれていて飽きないわけでおます♪彼女の砂漠横断は、ナショナルジオグラフィックの資金援助で実現したのだが・・・この映画でも、5,6週間おきにカメラマンが撮影に訪れるのです。movie.walker奇跡の2000マイルmovie.walker公式サイト <千年医師物語> 【千年医師物語】フィリップ・シュテルツル監督、2013年、独制作、H28.9.8観賞<Movie Walker映画解説>より世界中で2100万部以上を売り上げたノア・ゴードンのベストセラー小説を映画化したアドベンチャー大作。11世紀、医学を志して欧州からペルシアへ渡った青年の冒険を描く。監督は「アイガー北壁」のフィリップ・シュテルツェル。出演はイギリスの新鋭トム・ペイン(テレビ映画『嵐が丘』)、「ガンジー」のベン・キングズレー。<大使寸評>2時間半の大作である。この映画の中で、ときどき砂漠の美しいシーンが出てくるが・・・大使のツボがうずくのでおます。それにしても、遠いペルシャまで出向き先端医療を学ぶ英国の青年を描いたドイツ映画というのが・・・コスモポリタンな映画だと思うのです♪Movie Walker千年医師物語ところで、ロレンスたちが破壊したヘジャズ鉄道であるが・・・・その復旧工事を日本企業が受注し、その後、残念ながら破談になったようです。そのあたりについて、丸紅のサイトを見てみました。ヘジャズ巡礼鉄道復旧工事に想いを馳せてより シリアの内戦に続くイスラエルのガザ地区攻撃など中東諸国のニュースを見るたびに、ある感慨を持って思い出す一つのことがある。 それは半世紀以上も遡る1960年代、私がベイルート駐在時代に取組んだヘジャズ巡礼鉄道復旧工事の仕事である。当時、日本の産業や貿易の主流は繊維から脱繊維・非繊維産業へと向かい始めた。又、石炭から石油へのエネルギー利用転換期にあり、経済成長には原油の安定調達が不可欠な情勢だった。 そこで、日本政府は対アラブ中東政策として、ヘジャズ鉄道復旧工事(丸紅受注)と、スエズ運河修復工事(三井物産担当)経済協力を打ち出した。 ヘジャズ鉄道は、映画「アラビアのロレンス」でも知られる、シリアのダマスカスからヨルダンを通り、サウジアラビアのメジナへ通じる1,308キロに及ぶ鉄道である。 第一次大戦中に破壊され、放置されたままになっていたが、その後応急の修復がなされ、ダマスカス~マアン間の464キロが稼働中。残り844キロ(マアン~メジナ間)を修復するのが対象であった。 契約発注者は、シリア・ヨルダン・サウジアラビアの3国政府によって設立されたヘジャズ鉄道復旧実施委員会で、同委員会が国際入札を実施し、日米英をはじめ11社が参加した。 熾烈な競争の末、丸紅グループが落札し、受注に成功。これは官民一体となった丸紅の過去数年に亘る努力の結実であるとともに、サウジアラビア最大の現地建設業者ビンラディン社(アルカイダのリーダー、ビンラディンの父親の会社)と提携したことも成功の鍵と思われる。 受注内容は、丸紅がレール・通信設備等必要機材及び技術指導の55億円。ビンラディン社は、現地工事及び輸入機材の現地通関、国内輸送を担当の23億円と、総計78億円の相当額の契約であった。 その後、契約内容の詰めなど種々紆余曲折があったが、中東諸国の政情不安は如何ともし難く、誠に残念ながら破談を余儀なくされ、結果夢幻のプロジェクトに帰してしまった。まさに慙愧に耐えない結末となった。 当時は日本経済の躍進と海外進出の大型プロジェクト取組みの黎明期であり、本プロジェクトは海外でのエネルギー・鉱石等の資源開発や各種大型機械や重電機械プラント輸出成功の先駆けとなったのではと思える。 現在の丸紅の海外進出や大口案件の成功の数々を見るにつけ、今昔の感一入です。丸紅の益々の発展と隆盛を祈って止みません。アラビアのロレンス・・・サウジアラビアの思い出より 40歳の頃より約3年半の間、中近東のサウジアラビアに仕事で滞在していた。仕事というのは、サウジアラビア紅海沿岸の都市・ヤンブにある工業地帯の電化・配電プロジェクトというもので、そのプロジェクト管理の仕事であった。リタイア前の大使は、サウジアラビアの海水淡水化プラントの仕事に従事したのだが・・・海外進出の黎明期には、先人たちのこんな苦労話があったんですね。
2023.03.14
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朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・その論調は骨太で、かつ生産的である。中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。朝日のコラムに吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。**************************************************************************2023年2月20日((記者解説)中国経済へのジレンマ 依存しつつ安保で対立、リスクは習氏より・中国の力の源泉は米国に次ぐ世界2位の経済。その動向は内政、外交を決定づける ・米国は中国との経済関係の一部を切り離そうとしているが、相互の貿易額は過去最高 ・中国経済の最大リスクは習近平(シーチンピン)氏への権力集中だ。判断が非合理的になる恐れがある ◇ 中国の2022年の経済成長率は前年比3.0%と、目標の「5.5%前後」に届かず、世界平均(3.4%)をも40年超ぶりに下回った。この経済情勢の悪化が「ゼロコロナ」政策の転換の大きな理由となった。 経済活動の本格的な再開をねらう大転換は、世界経済にとって「福音」となった。国際通貨基金(IMF)は1月末に発表した世界経済見通しで、中国の23年の経済成長率について、昨年10月時点の4.4%から5.2%へ上方修正した。世界全体の成長率も0.2ポイント引き上げた。チーフエコノミストのピエールオリビエ・グランシャ氏は会見で、中国の成長率が1ポイント上がれば、他地域に0.3ポイントの波及効果があると指摘した。IMFによれば先進国経済は23年に急減速する。中国の世界経済成長への貢献度は全体の3割前後を占める見通しだ。 中国の国内総生産(GDP)は過去20年ほどで約15倍に急伸した。22年には米国の約7割、日本の約4倍に達している。輸出と輸入を合わせた貿易総額では米国を抜いて世界トップだ。日本を含むアジアやアフリカなど多くの国にとって最大の貿易相手である。日本の貿易に占める中国の比率は約2割だが、中国に占める日本の比率は5.7%に過ぎない。 * ふくらむ経済を源泉として中国は国際社会での発言力を強めている。米国が主導してきた安全保障の分野から、民主主義や人権といった価値観に至るまで、国際秩序とぶつかることが増えた。米国は秩序そのものの再編を図ろうとする相手だとみなすようになった。日本を含む先進国にとって中国経済は失速すると困るが、成長しても手放しで喜べない存在になっている。 23年は急回復が見込まれる中国経済だが、過剰債務を抱える不動産業界は成長の牽引役から重荷に変わりつつある。人口減少は想定より早まり、社会保障費の増大もあって中長期的には成長の鈍化は必至だ。米国との対立は長期化が見込まれ、先進国からの高い技術の導入はかつてほど簡単ではない。中国に進出した外資系企業は、部品の供給網の見直しも迫られている。 * 米国は安全保障を理由に、中国との経済関係の切り離し(デカップリング)を強める。軍事技術につながる先端半導体などについて、サリバン米大統領補佐官が「小さな庭、高い柵を実行中」と表現したように、一部の製品を囲い込もうとしている。 一方で、米商務省によれば22年時点での米中の貿易総額は6906億ドル(約90兆円)と4年ぶりに過去最高を更新した。バイデン政権の規制強化で先端半導体などハイテク分野の輸出は減ったが、中国へは大豆など穀物の輸出が、中国からはおもちゃなど日用品の輸入が増えた。米中の相互依存の幅広さを改めて示した。 ジェトロ・アジア経済研究所のチームはデカップリングが世界経済に与える影響を調べた。米陣営(日欧など)と中ロ陣営、どちらの陣営にも加わらない中立国に分けて試算した。米国が中国に18~19年にかけて実施した関税率引き上げと同等の非関税障壁が25年以降も続く場合、30年の世界経済への影響はマイナス2.3%(約2.7兆ドル)に及ぶ。日米欧や中国もそれぞれ3.0~3.5%のマイナスとなる。 両陣営と従来通り貿易ができる東南アジア諸国連合(ASEAN)や南米などはプラス0.3%と「漁夫の利」を得られる。チームは「対立が深まれば深まるほど、中立国にとってはどちらかの陣営に属するコストが高まるので、中立を維持する。このため、相手陣営をデカップリングによって世界全体から孤立させられない」としている。 * 日本は安全保障上は米国と協調しながらも、自国の経済構造に根ざした戦略が求められる。 安全保障上の対立と経済の相互依存というジレンマを抱える国々にとって、経済活動を支える外交は死活的に重要だ。昨年10月に中国共産党大会で総書記3選を決めた習近平氏に真っ先に会いに行ったのは、ベトナム共産党首脳だった。南シナ海の領有権をめぐる争いに加えて、かつて戦火を交えた歴史からも対中感情はASEANで最悪とされる。それでも経済にも大きく関わる隣国との関係を重視した対応だ。今年最初に北京で習氏と会談したのは、ベトナムと同じく南シナ海での問題を抱えるフィリピンのマルコス大統領だ。米軍拠点の拡充など米国と関係を強めつつ、習氏にも配慮を欠かさない。 先進国ではドイツのショルツ首相が昨年11月、主要7ヵ国(G7)の先頭を切って経済界を引き連れて訪中した。ドイツは新疆ウイグル自治区など人権や安全保障の問題から、かつてより距離をとるようになっている。首相の訪中直後にも中国系企業による自国の半導体関連企業の買収を阻止したが、対立点があるからこそ影響を最小限に抑えるために対話に臨んだ。*****************************************************************************2020年1月25日(多事奏論)新型肺炎「忖度」はウィルスを広げるより 少し老けたが見覚えのある顔だ。 中国で呼吸器疾病で有名な医師、鍾南山(チョンナンシャン)さん(84)である。感染が世界に拡大する新型コロナウイルスの調査に武漢市へ赴いた専門家チームのリーダーに就いていた。 「ヒトからヒトへの感染が認められる」。習近平国家主席自らが封じ込めを指示した20日、国営放送の取材に対して当局が認めてこなかった懸念を初めて明言した。 新型肺炎SARSと呼ばれていた重症急性呼吸器症候群が中国で蔓延した17年前。鍾さんは広州市の病院で治療にあたり、英雄視された。病診の正しさだけではない。実態を隠して幕引きを急ぐ政府に対して「医学的には抑え込んだとは言えない」と喝破した。地方政府などによるごまかしの手法も暴いた。「多くの同僚が倒れているのに、ウソはつけなかった」そうだ。 当時、新米特派員として上海へ赴任したばかり。何が事実かわからない状況で取材していた私にも、印象深い人だった。 * その鍾さんは、10年前の新型インフルエンザ騒動で再び登場した。各地を視察後、言った。「死者数の発表は信じられない。ごまかしている地域がある」「情報の透明性と公正さが感染拡大を防ぐ大前提」。彼は共産党員である。反体制というよりも、一人の医師、人としてのモラルを感じた。 「なぜまた鍾南山なのか」――。 前国家主席胡錦濤氏の出身母体でもある中国共産主義青年団の機関紙中国青年報がこんな見出しの論説を載せていた。「(公式発表を)疑い、監視し、追及し、自分の意見を持って判断しなければならない」。地方政府の情報隠しに手を焼く中央政府の嘆きが浮かび上がるようだ。 そして、今回もまた、鍾さんだった。習政権は、人々に情報を信じてもらい、部下や地方政府にウソをつかせぬように彼の信用を使ったのだろう。過去の行動に裏打ちされた言葉だから人々に届く。習氏のお墨付きに安心したのか、この日を境に地方政府から発表される患者数が急増した。 信用は人に宿る。権威や機械だけではつくれない。スマホの決済や位置情報から顔認証システムまで、感染経路を追う技術は格段に進化した。だが、どんなデータを集めようと結局は扱う人に左右される。 * 危機は政治を試す。胡・前政権の発足と重なったSARSは、伝染そのもの以上に情報隠しが強い反発を招いた。権力闘争が絡んで、政治的にも危機に直面した胡氏は実態を隠した幹部らを更迭し、鍾さんら良心的な医師や独自の情報を発信するメディアを評価してみせることで乗り切った。 これをひとつのきっかけとして、普及期にあったインターネットが官製メディアを超えて新しい情報源として世論をより動かすようになった。ネットでつながった人々が当局とは距離を保ち、環境や教育などの市民活動に取り組む芽もでてきた。権威主義的な中国社会で、何かが変わるのではないか。そんな期待が生まれた時期である。 だが、習政権のもとで逆回転している。言論の統制は強まり、ネットは監視の道具と化した。政治闘争を兼ねた腐敗退治は効果をあげたが、異論封じが体制内で過剰な忖度を招いている。国際社会における中国の影響力は、17年前の比ではない。情報の開示と共有はもちろん、独裁政権のトップが事態を誤認しないことの重要度は高まっている。習政権になって伝染病に限らず、何人の新しい鍾さんが生まれただろうか。 自らの専門や担当する分野において、権力におもねらず自らの考えを述べることを積み重ねて信用を得た人の声は、いざというときに説得力を持って響く。逆に言えば、こうした人々の存在は、国家や組織の統治の危機管理としても必要なのだ。トップが目を背けたくなる事実を遠慮なく提示できる専門家は、社会の力だと思う。なにも、中国だけの話ではないけれど。(編集委員)************************************************************<吉岡桂子記者の渾身記事33>:2019年12月21日<吉岡桂子記者の渾身記事32>:2019年11月23日多事奏論一覧に吉岡記者の中国論が載っています。
2023.03.14
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<韓国あれこれ15> 出張で韓国に出かけて以来、韓国にはまっています。定年再雇用の見た韓国とでも言いましょうか。(H22年9月30日に完全リタイアしました)・李良枝セレクション・『中国に吞み込まれていく韓国』・なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのか・文芸春秋4月特別号・岡本太郎が愛した韓国・「中国傾斜論」に対する認識の差・朴大統領罷免:米中日の反応・勇気ある発言・中国を恐れる韓国・韓国の外交感覚・韓国の低成長予測R15:『李良枝セレクション』を追加*********************************************************************<韓国あれこれ10>目次・投票行動を規定する「地域主義」・日韓痛み分けが拡大か?・ハンギョレ新聞は右傾化したのか・サムスン頼りの韓国経済・戦略的な韓中関係・弱体化する朝鮮総連・反日シーン・李朝残影 : 梶山季之朝鮮小説集・排日の元大統領*********************************************************************<韓国あれこれ9>目次・戦略的な韓中関係・韓国の品格・小中華は壮大な勘違い・韓国旅行の落ち込み・韓国は米国に大きな借りがきた・韓国アニメの動向・儒教の国の行動様式・日経記者が描く近未来の朝鮮半島*********************************************************************<韓国あれこれ8>目次・日本極右に完敗した韓国極右・不通(プルトン)の朴大統領・韓国の戸惑い・明治日本の植民地支配*********************************************************************<韓国あれこれ7>目次・韓国の司法・韓国人の自覚・釜山1泊ツアー計画・韓国関連のインデックス・李朝の美・日韓関係の悪化・政府機関もマスコミも親日を許さない国*********************************************************************<韓国あれこれ6>目次・サムスンはどんなかな?・仮想敵は日本なのか?・サムスンは凋落する♪?・橋下発言の波紋・円安が韓国に与える影響・呉善花さんはどんなかな?1・呉善花さんはどんなかな?2・自称「愛国者」の対馬仏像窃盗犯・韓国のプライド*********************************************************************<韓国あれこれ5>目次・韓国でパン屋といえばパリバゲット・より中国寄りになる韓国は見たくもない・韓国ポスコのダンピング・七夕といえば朝鮮のカササギ伝説が・・・・サムスンの真実・韓国の政権末期は・・・・・韓国のスピード感・韓国から見たTPP・ハンギョレ新聞の米韓FTA論調より・米韓FTA発効に際して*********************************************************************<韓国あれこれ4>目次・韓国海洋警官殺傷に対する中韓の報道を見て・米韓FTAの活用(工事中)・スカートの風*********************************************************************<韓国あれこれ3>目次・久しぶりの鶴橋・韓国の爆弾酒講義・「韓のくに紀行」・大阪のシャーマン*********************************************************************<韓国あれこれ2>目次・韓国マンガ事情・日本に逆転許した半導体微細化競争・「釜山港へ帰れ」・関西弁の通訳・鶴橋のコリアタウン・初等学校漢字教育反対汎国民委員会・韓国料理で美味しい思い出といえば・韓国併合(工事中)・愛憎あい半ばする思い・独立運動記念日には日本人はおとなしく?・慰労の飲み会・国立中央博物館・涙は美しいか?・1万Wで20皿ほど出てきます・大雑把に見える庭園には・また来た韓国*********************************************************************<韓国あれこれ1>目次・韓国の民芸・ハングルへの旅・高句麗の弥勒菩薩・韓国トロットを巡ってみます・お薦め韓国料理・韓国つながり・倭城を巡る・ガイド無しの格安観光・親子2代の朝鮮体験・日式のマグロ屋・釜山新港・韓国人の英語力・釜山港へ・コバウおじさん・釜山の仕事がスタート・今度は釜山へ・悲しい酒?・また韓国出張があるので・カラオケナイトが実現し・ビミョーな違和感・韓国レポート・とっさの韓国パソコン・開店休業か?A'REX・えっへへ・・・韓国・マグリット展で埋合わせ・チャングムにはまいった!・今日も料理ネタ・さよなら ソウル・坂の途中で一回だけ転んで・韓国民族村1・韓国民族村2・たどり着くのが問題【李良枝セレクション】温又柔×李良枝著、白水社、2022年刊<出版社>より日本と韓国ー二つの「母国」の間で揺れ惑う個人の苦悩と葛藤を文学に昇華した作家が未来に託した小説とエッセイ。巻末に年譜を収録。<読む前の大使寸評>本の表紙に著者・李良枝、解説者・温又柔という名前が見られるが・・・韓国、台湾にルーツを持つお二人に、大使のツボが疼くわけです。<図書館予約:(12/01予約、副本1、予約1)>rakuten李良枝セレクション『李良枝セレクション』3:言葉の杖を求めて『李良枝セレクション』2:「由熙」の冒頭の語り口『李良枝セレクション』1:編・解説者でもある温又柔さんが李良枝を語る。【中国に吞み込まれていく韓国】山本晧一著、飛鳥新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より朝鮮族85万人が、韓国を根底から変える。中国系移民で多文化社会になった現地の内情を知りつくす専門家、今までにないインサイドレポート!【目次】米中対決の狭間で/チャイナゲート/韓国で暮らす朝鮮族/朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿/同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善/「外交惨事」を引き起こした韓中の厳しい現実/最前線であばれまわる中国人留学生たち/〓海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?/渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者/文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝/左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生/結局、韓国は米中のどちらにつくのか?<読む前の大使寸評>この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。rakuten中国に吞み込まれていく韓国『中国に吞み込まれていく韓国』2:韓国は遠からず多文化社会になる『中国に吞み込まれていく韓国』1:中国で暮らす朝鮮族<なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのか>ネットに「なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのか」という刺激的な記事が出ていたので、見てみましょう。日本の生産性の低さもさることながら・・・厚生労働省の怠慢もひどいようです。2021/04/10なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのかより 日本の生産性が先進国の中で低いということは知られるようになった。生産性が低いということは実質所得が低いということであり、貧しいことである。 世界で広く使われている豊かさの指標は一人当たり実質購買力平価GDPである。日本は、この豊かさの指標で、韓国よりも貧しくなった。 まず事実を確認し、なぜそうなってしまったのかを考える。日本が遅れた理由として、多くの人が主張する、「日本はキャッチアップを終えて先進国になったのだから、もはやキャッチアップ型の成長はできない。これからの成長を支えるのは独自性と独創性だ」という言説にあると考える。しょうもない独自性と独創性にこだわるうちに、日本は豊かさにおいて、アメリカにキャッチアップするどころか、キャッチダウンし、シンガポール、香港、台湾、韓国に次々と抜かれることとなった。実質購買力平価GDP■コロナ禍でも見える日本の遅れ 産業だけでなく、政府の機能においても、遅れている。コロナショックの中で、日本の政府も世界の水準に追いついていないことが多々あると分かった。 世界中の先進国が、国民の所得を把握し、コロナショックで経済的に傷ついた人々に素早く給付金を配布することができたが、日本はそれができなかった。 世界は感染者をスマホの位置情報などで把握しているのに、日本は電話で感染経路を洗い出そうとしていた。結局、人手不足とプライバシーの壁に阻まれ、それもできなくなっている。 日本は世界一の医療供給体制を維持していると言われていたが、欧米の10分の1の感染者で医療崩壊の危機を招いている。 ワクチンを作れず、その接種体制でも世界に遅れている。せっかく購入したワクチンを、世界では1瓶で6回接種できるのに日本では5回しか接種できない。日本の報道機関は、厚生労働種の説明に従って、6回接種できる「特殊な注射器」と伝えているが、日本の5回が特殊で、6回接種できる注射器が世界標準なのだ。貴重な薬剤を無駄にしない方が良いに決まっている。日本は世界標準に遅れている。遅れていることを認めない厚労省の言語操作に追随してしまっている。 日本は遅れていることを素直に認めなければならない。豊かに楽しくするためには、世界を豊かに楽しくしているものを学び真似て貪欲に取り入れ、新しい試みをする人の邪魔をしないことだ。その後で、日本の独自性と独創性を考えても遅くはない。厚生労働省の怠慢と言えば・・・COCOAアプリの不具合もひどかったようです。政府はデジタル庁を新設するようだが、同じ陣容(官僚組織)ならあまり期待できないのかも?COCOA不具合、業者任せだった厚労省担当者…アプリ知識不足が原因と総括厚生労働省の怠慢と言えば・・・コロナの重症患者対応の病院の看護士の給料が下がっているそうです。これには厚生労働省の怠慢が絡んでいないはずはないと思うのだが。本屋の店頭で『文芸春秋4月特別号』を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、特集に「日韓断交」完全シミュレーション、「平成31年を作った31人」があり、つい衝動買いをしてしまったのです。手もと不如意の大使は雑誌類は図書館で読むことにしているが、それだけ衝動が強かったわけでおます。【文芸春秋4月特別号】雑誌、文藝春秋、2019年刊<商品の説明>よりもはやパートナーや友人にはなりえない「日韓断交」完全シミュレーション陛下の謝罪まで要求する、厄介きわまる隣人といかに対峙ずべきか。5人のプロフェッショナルが徹底討論寺田輝介(元駐韓大使)×高杉暢也(韓国富士ゼロックス元会長)×福山隆(元陸将)×浅羽祐樹(新潟県立大学教授)×黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員) <読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、特集に「日韓断交」完全シミュレーション、「平成31年を作った31人」があり、つい衝動買いをしてしまったのです。手もと不如意の大使は雑誌類は図書館で読むことにしているが、それだけ衝動が強かったわけでおます。amazon文芸春秋4月特別号『文芸春秋4月特別号』1:「日韓断交」完全シミュレーション<岡本太郎が愛した韓国>図書館で『岡本太郎が愛した韓国』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると…思いのほか取材写真が多いのです。それも1964年と1977年の訪韓時のもののようです。大使の発見この本で岡本太郎の発見を、見てみましょう。p33~35<韓国発見:岡本太郎> 1964年、はじめて韓国を訪れたとき、ここの天地が想像していたよりもはるかに明るく、すき透っているのに驚いた。戦争、そして南北分裂の悲劇はまだそれほど遠い事件ではなかった。軍事政権の戒厳令下、深夜は外出禁止というようなけわしい空気で、ソウルの町はやや緊張した表情だった。 しかし民衆の生活は、貧しいが明朗にひらいていた。中世を思わせる賑やかにごったがえした市場に群がる人々。その屈託なさと豊かな彩りに感動した。またさらに農村のやわらかく静まった気配は印象的だった。 道ばたで、白衣に古典的な黒い帽子カーツをかぶったお爺さんが長い煙管をくわえて悠々とあたりを眺めている。秋の空、晴れわたった澄んだ青空に、そのまま溶けて消えて行ってしまい、白い髭とカーツだけが残るんじゃないか…ほほ笑ましく、ふっとそんな幻想が浮かぶくらい透明感がある。 ふと私には北アジアの草原の方から透明な冷たい風が流れてきて、心の中を抜けとおるように思われた。 韓国は今でこそ日本人にとって気楽な観光コースの一つになっているが、その頃はまだいささか断ち切られていた感じで、旅行社で聞いても、観光客向けの適切な施設もないし、用事以外に韓国なんかに行く人はいないですよ、などと言われたくらいだ。戦後という時代ではなかったのだが、しかし政治的雰囲気は緊張下にあり、対日感情もまだけわしいと聞かされていた。 そんな状況なのに、私がどうしても行ってみたいと思ったのは、日本文化を考え、その根源をとことんまでつきつめて行くと、何かその奥に大陸とのつながり、いのちの続き、というようなものがひそんでいると感じられてならないからだ。とにかく国単位でものを考える習慣がついている、日本がとざされた島国であるためか、また明治以来、近代国家主義の観念がすべてに優先してしまったためかは知らないが、「日本」という枠をあまりにも意識しすぎ、文化までを、その枠内に限定して疑わない。 しかし、そうだろうか。私にはひらめえきのように、何かユーラシア大陸とつながっている自分自身の根っこがあるような気がしている。そのいわば忘れ去られた生命感をつかみとらなければ、日本文化の実体、そして自分自身を判断することはできない。一つの臍の緒は何といっても朝鮮半島だ。自分の目で、じかに見たい、そういう切実な思いがあったのだ。 日本は久しい間朝鮮を植民地にしていた。にもかかわらず文化に関してのインフォーメーションはまことに乏しい。今までの日本の政治・経済が如何に文化・人間を疎外していたかの証拠である。だから一般はこの文化を漠然と、中国の影響下にある一つの辺境文化、ヴァリエーションぐらいにしか考えていない。いわば見下す態度があったようだ。しかし、そこに別な何かがあるはずだ。期待と直感。 直接この目ではじめて見た民族芸術の魅力は私を強烈に惹きつけた。 無邪気で、ふくらみきっている。そればかりでなく、言いようのない生活感がある。 色も形も、決して固定していない。いつでも爽やかに流れている。それは中国文化のがっちり動かない、完結した表情の古典性とも違うし、また日本の伝統芸術に見られる、技巧的な渋い形式美とも違う。こだわりのない、つきぬけて行く軽やかさがあるのだ。 たとえば農祭の仮面。素朴だが、だからかえって生活感がナマのままふき出した表情だ。守護神や石偶のとぼけた顔つき。天下大将軍、地下女将軍などと、いかめしい名でよばれる木彫りの柱も、呪力というよりは大地のひろがりのおおらかさをそのまま浮き上がらせている。民画の楽しさも格別だ。ほほ笑ましい動物や人間。何の気どりもなしに、平気で、それが逆にアッと思うほど濃厚な気配でひらいている。 <「中国傾斜論」に対する認識の差> 「中国傾斜論」に対して日韓で次のような認識の差があったそうです。日ごろの朝鮮日報の論調とは違っていて、驚きました。2017.3.25韓国の「中国傾斜」、日本の批判は正しかったより このあまりにも露骨で生々しい経済論理が10年以上にわたりこの商業地を支配した。その結果、かつての粋な雰囲気も伝統も完全に失われてしまった。これがまさに今の明洞の姿だ。世界のどの国にもショッピングの代名詞となる商業地区はあるが、明洞のようにある意味退化してしまったようなケースはそうないはずだ。 ただこれは明洞に限った話ではない。韓国と中国の交流が経済から政治にまで及び、徐々に関係が緊密化すると、韓国人と中国人は同じ酒の席で「われわれは心を一つにして力を合わせ、日本人の野郎を打倒しよう」と叫びながら乾杯した。これは一時両国の酒の席でよく使われた乾杯の音頭だそうだ。この話を冗談のように日本人の知人に伝えた。酒の席でのちょっと大げさな冗談だが、この知人は「同じ民主主義の国なのにそんなことがあり得るのか」と非常に驚いた様子だった。この日本人は「韓国と日本はどちらも米国の同盟国だから、韓国と日本は友好国ではないのか」とも言った。そのあまりの純粋な驚きにかえって記者の方が驚いた。 10年ほど前までなら日本にこのような人は多かっただろう。「日本と北朝鮮がサッカーの試合をすると、韓国人はほとんどが北朝鮮を応援する」と話すと「失望した」と言う日本人もいた。「民族とイデオロギーに対して韓国人には二重の考え方があり、そしてその根源にはかつての日本による支配というつらい歴史がある」と説明しても、日本人には理解できないようだった。韓国政府が「東北アジアのバランサー論」を掲げると、日本人は「米中のバランサー? 韓国は米国の同盟国じゃなかったのか」と言って驚く。日本も米国の同盟国だ。同盟を維持する以上、日本はそんな夢物語など考えもしない。今振り返ってみると、このように原則を重視する日本の考え方の方がわれわれよりも正しかったようだ。 ここ数年、日本は韓国が話題になると必ず「中国傾斜論」を指摘した。韓国の立ち位置が少しずつ中国側に寄り始めているという意味だ。韓国の大統領が一昨年、中国・北京の天安門に上がった時がおそらくその絶頂だったのではないだろうか。日本は同盟の原則を重視するが、われわれは日本こそ韓米関係に亀裂を生じさせていると考えた。両国の識者が席を共にして議論する場を取材すると、日本側は必ず韓国の中国傾斜を指摘したが、そのたびに記者は「少しばかりの経済的な利益を手にするためではない。統一のためだ」と反論した。 しかしこのような訴えは誰にも響かなかった。米国人や日本人はもちろん、中国人もこの主張には耳を傾けなかった。統一について真剣に考えるのは韓国だけだった。孤独だった。韓国の言い分は「強大国のゲームに巻き込むな」という叫びでもあった。一昨年、われわれが「統一を実現するため大統領が天安門の上に立った」と主張した時、その後ろで中国は腹を抱えて笑っていただろう。それを考えると今でも恥ずかしい。ところが中国はわれわれに対するとき、表向きはこちらの言うことなら何でも聞いてくれそうな雰囲気だったのは確かだ。 <朴大統領罷免:米中日の反応> 2017年03月11日朴大統領罷免:米中日の反応より 米国務省のマーク・トナー報道官代行は10日、朴槿恵大統領罷免と関連して、「韓国の国民と民主的機関が自国の将来を決定したもので、その決定を尊重する。米国は韓国の国民が次期大統領に誰を選ぶにしても、生産的な関係に期待する。米国は韓国の変わらぬ同盟国であると同時に友人でありパートナーでもある。韓米同盟は今後も地域の安全保障の中核だ。我々は北朝鮮の脅威からの防衛を含め、同盟国の責任に引き続き果たしていく」と述べた。 また、日本の岸田文雄外相はこの日、「韓国は戦略的利益を共有する重要な隣国で、日本と韓国の協力と連携は地域の平和と安定に不可欠だ。内政についてはコメントを控えたいが、新政権との間でも、さまざまな分野で協力を進めていかなければならない」と述べた。また、次期政権が韓日慰安婦合意を否定するかもしれないと懸念してか、「誠実な履行をこれからも求めていきたい」と語った。 中国外務省の耿爽報道官は定例記者会見で「韓国が一日も早く安定を取り戻すことを願う。朴前大統領は韓中関係のため多くのことをしたが、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備決定で両国関係の発展に影響を及ぼした」と、THAAD配備に対し不満を表明した。 海外メディアは同日、朴大統領罷免のニュースを緊急速報などで報道した。西側メディアは韓国史上初の現職大統領罷免を「あ然とする没落(stunning fall)」と伝え、今後の対北朝鮮政策の行方を占った。CNNは「Park Out(朴大統領罷免)」という見出しで弾劾決定のニュースをホームページのトップに上げた。「韓国政治姫の没落」という記事では、「朴前大統領は人生のほとんどを大統領府周辺で過ごしたが、今回再びそこを離れなければならない。そして今度は永遠に離れることになった」と書いた。AFP通信は「戦争で廃虚になった国を貧困から救った父の支持者たちは朴前大統領に『姫(princess)』というニックネームを付け、それが数十年間にわたりついて回った。自分の家同然だった『権力の回廊(corridors of power)』から不正腐敗スキャンダルにより離れることになった」と報じた。 <勇気ある発言> 民族主義的新聞として知られる朝鮮日報のコラムに、勇気ある発言が載っていました。2017.1.21韓国の歴史上、日本を軽視した時に何が起きたかより 日本による植民地時代では、「知日」は日本に寄生する「親日」と同じ意味になり、植民地支配からの解放後、この言葉は「社会的に葬られる」ことを意味するようになった。程度の差こそあれ、今でもそれは変わらない。こうしたタブーに踏み込み、歴史を客観化しようするのは、地雷原に身を投じるのと同じくらい無謀なことだ。そうして私たちの認識はますます日本の実体から遠ざかっていくのを感じる。 日本を現場で7年近く経験した。日本は強い国だ。経済の強国、文化の強国だ。憲法を改正すれば、すぐに軍事強国にもなる。国際的に尊敬も集めている。私たちはそんな国の大使館前に、70年ほど前の過ちを執拗に追及する造形物を設置した。「適切に解決されるよう努力する」と国として約束したにもかかわらず、総領事館前に新たに設置した。かつて日本は過ちを犯した。だが、私たちと同じような苦難を経験したほかのどの国も、相手にこんな風にはしていない。韓国はそうしても構わない国なのだろうか。今、日本が落ち着こうとしている理由は、私が知る限りただ一つだ。怖いからではなく、韓国が米国の同盟だからだ。だが、同盟までが揺らいでいる気配もある。 あちこちを訪ねてあれこれ書物を読み、勉強したが、依然として日本の実体を正確に理解できていない。だが、無視することのできる国ではないというのははっきり分かる。日本を無視するたびにつらい目に遭った歴史を知っているためだ。彼らの遺伝子には「刃」が潜んでいる。愚かな国は憤怒するために歴史を利用する。賢い国は強くなるために歴史を利用する。今、私たちはどちらだろうか。
2023.03.13
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図書館に予約していた『太陽諸島』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島「第8章」でバルト海の料理を、見てみましょう。p235~238 「第8章 クヌートは語る(ニ)」 Hirukoと僕は食事の時間に少し遅れてしまった。食堂は蜂の巣を突いたように騒がしく、客たちのさかんなおしゃべりにフォークが皿に当たる音が混ざっているのは、ほとんどの人がすでに前菜を食べ始めているからだった。僕とHirukoが席につくとアカッシュがちらっと僕の顔を見た。 たった今僕らが席につくとさっと近づいてきて、慣れた手つきでトングを使って、月桂樹の葉がくっついた酢漬けの魚と真っ白な生玉葱のリングを小皿にのせた。ノラとナヌークは僕らの方には目も向けずに言い争っていた。「どうして、じろじろ見るんだ。」「だって、変でしょう。」「何も変なことなんか、ないだろう。」「鯖の酢漬けが大好きだと言っていたのに、どうして食べないの?」「俺が好きなのは、シメサバという料理だ。鯖を酢に漬けたものが全部好きなわけじゃない。シメサバと較べてしまうから、かえってこういう料理は受付けにくいんだ。」「それはナショナリズムでしょう。」「ちがうよ。俺のナショナリティは鯖ではない。」 僕は思わず吹き出しそうになったが、本人たちは真剣な顔で言い争っていた。アカッシュは顎を波に揺られる小舟のように左右に動かしながら二人を仲直りさせる言葉を探していた。Hirukoはフォークを手にとったものの前菜には手をつけず、潤んだ目で遠くを見ていた。ナヌークはノラしか視界に入っていないようで、「俺の好き嫌いをきおくしようとするのはやめてもらえないかな。俺は俺でない人間を演じる人間なんだ」 と言って挑戦的な目をノラに向け、ノラはナヌークを睨んで、「あなたが自分の心を隠すのは、人に拒否されるのが怖いからでしょう」 と言い返す。 Susanooの表情を盗み見ると、ドイツ語は僕以上に理解できるはずなのに、ナヌークとノラの声など聞こえていないようで憂鬱そうに前菜を口に運んでいた。給仕係は前菜を配る時に気取ってフランス語で「オードブルでございます」と言うことがあったが、上品な言葉に合わせて上品なサイズに着られた魚をフォークでおさえ、ナイフで更に小さく切って口に入れる儀式はSusanooには似合わない。 僕の頭に浮かぶのは、大きな魚を両腕に抱えて海から引き上げてどさっと岩の上に落とし、狩猟用のナイフで身を切り取ってそのまま口に入れるSusanooの姿だ。前菜と主菜の区別などない。味付けは海の塩に任せ、もちろんフォークも箸も使わない。Susanooにとっては、どの国の慣習も素人芝居にしか見えず、それを真剣な顔で演じている人間たちを内心嘲笑っているのではないか。前菜というちっぽけな規則に従って小さく刻まれた魚だけではなく、ナヌークとノラの会話も、アカッシュの気遣いも、Susanooにとってはすべて注意を払うに足りない雑音に過ぎないのではないか。「何を考えているの?」 Hirukoが僕の肘を自分の肘で突いてそう訊いた。肘を使うなんてあまり行儀のいいやり方ではないな、と思うと、口には出さなかったのにHirukoは僕の考えを読み取って、「あなたにとってひじは競争と敵意のシンボル。わたしにとっては友情の思い出。高校生の時、授業中に肘でつつき合って隣の席の親友とコミュニケーションした。声を出すと先生に気づかれてしまうけど、肘は静か」 とパンスカ語で言い訳した。肘から伝わってくるものは言葉や顔の表情を投資て伝わってくるものとは違っていた。Hirukoの肘が僕の身体に当たった時、ごりごりした他人の魂に直接触れたような感触があった。「でも肘はロマンチックな使者ではないよね。」「ロマンチックは甘い。前菜はきっと酸っぱい」 と言ってHirukoは鯖を一切れ口に入れて、本当に酸っぱそうに唇をすぼめた。パンスカ語から締め出されていたアカッシュにもこの仕草は理解できたようで、「この前菜は酸っぱいね」 と英語で話しかけてきた。(中略) いろいろな言語を話す人たちが入り交じって席についているのはいいが、どの人も自分が理解できた内容にしか反応しない。もし宇宙人がこの会議を見学したら、全員で議論しているように見えるかもしれないが、実は並行して何筋もの会話が流れているのだ。「酸っぱいのは前菜、苦いのはコーヒー、甘いのはデザート。ただ、辛いものが欠けているね、バルト海の料理は」『太陽諸島』1:第1章 Hirukoは語る
2023.03.13
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<アマゾンvs楽天 R3>ひと昔前に、アマゾンと楽天といえば本の通販という感じだったけど・・・今ではeコマース、巨大物流の対決にさえなった感がありますね。個人的な買い物では、アマゾンでWin8.1タブレットを購入したので、アマゾンに軍配があがったわけですが・・・この際、グローバルな対決とまでなったアマゾンvs楽天の戦いを集めてみました。・潜入ルポ アマゾン帝国の闇・アマゾン・エフェクト・アマゾンのすごいルール・驕るな!アマゾン・アマゾンが本の値引き販売・アマゾンで中古車購入・ジェフ・ベゾス 果てなき野望・大型物流施設建設ラッシュで物流バブル?・アマゾンvs楽天の戦い・三木谷さんが経団連を退会・電子書籍大手コボを買収R3:『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』を追記【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』3:巨象に立ち向かうアリ『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』2:はじめに『増える宅配、事故が怖い』:『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』1<アマゾン・エフェクト>今日の朝日新聞で「アマゾン・エフェクト」という言葉を見たので、さっそくネットで見てコピペしたので紹介します。要するに、スーパーや百貨店がアマゾンなんかの大手ネット通販の驚異に晒されて、対応策に苦慮しているようです。この記事をスクラップしたのだが・・・デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。(2019.10.10デジタル朝日から転記しました)<セブン&アイが大リストラ コンビニ閉鎖・移転1千店> セブン&アイ・ホールディングスは10日、グループの事業構造改革の方針を公表した。主力のコンビニエンスストア「セブン―イレブン」は約1千店の閉鎖・移転のほか、加盟店の負担を減らして収益力を改善させ、不振の総合スーパー「イトーヨーカドー」や百貨店の「そごう・西武」は店舗閉鎖や事業見直しなどのリストラを進める。人手不足やネット通販の普及に伴い、流通大手が事業の大幅見直しを迫られた。 セブン―イレブンでは、フランチャイズ(FC)契約する加盟店の加盟店料を減額し、各店の収益力を改善させる。セブン本部の利益は約100億円減る見込み。コンビニ事業の利益水準を維持するため、2019年下期以降に不採算店1千店を閉鎖・移転させ、本部人員の見直しや売り場の見直しも行う。 ヨーカドーでは、33店舗で閉店やグループ外企業との連携を検討する。具体的な店舗名は公表していない。また、衣料や住居関連事業を見直し、同事業の売り場面積を減らす。従業員数を22年度末には18年度末比で約1700人減らす。 そごう・西武では5店舗を閉鎖し、2店舗の売り場面積を減らす。従業員数は22年度末には18年度末比で約1300人減らす。セブン&アイ・ホールディングスの構造改革骨子【セブン―イレブン】・店主が本部に支払う加盟店料(チャージ)の見直し。24時間営業の店、非24時間営業の店ともに店主側の負担を軽減。具体的には、利益水準に合わせてチャージを24時間営業店については月額3万5千円~20万円減額。非24時間営業店については月額1万5千円~7万円減額する・2019年下期以降、約1千店の不採算店を閉鎖・移転【イトーヨーカ堂】・33店舗をグループ内外の企業と連携、閉店を検討・22年度末の従業員数を18年度末より約1700人減【そごう・西武】・20年8月から21年2月にかけて5店(西武岡崎店、西武大津店、そごう西神店、そごう徳島店、そごう川口店)を閉鎖、2店(西武秋田店、西武福井店)は売り場面積を減らす・22年度末の従業員数を18年度末より約1300人減在りし日の「そごう神戸店」<『アマゾンのすごいルール』2>図書館に予約していた『アマゾンのすごいルール』という本を、ゲットしたのです。かつて、アマゾンが本のeコマースを始めた頃は手早い配送には感心したものだが…昨今では、日本の流通業界を振り回すほどの巨大企業になりましたね。…その成功の秘密を見てみましょう。【アマゾンのすごいルール】佐藤将之著、宝島社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりだからAmazonは成功した!Amazonの最大の武器は超合理的な「仕事術」だった。アマゾン ジャパンの立ち上げメンバーがジェフ・ベゾス直伝のメソッドを初公開。最速×最高の結果を出す仕事術と14の心得。<読む前の大使寸評>かつて、アマゾンが本のeコマースを始めた頃は手早い配送には感心したものだが…昨今では、日本の流通業界を振り回すほどの巨大企業になりましたね。…その成功の秘密を見てみましょう。<図書館予約:5/18予約、9/28受取>rakutenアマゾンのすごいルール『アマゾンのすごいルール』1<驕るな!アマゾン>お坊さんネット手配ってか・・・・ここまで来ると、「驕るな!アマゾン」と言いたくなるぜ。問題の根、は公明党(創価学会)に対するさまざまな税制優遇が裏にあるのだが。2015.12.26お坊さんネット手配「中止を」 アマゾンに仏教会要請へより ネット通販大手のアマゾンジャパンで申し込むことができる僧侶の手配サービスが始まった。このサービスが「宗教行為を商品化している」として、全国の主要宗派などでつくる全日本仏教会(全仏)が年明け、米アマゾン本社に対して文書でサイト掲載の中止を申し入れることが分かった。 アマゾンは今月上旬、葬儀社紹介サイト運営の「みんれび」(東京)が提供する僧侶の手配サービス「お坊さん便」をサイトに掲載しはじめた。サービス自体はみんれびが2年前に始めたもので、定額・追加料金なしで僧侶を法事や法要に仲介する。登録する僧侶は約400人で、主な宗派をそろえているという。仲介の実数は公表していないが、2014年は前年の3倍の受注があったとしている。 みんれびはサービスを広げようとアマゾンに「出品」した。売買されるのは僧侶の手配を約束するチケット(手配書)で、基本価格は税込み3万5千円。クレジットカード決済もできる。アマゾンやみんれびの手数料を除いた分が僧侶に「お布施」として入る。アマゾン経由でみんれびに10件以上の申し込みがあった。 これに対し全仏は24日、斎藤明聖理事長名で「宗教行為をサービスとして商品にし、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ない」との談話を発表。斎藤理事長は25日、朝日新聞の取材に「イスラム教圏であれキリスト教圏であれ、宗教行為を商品化している例はない。申し入れをアマゾンとの対話のきっかけにしたい」と話した。 アマゾンジャパン広報は「現時点でお答えできることはなく、コメントは控える」としている。(佐藤秀男) ◇ 仏教界が神経をとがらせるのは、宗教行為の「商品化」や「ビジネス化」が広がると、宗教法人へのさまざまな税制優遇の根拠が揺らぎかねないと懸念しているからだ。 現状では、宗教法人が得るお布施は喜捨とみなされ、法人は消費税を払わなくていい。僧侶個人が得たお布施は所得税の課税対象になるが、法人に入った場合は法人税が非課税だ。「お坊さん便」では、手配サービスを手がける「みんれび」側の所得は課税対象だが、僧侶側が取り分を納税するかは、僧侶側に委ねているという。 最近でも、都心のビル型納骨堂に東京都が固定資産税をかけたのに対し、宗教法人が「墓地と同様に非課税」と主張して都を提訴するなど、宗教とビジネスの課税上の「線引き」をめぐって税務当局と宗教法人は緊張関係にある。 全仏は、2009年に葬儀業に参入した大手スーパーのイオンが10年に寺院を紹介するサービスを始めた際も、「お布施が『ギャラ』のように表示され、寺が戒名を売買している印象も与える」などとして、料金表示の中止を申し入れた。現在イオンでは、対象は菩提寺のない人に限ったもので、お布施は「目安」とホームページ上で明記。口頭でも説明している。 一方、「お坊さん便」への好意的な見方もある。川崎市の自営業の男性(67)は今年11月、92歳で亡くなった父親の葬儀で「お坊さん便」を利用した。普段、寺と付き合いがなく、葬儀社には「僧侶を呼ぶと20万円以上かかる」と言われたが、半額以下で済んだ。「お経は聞いても意味が分からないし、しっかり供養してくれたら誰に頼んでも大差ない。友達にもすすめたい」と話す。 サービスに前向きな僧侶もいる。中国地方の寺で住職をしている40代男性は、数年前から首都圏に部屋を借り、「出稼ぎ」に来ている。「お坊さん便」だけでなく、知り合いの僧侶や葬儀社から声がかかれば、葬儀や法事に出かける。過疎が進む地元では経済的にやっていけないからだ。檀家(だんか)は数十軒しかなく、葬儀は年に1度あるかないか。地元にいるのは1年のうち3分の1ほど。「田舎で家族と暮らせればいいが、それではとてもやっていけない」と嘆く。 みんれびに登録する曹洞宗見性院(埼玉県熊谷市)の橋本英樹住職は「異論は承知の上。批判にさらされることで、仏教界に必要なことが見えてくる」と前向きだ。みんれびの秋田将志副社長兼COOは「経済的に苦しい僧侶が多いと肌で感じており、利用者のニーズも高い。仏教界とは共存共栄していきたい」と話す。<アマゾンが本の値引き販売>「アマゾンが本の値引き販売」というヘッドラインが新聞に載っているが、聞き捨てならないわけです。日頃、アマゾンを愛用しているのだが・・・日本の出版文化に手をつけるのは許されない行為ではないか!記事をじっくり、見てみましょう。2015.12.24アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感より ネット通販大手のアマゾンが、刊行から一定期間を過ぎた一部の本の値引き販売を始めた。本は再販売価格維持制度に基づく定価販売が普通だが、出版社から“要望”のあった本の値引き販売は認められている。ただ、参加するのは1社のみ。出版界の慣行を揺さぶる「黒船」への警戒感は根強い。「再販制度で競争原理働かず」アマゾン書籍担当・村井氏 参加するのは筑摩書房。「フローベール全集」など8タイトルで、当面は来年1月中旬ごろまで定価の2割を値引きする。アマゾンの値引き販売は6月に続いて2回目だが、5社の計約110タイトルだった前回から大幅に減った。しかも筑摩は約100の一般書店でも同様の取り組みをすでに始めており、今回はアマゾンが筑摩の取り組みに乗った形で、アマゾン単独の値引き販売に参加する出版社は今のところゼロだ。 「今回は参加できない」 前回参加した出版社の社長は11月にアマゾンから誘いを受け、そう漏らした。前回の販売初日、大手書店から「どういうことか説明に来て欲しい」と電話がかかってきた。書店役員らが居並ぶ部屋で、経緯説明と謝罪を求められ、他の一般書店からも本が続々と返本されてきた。「まさかここまでたたかれるとは思わなかった」 一般書店側の強烈な締め付けが出版社の参加を阻んだ形だが、アマゾンが出版社への攻勢を緩める気配はない。 10月、東京・目黒のアマゾンジャパン本社ビルに、大手・中堅出版社の社長と営業担当者らが集められ、2週にわたって計約40社が“懇談会”に参加した。 「出版がこれほど低落した原因は?」「アマゾンに期待することは?」 アマゾン側から立て続けに質問され、参加した社長らは、渡されたスケッチブックに「コンテンツの魅力を増すのを怠った」「アマゾンに長く本を置いてもらいたい」などと書き込んで見せた。 最後にアマゾンから直取引を持ちかけられた。出版社は通常、定価の7割弱で取次会社に本を卸し、そこから一般書店やネット書店に配本する。アマゾンもこれまでは日本出版販売(日販)などの取次会社を通して仕入れてきた。だが、取次の在庫に欠品が出た際に出版社から直接仕入れられれば、顧客に届けるまでの時間を短縮できる。スピード重視のアマゾンにとっては魅力的だ。 ただ、アマゾンは直取引の場合の仕入れ値(料率)を低く設定するため、出版社の利幅は薄い。中小出版社で組織する日本出版者協議会は16日、「直取引の拡大は書店・取次の廃業につながる」との声明を出した。 アマゾンには「カート外し」という“技”もあるとされる。サイトのショッピングカートを外す=商品を扱わないという意味だ。 複数の中小出版社が今春、アマゾンから「マーケティングプログラム」への参加を呼びかけられた。アマゾンのサイトへの露出を増やすなどの代わりに、そこでの全売り上げから一定割合を支払う仕組みだった。ある出版社はアマゾン側から「提案に乗らなければ取り扱わない商品も出てくる」と説明されたという。「『カート外し』をされるとなれば、提案に乗るしか選択肢はなかった」 一般書店側も手をこまぬいているわけではない。アマゾンへの対抗策も出てきている。紀伊国屋書店は9月に刊行された村上春樹さんのエッセー「職業としての小説家」を発行元の出版社から買い取り続ける。総発行部数20万部のうち約14万部を買ったという。しかし、これほど買い占めてもアマゾンで品切れになったことは一度もない。紀伊国屋の高井昌史社長は11月の講演で「品切れにならないのが不思議だ」と不満を漏らした。アマゾンは「別ルートで独自に仕入れている」と説明している。 出版市場は1996年の2兆6500億円をピークに縮み続け、2014年は1兆6千億円。出版流通に詳しい関係者は「アマゾンなしではやっていけない出版社もある」と危機感を募らす。 専修大学の植村八潮教授(出版学)は「書店を守ろうと、フランスでは値引きした本の無料配送を禁止する『反アマゾン法』と呼ばれる法律もできた。日本のネット書店で一強状態のアマゾンに流通網を握られるのは、出版文化の危機だ」と指摘する。(塩原賢、竹内誠人)<アマゾンで中古車購入>アマゾンのラインアップに、中古車が加わったそうです。ついに、車をワンクリック注文のe-コマースで買うようになったのか。7/15アマゾン、中古車をネット販売 名古屋の企業とタッグより インターネット通販大手のアマゾンが中古車のネット販売を始め、車離れが進む若者らへの売り込みを加速させている。名古屋市の中古車販売会社ネクステージと組み、車を供給する仕組みを整えた。購入がお手軽になる一方で、中古車は傷や故障も少なくない。不具合などのマイナス面も含めた情報の徹底開示が普及の鍵になりそうだ。■価格3種類、最短2週間 アマゾンの商品は多岐にわたり、カメラやお菓子など1億種類を超える。そのラインアップに6月3日、中古車が初めて加わった。買い方は、おなじみの書籍やCDなどと同じ。ネット上の写真を選んで走行距離や車の傷などを確認。あとは「ワンクリック注文」を押すだけだ。 違うところと言えば、車庫証明などの書類を郵送することぐらい。注文すると、最短2週間で車を自宅の前までキャリアカーに積んで届けてくれる。 いろいろな店の在庫をネットで調べ、問い合わせするのは中古車探しの常套手段だ。だが、スマホやパソコンで車を選び、支払いもネットで済ませてしまうのは、アマゾンならではだ。 アマゾンジャパンは「安さと便利さにこだわって独自の仕組みにした」(広報)という。中古車販売の大手とも連携を探ったが、価格などの仕組みで考えが一致したのがネクステージだった。ネクステージはアマゾンに販売手数料を支払うが、それ以上にアマゾンの知名度の高さを利用できることが魅力だった。 掲載されている車は軽自動車や小型車を中心とした約220台。製造されてから10年くらいの車が多い。 おもしろいのは価格設定だ。「33万円、44万円、55万円」の3種類だけ。値引き交渉はない。わかりやすい価格にするため、各種税金や自動車の登録などの手数料も込みの価格で、都市部の人なら追加費用はかからない仕組みだという。 アマゾンで早速、富士重工業の軽自動車プレオ(2003年製)を33万円で買った千葉県の大谷隆介さん(58)は「最終的にいくら払えばいいかわかったので、安心して買えた」。 これまでにアマゾンで売れた車の数は100台弱。この半分が首都圏を含む関東からの注文だ。東海地方を地盤に置くネクステージにとって、市場が大きい関東の手薄さが頭痛の種だった。ネクステージの山口慎也WEBマーケティング課長は「狙い通り」と語る。■品質確認課題、返品も可能 新車のネット販売は、各メーカーにとっては「御法度」だ。全国どこからも注文できるようになれば、担当地域ごとに販売店を割り振るメーカー主導の今の売り方が崩れ、体力の弱い店舗がつぶれかねないからだ。ネット販売の全国展開は、メーカーの影響力が弱い中古車だからこそできる売り方と言える。 ネクステージは、3年後には自前のサイトの分も合わせ、ネット販売で年3万台を売る目標を掲げる。昨年1年間に全店舗で売った台数に匹敵する規模だが、実現は容易ではない。 新車と違い、ドライバーの使い方次第で乗り心地が変わるのが中古車だ。実際に車をみたり店員と話したりして購入する店舗販売でさえ、購入後に「聞いてない不具合がある」とトラブルになる例も少なくない。 まして、サイト上の情報だけに頼るネット販売は、購入者に車の不具合をしっかり理解してもらうには限界がある。中古車販売最大手のガリバー(東京都)も08年に一度始めたが、「事前説明が不十分だとクレームが来てブランドイメージに傷が付きかねない」と、11年に撤退したほどだ。 ネクステージは車の状況を事前にわかった上で買ってもらうため、目立つ傷の写真や第三者が車の品質をチェックした鑑定書を、アマゾンのサイトの商品説明に載せたりしているが、「想像していたのと違って後部座席にスピーカーがついていない」といった苦情も寄せられている。購入者の期待を裏切らないようにするため、納車から1週間以内なら返品に応じることにもしている。 ある業界他社の社員は「ネット販売で売れるのは、購入者がもともと高い品質を期待していない数十万円の車に限られるだろう」と分析する。(大内奏、大日向寛文)中古車の値段が、33万、44万、55万の3種類というのが、面白い♪つい最近、アマゾンでタブレットを購入したのだが、短納期で、値段も比較的リーズナブルなアマゾンに不満はないわけです。ジェフ・ベゾス 果てなき野望ジェフ・ベゾス 果てなき野望より<「顧客体験の優先」貪欲に追求:川端裕人(作家) > 1994年創業、2000年に日本上陸した時、アマゾンは「オンライン書店」だった。それが今では、音楽、映画などのコンテンツ、衣料、家電、飲料、サプリまで、驚異的な拡大を遂げた。本書は謎に満ちた創業者、ジェフ・ベゾス氏について書かれた初の“半公認”評伝。特異なリーダー像と社の特質をあぶり出す。 実際、アマゾンは変だ。書籍購入の際に壁となる配送料をいち早く無料にした時には、果たして利益は出るのかと議論になった。商品検索すると中古出品(売り手は個人も多い)が同時に表示される。場合によっては他社サイトのリンクまで出るので、比較して買うことも可能。一体アマゾンは何を考えているのか……。 ベゾス氏の経営哲学は「顧客体験の優先」で、顧客に還元できない無駄は省く主義という。幹部でも飛行機のビジネスクラスは禁止。新製品の会議では、パワーポイントなどスライドを嫌い、最初からプレスリリースの形で顧客視線を意識させる。直接会った者なら忘れられないという強烈な笑い声、理念の貪欲な追求。社員の福利厚生にはほとんど投資しないが、企業を買収しては時に失敗する。それでも生き残る。恐怖政治が恒常化し、社員はしゃにむに働き続けるのを余儀なくされる。それがネットビジネス界の古参となり、今や「小売り」では収まらない「テクノロジー企業」として羽ばたく。著者はアマゾン社の取材を許された立場だが、しばしば辛辣な筆致で「ベゾスのアマゾン」を描き出す。 なおベゾス氏は個人の夢として宇宙開発を挙げ、民間宇宙開発企業を既に創業している。毎週水曜日午後をこの会社のために使う習慣で、テキサス州の広大な所有地では、宇宙ロケットの開発が進んでいる。「なぜ」と思う人もいるかもしれないが、これもまた複雑にして孤高の経営者の一つの顔だ。 ◇『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』 ブラッド・ストーン著、日経BP社、2014年刊 <「BOOK」データベース>よりインターネットに大きく賭け、買い物や読書の習慣を大きく変えてしまったアマゾン創業者、ジェフ・ベゾス。本書は、その奇才の生い立ちから現在までをベテランジャーナリストが追った物語である。フィナンシャル・タイムズ紙、ゴールドマン・サックス共催ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2013受賞!【目次】第1部 信念を貫く(アマゾンは金融工学の会社から生まれた/冷たい目を持つ聡明な男/ベゾスの白昼夢と社内の混乱/宿敵アナリストに打ち勝つ)/第2部 書店サイトだけでは終わらない(ロケット少年/混乱続きの物流システム/テクノロジー企業であって小売企業ではない/キンドル誕生)/第3部 伝道師か、金の亡者か(グーグル、アップルと並ぶ会社になる/ご都合主義/疑問符の王国)<読む前の大使寸評> アマゾンvs楽天の日米対決が熾烈な昨今であるが、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが興味深いのです。 金融工学の会社から生まれ、優れた物流システムを持つアマゾンはいかにもアメリカ企業ですね。とにかく、アマゾンvs楽天の対決は、フラット化する世界でも取りあげたように、目下の関心事でおます。rakutenジェフ・ベゾス 果てなき野望大型物流施設建設ラッシュで物流バブル?ちょっと古いけど、13年4月時点での大型物流拠点のニュースです。楽天、アマゾン…ネット通販各社の大型物流施設建設ラッシュで物流バブル?より 日本国内のEコマース(電子商取引)市場は2011年で約8兆5000億円(経済産業省調べ)と、この5年間でほぼ倍増した。ちなみに、同時期の米国の同市場は1938億ドル(約16兆円/米商務省調べ)となっている。 このように、すでに日本は米国の半分規模となる巨大な市場を形成しているのだ。さらに人口対比換算をして国民一人当たりのEコマース市場を見ると、日本は米国の1.25倍に達する。 そうした動きと連動するように、このところ首都圏を中心に、ネット通販事業向けの最新鋭大型物流施設が続々と開業している。その背景には、アマゾンの即日配送に対する各社の強い危機感がある。たとえば楽天は、日本の人口の約7割をカバーするエリアに即日配送するため、100億円規模の投資を発表している。 一方、三井不動産も物流事業に初参入する。今後6年間で3大都市圏主体に約20棟の物流施設を建設し、即日配送も可能な多様なネット通販業者のニーズに対応するという。さらに三菱地所や大和ハウス工業などの異業種大手も、相次いでこの物流市場へ参入しだしてきた。 このような、いわば「物流バブル」とも言える現象は、物流系REIT(リート)相場が過熱してこの業界に資金がふんだんに流れ込んでくるなど、実需以外の要因も指摘されている。 それはともかくとして、こうしたハイテク物流施設の急増は、ネット通販の利便性と市場拡大をさらに促進することに変わりはない。従って有店舗小売業はそうした面からも、「わざわざ店に来てもらう」魅力と武器の明確化と強化が求められよう。 一方、前述のように増加、進化する「サードパーティ・ロジスティックス」に勝る究極の手法は、独自の自社物流方式の確立だろう。言うまでもなくそのベンチマーキング企業は、ネット通販ではアマゾン、そして有店舗では「しまむら」だ。アマゾンvs楽天の戦いネット通販でAmzonが楽天を抜いたんだそうですね。えらいこっちゃ!Amzonの納品の早さは、なんか別次元のような感じがしていたけど・・・・物流に対するインフラが違っていたんでしょうね。でも、ナショナリストの大使としては・・・この際、本の通販については楽天ブックスを選択肢に入れているのです。(というのは建前で、楽天ブログがAmzonを受け付けなくなったので、楽天ブックスをご愛顧しているのです)アマゾンvs楽天の戦いが今後も続くと思うので・・・関連ニュースをフォローしてみます。2/19アマゾン、ネット通販で売上高国内トップと判明 激化する楽天との攻防より 本日(2月19日)付日本経済新聞朝刊によると、米アマゾン・ドット・コムの2012年12月期の日本における売上高が、前年同期比で78億ドル(直近の為替レートで7300億円)となり、日本でネット通販事業を展開する企業としては最大となることが判明した(記事『アマゾン 日本で最大』)。同社の海外の国別売上高が公表されるのは初めて。売上規模では家電量販店のエディオンを上回り、小売業全体で10位前後に位置する格好となる。 日本のネット通販企業では楽天が最大手で、仮想商店街「楽天市場」や旅行予約「楽天トラベル」などネットサービス分野の12年12月期の売上高は2858億円。同社の売上高は、通販モールに出店した小売店などから得る手数料が中心であるため、主に自社で商品を仕入れて販売するアマゾンとはビジネスモデルが異なる。 楽天市場の12年12月期の流通総額は1兆3000億円程度。アマゾンの流通総額は非公開だが、通販モール事業「マーケットプレイス」なども合算すると、流通総額で楽天に匹敵する可能性もあるという。2000年に日本に進出したアマゾンは、書籍や家電製品、衣料品など5000万品以上を取り扱っている。 12年度の国内ネット通販市場は、前年度比15.9%増の約10兆2000億円となる見通しで(野村総合研究所調べ)、2桁成長が続くが、価格やサービス面での競争が激化している。そうした中、アマゾンは当日配送や顧客の購買データを基にお薦め商品を紹介する「レコメンド」機能などを武器に、同市場で存在感を高めている。 昨年7月に都内で開かれた国際電子出版EXPOで、講談社の野間省伸社長は、「楽天の三木谷浩史社長に、『打倒アマゾン』とプリントされたTシャツをもらった」と暴露し、話題となった。三木谷社長は社員に対し、「アマゾンの動向を注視せよ」と呼びかけているという。両社の攻防に注目が集まっている。2/21楽天・三木谷社長、安倍政権中枢進出で政商への道着々!?カジノ解禁にも意欲よりアベノミクスを支えるブレーンとして、「産業競争力会議」民間議員に任命された三木谷氏。竹中平蔵氏、ローソン社長の新浪剛史氏、サキコーポレーション社長・秋山咲恵氏らとともに、産業の競争力強化や国際展開に向けた成長戦略などを審議する。 この三木谷氏に対して独占インタビューを行った本記事では、国内産業の再興による競争力向上というテーマに対して、三木谷氏は「(政府は)かかわらなくていい」と話している。その上で「産業に国の金を使うのではなく、成長の見込まれる分野の研究開発への税制優遇などを優先すべきだ」と持論を展開した。また「どの分野が伸びるのか官僚に分かるわけがない」と舌鋒鋭く官僚批判を行なっている。ところで、神戸発の経済人ということでは、ダイエーの中内さんと三木谷さんがよく知られています。楽天は中国への進出をはたし、世界を視野に入れているようです。ここまで成功すると、スタート時の三木谷さんのやや胡散臭いイメージは払拭されているわけで・・・もう中内さんを超えているかもしれないですね。とにかくおふたりの創生期を、神戸人として接してきた大使としては感慨深いものがあります。(実際に見たわけではありませんが) <三木谷さんが経団連を退会> 日経ビジネス2月20日号の2大特集(オオクボと楽天)が興味深いので、ネットからそのさわりを紹介します。楽天の三木谷さんは英語公用化を宣言してから、気になる人である。(楽天ブログを利用している者としても、当然、気になるが)日経ビジネス2012年2月20日号目次より沸騰する街・オオクボと楽天。今号の2つの特集は一見、何の関連性もないように見えて、根底では同じテーマを扱っています。日本人はどこまで外国人を受け入れる覚悟があるのか。現在、最も過激な人材の多国籍化が進行している地域社会と企業を題材にして、この点を読者の皆様と一緒に考えてみたいと思います。 <オオクボの磁力>不夜城、東京・歌舞伎町の北辺、職安通りと大久保通りの間にその街はある。大久保──。かつては街娼とヤクザがたむろする物騒な地域だったが、今では多様な外国人が集まる国際都市に姿を変えた。特に、「韓流の聖地」と化した最近は観光客が大挙して訪れる一大スポットに変貌している。成長が止まった夕暮れ時の日本にあって、強い磁力でヒト、モノ、カネを引き寄せる「オオクボ」。可能性と矛盾をともに抱える内なる「新興国」の実態に迫った。 ●波に乗り損ねる日本 韓流ブームの活況をよそに、大久保商店街の商店主の表情は暗い。目の前の膨大な需要を取り込めない姿は、アジア市場攻略に苦しむ日本企業に重なる。変革は摩擦と衝突から生じるが、日本はそれを起こす気力すら失いつつある。<楽天の焦燥>昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。三木谷浩史・会長兼社長は、なぜこれほどまでに海外展開を急ぐのか。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になることができるだろうか。 ●決別、そして世界へ楽天は2011年12月、国内の年間流通総額が初めて1兆円を突破した。社内公用語の英語化、経団連の脱退など日本企業が抱えるしがらみを断ち、退路も断った。前人未踏の領域を突き進む三木谷浩史・会長兼社長。彼が目指すものとは。 ●世界でヨコテン「ヨコテン」という言葉をご存じだろうか。これは横展開の略で、自社で培った技術やノウハウを買収先などに広げていくことを指し、自動車メーカーなどでも使われている用語だ。 ●アマゾンに挑む「帝国」を凌駕せよ 日本のECでは敵なしの楽天だが、世界ではアマゾンの背中はまだ遠い。逆転への切り札として電子書籍を手に入れ、「連邦戦略」で世界制覇を狙う。楽天は「日本発世界企業」の新たな地平を拓くことができるのか。 ●楽天は「トランスナショナル戦略」を目指すべき流通・サービス業が海外展開するには3つの方法がある。楽天が目指すべき戦略は、自国のビジネスモデルの良さを残しながら、国ごとにある程度ローカライズをさせていく「トランスナショナル戦略」しかないと思う。 ●海外展開は「まだまだ遅い」三木谷会長兼社長「日本のサービス業でも成功できることを証明したい」。この思いが世界へと駆り立てる。英語公用語化にメドが立ったと判断、グローバルマネジメントの本格化へと歩みを進める。日本経団連は護送船団をやめ、日本の良さを広める努力をすべきと説く。 三木谷社長はツイッターで経団連の退会をほのめかしたそうです。2/20「経団連に入っている意味もないしね、正直言って」より 昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。 僕が日本経団連を辞めたきっかけね。もともとなぜ経団連に入ったのかを振り返る必要があります。 奥田碩元会長(トヨタ自動車元社長)に誘われたのが直接のきっかけでした。当時は小泉純一郎政権下。経団連は改革の旗手を担う組織でした。ただ、その後、会長が奥田さんから御手洗さん(御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長)に代わり、それからまた米倉さん(米倉弘昌住友化学会長)になるにつれ、どんどん風向きが怪しくなっていった。 辞めようと思った直接的なきっかけは、やはり震災後です。経団連は(電力の)発送電分離の話が出たときには早々に反対し、原子力発電所については早々と賛成であると表明した。「多分経団連ってそういうために作られたんだな」とその時、初めて分かりました。 経団連が言っていることがあたかも経済界の統一見解のように言う。だから僕は「そんなことないよ」と世の中にはっきり言いたかった。違う意見だってあるんだよ、ということですね。<「経団連は日本企業の護送船団方式を擁護する団体」>ツイッターで退会をほのめかしたのは確信犯。全く入っている意味もないしね、正直言って。経団連は日本企業の護送船団方式を擁護し、これが世の中の共通認識だとカムフラージュするために作られた団体なんですね、そもそもが。そこはたぶん経済同友会とは違うんだと思うんですよ。 僕はあまり深く考えていなかったんですけど、今回の一連のことがあっていろいろよく考えてみると、ああ、そういう構造なんだな、これはと。要するに政官財の構造の一角。いや、中核なんですね。経団連を辞める時には仁義を切りました。諸先輩方の元に一人ひとり全部回りました。すると、みんな口を揃えて「その通り」だとか「いいね」と言う。けど辞めたのは結局僕1人。呆れましたよ、結局本当に反対したのは1人だけかと。まぁ、そんなものですよね。よほど強烈な人を会長に持ってきて、方向性を明確にしなければ今の経団連は変われないでしょうね。 <電子書籍大手コボを買収>楽天、カナダの電子書籍大手コボを236億円で買収より楽天は9日、カナダの電子書籍大手コボ(トロント市)を約3億1500万米ドル(約236億円)で買収すると発表した。 コボは自社ブランドの電子書籍端末を販売するほか、欧米など100カ国以上で電子書籍を配信しており、楽天はこの買収により、世界で成長が見込まれる電子書籍市場での事業拡大と海外展開の加速を目指す。 コボは2009年にIndigo Books & Music Inc(以下、インディゴ)からスピンオフした会社で、カナダ、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリアなど100カ国以上で電子書籍コンテンツを提供している。楽天は今年8月に電子書籍販売サイトを立ち上げ、大手電機メーカーの端末に電子書籍コンテンツの提供を開始したばかりで、「コボとの連携により、内外で書籍事業を拡大したい考え」。同社によると世界の電子書籍市場は2011年から年平均36%で成長し、2015年に106億ドル(約8500億円)に拡大するとの予測もある。 楽天は電子商取引(EC)事業を主軸にグローバル展開を加速しており、今年に入ってからブラジル、ドイツ、英国でEC事業者を買収している。2012年当時のアマゾンを書籍販売の巨人:アマゾンに見てみましょう。
2023.03.12
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図書館に予約していた『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』という本を、待つこと5ヶ月ほどでゲットしたのです。 御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。 【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。3月12日にキーウ入りして以来、4月17日に出国するまで各地で取材。そして5月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場「第5章 最前線イルピンへ」でイルピン取材の続きを、見てみましょう。p109~113<イルピンなのか?> 森の中を進むこと5キロ。急に目の前が開けた。穴だらけの道路標識や破壊された焦点の看板からイルピンの文字が読める。デニスにも念を押す。「イルピンなのか?」「ああ、自分の目で確かめてみろ」 霧に霞む通りに見えるのは迷彩服姿の軍人や顔まですかっりフルフェイスのマスクで覆った特殊部隊ルックの一団ばかりで一種異様な活気に溢れていた。 やっと、やっとたどり着いた最前線の町である。何から撮ればええんや。とりあえず目の前にあるものはみんな撮っておくことや。電池が尽きるまで。ここまでのイライラを吹き飛ばすようにかたっぱしに撮り始めた。「町の中心部はこっちだ」 あきれたようにこちらを見ていたデニスが首をしゃくる。ここまでの一本道がさらに北に伸びてい・・・ない。なんや、これ? 霧モヤの天候もあいまって一種異次元の世界が目の前に広がっていた。「ここがそうやったんや」 目の前にあったというか、なかったというか、ニュース映像で観たイルピン川と橋であった。 ここがウクライナ軍がロシア軍の首都への侵攻を遅らせるために自ら爆破したイルピン橋があったとこなのである。そのためイルピンから避難してくる市民は敵弾の下細いはしけを渡るしかなく、その地獄絵図は世界中に配信されていた。 それが今も目の前に広がっていたのである。 さらに今も、その細いはしけを渡って市民が避難し続けているのである。負傷者が担架で運ばれ続けているのである。 不肖・宮嶋、こんな稼業を40年続けてきたのである。その間自らが踏んだ修羅場の数を自慢する趣味は持ち合わせていないが、そのどれよりもカオスなのである。しいて挙げるなら東日本大震災直後に目のあたりにした大型船が山を登り船やバスが屋根の上に鎮座する超現実的な光景ぐらいである。 次々に運ばれてくる担架や負傷者に向けてシャッターを切り続ける。 担架を担ぐ救急隊員の視線や罵声が突き刺さる。「のけ! こら! 邪魔なんじゃ!」「何やっとんじゃー!」 「そのクソカメラごと川にたたきおとすぞ!」 人一人満足に通れないはしけやなかったら、ほんまに突きおとされかねない。違う。活気に溢れていたのではなかった、ここにいる皆が殺気立ち、それがこちらにむけられていたのである。 くどいようやがこんな稼業を40年である。いろんな状況下で我々は顰蹙を買ってきた。しかし今日ほど言葉がマジに聞こえたことはなかった。今ほど視線が痛い時はなかった。二重にした防弾チョッキも彼らの視線は防いでくれなかった。<罵詈雑言> なにを撮っても問題ないだろうとタカをくくっていたのかデニスまで首をひっこめている。逃げるようにはしけを渡り町の方向に向かう。橋の下を進むうちに暗さに目が慣れてきた。そこには雨を避け、キーウへの脱出の機会を待つ避難民に加え、最前線から交代でここまで撤収してきたのか迷彩服の群衆がうごめいていた。 この顔で外国人と分かり、肩から下げていた道具でこちらの稼業が知れるや再び非難の視線と罵詈雑言を浴びせられた。ここが暗い分、目がぎらつき、さらに怖い。この人数である。様々な部隊が混在しているのであろう。中には高級将校もいるのであろうが部隊が違えば指揮系統もかわり統率もきいかないのであろう。 中にはきれいなクィーンズ・イングリッシュの発音まで聞こえる。その内容は四文字言葉のとてもきれいとは言えんものだったが。あの一団は外人部隊、おそらく義勇兵。絶対にレンズを向けてはいけない方々であろう。これはいくら無神経な不肖・宮嶋もたまらんと橋からはずれ街へ向かおうとして、すぐ止めた。(いかん、土の地面や・・・)あの悪運強かったロバート・キャパですら何十人もの将兵が通ったあとに地雷を踏んで命を落としたのである。『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』1:最前線への取材ルート
2023.03.12
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図書館に予約していた『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』という本を、待つこと5ヶ月ほどでゲットしたのです。 御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。 【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。3月12日にキーウ入りして以来、4月17日に出国するまで各地で取材。そして5月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場プーチンやロシアを敵視する不肖・宮嶋であるが・・・「第4章 キーウの地を踏む」で最前線あたりを、見てみましょう。p78~82<やっとつかんだ最前線への取材ルート> ロシア軍によるウクライナ侵攻から1ヶ月近くが経った。第三次世界大戦のきっかけになるやもしれん、いや人類、いやいや地球滅亡にむかう最後の戦いになるかもしれん、と勇んでこの地までやってきた。 だがカネ無し、コネ無し、足(車)無し、コーディネーターやフィクサーはおろか通訳さえ無し、しかもロシア語話せるとスパイ扱いされる恐れもあるくらいである。唯一の強みは日本人は現在ウクライナと共通の敵とかつて戦って勝ったということと、現在もその敵に領土を奪われたままという共通体験から同情を持たれることぐらいである。ただし、そのあとで「いつクリル(千島)をとり戻すんだ?」と聞かれるのがつらいが。 そんな孤軍奮闘中の不肖・宮嶋が最前線イルピンへの取材ルートをやっとつかんだのである。 それはエストニアの国番号から始まる電話番号であった。さらに二人が間に入った。そして、キーウ市内の住所と合い言葉を伝えられた。 なんとかこの千載一遇のチャンスをのがすまいと、携帯電話のボタンをプッシュし続けた。 その住所は首都のまさにど真ん中、宿から15分ほどの官庁街だった。 イルピン市長の記者会見を切り上げ、その場所へ向かった。青と黄色のウクライナ国旗カラーに盾の紋章、もろ政府機関を表すでっかい旗が掲げられたビルで、政府機関のビルである証拠に窓には土嚢が積み上げられていた。 約束の時間を5分過ぎ、ビル前でどこが入り口か分からず、ウロウロしていたら、通りに出ていた地元の若い衆らしき三人連れからいきなり握手を求められた。「デニスだ」「ステファンだ」「イヴァンだ」「セルゲイから紹介された日本人だ」 と合い言葉を告げた。すると、彼らは「とりあえず中へ」とワシをビルの中へ案内してくれた。 一階室内にも土嚢がつみあがり、二階への踊り場にはこれまた土嚢が積みあがった向こうに完全武装の民兵らしき中年が二人陣取っていた。速足で二階にかけあがったとこが事務所らしかった。 最前線へのルートというからPMCか傭兵事務所を想像していたが、意外とどこか見慣れた感じであった。いや軍事というか、カメラやパソコンが並ぶスタジオや編集室を思わせる。ワシらと同じ環境の事務所と見えた。 その後、彼らに自己紹介され、やっと納得できた。ここは地元の映像ジャーナリストたちの事務所で、デニスはプロデューサーというか監督、ステファンはカメラマン、イヴァンはエンジニアだった。イヴァンが右足をひきずっているのは、今回の戦闘取材中で身の近くで爆発があった際に破片が刺さったせいであるという。ksれらはドローン撮影も得意としており、ボランティアでウクライナ政府の仕事にもかかわっているため、首都中心部のビルに事務所をかまえているとのことであった。 それで、何のメリットがあってこんな単身の日本人カメラマンと知り合い、声をかけたかというと、もちろんワシがイルピンへのルートを探していたということもあるが、遠い東洋の島国から来た老カメラマンが、このウクライナ興廃の一戦をどう取材するのか密着したいというのである。(中略) ということで交渉はあっという間に成立した。<撤退を始めたロシア軍> 首都を敵に包囲されつつも、いまだ電気、水道、ガス、通信とインフラがバリバリに生きている350万大都市キーウの人口が今や200万になった。首都に残っているのは愛する家族を安全な西部や国外に逃がし、この世に何の未練もなく戦うとハラをくくった国民である。あるものは軍人として銃を取り、ある女性たちは基地内での事務や雑用を引き受け、銃後の戦いに備えている。そして毎日頭上から降り注ぐミサイルや砲弾をよけ、敵の執拗な攻撃をしのぎながら、1ヶ月、戦い続けたのである。 そして、ロシアもやっと気づき始めたのであろう。いくら大軍を遣わしびびらせても、どれほど雨あられと爆弾を降らせても、ウクライナ人はいっかなひるむ気配もないと。そしてロシア軍は徐々にあとずさりを始め、首都の周りから撤退し始めたのである。ウン 開戦後1ヶ月の緊張感が見られるが・・・このあと1年間もの長期戦が待っているのか。
2023.03.11
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このところ、多和田葉子の作品を集中的に読んでいるのだが・・・デジタル朝日で『(文化の扉)多和田文学、ふわり越境』という記事を見て、この際、多和田さんのアンソロジーを編んでみました。・太陽諸島(2022年)・多和田葉子の〈演劇〉を読む(2021年)・星に仄めかされて(2020年)・(文化の扉)多和田文学、ふわり越境(2019年)・文学界(2019年1月号)(2019年)・歓待する文学(2018年刊)・地球にちりばめられて(2018年刊)・言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編む(2016年)・献灯使(2014年刊)・雪の練習生(2011年刊)・尼僧とキューピッドの弓(2010年)・ソウル-ベルリン玉突き書簡(2008年刊)・溶ける街透ける路(2007年刊)・エクソフォニー(2006年刊)・容疑者の夜行列車(2002年刊)・球形時間(2002年刊)R12:「太陽諸島」を追加***********************************************************************『太陽諸島』1:第1章 Hirukoは語る『星に仄めかされて』3:ハンブルグまで行く連中『星に仄めかされて』2:「だるまさんが転んだ」という遊び『星に仄めかされて』1:「パンスカ」が出てくるあたり『文学界(2019年1月号)』2:古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談『地球にちりばめられて』4:「第10章 クヌートは語る3」『地球にちりばめられて』3:「第9章 Hirukoは語る3」『地球にちりばめられて』2:第6章 Hirukoは語る2『地球にちりばめられて』1:独自の言語“パンスカ”『歓待する文学』4:小野正嗣さんのフランス体験『歓待する文学』3:J・M・クッチェーの『マイケル・K』『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生『献灯使』4:言語の輸出入『献灯使』3:日本の鎖国『献灯使』2:「ナウマン象」『献灯使』1:『献灯使』の語り口『雪の練習生』『尼僧とキューピッドの弓』1『ソウル-ベルリン玉突き書簡』4:ヨーロッパの景観『ソウル-ベルリン玉突き書簡』3:旅の楽しみ『ソウル-ベルリン玉突き書簡』2:中国人ディアスポラ『ソウル-ベルリン玉突き書簡』1:漢字や東アジア人の名前『溶ける街透ける路』3:リガ『溶ける街透ける路』2:デュッセルドルフ『溶ける街透ける路』1:パリ『エクソフォニー』4:ハンブルグ『エクソフォニー』3:森鴎外とドイツ語『エクソフォニー』2:マルセイユ『エクソフォニー』1:北京『容疑者の夜行列車』2:北京へ『容疑者の夜行列車』1:グラーツへ『球形時間』1:冒頭の語り口***********************************************************************【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ウクライナあるいはロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島***********************************************************************【多和田葉子の〈演劇〉を読む】多和田葉子著、谷川道子(編集)、論創社、2021年刊<amazon>より〈演劇人間(ホモテアトラーリス)〉としての多和田葉子に本格的に光をあてる初の試み。劇評、演出ノート、作品論、ドキュメント、初邦訳戯曲2本他で多和田の演劇ワールドを探り、パノラマ・可視化する。多和田書き下ろしエッセイ「多声社会としての舞台」も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/31予約、副本1、予約2)>amazon多和田葉子の〈演劇〉を読む***********************************************************************【星に仄めかされて】多和田葉子著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より世界文学の旗手が紡ぎだす国境を越えた物語の新展開!失われた国の言葉を探して地球を旅する仲間が出会ったものはー?<読む前の大使寸評>多和田葉子さんと言えば・・・ドイツに在住の作家で、なんといっても「パンスカ」という言葉を造語した言語感覚が素晴らしいのです。つまり汎スカンディナビア語を「パンスカ」としたのです♪<図書館予約:(1/05予約、副本5、予約20)>rakuten星に仄めかされて***********************************************************************<(文化の扉)多和田文学、ふわり越境>デジタル朝日が「日独2言語で/言葉遊びとユーモアと」と説いているので、紹介します。この記事を紙媒体でスクラップしたのだが、電子媒体でも保存するところが、いかにも老人であるなあ。(この記事を6/24デジタル朝日から転記しました)ドイツ在住の作家、多和田葉子が世界的に注目を集めている。日本、ドイツ、米国で権威ある文学賞を受けてきた。作風は前衛的で国境や言語にとらわれないコスモポリタン。と同時に、日本語の魅力を追究した日本文学である。 多和田葉子は大学卒業後、22歳でハンブルクに移住した。現在はベルリンに暮らす。日本語とドイツ語の両方で、小説や詩を発表してきた。日本では芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞といった純文学の大きな賞を次々に受賞。ドイツではクライスト賞を受け、独特の文体が評価された。いま、世界で活躍する日本人作家のひとりだ。 昨秋には英語版の「献灯使」が米国の権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した。大災厄の後に鎖国を選んだ近未来の「日本」が舞台。訳者の満谷マーガレットさんは、「受賞作は震災後の汚染された日本を描く。決して日本だけの問題ではない。全米図書賞という重要な賞を受けたことでこの作品が世界で広く読まれ、受け止められる、その意義は大きいと思う」と話す。 100歳を超えても頑丈な老人たちが社会を支え、子どもは弱くて歩けない。「彼女のファンタジーは現実に根ざしているから力がある」と満谷さん。深刻な物語だが、ユーモアに包まれ、読後感は朗らか。理由の一つに多和田作品の特徴である言葉遊びがある。「献灯使」では「みどりの日」があるなら「赤の日」も、と休日が際限なく増えていく。すたれてきた性交を奨励する「枕の日」、「インターネットがなくなった日を祝うのは「御婦裸淫の日」だ。***********************************************************************<『文学界(2019年1月号)』1>図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談*********************************************************************** <『歓待する文学』>図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪歓待する文学この本でJ・M・クッチェーが語られているので、『多和田葉子アンソロジー』R5を参照ください。***********************************************************************【地球にちりばめられて】多和田葉子著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>より留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。<読む前の大使寸評>言語学的なSFは、モロに太子のツボであるが・・・ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出したHirukoという元ニッポン人が、興味深いのです。<図書館予約:(2/18予約、8/28受取)>rakuten地球にちりばめられて***********************************************************************【献灯使】多和田葉子著、講談社、2014年刊<「BOOK」データベース>より鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/09予約、副本4、予約94)>rakuten献灯使***********************************************************************<『雪の練習生』>図書館に予約していた『雪の練習生』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。【雪の練習生】多和田葉子著、新潮社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサーカスの花形から作家に転身し、自伝を書く「わたし」。その娘で、女曲芸師と伝説の「死の接吻」を演じた「トスカ」。さらに、ベルリン動物園で飼育係の愛情に育まれ、世界的アイドルとなった孫息子の「クヌート」。人と動物との境を自在に行き来しつつ語られる、美しい逞しいホッキョクグマ三代の物語。<読む前の大使寸評>ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。<図書館予約:(8/01予約、8/08受取)>rakuten雪の練習生***********************************************************************【球形時間】多和田葉子著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>より鋭くも愚かしくも聞こえる問いをつねに発している高校生サヤは、ある日の放課後、喫茶店で謎のイギリス女性と出会ってひきつけられる。クラスメートのカツオは、フィリピン人の混血少年と性関係をもちつつも、太陽を崇拝する青年への興味を抑えられない。あっちへこっちへと転がりながら、はからずも核心へと向かってゆく少女と少年の日常を描く、愉快かつ挑戦的な最新長篇。<読む前の大使寸評>おお 多和田葉子の初期の小説ではないか・・・ということで、チョイスしたのです。rakuten球形時間***********************************************************************以降については、『多和田葉子アンソロジー』R5による。
2023.03.11
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図書館に予約していた『太陽諸島』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ウクライナあるいはロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ウクライナあるいはロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島「第1章」の冒頭から、見てみましょう。p9~11「第1章 Hirukoは語る」 コペンハーゲンの港を出たわたしたちの船はバルト海のおだやかな波の上をすべっていった。「君の失ったもの、探しているものはどうやら東の方向にある。それだけは確かだと思う。」 前髪を海風に弄ばれながらクヌートはわたしの顔を覗き込んでそう言った。これはわたしの旅なのだろうか。そうだとしたら、クヌートを初めとして他のみんなが、わたしの長い船旅につき合ってくれていることになる。もしも今一人でこの甲板に立っていたら海風が骨を吹き抜けていくほど心細いだろう。感謝の気持ちが数秒間胸を熱くしたが、それは徐々に目眩と吐き気に置き換わり、つかみどころのない不安がわたしを遠巻きにしながら次第に輪を縮めて締めつけてきた。わたしは前髪をやたらに描き上げながら深く息を吸い込んだ。「どうしたの?船酔い?」 アカッシュにそう言われてみると、なるほど船酔いなのかもしれなかった。英語のシーシックネス、「海の病」は病だが、わたしの場合はあくまで病むのではなく酔うこと、お酒に酔ったり、音楽に酔ったりするのと同じで、陶酔しているだけなのだ、それが「船酔い」だ、と思うと少し気が楽になってきた。 アカッシュが身にまとう真っ赤なサリーは、海風になぶられて激しくはためいていた。絹をぬって色とりどりの糸が優雅な渦巻き模様を描いていたが、その中で金糸だけが太陽の光を受けて点々と浮かび上がって輝いた。わたしの視線に気づくとアカッシュは整った鼻の穴を少しひろげて言った。「これだけ風が強い時は男性用の服の方が便利かもしれないね。でもたとえ不便でもサリーを着ていたい」 それを聞いてクヌートが語った。「幼友達がスコットランド人の女性と結婚することになって、伝統的な結婚式を挙げたいと彼女に言われた。だが、そのためには花婿はスコットランドの伝統的な男性用スカートであるキルトをはかなければならない。彼はどうしてもキルトを着ることができなくて、伝統的な結婚式は諦めたそうだ。」「それでも二人は結婚したのでしょう?」「もちろんしたよ。全員がブルージーンズをはいて参加する結婚式を挙げた。花婿も花嫁もブルージーンズだよ。あの二人はやることが極端なんだ。」 緑のコンテナを積んだ船が水平線の近くに一艘浮いていた。全く動いていないように見えたが、もし動いていないならば突然視界に現れるはずもなかった。
2023.03.10
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・韓国の地方移住者たちに話したこと・生産性の高い社会のゆくすえ・ウクライナ危機と反抗・「生きづらさについて考える」単行本あとがき・「街場の米中論」まえがき・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)R54:『韓国の地方移住者たちに話したこと』を追記2023-03-03韓国の地方移住者たちに話したことより 韓国から地方移住者たちの団体が凱風館を訪れた。人口減社会における地方の生き残りについて話を聞きたいという。韓国は合計特殊出生率0.78という超少子化に加えて、全人口の半分近くがソウル近郊に住むという人口一極集中が進行している。地方では人口減のせいで経済活動が低迷し、学校や病院の統廃合が始まっている。韓国政府は効果的な対策を講じていない。(中略) 行政は本来弱者のためのものであると言うと目を剥く人がいるかも知れない。けれども、防災も防犯も公衆衛生も社会福祉もどれも発生的には自分ひとりでは身の安全を保てない人たちのものである。私が子ども頃、防災や防犯は町内の仕事だった。冬の夜に父親たちは「火の用心」と拍子木を打ちながら町内を回った。日曜は町内総出で「どぶさらい」をして感染症を予防した。市町村の行政が整備されていない時期は「共同」で弱者たちは身を護ったのである。その「共同で身を護る」仕事を制度化したものが行政である。 だから、その根本の趣旨から言えば、共同で身を護るための相互扶助ネットワークに帰属していない人こそがまず行政による支援の対象でなければならないはずである。医療が癒しを求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるように、教育が学びの機会を求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるように、行政は共同体からの支援を求めている人の救難信号を聴き取るところから始まるはずである。 そうであるならば、共同体の相互支援を十分には期待できずに、取り残された人たちの「小さな声」を汲み上げることこそ他のいかなる公的機関も代替することのできぬ行政の仕事ではないのか。過疎地に居住している人々は、少数者であるがゆえに行政サービスを諦めねばならないというのは行政の趣旨として間違ってはいないか。 もちろん、世の中そうそう道理が通らないことは私も承知している。行政のリソースが有限である以上、費用対効果ということも当然配慮しなければならないことはよくわかる。それでも、過疎地の行政機関を統廃合するときには「小さな声」を聴き取る機会を逸することへの「疚しさ」が行政側にあって然るべきだろうと私は思う。しかし、現実に行政の側にも、メディアの論調にも、そのような「疚しさ」を感じることはほとんどない。 たしかに「住民が少ないので、行政・医療・教育機関を置くだけの余裕がない」ということは十分な理がある。だが、実際には行政・医療・教育機関がなくなると、人はそこに暮らせなくなるのである。だから、これは暗黙のうちに「地方にはもう人は住むべきではない」という遂行的なメッセージを発信しているのである。そして、それはコロラリーとして「社会的弱者は公的支援を期待すべきではない」という「強者のイデオロギー」に帰着することになる。 みなさんのような地方移住者はその圧倒的趨勢に抗って「人間性を守るための戦い」を戦っているのである。屈せずに戦い続けてください。韓国からの来訪者たちをそう言って励ました。2023-02-15生産性の高い社会のゆくすえより 若い経済学者が高齢化について「唯一の解決策ははっきりしている」として、「高齢者の集団自決」を提言したことが話題になっている。「人間は引き際が重要だと思う」ということも、「過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる」ということも事実の適示としては間違っていない。でも、この人が「解決」と呼んでいるものは、やってもたぶん「解決」にはならないと思う。 似たようなロジックでかつてドイツは「ユダヤ人問題の最終的解決」を企てた。問題そのものをなくすことで問題が解決できると信じてホロコーストを始めたのである。だが、いくらユダヤ人を殺してもドイツの国運は向上しなかった。やむなく、「チャーチルもルーズベルトもスターリンも世界ユダヤ政府の走狗だ」と「ユダヤ人」概念を拡大解釈することで問題が解決しない理由を説明しようとした。それでも戦況はさらに悪化するばかりだった。最後は「政権の中枢にユダヤのエージェントがいて、政策を失敗に導いている」と言い出す者さえ出てきて体制が滅びた。 たぶんこの経済学者やそれに賛同する人たちもいずれ同じことを言い出すような気がする。「誤解している人が多いが、『高齢者』というのは生物学的概念ではなくて、社会的概念である。つまり私たちは日本をダメにしている人たちのことを年齢とは無関係に比喩的に『高齢者』と呼んのだ」と「高齢者」概念の拡大を図るのである。 でも、仮にそうやって「無能な人間」たちを社会から組織的に排除し、発言権を認めず、行政コストもかけない仕組みを作ったとしても、やはり日本の国運の衰退は止まらないだろう。そうなると次には「無能者の排除」を声高に主張している人たち自身のうちに「隠れ無能者」がいて、社会の停滞を引き起こしているのだと言い出す人が出てくるからだ。 でも、「社会的に有害無益なメンバー」の摘発と排除にどれほど資源を投じてもそれは価値を創り出すことにはならない。社是に「フリーライダーをゼロにすること」を掲げ、全社員がひたすら「働きのないやつ」の摘発と排除業務に励んでいる会社は遠からず売り上げがゼロになるのと同じことである。(AERA 1月26日)2022-12-29 ウクライナ危機と反抗より「誰かが『勝手なふるまい』をして、境界線を越えてその権利を拡張しようとする時、人がそれに抵抗するのは、『ものには限度がある』と感じるからである。その境界線をはさんで一つの権利と別の権利が向き合っており、互いを制限している。反抗の運動はそこでなされた許し難い侵犯行為に対する決然たる『否』と、反抗する人間の側の『自分はそうする権利がある』という曖昧な確信というよりは気分にもとづいている。」(『反抗的人間』) これは今のウクライナとロシアの関係を言っているようにも読める。でも、ここでカミュが書いているのは、領域侵犯行為に対して、人が反抗を選ぶのは、単に「もう我慢ならない」という感情に衝き動かされているだけではないということである。これを受け入れてしまうと、自分ひとりでは弁済し切れないほどのものを失うと感じた時に人は反抗を選ぶ。それがカミュの考えであった。 自分ひとりが屈辱に耐え、苦痛を甘受すれば済むことについてなら人は必ずしも「反抗」を選ばない。「私一人が苦しめばそれで済む」と思えるのなら、権利侵害を受け入れることは心理的にはそれほど難しくない。私ならそうするかも知れない。だから、人が死を賭しても「反抗」を選ぶのは、ここで権利侵害を受け入れたら、それによって失われるのはその人ひとりの権利や自由ではなくなると感じるからである。カミュはこう続けている。「人が死ぬことを受け入れ、時に反抗のうちで死ぬのは、それが自分個人の運命を超える『善きもの』のためだと信じているからである。人が自分が護っている権利を否定するくらいならむしろ死ぬ方を選ぶのは、その権利を自分自身より上に位置づけているからである。人がある価値の名において行動するのは、漠然としてはいても、その価値を万人と共有していると感じているからである。」 そうだと私も思う。だから、反抗的人間は孤独ではない。その反抗の戦いを通じて、潜在的には万人と結びついているからである。 ウクライナ市民たちの勇敢な戦いの動機を多くの人は「愛国心」によるものだと説明している。そのせいで「愛国心は有益だ(どの国の国民もこれくらい愛国心を持つべきだ)」と考えている人たちと「愛国心は有害だ(現に、そのせいでたくさんの人が死んだり傷ついたりしている)」と考えている人たちの意見が対立して、まったく対話が成り立たないでいる。 でも、私はカミュに倣って、ウクライナで戦っている人たちやあるいはロシア国内で投獄のリスクを冒しながら「反戦」を叫んでいる人たちは必ずしも「愛国心」からそうしているのではないと考えようと思う。おそらく彼らはそれよりもっと上位の価値のために戦っている。 愛国心のための行動と、それよりもっと上位の価値のための行動(万人のための行動)は、外見的にはよく似ている。ほとんど見分けがつかないほど似ることもある。 もしかすると行動している本人たち自身「あなたが『反抗』を選んだ動機はなんですか?」と訊かれたら「愛国心ゆえです」と答えるかも知れない。でも、それだけなら、いま世界中の人たちがこの問題をわが身に切迫したものとして感じていることの説明がつかない。以降の全文は内田先生かく語りき38による。
2023.03.10
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スギ花粉飛散がピークになりつつあるが・・・一方で、黄砂やPM2.5はどうなっているんだろうと思うわけです。 2023年 春の花粉飛散予測(第4報) PM2.5分布予測ということで、今日(2023.03.08)の情報を「黄砂の季節にそなえてR3」としてお知らせします。***********************************************************例年、黄砂のピークは2月~4月のようであるが・・・この黄砂にはPM-2・5が含まれていて危険な降下物であり、中国からの贈りものは迷惑このうえないのです。今日の黄砂情報を見てみましょう。気象庁の黄砂情報黄砂に関する本や過去の日記を紹介します。【ここまでわかった「黄砂」の正体】三上正男著、五月書房、2007年刊<「BOOK」データベース>より知っているようで知らない「黄砂」の常識をくつがえす!!過酷な砂漠体験に挑む科学者たちの情熱とチームワーク。日中共同研究プロジェクト(ADEC)の日本側代表者による、最前線からの「黄砂」レポート。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると・・・とにかく砂漠に関する記事が充実しているわけです。ここまでわかった「黄砂」の正体『黄砂の季節にそなえて』R2:2022.03.16『黄砂の季節にそなえて』R1:2022.03.05
2023.03.09
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図書館で『Haw To Be An Artist』という本を、手にしたのです。中を見てみると、画像も多くて読みやすそうなんで、チョイスしたのです。【Haw To Be An Artist】Jerry Saltz著、RIVERHEAD、2020年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評> 中を見てみると、画像も多くて読みやすそうなんで、チョイスしたのです。rakutenHaw To Be An Artist「Step One you are a total amateur」の冒頭から、見てみましょうp3<1. DON'T BE EMBARRASSED> I get it. Making are can be humiliating. Terrifying. It can leave you feeling exposed, vulnerable, like getting naked in front of another person for the first time. It can reveal things about yourself that others might find appalling, weird, boring, or stupid. You may fear that people will think you're abnormal, dull, untalented. Fine. When I work, my mind races with doubts: None of this is any good. It makes no sense. Anyone who sees this will know I'm a dope. But art doesnt have to make sense. Art is like birdsong: its made of patterns, inflections,shadings, shifts-all things that have emotional and perceptual impact, even if we can never really translate their meanings. Èvery work of art is a curturescape of you, your memories, the moments you spent working, your hopes, energies, and neuroses, the times you live in, and your ambitions. Of the things that are engaging, mysterious, meaningful, resistant over time. Ðon't worry about whether your art“makes sense.”The faster your work makes sense,the faster people will lose interest. let go of being “good.”Start thinking about creating.『Haw To Be An Artist』1:INTRODUCTION
2023.03.09
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図書館で『Haw To Be An Artist』という本を、手にしたのです。中を見てみると、画像も多くて読みやすそうなんで、チョイスしたのです。【Haw To Be An Artist】Jerry Saltz著、RIVERHEAD、2020年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評> 中を見てみると、画像も多くて読みやすそうなんで、チョイスしたのです。rakutenHaw To Be An Artistまず「INTRODUCTION」の冒頭から、見てみましょうpⅦ~Ⅷ<INTRODUCTION> Art is for anyone. I know this viscerally, as a would-be aratist who burned out.I wrote about that recently, and ever since, I've been beset by questions. every lecture I give, every gallery I visit, people ask me for advice. what most of them are really asking is“How can I be an artist?” In a time when it seems like there are so many more artists, museums, and galleries than ever; when art seems constantly in the news; when platforms like Instagram are coditioning us all to think visually, to find the awsthitic stimuli our everyday lives-to allow“the little things[to]suddenly thrill you,”in Andy Warhols words-questions about creativity are in the air. But how do you get from wondering and worrying to making real art, even great art? Can I really be an artist if i didn't go to school? if I work full time? if I'm a parent? if I'm terrified? of couse you can. there's no single road to glory. Èveryone takes a different path. Yet over the years I've found myself returning to a handful of core ideas again. Most of these ideas come from the simple act of looking at art, then looking some more, and from my own motor memories of my years as a fledgling artist. Others come from listening to artists talk about their work and their struggles. I've even lifted some from my wife.
2023.03.08
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今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、3/07受取)・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、3/07受取)・西川美和『きのうの神さま』・池澤夏樹『詩のきらめき』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場】宮嶋茂樹著、文藝春秋、2022年刊<「BOOK」データベース>より2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。不肖・宮嶋は還暦過ぎの老体にムチ打って「ワシが行かんと誰が行く?」と最後の戦場を目指す。3月12日にキーウ入りして以来、4月17日に出国するまで各地で取材。そして5月、ふたたびウクライナへ。戦火の下、不肖・宮嶋が見た「戦場の真実」とは?<読む前の大使寸評>御年61歳の特ダネ狙いの著者が決死の覚悟でかましたドキュメンタリーとあれば・・・読むしかないで。<図書館予約:(10/09予約、副本1、予約12)>rakutenウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場【太陽諸島】多和田葉子著、講談社、2022年刊<出版社>より世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結!響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方はーー。国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!<読む前の大使寸評>サーガ三部作の完結編とのことで、期待が大きいのです。バルト海沿岸の港町が舞台とのことで・・・ロシアのスパイは出てくるか?(それはないか)<図書館予約:(11/21予約、副本5、予約17)>rakuten太陽諸島【きのうの神さま】 西川美和著、ポプラ社、2009年刊<「BOOK」データベース>より『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。『ディア・ドクター』に寄り添うアナザーストーリーズ。【目次】1983年のほたる/ありの行列/ノミの愛情/ディア・ドクター/満月の代弁者<読む前の大使寸評> 追って記入rakutenきのうの神さま【詩のきらめき】池澤夏樹著、岩波書店、2018年刊<「BOOK」データベース>より詩から詩へ、膨らむ言葉のイメージ。詩と詩の間に、ぽっと浮かび上がる青春、人生のかがやき。一冊の本の中に豊かに広がる、古今東西の言葉の持つ芳醇な世界。奔放な言葉の流れによってつむがれた、散文では表現できない想いを伝える、多くの詩を読む。詩人でもある著者が、誰もが見知った言葉の持つ、新鮮なきらめきを案内する。<読む前の大使寸評> 追って記入rakuten詩のきらめき図書館大好き582
2023.03.08
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図書館に予約していた『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』という本を、待つこと4ヶ月ほどでゲットしたのです。 予約するときになんか既視感を感じたが、やはりこの本を読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その4)とします。【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇「第10章 デス・バイ・アマゾンの第一犠牲者」から書店としてのアマゾンを、見てみましょうp395~401<読者良し、著者良し、出版社良し>“アマゾン・エフェクト”という言葉がある。アマゾンが参入した分野で急成長を遂げたため、同業他社を駆逐するという意味で使われる。同じく“デス・バイ・アマゾン”という言い方もある。米投資情報会社が12年に作った。アマゾンの台頭により窮地に陥る企業の株価を指数化したもので、その対象として、世界最大の小売業者であるウォルマートや百貨店のJCペニー、会員制量販店のコストコなどが挙げられている。 アマゾンが日本に上陸して以来、最も深刻な影響を受けてきたのは出版業界だ。現在のアマゾンジャパンにとって、書籍の売り上げは全体の一部となった。しかし、書籍の市場全体が収縮する中でアマゾンだけが膨張した結果、出版業界の商習慣やその在り方までをアマゾン仕様に変えようとしている。 アマゾンは16年1月下旬、出版社を対象とした事業方針説明会を開いた。300人近い出版社のトップや営業担当者が集まった。アマゾンの狙いは、出版社を直取引に勧誘することだ。 日本の出版業界の流通は、通常、出版社から取次(卸売業者のこと)をへて、諸点に届けられる。三者の間の取り分は、おおむね、出版社70%、取次8%、書店22%・・・とされてきた。1冊1000円の書籍を売れば、出版社には700円、取次には80円、書店には220円が入るという仕組みである。 取次とは、地味な存在ながら、出版における物流や決済を担い、3000社以上ある出版社と1万2000店ほどある書店をつないできた。年間8万タイトル前後刊行される新刊書籍を、雑誌と一緒に配本し、売れ残ったら返品を受け付けるという委託販売における扇のかなめのような役割を果たしてきた。 書店であるアマゾンは、この大正時代からつづく出版の流通慣行を壊し、取次を中抜きして出版社と直接取引をしようとしている。直取引のメリットを伝えるため、アマゾンの担当者が用いたのが「三方良し」という近江商人の言葉。近江商人は、「売り手良し、買い手良し、世間良し」で、売り手である近江商人だけが得をすればいいのではなく、買い手も満足し、さらに社会貢献にもつながる考えとしてこの言葉を使った。 一方、アマゾンが言う「三方良し」とは、アマゾンにとって顧客となる「読者良し、著者良し、出版社良し」を指す。アマゾンと出版社が直取引をすれば、それだけ流通のムダが減り、商品がアマゾンの物流センターに在庫されるまでのリードタイムが縮まるため、アマゾンの顧客である読者だけでなく、書籍の書き手にとっても、また、出版社にとってもメリットがある、と説く。 読者には読みたい書籍が迅速に届く。書き手には、アマゾンのページでの在庫なしの表示が減る。出版社には、機会損失を減らすことができる。いいところずくめである、というのがアマゾンの言い分だ。(中略)<いまや日本最大の書店> 現在のアマゾンの書籍の売上高はどれくらいだろう。「週刊東洋経済」は17年の「アマゾン膨張」という特集で、「書籍部門の年間売上高は約1500億円」という推計値を報じている(「週刊東洋経済」17年6月24日号)。 フリーライターの永江朗は、17年9月の日本出版労働組合連合会(出版労連)の講演会で「以前、アマゾンの幹部が日本文芸家協会で講演したときの話では、年商で1500億円から2000億円ぐらいとのことでした」と語っている。 前出の星野は言う。「専門紙から見ても、アマゾンの日本国内の書籍や雑誌の正確な売上高というのは、わかりません。ざっくりした数字で、2000億円ぐらいでしょうか。業界で売上高を公表している書店で1位はTSUTAYAの1300億円強で、2位が紀伊國屋書店の1000億円強。それより、アマゾンの方が上回っているという見立てです」 同業者であるジュンク堂書店の難波店の店長である福島聡は、「アマゾンが一番書籍を売っているのはたしかだと思っています。ただ、数字については、単なる想像になりますが、2000億円ぐらい売っているのかもしれません」 かりに、現在のアマゾンの売り上げを2000億円とすると、事業開始以来25倍に成長したことになる。業界が半分以下に落ち込んだことを考えると、アマゾンの独り勝ちの状態だ。その間、2万3000店以上あった書店が、約1万2000店まで減った。アマゾンの出版における売り上げのほとんどが雑誌を除く書籍である。書籍の業界全体の売上高が約7000億円であることからすると、アマゾンの市場占有率は30%近くを占めることになる。『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』3:巨象に立ち向かうアリ『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』2:はじめに『増える宅配、事故が怖い』:『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』1
2023.03.07
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図書館に予約していた『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』という本を、待つこと4ヶ月ほどでゲットしたのです。 予約するときになんか既視感を感じたが、やはりこの本を読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その3)とします。【潜入ルポ アマゾン帝国の闇】横田増生著、小学館、2022年刊<「BOOK」データベース>より潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。【目次第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>rakuten潜入ルポ アマゾン帝国の闇「第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入」からアマゾンの巨大倉庫を、見てみましょうp15~20<巨象に立ち向かうアリ>「とてつもなく大きくなったなぁ・・・」 と気圧されるような思いに陥ったのは、2017年10月14日のことである。 私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり。 再度潜入した先は日本で一番大きな小田原(神奈川県)の物流センターだった。そこでピッキング作業を開始したときの第一印象である。ピッキングとは、顧客が注文した商品を指示に従ってセンターの中から探してくる作業のこと。前回の潜入でも同じピッキング作業が割り当てられた。 私が私服の上に身に着けているのは、前後に名前が入ったブルーのたすき。そのたすきの上に掛ける新人であることを示す赤いリボン。支給されたゴム手袋。首から、名前と写真入りの入館証をかけるというスタイルだ。この姿でカートを押しながら、一日中商品を探して回る。 私が『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』を書くため、2002年の年末から約半年にわたり潜入したのは、市川塩浜(千葉県)の海辺にある物流センターだった(その後、市川塩浜駅前に移転)。 05年に書籍を出版したときまで、日本ではアマゾンジャパンに関するまとまった情報がほとんどなかった。私は約半年。アルバイトとして働きながら、物流センター内の作業工程や内部のレイアウト、人間模様などを細かく観察した。アルバイトの時給は900円で、契約は2ヶ月ごとの更新という条件だった。 同時に、国内外の新聞や雑誌記事のほとんどに目を通し、アマゾンについて話してくれる人々に話を聞いて回った。そのころ、創業者であるジェフ・ベゾスからの買収話を断ったブックサービス(16年、楽天ブックスに統合)の元社長や、アマゾンの物流センター業務や宅配便を一手に引き受けることで、ベゾスと話し合ったことのある日本通運の元役員、当時、アマゾンのライバルと目されていたbk1(12年、hontoに統合)の社長などだ。 書籍では、アマゾンがほとんど誰にも気づかれず急成長をつづけているのに加え、その労働現場にはアマゾン社員を頂点とした“カースト制度”にも似た身分制度があることも指摘した。アマゾン社員の次には現場を仕切る日本通運、そして最下層には自給900円で働くアルバイト。ルポライターの鎌田彗が70年代、期間工としてトヨタ自動車に潜入して書いた『自動車絶望工場』と比べ、私はアマゾンとの違いについてこう書いた。「トヨタの工場が『絶望工場』たりえたのは、当時はまだそこに“希望”があったからにほかならない。おそらくそれは、工員でもいいから大企業の社員となれば一生家族を養っていくことができる、という希望だろう。アマゾンのような職場にはそんな希望さえ求めることは難しい。この“希望”の有無こそが、トヨタとアマゾンを隔てる決定的な違いである」 15年ぶりの再潜入は、アマゾンの物流センターには未だに希望がないことを、この目で確認するために行った。 その当時、アマゾンが日本国内に持つ物流センターは市川塩浜の1ヵ所だけだった。2階建てで、延べ床面積は約1万6000平方メートル。それに比べ、今回潜入した小田原の物流センターは、13年稼働した。規模は5階建てで延べ床面積は約20万平方メートル。1階ごとの床面積を計算すると、市川塩浜が8000平方メートルに対して、小田原は4万平方メートル。その差は5倍である。 加えて、小田原以外にも10ヵ所以上の物流センターが日本中で稼働している。現在、すべてのアマゾンの物流センターの延べ床面積を合計すると、70万平方メートルを超え、ネット通販事業者としては最大だ。日本での立ち上げ時期と比べ、50倍以上の面積となっている。アマゾンを長年観察して来た私は、私が潜入した当時、同社がここまで成長するとは、だれも想像しえなかった、と断言することができる。 02年冬至のアマゾンの2本での売上高は約500億円(推定値)。それが18年の売上高は、約1兆5180億円。30倍以上に成長した。国内の小売業者の売上高ランキングでいえば、5位のユニー・ファミリーマートHÐを抜き去り、4位のヤマダ電機と肩を並べるまでに成長している。当然、通販のバックヤードである物流センターの数も、その床面積も大きくなる。 アマゾンは、小田原センターの広さを「東京ドーム約4個分」と表現している。それと比べると、市川塩浜のセンターは、せいぜい「小学校の体育館1個分」。どれぐらい違うかといえば、市川塩浜の場合、朝礼で顔を合わせたアルバイト仲間とは、1日のうちに何度も棚の間で行き違い顔を合わせた。しかし、小田原の場合、朝礼で顔を合わせたアルバイトと、そのあとの作業中に顔を合わせることはほとんどない。みんな広いセンターの中を散り散りになって、それぞれの作業に没頭する。(中略) 先に、市川塩浜の物流センターに比べ、1階あたりの面積は5倍になったと書いたが、それに1列当たり3倍の商品量であることを考えると、収納された商品量は、単純計算で15倍になる。その物量には、相当の威圧感があった。1列にある6つの棚に押し込まれた数多くの商品の中から、注文されたたった1個の商品を探し出すのは、考えただけで気持ちが萎える作業だった。巨象に立ち向かうアリの心境といったところか。 『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』2:はじめに『増える宅配、事故が怖い』:『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』1
2023.03.07
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・西加奈子『夜が明ける』(2/15予約、副本16、予約531)現在91位・砂川文次『小隊』(5/11予約、副本3、予約43)現在9位・松本修『言葉の周圏分布考』(8/15予約、副本1、予約16)現在9位・小田嶋隆『東京四次元紀行』(8/29予約、副本2、予約20)現在1位・和田秀樹『70歳の正解』(9/14予約、副本2、予約99)現在48位・デイブ・グールソン『サイレントアース』(10/01予約、副本2、予約13)現在1位・『語学の天才まで1億光年』(10/18予約、副本2、予約65)現在36位・鈴木エイト『自民党の統一教会汚染』(10/27予約、副本2、予約56)現在34位・『おどろきのウクライナ』(12/06予約、副本1、予約4)現在1位・小川哲『地図と拳』(2/01予約、副本6、予約196)現在181位・ジンセイハ、オンガクデアル(2/10予約、副本1、予約15)現在15位・砂漠と異人たち(2/25予約、副本1、予約5)現在5位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・養老孟司『形を読む』・『小川さゆり、宗教2世』:図書館未収蔵・篠田謙一『人類の起源』・ヤン・ヨンヒ『カメラを止めて書きました』・真鍋真『真鍋先生の恐竜教室』 ・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・スマラサーラ『怒らないこと』・横尾忠則「見えるものと観えないもの」・動的平衡3:あるいは購入<予約分受取:12/13以降> ・野口悠紀雄『円安が日本を滅ぼす』(9/07予約、12/13受取)・女のいない男たち(3/31予約、1/13受取)・塞王の楯(1/09予約、2/04受取)・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』(7/14予約、2/14受取)・真山仁『“正しい”を疑え!』(12/22予約、2/14受取)・温又柔『李良枝セレクション』(12/01予約、2/21受取)・酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』(5/02予約、2/25受取)・『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』(10/14予約、2/25受取)・『ウクライナ戦記 不肖・宮嶋 最後の戦場』(10/09予約、3/07受取予定)・多和田葉子『太陽諸島』(11/21予約、3/07受取予定)**********************************************************************【夜が明ける】西加奈子著、新潮社、2021年刊<「BOOK」データベース>より思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/15予約、副本16、予約531)>rakuten夜が明ける【小隊】砂川文次著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれたーー。<読む前の大使寸評>元自衛官の作家といえば、浅田次郎さんが、まず思い当たるが・・・砂川文次さんは次につぐ作家ではなかろうか。ロシアのウクライナ侵略に揺れる昨今、興味深い作品である。<図書館予約:(5/11予約、副本3、予約43)>heibonsha小隊【東京四次元紀行】小田嶋隆著、イースト・プレス、2022年刊<出版社>よりなんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/29予約、副本2、予約21)>rakuten東京四次元紀行【70歳の正解】和田秀樹著、幻冬舎、2022年刊<商品説明>より60代では約「40人に一人」だが、80代では約「3人に一人」ーー認知症の有病率、即ちボケる人の割合だ。脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳。いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まる。「老後にコレステロールは必須」「運動は〈走る〉より〈歩く〉」「仕事と勉強は死ぬまで」等々、老年医学の第一人者が「老いを遅らせる正解」を大公開した『老後は要領』を大幅改訂。健康で、人間関係にもお金にも追い詰められない「最高の老後30年」を送るための決定版。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/14予約、副本2、予約99)>rakuten70歳の正解【サイレントアース】デイヴ・グールソン著、NHK出版、2022年刊<「BOOK」データベース>よりレイチェル・カーソンが『沈黙の春』でDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。その間、私たち人間は、より毒性の強い農薬を使用することでさらに地球環境を悪化させてきた。土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されている。その最初の犠牲となるのは小さな無脊椎動物ー昆虫だ。集約農業や森林伐採による生息域の減少や急激な気候変動も加わり、昆虫の存在は危機に瀕している。他の生物の栄養源、作物の受粉、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持…。あらゆる生命を支えている昆虫がいま、「あなたの助けを必要としている」。昆虫をこよなく愛する著者が、地球の未来を守る具体的な行動指針を示す渾身の一冊!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/01予約、副本2、予約13)>rakutenサイレントアース【語学の天才まで1億光年】高野秀行著、集英社インターナショナル、2022年刊<出版社>より語学は魔法の剣!学んだ言語は25以上!の辺境ノンフィクション作家による、超ド級・語学青春記。自身の「言語体験」に基づき、「言語」を深く楽しく考察。自動翻訳時代の語学の意味を問う。さらにネイティヴに習う、テキストを自作するなどユニークな学習法も披露。語学上達のためのヒントが満載。そしてコンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘン栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られる。『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/18予約、副本2、予約65)>rakuten語学の天才まで1億光年【自民党の統一教会汚染】鈴木エイト著、小学館、2022年刊<出版社>より安倍元首相と教団、本当の関係。メディアが統一教会と政治家の関係をタブーとするなか、教団と政治家の圧力に屈せずただひとり、問題を追及しつづけてきたジャーナリストがすべてを記録した衝撃レポート、緊急刊行!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/27予約、副本2、予約56)>rakuten自民党の統一教会汚染【おどろきのウクライナ】橋爪大三郎×大澤真幸著、集英社、2022年刊<出版社>より権威主義国家VS自由・民主主義陣営プーチンは地獄の扉を開いた!世界史的地殻変動を文明と宗教で読み解くポスト・ウクライナ戦争の世界ー人々はなぜ、おどろいたのか。-それは、自明だと考えていた前提が、あっさり崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由と選挙とナショナリズムと。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/06予約、副本1、予約4)>rakutenおどろきのウクライナ【地図と拳】小川哲著、集英社、2022年刊<「BOOK」データベース>より「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本6、予約175)>rakuten地図と拳【ジンセイハ、オンガクデアル】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2022年刊<「BOOK」データベース>より貧困層の子どもたちが集まるいわゆる「底辺託児所」保育士時代の珠玉のエッセイ。ゴシック文学的言葉を唱え人形を壊すレオ。「人生は一片のクソ」とつぶやくルーク。一言でわたしの心を蹴破ったアリス。貧窮、移民差別、DV。社会の歪みの中で育つ、破天荒で忘れがたい子どもたち。パンクスピリット溢れる初期作品。『アナキズム・イン・ザ・UK』の一部に大幅増補。映画・アルバム評、書評を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/10予約、副本1、予約15)>rakutenジンセイハ、オンガクデアル【砂漠と異人たち】宇野常寛著、朝日新聞出版、2022年刊<「BOOK」データベース>より情報社会を支配する相互評価のゲームの(外部)を求め、「僕」は旅だった。そこで出会った村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンスー。20世紀を速く、タフに走り抜けた先人たちの達成と挫折から、21世紀に望まれる、新たな主体像を模索する「批評」的冒険譚。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/25予約、副本1、予約5)>rakuten砂漠と異人たち【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2023.03.06
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