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2023.02.11
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カテゴリ: メディア
中国の「スパイ気球」撃墜という騒動が気になりネットをめぐってみたので、以下のとおり紹介します。



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2023.2.7 中国の「スパイ気球」はいったい何を狙っていたのか より
 中国の気球が騒動になっている。

 中国の偵察気球がアメリカ上空を飛行していると、最初に大きく報じられたのは2月2日のことだ。米国防総省のパトリック・ライダー報道官が、偵察用の気球がアメリカに飛来したと発表した。

 結局、気球はアメリカを横断して、4日にF-22戦闘機により、サウスカロライナ州沖で撃墜された。回収された気球に搭載されていた機器などは、バージニア州クアンティコにあるFBI(米連邦捜査局)の研究所で精査されることになる。

■本当に「気象研究用」なのか
 中国側はこの気球が「気象研究用の民間の飛行機」であり、「不可抗力によってアメリカに迷い込んだ」ものであると主張し、アメリカの対応に激しく反発した。ただ、民間の飛行機であっても、アメリカの領空に勝手に入ったら、相応の対応が行われるのは当たり前である。まして無人の気球だ。撃ち落されても文句を言える立場にはない。逆に中国で同じことがあったら、同様の措置を取ることになるだろう。
 つまり、今回の件が不都合な事態だからこそ、中国側は過敏に反応していると見られる。今回の騒動は、単に気球がミスでアメリカに迷い込んだというような話では済まない。

■洋上に出るのを待って撃墜
 まず簡単に、ことの顛末をおさらいしたい。
 最初に気球がアメリカ領空に入ったのが確認されたのは1月28日で、アラスカ州のアリューシャン列島の上空だった。国防総省はそれを確認しているが発表することはなかった。というのも、トランプ政権時も3度、中国の気球がアメリカ上空を飛んでおり、当時は安全保障の脅威だとみなしていなかった。

 30日には気球はカナダに入ったが、翌31日にはまたアメリカのアイダホ州上空に入ったのを確認された。この時点で国防総省は撃墜も検討したが、残骸の落下により地上で被害が出ることを恐れて、そのまま飛行させた。

 2月1日になると、気球はモンタナ州上空に入る。すると、何人かの市民がその「飛行物体」を発見。この時点で、バイデン大統領は撃墜命令を発しているが、やはり地上の状況を鑑みて、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)が追跡を続けた。

 そして2日には政府高官らが「中国のスパイ気球」が飛来していると発表。モンタナ州には、150発のICBM(大陸間弾道ミサイル)を保管し、発射施設も設置されているマルムストロム空軍基地があったので、2日にはメディアなどでも大騒ぎになった。基地周辺の情報を集める意図があったのではないかと、専門家らも指摘し始めた。

 3日になると、気球は中部で目撃される。この事態を受けて、アンソニー・ブリンケン国務長官は、予定されていた訪中の延期を発表した。そして4日には、サウスカロライナ州沖で撃墜されたのである。

■気球の目的は何か
 この偵察機級について何よりも気になるのは、その目的だ。米政府高官らは早い段階で、この気球は、中国の偵察気球で「情報収集をしている」と指摘している。

 というのも、そのサイズが気象観測のための気球よりも大きいことが挙げられる。幅は27メートルほどあり、気球に付けられている機器が通常の観測機器とは別のものである可能性があるということだ。また、これまでになく長時間、アメリカ上空を飛行していたことも特筆すべきだろう。

 一方で、中国は世界で600機以上の軍事衛星を打ち上げ、監視衛星も大量に使っているので、「わざわざ気球で情報収集する必要はない」との見方もある。気球で地上の画像の収集をしていたのではないかとも指摘されているが、現在は衛星からもかなり高解像度で撮影ができるようになっているため、気球を使う必要性はそれほどないとも思われる。

 ただ少なくとも、気球ならば飛行ルートや撮影危機の角度などある程度のコントロールはできるので、上下に動いて小型化された機器で何らかの撮影を行うことが考えられ、衛星では難しいゆっくりとした動きで情報収集も可能かも知れない。

 加えて、気球にはセンサーなども取り付けられていると見られており、地上の通信データや無線トラフィック、電磁波、放射線などを拾っている可能性もあると見る専門家もいる。これは衛星ではできない“任務”であり、もしもこのようなことが実際に行われたとなれば、安全保障上の大きな脅威となる。

 気球の“任務”の詳細は、回収された気球の機器やセンサーなど解析を行うことで今後、明らかになっていくだろう。

 だがそれ以上に懸念されることがある。それは、気球が容易く米本土の上空に入ることができ、長い時間飛行した事実である。

■核物質や生物化学兵器の運搬・攻撃も不可能ではない
 今回は、気球にセンサーなどが付いていたと見られているが、何らかの攻撃のための機器を、米軍に悟られずに運ぶこともできた可能性がある。例えば、電磁波による攻撃が考えられるし、小型化された核物質や生物化学兵器などとともに気球が上空に現れる可能性すら否定できない。

 実は、今回の気球は、日本上空も通過してきた可能性が指摘されている。また2020年には仙台でも同様の気球が確認されており、当時は脅威ではないとしてやり過ごしたことがあった。今回のアメリカでの騒動は、決して他人事ではない。

 そもそもバイデン政権は、その発足後から中国を「戦略的な競争相手」と位置付けており、議会から「中国に甘い」と批判されてきた。だが実際は、中国を最大の脅威であると明確にし、中国に対する締め付けは続けてきた。それはCIAのウィリアム・バーンズ長官が2021年に「中国政府は21世紀最大の地政学的脅威である」と語った言葉からも明らかで、CIAは2021年10月に対中スパイ工作に特化した専門チームの立ち上げを発表している。

 また国務省も「チャイナ・ハウス」という組織を立ち上げ、対中政策に力を入れている。

■気球の分析でどのような結果が出るか
 一方で、ロシアのウクライナ侵攻の余波や、アメリカによる中国IT企業への規制強化、半導体サプライチェーンからの中国締め出しなど、国際社会の中で追い詰められた中国が台湾侵攻を強行するのではないかと懸念する声も高まっている。そうしたことから、バイデン政権は、2022年11月の米中首脳会談から、中国との対話のチャンネルを維持するよう働きかけを行なってきた。

 その流れで、ブリンケン国務長官は、新しく中国の外交部長(外相)になった秦剛(チンガン)氏と会談するために訪中することになっていた。これが今回の気球騒動で延期になった。

 実は、情報機関や米軍の中には、「アメリカも中国も、衛星からの監視やサイバー工作なども含むありとあらゆる手で情報収集をしている。気球一つくらいで大騒ぎするのはいかがなものか」という議論もある。中国が、アメリカ側の気球撃ち落しや外相会談延期などに対して、強く抗議しているのも、そうした思いが影響しているのかも知れない。

 ただ、電子機器が小型化や軽量化し、通信も可能で、しかも人工衛星に比べはるかにローコストで製造・運用できる気球は、十分安全保障上の脅威になる。上述のように、気球を利用した核物質や生物化学兵器による攻撃も可能だ。これまで何度か確認されてきた中国の気球が、直接的な安全保障の脅威になってはいなかったからといって、今回の気球が安全ということにはならない。バイデン大統領としては「いい加減にしろ」という意思表示だったのかも知れない。あるいは米国内の反中感情に配慮したのかも知れない。

 いずれにせよ、近づきつつあった米中の距離は、今回の一件で再び遠のき始めた。おそらくバイデン大統領は、基本的には中国と対話を続ける意思があり、この件でいつまでもやり合う意図はないだろう。ただ、撃墜した気球を分析して出てきた結果次第では、緊張がいっそう高まる可能性もある。
(山田敏弘・国際ジャーナリスト)

10日の報道によれば、回収した気球残骸からは通信傍受用と思われるアンテナが出て来たそうで、気象研究用の装備ではないようです。

その後のネット記事を見てみましょう。

2023.2.9 中国気球を撃墜した米軍F22、コールサインの由来は第1次大戦の「気球撃墜王」 より
 1月28日から2月4日(米国時間)にかけて、アラスカ、カナダ、アメリカ上空を通過した中国の気球を巡って、アメリカ政府・軍内外ではいまだに侃々諤々の議論が交わされている。

 連邦議会共和党をはじめバイデン政権に批判的な勢力は、中国“偵察”気球を撃墜するまで数日間も要した意思決定の遅さを問題にしている。また、国防長官ロイド・オースティン退役陸軍大将や統合参謀本部議長マーク・ミリー陸軍大将をはじめとする軍指導部に批判的な対中強硬派の人々は「あいかわらずの腰抜けぶりをさらけ出した」と攻撃している。

 一方、中国政府は「アメリカが中国の民間気象観測気球を戦闘機まで飛ばして撃ち落としたのは異常な過剰反応だ」と米側を強く非難している。

 これに対して米軍内外からは、中国も2019年に高高度から中国を偵察していた「外国偵察気球」を殲撃10C型戦闘機1機を出動させて霹雳10空対空ミサイルによって撃墜しており(参考:新浪新聞)、中国側の非難は当たらないと反論している。ただし、その反論に対し中国側からは、中国が撃墜したのは「軍事偵察気球」であって、アメリカが撃ち落とした「民間気象観測気球」とはまったく状況が違うという反論が寄せられているようだ。

■モンタナだったから大騒ぎ
 今回大騒ぎを引き起こした中国気球に類似した気球は以前にも(2017年以降に限るが)トランプ政権下で3回、バイデン政権下でも1回、アメリカ上空を通過しているが、アメリカ空軍は追尾捕捉はしなかった、とグレン・D・ヴァンヘルク空軍大将が明らかにした。

 要するに、軍隊ならば軍事偵察気球と推測するであろう巨大気球がアメリカの領空を侵犯したという状況は以前にもあったが、かつては真剣に対処しなかった、というわけである。

 しかしながら今回の気球に対しては、米中関係が劣悪になっている土壌に加えて、カナダからモンタナ州上空に侵入してきたため大騒ぎになってしまった。

 もし中国気球がモンタナ州ではなくハワイ上空を通過したのならば、同じ領空侵犯事件であってもさしたる騒ぎにならず、ヒッカム基地からF-22が出動して見せしめ的に気球を撃墜することはなかったであろう。大騒ぎになった理由は、モンタナ州グレートフォールズには「マルストローム空軍基地」が位置しているからに他ならない。

 モンタナ州中央部の1万3800平方マイルの土地に広がるマルストローム空軍基地には、大陸間弾道ミサイルを運用する第341ミサイル航空団が配置されている。150基のミニットマン-III大陸間弾道ミサイルが配備あるいは貯蔵されている西半球で最大の核兵器施設である。
(北村 淳:軍事社会学者)





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Last updated  2023.02.11 00:06:10
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