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2023.03.07
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』という本を、待つこと4ヶ月ほどでゲットしたのです。
 予約するときになんか既視感を感じたが、やはりこの本を読んでいたのです(またか)・・・で、今回の記事を(その3)とします。




横田増生著、小学館、2022年刊

<「BOOK」データベース>より
潜入ジャーナリストが巨大倉庫で見た“便利の裏側”とは?第19回新潮ドキュメント賞受賞作。
【目次
第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入/第2章 アマゾンではたらく社員の告発/第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす/第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪/第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望/第6章 わが憎しみのマーケットプレイス/第7章 フェイクレビューは止まらない/第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか/第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル/第10章 “デス・バイ・アマゾン”の第一犠牲者

<読む前の大使寸評>
追って記入

<図書館予約(10/14予約、副本2、予約10)>

rakuten 潜入ルポ アマゾン帝国の闇


「第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入」からアマゾンの巨大倉庫を、見てみましょう
p15~20
<巨象に立ち向かうアリ>
「とてつもなく大きくなったなぁ・・・」
 と気圧されるような思いに陥ったのは、2017年10月14日のことである。
 私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり。
 再度潜入した先は日本で一番大きな小田原(神奈川県)の物流センターだった。そこでピッキング作業を開始したときの第一印象である。ピッキングとは、顧客が注文した商品を指示に従ってセンターの中から探してくる作業のこと。前回の潜入でも同じピッキング作業が割り当てられた。

 私が私服の上に身に着けているのは、前後に名前が入ったブルーのたすき。そのたすきの上に掛ける新人であることを示す赤いリボン。支給されたゴム手袋。首から、名前と写真入りの入館証をかけるというスタイルだ。この姿でカートを押しながら、一日中商品を探して回る。

 私が『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』を書くため、2002年の年末から約半年にわたり潜入したのは、市川塩浜(千葉県)の海辺にある物流センターだった(その後、市川塩浜駅前に移転)。

 05年に書籍を出版したときまで、日本ではアマゾンジャパンに関するまとまった情報がほとんどなかった。私は約半年。アルバイトとして働きながら、物流センター内の作業工程や内部のレイアウト、人間模様などを細かく観察した。アルバイトの時給は900円で、契約は2ヶ月ごとの更新という条件だった。

 同時に、国内外の新聞や雑誌記事のほとんどに目を通し、アマゾンについて話してくれる人々に話を聞いて回った。そのころ、創業者であるジェフ・ベゾスからの買収話を断ったブックサービス(16年、楽天ブックスに統合)の元社長や、アマゾンの物流センター業務や宅配便を一手に引き受けることで、ベゾスと話し合ったことのある日本通運の元役員、当時、アマゾンのライバルと目されていたbk1(12年、hontoに統合)の社長などだ。

 書籍では、アマゾンがほとんど誰にも気づかれず急成長をつづけているのに加え、その労働現場にはアマゾン社員を頂点とした“カースト制度”にも似た身分制度があることも指摘した。アマゾン社員の次には現場を仕切る日本通運、そして最下層には自給900円で働くアルバイト。ルポライターの鎌田彗が70年代、期間工としてトヨタ自動車に潜入して書いた『自動車絶望工場』と比べ、私はアマゾンとの違いについてこう書いた。

「トヨタの工場が『絶望工場』たりえたのは、当時はまだそこに“希望”があったからにほかならない。おそらくそれは、工員でもいいから大企業の社員となれば一生家族を養っていくことができる、という希望だろう。アマゾンのような職場にはそんな希望さえ求めることは難しい。この“希望”の有無こそが、トヨタとアマゾンを隔てる決定的な違いである」
 15年ぶりの再潜入は、アマゾンの物流センターには未だに希望がないことを、この目で確認するために行った。

 その当時、アマゾンが日本国内に持つ物流センターは市川塩浜の1ヵ所だけだった。2階建てで、延べ床面積は約1万6000平方メートル。それに比べ、今回潜入した小田原の物流センターは、13年稼働した。規模は5階建てで延べ床面積は約20万平方メートル。1階ごとの床面積を計算すると、市川塩浜が8000平方メートルに対して、小田原は4万平方メートル。その差は5倍である。

 加えて、小田原以外にも10ヵ所以上の物流センターが日本中で稼働している。現在、すべてのアマゾンの物流センターの延べ床面積を合計すると、70万平方メートルを超え、ネット通販事業者としては最大だ。日本での立ち上げ時期と比べ、50倍以上の面積となっている。アマゾンを長年観察して来た私は、私が潜入した当時、同社がここまで成長するとは、だれも想像しえなかった、と断言することができる。

 02年冬至のアマゾンの2本での売上高は約500億円(推定値)。それが18年の売上高は、約1兆5180億円。30倍以上に成長した。国内の小売業者の売上高ランキングでいえば、5位のユニー・ファミリーマートHÐを抜き去り、4位のヤマダ電機と肩を並べるまでに成長している。当然、通販のバックヤードである物流センターの数も、その床面積も大きくなる。

 アマゾンは、小田原センターの広さを「東京ドーム約4個分」と表現している。それと比べると、市川塩浜のセンターは、せいぜい「小学校の体育館1個分」。どれぐらい違うかといえば、市川塩浜の場合、朝礼で顔を合わせたアルバイト仲間とは、1日のうちに何度も棚の間で行き違い顔を合わせた。しかし、小田原の場合、朝礼で顔を合わせたアルバイトと、そのあとの作業中に顔を合わせることはほとんどない。みんな広いセンターの中を散り散りになって、それぞれの作業に没頭する。
(中略)
 先に、市川塩浜の物流センターに比べ、1階あたりの面積は5倍になったと書いたが、それに1列当たり3倍の商品量であることを考えると、収納された商品量は、単純計算で15倍になる。その物量には、相当の威圧感があった。1列にある6つの棚に押し込まれた数多くの商品の中から、注文されたたった1個の商品を探し出すのは、考えただけで気持ちが萎える作業だった。巨象に立ち向かうアリの心境といったところか。 


『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』2 :はじめに
『増える宅配、事故が怖い』 :『潜入ルポ アマゾン帝国の闇』1





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Last updated  2023.03.08 15:26:31
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