全6件 (6件中 1-6件目)
1

チェスにおいては1997年に世界チャンピオンが、ディープ・ブルーに敗れている。さらにチェスよりも難解な将棋でさえ、すでに名人をもってしてもAIには全く歯が立たなくなってしまった。そんな中で世界最高峰の知的ゲームと言われる囲碁においてだけは、つい最近までAIが三子というハンデをもらって、人間のトッププロと戦っていたのだが・・・。 ところが運命の2016年3月。グーグル社が開発したディープ・ラーニングという技術で新次元に到達したAI『アルファ碁』が、世界のトップクラス棋士である韓国のイ・セドルをハンデなしで、4勝1敗で葬り去ってしまったのである。これには世界中が驚愕し、AIが人間を超えたことを認めざるを得ない事態となってしまった。 さらに翌2017年5月になると『アルファ碁』は『マスター』バージョンに進化し、なんと世界ランキング一位の棋士である中国の柯潔にも、3勝無敗で圧勝してしまったのである。さらに『マスター』はインターネット上で、世界のトップクラス棋士たちと次々に対戦し、60連勝という大記録を打ち立ててしまうのだった。こうして人間の能力を遥かに超えてしまった『アルファ碁』は、「もう人間とは戦わない」と宣言して引退してしまうのである。 だがAI同士の戦いは続けられ、2017年10月にはさらにバージョンアップした『アルファ碁ゼロ』が、『マスター』と100戦して89勝の好成績を収めている。さらにそれだけではおさまらず、2017年12月にはさらなるバージョンアップを遂げた『アルファゼロ』が発表されるに至ったのである。 もうこうなっては人間の出る幕は全くない。世界のトップ棋士でも『アルファゼロ』には、三子以上置かなくては勝負にならなくなってしまった。なんと2016年3月以前と比べると、人間とAIの立場が大逆転してしまい、AIはたった2年足らずで6子分(約6段差)も進化してしまったのであった。グーグル恐ろしや、ディープラーニング恐ろしやである。それから数年間は、プロ棋士たちが従来の定石を捨てて、AIに教えを乞うという時代が延々と続いてゆく。 それから10年後の2028年のことである。日本では圧倒的な強さを誇る新人プロ棋士が大活躍していた。彼の名は朽木研人と言い、端正なマスクと180cmの長身を誇り、特別採用試験でプロ入りし、あっという間に七大タイトルの全てを奪取してしまったのである。 それだけではない、プロ入りしてから現在まで、なんと全く負けなしの100連勝中で、かつそのほとんどが圧倒的な中押勝ちであった。10年前に7冠王だったあの井山裕太でさえ、当時の勝率は7~8割程度だった。また日本囲碁史上最高の年間勝率をあげた鬼才・坂田栄男をしても、.9375(30勝2敗、1964年)と僅かに及ばないし、当時より対局数が圧倒的に増えているので単純に比較するのは無理があるだろう。 さて国内では全く敵なしの朽木であったが、プロ棋士になって2年弱程度のため、これまで海外の棋士との対戦は未経験であった。だが昨年のNHK杯で優勝し、テレビ囲碁アジア選手権戦へ出場することが決まった。そしてその結果は、並みいる韓国・中国の強豪たちを全て中押勝ちで葬り去り、15年ぶりに日本に優勝をもたらしてくれたのである。 その後に何度も国際戦で海外のトップ棋士達と戦う機会が増えたのだが、全ての対局に圧勝し朽木と対等に勝負できる棋士は最早誰もいなくなってしまった。それまではマスコミでもてはやされ、囲碁人気も沸騰していたのだが、余りにも一方的に朽木だけが勝ち進んでゆくため、人々はだんだん興ざめし始めたようだ。 もう朽木とまともに勝負できる人間は、世界中に誰もいなくなってしまった。それでとうとう10年以上前に引退したあのAI『アルファゼロ』に復活してもらい、朽木と対戦してもらうことになったのである。 この新しいニュースには、囲碁に興味を失っていた人々も沸きはじめた。昔だったら、100%人間に勝ち目がなかったが、驚異的な快進撃を続ける朽木なら伝説の『アルファゼロ』を打ち破るかもしれない。日本だけではなく全世界の人々が、やっと人間がAIにリベンジする時がやってきたと大騒ぎしている。果たして朽木はアルファゼロに勝てるのだろうか。 結果はなんと朽木の3連勝!!。リベンジ成功。ついに人類は再度AIを超えたのである。全世界の人々は狂喜し、あちこちで祝杯を挙げる人々で一杯だ。「祭りだ!祭りだ!祭りだ!」。 このリベンジ劇は、囲碁の世界だけに留まるものではなかった。既にAIに凌駕されていた医療やビジネスの世界、はたまた創作の世界に携わる人間達にとっても嬉しい出来事だったのである。 ところがこの世紀の対局が終了すると、いつの間にか朽木の姿が消えてしまった。そしてそれ以降、彼の姿を見た者は誰もいなかったと言う。いやたった一人を除いて・・・。そもそもこれだけ有名になった朽木だが、不思議なことに彼の出生や経歴などについては謎だらけだったのである・・・。 ・・・・・朽木は地下にある研究室で整形手術を終え、頭部に何本もの細いチューブを巻き付けたままベッドの上に横たわっていた。明日からは全くの別人として生きて行かねばならないのだ。 そう彼は3年前に寺田博士によって、脳の中にAIを組み込まれたサイボーグだったのである。そして彼の父親は、人間がAIに子ども扱いされる時代に失望し、それを苦にしながら自殺した伝説の囲碁オタク棋士と呼ばれた故・野々宮悟九段であった。作:五林寺隆※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.29
コメント(0)

飲み過ぎは 猛暑のせいだともう一杯ヒグラシが お酒飲もうとカナカナナ糖尿病 禁酒宣言とんぼ飛ぶ作:朽木一空※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.23
コメント(0)

「真夏の夜のお口直しに、三好達治の名詩をお楽しみください」私のうたは砂の砦だ海が来てやさしい波の一打でくずしてしまう私のうたは砂の砦だ海が来てやさしい波の一打でくずしてしまうこりずにそれでもまた私は築く私は築く私のうたは砂の砦だ無限の海にむかって築くこの砦は崩れ易いもとより崩れ易い砦だ青空の下太陽の燃える下でその上私の砦は孤独だ援軍無用孤立無援の砂の砦だ私はここで指揮官だ私は士官で兵卒だ砲手だ旗手だ伝令だ鷗が舞う鳶が啼く私はここで戦った私はここで戦った無限の海無限の波波が来て白い腕(かいな)の一打ちで崩してしまう私の歌は砂の砦だこの砦は砂の砦だ崩れるにはやく築くにはやいこれははかない戦場だ波がきてさらったあとにあとかたもない砂の砦だ私のうたは砂の砦だ……作者:三好達治※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.19
コメント(0)

晩酌と水分補給に昼ビール晩酌で元気出るのよ女酒そわそわと晩酌までの数時間作:朽木一空※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.16
コメント(0)

久々に逢う友たちと飲めぬ酒飲み下手くそなカラオケ歌う年寄りが三人以上集まれば、病気自慢が花盛りかな作:五林寺隆※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.09
コメント(0)

暑くてすみません、空蝉が嗤っています。閑さや 岩にしみ入 る 蝉の声 松尾芭蕉撞鐘も ひびくやうなり 蝉の声 松尾芭蕉やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声 松尾芭蕉 この刻を 待ち一斉に 蝉鳴き出づ 山口誓子ジージージージージージージージージージージージーミーンミンミンミー、、、ミーンミンミンミー、、、ミーンミンミンミー、、、暑いぞ暑いぞ、蝉時雨、蝉時雨、蝉の唸るような熱い鳴き声が頭上から降りかかる、豪雨のような、止む気配もない、蝉時雨、蝉時雨、だが、蝉にとっても今年は大誤算、七年間も土の中で我慢して、やっと出てきたら、まさか、こんなに暑いとは、ああ、脱皮するのではなかった。もう一年、土の中で暮らすべきだった。真夏、盛夏、盛暑、酷暑、猛暑日、夏日、真夏日、熱帯夜、ここはインドか、エジプトか、それともサバンナ、サハラ砂漠か、ゲッ、40度超えた、、だが、愚痴を言ってる暇はないのだ。地上に出れば、あと、七日の命、鳴き続けねばならぬのだ。子孫を残すために、種族保持のために、懸命に鳴く、七年間、地面の下で這いつくばっていた暗い生活から解き放たれた今のこの一瞬を生きるために、熱中症にも、熱射病にも負けず、木陰で休むこともなく、挫けず、怠けず、身体を震わせて、全身全霊、死ぬその日まで、力の限り叫んでいるのです、これが男蝉の生きる道じゃ、、、よっしゃー!、暑いのは地上だけではなかったのです。地面の下も暑くて暑くて、だから、ミンミンゼミ、油蝉、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ヒグラシまでも、みんな我慢できずに脱皮の順番狂わして、這い出して、ジッジッジッ、、、ジッジッジッ、、、ジージージージージージージージージージージージーミーンミンミンミー、、、ミーンミンミンミー、、、ミーンミンミンミー、、、ジー……ツクツクツク……ボーシ! ツクツクボーシ!ツクツクボーシ!ツクツクボーシ!ツクツクボーシ!ツクツクボーシ!ツクツクボーシ!ウイヨース!ウイヨース!ウイヨース!ジー……カナカナカナ、、カナカナカナ、ジッジッジッ、ジージージー、ミンミンミー、ツクツクボーシ、みんな一緒になって鳴いているのです。暑いのです、蝉だって暑いのです、暑さの中で、懸命に生きている蝉なんです。けれども、暑いからといって、木陰で休む訳にはいかないのです。エアコンの部屋で昼寝はできないのです、ですからどうぞ、ああ、蝉がうるさい、暑苦しい虫だ、殺してしまいたい、「うるせえな、暑いんだよ!!」などと怒鳴らないでください。そして、公園の片隅で蝉の抜け殻をみつけてら、蝉は近くの木の上で鳴いていますから、踏みつぶさずに、「暑さに負けるな、がんばれよ!」と、声をかけてやってくださいな。ジッジッジッ、ジージージージージージージージージージージーミーンミンミンミー、ミーンミンミンミー、ミンミンミンジッジッジッ、ジージージー、ミンミンミー、ツクツクボーシ、やっぱり、暑い鳴き声だ、、、、、、作:下肥 流行※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。にほんブログ村
2018.08.03
コメント(0)
全6件 (6件中 1-6件目)
1