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「君の名は。」 2016年 日本映画
監督・原作・脚本 新海誠
声の出演 神木隆之介 上白石萌音
新年あけましておめでとうございます。 ( 今更ですが、一応新年一発目なので。 )
平成 30 年 ( すごいですね、もう 30 年ですか。 ) のお正月に地上波初登場で放映されていた、超大ヒット作「君の名は。」です。いつもの如く、映画ファンだが超貧乏なおじさんは、劇場公開では観ることができず、お正月ということで特別に放映されていたこの映画、超ヒットで超話題だったこの映画ですが、やっと初観賞です。
東京四ツ谷に暮らす男子高校生・ 立花瀧
(
神木隆之介
)
は、ある朝、目を覚ますと岐阜県飛騨
地方の糸守町に住む女子高生・ 宮水三葉
(
上白石萌音
)
になっており、逆に三葉は瀧になっていました。2人とも奇妙な夢だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごします。
翌朝、無事に元の身体に戻った2人は入れ替わったことをほとんど忘れていましたが、その後も週に2.3回の頻度でたびたび入れ替わりが起きた事という周囲の反応から、それがただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づきます。性別も暮らす環境もまったく異なる瀧と三葉の入れ替わりには困難もありましたが、お互い束の間の入れ替わりを楽しみつつ次第に打ち解けていくのでした。
しかし、その入れ替わりは突然途絶え、記憶を頼りに描き起こした糸守の風景スケッチだけを頼りに瀧は飛騨に向かいます。瀧の様子を不審に思い心配していた友人・ 藤井司
とバイト先の先輩・ 奥寺ミキ
もそれに同行します。しかし、ようやく辿り着いた糸守町は、3年前に隕石
(
ティアマト彗星の破片
)
直撃で消滅していたのです。

観てみてなるほど、いい映画ですね。とても丁寧に作ってありますし、適当に危機があって、見事なハッピーエンドで、観ている誰もが瀧あるいは三葉に感情移入して、ドキドキハラハラし、すっきり安心できる、いい話です。よくある入れ替わり物という人もいますが、これだけ離れた場所で、時間も空間も超越した入れ替わり物は、初めてです。
(
少なくとも僕は。
)
声の出演の皆さんも、神木くんを筆頭に見事な演技で文句のつけようがありませんし、絵もきれいですし、聖地巡礼する人の気持ちもわかります。
というわけで、大大大大ヒットし、多くの賞ももらっている名作ですが、やっぱりツッコむところはツッコんでおかないと、このブログにふさわしくないので、ちょっと書かせていただきます。
冒頭、ダイジェスト的に、飛んできたティアマト彗星 ( 架空のすい星です。 ) の分裂した破片が、軌道を変えて地上に向かってくる映像が映されます。
「あれ?彗星って、あんなふうに分裂するもの?」「分裂したら、本体の軌道も変わるんじゃない?」「本体の方も地球に落ちてくるんじゃないの?」「すごい近くを通っているように見えるけど、大気圏内で分裂 ( つまり爆発 ) したら、地球の受ける影響はそんなもんじゃないだろう?」「大体、あんな近くを通っていたら、地球や月に引力的な影響があるはずだよなあ?」と、元理系少年のおじさんは、「????????」という頭で、物語に入っていったわけです。
前半の2人の入れ替わりによるコミカルな展開を楽しみつつ、思春期の男女の入れ替わりにもかかわらず性的な描写がない ( 三葉の姿で目覚めた瀧がおっぱいを触っている場面はありますが、妹の四葉を絡め、コミカルに消化しています。 ) のは子どもも観る映画だからしょうがないんだなあと思いつつ、途中で2人の曜日の認識のずれに気づきもしかして時間がずれてる?と思いつつ、ニュース映像の彗星の軌道図に違和感を持ちつつ、後半の展開 ( 非常に多くの方が鑑賞している作品ですが、一応、どうなるかは秘密にしておきましょう。 ) にハラハラドキドキしつつ、頭の片隅で、最初に感じた疑問が残ったままでした。
で、観終わってすぐに、「彗星 分裂」とか、「彗星 爆発」とか検索して調べてみました。
彗星の分裂については、結構例があるみたいですが、その破片が惑星に衝突した例は非常に少ないみたいで、 1994 年のシューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突の例のみが出てきました。僕もそういえば、と思い出したわけですが、あの時は、木星に近づきすぎたため、木星の引力に耐えきれず、いくつかの破片に分裂し、そのすべてが木星に衝突吸収されたはずです。この映画のように、分裂した破片が一部地球に落下し、残った部分は軌道を変えずに飛び去って行くという例は全く見つかりませんでした。
僕が一番疑問に感じているのは、爆発分裂して、片方は軌道を変えて惑星に衝突し、もう片方は軌道を全く変えずに飛び去って行くという、運動量保存の法則に全く反する動きについてですが、そういう実例は全く見つけられなかったのです。
飛び去った本体に対して、分裂した部分がほぼ無視できるほど小さい破片でしたら、そういうことも起こりうるかなと思うのですが、画面で見る限り、そうではなく、結構大きな破片が分かれているように見えます。それに、大気圏で燃え尽きず ( 隕石が大気圏で燃え尽きるものを“流れ星”と言います。 ) 、地球に衝突していることから、結構大きな隕石であるはずで、それに対して、彗星本体が圧倒的に大きいとしたら、あれほどの至近距離 ( 何しろ月よりも近いところを通っているのです。 ) を通っていたら、通るだけで地球への影響は多大なはずなので、筋が通りません。
「どうせ、“入れ替わり”という有り得ないことを描いているお話だから、有り得ないことが起こってもいいじゃん。」という人もいるでしょう。しかし、題材が“入れ替わり”と言う有り得ないことだからこそ、その基盤となる基本設定はリアルを追及するべきだ、と僕は思います。よりリアルな舞台であるからこそ、空想な部分が際立ち、観客はのめりこんで観賞できるのではないでしょうか。
と、僕は思うからこそ、非常に残念に思うのです。

ということで、大ヒットした傑作ですが、非常に残念に感じてしまったというお話でした。
ちなみに、ごく近い時間 ( 宇宙的に何千年は非常に短い時間です。 ) の間に、ほぼ同じ場所に、クレーターができるほどの隕石が3つも衝突するという偶然は極めて0に近いことですが、全く0ではないので、ツッコまないでおきましょう。
ところで、三葉が生む女の子は五葉という名前に決まっているんですね。あっ、三葉が東京に居るということは、妹の四葉が神職を継いで、その子が五葉になるんですかね。
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