前門の虎、後門の狼　<年子を抱えて>

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2005/09/07

２年ぶりの野球観戦

(2)

テーマ：タイガース党(8582)

カテゴリ： baseball

先週、義母が新聞の折込広告から１枚のチラシを抜き出し、

契約している中日新聞販売店のチラシで、
ナゴヤドームの中日×阪神のチケットをペアで１名様にプレゼントだって！

見ると、私が友達（＋お子様２人）に会うために名古屋に行く日と同じ日ではないか。
坊は夫の実家に預けて、小姐だけ連れて友達と会う予定だが、
もしドームにも行くとなると、同じ名古屋だからちょうどいいといえばちょうどいいが、
小姐も留守番ということになる。丸一日、チビ２人を預かってもらうなんて…。
まぁ、まだ当たるかどうかもわからないしね、当たってから考えよう！などと思っていたら、

小姐は昼寝のペースが乱れるとグズってグズって手におえないのだ。
自宅以外では眠れない、かといって昼寝をしないともたない。
野球など見に行ったら帰宅は10時過ぎ、丸一日預かるのは義父母も疲れるだろう。
しかし、こんな優勝争いの最中にチケットがとれたなんて滅多にないチャンスである。
義母だって、私にプレゼントするために応募した。
ちょうどその日は仕事が休みで、夫婦で孫のお守りができるから行っておいでと。

お言葉に甘えさせていただくことにした。
普段、子どものペースに合わせていろいろ我慢しているけど、
今日ばかりは自分の楽しみを優先させていただきます。
小姐よ、坊よ、お母ちゃんは日頃のストレスを発散してくるぞ！
じいちゃんばあちゃんの言うことよく聞いていい子にしとれよ！

と言うと大袈裟かもしれないが、普段はテレビ観戦すらまともにできない状態だし、
あと数年は観戦に出かけるなんて無理だろうと諦めていたので、やっぱり夢のようだ。

昼間は鳴海で友達と会っていた。野並まで送ってもらい、そこから地下鉄に乗った。
桜通線といえば、私が在学中に野並まで開通した路線だ。
当時は物珍しさもあって、桜通線に乗ってみたくて、

あれからもう10年も経っているんだね。ちっとも珍しくなくなったんだわ。
それにしても、桜通線は地下の深いところを通っているらしく、階段がやたら長い！

野並からは、新瑞橋で名城線に乗り換えて、ナゴヤドーム前矢田に向かうのが一番近い。
最近、名城線は環状線になり、新瑞橋～ナゴヤドーム前矢田は新設区間なので
是非乗ってみたいと思ったが（何を隠そう私は電車好き♪）、
中途半端に時間があり、迷った。今すぐドームへ行っても開門はしているが、
夫はギリギリにならないと到着しないだろうし、私も少し寄り道するか！

向かった先は伏見（ドームとはまったく別の方向なので、正確には寄り道ではない）。
新瑞橋を通過して丸の内まで乗り、そこから１区間だけ鶴舞線に乗って伏見へ。
なぜ伏見を目指したかというと、まだ制覇していないスタバがあるからだ。
私は仕事の関係で８ヶ月ほど東京にいたが、その時スタバにはまった。
地元に戻ってからもスタバ熱は冷めず、たまに主張で東京に行った帰りに寄ったり、
野球観戦のため東奔西走したついでに寄ったりしていた。
そんなことをくり返すうちに、スタンプラリーのような気分になり、
ついには、スタバを100軒制覇しようなどというアホな計画をたててしまった。

小姐が生まれてからはフットワークが鈍ったが（当然だ！）、
現在140店舗ほど制覇したことになる。
国内に500店はある（もっとか？）から、たいした数字ではないのだが、
最寄のスタバまで小１時間かかる田舎者ということを踏まえると、結構な数字だろう。
それだけお金もつぎ込んでいるということだ、いやはや…。スタバさん感謝してくれ。
小姐が生まれる直前、県内は１店舗を除いてすべて制覇というところまでいったが、
この２年少々の間に急激に増え、しかもすべて名古屋方面なので、
おいそれとは行くことができなくて（我が家は県の端）、とても追いつけない。
しかし、今日は鳴海と伏見、２店舗制覇できた！

小姐が生まれてからというもの、
行くスタバといえば決まってショッピングセンターの中に入っている店舗だったので、
ビジネス街である伏見の店舗に入った時は、妙に懐かしい感覚があった。
営業途中とおぼしき背広姿のサラリーマン。参考書を開いている学生。
東京にいる頃、会社帰りによく寄っていたので、
スタバ＝ビジネス街の店というイメージが最初に根付いたせいもある。
数年前までは、こういう店舗に入ることは何も珍しくなかったのだ。
それが今は…。立場が変われば生活スタイルも変わるということを実感した。

窓の外には、高く聳え立つビルがいくつも見える。足早に行き交う人々がいる。
今見えているこの風景は、私にとっていかに非日常的だろうか。
たまたま今日は訳あって小姐も坊も連れていないが、
行きずりの人には、私という人間がどのように映るのだろうか。
一人でいても、糠味噌くさい（！）主婦に見えるだろうか。

目の前はヒルトンホテル。就職活動でよくここへ来たっけ。
真夏のクソ暑い中、リクルートスーツで汗をかきながら…。
圧迫面接もあった。ずっと、忌まわしいと思っていたけど、
今になって振り返ってみれば懐かしいの一言である。
しばらくボーッとした。こんな時間もたまにはいいね。
小姐はグズっていないかしらと気になって、電話をかけることも考えたが、
もし寝ていたとしたら電話など鳴らさないほうがよい。
たぶん大丈夫だよね…と言い聞かせ、席を立った。

伏見から１区間だけ東山線に乗り、栄へ。
そこから名城線に乗り換え、いざドームヘ！

車内でも、阪神のユニフォームやＴシャツを着た人を何人も見かけた。
敵地で、球場に着く前から阪神ファンだと証明しながら歩くなんて、
少し前なら考えられなかったが（私だけか？）、
一昨年の優勝で変わったのだろか？
実は私、横浜スタジアムから関内駅に向かう途中で、背後から
「女の子じゃなかったら殴っとる」みたいなことを言われたことがあるのです。
まだ阪神が低迷していた頃の話ですが、その時ハッとしました。
阪神のユニフォームを着たまま、球場の外に出てしまったのです。
その日は阪神が勝ちました。声の主は横浜ファンです。
そうか、ここは敵地だ。敵地では反感を買うような行動は慎もう。
そう思っていたのですが…。

あぁ、駅からドーム前までが結構歩くんだ、これが。
「ナゴヤドーム前矢田」とうたっているけど、「前」じゃないぞこの距離は！
大曽根から歩くよりは近くなったけどねぇ。
（そういえば名鉄の「ナゴヤ球場前」って「山王」に名称変更したんだね）

席は５階。エスカレーターをのぼってのぼって、フー、やっと着いた～。
相変わらず下を見ると怖くなるような角度だが、
選手が米粒みたいに見える外野の５階席よりは断然いい。
私が到着したのは、両軍の先発バッテリーが発表されるちょうどその時！
川上と下柳か～。予想どおりだな。

試合開始10分前に、夫が到着した（仕事は午後半休）。
数分後に妹からメールが届いた。
「今日ドームだって？どっちが勝とうが、帰りは無口な夫婦だよね～」
優勝争いのカードで、夫婦が別々のチームを応援するという図。
我ながら恐ろしい！そう、夫婦喧嘩勃発は覚悟の上で来ているのだ。

阪神打線は川上をなかなか打てなかったが、
それ以上に中日打線は下柳を打てなかった。
井川は攻略できるのにね。多彩な変化球で翻弄、まさにベテランの味だね。

好投の下柳を６回からスパッと代えて藤川を出すという仕掛けの早さが
もつれる展開になった原因と思われるが、緊張感のあるいい試合だった。
とはいっても、遠くから来ているし、子どもたちも心配なので、
８時半になったらひきあげようと事前に決めていたので、
７回裏までしか見られなかったのだが…。

そう、７回裏といえば！
金本のホームランで１－０と阪神がリードしていたのに、
谷繁のあわやスタンドインというタイムリーで同点に追いつかれた。
くぅぅ～！と唸る私に、夫が「同点で帰ったほうが夫婦円満」
そりゃそうだけど…。
最初は、野球観戦に来られたことだけで嬉しいって言っていたのに、
やっぱり、人間欲が出るものですな（笑）。

帰りの名鉄の中、携帯で、８回表に阪神が加点したことを知った。
さらに９回表にも追加点が入ったことを知り、
よし、このまま久保田で逃げ切りだと思ったのも束の間、
追いつかれとるやんか～！何しとんじゃボケェ～！

夫の実家に到着すると、小姐が「おとう！」と言って飛びついてきた。
お母さんじゃなくてお父さんなのね…。まぁいいわ。
トラッキーのパペットを差し出したら「がお～」と喜んでいた。

そして、自宅へ向かう車中でラジオを聞いた。
中村豊の決勝弾が飛び出した。劇的な今シーズン第１号！
夫は静かに「優勝するチームは、こうだよな。
よもや期待もしていない選手が意外な活躍をするんだよな」

今日はすばらしい１日だった。
すべては、義父母のおかげ。お土産のドーム饅頭くらいじゃ足りないね！

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