前門の虎、後門の狼　<年子を抱えて>

< 新しい記事

新着記事一覧(全2142件)

過去の記事 >

2007/07/16

美しい相撲が見たい

(4)

テーマ：相撲(1884)

カテゴリ： Sumo

新聞記事より ―――

◆大相撲名古屋場所８日目　○朝青龍（つり落とし）高見盛●（15日・愛知県体育館）

朝青龍の全身に忘れかけていたパワーがよみがえった。
約２年ぶりの対戦でいつも以上に過剰な高見盛のパフォーマンスに闘志が沸点に達した。
「何だ！と思うぐらい向こうが気合入ってたからこっちも気合が入った」。
立ち合いで激しく当たると強烈なもろ差しで高見盛のまわしを引きつけた。
クライマックスは次の瞬間だ。

両腕で、188センチ・143キロの“ロボコップ”の体を挟み込むようにつり上げた。
「まっすぐ上げたからどこに落とそうかと思った」。

出たぁ。つり落としだ。朝青龍スペシャルがさく裂だ。
あまりの勢いに最後は高見盛の背中に乗っかってしまうほど。
本場所では04年夏場所10日目の琴光喜戦以来、約３年、19場所ぶりの復活だ。
「向こうの気合にこっちも気合で返してやった。相撲は気合だよ」。
久々の荒業復活はＶ２０の横綱に闘志がよみがえった表れだった。

初日で黒星を喫し１敗で全勝の新横綱・白鵬らを追う。
古傷の左ひじはいつ痛みが再発するか分からない苦しい場所だが、
前夜、母国モンゴルから勇気をもらった。
モンゴルを訪問中の皇太子さまが出身地のハラホリンを視察され、
両親が所有する遊牧民の住居「ゲル」を案内したのだ。
「両親から電話があった。皇太子さまがいらっしゃってくれてうれしいです」。

北の湖理事長は「こういう相撲を取れば乗ってくる」と評価。
今場所は夜も出歩かず全神経を土俵に集中している。
折り返しの後半戦。白鵬に主役の座は譲らない。

************************************************************************

げげげっ。これ、スポーツ報知だったのか！

「出たぁ」って何よ。勿論、皮肉よね？まさか賞賛なんかしないでしょうね？

その昔、無敵の横綱といわれた千代の富士が、寺尾をつり落としで破ったことがあった。
これがつり出しなら、まるで人間起重機だわ～と感心するところなのだが、
つり落としだったから背筋に冷たいものが走った。なんて野蛮なんだろう…と。

気分が悪くなるからあんな決まり手はもう見たくないと思っていたのに、
どうも朝青龍はこれをやりたくて仕方がないようである。
相手が誰だったか忘れたが、後ろについて捕まえた時、さっさと送り出せばいいのに、
捕まえただけの体勢で、いつ投げ捨ててやろうかと考えているのがミエミエで、
吐き気をもよおしたことがある（結局、つり落としにはならなかったのだが）。

綱とりがかかった先場所の白鵬も、千代大海戦で一瞬つり落としを狙ったが、
思い直して取った。やってはいけないことを止められる白鵬は、
このままいけば期待される横綱像に限りなく近づいていくのではないか。

相撲には、殴る・蹴るなどといった暴力的な技はない。
それぞれの技は皆美しさを持っている。
朝青龍は、つり落としは決まり手にあるのだから何がいけないんだと言うだろうが
相手がもう打つ手がないのにそこまでやる必要があるのだろうか。
怪我をさせることもあるし、やめたほうがいいと思う。
他にも、勝負がついているのにダメ出ししたり、張り差しにいったり、
張り手を食らわしたり（今日の雅山戦でもやろうとしたな。空振りだったけど）、
どれもこれも柄が悪くて、相撲道から外れている。
頂点に立つ横綱ともあろう者が、地位を汚すようなことをしてみっともない。
品格にふさわしい振舞をしていただきたい。敗者をいたわったという双葉山のように。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう