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空気を変えた矢沢の言葉に、竜也がいかにもそうだというふうに大きく頷いた。ケロッと後を引き受けた竜也を、無垢に見つめる奏。 裕子は少し汗ばんだ手の平をジーンズで拭きながら、緩んだ弦にしばし呆れる。 「呼吸を合わせなきゃいけない2曲。 今、ここで大事なのはそれだね!」「じゃあ、ポルノからいこうか!」 矢沢が裕子のスティックに目を向けた。 裕子は、コクンと顎に弾みを付けて合図をした後、二本のバチをクロスさせた。「じゃあ皆、いくよ! あ、ワン、トゥー、スリー、フォーっ!」 前奏は千尋の緩やかなメロディーと、囁くようなクラッシュシンバルで始る。裕子は前奏の8個間に神経の半分を使い果たす思いで、息も密やかに音を放つ。歌に入ると、待ってましたと言わんばかりに流れ込むギターの音色。 次第に体温が上がり、体の深い部分で覚醒が起こる。 それは少しの緊張と心地よい胸騒ぎがもたらす天の悪戯なのだと裕子は思う。 そして研ぎ澄まされた音の世界に僅かに浸る。 「ああ、ちょっと待って!」 (ガクンッ!) 竜也は裕子の所にやってきて、空かさず右足に触れる。「フットドラムは小気味よくていいんだけどね、ハイハットシンバルを叩いた後、左足疎かになってない?」「フットドラムは右足でしっかり踏み込んで、ハイハットは左つま先を浮かせて音を出す。うん!わかってるんだけと、最初のドン!が弱くなるね。 ごめん、締まらなくなるよね」 教室で注意を受ける事と同じ部分に竜也が気付く。 ギターが体の一部になっている彼にとって、この二曲はお手の物。 甘いマスクで全体の調和を眺められる余裕が憎たらしいと思いつつ、裕子は気分が違う世代との一体感をぺロリと嘗める。10代の竜也と40代の裕子。 二人のやりとりを見ていた矢沢と千尋は、これならいけるとそっと微笑む。 そして何のかんのと喧しいバンドリーダーの下、合同練習は終わった。「次回は三日後。 今夜の二曲を何とか形にしたいね」 公民館を出たメンバーは、白い息を吐きながら神社の脇道に出た。 裕子は石段に腰掛けて同じ方向に帰る奏と千尋に声をかけた。「明日はね、仕事が終わった後、休憩室で招待状の残りをやるよ」「うん、わかった裕子さん」「お疲れ様ー」 奏が茶目っ気のあるウィンクをすると、竜也が「なに?なに?ねえ・・・・」と言って裕子の肩を揺さぶった。ドラム特訓と同じ位の比重を占めていた内容を、簡単に明かすわけにはいかない。「おい! 俺達もそろそろ帰るぞ!」 四人を見送った後、裕子はリビングに準備した封筒を思い出した。「倉田茂夫様・・・・高倉里美様&Tダンスサークルの皆様・・・・」 そして明日、奏が宛名を書く残りの白い封筒に、裕子は特別な思いを馳せていた。 photo by kitakitune05さん
2007/04/28
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一時停止中 晴天かと思いきや、いきなり雷雨。 なんて不機嫌な空だこと。 地球をいじめるからたくさん干したシーツも濡れてしまった。 お布団まで・・・ モナリザ (カサブランカとは違うんだ) 見張り番 こんなに小さくても生きているんだね(左1cm) 私・・・といえば、迷ったあげく二つとも買ってきて 二つを交互に口に運ぶ。 印刷してある「世代」を始めから通して読んでみた。細切れになる「ブログ」。 一冊の本と違って、遠のく過去のシーンや経過、人物 きっと・・・・・・ 通して読んでみると、それなりに繋がる。 描いていたように進んでいるのに、いつも終盤戦で消エネ。 勢いと書きたい指令で始めるから、、全く!性格が出すぎ。 「考えてから行動する」 「行動してから考える」 どちら派? み~んな様々。 だよね! photo by yuu yuuさん(赤で元気に) しば桜さん(淡ピンクで穏やかに)
2007/04/26
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今ひとつ、スカーッと晴れない。「降るなら降れ!」 一年前に見させていただいた花は、あちこちのブログに再登場。「ああ、懐かしい! あの頃はあれを書いて、ああいう気持ちで花を眺めていた・・・」 そんな思いで2年目、これからUPされる花、景色がとても楽しみ。 どんより天気、どんより不機嫌な心身 ここ数日は例の如く聴きながら こちゃこちゃ、セッセと夢中になれる事を探す。 あのお姉さまの影響 一週間経って、蕾が開きそう 私は「苔玉」を「地球のあかちゃん」と呼んでいる。 アハハッ~ キッチンの出窓も「癒しの空間」に。 埼玉のお姫様が編んでくれたレースの敷物。 得意の100均小物にチョイと工夫を。 小さい髪留め2個をもってウロウロ。 やっとここに! 「よっしゃ~!」 なんか、ぱ!っとしない気分なんです。2005年度の保護メール(受信版)を見て 笑ったり、昨年の送受信メール保護版を見て涙したり・・・。メールは時に小説に役立つから 「これ!」と思う文面、言葉は、耳、脳、以外に大切な玉手箱。 食欲も睡眠も、変動が激しい。 感情も・・・・それって「更年期!」 はは~ 同世代の友人が数人同じ感じです。年齢的には真っ只中。 「午後から夕方にかけて、エンジンがかかるのよね」 そうなんです! 夕方から夜は元気。出かけるともっと元気。 でも主婦はやることがある。横になってばかりはいられないし、毎夜出かける わけにもいかない。 「ま、いっか! そのうち身体も落ちつくところへ落ちつくだろうし」 喋って、書いて、重さ半減 めぐみ かおと
2007/04/24
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秋の公民館は使用者が多い。矢沢が苦労して抑えた会場に、裕子も急ぎ足で向かう。 夕暮れの街には、小さな青い星が裸になった木にしがみ付いて仄かに煌めく。「うう、寒い! 青いライトは余計に寒い。 電球色に光ってよ」 一階のロビーで一際目を引く竜也と奏。 先端のファッションより、恋の駆け引きオーラが眩しくて敵わない。 「裕子さん!」 千尋は美しい笑顔で、振り向いた裕子の腕を握る。 そしてエレベーターの方を見て矢沢の存在を知らせる。「矢沢君!」「お疲れっす! そろそろ上がりましょうか。 3階なんです」 裕子はとろけそうな二人にチカチカ電波を送る。 「う、うん!」「咳払いなんかじゃ駄目っす、裕子さん。 おい! お前等、置いていくぞ!」 和服姿の数人と少し離れて、メンバーはエレベーターに乗り込んだ。(何か嫌な予感・・・) 裕子はスティックと楽譜を胸の前で抱え直した。 隣の千尋は、白い歯をいい感じに見せながら1,2,3の数字を追う。 たった数秒が、長く感じる箱の中。 無機質な扉を開けた矢沢はすぐ照明を付けた。 思ったより狭い練習会場に、一瞬出かかった言葉が咽喉の置くにすーっと引いた。矢沢の苦労に頭が下がる。「ああ、いい部屋ね!」「隣から演歌みたいなのが聴こえるけど、さっきのおばさん達?」( アホ竜也!)「日舞。文化祭とかあるっしょ。 まあ、その辺はお互い様って事で」 暗幕が閉められた窓の傍に近寄った裕子は、さっさとドラムセットの前に腰掛けた。「エレクトーン、アンプ、マイク、大丈夫? 音合わせするよ! ここ9時までだから」 矢沢は竜也を促しがなら準備に取り掛かる。 それを見た奏も、みぞおちの下で白い両手を組み腹式呼吸。 千尋も裕子と同じく、腰掛けて背筋を伸ばす。「わあ! 本当にやるんだね私達。なんか夢を見ているみたい」 竜也と矢沢がギターを抱くと、奏が少し興奮した様子で言った。「様になってる。街路樹にいるよりカッコイイわよ」(確かに!・・・と言いたいが、ときめくものを早々に静め、深呼吸)「ポジションに付いたら、リーダーが何か言ってくれないと!」 裕子の言葉は、一斉に始まった楽器の音に吸い込まれて消えた。(やっぱり嫌な予感)「ねえ! ねえったら、さあ・・・・どの曲からやるの?」「音響、変。音が割れるし・・・・」「イエスタデ-は矢沢君が歌うんだったよね。あの雰囲気は」「この鍵盤だけ、音が出ないのよ!」 集まったものの、焦点が飛び散った初めての練習は、裕子が股関節を痛めて叩き込んだ甲斐もなく「ツツタツ、ツツタツ、ドン、シャン、コン!」「だいたい裕子さんが平然とドラムの前にスタンバってること事態、可笑しいよ俺。クスッ!」「平然とって言われても。姿勢を正さないといい音がでないのよー。 じゃあ謹んで座らせていただきます!って誰も聞いていないし。 ねえ!やろうよ」 老眼用と言われ、拡大コピーされた楽譜の後ろにセロテープが貼られている。端っこはちぎれ、蛍光マーカーの色が仄かに映る。 鉛筆の走り書きが斜め上に向かって最後は!マークで締めてある。 ( エイトビート、基本は大切に! シンコペーションを効かせる事! サビの手前は慌てない! バスドラムをおろそかにしない!ビートルズは曲をしっかり感じ取って、誤魔化さない! ) ドラム教室の若き教師と、裕子の後にレッスンを控えた高校生が事情を知って容赦なく鍛えてくれた証しの文字。(予感的中。 このざわめきにムキになるエネルギーを、スティックに充電しよう)「おまえら、やる気あるのかよ!」 矢沢がマイクを握って言った。(や、や、矢沢君~ 私が20年遅く生まれていたら・・・・君は私の恋人だった?)
2007/04/22
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どうして君はここにいるの? さあ、どうしてだろうね。 夢の中へ遊びに行こうか? できるのなら。 誰の夢の中へ行きたい? 恋人? 親友? それとも あそこにいる子、彼がいい。 沈んだ顔して自販の前にいる、あの子? そう。 じゃあ決めた。 待っていようか。 夢に扉はあるの? あってもノックはいらない。 君なら一緒に入って行ける。 どうして? 私も君も今、同じ夢をみているから。 あ、彼が自転車に跨ったよ。 帰るらしい。 じゃあ、一度空に上がろう。 あの三日月に腰掛ける? いや、僕はあの星にしがみ付いて待っていたい。 いいよ。 見ての通りふたつは近い、夢が始まったら合図するね。 「名前からどうぞ」 「に、に、西村 明です」 「この施設を選んだ訳を聞かせてもらえる?」 「は、はい。 い、以前に実習で・・・」 何かの面接? そうみたい。 だけどあの人、ほら! 貧乏ゆすり。 あれはそう呼ぶの。 脚から上は偉そうだけれど。 ほら、顎で・・ 顎の先に目が付いているみたい。 彼の顔・・・ シー! 静かに。 「君、ここがどこかわかるよね?」 「はい」 「多くの老人とコミニケーションとるんだ 君、無理でしょう? 会話ができないんじゃ 仕事にならない」 「会話、・・・・で・きます」 「もう、いいですよ」 「あ、はい」 「ああちょっと! 君、それじゃ何処へ行っても 社会では通用しないと思うよ」 短い夢でよかった。 こっちまで寝汗・・・ 高齢者の介護施設だよね。 彼、今日はあんなことがあったんだ。 ひどくない? 君、そう感じたのね。 当然。 彼は運がよかった。 そう思わない? 思う。 それから、あの白い箱に入った人の中には・・・きっと。 夢の中に入りたい? その人たちの。 入りたくない。 じゃあ戻ろう。 あの人に、星の欠片を投げつけたいけれど。 星の欠片がもったいない。 あっ、今度いつ会える? いつだろうね。 三日月の晩に一番輝く星の尖がりに抱きついていればいい。
2007/04/21
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書きたいけれど、続きが書けない・・・こんな時は書きたい心に従がってバランスを保つ。 だから 真夜中の小悪魔 沈んだ夜は悪戯に足早で 一握りの宝石を散らしたビロードの布を ふわっと落として 様子を窺う そんな闇の囁きに反発しながら ぬくもりのない扉を開ける みかえり美人 ご機嫌の奥に潜む艶やかな色 隠れたふりして宙を舞う 騙されながら その背を騙し 曖昧の隙間に入り込んだ流れ星を ただ 思う 闇に姿を晦ませ 同化にはしゃぎ さりげに纏わりついて くるりと交わす 夢と思うに切なく 切ない程に愛しく・・・・ なだらかなライン そして崩れる 限りなく艶やかに 力尽きて溶ける 支配と抵抗 大胆と躊躇 抱きしめて 抱きしめて 吐息が衝撃に変わるまで 待って待たれて 絡まれて 妖艶にため息を漏らし 極めて心地よい奔放に落ちる 心の半分を隠し そのまた半分を閉ざし 残りの開放で口ずさむ はぐれ者を何処へ 試着して何処へ・・・・ ちょっかいを出しに地上に降り 冷たい指を絡ませながら ぎりぎりを魅せる小悪魔に 野蛮な細胞は酔い 訪れる転倒にもがく それでも夜風に魔法をかけて ふわっと落ちるビロードを待つ photo by しっぽ2さん
2007/04/21
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17日から男前のお姉さんが和歌山から遥々あそびにきてくれました。 ここ数日は雨で、とても寒かったんです~でも、昨日NさんとSさんと四人で浅草でオフ会。 おばさんパワーで寒さも吹き飛び!とても楽しい時間を過ごせました。 夜は関西風お好み焼きを作ってもらい、家族大感激!「美味い!」彼女は案の定、ビールをすご~くたくさん呑んで楽しかった。 今日は「世代」の舞台であるレストラン「街路樹」へ、ランチに行きました。帰りに「どこかに、苔、ないんか~」と彼女が言ったので神社の裏からこっそり苔をパクってきました。 できた作品がこちら「苔玉」です! これは彼女の趣味。 残るものを!と、記念に二人で作りました。 実は一昨日、着いたばかりの彼女が家の前の林へ行こうとなんと、筍を2本獲って来てくれびっくり!・・・でも、上手にゆがいて晩のおかずに一品追加。 ん~ うれしい! 夕方、一緒に買い物へ・・・姉 「○子! アジが安いやん。これ、買おうや!」私 「目があるから恐い! 目がある魚は買わないよ!」 とさっさと通り過ぎようと。姉 「なんでやねん! 魚に目がなかったら、ぶつかるやん!」私 「できたら、切り身で泳いで欲しいんだけど。 うちは切り身の魚しか食べないんだ」 結局、いっぴき98円を2匹、脅されて買いました なんと! 彼女は手際良く3枚におろし、フライができあがり。 食卓に出たアジフライを見た家族は「はじめてだね!」 釣り好きの主人の笑顔ったらムカツク~でも、明るい関西弁、おまけに美人! 「ぎゃはは~っ!」の笑いの渦で、とても幸せなひと時が過ごせました。 明日から彼女も私も「現実」に戻る・・・・当たり前なんだけれど、ちょっと寂しい。
2007/04/19
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カレンダーを捲ると、赤や黄色に染まった山々が現れた。散る前に魅せる秋の山は、限りなく女らしく変貌する。そして裕子の心も、若き青空と対比されながら秋色に染まっていく。 叩き込んだスティックが手作りの布袋に収まった。 バックの底で「あとは腕さばきのみ!」と言っている。 こうして裕子のドラム教室通いが始まった。メンバーは誰もそのことに気付いていない。レッスン前の土曜の午後、裕子の足は奇妙に動き、まな板を連打する包丁も不思議なリズムを奏でる。長年厨房にいた小林のアンテナが、いち早くそれらをキャッチする。 小林は食材を取りに冷蔵庫に向かいながら、裕子が踏んでいる二枚のダンボールの破片を見る。けれど理解に苦しむ人ではないと思い、微笑みを仕舞ってラインに戻る。 裕子の手足はあちこちで動いた。 厨房、家のキッチン、浴室、信号待ち、スーパーのレジ待ち、駅のホーム。「タンタン、タカタン、タカタカタカドン」「ツツタツ、ツツタツ、ツツタッツツ」「ターン、ツターンツ、タタ・・・・・・」「ライブは俺のギターソロから入ろうぜ」 数日後、メンバーは休憩室で竜也の提案書に注目していた。 クリスマスソング、ビートルズのイエスタデー、ポルノグラフィティーの愛が呼ぶ方へ、ラストに完成度の高い奏のソロ。「わかる? 完成度の高いものは客の反応がいいから最後に持ってくる」「ええ!私の歌が最後・・・・・・」 裕子も千尋も竜也の言葉にコクリと頷く。 そして矢沢が奏の肩をそっと叩いて、ほぼ決定。イカレタ暖房が効きはじめた頃、裕子は極秘レッスンに、奏はコンビニのアルバイトに、千尋は保育園にと散って行った。 一時間の休憩の後、二人の勇士も足取り軽く各々の戦場に戻っていった。 夕飯の下拵えを終えた裕子が、拡大コピーされた楽譜と睨めっこしながらドラムの前にスタンバっていると、秀明がふらりとやってきた。「何?今日はゴルフに行かなかったのね」「おまえ、踊るか叩くかどっちかにしろよ」 裕子は楽譜から少し目を離したが、振り返らないでいた。 キャッチした乾いた声に冷ややかな目線。 「あのねえ、やることちゃんとやっているでしょう! 女房が他の何かに夢中になるのがそんなに嫌? ただごろごろして煎餅や饅頭食べて、テレビみて笑っていればいいの?」「な、な、何だよ急に」「だってそうでしょ。言ったでしょ?イブまでは忙しいって」 秀明が後ずさりした。「防音対策、家事、あとは?」「そういうことじゃない」「あのねえ、私、みんな知っているんだから!」「ん?」(やっぱり) 覚えがあると、反射的に過去を振り返る男の単純。「ああ、わかった!一言で十倍返すんだな、女って奴は」 (ひらきなおってるし)「邪魔しないでよ、二度とないチャンス。私だって心が未亡人だったことあるのよ!」「時効・・・・・・」「何が?」 裕子が振り向いた。 シンバルの一つも思い切り打とうか? そういう顔をしている。「ああ、やっぱりあったんだ」 あっけらかんとした裕子に、秀明はただ呆然としていたが、裕子の視線に耐えられなくなったのか、意味不明な独り言を言いながら部屋を出て行った。「感謝は感謝。けじめはけじめ。仕返しのつもりは微塵もないけれど」 裕子の目は再び楽譜に向けられた。「♪ イエスタデー オー!マイ トラブル ふうふう エンドレスー (タンタンターン)でもー淡々タンタン タン突く単 タタ タン タン タン タン 嘆タターン 」
2007/04/15
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ここのところ、風に吹かれっぱなしです~昨日もそうでした髪がロングだとやたらと絡み付いてイライラ。 よってアップにして(紫外線の強い)今は化粧もしないと。 夜空を見上げると、雲の流れが速くて「わ~!」っと言って暫く見ていました。「ああ、素敵な夜!・・・」 心にインプット! たかが「雲が急ぎ足で去っていく夜空」。されど「風のしわざ」が粋。 笑わない国 ワースト3 1.北朝鮮 2.ドイツ 3.日本 ですって。 ただ、「世代」の舞台レストラン「街路樹」や温泉など旅先、電車内、勿論家庭内等40代~60代の日本の女性は(特に)笑う。 集団になると特に、圧倒されるくらい・・・声を出して笑える、これは免疫力を高める、周りも明るくすると思うのです 笑うための条件 ひ と り でないこと。 TV,ラジオ、ひとりでも笑えるけれど、やっぱり相手がいて仲間がいて笑えたら 笑えない日本にこれ以上拍車をかけないように、当選した政治家の皆さんにも頑張っていただきたい! そして団塊の世代、未来をになう若人にも 実は、この本の表紙お写真・・・・kitakitune05さんさん 「あとがきにかえて」は・・・・・ANEさん おふたりにはとても感謝しております。 OKして下さった編集者のYさんにも。 私はまだです。年々成長していけるよう努力します。尊敬する大先輩yuu yuuさん、励まして下さるたくさんの皆様、本当にありがとう。 また、昨日「本屋大賞2007」の中に選ばれた「ワンダフル・ワールド」 愛情あふれる懐かしき世界(横浜舞台),心地よいテンポの小説。著者 山口小夜子さん。「こころざし熱き」プロ作家。 この「賞」は特別なものです。本屋さんが選ぶ、薦める、売りたい「読んでほしい本!」なのです。
2007/04/14
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「あっ、それいいっすねえ! やりましょうよ香川さん!」「賛成!十代、二十代、三十代、それから裕子さん!」 奏は矢沢の勢いに釣られて弾むように言った。「どうしてこういう展開になるのかなあ?ドラム、やっぱり必要?」「ベースとドラムは影、引き立て役。わかるっしょ?」「花で言うと、かすみ草かあ・・・・・・ナイトの後藤君に頼もうかね」「駄目だよ!自分のバンド持ってるから、無理言えないし」 竜也がきっぱりそう言うと、千尋もにっこり微笑みながら頷いた。少しの沈黙の後、裕子はゆっくり顔を上げた。 そして不安げに四人を見た。「私はね、天からのくじ引きを引いていないのよ。つまり、音楽の才能の当たりくじ」「そんなもん、誰も引いてないよ! それに裕子さん、度胸も才能のうちじゃん?」 裕子は、強気で喋る竜也に何か言いたいのに言葉が出てこない。むずがゆい。けれど決断を強いられる今は掻くこともできない。(ああ!寿命が縮まる~)短期決戦。 メンバーの足を引っぱるようでは申し訳ない。 それでも心臓の底の方から「やって、やれないことはない!」という気持ちがふつふつと湧いてくる。「わかった。 私、やる」 裕子がいつもと違って落ち着いた口調で言った。 どっと湧いた歓声の中、裕子は信用金庫の名前が入ったセンスのないカレンダーを見た。(竜也は私の肩をポン!と叩いて、きっと言う『言い出しっぺだから、やるしかないね』)「ルールその一。 バンド内恋愛禁止」「ええっ! それってありー?」 (わかりやすい奴だ)「何おまえ、何かまずいことあるの?」 矢沢は速やかにふたりの既婚者を削除した。「ああ!そういうことだったのー?」 奏は突然やってきた視線の束に戸惑いながら、微妙に心の動きを見せた。「バカね、竜也ったら!」「急に話し替えて、やっぱ嫌な性格」 裕子は、お台場の夜景にしっくり馴染むふたりを想像した。それどころではないと思いつつ、スティックを握るもう一人の自分を浮かべては身震いし、整わない回線に少し焦る。そして賑わいだテーブルに頬杖をついて、誰を見るともなくただ微笑んでいた。 撮影kitakitune05さん
2007/04/12
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既に休憩室には竜也以外の三人が顔を揃えていた。「今日はどうして餡蜜ばっかり?」「年齢層が高かったのよ。寒天ブームかしら」 ふたりの会話を聞きながら裕子は黙々と従食を食べていた。「ああそういえば、私、餡蜜にクコの実を乗せるの忘れたかもしれないわ」「赤い実? 色合いが物足りないから気付いたよ。それで小林君がトップにパラパラって散らしてくれた」「ああ・・・・やっぱり」「でも裕子さんのデザートは配置が面白いっていうか・・・特徴があるのよ」 千尋が奏を指差して「そうそう!」と白い歯を見せて笑った。「クコの実、三菱のマークみたいに、ああベンツのマークかな? アイスの上におさめる」「ああしないと落ち着かないのよ」 メニューの写真に逆らう裕子のトッピングはカウンターに出された後、ちょっと目が止まり次に笑みがこぼれ、それからトレーに乗ってフロア-に消える。 竜也は軽快な頭と甘いマスクに沿わない、とてもアンバランスな歩き方をする。 特徴のある足音に気付いた矢沢が、「よいしょ!」と言ってドアを開けた。「もう揃ってたの? 俺待ちだったんだあ。 お待たせ・・・・・・」 竜也は壁にもたれかかる様に腰掛けた。長い両足の裾から真っ赤なソックスが見えた。裕子はドリアの焦げ目を満足そうに口に入れ、レモンティーを一気に飲んだ。 そしてティッシュで口元をささっと拭いた。 呆れ顔の竜也が口をあけて機敏な裕子を眺めている。 千尋、奏、矢沢、竜也。 豪華な顔ぶれに裕子の口から溜め息が漏れた。「ねえ!」「香川さんの『ねえ』は怪しいな」「人の台詞取らないの! ボイコットなんて言った癖に!」 矢沢が、にやけた竜也を肘で突いた。「で、何ですか、香川さん?」「バンド組んでみない?」「バンド? 裕子さんの指に巻いてあるバンドエイド?」「竜也!真面目に聞いて!」 奏が声を出して笑った。テーブルを囲んだ面々は、午後の一番疲れたまどろみにいたが、裕子の一声でスイッチが切り替わった。竜也は伸ばしていた脚を曲げるように椅子を引いて、興味深く裕子を見た。「確かにここにいるメンバーは音楽やってるけど、なんでバンド?」「うん、そこなんだけどね・・・・・・」 四人は機関銃から次々に出てくる弾丸を要領よく把握していった。「どう?」「ボイコットよりはマシ」「できることは? 音楽でしょう? 千尋がキーボード、奏がボーカル、矢沢君はベース、 竜也がギター」「うん、まあ仲間内だから調和はいいかも。それに宣伝効果、かなり期待できるんじゃん」「一回目はイブ。 もう四人の休みは了解取った。洋介と小林君、店長にも」「はや!」「500円チケット、後はご招待ってお客さんに・・・ですか?」「まあ、来てほしい人はいる。 その人と、あとは常連のお客様に」 来てほしい人・・・・誰もが気になった言葉は、粋に無視された。「経験上、ライブは四グループ位ないと冴えないぜ!」 竜也の語尾に「・・・ぜ!」が付いた。裕子が読んだとおりだ。ここの所イラついてピリピリしていた仲間の顔に西陽があたった。(このまま沈んでなるものか!)「選曲は任せるけど、ふたつだけ提案がある!」「ん?」「何っすか? 香川さん」「奏、ソロで歌ってほしいの。『アメイジング・グレース』・・・・・それからもうひとつ。一曲はビートルズ、もしくはベンチャーズ。とにかく中年層にも受ける曲」「ソロ?」「ああ、いいっすねえ!それ」「来週から、店に応援が入るでしょ。練習時間とっていこう!イブまで2ヶ月。竜也はライブに出てもらえる仲間を。矢沢君は練習会場を。女性群は招待状の作成を」「選曲して楽譜コピーしないと」「アメイジング・グレース、高校の時文化祭で歌って以来。大丈夫かな?」「作者は奴隷貿易船の船長だったかな。250年前にイギリスでできた歌よ」「そうなの?」「アフリカで拉致した黒人を船底に押し込んでアメリカに運んだ。数万人も・・・彼は後になって凄く心を痛めてね。あの歌にはそんな痛恨な思いがあるらしいよ。プロじゃかったのね。沈黙の中で生まれた曲って重いよね。英雄だ・・・」 裕子の口調がなだらかになると空間も静まり返った。「音大も諦めた私に、まさかこんなチャンスがくるなんて素敵!絶対歌いたい!」「俺も路上ライブだけじゃ、ちょっと物足りなかったし」「目の前にドン!と目標示されるって、主婦の私にはいい刺激」「肝試しか賭けか・・・上手くいえないけど、やるだけの価値あるっしょ!」「ね? 好きな音楽生かせて、店の為になれば二鳥一石でしょ」「一石二鳥のこと?」「ああ、まあそういうこと」 熱くなったメンバーは互いに顔を見合わせ、ヒヤヒヤとウキウキでざわめいた。暫くして、真剣な面持ちになった奏が素朴な疑問を投げ掛けた。「肝心のドラムは?」 矢沢は腕組みをした後、「やっぱ、ないとマズイっしょ!」と呟いた。「いるじゃん、ここに!」「え? 」「二十五年前の青春が」 竜也の視線は空になった機関銃に向けられた。
2007/04/09
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雨戸を閉めないで眠るので、今朝も「朝よ~」と太陽がおこしてくれた。よい天気の日は、うきうき。先週買ってきた物干し一式。一階のものは下に干したい! 例えばバスマットや、バスタオル。そう思っていたけど、犬小屋があったから諦めていた。 犬小屋を移動したのは、彼女(オグリキャップ)の目が見えなくなった為。12歳の彼女は、食欲と反比例してどんどん痩せ・・・勝手口の方へお引越しさせた。目の届く所に。それで、置きたかった所に物干し竿一式(竿4本)を先週ようやく。シーツや、マット類をたくさん洗って、そこに干すのが「小さな楽しみ」になった。サンダルを履いて、「奥様」のエプロンをして。二階のベランダは息子の寝具や細かい物、ハンガー物を干す。お風呂の残り湯で洗濯、大好き! プロ野球がはじまるとチャンネル権ないから弾き出される。 自分の時間、これからはもっと増えるだろう。 もうじき、読みたい本が届くはず。 「世代」のラスト追い込みを書き終えたら、暫くは天から降って来る「ひらめきの雫」を待っていよう。 努力の着物をふわっと着せる・・・難しそう今までやったことがない事への挑戦。せっかちな私、確か今年の目標「穏」試される。 でもきっと、いいチャンス! 出来そうも無い事をやろう!と思うことは、可能、不可能は関係なく「やってみようかな!」って言う気になる。意地じゃなくてなんかこう・・・・・そういう気概になる。 難関で有るほどに。 昨年同様、秋のチャリティーコンサートのダンス振り付けが決まる頃またあの舞台監督、裏方さん達と会える! 踊るより、裏方さんの動きやリハーサルの緊迫感、緊張感、を毛穴で感じることの方が た ま ら な い 明日の仕事、6時45分に家を出る。派遣はそれなりに苦労がある。以前は車で50分、12年間隣県まで通勤。出来なかった読書ができる電車通勤は、車内観察も何気にできて勉強になる。 では、明日に備えて・・・・
2007/04/07
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タイトル「世代」 昨年タイトル「天使の梯子」 異なる世代に生きた(生きる)人たちが、社会の縮図、職場や地域。 (あるいは何かの集い)各々五感で得るものは様々。発信する価値観、 行動、目標を理解しあい、認め合い、長所を束にしていく時、縦割りで分離 されるのではなく、横並びで他人と比較するのでもなく、それぞれの特質を 生かしつつ現状をよりよいものにできないか? 思いやり溢れる思考力、想像力、敏感力 懸命な判断力、結束力 迅速な行動力、機転力 謙虚で前向きな反省力、分析力 次回へ繋げる持続力、飛躍力 テーマ 異質への差別緩和、偏見削除 無力感克服 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ある角度から 10代~20代前半 急増する離婚。よって母子家庭、父子家庭で思春期を過ごす若者。いじめの経験者(加&被)理解者【いじめられる側】、傍観者,逃避者等、いずれに属していても何故か彼らの多くは大人には沈黙。 束縛を好まないが、どこかで確かな「愛情」と繋がっていたい。将来に希望を持てないと思いつつ、夢を諦めたくない。切れ易く我儘、他人との多くのかかわりを避けたがる人も・・・男自己中で自信家、恋愛においてもどこかシビアな人も・・・・女人の悪口(特に仲間)を言わない。母親思い。(父親という言葉は会話に登場しないことが殆ど)仲間意識が強い。気持ちいい、面白い、居心地がいい・・・・気分優先。ニート、フリーターという言葉も麻痺傾向。良悪、体裁はむしろ親が。しっかりした目的(結婚、職業、家族大病)ができたり、現状打破の危機にさらされた時秘めた一面を(勇気と底力)見せる。20代後半~30代 就職氷河期経験者、あるいは団塊ジュニア。正社員になれた人とフリーターでいたい人。フリーターを卒業したい人。なるようにしかならないと思う人。既婚者の場合、育児における周囲とのトラブルもストレスに。理解しがたい虐待、育児放棄、妻への暴力、しつけに特徴。(電車内、レストラン等公共の場で子どもを注意する時『あのおじちゃんに怒られるから静かにしていようね』)・・・もしばしば。 父親が企業戦士として社会の荒波にもまれ、満員電車にもまれた頃経済にはそこそこの余裕もあり、塾通いあり、ゲーム氾濫あり。競争を強いられたせ代でもあり、母親が(女性社会進出、カルチャーセンター流行,趣味やスポーツ等家庭の外に目を向けるようになる)ある意味、子離れ、自立しはじめた時期でもある。 親思い、親孝行の人も多い。 「世代」を読んでくださっている皆さん、いつもありがとうございます。文学音痴、ちぐはぐなDNA、未知なる血統。 こんな私に寛大な心をもって添い親しみお付き合い頂き、心から尊敬、感謝いたします。 「世代」完結以降、しばらく多くの皆さんのように日記中心のページになります。貴重な最終学歴、高校時代後半はある意味弾けたり沈んだり。読書もろくにしておりません。むしろ社会という「人生大学」の中で学んだことが、辛うじて書くことに拍車をかけ、文章の中で芽を出し角を出しつつ、良くも悪くも生きているのだと思います。 ただ、書くことが好きである以上、一冊でも世に本という形を出した以上、これからも書き続けていく以上、成長していきたい。 今は蛹でも苗でもひよこでも。 今は心からそう思います。 記憶力、能力、体力、経済力・・力という文字に縁がないけれど一つ、私にも誇れるものがあります。 食欲です、冗談はさておき・・・・・ それを大切に大切にしていきます。 撮影yuu yuuさん めぐみ かおと
2007/04/06
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香川裕子・・・・香川秀明と結婚後もインテリアコーディネーターを十数年続けていた。仕事を精力的にこなす日々の最中妊娠、そして流産。それは夫婦の絆を深めることを選ばなかった。多くを語らない夫婦。秀明の背中に女性の影を感じながら、裕子はますます仕事に明け暮れる。家庭や接客のストレス、40歳を過ぎた頃から心身が悲鳴をあげる。そんな最中、店舗改装の仕事において裕子は大きなクレームを!まさかの現実にすっかり健康を害し、社会復帰も不可能になった。天井を眺めるだけの暮らしが続く。秀明も不況の真っ只中。リストラ、自殺の文字に脅える。やがて裕子は通院と元同僚明海や雄二との励ましで、薄紙を剥ぐ様に回復に向かう。ある晩、久しぶりに秀明が話し掛けた。それは遠まわしではあるが「好きなことをすればいい」という秀明の意外な思いだった。見えない抑圧からの開放を得た裕子は独身時代に夢中になったジャズダンスをはじめる。サークル新入りに向けられる好奇心。それでも心身ともに健康になっていくことに感謝しつつ水底ゆるやかに本来の自分を取り戻す。レストラン「街路樹」はそんな裕子にぴったりのリズムで働ける場だった。接客を離れ、レストランの裏方で無になって働こうと潔い一歩を踏み出す。全くの畑違いの仕事に、秀明も周囲も呆れるが、闇を見た裕子にとってそれは歓びの一歩だった。そして戦場ともいうべくレストランのランチタイム。自らの甘さに嘆く間もなく、そこで働く様々な世代の人との摩擦や融合を繰り返す中・・・・・ 大沢竜也・・・高校生の竜也は母子家庭。歳の離れた弟と母、祖母の四人暮らし。アルバイトをしながら好きなギターを持って路上ライブをする平凡な若者。ある晩、アルバイト先に面接が決まった新入りが仕事説明を受けにやってきた。厨房に女性が入るという噂を聞きつけ、わくわくしながら彼らを待った。数人の男子学生とやってきた「その人」は、期待はずれのおばさんだった。「なーんだオバサンじゃん!」竜也の一言は、香川裕子に大きなインパクトを与える。そして不思議なキャラのおばさんは厨房を影でしきるベテラン倉田や自己中チーフ西田に戸惑う。繊細なのか大胆なのか極めて普通とは思えないその人をある日、お台場に誘う。昭和育ちと平成生まれ。両親を亡くした幼い頃の話から、落ちていた時のことをまるで自然に話す裕子。気がつけば、竜也自身も誰にも言えない家庭の事情や好きな女の子のことまで話していた。素のままでかかわれる裕子は時々切れて、静かなるベテラン小林やフロア―の兄貴分、矢沢を驚かせる一方、ヤングママ千尋の公園デビューの助っ人や、裕子より後に入った奏に親切に寄り添う。春、夏が過ぎ、秋を迎えようとしていた頃、チーフの移動と倉田の退職が厨房を一挙に多忙の空間へ導いた。ギターを弾く時間を失った自由奔放な竜也。殺気だった厨房の空気は、それまで幾度となく陽気な竜也のスイッチで和みの場に切り替わった。が・・・ゆとりが失せた今、それは苛立ちにが支配する空間に過ぎない。よってボイコットをして勤務時間を見直してもらおうと提案するが誰も乗って来ない。諦めかけたある日・・・・
2007/04/06
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瞼を腫らした小林がワゴン車から降りてきた。指定席に止められた瀬川の車を横目で見ながら、そのままコンビニへ向かう。いつもの缶コーヒーを買って裏口まで来ると、水道とガスメーターの記入を終えて戻ってきた裕子の姿があった。街路樹の裏口と隣の民家との境には、古いブロック塀があり、裕子は時々そこの奥さんと挨拶を交わしたり、気が向けば庭でほころぶ季節の花を褒め、柿の実が色付きはじめたと言っては微笑み、楽しそうに話し込んでいる。 そういうありふれた光景を見ると(あの人も母親と何ら変わらぬ)普通の主婦だと思うのだ。 「あら、小林君!」「おはようございまーす」 小林は瞼が重く、疲れていることを充分自覚していた。 そして少し顔を背けて休憩室に向かう。裕子は小林との距離を、程好く保てるように歩幅を変える。裕子の気配が無くなった頃、小林はドアの張り紙を見て立ち止まった。「最後に出る人は暖房、照明を消すこと!」 ついでに、置き去りにされたような右手のドアを見る。「節水!」 トイレと洗面所にも赤いマーカーで大きく書かれた張り紙があった。「おっとー、凄いなこのでかい文字」 小林はBOSS缶を片手で軽く振りながら、椅子に腰掛け大きな欠伸をする。 狭い更衣室から着替えを終えた千尋と奏が出てきた。 「おはようございます!」「ねえねえ見た?これ。 香川さんに決まってるわよね、そう思うでしょ?」 白板の脇にあったお茶筒を指さしながら奏が言った。「節電し忘れ、罰金300円だってさ。ちゃんと貯金箱みたいになってるし」「金、取るの?気をつけよう。これが三本買える」 小林は缶コーヒーをいとおしそうに眺めながら空かさず言った。「オバサンのすることだよね!」 竜也が男子更衣室からぼさぼさ頭で出てきて、いっぷくする小林の隣に腰掛けた。「おまえなあ、人のことはいいから床屋行って来い!」「時間ない。宿題だってギターだってできないんだー」「時間は自分でつくれ!」「ああ、そういえば来週からキッチンとフロア―に応援入るらしいよ」「話、変えるな」「束の間の補充だよね。まあ今のチーフが遅刻しないだけ助かるけどね」「キッチンに人が入れば、フロア―も助かるわ。店長をフロア―に返してもらえる」「このまま売上げ下がると店長も移動だ。きっと怖い店長が回ってくるよ」 奏が、そうなんですか?と大きく目を見開いて竜也に近づいた。「悲劇の告発おしまいよ!さあ、時間だわ」 千尋が歯切れよくそう言うと、「小林君、電気消してきてね!」と奏が加えた。小林がタバコを吸い終わるのは決まって10時5分前。 三人は気持ちを切り替えて一斉に休憩室を出て行った。 厨房では竹沢と裕子が大量のトマトを前に、日替わりメニューを広げていた。「じゃあ、今日はメインの付け合せとスープということで?」「お願いします」「どうしたの?このトマト」 竜也は形が整ったトマトをそっと手にした。 「誰かが納品ミスしてさあ」 裕子が竜也に気付いてそう言うと、矢沢がカウンターから顔を覗かせた。「おまえなあ、俺の従食またトマトにする気かよ。いくら好物でも限度があるぞ」「ええ!俺?」 竜也は怪訝な顔をして納品書を確認する。「ああ、やっぱ俺の字だ。まあ俺だってたまにはミスるよ」「そういう問題じゃないだろう、こんな時に」「そうよ、節約からはじめようって言う人もいるのに」 竜也は竹沢チーフに「すみませーん」と言った後、バックヤードにいる裕子に声をかけようとした。「ああ竜也、それはそうと」 裕子が何か大事なことを思い出したように竜也の腕を引っ張った。「ん?何なに?」「後で大事な話があるから・・・・・・」 撮影 kitakitune05さん
2007/04/05
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佐藤 眞一氏(明治学院大学教授) 文化の特徴 1.ある時代のある世代に特化された、ポップカルチャーとしての 「時代+世代特異性」 2.作務衣に蕎麦打ちや、Tシャツにジーンズのように、時代は変わっても同じ世代に 共有される「世代特異性」 3.旅行やクラシック音楽、甲子園の高校野球など、時代も世代も問わない「普遍性」団塊世代の青春回帰は1. この青春回帰への原動力は自己のアイデンティティーへの再確認ではないかという。 自伝的記憶(自己の人生の記憶)~ 近時から幼少期へと時代を遡るにしたがって 想起量は少なく、10代から30代前半までの青年時代の記憶だけが多量に思い出 される。 青春時代の友情、恋愛、日常、の思い出は、その時の流行った音楽や小説、スポーツ と重なり合う。 (確かに) 青春の自由な雰囲気の中でおきる出来事は、大きな感動、強い情動を伴うもの・・・・ それゆえ、大人としての始まりの記憶は、深く刻まれ、その後、引退を目前に控えた 人たちが新たな人生の選択を迫られる時、切なくもほのかに甘い思い出として 再び蘇ってくるのだろう。(団塊バンド) 人生80年、これからが「本番」 清水克彦氏(文化放送放送プロデューサー) 40代のリーダー(話題の経営者、社会的成功を収めた人)の共通点1.得意なジャンルを仕事にしている。 勝負強い。2.人との出会いを大切にしている。3.ほとんどの人が「謙虚」 他人の意見によく耳を傾ける。 そして明るい。明るいリーダーのもとに、人も情報も集まるのか。4.「朝型の生活」 成功した若手経営者の誰もが早起き。 ホウレンソウ・・・・報告、連絡、相談。 大事なことは午前中に済ませる。////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 人並に風邪をひいてオトナシクしている。こういう時はそれなりの楽しみ方をなんか時間がもったいないある人に「まぐろ」と言われたけれど、ちゃんと休んでいるから食欲もあるし・・・桜の花が散りそうなくらいのくしゃみと咳。 滴る鼻水・・・ おやすみなさい 香乙
2007/04/02
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