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ノックに気付いた瀬川は、吸っていたタバコを灰皿に押し付け、僅かな軋み音と共に振り向いた。「お疲れのところすみません」 瀬川は私服に着替えた裕子を見るなり一瞬眉を顰めたが、直ぐにいつもの笑顔に戻った。数本のシワが入り込み目の下に隈ができていたが、裕子が好感を抱いた面接時の笑顔となんら変わっていない。 はっきりものを言う裕子に幾分緊張しているのか、時々肩を上下に動かし、首を軽くまわす。すると顎が上がった辺りで首がコクン!と悲鳴をあげる。「お!まずいなあ」 瀬川が黒いシャツの袖をめくると、ほど良く筋肉のついた腕が現れた。阪神淡路大震災で妻子を亡くした後も、この業界一筋にやってきた男の魂のようなものがこびり付いている。 裕子はその腕に惹かれた。 当時淡路島の24時間営業のレストランにいた瀬川は、余震を見計らいながら客の対応を適切に行った。「お会計はけっこうですよ。どうかお気をつけて」 危険にさらされ帰宅不可能な数人の客と従業員には、食料となり得る店のもの出してきて、その場を凌いだ。 梅雨の真っ只中、ベテラン小林と倉田がぼそぼそと話しているのを、下拵えをしながら裕子は聞いていた。「来週からですね?」「とりあえず。人が入るまでの応援ということで」 矢沢が店長室を気にしながらカウンターでミルクポットを丁寧に並べはじめる。人手不足の補充に関して話しているのだと矢沢は思った。 正直、瀬川がキッチンに入ってしまうとレジに数人の列ができ、追加オーダーにも迅速に対応できない。 ただただ低姿勢で誠意の限りを尽くし、広いフロア―に神経を注ぐ。 暫くすると裕子が店長室から出てきた。 その表情は想像と違って意気揚揚としている。「お先に失礼します」「あ! お疲れ様・・・・・・あの香川さん!?」 裕子は振り返って矢沢に微笑みかけた。「帰り、気をつけて」「ありがとう!」 瀬川は俯き加減でシャツのボタンをとめた後、メンソールを一本吸う。 きちんと並んだ書類、ファイル、机上を占領するパソコン、数枚のメニュー、錆びた画鋲で止めたシフト表、M(店長会議)と「休」の印しが書かれたカレンダー。「休」は×で消されている。 最後に一番言いたいことをデザートのように付け加えた裕子が去った後、それらをぼんやり眺めていた。「まあ、いいか・・・・・・」 タバコの煙にその言葉は吸い込まれて消えた。 店内の出窓やテーブルのランプが灯ると、ステンドグラスの美しい色合いが、落ちた夜にくっきり浮かびあがった。
2007/03/30
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奏と裕子は頭を寄せて、竜也の指を追っていた。「あっ!店長ったら、私がサインした後に時間変更してる」「ね、これが付け加えたやつだよ」 竜也がなぞった細くて頼りない線に、裕子はもやもやしはじめた。「何で、こうなるわけー?」 腕を組んで壁に寄りかかった後、大きな溜め息を吐いた。「香川さん、ナイトも入っていたんだ?」「倉田さんが辞めてから火曜日だけね。まだ二回しかやってないけど」「家、大丈夫なの?」「うん。ただねえ・・・22時までになってるわ。 2時間追加」 竜也がほらね!と言って裕子を見た。 そして次の言葉を待っていた。「私はコンビニのバイトと掛け持ちだから。困るな、ちょっと」「小林君はどうなんだろう、これを見る限り凄くハード」 欠伸をしながらも、愚痴も言わずに淡々と仕事をこなしている小林太郎を思い浮かべる。「休みが取れていないのは洋介も同じだよ」「時々ゴミ箱蹴飛ばしてるよね。皺寄せが宮原君にも?」 裕子はふたりの会話をしばらく聞いていた。 斬新な発想が生きている店が、一件二件と増えていく。 料理の味はもちろん最近は寛げるインテリア空間にポイントを置く傾向がある。 例えば配置されたテーブルと椅子、照明やテーブルクロスが席ごとに違っているとさりげないお洒落感覚を独占できたような気分になる。 布一枚の使い方に温もりを感じる人だっている。 「募集はしているんでしょ? 人、来ないのかな」「時給が10円でも高い方にいくでしょ」「香川さんはどう思います?」 しばらく口をつぐんでいた裕子は組んだ両手に顎を乗せて、ふーっと息を吐いた。「そこそこ時給が支払えないのは売上げが悪いから。売上げはサービスが行き届かないと伸びないでしょ。サービスが行き届くにはスタッフがいないと」「悪循環?」「かと言って、ボイコットはねえ・・・・・・」「大沢君、まずは話し合いじゃない?」「交代で仕事してるじゃん! いつ皆が揃う? 話し合う? 矢沢っちと俺で店長に何度も言ってるよ」 竜也は、まどろっこしい二人にまた熱くなった。 「他のメンバーは承知してるの? やるなら全員よ。 じゃないと同意しない人に凄く迷惑をかけるよ竜也・・・」「矢沢さん、小林さんはしないと思うよ、ボイコット」 奏は小さい声で言った。 そこにはとても正直で優しい響きがあった。「何よりね、お客さんは関係ないんだし! 巻きこむつもり?」 わかりきったことに、うざそうな反応を示した竜也は黙って席を立った。そして彼は唯一寛げるスノコの上に、べたっと腰を下ろした。 暫くすると、竜也はいつものようにギターを抱いた。弦から発するか細い音色は、至って単調に流れていた。「いつもはドア、開けっ放しなのにね。 怒っちゃったみたい」「参ったな・・・・・・」
2007/03/29
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もうすぐ三月も終わり。1年の4分の1! 避難所、輪島はご高齢の方が本当に多い。 持病のお薬が手もとに無い不安も含めて本当に胸が痛む。 栄養状態、睡眠不足、余震、今後の生活、、特にお一人暮らしの方は切実。 避難所に行けなかった犬が、小屋で飼い主をひたすら待っていました。見えない所で動いてる「闇の小判」 、無駄使いしてる税金。 使うべきところに存分に使って欲しい! 一本5000円の水や、高額な接待費等。政治は誰の為にあるのか? 国民の為。 傲りへのツケは最後は何処へ? 一番わかっていないのは誰? 偉く?なると原点を見失うのか・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ さて、ストレス発散。 諸々(私だって)ある中、気分を変えて 庭に「クリスマスローズ」が咲いていた。 どうして俯くの?この花。 花瓶? これは冷酒を飲むトックリ? 氷入れる所に一輪久しぶりに押し花を! 午後はちぎり絵にも挑戦! これも「手芸」かな? つまみ ついでにもう一つ。 着物をほどいた生地を再利用(ミシンがないから手縫い~) 絶対必要。バックSimply Red 「 IF You don’t Know Me By Now 」 ふたりの絆 とっても好きな曲。 夜はダンスで汗を流し、車で街灯と信号の灯りに酔いながら、振り付け中の曲を聴く。SOMEDAY HOLD ON しっかりリセット、リフレッシュ! こういう日もないとね
2007/03/27
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竹沢チーフを迎え、倉田が去った厨房では時々店長が凄腕を発揮していた。「やるなあ、瀬川店長」「だって店長だから」「そうだけれど」 竜也と裕子が疲れた顔でボソボソと話す。 元々堀の深い小林の目がいっそう奥まっている。 カウンターにやってきた矢沢が遠慮がちに訊ねる。「店長、フロア―に戻れませんか?」「ああ、もうちょっと待って! 」 ドリアを拵えながら瀬川が応える。「はい」 矢沢の動きは無駄がない。 カウンターには誰もいない。瀬川店長は、オープンからラストまで「街路樹」のフロア―と厨房を行ったり来たり。裕子が知る限り、週一度の休みもどこかに追いやられてしまっている。「今日の中華スープね、ごま油を入れるの忘れてフロア―に出しちゃて」 奏が汗を拭いながら休憩室にやってきて、裕子の前に腰掛けた。「わー! 納豆だー 私、それだけはたぶん死んでも食べられない!」 裕子の従食のパスタを覗きこんだ奏が、形のいい鼻を摘まんだ。「身体にいいのに。 今は体力勝負だし」「ああ、倉田さんが作ってくれた従食が食べたいな」「そうだね」「どこか他の店に引き抜かれたのかな? 」「・・・だといいね」 更衣室から出てきた中谷が「これから幼稚園の役員会」と言って口紅を付ける。「裕子さん、倉田さんには随分いびられてたよね。 正直辞めちゃうんじゃないかって話してたこともあるのよ」 中谷は上下の唇を合わせて艶色を確かめた後、「よっしゃー!」と気合いを入れた。「倉田さんには色々教わった」 裕子は納豆の糸と格闘しながら、感情を沈殿させてそう言った。 入れ違いで竜也がスタスタと入ってきた。「お疲れ」「ふー!」「大沢君、疲れてるね」「ねえ・・・・・・」「竜也の『ねえ』は、ろくな事ないから」 裕子は唇に刻み海苔を付けたまま、竜也を見上げた。「で、何?」「今、ろくな事無いって言った癖に!」「ああ、ふたりとも疲れてるね。 イライラしてる」 竜也は奏を感じながら裕子を見た。「あのさあ、俺達ボイコットしない?」「ほーらやっぱり!」 裕子は再びパスタに納豆を絡ませた。竜也がポケットからシワになった紙を出すと、奏が「なになに? 」と体制を変えて竜也に寄り添う。 竜也は触れた奏の身体に戸惑い、心で大いに歓んだ。「はい、シフト表のコピー。 最近キツクない? 労働基準法に違反してるよマジで」「へー、難しい言葉知ってるのね。 しかも、何これ? 何時の間にコピーを?」「俺、かなりマジなんだけど」「うん。 キッチンきついよね? でね、店長がキッチンに入るとフロア―も困るの」 裕子はグラスの氷をコロコロ揺さぶりながら、竜也がひろげたシフト表を見た。 撮影kitakitune05さん
2007/03/25
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「おちぶれちゃいないよ! 年寄り扱いするな!」倉田は何度かそう言って電話を切った。 その後無性にわびしくなって、娘の言葉を復唱する。 お粗末なテーブルには時々送られてくる孫の写真と、タバコの吸殻、気の抜けたビールが半分程残っていた。 既に再婚をした妻の洋子。 一人暮らしの父親を気遣って、近くに越してくるようにとすすめる娘。 年明けて間もなく、洋子によく似た香川裕子が「街路樹」へやってきた。倉田は目を見張った。 背格好、髪の色艶、顔の輪郭、茶色かかった瞳、薄い唇、なだらかな肩。裕子は、平然と厨房で野菜を切り米を炊く。 まるで自宅の台所にいるように汚れた皿をさっさと洗い、歯切れのいい返事ばかりして、おまけに自分以外のスタッフと直ぐに親しくなった。 ある時裕子が若い彼等にこう言った。 「売り手市場! 出番がやってくるかもね」 皆が去ったのを確かめて更衣室のドアを開けた。企業戦士だった頃の仲間の多くは、来年あたりから退職する。 「売り手市場か・・・・・・」 倉田は暫く黄ばんだ壁に貼られたシフト表を見ていた。「世代交代」を突きつけられたわけでもない。 裕子に不満があるわけでもない。今となっては自分には関係ないと言うべきか・・・・・・ただ、鶴見の高台から川崎の夜景を見ながら、時に横浜の海を見ながら「長くて一年・・・・・・」 医者に言われた残りの時間を、心のどかに終えていきたい。 倉田は蝕んだ病巣と投函できずにいた手紙を持って、娘夫婦のマンションへ向かった。 撮影しっぽ2さん
2007/03/24
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その秋、「街路樹」では西田チーフの移動があった。青梅店からやってきた新チーフ竹沢誠一は、気持ちのいい挨拶をする好青年だった。そして「自分は不器用ですが・・・・・・」と目を細めながら言う。 けれどもあくる日、竹沢は三十分前に爽やかな笑顔で厨房に立っていた。 当然が現実になっただけのことに裕子は驚く。 そして「もうそれだけで充分だ」と思うのだ。 厨房が気持ちを着替えた。ところが数日後、倉田が退職した。 店長瀬川がその理由を知ってたのかどうかはわからない。 ここ一ヶ月、そういう噂も話もまるで無かったので、「倉田さんはもう来ない」とたちまち話題になった。丁寧にたたまれたコックコートは体温を包み込み、「倉田」と書かれたニームプレートがぽつんと脇に置かれていた。 裕子は鍵開けの朝、意志を含むそれらを暫く見つめていた。 (お疲れさまでした・・・)「急募! キッチンスタッフ。 経験者優遇」 瀬川は募集をかけた。なぜかひっそりとした厨房でいつものスタンバイが始まっていた。 バックヤードで言葉をなくした裕子を、小林が時々見る。 そして裕子と目が合うと欠伸で誤魔化す。 長い間幾人もの送迎に気持ちが慣れていた小林は、裕子が少し複雑な面持ちで野菜をきっていることを知っている。 倉田はバスに乗っていた。顔見知りになっている運転手が倉田に「今日は遅いんですね」とさり気に言った。「ええ。 今日は駅まで」 運転席の直ぐ後ろのシートに腰を下ろすと、数人の乗客を乗せたバスが動き出した。車窓からの見慣れたロケーションに虚ろを装いながら、いくつかのバス停を見送る。やがて「街路樹」の文字が視界に入ってきた。 バスが止まると倉田はまるで焦点を持たず、静かに目を背ける。 しだいに去っていく鶯色の建物。(もうこのバスに乗ることはない) 定年間近の運転手が、時折乗客に声をかけている。 倉田は交わされる光景に心のやり場を求めるように、灰色かかった雲が並んだ遠くの空を見つめていた。 バスが降車駅に止まった。降り際、首の辺りまで日に焼けた運転手を見ながら倉田が言った。「お元気で」 背中をまるめて足早にバスを降りた倉田は、人気の少ない駅に消えていった。 撮影kitakitune05さん
2007/03/22
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厨房にとっていい季節になっていた。真冬と真夏を抜けて十ヶ月。 スタンバイからゴミ集めまでの五時間はあっという間に過ぎていく。 「・・・・・・しながら○○」「・・・・・・のついでに○○」 効率よく仕事をこなすにはこれらがポイントになる。大きなシンクに溜まった皿や器、グラス類の数で不足や店の混み具合も見えてくる。単純作業とはいえ、「いらっしゃいませ」から「お待たせいたしました」の間に自分の手足や目、耳、脳の一部までが何処かで役に立つ。 受身から自発能動へと効かなかった機転に拍車がかかると、「後ろのおばさん」と言われても裕子は不愉快ではない。 以前、「うどん屋のてんぷらか! 」と倉田に怒鳴られたエビフライ。一日十本、家で○本、作り続ければ、コツを覚えるというもの。 「今夜もエビフライ? 」 秀明がキャベツの隣でそっくり返ったエビのしっぽを掴んで言う。「だんだん上手くなったでしょ? どう、このボリューム感と揚げ色」「そういう問題じゃないだろうよ! 」 少しの犠牲で大きな進歩。 裕子はカツにパン粉を付けながら、そんな会話を思い出す。ラインの作業台の引き出し式冷蔵庫にエビとカツを収めたついでに、ピザ用のチーズをチェックする。 ついでにシンクに水を浸し、洗剤をいれて手でグルグル泡立てておく。食器洗浄機でシャワーを浴びる前に、強い油分は抜いておく。 実践の中で得た知恵、恥をかいて習得するものの多き事に今更ながら自覚する。(自分が主婦であったことを) 十二時入りのチーフが白い歯を出しながら、ギリギリセーフでやってきた。「おはようございます」 西田はにんまり笑いを浮かべ、時計の針が親子二本、てっぺんで重なっている事を確認する。 あるいは確認をメンバーに促すように、にんまりする。平日は静かなるベテラン小林太郎と裕子がオープンスタンバイ、昼入りでチーフと倉田。夕方学校から駆けつける竜也と洋介。 今は猫の手よりは役に立つ裕子の手。水曜のダンスサークルを夜に替えた事もあって、裕子の一週間は充実に膨らんでいた。「今日のエビ、誰のスタンバイ? 」 倉田がいつものように投げ捨てるように訊いた。「私ですが、何か? 」「いや」 小林がそれで終わった会話にほっとして、ニンニクを暖まったオイルに落とす。「アフターで抹茶パフェお願いします! 」 アフターは食後と言う意味で使われる。 裕子の好物でもある抹茶パフェが空きっ腹から脳に反応して、またお腹にヤマビコになって鳴いた。「グーグググー」 矢沢が斜めに身をかわして、素早くカウンターの香ばしいピザを持っていく。 千尋がその隣のボンゴレを、中谷がフレンチトーストを、と言う具合だ。配膳台にやってきた奏に、西田が訊く。「子供、煩いですね」「はい。 たぶん六番の席の・・・・・・」 奏の後ろを通りながら、中谷が言う。「今の親は子供がはしゃぎ回っていても、ろくに注意しないんだから、まったく! 」「ここまで聞こえるんだから、周りのお客さん、落ち着かないでしょうね」 奏が少し困ったような顔をして「そうですが」と応える。「抹茶パフェ、お願いしますー」 小林が冷蔵庫から出てきた裕子に矢沢が告げたオーダーをすまなそうに頼んだ。揚げ物をしていた倉田が裕子の方を見た。 西田は時々フロア―の様子を伺いながらシンクの皿をラッカーに並べてはウォッシャーをかけている。 「ガタン! シュワー! 」熱風と吹音の繰り返しが多忙を知らせる。 裕子は小林の隣にやってきた。洋介と休憩室でデザートの復唱をしたのは先週。 「三歩あるくと忘れる年令なのよ。 もう一度」「じゃあ、マンゴー杏仁? 」「次、チョコレートパフェ?」 試験前の学生みたいに、向かい合って裕子なりに綿密に確認したレシピの数々。「まずは、容器はえーと、これ」 四種類のパフェ容器から、それを取り出す。背中合わせの小林が、裕子の確認作業に耳をダンボのようにしている。ジュ―ジューとエビを揚げる倉田の細い顎が角度を変える。「寒天七つ、抹茶シロップ少々、抹茶シホン八分の一、えーとそれから生クリームをのせて抹茶アイスの十二号、白玉二個、餡、パイを崩してサラサラと! 最後に・・・黒蜜を」「香川さん! 」 西田が振り返って指を裕子の方に向けた。その真ん中に倉田の含み笑いがあり、後ろにベテラン小林。「アイスは二十二号」「え? もう乗せちゃいましたー」「こういう時は早いんだー」「見てごらん! そんな不細工なもん、客に出せねえぜ」「香川さん、ディッシャーのサイズ、数字が小さいほどアイスは大きい。 従がってパフェには二十二号、もしくは十八号」 西田が説明しながら近寄ってきた。小林が「二十二号」を裕子に見せる。「これ」「はい」「自分の好物だから、つい、でかいのを夢見てかー。 笑えるな」「はい! やり直しー」「急げよ! 」「はい! すみません。 抹茶パフェは二十二号、二十二号! 」「油断するなよ」 倉田の言葉がいつもより甘かった。 きっと抹茶パフェの黒蜜を激辛のカレーライスに混ぜたような、そんな風な「ちょい甘」。(もう、忘れない! 間違えない)「ねえ、小林君。 失敗したこれ」 裕子は隅っこに置き去りにされて解けかかったパフェを指差した。「どうするの? 食べていいのかな私」「さあ・・・・・・?」 撮影しっぽ2さん
2007/03/19
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地面から半円突き出たタイヤが、「俺たち、リサイクル」という顔で並んでいる。余所者が気になってしかたない男の子が、下がりかけたゴムのズボンを時々思いついたように上げる裕子を見ていた。 その後ろに母親の顔色を伺いながら女の子が立っている。 真っ赤なトレーナーには「 MIKI HOUSE 」の白い文字があった。 「子供の遊びに親が交じるなんて、ねえ」 涼しい目のリーダー格がそう言った。 (自分達こそ、どっぷり介入しているくせに! )「宝捜し、やろうかね!?」 マリが持ってきた青いシャベルを持って、少し大きなアクションをつけて言う。千尋と中谷は砂場の木の縁に腰掛けて、裕子を見上げた。「これをね、おばあちゃんがこの砂場の何処かに隠すから、ちょっとだけ後ろを向いていてくれるかな」「いい? 健太! それからマリちゃんも春奈ちゃんもこっちを向いて」 中谷そう言うと、三人がにこにこしながら裕子に背を向けた。「あんまり深いところに隠さないでよ! おばあちゃん」「わかってるよ。 でも三人で見つけてね。 これは競争じゃないから」 裕子が三畳ほどの砂場とシャベルを交互に見ながら、比較的「あちら」に近い方のにシャベルを埋めた。 そして、砂を平にした後「もういいよ! さあ、どこでしょう? 」と声をかけた。健太はわくわくする気持ちを待ちきれないと言わんばかりに、思い切り振り向いた。「えー・・・・・・この中に本等にあるの? マリのシャベル」 マリは乾いた砂の所々にできた盛りあがりを、大きな目で追っていた。千尋が時々タイヤに跨った男の子に、好感度の高い笑顔を向ける。 傾げた首に僅かに反応するようだ。 「よし! 探そう」 健太が砂場の真ん中に立った。「あっはは~! やっぱ男の子だね、健太君」「頑張れ! 」 三人はしゃがんで、湿った砂の盛り上がりに騙されながら「宝」を探し始めた。「僕、知ってるよ! 」「なあー、あの辺だよな! 」 タイヤの所から二人がやってきた。「駄目よ、幸介! こっちにおいで! 」 様子を伺っていた母親の中の一人が、慌てて引きとめた。 後ろから女の子も、恐る恐るやってきた。「えー、知っているの? じゃあ、助けてあげてよ」 まるで先入観のない眼差しで、中谷が彼等を手招きした。「健太君、仲間が来てくれたよ! これで六人だ! 」「うん」「たしかねえ、この辺かもしれないぞ」 何時の間に加わった子供達。 地面に張り付いたように動かない面々が、少しうろたえる。意地で歪んだ顔に、プライドの笑顔が不自然にひきつっている。(そっちで、子供の本音をよーく観るといいわ)裕子は再びズボンを引き上げる。極自然な展開が、速やかに千尋の心を安堵へ導く。 ピュア―な瞳、無邪気な両手が砂の上で和みはじめる。「おい、ここだぞ!」 健太は「どこ、どこ? 」と言って傍に寄った。 三人の男の子の体がぴったりくっついた。 暫くもぞもぞしていた子供達。 誰かが「やったー!」と叫ぶと、親指を咥えて立っていた幼い女の子が砂場に足を踏み入れた。 余所者に素早く反応して、「僕の砂場だ!」と叫んだ男の子の右手にシャベルがあった。「もう一度やろう! 」「今度はね、見つけた人が隠すようにしたらどう? 」「うん! 」 午後の陽だまりで、たぶん始めからなかったはずの黄色い分離帯が、白に変わった。(少なくともこの子達に関しては・・・・・・)裕子はそう感じた。 「驚いたなあ。 こんな単純な遊びで盛り上がるなんて」 千尋が中谷だけに聞こえるように言った。「手をかけても、目をかけても、心をかけるって案外難しい。 普通っていうのが普通じゃくなってる今はね」「私達は、こうやって遊んで育ったよね」「公園でストレス溜めてどうすんだって言うの! 」「この先は千尋、千尋だよ。 公園の敷居が跨げないママ達も『胡麻擂りデビュー』すると、いつかデビューを待つ側に。 それは地球が反対に回るようなもんだ! あっちゃいけないことだと思うよ」 裕子はあまり意味のないファッションで砂場の賑わいを感じながら、遠い昔、年の離れた弟達を連れて行った下町の公園を思い出していた。 撮影kitakitune05さん
2007/03/18
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「隙を見せたら駄目よー」 いつも比較的早口の裕子が、一本調子でなだらかに言った。捨て身になった以上、自然であることが極めてポイントになる。 ふわーっと飛んで来た風船のように、蜜を求めて飛んで来た蝶ちょのように。 不自然な構えは臆病の裏返し。 六人は砂場で輪になった。腕組をしてこちらの様子を伺う辛口の団子に、裕子は背を向けて体制を整えた。眼科の視力検査の[C ]マークのように、砂場の輪から抜けた裕子は大きな声で言った。「さあ!遊ぼうか! 」「うん! 」 中谷久美が千尋に促すような視線を流すと、千尋は春奈とマリに微笑みかけた。「バケツにね、このスコップでほら!こうして下の方の冷たい砂を入れよう」「詰めるのよ」 マリが持っていた黄色いバケツが陽だまりで主役になる。「何をつくるの?おばあちゃん」 マリは嬉しそうに裕子を見上げた。 大きな瞳に丸い鼻。 髪はツヤツヤとしていて、旋毛の周りで丸い光の輪を作っている。「ひっくりかえしてプリンのようなお山を作るの」 健太が一瞬、ブランコにそそられて立ち上がったが、裕子が「プリン」と言ったとたん再びしゃがみ込んだ。 そして小さな両手で湿った砂を掘り出した。「あのね、白い砂はプリンにならないで壊れるんだよ、マリちゃん」「そっかー」 裕子は持っていた紙袋から旗の付いた40センチほどの棒を出した。「さあ、プリンができたかな? んじゃ棒を立てて・・・・」「棒倒し? そうか! 」 千尋は折り程の大きさの日の丸を見て笑った。(街路樹のお子様ランチがヒントだ!)「あそこ、僕達の砂場!」 ブランコがキーキーいいながら止まると、ベビーカーを揺らしていた母親に向ってひとりの少年が言った。 突然現れた「よそ者」を歪んだ顔で観察していた数人が、ざわざわと唸り始めた。 「ジャンケンで順番を決めよう!」 聞こえなかった振りをして、中谷が右手で拳を作った。千尋の母性本能に刻まれた言葉が、ジャンケンの賑わいに紛れて訪れた。 メール受信 「『街路樹』のフロア―の千尋のままで行けばOK。 我が物顔で幅をきかせる優越感。 圧力鍋には蓋をしちゃおうぜ! 純粋に遊びたいだけの子供心。それだけを鍋から出してさ! そう仕向けるんだよ・・・・・・」 いささか賭けのような光景が浮き沈みしていたが、子供の為には母親は強くなれものだと中谷に補足された千尋。 「たかが公園、されど公園。 今できる行動を!」 不思議に勇気が湧いてくる。 親のエゴを満たす為に「デビュー」という道のりが存在するなら、曲がったままの翼で温められた子供達は、境界線をつくることを肌で覚え、容易に抜け出せないことをついでに知る。 やがてステージが「教室」になった時、強弱、新旧等の境界線を引いて角を向けたり、無視を保ったり、そういうことになりかねない。そして厄介なことに、子供は親の「心の動き」に思いのほか敏感である種の能力さえ身に付けている。 威圧する側、される側。 何時か裕子が休憩室で、こめかみに青筋をたてて熱弁をふるっていた。「公園も教室も職場も社会も、政治がそうであるように弱者はいつも『こっち側』にいて我慢や諦めに慣らされる。 だから『今、自分はこれならできる! 』という意識革命や電光石火の行動がなされなければ、変わらないまま呑まれてしまう」と。「ジャンケンポン! 」 春奈やマリ、そして健太の目も輝いていた。 真ん中にこんもり膨らんだ山の一点に注目した面々の両手が、砂を少しずつ掬っていった。「ママ!私もやりたい」 その声を待っていたかのように、腕組みをしていた裕子が振り向いた。「ねえー! 一緒にやらない? みんなでやらない? 」 裕子の声が轟いた。 砂場の賑わいに置き去りにされたような顔で見上げる子供。仁王立ちになった数人の母親が首を横に振りながら、何やら言い聞かせるように顔を尖らせている。(やっぱりそうくるか。 よんだ通り。 次の作戦に移ろう) 裕子は視力検査の[C ]の文字を埋めるように、しゃがみ込んだ。そうして棒倒しに思い切り集中した。久々にはしゃぐ娘、春奈の隣に『街路樹』の千尋の顔があった。 撮影しっぽ2さん
2007/03/16
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「独楽吟五十二首」より 橘曙覧(たちばなあけみ) たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべてものを食ふとき たのしみは三人の子どもすくすくと大きくなれる姿見るとき たのしみはまれに魚煮て子らみながうまいうましと言ひて食ふとき たのしみは珍しき書人に借りはじめ一枚ひろげたるとき たのしみは朝起き出でて昨日までなかりし花の咲けるを見るとき たのしみは空あたたかに晴れし春秋の日に出でて歩くとき たのしみは心にうかぶはかなごと思つづけて煙草すふとき たのしみは昼寝目ざむる枕べにことことと湯の煮えてあるとき たのしみはとぼしきままに人集め酒飲め物を食へといふとき 1864年、すでに五十を越え高名であったこの歌人(越前藩)を訪ねた藩主がこう感想をのべたという。「おのれは富貴の身にして何ひとつ足らざることなけれど、心は寒く貧しくて、うしろめたく、顔の赤らむ心地せり」 「世代」~ 車窓から見えた風景偏見 デートの下見 昭和育ちと平成生まれ 夜の陽だまり 公園の境界線 他 この時期特別なくなるものティッシュペーパー干したはずの洗濯物肌の潤い 強風、乾燥、花粉注意報 TOP撮影yuu yuuさん
2007/03/15
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千尋のマンションは和光市でも朝霞寄りで、自転車で数十分も走れば荒川の土手。 「街路樹」が休みの日は小学生も遊ぶ公園や、荒川に娘の春奈を連れて行く。休憩室でポロっと話した公園の事情。 死ぬほど困るわけでもないけれど、そりゃあ家から五分の公園で自由に遊べるにこしたことはない。 裕子の車がやってきた。ぴったり二時半だということを携帯で確認する。 裕子がくちばしと呼ぶ携帯がこの頃は千尋にもくちばしに見えてきた。 駐車場で待っていた中谷久美も「街路樹」でバイトをするヤングママのひとり。 今日は一肌脱いで、少々厚塗りをして息子の健太の手を握っている。 隣にやはり三歳くらいの女の子が黄色いバケツと青いシャベルを持って立っていた。中谷と同じ社宅の子供らしい。 「ねえ! ここに止めていいの? 」 裕子は千尋達に手を振ると、運転席の窓から顔を出してきいた。「うん」 裕子は百円ショップにあるよな長細い紙袋と、和柄の小さい布袋を腕に通して降りてきた。 「お疲れ様! 裕子さん」「こんにちは、春奈ちゃんと健太君、それから・・・・・?」「マリちゃんって言うの。 『こんにちは』は? 」「こんにちは」 健太が我先に!と言わんばかりに元気に言うと、ふたりもつられるように挨拶をした後フードの付いたトレーナーとクリーム色のデニムを履いた春奈が、はにかみながら千尋の後ろに回った。「なんかさあ、裕子さんにそんな格好させて悪いね、ホント」「そこまで地味にしなくていいのに。 今のおばあちゃんって結構若いカッコしてるのよ」 日頃からしゃきしゃきフロア―を仕切る、中谷がそう言いながら裕子の全身を満遍なくチェックした。「それにその靴! どうしたの裕子さん!? 」 中谷が指差して言うと、千尋が声を出した笑った。 「ああ、またやっちゃった」「いいじゃない、お祖母ちゃんということだし」 健太が「早く行こうよー」と中谷のコットンシャツの裾を摘まんで言い出した。健太は公園の事情を知らないからだ。「んじゃ行こう! マリちゃんって言ったっけ? 手を繋ごうか? 」 六人はマンションを出て、コインランドリーの前を通り公園に向かった。「大丈夫かな? 」「孤独につけこんで、孤立を楽しむような、そんなもん公園って言わないんだ」「私が知ってる公園はね、むしろ母親同士が声を掛け合い『お子さんおいくつですか?』とか言ってさあ、仲良く遊ぶ子供達を包み込むような眼差しで見ていた。 まあね私としては、そんな光景が羨ましくもあったけど。 なんせ遊びに行く友人は殆ど子供がいたからね。 話が合わないからって未婚の友人は、母親になった仲間とは疎遠になっていく傾向があるけど。 キャリアウーマンは仲間同士が集まるようになるし」「裕子さんはどっちかっていうと? 」「あははっ! 気を使わなくていいよ。 仕事するしかなかったし、結構孤独に育ったから。ああ! あり得ないよね、こんだけ喋ってさあ。 中学の頃、保育園に弟達を迎えに行くのが日課だったよ。 自転車の前にひとり、後ろにひとり乗せて足開いて自転車扱いで。部活帰りの男子に笑われて凄く恥ずかしかったり・・・・・・」 いつも間にか手を放した子供達の後ろを暫く歩くと、勾配の少ない坂にさしかかった。ペンション風の真新しい住宅が競うように並んでいる。 白い格子窓が左右に開き、白いレースのカーテンが微風に微かに揺れていたりガーデニングに凝った庭先の花ばなを見たりして、千尋親子の緊張を何とか解そうと他愛もない話をしていた。 やがて千尋の歩調が衰えた。その一角に公園があった。 公園の向こうには畑は広がり、月極駐車場と書かれた看板も見える。 低い植え込みに囲まれたごく普通の公園だった。「ああ、ドキドキしてきた」「この前を行ったり来たりしていたわけだね、千尋は・・・・・・」 千尋の肩をドン!叩いて中谷が「しっかりしろ! 」と言った。千尋に反応したように、娘の春奈が慌てて千尋の手を握った。マリが立ち止まった。「ここで遊ぶの? おばあちゃん? 」(ズコ!)「そうよ。 遊ぼうね! 楽しい事たくさん、ね! 」 マリはプラスティックの砂場用のバケツと小さなシャベルを裕子に見せた。大きな滑り台、隣に子供を乗せたブランコが三本揺れている。 さほど広くない公園にしては手入れが行き届いた花壇があって、橙色や黄色のマリーゴールドが陽を浴びてそよいでいた。砂場側には、家の勝手口のような日の当たらない入り口があった。裕子達は、そこから入るのが自然な状況にいた。 本来開放的であるはずの公園。 安らぎと交流の場。 ベビーカーを引いて裕子達の脇をすーっと通り過ぎていったジーンズ姿のその人も、葛藤の末の散歩に終わるひとりのようだ。 敷居の高い公園に入った裕子達に気付いた「先輩達」はブランコの後ろのベンチから立ち上がった。「まるで自分たちの領域って顔してる」 中谷の声が急に低くなった。 撮影kitakitune05さん
2007/03/13
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時計が二時を指した。裕子の両手がサロンの結び目に触れた。「お先に失礼します!」 さっきまで湯気の中にいた小林の輪郭がくっきりと見える。ツタンカーメンのように堀が深く濃い顔だから、彼が欠伸をしても空気が抜ける風船でなく意思を持つ呼吸の一部に感じる。混雑から遠ざかったフロア―。 あのざわめきは何処へ散ったのか?暫くして矢沢がやってきた。 カウンターで両腕を休ませて小林に話し掛ける。言葉が少ない二人はとても仲が良い。そして二人はレストラン「街路樹」が好きなのだ。「おまえに言われたくないよ」「こっちだって!」 なんて言いながら、きわめて好感度の高い笑顔を発信させている。だから裕子はそっと厨房を出て、カウンターに寄りかかる矢沢の後ろを速やかに通ってタイムカードの前に行く。 (厨房で使えないオバサンの帰りは早い)疲労の色を隠せない時も、活力が失せるような時も、二人のベテラン戦士は自分の枠からはみ出ない程度に、心地よい加減の空間をつくる。 そしてそれは窮屈でも退屈でもない。 例えば前向きだから生じる「摩擦」白いコック帽の下でジェルで立てたツンツンヘアーの洋介が、遅刻常習の西田に「自分はどうなんだよ!」と目を吊り上げ、口を尖らせても「おい、洋介・・・・・・」 この頃はこれで御終い。 時々裕子に妙な反応を示す倉田にも、取り繕うこともなく、目上の人への常識を崩すこともなく、職場を弁(わきま)えながら極自然に振る舞う。ささやかな和みは「与える」ことに無頓着な、一歩引いた賢い者が醸し出す。 更衣室で何度も鏡を見ながら、急いで着替えを済ませた裕子。従食を持って休憩室にやってきた矢沢が、古い革の椅子に腰掛けて裕子を見た。「早いっすねえ! 今日は・・・・・・」 矢沢の皿には好物のトマトが幾つも並んでいる。 両手を頭の後ろで組んだ後何だか慌てる裕子に訊いた。「いつもと雰囲気違いますか? 」「ああ! 今日ね、公園! 」「え? 公園に行くんすか?・・・・・・」「そう、例の作戦。 千尋の公園デビューの助っ人よ。 何だか私、祖母だってさ祖母! 」 矢沢は「ああ! 」と言う表情を浮かべ、トマトを一つ口に運んだ。「だからね、このままスッピンで、それでいつものジーパンやパーカーが着いた若い服はタブーなのよ。 どうこれ?雰囲気出てるでしょ! ね? 」 裕子は脇の一部にゴムが入ったズボンと、一部のおばちゃんが好みそうなボタンがたくさんに並んだ上着を着ている。狭い休憩室でモデルのようにグルッと回ってみせた後、斜めに傾いた時計を見た。「この時計さあ、こうやって首を傾けて見ないと。 お! ヤバイ、行かなくちゃ! 」 普通なら五分かかる会話が、裕子となら数分で済む。「作戦成功祈ってます! 」「言い出しっぺ・・・・・・余計なこと思いつきで言っちゃったからさ、私」 矢沢は「作戦」と言って、髪を振り乱して出て行った裕子が可笑しかった。同世代の自分の母親には無い発色。 たぶんあまり出会うことがないあやふやな色味。竜也は台場やディズニーランドに「連れていってやるよ!」なんて、まるで無頓着に言ってのける。敬遠や硬化、プライド、それらに変わる素材が縦横自在に独特のネットワークをつくり飾り気のない広がりを持つとすれば、さっき見た足元は案外「その人」にしっくりいく・・・と矢沢は思う。 気合いを入れて去った裕子は「 厨房専用防水&滑り止め付き靴 」を履き替えてない。(また忘れたな・・・・・・コック帽よりマシかもしれない) 秋の空は遥かに高く、硬くも柔らかくもない青がフロントガラスを占領しようと裕子の前に気持ち良く広がっていた。 撮影しば桜さん
2007/03/11
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昨日と今日は寒かったんです。私は週末仕事の為、金曜は何かと忙しい。そんな中、数年フリーターで頑張っていた(息子と同年の)子の就職が決まり、彼女とおそろいのコーヒーカップをお祝いに買いに。 そして、間もなく去ることになる彼のレストラン(仕事場)に行きました。 風も強い。 火の元よし! 忘れ物なし! なんて気合い入れて、いそいそと出かけ・・・・・・美味しいイタリアンとケーキ三個(小さいの)、ドリンクは飲み放題(ドリンクバー) もうひとりの友達(モデルの小雪に似てる美人ヤングママ)と、彼にお祝いを渡してさんざお喋りして。 帰りは友達に家まで送ってもらいました。「ああ~ やれやれ! もう4時、布団と洗濯物いれないと!」 そう! 鍵がない! あれ? 確かに! 持ったはず! 息子は午後出勤、しっかり鍵をかけて出て行った(当たり前) 裏に周り、二階の窓に鍵がかけてないかも!? と思い、縁側から倉庫の屋根に登って ベランダを這い上がって、跨げば何とかなるかも! (これ、15年前に息子がやったんです、忍者の如く) お隣さん、裏の農家(平屋)、もし私が落ちたら? びっくりするだろうか? もし落ちたら お葬式、死因「自分の家のベランダをよじ登って落ちた」 ああ、家族が気の毒。 私もカワイソウ・・・・・で、暫く寒さを凌いで一坪程の倉庫に。 釣り道具、防災グッツ、ガーデニンググッツ、防虫剤、不燃ごみ、大工道具に囲まれて。「ああ、どうしよう! 」 落ち込んで、30分、倉庫で俯き・・・・ 携帯電話「もしもし、私。 今ね、倉庫にいる・・・事情があって、寒いからね。 ここにいる」「なんで? 」 (監禁) 「なんだかんだ・・・ああだこうだ・・・そんでもって・・・そういう訳でゴメン!」 「あと、15分で着くから 」機関銃のように喋る私に呆れて。 主人,2年前、本社から地元の工場に移動。 お陰で家に入れました。「会社で笑いものになってるよ! 」 とほほ~ PM5時
2007/03/09
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厨房で黙々と汗する同士。 異なる時代に生まれ、ことなる暮らしの中でひっきりなしにやってくる現実のパーツに呼吸を合わせ、振り回され、もがきながら季節が敷いた道を歩く。 翼を広げた未来への距離が裕子の数倍もある竜也。 夜景を見ながら時々少し首を傾けて、裕子に話し掛ける。それは鼻にかかったような甘たるい声で、言葉が時々納豆の糸のように繋がっている。「奏ちゃんってさあ、マジ凄くない?だって伴奏なしであれだけ歌えるんだよ」「うんうん、音も外さないし、腹式呼吸っていうの?基本ができてるから聞いていて安心するのよね」「一つ年上だけど、可愛いな、やっぱ」 裕子は片腕で頬杖をつきながら、たった一口のワインで大人ぶる竜也に言った。「恋愛もね、ワインのようにほろ酔い加減がいいのよ」「それはオバサンの発想じゃん?俺は加減なんてできないし、錯覚のような恋はゴメンだ」「確かに若いし男だし、いろんな人と錯覚のような恋をして・・・ああ、嘘うそ!本気の恋。それから夢も追いかけてね」「俺、音楽プロ目指すよ。金貯めて、卒業したらギター教室や作曲の勉強もする。家を出て、部屋を借りて車の免許も・・・・・・ああ、彼女できると金かかるな」「奏ちゃんはどうかな?ブランド物で身を固める十代じゃないし」 夢と現実の狭間を行ったり来たり。それでも枯れない心を持ち続け、個性という宝剣をポケットに入れて、少しの自惚れと独りよがりで、あるいは本当に実力派かもしれない竜也は、確かにちょっと頼もしい。 裕子は窓の向こうの夜景より、そこにぼんやり映る自分の姿をまるで他人を見るように眺めていた。(ああ、変なオバサンが映ってるわ)「明日のことはわからない。一年後の自分もね。だから空が果てしなく感じるのね」「俺、希望って言葉が好きなんだ。実際、希望があるから生きていけるんだと思うし」「同感!私も希望が良薬だったな。電話線抜いてテレビも見れなかった廃人状態の時があってね。 他愛もないアニメ本で自己逃避してたのかな。あの時は一日が五十時間位に感じたよ。そんな時、何かの本で希望っていう二文字が目に入ったんだー」「へー、だから面接の時、『無になって働きたい』とか言ったの?」「知ってたの?そんなこと・・・・・・」「ああチラッとね。職種が全く違うじゃん!『 訳ありだな?』って履歴書覗いて・・・・ごめん!裕子さんの復活戦の一歩だったんだね、「街路樹」。俺も弟のダチがいじめで自殺した時も、かあちゃんが再婚言い出した時も、実際かなりきつかった。何でかな?俺なにもできないじゃん!ギターばっか弾いてたよ。二段ベットの下で小さくなってさ・・・・・・お陰で上達した」「そっかー・・・弟はお父さんに会いたがらない?ああごめん。応えたくなかったらいいよ」「俺も最近だからな、親父に会うようになったの。そのうち同じようになるんじゃん、まだ十二歳だし」「なんだろうね。私は子供が欲しいのにできなくなって、本当にしたかった仕事からも見捨てられて・・・・・・ああ私、ワイン一杯で酔ったかな?」「仕事、見捨てたんでしょ?そう思えばいいじゃん。それも希望の種類じゃん」「うんうん!」 世代を超えてかかわる細胞の多くは、共感に歓声をあげ、希望の代謝を促した。淡い幸せが仄かに漂う。 夜なのに、微笑が浮かんだ陽だまりにいるようだった。そんな時間の経過と共に、ありきたりに暮らしていたら知りえなかった事を「試練」によって得られるならば、母子家庭の竜也も奏も、いじめを乗り越えた洋介も、いつかそれらに感謝さえできる日が来るのだろうと裕子は思う。「ピザと生ハム、美味かったね」「うん!最高!」「けどさあ・・・・・俺、一応未青年なんだよね」「いやだ!駄目じゃん飲んじゃあ!」「ってか、乾杯!って言ったの裕子さんだし」「大丈夫かな?警察、犯罪、ああ違う、ほら!化学反応!じゃなくて条件反射!あれ?」「・・・・・・ん?」 撮影 kitakitune05さん
2007/03/07
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今日は資源ごみの当番だった。年に一回、自治会2班分(45世帯分位かな) 収集車が来るまでずーっと立って動いて見張って・・・・ 新聞、雑誌、牛乳パック類、衣類 缶(スチール、アルミ・・・思い切り潰してくる)、 ビンは色別( 白、茶、その他) ペットボトル(自宅でおもいきり踏んづけてくる) 結構大変な作業でした。 (また3週目の火曜日) で、ゴミって、そこそこの暮らしが見え隠れするもんだし。 性格も出てて。 新聞の束ね方とかね。 エロ本とか真ん中に隠す人、平気な人 缶を洗ってくる人、ビールやペットの餌やツナの匂いがしてるまま持ってくる人、さまざま。 ついでに軍手のまま、久々に庭の草取り。 心が留守になっていた庭 いつの間にか球根類が 花粉症だから大変だった~ 明日も残りの草を取ろう! 先月サボったダンス 今夜から復活 「不満の効用」 わずかなもので満足しない者は、いかなる富にも満ち足りることはない」 ヴィーラント かおと
2007/03/06
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ふたりはレストラン街にやってきた。 匂いにつられて立ち止まった赤い扉の前。「回転寿司かなあ」とボソボソ言いながら店の外から覗いていた。「いらっしゃいませー!」 元気な声につられて、ふたりは滑るように入ってしまった。 回っているのは中華色、中華柄の皿や器。「回転中華! はじめてだ、こういうの」「あんまり見つめると目が回るよ」「悪たれ坊や! ひとこと多い」 ふたりはやはり回転する、いや自転する高い椅子に腰掛けて、空腹の限界を一挙に満たそうと、公転してくるエビシュウマイや春巻きに手を伸ばしはじめた。「杏仁豆腐! これ美味いよ。 街路樹、負けてるな」「そりゃあ、ここは中華屋さんだもの。 でも、いろいろな種類を少しずつ食べられるのは嬉しいね」 フジテレビの見学で、小学生の団体に出くわせ、少々疲れ気味の二人。カウンターの横には、幾枚もの皿が次第に積まれていく。「けっこう、皿が・・・・一皿200円、こっちのが・・・・・・」 竜也は裕子の財布を心配してくれているのか、そういう所がなんとも可愛い。「そんなのいいよ。 食べ盛りなんだからさ! たらふく食べよう」 店をでると、竜也がどうしても見せたいスポットがあると言って裕子の少し前を歩き始めた。 昭和30年代の街並みを再現したフロア―は、年配者ももちろん若者でも溢れていた。「わー!ラムネ」「ね! 凄いっしょ? 」 満腹になった竜也の声には力が入っていた。タイル張りの銭湯に描かれた富士山、駅のアナウンス、存在感のある真っ赤なポスト、黒んぼの抱っこちゃん人形。「凄いなここ! 誰が考えたんだろう? 懐かしいよー」 裕子は路地の両脇に、忙しく首を向けながら興奮気味にそう言った。「でしょう? 」 竜也は光景に見惚れて動かなくなった裕子の後ろで、ラムネを飲んでいた。「凄いな・・・・茶の間だ」 丸い卓袱台、引き違い戸の食器戸棚、煤けた障子紙、美空ひばりのセピア色のポスター、日めくりカレンダー、土間には箒やハタキが掛けられている。「まるで白い割烹着を着た母親が、今にもひょっこりと顔を出しそうだわ。頭は細かいパーマネントでね。手も荒れててさ・・・・・・」竜也の世代には新鮮に映るそれらは、裕子にはたまらない郷愁がある。「この時代はよかった? 」「よかったよ。凄くお金持ちも凄く貧しい人も、どこかにいたんだろうけどね。そういうものを感じなかった。みんな一緒、みんな必死、それで和やかだったよ」「へえー」「子供もたくさんいたな。ガキ大将はいたけれど、陰険ないじめは無かったと思うし」「ほらほら!これに乗っていたのよ、お父さん達は」「ああ、スクーター?・・・・・・ダサイね! 」「ダサイ?必需品だよ。 この頃は缶蹴りとかメンコとかフラフープ・・・ああごめん!今言った遊び、全部知らないよね」「わかるのもあるけど。よく喋るなあと思ってさ。けど、喧嘩はあっても集団無視とか小中学生の自殺とか・・・・・ほら、親の虐待とかは無かったんじゃん?」「うんうん! 何が変わったのかね? 今は日常茶飯事。この麻痺が怖いんだよ」「親の威厳?豊かさ、便利さ?」「へー、驚き! たまには良いこと言うのね。今の発言ヒットだよ」「たまに祖母ちゃんが言ってるよ」「ああ、お父さんのお母さんね。たまには行ってるのね、お父さんに会いに」「まあね。いちおう親子だから」 「いちおう」という言葉の奥で、竜也が目を背けてきた大人の事情があるのだと思った。 そして竜也が裕子に付き添う形で時間が過ぎていった。「今はね」「ん?」「素で遊べないんだろうな」「素、す? ああ、何となくわかる。大人の社会もそうかもしれない。世間体や見栄、腹の探り合いかと思えば、最小限度のかかわりで留めるみたいな・・・・」「緊張や不安ってあるじゃん? 親や先生には言えないもんだよ。実際友達にだって」「くちばし開いて、メールで 『ゴメン』 『ありがとう』で済んじゃうし。便利だけどね会話や対話は減るわけだ。ね?極度の不安って心の病の引き金になったりするのよ」 ふたりが外に出ると、西の空が赤く染まっていた。たわいもない一日が終わろうとしていた。 やがて心地よい夜風が頬の辺りを通り過ぎると、砂浜を踏みしめて裕子が言った。「ここ、もっと広かったんでしょ?」「そうだよ」 いろいろ手を加えて、自然のものが波と一緒に遠くに去って行く東京湾を、裕子はいつまでも見つめていた。 撮影kitakitune05さん
2007/03/04
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太陽にモザイクをかけたくなるような夏が過ぎた。 今となっては何を言ったか思い出せないダンスサークル最後の日。血圧上昇と呼吸の乱れ、少しの細胞活性化、脳と身体の記憶はこんなものだ。 夜になると「街路樹」は、道端の街灯と入り口の植え込みに忍ばせたライトアップが仲良く溶け合って美しい外観を浮き出していた。 「ああ、星だ! 明日は晴れるな」 翌日は、今時お台場に行ったことがないと言った、竜也の常識では、到って天然記念物のオバサンとでかける事になっていた。裕子は「デートの下見? 」とにやけて訊いたが、最近カリカリしている年令不詳のその人は、母親にも恋人にも属さない不思議な存在なのだ。「街路樹」を出た竜也は、自転車に跨ってくちばしを開いた。「ああ、もう十一時だ、よしゃっ! 帰ろうっと! 」 竜也は、待ち合わせの時間より十分早く着くと偉そうに言った。確かにベンチには両足を投げ出して退屈そうにくちばしと遊ぶ竜也がいた。「お待たせー」「そんなにフーフーいちゃって! ホームを走る姿、可笑しいよ」「だって、待たせているかと思って・・・・・・」「やっぱ年だね」 竜也の素材は新鮮で、熱いスープに入れて溶かしてしまいたい。直球ストレートに「街路樹」の誰もが一度はムカっときて、二度目は呆れ、三度目で慣れて最後に許せる。 そんな素材と一メートルほど距離をとってつり革に掴まる。「電車混んでくるからさあ。離れていると不自然じゃん、別に気を使わなくてもいいよ! 」 あいつはデカイ男になりますよ! と言った矢沢の言葉、どう見てもふにゃふにゃしたコンニャクか蓮根。 数箇所、穴のあいたジーンズと重ね着のシャツを裕子は眺めた。「いちおうね、竜也に気を使って若作りしてきたんだけれど」「どうせ親戚のおばさんと甥っ子にしか見られないよ」(ズコッ!) お台場に着くまで、結局ふたりは奏の話で盛り上がった。恋のフェロモンを露骨に出さないようにとか、元彼のこと、家庭のこと、音大に行ってたら凄かったかもとか、そんなこんなで一時間。 ふたりはお台場に着いた。「わー! 平日でもこんなに人が! 」「いいっしょ? ここがお台場だよ」 竜也は観光案内をするかのように誇らしげに言った。密着するアベックを横目で見ながら、裕子は夏が遠ざかった海の匂いを感じていた。「ここ、夜景がきれいでしょう? 」「いちおう、デートスポットだからね」「来月のおわり位から、あれ、ほら! イマジネーション点くよね」「イルミネーションのこと? 」「そう、それよ。 その時は奏ちゃんと一緒だね」「だといいな・・・・・・。ねえ、俺、朝飯抜きなんだー 腹減ったな」「どうする? 超一流のオッサン大衆食堂がいい? それとも二流の高級レストラン? 」「マジ、選べないよそれ」 竜也は立ち止まって青空に向かって伸びをした。「あああー気持ちいいなあ! めっちゃ空が高いし・・・・・・」「うん、めっちゃ気分いいよー! 今日は厨房から開放されたー」 続く 撮影しっぽ2さん
2007/03/02
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2007/03/01
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