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私はかねがね感じていたことがあります。英語で日本語のことをJPYと書くことがありますが、これは日本円(JaPanese Yen)のことですね。同じように、中国の元はRMB(Renminbi)と書きます。意味は、人民幣です。ところが、日常的に話す時には、日本円は「ィエン」と聞こえ、中国元は「ュエン」と聞こえるのです。日本語での「エン」と「ゲン」、英語表記での「JPY」と「RMB」は間違うことはありませんが、「ィエン」と「ュエン」はどう聞いても似ています。なんでかなと思っていました。もちろん、このブログの読者の多くの方々はご存知であったことなのかも知れませんが、私は恥ずかしながら「全然知りません」でした。先日、トゥグルグのことをネットで調べていたら偶然わかったのです。円と元は同じ意味だったのですね。以下はネットなどでの受け売りですが、私同様ご存知ない方もおられると思いますので、ちょっとまとめてみます。中国ではよく骨董屋さんあたりで見るような宋銭などの貨幣が流通していましたが、18世紀ごろからメキシコドルなどの円状の銀貨が流入し、これが「銀圓」と呼ばれたんだそうです。圓は丸という意味です。この頃の驚くべきことは、メキシコドル(銀貨)が世界通貨のデファクト(基準通貨)のようになっていたんだそうです。ま、メキシコといってもこの頃はスペイン領ですけど。アメリカの1ドル銀貨もメキシコドルに基づくもので、当時は世界的にメキシコドルの流通が圧倒的に大きかったんだそうです。びっくりです。もっとびっくりするのは、中国の圓とアメリカのドルはともにメキシコドルをベースにしていたので、当時はほぼ同じ価値だったんだそうです。にわかには信じられません。1ドル=1元=1円=1メキシコドルに近い状態の時代があったなんて!!銀貨そのものが貨幣ですから、確かに今の紙きれの価値とは違って、基本的には銀の世界相場でその価値は保証されていたということなんでしょう。原始的ですが、わかりやすいです。なので、東アジアではどこも圓という通貨を使っていたというのです。日本は明治になって正式に圓を通貨の単位としました。当然、その後は金や紙幣などの導入で価値は変わって行きました。そして戦後になって、旧文字の圓を新字体の円に変えたというわけです。中国でも、孫文による中華民国の成立が起き、旧字の銀圓を改め、銀元が導入されたのです。戦後は共産党支配となり、人民元に変わったということです。更に、韓国も同じ話だそうです。やはり元々は圓を使っていたそうです。それを「圜」(Hwan、ファン)に変え19世紀末期から使っていたそうです。それが「圜」(ウォン)に変わり、今に続いているんだそうです。ですから、今も中国では韓国ウォンは「韓圜」と表記されるとのこと。つまり円も元もウォンも、もとは全部一緒だったというのです。まさに「じぇじぇじぇー」です。更に驚いたのは、ここにトゥグルグまで登場することです。モンゴルや満州国では「圜」(円)と同じ意味のトゥグルグ(Tukhrik)を通貨単位として使っていたというのです。本当なのかな?ネットで調べてもこれが本当かどうかはわかりませんが、どうもそうらしいのです。満州国では、貨幣単位として「圓」が採用されてたのですが、紙幣上には「圓」表示とともにモンゴル文字により「トゥグルク」も表記されていたというから、驚くほかはありません。満州関連の本はいろいろ読みましたが、どこにも紙幣に「トゥグルグ」が書かれていたなんて見たこともありません。ここで感じたのは「やはりモンゴルは中国文化圏外」だなということです。日本も韓国も中国とは別と言いながら、結局は「圓」の末裔を今も使っているのですから。それに対して、モンゴルは意味こそ同じような丸の意味かもしれませんが、文字も発音も中国とは一切関係ない独自の言葉を使っています。モンゴル人がいつも言うように、やはり中国とはずっと隣合わせで来たけど、文化的には全くの「別物」なんでしょう。いやー、それにしても東アジアは深いですね。東アジア共同体とか言ってますが、将来はこの「圓」が共通通貨として復活するのでしょうか?その場合、発音の違いでもめることになるんでしょうね。要するに英語表記ですね。YenとYuanとWonを共通にするなんて日中韓が合意することは考えられないので、やっぱり無理かな。ちなみに、ベトナムのドンも仲間かなと思って調べたら、元々の意味は「銅」だそうです。これも東アジアを感じますね。
2013.08.31
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トゥグルグが中央銀行の為替レートとして1ドル=1,598.21トゥグルグと記録を更新したと、現地の銀行からメールが届きました。Web上でトゥグルグの最近の動きをみると、確かに今月に入ってから急にトゥグルグが安くなっているのがわかります。まずは、半年レベルで見てみましょう。3月上旬は、1ドル1,400トゥグルグ程度でした。それが4月一杯くらいまで上下変動はあるものの、かなり安定した相場でした。5月に入ってからややトゥグルグ安の傾向になりましたが、それでも穏やかな動きで、6月になっても1,450トゥグルグは超えませんでした。それが7月に入ると徐々に動きが急になり、7月上旬には1,450トゥグルグを突破、下旬には1,500トゥグルグに迫らんとしていました。8月5日に1,500トゥグルグを抜けると、その後の4日ほどで1,560トゥグルグ近くまで下落。このまま一気に下落かと思われましたが、その後は8月25日までほぼ1,560トゥグルグ前後で安定。そして、8月26日から再び下落し、1,590トゥグルグ台まで落ちたということです。なので、下落速度には差がありましたが、ここ半年はずっと下落傾向でした。対円では、円も円安傾向ということもあり、対ドルほどの大きな下落はありません。3月上旬から7月下旬までは1円=15トゥグルグをベースに、その間はずっとトゥグルグ高傾向でした。つまりこの期間はほとんど14トゥグルグ台だったということです。それが7月下旬から15トゥグルグを超え、8月下旬になると16トゥグルグを持超えてしまうトゥグルグ安になってしまいました。モンゴル経済としては、当然対ドル相場の方が影響は大きいですから、現在の記録的な安値は大問題です。現地に久しぶりに戻った人からは「何もかもが異常なほどの値上がりをしている。一体、一般市民はどうやって生活しているのだろうか?」との声も聞かれます。ガソリンを始めとし、食料品、衣類、雑貨など、「日本よりも割高?」と思えるような商品がザハでもたくさん並んでいるとのことです。給料が2倍になっても、物価が3倍になっては暮らし向きは良くならないというわけです。当然、トゥグルグ安の影響が大きいでしょう。半年でトゥグルグが14-5%も下落しては、生活に直結する輸入品の値上げは止められませんから。理由は?と聞かれて、簡単に答えられないのが為替ですが、資源価格下落による新興国の通貨安は世界的傾向ですから、この問題が一番響いているんだと思います。前にも為替のことを書きましたが、中国向け石炭単価の下落の影響が一番大きいかもしれませんね。資源国に対しては、昔から、今もそうですが、せっかくの資源による収入を産業振興に使うべきだ、資源をそのまま輸出せず一次加工でもいいから行って輸出すべきだ、との声が上がっています。私もモンゴルにいる時には、微力ながらそう言ってました。ですが為政者にとっては「そんな悠長なことを言ってるよりも、目の前の石炭を隣国にそのまま持って行くのが一番簡単で儲かる」という理由で、取り合ってもらえませんでした。悠長といっても、5~6年前から着手すれば、そろそろ形になっている頃です。というわけで、モンゴルも資源国特有の「わな」にハマりつつあるということなのかも知れません。とはいえ、「わな」というには、モンゴルに眠る資源は巨大すぎるかもしれませんけど。余計なこと考えずに「はまっちゃえ」ってことかな?
2013.08.28
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その後登場したのは(順番は忘れましたが)HIS会長澤田さんのハーン銀行。日本式のきめ細かい融資(羊を担保にして小口融資をする)が紹介されていました。これは有名なグラミン銀行に勝るとも劣らないマイクロファイナンスの仕組みだと思うほどです。が、番組としてはなんでも日本と結びつけたがって「日本式の融資を持ちこんだ」と言ってましたが、もちろん、そんなわけはありません。澤田さんは会長ではありますが、経営は世界から集めたアメリカ人などのプロフェッショナルバンカーに任せていました。昨年の春からトップが日本人になりましたが、ここまで成功してきた要因は日本式ではないグローバルスタンダードで銀行経営をしてきたことにあります。ま、ちょっと取材しただけではわかるはずもないでしょけど。あと、ジャパンタウンも紹介されていました。今はジャパンタウンの名前は使われず、フォーシーズンと呼ばれています。スルガ・モンゴルが長い年月をかけて作り上げてきた街づくりが紹介されていました。紹介によると、一戸当たり2000~5000万円とありました。モンゴルの賃金水準からするとべラボーな価格で、GDP比で言えば、六本木ヒルズよりも高いかもしれませんね。以前はもっと安かったんですけどね。私の記憶では5年くらい前で1000万円(100平米)だったかな?私も見学させて頂いた北海道のコンクリート会社も紹介されていました。この会社、寒冷地でのコンクリート製法のノウハウたくさんある会社です。番組の紹介の仕方が「お米だけじゃないんです。携帯も進出しているんです。通信会社ですね。」とモビコムのことを紹介していました。今年試験販売を始めたばかりの新潟のお米とモビコムを同列に扱うのは、いくらなんでも違うだろうと感じました。他の番組でもありましたが、この手の番組を見ていると時間の概念がなく、数ヶ月前のことと18年前のことが視聴者にはほとんど同じことのように伝わるのではないかと思ってしまいます。(モビコムは18年前からやっている)そして番組の最後は「モンゴルは第二のサウジアラビアになる」でした。うーん、センスないなあ。サウジアラビアって、結局石油を一部の王族が独占して、一般国民が騒がないようにその「ほんの一部」を配っているだけの国ですよね?まず日経新聞のなんとかさんという編集委員に申し上げますが、モンゴルは民主国家です。サウジのような国家独占主義ではありません。この編集員は、誤解したというのではなく、確信的に間違っていると思いました。「金、銅、石炭の産出によって国家が利益を得て、その利益を国民に配って豊かになる」とはっきり言いましたからね。それはサウジでしょ?カナダやオーストラリアはそうしてますか?違うでしょ?私はモンゴルがサウジアラビアのようになって欲しくはないです。カナダやオーストラリアのように民主主義のまま、民間資本を中心に資源開発を行い、政府はそこからの税収入などで国家全体のインフラ整備などに資金を使って欲しいです。「国家が利益を得て、それを国民に配る」などという寝ぼけたことを言う編集員は信用できません。そもそも番組中から、モンゴルに対する知識が「ちょっと昨日勉強しました」的雰囲気がぷんぷんでした。とはいえ、この人以外は全体にポジティブでいい番組でした。これを見て「よし、モンゴルへ行こう」という日本企業が増えてくれることを望みます。(完)
2013.08.27
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ここ数日更新してないのに、急に訪問者数が増えています。これはもしかして、今晩放送があったテレビ東京の番組、未来世紀ジパング【知られざる親日国モンゴルが沸騰】の影響でしょうか?きっとモンゴルを知らない人が見て興味を持ち、モンゴル関係でネット検索している中で私のブログにも立ち寄られた方が少なからずいるってことなんでしょう。とにもかくにも、モンゴルに興味を持ってくれる人が増えることは大歓迎です。私も見ました。今日の午後、モンゴル関連の知人からこの番組がある旨教えてもらい見ることができました。ご覧にならなかった方やモンゴルにいる人もいると思いますので、ここでちょっと内容を紹介しましょう。基本的には大変モンゴルに対してポジティブな内容でした。というか、実態以上に「日本とモンゴルは強くビジネスで結びついている」という印象を受けるほどでした。私の実感からすれば、日本企業の進出が少なすぎる!と思っているわけですが、番組的には「日本企業大活躍」的雰囲気でした。ま、ほとんどの日本人はモンゴルのことを知らないので、これくらいポジティブに宣伝してくれた方が良いかもしれませんね。まずは「大草原の国モンゴル・・・知られざる親日国」というところから始まりました。UBの発展ぶりや世界的に見てもトップクラスの高い成長国であること(GDPの伸びは2年連続で世界第3位なんだそうです)などです。もちろん、お約束の大相撲も出てきました。この番組は、日経新聞社もバックアップしているので基本的にはビジネス的なアプローチがメインです。そんな中、新潟産のお米の話が出てきました。モンゴルでも最近は肉メインの食生活から日本式の定食屋さんなどが人気があると紹介され、米の人気も上昇中とのこと。多分、ノミンでの買い物風景でしょうが、お米を買っている人にインタビューしていました。モンゴル人男性がお米を買おうと手に取る姿を見て「お米は好きですか?」と。好きだというと「そのお米はどこの国のですか?」と聞きました。これが例の「CAKYPA」(すいません、ちゃんとしたキリル文字ではありません)そう、サクラ・ブランドのコメだったのです。サクラはモンゴルでも日本的な名前とされており、ケンピンスキーホテルの「さくら」やデパート前の「さくらベーカリー」でもお馴染の名前です。もちろん、両店とも立派な日本人シェフが美味しい料理を提供しています。そのモンゴル人男性も当然サクラは日本の米だと思ったのでしょう。「日本の米ですよね?」と答える男性に「原産国を確認してください」というと、なんとチャイナ。ヒャタッドと言ったかどうかは知りませんが、それを見て「え?中国?じゃあ、危険な食品かもしれないな・・・」と棚に戻してしまいました。(これ中国人が見たら怒るだろうなあ。やらせかと。)そんな前振りから、新潟県のお米業者の社長さんがモンゴルでこしひかりを売る奮戦ぶりが放送されました。1kg7000トゥグルグで売られてました。日本円で500円ほど。中国産のサクラは150円くらいですから、3倍以上になります。新潟のお米が売れるといいですね。期待してます。(続く)
2013.08.26
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三井住友銀行のモンゴル駐在員事務所開設は、モンゴルの銀行でいろいろ不便を感じている日本人には朗報かなと思いましたが、やっぱり既報の心配通り、狙いは邦人サポートではないそうです。駐在員事務所ですから、預金や送金などの窓口業務はできないのは予想通りです。とはいえ、何か少しでもメリットあるのかな、或いは今はできないけど将来メリットを出すことを目指しているのかなとかすかな期待はしていたのですが・・・現地からの情報によりますと、今回の設立の目的は今後の資源開発によって期待されるインフラプロジェクトなどでのプロジェクトファイナンスが目的だそうです。プロジェクトファイナンスだけであれば、確かに現地に支店を作らなくても行うことは可能でしょう。また、既に業務提携をしているハーンバンクとの提携を一層強化する目的があるというわけでもないそうです。つまり、今後多くが期待できるインフラ整備への資金供給が目的だということです。まあ、それはそれで結構なことですが、今回完全に「邦人や日系企業サポートは目的じゃないんだな」と確信したのは、この駐在員事務所の主管(銀行の組織上、主たる管理部門。要するに、この事務所長の親分のいるところ)がなんと韓国の三井住友銀行だということです。アフリカや南米ならいざ知らず、こんなに近い国なのに、なんでわざわざ日本ではなく韓国の傘下にするのか?当然、疑問が湧きますね。でもその理由は、モンゴルを良く知っている方々なら、実は心の中に答えを持っていると思います。私を含めて。「モンゴルで一番元気な外資系企業、外資系事業者はどこの人たちですか?」と問われれば、なんと答えるでしょうか?実質的には、中国の存在が大きいことは誰もが知っていますが、でも街の中での存在感は実はそうでもありません。中国側もモンゴルの国民感情の難しさを知っているからなのか、東南アジアなどとは違ってここモンゴルでは驚くほど目立ちません。その代わりに目立つのが韓国系企業や事業者たちです。「あのビルはどこが作った?」「韓国系の建設会社」「そのホテルはどこの資本?」「韓国系」「最近目立ってきている化粧品は?」「韓国系」・・・サムソンやヒュンダイだけではなく、消費財や食べ物屋さんも韓国系が多いのは、モンゴル経験のある方なら誰もが経験されていることでしょう。残念なのは、別に歴史的なつながりがあるわけでもなく、前からそうだったわけでもありません。日本が一番人気だった時代に日本がきちんと向き合わなかったせいもあります。中国嫌いがDNAの中にしみ込んでいるせいもあるでしょう。でも、一番は韓国の人たちのバイタリティと積極性じゃないかと思います。そんなモンゴルの事情は、いくら新興国に疎い日本のメガバンクだってわかっているでしょう。ズバリ、三井住友銀行は「モンゴルで躍進する韓国企業の資金需要の取り込み」も狙っているんだそうです。さすがは住友の歴史を汲む銀行だけのことはあります。合理的でわかりやすい論理です。とはいえ、日本人にはちょっと残念ですけど。噂によれば、東京三菱UFJ銀行も進出検討中とか。こちらはどこが主管になるのでしょうかね?日本だといいんですけど、どうでしょうか?
2013.08.22
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三井住友銀行がモンゴルに駐在員事務所を開設する、との報道がありました。三井住友銀行の進出自体は以前より話題になっていましたが、どういう形で進出するのか興味深いところです。三井住友銀行は昨年3月にモンゴル開発銀行と、今年3月にハーンバンクと業務提携をしたとの発表があり、モンゴルビジネスに関心を持っていることが伺えます。(2012年3月12日付け「三井住友銀行がモンゴルへ?」 http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201203120000/参照)駐在員事務所という名称から想像できることは、いわゆる銀行業務はやらないということでしょう。ハーンバンクや開発銀行などとの提携業務をより進めるためか、或いはOTやTTへの投融資を視野に入れた支店開設準備なのか?その辺はまだわかりません。ただ、一部のモンゴルの方々で「日本の銀行ができるなら、預金や送金がしやすくなる」と期待を持っておられる方もいらっしゃるようですが、駐在員事務所のままですとそういう銀行業務はできません。基本的には、情報収集のみです。とはいえ、ハーンバンクのオーナーは澤田さんですから、なんらかの話し合いは常に持たれていることでしょう。三井住友の日本口座を持っている人には、モンゴルの銀行並みの預金が適応されるとか、送金料が安くなるとか、何かそういうメリットができるといいですね。私はモンゴルに口座を持っていますが、非常に不便です。銀行のATM引き出しカードを持っていましたが、それは既に無効になっており再発行できません。外国人の場合、モンゴルに居住を続けていないと再発行できないんだそうです。日本の場合は、一度作ったカードは紛失でもしない限りずっと有効です。現に、私は大学生の時に作ったカードが今でも有効なんですから。モンゴルへ行った時に、デビットカードとして決済しようとした時に「使えません」と言われて困りました。ATMももちろん使えませんでした。またゴルムトはインターネットバンキングができると言っていますが、これまた手続きに行ったら外国人は居住証明がないと作れないと言われました。そういうわけで、自分の口座が一体どうなっているのか、日本にいては残高があるのかないのかさえもわからない状態です。よく「モンゴルで口座開設して投資しませんか?」などという話を見ることがありますが、本当に自分の手で自由に動かせる口座なのかどうかは確かめた方が良いと思います。そういう不便も含めて、三井住友の進出で日本人や日本企業がモンゴルで安心して金融活動ができるようになれば嬉しく思います。
2013.08.17
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先日の新聞報道などで、モンゴルと日本のEPA締結が間近であるという記事をご覧になった方も多いと思います。EPA交渉そのものは随分前から始まっていましたが、その後あまり進んではいないという声を聞いていたので、ちょっと一安心と思いました。報道の内容がその通りだとすると、それはそれでいい話だと思っていましたが、やはりそんなに簡単な話ではなさそうです。まずは日本側の事情です。そもそもモンゴルとのEPA交渉は、2009年からのもので実質的には2010年からスタートしました。が、実態は当時の首相や新聞報道の発表などとはかなり遠く、さほど進んでいないようでした。その頃、日本側の官僚にも聞いたことがありますが、モンゴル側はEPA初めてだから仕方のない部分もあるが、ほとんどの交渉の進展はこちらに丸投げで、モンゴル側としては進める方法もわかっていない様子であったと。もちろん、モンゴル側の言い分は正反対で、日本はEPAやりましょうと偉い人が握手するけど、その後はなしのつぶてで全然進展しない。一体、あの首脳会談はなんだったんだ?と。更に日本側は、TPPが視野に入ってきたので、正直言ってそっちの方が優先順位が高いし、忙しい。TPP関連には大変な労力が必要となって、とてもモンゴルEPAにまで手が回らない、という事情もありました。こうなるとモンゴル側も、最初はいいこと言ってたけど、結局はモンゴルとの交渉は優先されず、後回しになるのだろうか?だったら、韓国や欧州と話し合った方がいいのかも?と、若干疑心暗鬼になったわけです。ところが、今年の上旬、安倍さんのアメリカ訪問(だったかな?)がなさそうになって、急きょモンゴル訪問が日程に組まれました。モンゴル側からすれば「急に言われても困ります。何かお土産でもあるのかな?」という程度の期待値で安倍さんを迎えました。結局、安倍さんは「空港建設早くやりましょう=追加の円借款OK」「TTの権益日本をよろしくね=モンゴル側は輸出を頑張ります、という返答」「EPA是非やりましょう=日本が進めるなら」というやり取りがあった(らしい)とのことです。これを受け、経済産業省を中心にモンゴルEPAも早くやらなくちゃ、というモードにはなったようですが、やはり新聞報道で何度も言われているようにTPPが忙しい。じゃあ、どうする?とにかくモンゴルEPAを早く決めちゃえ、モードになったようなのです。とはいえ、日本側が急にその気になっても、モンゴル側は急がねばならない理由はありませんし、少なくとも大統領選挙が終わるまでには無理です。しかし、日本側も夏になれば本格的にTPP交渉に入るので、モンゴルに構っていられない。さあ、どうする?この頃からモンゴル側の経済がやや落ちてきたのは、皆さんご存知の通り。中国向け石炭輸出の単価も総量も減ってきているのです。そうなるとお金がありません。財政赤字、貿易赤字ですから、輸出額の減少はかなり痛いです。どうもこの辺で「サムライ債」の話が出てきたようなのです。サムライ債とは、日本市場で円建てで発行する債券のことですが、このサムライ債をモンゴル国債として発行しようというのです。モンゴル政府が発行したいと思うのは自由ですが、それを買い入れる投資家がいなければ発行なんてできません。残念ながら、現在のモンゴルではチンギス債を発行した後でもあり、海外一般投資家向けに国債を発行する力はないでしょう。ところが、JBIC(国際協力銀行)が投資家に対して保証をするというのです。JBIC保証となれば、そりゃあ欧米でも売れるでしょう。最大手N証券や最近やっと一つになったM銀行あたりが、これを見込んで投資家を引き連れているという話です。NやMにとっては、サムライ債を欧米投資家に売る実績をモンゴル政府に見せつけて、将来の政府関連金融に入り込みたいという思惑があるようです。民間がやるのは自由でいいのですけど、JBIC保証イコール日本政府保証イコール国民の税金を当てにしている、というスキームには変わりはありません。つまりこれは形を変えたODAです。正面切ってODAを増やすとなると、予算措置などで議論が必要ですが、JBIC保証などという回り道を入れることで、簡単にODAを増やせるというわけです。これは怪しいです。誠に怪しいです。チンギス債ですら返済できるかどうか不明なのに、保証付きサムライ債なんか出したら、モラトリアムを助長するようなものです。現に、元世銀の偉い人は、日本のサムライ債発行はモンゴルの為にも良くない=借金漬け⇒返済できずデフォルトとなるからだと、言っているようです。要するにスポイルするということです。ですが、日本の官僚の人たちには「とにかく、それでモンゴルが早期締結すると言うなら、面倒だから早く終わらせちゃえ」というモードだそうです。実際、TPPの担当者の中にはモンゴルEPA担当の人も重複しているようで、今はモンゴルどころではないようなのです。他方、モンゴル側も、とにもかくにもお金が入ってくるならEPAでもなんでも締結しちゃえ。まあ、約束は約束だけど、将来のことははその時々の政府が対応を考えればいい、とこれまでの歴史が証明するような雰囲気らしいです。つまり、今回のEPA締結には日モ両国の事情が保証付きサムライ債の一点で合致したということです。モンゴルがあっと言う間に借金漬けになってデフォルトになってならないことを祈ります。そのためにも、将来リターンの見込める分野への投資が必要だということです。
2013.08.13
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最近、トゥグルグの下落が顕著になっているようです。対円で再び1円=16トゥグルグを上回るようなトゥグルグ安の様相です。安部首相が登場してからのトゥグルグの対円の動きは、主として円のドルの動きにリンクしたものでしたが、最近はトゥグルグの対ドルでの下落が気になるところです。となると心配なのは、いわゆるチンギス債と言われる今年発行されたモンゴル国債です。為替についてどうなっているかわかりませんが、先物市場がまだないトゥグルグですから、この債務についても当然為替予約によるカバーはしていないと考えるべきでしょう。現在のトゥグルグの対ドル相場は、1ドル=1557トゥグルグとなっていますが、今年の上旬は1ドル=1390トゥグルグ程度でした。これを使って単純計算してみましょう。15億ドルの国債=債務=借金は、借入当時は1390トゥグルグで換算すると、2,085,000百万トゥグルグつまり2兆850億トゥグルグ借りたことになります。当然、国債ですから5年とか10年の長期で借り入れているのですが、仮にこれを今返済するとどうなるでしょうか?ざっくり発行から半年後とします。金利は加重平均で4.8%程度となりますので、利息分は半年で50,040百万トゥグルグとなり、元利合計では2,135,040百万トゥグルグとなります。ですが、これはあくまでもトゥグルグ側から見た数字です。ドル側から見るとどうなるか?15億ドルに金利4.8%の半年分を乗せると、15億3千6百万ドルの債権=貸出元利合計金額となります。これを今の為替レート1557トゥグルグで換算すると、2,391,552百万トゥグルグとなり、トゥグルグベースで考えるよりも14.7%も多いのです!!しかもたったの半年です!!つまりあくまでもトゥグルグベースですが、借りた側は「年利4.8%で借りた」と思っていても、貸した側は「トゥグルグなら年利29.4%(=半年で14.7%なので年利換算した)で貸した」ことになるのです。ちなみに、為替の差によるトゥグルグベースで増えた分だけで306,522百万トゥグルグもありますが、これを円換算すると191億円にもなるのです!!!たった半年で借金が当初の見込みよりも191億円も増えたってことです。じぇじぇじぇー!もちろん、これはあくまでも机上の計算です。机上とは言え、事実に基づく計算ではありますけど。今回の国債は、5年返済で5億ドル、4.125%と10年返済で10億ドル5.125%のミックスです。早い方は、あと4年半で返済しなければならないのです。今のスピード感で、本当に5年で返済できるのか不安です。本来は、将来の税収の増加に役に立つ事業に投融資することにより、税収等の増加分から返済するというのが通常の国債の使い方です。ですが、モンゴルの場合は、財政収支の赤字補てんに使っている部分もあるでしょうし、外貨準備不足も気になります。更にインフラ投資などへの姿勢は感じられますが、スピード感がないので発表や計画ばかりであとなかなか進捗していないように見えます。なんせモンゴル初の国債発行です。日本などからのODAに慣れているとしたら「外国からもらったお金」と「外国から借りたお金」の違いを強く意識しないととんでもないことになりかねません。実は私はこのチンギス国債を甘く見ていました。あまり詳細な情報を知りませんでしたので「まあ、国債なんて言ったって、どうせ世銀とかアジア開銀などの公的機関の引き受けなんだろうと。だったら、仮に5年後に返済できなくても、返済の延期措置とか場合によっては借金棒引きなんかも期待できるかもしれない」なんて勝手に想像していたわけです。ところが先日、モンゴルの金融関係者に会う機会があって聞いたら「いいえ、引き受けは主にアメリカの投資家たちです」と言うではないですか!確かにネットで調べてみると、どうも欧米の民間投資家が「新興国ブーム」「高い利回り」に乗せられて買っているようなのです。となると、これは本気で返済せねばなりませんぞ!でないと、あっと言う間にデフォルトになり投資不適格国家のレッテルを貼られてしまいます。国債のお金を有効に使って、5年後の増収効果に本当につながるのか?その場その場の赤字の埋め合わせ、外国から降ってきたお金を国民にばらまく、効果があるかどうかもわからない公共事業に使ってしまう?などの心配事はつきません。その上、トゥグルグ安が続いたら、ものすごい金額での返済が必要になるのです。正直、空港建設などの日本政府からの円借款なんて甘ちゃんです。返さないからと言って、いきなり日本政府が法的措置に訴えるなんてありえません。が、欧米の民間投資家相手の国債発行はそれなりの覚悟が必要です。ドルベースで4%以上の利息で返済するなんて、欧米の一流企業でさえも簡単なことではないのです。本ブログ読者の皆さんと一緒に、国債のお金の使い道には関心を持って行きたいと思います。
2013.08.08
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