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というわけで、現在の雲南省にもともと住んでいたのは漢人ではなく、東南アジア系(ラオスやカンボジア系の人)のイ族だったのです。で、それをこれまた中華とは何の関係もないチベット人商人が片道2200kmの道のりを往復1年かけて山の険しい道を馬を伴ってお茶を買いに来たというのです。なぜチベット人がそんな大変な思いをしてお茶を買いに来たのか?当然ですが、それは儲かるからでした。チベット人商人はチベット人が必要とするお茶よりもずっと多くの量を買っていったのです。それは遊牧民に売るためです。遊牧民は肉や乳製品はよく食べますが、野菜はほとんど食べません、なので、ビタミン不足になりがちです。それを補ってくれるのがお茶なのです。なので、遊牧民にとってのお茶とは「嗜好品」(必要ではないが好きだから飲む)ではなく「必需品」(ビタミン補給に不可欠)な存在だったのです。元来、モンゴルなどの遊牧民は漢人とは文化的な付き合いはありませんでしたが、チベット人とは大いに付き合いがありました。チベット仏教もその一例です。で、チベット人はお茶の原産地雲南から大量のお茶を買い込み、それを遊牧民に売っていたというわけです。なので、もちろんカザフにも他の遊牧民にもお茶を飲む習慣は今もあります。が、それは漢人文化の影響ではないのです。そもそも日本人がいつも目にするお茶と見た目からして違います。中国のお茶屋さんに行けば、何十、何百という種類のお茶がありますが、見た目はどれも日本人には見慣れたものです。乾燥させたお茶の葉っぱですから。ですが、モンゴルなど遊牧民が使うお茶は固形茶と言って、固く四角い固形に固められたのが多いのです。こうした四角に固められたのが多いです。 固いので、ナイフで切りだして使います。これでわかるように、モンゴルをはじめとする遊牧民はビタミン補給のためにお茶を飲む習慣(多くは牛乳などと一緒に煮だし、ミルクティーとして飲む)は、漢人から伝わったものではなく、チベット経由で入ってきた遊牧民固有の習慣なのです。というわけで、結論は明確になりました。モンゴルの食文化の中心である、ボーズ、ホーショール、ツィバン、ゴリルティシュルそしてスーテーツァイはどれも漢人文化の影響ではなく、遊牧民共通の食習慣だということです!(完)
2020.05.31
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小麦料理で同じように日本人から「中国の影響?」と思われてしますのが、ツィバン(焼うどん)やゴリルティシュル(肉うどん)です。なんせ麺類はどうあがいても日本人には中国が本場でしょう。ですが、これも中国経由ではなく、西からモンゴルに直接入ってきたのです。これはゴリルティシュルです。これまた西方の遊牧民は、スープに小麦加工品を入れるというのは昔からある手法です。ゴリルティシュルという名前は、ゴリル(小麦粉)、ティ(入った)、シュル(スープ)に分けられます。つまり小麦粉入りスープというのがその直訳です。つまり「うどん」という加工品ではなく「小麦粉(を練ったもの)」を入れたスープというわけです。やや細かいですが、中国やその影響を受けた日本は「うどん」を食べるのに「スープ」に入れます。が、モンゴルは「肉スープ」を食べるのに「小麦粉」を入れているのです。その証拠にモンゴルではうどんを食べるのにスープで食べます。カザフスタンも他の遊牧民の国もスプーンで食べるのです。要は日本の感覚では、うどんはスープの具なのです。 同様にツィバンもそうです。名前は「モンゴル焼うどん」とされていますが、実際には蒸しうどんですから、中華の焼きそば系とは作り方も違います。そもそも中国から伝わっていたとしたら、中華系の調味料がもっとモンゴルにあったでしょうし、名前も「なんとか麺」みたいな名前になっていたでしょうし、食べるのも箸でしょうね。 これはカザフ料理。モンゴルのツィバンと同じような感じです。というわけで、モンゴルの有名料理ボーズ、ホーショール、ツィバン、ゴリルティシュルなど、小麦粉を使った伝統料理は中国伝来ではなく、西のペルシャを起点とし、遊牧民によって伝えられてきたことがわかると思います。ですが、「スーテーツァイ」(モンゴル式ミルクティー)だけは、さすがに中国伝来と思っていました。なんせお茶と言えば中国ですから。ですが、今回この茶馬古道を見て「なーるほど!」とわかったわけです。まず「なるほど」と思ったのは、お茶の原産地は現在の中国雲南省ですが、ここはもともとの漢人ではない地域なのだそうです。要するに今の中国は何でもかんでも5000年前から中華民族だと妄言していますが、もちろん嘘です。共産党に言わせれば、チベット人もウィグル人ももちろんモンゴル人(なんとチンギスハーンも!)全て5000年前から中華民族というのですから、どこまで嘘を言えば気が済むんだ?というレベルです。(続く)
2020.05.29
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先日、NHK・BSの「茶馬古道」という番組を見ました。内容は古代に雲南省のお茶の産地からチベット高原にお茶を運んだ道を紹介するという内容でした。それを見ながら「あー、やっぱり!!」と膝を打ちました。モンゴルを観光で訪れる程度であれば特に気にはならないのですが、実際に住んで感じるのがある種の中国との共通性です。スーテーツァイ(お茶)、ツィバン(焼うどん)、ボーズ(モンゴル風小籠包)など、それらを見た日本人の多くはどうしてもその背景に中国の影響を感じてしまうのです。ですが、モンゴル人に言わせると「私たちは中国とは文化的には全く別です。そもそもボーズが中国の餃子から来たって、どうして言えるんですか?モンゴルから伝わったからかもしれませんよ。」となります。 遊牧文化はともかく、食文化はどう見ても中華の世界と比較しようがないほどシンプルなモンゴルですので、私は当初は一種のナショナリズムかなと思っていたのです。そもそも日本人は多くの文化や食べ物が経由地が半島であろうと直接であろうと、大陸から伝わってきたことに対してのアレルギーはありません。ご飯も豆腐も納豆も醤油も漢字も律令制も仏教も、「はい、ルーツは中国大陸ですよ。」と素直に答えます。ただこの素直さが危うい場合があるのです。日本人には「何か古いものがあれば、それは当然中国から来たんだ」と思う習慣があるのです。確かに日本の位置を考えれば、北のシベリアや西のアメリカから古代に伝わってくるとは考えませんから。そしてそれを特に考えることもなく「モンゴルにも当てはめてしまう」日本人が多いのです。ですが、私はモンゴル滞在をきっかけに中央アジアなどの遊牧民、更にはペルシャ方面の文化的影響に関する書物をたくさん読むようになり、段々わかってきたのです。特に食文化です。日本人が当たり前に考えるほど、なんでもかんでも中国から伝わってきたわけではないんだということを。そしてその最後のピースが「お茶」だったのです。 まずは、ボーズやツィバンについてです。最初に確認しなければならないのは、小麦の原産地はユーラシア大陸西部(コーカサスやメソポタミア)であるのに対して、コメはアジア、中でも中国や東南アジアなのです。日本人から見れば、原産地がどこだろうが伝わってきたのはどちらも中国経由になります。が、モンゴルにとってはコメの原産地は南の中国方面ですが、小麦は西になり中国経由を必要しないということなのです。この視点が日本人には決定的に欠けているのです。小麦の原産地に近いペルシャ(昔は大帝国でした)は小麦粉を使った料理の発祥の地の一つとされています。(或いは、盛んになった地の一つ)国の存亡とは別に、遊牧民やソグド人らによって多くのペルシャ文化は東(モンゴルや中国)に伝わってきました。遊牧民はもともと肉を食べる習慣が多いのはご存知の通りですが、肉を小麦粉から作った皮で包んで食べるという習慣はモンゴルどころか、カザフにももっと西の遊牧民地域には古くから伝わっていたのです。これがボーズです。「肉を小麦粉の皮で包んで食べる」というのは、まさにモンゴルではボーズ、中国では餃子です。同様にカザフスタンにもキルギスタンにもどこにでもあるのです。 これはカザフスタン料理「肉を小麦粉の川で包んで」蒸すのがボーズ、油で揚げるのがホーショールで、これも似たような料理は中央アジア各地にあります。モンゴル人の中には「え?カザフもボーズ食べるの?」「モンゴルから伝わったの?」と勘違いしている人もいるほどです。これでは、中国人に「モンゴルのボーズは餃子の真似しているの?」と言われるのと同じです。遊牧民は国は違ってもペルシャから伝わったこの同じ調理法をどこも持っているのです。なので答えは「ボーズやホーショールは中国からではなく、西のペルシャ方面から遊牧民を通じて伝わった」と考えるのが正しいのです。(続く)
2020.05.27
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遂にトゥグルグが1ドル=2800台に下落しました。1週間ほど前から2800トゥグルグにタッチしそうな雰囲気はありましたし、発表機関によっては一部でありました。が、5月22日にはどこでもほぼ仲値は2800台になったようです。1ドルが2600台になったのは2018年12月で、2700台は2019年11月でしたから、対ドルで100トゥグルグ下落するのに11か月かかりました。が、今回の2800台へはそのおよそ半分の6か月で下落したことになります。選挙の年は概ね「ギリギリ何とか持ちこたえて、選挙後に下落する」パターンでしたが、今回はそうではないようです。その最大の要因は、コロナウィルスでしょう。モンゴルの場合は、コロナで国内経済活動が活発でないということもあるでしょうが、最大の要因はやはり対中国輸出の減少でしょう。先日のブログでも書きましたが、石炭にしろ銅にしろ、更にはカシミアにしろ、今のモンゴルの輸出動向はほとんどすべて中国次第です。このせいで外貨獲得が大きく減少しているのでしょう。例えば、3月20日発表の貿易収支は、3月20日発表分はマイナス1億2千6百万ドルです。これが昨年12月発表分ですとプラス14億9千2百万ドルでしたから、短期間で大幅な収支の悪化があったと言えます。またもう一つの外貨獲得の大きな要素である外国からの直接投資は、昨年12月発表分が21億1千4百万ドルであったのに対して、2月発表分ではわずか2億1千5百万ドルとこちらも大幅に下落しています。(これらのデータの「対象期間」は明確ではありませんが、同じデータソース(ハーンバンク)なので、比較はできると思います)恒例のように選挙前には若干トゥグルグ下落が小さくなるとしても、長期的には下落傾向は変わらないと思います。あるとすれば、中国経済の劇的な回復とそれに伴うモンゴルからの輸出急増でしょうが、いずれにしても短期間では難しいでしょう。来年くらいでの1ドル=3000トゥグルグも視界に入ってくると思います。
2020.05.22
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「中国はパンチョンラマの居場所を直ちに公表せよ」との発表がアメリカのポンペオ国務長官からありました。本ブログの読者は「パンチョンラマって誰?」という人は少ないかもしれませんが、国務長官が発表した過去の経緯をお知りになりたい方は、本ブログ2015年9月10日付け「パンチョンラマは生きてるの?本当かな?」(https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201509100000/)をご覧ください。このニュースのせいでしょうが、最近急にこの5年前の記事のページビューが増えています。ダライラマに正式に認められたパンチョンラマ11世が中国政府に家族ともども拉致されてから、既に25年も経つのですか。私がチベットを訪れた時のパンチョンラマは当然共産党の傀儡チベット人で北京暮らしでした。当然ですが、チベット人からは全く尊敬も相手にもされていない、名ばかりの法王でした。ご興味ある方は、本ブログ2015年6月4日付け「モンゴル徒然日記(4)(2007年9月)」(https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201506040000/)をご参照ください。私が言いたいのは、なぜ日本政府は何も声を出さないのかということです。中国共産党は、チベットを植民地化し弾圧するのみならず、幼い少年とその家族を拉致(或いは殺害?)し、25年間も放っておいているのです。共産党は今回の国務長官発言に対して、「本人とその家族が普通に暮らしたい。そっとしてほしいと望んでいる」と嘘くさい言い訳をしています。あたかも最初から普通の成人男性が「私はマスコミに出るのは嫌なんです」と言っているかのように。しかしながら、実態は全く違いします。そもそも6歳で拉致され、その後強烈な共産党の管理下にあったような少年が、最初から「普通がいい」なんて思うわけありません。というか、そもそも生きているかどうかすらわからないのです。SNSが発達した今の中国で、パンチョンラマであるはずだったニマ君(本来ならパンチョンラマ11世になっていたはずのチベット人少年)やその家族の行方が全く知られていないというのもおかしな話です。私は個人的にはこの世にはもういないのではないかと思っています。チベットから遠く離れたアメリカ政府さえ声を上げるのに、日本政府は全く気にしていないようです。特に安倍さんは、日本人のウィルス被害と習の来日を天秤にかけて、習を選ぶような人ですから、とてもじゃないが何も言えないのでしょう。一応、安倍さんは「右翼的な人」と見られており、現在の世界の政治家でも有名な政治家ということになっていますが、それでも中国に忖度、へつらう姿勢を崩さないというのはどういうことなのか不思議でなりません。多分「内政干渉」ということなんでしょう。ですが、植民地化してしまったらそこはもう「内政」になるのでしょうか?クリミア半島はもう既にロシアの「内政」なのでしょうか?であれば、北方領土に文句を言う日本人はロシアへの「内政干渉」をしているということなんでしょうか?トランプ政権は確かにおかしなところがたくさんありますが、言うべきことを言えるというところには、まだまだアメリカの強さを感じます。逆に、いろいろ吠えている割には、習の前では猫のようになってしまう安倍さんは、韓国の事大主義大統領を笑えないと思います。
2020.05.21
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本来の伝統的なモンゴル人の遊牧では、メインは羊です。羊は食肉、フェルト(ゲルの材料)、羊毛など、モンゴル国内での消費のために中心的に遊牧されてきました。が、カシミヤの出現、正確には国際的にカシミヤ原料が羊毛の10倍以上で売れることが知れ渡ってからは、急速にヤギの飼育数が増え、今では羊と同じくらいの頭数にまで増えています。問題はこれが砂漠化を引き起こす原因になることです。羊は草の葉っぱの部分だけを食べますが、ヤギは根こそぎ食べてしまうので、大量のヤギが食べた後の草原が砂漠化してしまうのです。伝統的にモンゴル人はそうしたリスクを知っていたので、ヤギを飼う数は羊に比べて相対的にかなり低く抑えられていましたが、その割合が大幅に変化し、モンゴルの草原の砂漠化が起こっているのです。モンゴルの草原は大昔から砂漠化との戦いでした。漢人は農業をやりたがりますが、草原は一度土を掘り起こすと二度と優良な草原には戻らないのです。だからモンゴル人は漢人を草原には入れたくなかったのです。今の内モンゴルを見ればわかります。漢人のやり放題で、もう遊牧に適した草原はなくなったと言われています。モンゴル人は太古の昔から、そのことを巡って漢人と何度も何度も争ってきたのです。そして、現代の砂漠化の原因もやはり漢人・中国人が関わっています。違うのは、過去の農業化と違ってモンゴル人自らの意思でやっているということです。一つはこのカシミヤ。大量のヤギの飼育で砂漠化が進んでいます。もう一つは鉱山開発です。これも結局はモンゴル人が儲かると思って自らの意思でやっているわけです。カシミヤも石炭も売る相手はほぼ中国です。今回のウィルスでわかったのは、カシミヤも石炭も中国人が買ってくれなければ、モンゴルの国内的には何の役にも立たないということです。少なくとも大量生産は不要です。自ら繊維製品を作るよりは、原料のまま売る方が楽ですぐお金になる。自ら鉄鋼製品を作るよりは、原料のまま売る方が楽ですぐお金になる。同じ論理です。政府は今年6月24日の国会議員選挙を前に、カシミヤが売れない遊牧民を助けるための援助施策(政府によるカシミヤ買い上げなど)をやっているそうです。ところが、コロナで苦しむウランバートルの若者らが「なんでヤギを助けるんだ?」みたいな主張を、半ばヤギを虐待するように抗議をしているとの声も入ってきます。もちろんヤギには何の罪もありません。家畜を大事にしてきたモンゴル人の心までが、コロナウィルスに冒されているようで、残念でなりません。(完)
2020.05.20
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今日の日経新聞にモンゴルのカシミヤのことが出ていました。気になったのは、その記事の内容もありますが、記者の名前です。ほとんどのモンゴルに関するニュースは、日経新聞中国総局の多田部俊輔記者だと記憶していますが、今回の記事はハウリン・バヤルツォグトとあります。私はこの名前を見て「ハウリンバヤル」を思い出しました。毎年ゴールデンウィークに練馬区光が丘で行われるモンゴル人のお祭りです。ハウリンバヤルのハウリンは「春の」という意味で、バヤルは喜びや祭りという意味ですから、「春祭り」ってことです。この記者のハウリンというのは恐らくお父さんがハワルさん(春という意味)なのででしょう。ハウリンというのは「ハワルさんの」という意味です。バヤルは祭りでツォグトはツォグがあるという意味です。ツォグは威厳とか威光とか何か男らしく勢いがあるようなものですから、そうしたものが備わっているという意味でしょう。「荘厳な祭り」という意味でしょうか。お父さんの名前から続けると「春の荘厳祭」って感じかな。名前の意味はさておき大事なのは、もしかして日経新聞でモンゴル人を採用したのでしょうか、ということです。あるいは、現地のコレスポンデントかもしれません。恐らく日本留学経験のあるモンゴル人でしょう。とにかく今までは北京駐在の日本人の記事でしたので、やや頓珍漢なところがありましたが、今後は良くなっていくでしょう。期待しています。また通常であれば記事発信の場所は「ウランバートル」か「北京」がほとんですが、今回の記事はエメールト(モンゴル)とあります。ローマ字ではEmeelt、キリルではЭмээлтでしょうが聞いたことない地名です。ちょっと調べてみると、ウランバートルの西側、1地区よりももっと西側、ナーダムの競馬会場の方ではないかと推測されます。あの辺には遊牧民が多くいますから、恐らくあの辺の遊牧民に話を聞いて書いた記事なのでしょう。で、記事の中身です。要するに、新型コロナの影響でカシミヤの中国人バイヤーが来られず、中国との取引が大幅に低下したということで遊牧民が困っているということなのです。記事では昨年はキロ11万トゥグルグで取引されたのに、今年は半値以下の4万5千トゥグルグ(約1800円)でしかないと。モンゴルはカシミヤ生産で有名であり、世界の生産の3分の1を担っています。しかし残りの3分の2が中国であり、しかもモンゴルの生産の8割以上を中国に買ってもらっているというのが大きな問題です。単純計算すれば、中国はカシミヤの世界生産の66%しか生産していないが、モンゴル分のほとんどを買い占めているので、世界の原料の9割以上を握っているということです。要するに原料となるカシミヤは確かにモンゴルでたくさん生産しているものの、そのほとんどは製品にならずに原料のまま中国に売っているだけということなのです。これは以前から指摘されていた構造的な問題です。要するにモンゴルのカシミヤは「繊維産業」ではなく「原料供給畜産業」がほとんどだということです。これでは今回のように中国人が買いに来てくれなければ、あっという間に遊牧民が窮地にさらされてしまうということなのです。もちろん、繊維産業としてのカシミヤも頑張っています。中でもゴビはライバルの「ゴヨウ」と統合し、ブランド価値向上や新製品開発に力を注いできました。が、残念ながら技術面やコスト面でまだまだ課題は多く、中国産製品には太刀打ちできていないのが現状です。カシミヤ問題は根が深く、モンゴルの家畜の構成比をここ10年~20年で大きく変えてしまいました。(続く)
2020.05.19
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アパレルのレナウンが民事再生手続きに入ったとの報道がありました。会社更生法と何が違うのか?という疑問も出ますが、要するに更生法よりももう少し経営者に対して緩い処置をする法律みたいなもんです。それはさておき、原因は「コロナによる販売減」とありますが、いくらなんでもレナウンの破綻をコロナのせいにするのは、やりすぎでしょう。コロナのせいにしてはいけませんね。長い闘病生活で苦しんでいた人が、最後の最後に心不全で亡くなるようなもので、実際には回復不能な別の病気であったという方が正しいでしょう。レナウンの場合はその「闘病生活」は長く、10年どころか20年以上も前から潰れてもいいような状態の会社でした。現在の筆頭株主は中国の山東如意科技集団という会社ですが、これが筆頭株主になった2010年の時点で日本の中では興味を持つ企業がなくなってしまったほど、ほとんど破綻状況でした。私はそれを更に相当遡るころに当時のトップと会ったことがあります。当然、その時も会社の状況は一刻を争うような内容でしたが、あまりにノー天気というか、危機感がないのを見て、呆れるどころかショックを受けた記憶があります。私が80年代の黄金時代の話をすると嬉しそうに「そうなんですよね。私たちはうまく行き過ぎたのかもしれませんね。多分、そこに少し甘えがあったのでしょう。」「でも、もう大丈夫じゃないかと思いますね。」なんて根拠のない楽観的見通しをしていたのに驚きました。私はそれを見て「この会社の経営危機は、明らかに人災だな」と思ったものです。本来、10年前には消えているような会社が今回経営破綻したわけです。私が注目したのは、そんな「経営内容が良くない会社が思った通り破綻した」という話ではなく、親会社の破綻方法です。新聞報道にはさりげなく書かれていますが、ネット上のコメントを見ても誰も書いてないので、敢えて書こうと思いました。それは今回の破綻原因が「親会社の中国繊維大手の山東如意科技集団のグループから売掛金が回収できず、57億円の貸倒引当金を計上した。」という部分です。要するに親(山東集団)が子(レナウン)に金を払わなかったから倒産したということです。株の過半を持つ親会社ですから、金を払わなければ倒産するのはわかっていたのです。つまり、意図的に親が子を殺したってことなんですね。表現が良くないですが、簡単に言えばそういうことです。そこで気になったのは、この57億円という金額です。売掛金とありますから、レナウンが57億円分の商品を親会社に納品したけど、その親会社がお金を払ってくれなかったので倒産したのです。レナウンのトップもすでに山東集団の人ですから、要するに自作自演ということなのです。ではこの57億円はどういう意味があるのか?直近の決算書から推測すると、レナウンの月商は連結で50億円、単体なら35億円程度です。当然、レナウンの売り先の多くは国内の百貨店などでしょうから、これらが全額山東集団のはずはありません。月商が年々減少しているにもかかわらず、昨年2月から12月にかけて売掛金が23億円も増えています。恐らく経営陣は、昨年から毎月少しずつ(数億円単位?)でレナウンから山東集団に支払うつもりのない納品をさせていたのでしょう。それが目標の50数億円を超えたので、じゃあもうレナウンは潰すか、となったのではないかと思います。もちろん、これは全ては私個人の勝手な想像です。が、昨年12月時点の有報にも既に「親会社向け売掛金が回収できていない」とありますから。親会社がウンと言えば、すぐにでも回収できるのにしなかったということは、やはり意図的だったということだと思います。つまり、山東集団は既に昨年の時点でレナウンの再生を諦めていたということです。じゃあ、なんで50億円を超えるのを待っていたのか?それは山東集団の過去の投資に遡らねばわかりません。彼らのレナウンへの投資額に関する情報は、一部ニュースに残っています。それによると、2010年7月に第三者割当増資で山東集団が引き受け、41%の筆頭株主になったとあります。その額40億円。その後、2013年4月に53%まで買い増し、親会社となったのです。金額は書かれていませんが、前回増資から3年後の買い増しですから、株価も少し高くなっている可能性があります。となると、山東集団の投資コストは総額で55億円くらいかな、と推定できます。山東集団にとって子会社のレナウンが破綻して困るのは、投資した有価証券の減損ですが、それと買掛金不払いによる益金で相殺できるわけです。だから、親会社としては大きな痛みはありません。しかも今回会社更生法ではなく民事再生手続きですから、現行経営陣(つまり山東集団)が残りながら、再生計画を立てることができます。簡単に言えば、今の経営陣のまま、借金踏み倒しが合法的にできるということです。この推測が正しいかどうかはもちろんわかりませんが、なんだか法の穴を突いたような上手いやり方に見えました。日本人だと「親はギリギリまで子の面倒を見る」という体面が先に出てしまうでしょうが、名はいらず実だけ欲しい中国人には実にいい方法だと思います。どれだけのブランド価値があるかどうかは別にして、山東集団はレナウンのブランド(ダーバンとかも)も流通網も持ったまま、しかも損することなく借金棒引きが可能になるスキームだと言えそうです。これはどこかのビジネススクールでケースにしてほしいですね。(笑)
2020.05.16
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モンゴルの感染者数が98人になったというのを見てびっくり!しました。私が追いかけてきた数字は確か42人まででした。増えたとしても50人行くかどうかのはずなのに、全然違う数字です。もしかして情報源によって異なるのかと思ったら・・・やはり私の勘違いではないようです。最新の情報ではモンゴルでの感染者数は43人でした。そこに急に55人もの感染者が一気に追加されたのです。どういうことか?ニュースによると、13日にロシアから帰国したモンゴル人の軍人生徒(直訳です。恐らくロシア軍に勉強に行っていたのでしょう)のウィルスチェックが昨日判明したとのことです。それによると、なんと55人が感染していたということなのです。これはすごいです。モンゴルという人口小国へのインパクトは、なかなか日本人には伝わりませんが、人口40倍とすると日本の場合の影響はいきなり2,200人の感染者増です。ある意味、クルーズ船に近い感覚ですが、最大の違いが全員モンゴル人だということです。クルーズ船は外国人が多くほとんど帰国してしまいましたが、このケースはそのままモンゴルに残ることになります。当然隔離されることでしょう。このニュースを見て思ったのは、ロシアの軍隊は一体どうなっているんだろうということです。ロシアの軍隊から見たら大した人数じゃないモンゴルからの研修生(?)ですら55人もいたというのですから、350万人いるというロシア軍(モンゴルの全人口より多い!!)の中での蔓延は、相当ヤバいレベルなのではないかと思います。記事には検査対象者の人数は書かれていませんでしたが、「13日に到着した軍人生徒の検査が昨日全て判明した」とありますから、同じ日の飛行機に乗ってきたのでしょう。飛行機ですから、母数が1000人やのはずは2000人のはずはありません。集団としてもせいぜい200人もいるかどうかでしょう。仮に200人とすると、4人に1人とものすごく高確率です。こんな確率でロシア軍に蔓延していたら、ロシア軍だけで数十万人の感染者がいてもおかしくはありません。現に、当初はほとんど感染者がいなかったロシアはこのところ急速に感染者数を伸ばし、今では25万人となり、イギリスを抜いて世界2位となりました。怪しい数字ではありますが、中国の感染者数の8万3千人と比べると多いです。しかも人口はロシアは中国の10分の1以下ですから、人口に対する感染率では中国の30倍かそれ以上もの高い確率で感染者を出していると言ことになります。なので、今回の検査で判明した確率は、かなりの程度ロシア軍内でも通用するんじゃないかと思います。アメリカの軍艦も現在コロナ感染で実質的に運用できない状態らしいですが、ロシアも相当打撃を受けているんじゃないでしょうか?米ロが身動きできない間に、元気に活動を開始した中国は我々が認識している以上に恐ろしい存在かもしれません。
2020.05.15
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昨日は所用があり、久々に繁華街に出てきました。向かった先は上野。せっかくなので、日本型ロックダウン?の現状を見ようとちょっと歩いてみました。確かに閉まっている店は多いですし、アメ横方面もいつものような外国人観光客が大勢いるわけではありません。ですが、先月下旬に築地場外市場で見た「がらーん」として、「人っ子一人いない」的な静けさではありませんでした。というよりも、相当多いです。普通の地方都市であれば「日常的な賑わい」と言えるほどの人出でした。大きな音がするので行ってみると・・・やっぱり!大きなパチンコ屋さんは営業していました。なかには大勢のお客さんがびっしり。同じビルの上の階にあるカラオケ屋さんもオープン中。自粛ムードは全然なし。午後3時過ぎに歩いていたのですが、結構な数の居酒屋さん、焼き鳥屋さん、焼肉屋さんなどがやっていました。夜のアルコールが禁止されているので、皆さん、昼飲みを楽しんでいるようです。私の自宅の近くのドトールは3軒とも休業中なので、てっきりドトールはチェーン全体で休業中なのかと思っていましたが、ここ上野では元気に営業中でした。ネットニュースを見たら、連休まではほとんどのパチンコ屋さんは休業していたようですが、連休明けで相当数が再開したとのこと。大阪も同じようです。マスクを売っている店もいくつも見かけました。先日の本ブログにも書いた通り、マツキヨ系など大型チェーンドラッグストアにはまだほとんど置いていませんが、ゲリラ的に売っている店はかなり多いと思いました。以前のように「どうあがいても買えない」状態は脱したようです。これは今後もっと加速されるでしょう。なぜなら、私もそうですが、この騒動後初めてマスクを売っている店を見つけたときは即座に買いましたが、一度買ってしまうと、その時より多少安くとももう何箱も買おうという気にはなれません。そうなると、今後は供給量の伸びの方が消費者が買いたがる量よりも増えていく可能性があります。するとますます、そこらじゅうで在庫を抱える可能性があります。と、ここまで書いてきてネットニュース見たら、まさにこのことが出ているではないです!記事によると、アメ横にはマスクを売る店が20店以上も現れたそうです。これらの多くは路上販売なので、勝手にやられてアメ横商店街連合会としては「勝手にやられて、よろしくない」と怒っているというのです。マスクの値段は2週間前は50枚入り1箱3200円だったのが、前日は2500円、取材当日(昨日)は2000円になったとあります。今後は更に下がると予想されるとのこと。確かにマスクを見ていた二人連れのご婦人が「コロナ前はこんなの500円だったわよ」と言ってましたから、まだまだ下がるのでしょう。そんな状況なのに、アベノマスクはまだ46道府県には届いてないというではないですか!しかも東京都内でもまだまだ届いてない場所も多いとのことです。各地で緊急大量調達したマスクが安価で溢れるころにようやくアベノマスクが届くという最悪の図式になりそうです。当初の予算400億円以上が、実は購入コストは90億円だったとか、仕入れ先4社のうちなぜか3社しか公表せず、最後に渋々公表した会社が設立3年目の有限会社だったとか、それを追及していたら、実は5社目があったとか。とにかく「拙速」「思い付き」「怪しい業者」「予算との差はどこへ消えた?」など疑惑十分だったところに、最大の問題となるであろう「遅すぎて、もういらない」となりそうな世紀の大失策は、今後十分な検証を望みたいと思います。が、かけ・もり以来様々な疑惑に何の検証もできなかった現政権では同じように握りつぶすのでしょうね。今日は車でディーラーに行きました。驚いたのがクルマの数です。昨日も今日も青山通りは4月下旬の「がらがら」状態とは一変し、さすがに渋滞はないものの、ごく普通の交通量に見えました。やはり「連休明けまでは!」と皆さん我慢していたのが、一斉に動き出したという感じです。国民も政権も相当気が緩んでいるとしか言いようがありませんが、それでも日本の新型コロナによる死者数が欧米に比べ断然低いのは、やはりもともとの国民の清潔好き、手洗い習慣などのたまものなんでしょうか?
2020.05.09
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コロナ騒動以降、活動範囲もぐっと減り人との接触も少ないので、生きた情報がほとんど入ってきません。入るのはせいぜい毎日のようにコロナニュースで溢れているネットニュースくらいです。モンゴルに関しても、モンゴル自体もほとんど経済活動はストップとのことで目新しいこともありません。せいぜい感染者数くらいでしょうか。5月3日現在で現地情報では感染者数39人、5月5日現在で米大学情報では40人死亡者ゼロとのことです。人数だけを見ると少なく見えますが、人口が少ないので雰囲気はわかりにくいです。モンゴルの人口は日本の約40分の1ですから、単純に40倍すると1600人。これを日本の過去の推移に当てはめると、大体3月27日頃と同じです。緊急事態宣言発令の10日前ってところでしょうか。モンゴルのコロナ対策は、習に忖度して対中国人入国規制を遅らせるとか、トランプに忖度してアメリカ対策を遅らせるとかは全くしなかったので、日本よりはずっと迅速でした。以前に本ブログでも書きましたが、「モンゴル民族を守る」という危機感は、自分の損得しか考えない安倍さんとは全然違います。なので、中国、韓国そして日本という主要航空路線を早々に運航停止したのです。ですが、ここに隙がありました。確かに2月当時の感染者はアジアに多かったので、欧米はあまり関係ないと思われていたのでしょう、フランクフルト線やモスクワ線は残っていたのです。その欧州線でMIATがせっせと感染者をモンゴルに送ってきていたということです。その欧州線も当然今はストップしています。が、現地に取り残されたモンゴル人を帰国させるためにチャーター便という形で今も2週間に1回程度飛行機を飛ばしているとのことです。5月3日にもフランクフルトから各国に散在していた260名程度を乗せて帰ってきたそうです。今までの帰国便の中には当然感染者がいたわけで、モンゴル国内ではそれが批判の的になっています。モンゴル国内では「社会主義時代の経験」があるので、結構きつめの外出禁止令などを出し、国内での感染拡大はほとんど閉じ込めたそうです。が、こうして外国からやってくる帰国モンゴル人が新たな感染をもたらしているので、少ないながらも今も増え続けているのです。当然、国民の厳しい声が出てきます。「ヨーロッパなんかで遊んでいる金持ちなんか助ける必要はない!」「好きで外国行ったんだから、帰ってくるな!」などの、嫉妬と危機感が入り混じった感情が出ているようです。その気持ち、わからないわけではありません。モンゴル国内の経済事情、就職事情はもう長い間厳しい状況が続いています。少しでもお金やチャンスがあれば、海外へ行きたいと願っている潜在的人口は5万人、10万人どころではなく、18~40歳くらいの国民の半数近くはいるんじゃないかと思います。そんな中、海外へ行けた人はその仕事・学校の中身を問わず「ラッキーな人」と見なされる風潮があります。そうした「ラッキーな人」がのこのこ帰ってきて、ウィルスをばらまく(と言っても、確率は相当低いでしょうが)との報道を見ると、厳しい言葉が出てしまうのはやむを得ないかもしれません。1990年以降、モンゴルは諸外国との交流なしでは生きていけない国になっています。それに伴い、外国へ出ていく人の数はうなぎのぼりで増えていますし、それは必然でもあります。コロナによって、モンゴル人同士が罵声を浴びせるような状態だけは避けてほしいと願っています。
2020.05.06
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緊急事態宣言の延長が決まりました。想定通りと言えば想定通りで、「はい、これで無事終了」と発表する方がサプライズでしょう。それはまあ、仕方ないです。なのに時事通信社は「想定外の長期化」との見出しで、延長を報じています。「は、想定外?あんた、もう終わると思っていたの?」と聞きたくなるほど、世の中のことを見ていない集団なんだなあと、今更ながら思いました。こうした政府御用達大手メディアは政府が言ったことをそのまま鵜呑みにすることが大切だと思っているのでしょう。時事とか共同とかは、総じて大して現場取材はせず、政府発表やプレスリリースをせっせと集め、それをパソコン上で適当に編集して、より情報収集能力の低い地方紙などに「配給」している仕事なので、読者のことを気にする必要はないのです。通常の新聞社は、読者の関心を惹こうと必死ですし、いつも販売部数のことが頭にあります。ですが、時事などは地方紙などとの契約で配信しているわけで、多少しょうもない記事であろうと、お手軽記事であろうと、それが理由で契約が切られることはまずありません。公務員みたいなもんです。長期化には二つの側面があると思います。一つは公衆衛生、もう一つは経済です。公衆衛生の面では、当然コロナ感染者数が中心になりますが、この時事の記者は毎日発表される感染者数を見たことないのでしょうか?「1か月前に総理大臣が1か月で終息させると言った」ことだけをずっと信じてきたのに、「突然」「延長」と言われて驚いているのでしょうか?想定外という日本語は「こうなるだろうと思っていたことと全く違う話」という意味です。全く信じられない記者です。経済面では、とっくに数か月どころか年内は回復は難しいだろうという見立てが多いです。その証拠に多くの上場企業が「現段階では、今後の見通しを発表することができない」と言ってます。時事が期待するように、「当然5月7日に終結する」と多くの企業が予想していたなら、単に1‐2か月の業績悪化を織り込むだけで発表できます。でも、そんなことを信じていたのは恐らく時事通信だけでしょう。だからきっとびっくりしたんでしょうね。私の想定していたことと全然違うよ、想定外だ!!と。一方、安倍さんや政府、自治体の首長の発言に違和感を覚えることも多いです。それは「皆様へのお願い」です。「自粛してください」も同義語です。これは一見、強制とは違って優しくへりくだっているように聞こえますが、その内容は全く違います。非正規の人たちの仕事がストップしています。百貨店や専門店の店員さん(派遣が多い)、レストランや居酒屋のバイト、アウトソーシングを請け負って仕事している人たち、更には保育士さん、塾講師などなど、今は労働者の4割は非正規社員というデータもあります。こういう方々に「自粛をお願いしる」というのは「給料なしで生活してください」と言っているのと同じです。例えば「安倍さん、自粛してください」といえば「はいはい、私も自宅でお茶飲んでゆっくりしてますよ」と答えるでしょう。ではこれを「安倍さん、給料もらうのは止めてください」と言ったら、「受け取るのは法に基づいた私の権利だから、関係ないでしょ!」という反応が来そうです。でも、国民の半数に近い人たちに対して「皆さん、これからもしばらく給料をもらうのは止めください」と言っているようなものなんですね。飲食店も同じです。大半の飲食店は小規模経営で、数か月も店閉めたら資金繰りで閉店に追い込まれるでしょう。「飲食店の皆さん、ここが我慢のしどころです。我慢した後、廃業してください。」と言っているのです。そういう切迫感がなく、国民の気持ちを逆なでするような言い回しが多いのが、安倍さんには気になります。なんでも「お願い」すればいいと思っている。その点では、小池さんも同じですけど。今後も「お金なしで生活しろ!」という言い方をいかに回りくどくオブラートに包みながら話すかを工夫するかもしれませんが、言っていることは同じです。「皆さん、ここは国民一つになって、給料をもらう行為は止めましょう」ということです。
2020.05.05
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で、表題のかまぼこです。かまぼこは日本古来の食品で、その原料は魚のすり身であることはご存知の通りです。かまぼこがかまぼこである時代は良かったのですが、1972年に「カニカマ」の原型である「かにあし」が石川県のスギヨという水産会社から発売されてから、単なる日本の伝統食品ではなくなったのです。この発売以降、新潟の一正蒲鉾の参入などもあり日本国内での市場は急拡大したものの、競争もし烈になり海外へも進出したのです。従来のかまぼこにはほとんど反応を示さなかった海外市場も、カニカマには関心を示しました。当初は韓国や中国の一部などが輸入したりしていましたが、やがて欧米で「ヘルシーフード」として脚光を浴び、非常に売れるようになったのです。すると韓国の業者が生産をし始め、安値で欧米市場を荒らしまわり、日本のメーカーがなかなか勝てなくなっていきました。更には欧米での現地生産が始まるや、カニカマは本格的なグローバル商品になって行ったのです。カニカマのグローバル化は一見良さそうですが、段々日本企業の出る幕はなくなってきました。本当の意味で儲かった日本企業はカニカマ製造会社ではなく、カニカマを製造する機械を作る会社でした。世界中の総菜関係の会社がカニカマ製造機械を日本に買いに来たほどです。で、どうなったか?カニカマの原料であるすり身が高騰して、日本企業がなかなか手を出せないほどになったのです。ちなみにカニカマのことをアメリカでもヨーロッパでも「スリミ」と呼んでます。日本では原料をすり身と呼びますが、欧米では製品をスリミと呼ぶのです。日本におけるかまぼこやカニカマは「大衆商品」ですから、なかなか高い値段では売れません。他方、欧米は「ヘルシーフーズ」であり、新しい食品なのでもともとの値段の意識がなく、多少高くても売れるのです。結局、日本は世界の海ですり身の仕入れで負けてくことになりました。一時は、かまぼこの値段が5割も10割も値上がりした時期があるほどで、結局原料そのものをもっと安い魚に変えてなんとか耐え忍んでいます。つまり、もともとはかまぼこは日本人専用の食べ物で、世界のすり身の9割ほどを購入してたのですが、今ではその比率がどんどん低下し、いいスリミは欧米に負ける状態になってしまったということです。で、マスクです。ご存知の通り欧米人はマスクをする習慣はありませんでした。トランプ大統領も当初はマスクをするのは変だとか言ってたり、ヨーロッパでマスクをしているアジア人が差別されたりするほどでした。アジア人の需要だけなら、中国、日本、韓国で生産するマスクで工場が再開さえすれば供給能力は十分あったのです。が、スリミの例でわかる通り、欧米人が使うことになってしまったのです。ヨーロッパとアメリカで合計10億人以上の購買力がある人々が購入競争に参加してきたのです。こうなると、急激な需要増に供給は追いつけなくなり、なかなかマスクは日本に入ってきません。しかも日本は昔から使っているので「使い捨てマスクなんて1枚10円?20円?」みたいな意識が残っており、50円も70円もすると買えません。なので、どんどん仕入れ負けする現象が起きるのです。「かまぼこって安い食品」と頭に残っている日本人が買い負けるのと同じ構造です。つまり確かに現在のマスク不足は中国の工場が止まってしまった影響はありますが、中国が全面的に生産回復してもなかなか日本には回ってこないことになるのです。しかも、値段は当面は高止まりするでしょうね。人口大国のロシアも欲しがっていますし、いずれアフリカだって欲しがりますか。マグロの美味しさを欧米人や中国人に教えてしまったゆえに、なかなかいいマグロが手ごろな値段で買えなくなったのも、同じ構造なのです。日本食を売り込むのはいいですが、結局しっぺ返しが来るのは、日本人の消費者だということです。
2020.05.02
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