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「高速バス・マネジメント・フォーラム2012」は、ご案内を開始してまだ12日だが、既にお申込みが70人を超えた。昨年の最終参加人数が80人だから上回ることは確実で、大きめの会場に変更した(場所は新宿エルタワーで変更なし。会場を分割使用する予定を全室使用に変更)。感謝の気持ちとともに、絶対に充実した会にしないと、と責任感が肩にのしかかってくるようだ。さて久しぶりの本ブログの更新は最近読んだ書籍から。『鉄道は生き残れるか』。著者は元・国鉄マンである福井義高・青山学院大学大学院教授。副題には、「『鉄道復権』の幻想」とある。国鉄改革や分割民営化後のJR各社の経営のありようについて解説しながら、我が国における鉄道事業の今後について提言をなさっている。正直なところ、「まえがき」からドキドキ(ヒヤヒヤ)しながらも、ドキドキ(ワクワク)する展開に一気に読み通してしまった。優しい語り口と、それと対をなす「無味乾燥な」「書生論」(「まえがき」より)には押し寄せてくるような不気味な説得力があり、比較するのも失礼かも知れないが何とか私も参考にさせていただきたいと感じたしだい。さて肝心の内容だが、同書の基層をなす理論は、<鉄道の輸送量は、地域の「人口」そのものではなく、「人口集積」と大きな相関関係にある>というものだ。例えば首都圏および京阪神圏と、中京圏との間には、前者と後者の人口の差以上に鉄道輸送量に大きな差がある。つまり鉄道の輸送シェアが大きく異なる。またJR化以降、札幌、福岡では鉄道輸送量が伸長したが高松では伸びなかったのは、前者にはまだ鉄道の入る「すき間」があったからだ。つまり人口集積が大きいほど(大都市ほど)、自家用車は逆に不便で(渋滞とか駐車場代とかが理由)、利用者は「やむを得ず」鉄道を利用する、と何度も丁寧に解説されている。そもそも、(山間などを除いた)可住地あたりの我が国の人口密度は欧州諸国などと比べて非常に大きく、つまり我が国はおおむね鉄道(あるいは陸上公共交通)にとって有利な条件が揃っているとする。まったく同感しながらも、当然私は、そこにバス(この場合は主に「平場」の乗合バス)の姿を重ねて考えないわけにはいかない。余談だが、日本の人口密度が大きいのは「コメ」の文化だからと言われる。米は麦に比べ、その生産に十分な日照と降水を必要とするものの、1粒から多数の収穫を得ることができるので生産性が高く人口維持力が大きい。ただ世の中よくできたもので、米を生産するには(あるいは多くの収量を得ようとすれば)代掻きやら田植えやら多くの労働量を必要とする。自ずと日本社会は早婚多子となり人口密度も大きくなる。狭い国土に肩を寄せ合い、(ステレオタイプに言えば)家族そろって農業にたずさわってきたその大きな人口が、戦後、高度経済成長のスタートとともに都市部へ通勤通学を始めたり大都市へ移住したりした。さらに1960年頃、ベビーブーム世代が進学就職する年代を迎える。一方で鉄道の整備には時間が必要で(もちろん自家用車は普及しておらず)、彼らの移動はバスが背負うことになった。いきおい乗合バス事業者は高収益を上げ、それを目当てにバス事業者の買収合戦(主に大手私鉄による争奪戦)さえ起こった時代。乗合バス輸送人員が年間100億人の大台を記録し、多くの関係者が「黄金時代」と懐かしむ約20年間。だがその後、都市部で鉄道整備が追いつき、地方部で自家用車が普及する中、その輸送人員は今や40億人を切っている。同書の筆者は鉄道事業を「すき間産業」と呼び、航空の速達性と自動車の自在性の狭間で利用者は鉄道を「やむを得ず」使うと何度も主張している(あるいは、「鉄道天動説」主義者に対し、優しい言葉で根気強く「説得」している)。もちろん私も同意する。合わせて、乗合バス事業は、前述のように高度経済成長(通勤通学者の増加)が始まりながらも鉄道の整備が追い付かなかった20年間という「時間のすき間」においても、簡単には忘れられない成功体験を味わってしまった。それは、バス産業にとってよかったことだったのか。筆者は同書を、<鉄道復権のまぼろしに惑わされて過大な期待をかけるのではなく、かつての「陸の王者」に敬意を表し、すき間産業となった鉄道を公共性の呪縛から解放して、静かな余生を送らせる>べきとまとめておられる。バスは「斜陽産業」なのだからそれにふさわしい「生き様」を見つけるべきと主張している私にもさすがに「余生」などという語彙を選ぶことはできないが、あまりにも直截的な表現で思わず背筋が伸びた。もちろん、私は今、間接的とはいえバスでメシを食っており、バス産業の規模縮小をよしとする立場にはない。さらに蛇足ながら付け加えれば、高速ツアーバス事業に深く関わってきた故に、「ツアーバス側」すなわち「乗合バス事業者の敵」と疑われないよう(まあ、そもそもそういう二元論はみんなもう卒業していいと思うのだが)発言に気を付けないといけない身である。それでもなお、鉄道の持つ「公共性」という概念にも冷静に分析を加え(バス事業に関わる全ての人はこの部分もぜひ目を通していただきたい)、<生き残り可能な部分が道連れにならないよう、積極的に路線縮小を進める必要がある>と言い切る勇気には、筆者の鉄道事業への強い思いを感じ共感を表せざるを得ない。私自身が堂々と、バス事業の「幕引き」などという語彙をあえて選んで主張できるようになるには、もっともっと各事業者からの信頼をいただく必要がある。何年後か何十年後かにそうなって初めて、私もバス事業を愛する専門家として一人前になれるはず。ただ、そのタイミングが、この産業にとって手遅れでないことだけを、いま心から祈っている。
2012.09.24
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昨年、80人を超す皆様にお集まりいただきました「高速バス・マネジメント・フォーラム」ですが、多くの方々のご要望をいただき、また多くの方々から有形無形のご支援をいただき、本年も開催することになりました。【日時】10月24日(水)13:00~19:30(懇親会含む)【会場】東京・新宿エルタワー30階「サンスカイルーム」【参加費】おひとり様15,000円(消費税込。懇親会費含む) 1社から複数ご参加の場合、当社顧問契約先は13,000円詳細は当社サイトにてご確認ください。実を言うと4月の高速ツアーバス事故以来、大変多忙な日々が続いておりまして(このブログも放置状態だし)一時は開催をあきらめようかなと考えておりましたが、<そろそろフォーラムの季節じゃないの?>というようなお声も何社かからかけていただき、講師の先生方をはじめ多くの皆様のご理解をいただけましたので、なんとか本日、予約受付開始までたどり着きました(と思ったら、さっきご案内メールをお送りしたばかりなのに既にご予約が入り始めてびっくり。そして感謝)。今年は単日開催とさせていただき、その分参加費も半額です。内容が半分にならないよう、既に発表済みの講座以外にも、いくつかの講座を鋭意調整中です。また、昨年は特に九州産交バス本山さんのセッションの評判がよく、<もっとバス事業者の話を聞きたい>という声を多くいただいたので、そのお声にもお応えしました(現在、さらにもう1セッション、乗合バス事業者様による戦略紹介を調整中です)。追加講座が決定しだい、本ブログでご紹介いたします。昨年は、<ツアーバス会社向けのセミナーだと思っていて参加を見送った>という声もお聞きしましたが、引き続き「既存組」高速乗合バスを対象としております。もちろん、高速ツアーバス関係者や貸切専業者のご参加も可能です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2012.09.12
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