成定 竜一~高速バス新時代~
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非常に久しぶりの更新。あまりにもこのブログを放っておいたので、多くの方から体調を心配いただいたりしており感謝と申し訳ない気持ちでいっぱい。とりあえず無事に生活しております…。本業である高速乗合バス事業者やその基幹(座席管理)システムのお手伝いに加え、高速ツアーバスの業態転換の期限が来年夏であることを考えると「停留所問題」がそろそろ大詰めであり業務が膨らんでいるのと、引き続き「バス事業のあり方検討会」など国の会議(既に正式な委員ではないけれど)やそのための打ち合わせ、その他何かよくわからないけれど多くの仕事が一気に押し寄せてきている。また企業内研修の講師にお招きいただいたりアカデミックなお仕事をいただいたり、仕事の幅が広がっていることには関係者の皆様に心から感謝している。さて既に開催から1ヶ月以上経過した「高速バス・マネジメント・フォーラム2012」だが、その後多くのメディアでご紹介いただいた。交通系の専門紙では『東京交通新聞』と『交通毎日新聞』。旅行系の専門誌では『観光経済新聞』と『旅行新聞』。興味深いのは、同じフォーラムを並んでお聞きいただいたにもかかわらず、媒体や記者さんによって注目している点が微妙に異なること。なかには、<そういう意図で発言していないんだけどなあ>というようなご紹介もないわけではない(まあ、取材記事の場合でも100%こちらの意図通りに書かれていることは少ないし、人の話を聞きそれを文章で表わすことのプロである記者さんでさえそうなのだから、フォーラムや研修、講演の参加者の皆様もまた本ブログの読者の皆様も、それぞれなりの受け止め方をしているのだろう。その点をよく注意して話し、書くようにしないと)。さて上記のうち特に『旅行新聞』については非常に大きくご紹介いただき感謝。<“多頻度昼行路線守れ”新制度の活用法など紹介>という見出しとともに、内容を詳細にご紹介いただいている。特に、宮崎交通の田代課長のご講演について触れ、<「ツアーバスを追いかけてばかりでお客様を見ていなかった。今後は、お客様を見て、より魅力ある商品を展開したい」と本音を語り、会場の同業者から大きな拍手を集めた>としている。たしかに、本フォーラムの中で最も皆が盛り上がり気持ちを一つにできたのは、間違いなく田代課長の講演の、この結論の部分であったかと思う。さて本日付の『日本経済新聞』朝刊企業面に大きく、「鉄道系が逆襲 高速バス、運賃柔軟に 京王やJR系、規制緩和受け」の記事。さすがに「日経の本紙」の影響力は絶大で、記事中には決して私の会社名も個人名も紹介されていないにもかかわらず、多くの人から<新聞読んだよ>とメッセージをいただいた。記事をなぞると、<京王電鉄バスは約1億円を投じ、12年度中に基幹システムを刷新。曜日や時間帯などで運行便ごとに複数の運賃を設定できる仕組みを導入する>として、具体的に新宿~長野線の運賃案が紹介されている。他にもJRバス関東、名鉄バス、西日本JRバスらの取り組み、そして西鉄を中心とした九州各社が、<予約システムを13年中に刷新する見通し>とも。これらの事例のうちどれとどれに私がたずさわっているか具体的にお伝えするわけにはいかないが、ふだん私が各乗合バス事業者のお手伝いをしているのは、正にこの記事の内容そのものである。記事の後半は、「ツアーバスと顧客争奪戦」という小見出しが振られている。<1億人の高速乗り合いバスに対し、600万人の高速ツアーバス。年間利用者数を比較すれば、その市場規模には圧倒的な格差がある。ただ、首都圏と京阪神を結ぶ基幹路線ではすでにツアーバスの利用者が乗り合いバスを上回る逆転現象が起きている。>現状を紹介した上で、<格安の運賃水準を維持しつつ安全性への対応を強化するツアーバスからの移行組と戦うことになる乗り合いバスには、顧客流出に対する危機感が強い。>とまとめられている。限られたスペースで記者さんが書ききれなかったであろう点を私なりに付記すれば、(世間の印象とは異なり)高速(乗合)バス市場で圧倒的なボリュームを占めるのは実は首都圏~京阪神のような大都市間路線ではなく、地方都市を結ぶ昼行路線であることと、その分野では未だ高速乗合バスのシェアが圧倒的であること。逆に言えば、当然、いつかはそこに競争の時代がやってくる。それは何も、規制緩和といった供給サイドの環境変化だけから生まれる結果ではない。ウェブ予約の普及により、乗客(消費者)が多くの情報量を元にバス同士を比較検討する「バスを選んで乗る時代」の到来、すなわち需要側の環境変化が背景にある。何もバスだけではない、全ての業種に共通の、ありふれた変化でしかない。だからこそ上記『旅行新聞』に報じていただいたように、<従来のまま生きた化石になってしまうのか、その変化に大きく対応していくのか問われている。勇気を持って変革を>、乗合事業者達は求められている。大変な変革ではあるが、もっとも、それを上回る大変さで、高速ツアーバス各社は自らのあり方を根本的に見直さないといけないわけだが。さて、私自身の忙しい日々は当面続きそうだ。しかしながらそれはまた、多くの方々から頼りに思ってもらっている、ということの裏返しのはず。年の瀬に向け日一日と早くなる夕暮れにリズムを合わせるように時間の歩みは速さを増す。色んな意味で期限を区切られ、当事者である事業者達の将来を左右しかねない課題の大きさと量に、夜中ふと目覚め、本当に成し遂げられるのか不安に震えることもあるが、一段と速度を上げるその時間の流れに、むしろ背中を押してもらうしか、おそらく道はないはずだ。
2012.11.27
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