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高田崇史『QED~ventus~御霊将門』~講談社ノベルス、2006年~QEDシリーズ第12弾です。 沙織さんが崇さんを花見に誘い、奈々さんは3人で花見に出かける…はずでしたが、一行は将門関連の史跡をめぐることになります。怨霊とされる平将門の意外な姿が、崇さんによって語られます。 一方、成田山の病院で薬剤師をつとめるようになった神山禮子さんが外出しているとき、彼女にじわじわと危険が迫っていきます。 このシリーズを読んでいると、古代~中世の朝廷は悪魔のように感じますね。その後も、多くの「呪」「騙り」が残されていることを考えると、なんともいえない気持ちになります。
2016.05.21
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浦賀和宏『彼女が灰になる日まで』~幻冬舎文庫、2015年~ フリーライター・桑原銀次郎シリーズ第4弾です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。――― 前回の事件で重傷を負ったが、なんとか回復した銀次郎のもとに、奇妙な電話がかかってきた。入院していた病院の人から銀次郎のことを聞いたという男に出会うと、相手の男は、オカルトめいた話をする。霊能者の知里アシの霊が、銀次郎が入院していた病院で意識を取り戻した人間に次々に取り憑き、自殺を遂げている。男の妻で、自殺者は3人目となる……という内容だった。 関係者は、銀次郎が知里アシや、彼女の霊の話をしてきたアシの兄の所業について記事にしてほしいと望んでいた。銀次郎自身は、記事にすることに抵抗も感じていたが、調査を調べていくうちに、事件は思わぬ様相を呈していく。――― やはりこのシリーズは面白いです。 単なるライターとして事件の取材を進めるのではなく、銀次郎さん自身が深く事件に巻き込まれている……はずなのですが、冷静な視点を失わない銀次郎さんのかっこよさが光ります。 最初に想像されていた事件像が、調査を進める内にどんどん修正されていく過程も面白いです。そして最後に明らかになる真相は……。 第5弾以降も楽しみです(予定されているかどうかも分からないですが…)。
2016.05.14
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島田荘司『屋上の道化たち』~講談社、2016年~ 御手洗潔シリーズ最新刊です。長編短編含め、シリーズ通算第50作目に当たるようです(厳密には、リストには『島田荘司読本』などエッセイ集に収録された短編は含まれません)。 久々の御手洗シリーズの長編ということで、わくわくしながら読み進めました。 帯には、「自殺するはずのない男女が、必ず飛びおりて死に至る―」とあります。舞台は、ある銀行。飛び降りるのは、全員その銀行の職員です。結婚を目前に控えた明るい女性が、屋上に水やりをしに上がった直後に飛び降りる……という事件から始まり、次々に事件が連鎖します。非常に不可解な事件ですが、この飛び降り事件以外にも、同じ時期にこの街では奇妙なことも起こっています。はたしてそれらの関係は……。というんで、期待に違わずとても面白い物語でした。なお、御手洗さんと石岡さんは、「SIVAD SELIM」からまもなくの、1991年1月にこの事件に携わることとなります。二人の掛け合いや、面白いキャラクターの記者とのやりとりもとても楽しいです。そして炊飯器でつくるみかんケーキが美味しそうです。※御手洗潔シリーズ略年表はこちら。
2016.05.07
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