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路面から拾ったキク科の舌状花。分類学者である澤木は【都忘れ】だと同定した。点々と散っている薄紫の花びら。この早朝に、誰が何のために花を摘み、毟りながら歩いたのだろうか?植物分類学の助手である澤木敬。そして友人の樋口陽一も植物生理学の助手である。この二人が、日常の何でもないような事柄を独自の視点でみつめ、事件の真相にたどりついてしまう、という連作ミステリーである。一番上の文だけみると、日常の謎系?(北村薫が書くような)といった趣であるが、この話ではきちんと(?)刑事事件も起こる。実際に警察などが出てくるわけではないが、二人の植物学者がいわば探偵役となる。『いざ言問はむ都鳥』『ゆく水にかずかくよりもはかなきは』『飛び立ちかねつ鳥にしあらねば』『むすびし水のこほれるを』という4作からなる。いずれも【植物に関すること】が重要な意味をもつ。この設定が私には新鮮で興味をもって読めた。(例によって植物のこともよく知らんけど)自らを「即物的な人間だ」という澤木。その植物に接する態度は一貫している。「花というのは、買ってみるものではない。」「ゴルフ場というのは醜悪な環境だ。 ~ ただ一種の生物の娯楽のために、どれほどの生命が消費され、どれほどの生物が生活の場を奪われているのだろう。」連作ということで、謎が次の話に絡んできたりもする。各話とも、些細な出来事や発見から、意外な真相、予想もつかない結末に結びついていく。充分面白い要素はあるはずなのに、ミステリーとしてはどうも爽快感がない。なんかまどろっこしい感じがする。でも、この話は好きだ。植物との繋がり方というか、全体の落ち着いた雰囲気が。なんとなくこの文章の合間合間が、澄んだ空気が漂っているような印象をもってしまう。さて、『ゆく水に~』のなかで駅の販売機で、子供の切符ばかりを何枚も買っている男がでてくる。なんとこれは以前読んだ『五十円玉二十枚の謎』のなかで若竹さんが、「五十円玉の謎の話を聞いた先輩が、この事件をもとに短編を書いた」と言っていたものではないか!なるほど~。なんかうれしいです。この人の文章と雰囲気は好きなのだが、この作品のほかに名前を目した事がない。もっと読みたいのだけれど、ほかに書いていないのでしょうか?
2003年06月30日
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自宅PCが機嫌を損ね、ネットにつながらなくなりました。昨日も自宅にていじくりましたが、原因不明。いったいいつになったら・・・読書はしてます。『リアル鬼ごっこ』が思いのほか読むのがつらいので、終える前に『いざ言問はむ都鳥』を読了。こちらは好き。7月1日昼休み中
2003年06月29日
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前の日の日記の続き。理想的な、誰もが待ち望んだ王の誕生であったはずの【戴】。しかし、あまりに急激な変化は無条件の恐怖心を生んでいく。自己を基準に他者を推し量ってみても、しかしそれはその当人の有りようの問題となる。「極めて優れていることは、極めて悪いことと実は同じなのではないか。」・・・・花影、李斎の不安。そして起こる反乱。王も麒麟もいない。李斎は選択する。慶へ。世界をとりまく根本的な謎。この綺麗に区画された世界は,明らかに何者かの意図がある。世を整えるといわれる【天帝】。そして天の理。軍兵を他国に向かわせるのは、心情的に非がなくとも、天の摂理からいけば大罪となる。しかし神は、反乱者を罰してはくれない。天が人に課した絶対的な条理は、誰にも動かす事ができない。王の失道、不在 = 国の荒廃、民の困窮。王がダメでも、民が救われる道、前例をのこしたい、と挑む景王陽子。心の底からの期待が裏切られた時、絶望的に深い辛さを味わう。祈ることすら出来なかった李斎。「所属する場所を失うということは、自己を失うということだ」李斎には縋るものがそれしかない。与えられた環境。かえられないもの。自己を喪失しない為に、《【今、ここで】自分は何をするのか?》ということが大事なのではないだろうか。どうもビシッとまとめられないのだが・・・こんなにウダウダ言わなくてもストーリーの組み立て方は抜群だし《阿選love(はぁと)》なんてキャラクターの魅力に入り込んで楽しむというのも良いと思う。だけど、それだけではなくて、ただものじゃないぞ!と。ファンタジーは現実逃避っぽい一面が強く出ると思う。(普段、読書を逃避として捉えている私が言うのもなんだが)この話をはじめ、シリーズそれぞれ教訓話めいたところも多々ある。だけど、その両者のバランスがいい。異世界だけれども現実とリンクした部分も多く受け入れやすい。凛としていて、懐が深い十二国記。まだまだ読みたいなぁと思わせます。
2003年06月28日
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慶国の首都に、突如踊り出た黒い影。転がり落ちた人影は、【戴国の将軍】を名乗るも、傷付いた哀れな姿だった。景王に面会して発した言葉、「戴国をお救いください・・・」。戴国にいったい何が起こったのか? 景王陽子がとるべき道は?十二国記シリーズ第6作!そこは古代中国のような異世界。世界の中心の五山とそれを取巻く黄海。そして十二の国々。十二の国にはそれぞれ、一頭の霊獣【麒麟】と、麒麟に選ばれた一人の【王】がいる。不老不死となった王は、麒麟の補佐を受けながら政を行う。しかし王が道をあやまると、麒麟は病にたおれ、国は荒廃し、麒麟も王もやがて死ぬ。一方、優れた王の治世は何百年と続いていく。魔法こそ出てこないが、この特異な世界では、妖魔、妖獣といった生物も登場する。王をはじめとする【仙籍】のものは歳をとることはないし、人は木に生る。麒麟という特別な存在、そして半獣なんてものも存在する。不思議な力を持つ国宝はあるし、この世界特有のルールも多い。蓬莱と呼ばれる、現代の日本とは微妙な繋がりがある。荒唐無稽な、突拍子もない御伽噺のようだが、これは、読者の年齢を選ばない良質のファンタジーである。緻密な描写は一つの世界をリアルに創り上げているし(幻想的な要素はそれほどない)風変わりなキャラクター達がおりなす面白冒険もの、では終わらない深みもある。というような感じですが、シリーズを読んでない方には全くわけからんでしょう(笑)十二国のいずれかが舞台となり紡がれてきた物語。なかでも、慶、雁、戴などは馴染み深い。そんななかでの【泰麒の失踪】という一大事件!(番外編『魔性の子』との繋がりも)この話での主な舞台は、陽子が王となって(景王陽子)半年ほど経った、慶国。そこに現れた戴国将軍・李斎が、反乱による国の混乱、荒廃を伝え、救いを求める。7年前に新王として登極したはずの驍宗(泰王)、補佐をしていた泰麒は共に行方不明という非常事態。強大な雁国をはじめ、恭、才などにも協力を依頼し、泰麒を探し出す手筈が整えられていく。各国の麒麟が一同に会すというのはワクワクしてくる(全員が揃うわけではないけど)ウルトラマン全員集合!のような楽しさ。(古すぎ?)どちらかというと、今までの話は進むべき方向が定まっていて、終着点が想像ついた(それでももちろん過程が面白い)。しかしこの話では、どこに行き着くのだろう?という先が見えない楽しみがある。主人公すらハッキリせず(李斎であり、陽子であるのだろうが)、結末が読めない。個人個人の成長物語という面は少し影をひそめ、この世界をとりまく根本的な問題に迫るという感じである。いろいろ読み方はあるだろうが、どう読んでも面白いと思う。次の日の日記に続く。
2003年06月27日
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会社の健康診断が終わったのは、もうだいぶ前。書き忘れていたので、ひっそりと記す。はっきりいって健康上の心配ごとは体重と頭だけ。頭悪い(痛い、だった)のはいつものごとく様子見ということで。無常にも数字で表されてしまう、体重のほうを。去年比: プラス 6.7 キロ。はっはっはっは(大笑)オレも成長したなぁ~(感慨深げに)まぁ、多少覚悟していたものの、数字という現実でつきつけられると、きく。うーむ。これが怠惰な生活1年の結果か。受け入れなければ。思っていたよりも、昨年の体重が軽かったので【肥満度】という項目は、プラス一桁台ではあるのだが・・・この数字の意味はよくわかってない。標準体重より重いのは確かだが。さらに、身長が、昨年比:プラス0.7となっていたので、(おそらく、でかい人間になりたいという思いがもたらしたものだろう。 無意識にアゴをあげていたのかどうかは気にしまい。)実際の肥満度はもう少し上かもしれない。実は、結果が出てから二ヶ月経っているわけだが、現状変化なし。だと、思う。最近体重計にはのっていない。減っていることはないはず。痩せるには、食事と運動、というのが基本だと思う。やはり、月2のフットサルだけでは無理か。プレイ中に、汗かく分、その場で水分1リットルはとってるしな。そろそろ走るか?1年半ぶりくらいに。でも、踵が痛いし・・・。もうしばらく様子をみよう。(これが一番ダメなんだな)
2003年06月26日
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「ご所有の《西洋館》の鑑定承ります 桜井」少女は、ビラを見て、文学部の大学院生・桜井京介のもとへやってきた。依頼を受け、スペイン文学研究者の別荘・黎明荘を調査することになる京介。しかし、そこには一筋縄ではいかない問題が・・・ 建築探偵桜井京介の事件簿、第一弾!依頼主、遊馬(あすま)理緒とその一族。京介と、アシスタントの蒼(あお)、旧友・深春(みはる)。なかなか個性の強い登場人物たちが面白い。「それが《無意味》に見えるのはただ正しい位置を得ていないからだ、 そのあるべき場所を発見できればすべては《意味》へと繋がっていく。-」桜井京介はなんとなくイメージが栗本薫の伊集院大介とかぶりますが(笑)(そちらもそれほど読んでいるわけではないですが)嫌らしさがなくて好感が持てます。この容貌の設定はファンには欠かせない要素なのでしょう(笑)きっと作者が男性なら、蒼はボーイッシュな美少女(?)だったのでは。【建築探偵】と銘打っているだけに、重要な意味をもつ、舞台となる建物。そんなに仰々しいということもなく、人が住んでいる【家】としてイメージ出来る。事件の起こる現場としての“禍々しさ”とのバランスもいい。次作以降に出てくる、建物も楽しみです。以前、シリーズものに入る前にこの作者の世界に触れようとして読んだ『レディMの物語』が、伯爵夫人を性的に調教していくというようなキワドイ話だったので、ちょっと癖がある話を書く人のかなぁと思っていたのがとても読みやすく普通(悪い意味ではなく)。これだけ人気があるのも頷けるというもの。ただ、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』についての言及が微妙(読んでないのに!)だし、最期の【なだお】もちょっと無理あるなぁ、なんて思います。ですが、予想だにしない展開もあって充分楽しめますし、全体の雰囲気も好きです。シリーズ1作目ということで更なる拡がりも期待!京介の素性は無論、神代教授は出てきてないし、蒼についても、謎が提起されている。さて、どうなっていくのか?幾つも続編が出ているようなので今後も追いかけよっと。
2003年06月25日
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内容的には昨日ですが、書ききれずに。買物後、帰宅。チャンネルをガチャガチャまわしてみると(嘘です)やってましたロッテ戦!なんとBS朝日!(おぉ奇跡1)しかも勝ってる!!9回だ。で、そのまま終了。勝利です。いえーい、7連敗で止まりました。(おぉ奇跡2、オイ!)その後、ヤフーの掲示板で実況トピックをみてみる(勝った時だけみるセコイやつ)これって試合の流れがつかめる。あとファンの興奮とイラダチも。この日も初回に松井に先頭打者ホームランとか打たれていたし、どうなることかと。んで、そのなかで・・・9-2でロッテのリード、9回裏、2アウトでの書込み。 【今日は、勝てるかも。】思わず笑ってしまいました。かもってなんだ、かもって(笑)もちろん半分ネタでしょうが、実際チームを信じられなくなってる部分があるのも確か。まー、今年は凄い展開の試合も多いけど。それにしても・・・ともかく、祝!連敗脱出!まさか、6連勝してた2週間前には思いもよらなかった、といいたいところですが、実はロッテファンの多くは不安だったはず。過去の例があるからねぇ。連勝後の連敗。でもファンが思ってしまうってことは、現場の監督や選手ももちろん意識しちゃってるところはあるのだろうな。だけど、連勝後に必ず連敗するようなチームだと、いったいいつ喜べばいいのさ?勝ってる時も、いつから連敗はじまるか不安になるなんて馬鹿げてるよ。この癖はなおして下さい。とりあえず、西武戦から始まった連敗だし、まずは一矢。あとは、やはりダイエーに勝たないと。2勝10敗。このままでは、カモかも。
2003年06月24日
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軽くテーマを使わせていただきます。先日、越えたと思った仕事の山、その先にもう一つ山がみつかり・・・それでもなんとか、税理士の先生に書類は提出。あとはこの間うっちゃってた5,6月の処理をしなければなりませんが、置いておく(笑)というわけで(?)はやく仕事を終え、久しぶりに本屋へ!購入したもの。★『バガボンド17』井上雄彦はたして今回は出てくるのか?武蔵は。最近ご無沙汰(笑)主役なのに。最近漫画はほとんど買わない。『蒼天航路』文庫で集めたのは失敗か・・・続きはいつ? ★『ミステリ迷宮道案内ナビゲート』ダ・ヴィンチブックスRe-kaさんのところで紹介されていたもの。少し前まで結構並んでいたイメージがあったのに、なかなか見つからない・・・が、棚の一番上に危なっかしくはみでて一冊だけありました。良かった。初めて顔をみる作家は多いし、十二国記の特集もありますし(一番新しいダ・ヴィンチでも特集してたような)、この分量で(この大きさで、笑)¥1500は、安いね!読み応えありそう。★『SWITCH JULY2003Vol21No7』なんと、池澤夏樹と元ちとせの対談!勢いで買ってしまいました。Coccoの特集以来かな、買うの。(本とは関係ありませんが、Cocco復帰の噂も・・・)★『メジャーリーグプレイヤーズガイド2003』NTT出版これ毎年出ているものだろうか?一昔前は『大リーグ選手名鑑』THE MASSADA を買っていたが、本の作りは一緒かな。どちらにしても主要選手の過去10年くらいの成績、所属チームが載っているのがうれしい。450ページ以上のフルボリューム!何時間でも眺めていられる!(そこまで見ないけど)★『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』森山直太郎CDだすー。しかもポイント交換。よってタダ。良子の息子です。気になっていたので(遅いっすか?)お見送りした品々。油断していると、なんとまぁ、ヨダレたれまくりの本が出ていること(笑)なかでも、泡坂妻夫のこのミス1位で上下巻!(題名忘れた)あとは、『天国の本屋』の続編もあるな。乙一の新しい文庫も出ている!と思ったら・・・『平面犬』って『石の目』の改題なのね。早まらずに良かった。しかしこの題名はいったい?『創竜伝』って何巻まで読んだっけ?(遠い過去) で、やはり『バーチャル日本語、役割語の謎』はない。予約しようかな。前2冊は泣く泣くスルーです。というか古本屋探しです(笑)今、古本屋で狙っているのは『五輪の薔薇』!セットで売ってないかな。それより読め!(笑)
2003年06月23日
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テヘランの南側、決して豊かとはいえない下町にアリは住んでいた。妹の靴を修理してもらい、買物をして帰ろうとした時に気付いた。「靴の入ったポリ袋がない。」自分も妹も持っている靴は一足だけ。アリはどうすればいい?イラン映画をノベライズしたものです。もう何年か前に、岩波ホールだかで『青空はぼくの家』(スラメット・ラハルジョ・ジャロット監督)という映画を観て、「イランの子供を主人公にした映画はあなどれん!」と思っていました(が、ググってみると、インドネシア映画だったことが判明、笑)そんなこんなで、実はイラン映画を観たことはないのですが、編訳の青林さんの解説をみると「子供を主人公にすると、イスラムの細かい検閲がゆるやかになる」という側面もあるようで、子供をモチーフにした映画には長い歴史がある、とのことです。私はもともとオリジナル重視なところがあって、小説化、映画化された(後発の)ものには触手は伸びないほうなのですが、この本の薄さ(200ページない)と題名にひかれてこの本をとりました。ちょっと内容も薄いのかなと思いましたが、そんなこともなく楽しめました。【金魚】の存在感がイマイチですが、きっと映像だともっと訴えかけてくるのでしょう。貧富の差、健気な兄妹、といったようなことは一つの主題だと思いますが、ただ表面的に書かれているのではなく、また、なかなか一筋縄ではいかないところもあり、考えさせられます。靴が一足ずつしかなくても、毎日の生活が苦しくても、この家族はとても幸せそうです。妹への思いやり、父母への感謝の念。健気さ、素直さ、純粋さなんてものは自分に一番かけているものだから余計に愛しく感じてしまいます。観たい映画やら、ビデオやらがいい加減たくさんたまっているのですが・・・本を探すのはいくらでもやるけど、こっちは苦手です。映画館まで行っちゃえば逆に観るしかないのでいいいのですが(笑)ビデオとかドラマって、どうも観るぞ!と踏ん切りがつかない(苦笑)なんでだろう?この本を読んで数日後、テレビで貴理子(字OK?)がこの映画を大絶賛してました。聞いたことのない題名だったのですが(私の映画の知識はかなりあやしい)結構メジャーなのでしょうか?
2003年06月22日
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就職試験が上手くいかない、さとし(22)。ある日、深夜のコンビニでため息をついていると、どこからともなく、アロハを着たじいさんが現れた。手をつかまれ、意識は遠くなり・・・。やがて、気が付いたとき、さとしがいた場所は【天国】だった。この本も題名から入りました。以前、楽天で他の方がとりあげていてチェックしていた本。簡単にいうと【天国の本屋】での話です。そのまんま(笑)【天国】の概念が少し変わっていて面白い。もしかしたらモチーフがあるのかもしれませんが私にはわからず。現世での寿命は100歳ジャスト=天寿。途中で死んでしまった人が天寿を全うする場所、それが【天国】。(100歳以上まで生きる人についても説明がなされています。?なところもありますが、それほど気になるほどでもないです)本屋【ヘブンズ・ブックサービス】で店員として働くことになった、さとし。店長、アヅマとナカタ、そして、ユイ。初めに感じた戸惑いは、いつしか消え、充実感を覚えるようになる。そして、店長代理のさとしにはもうひとつの大事な仕事があった。それは、【朗読】。10年以上、ろくに本を読んだ事がないのに。だが、以外にもさとしの朗読は好評で、子供だけでなく、様々な人からリクエストされる。『ろけっとこざる』『エルマーとりゅう』からドストエフスキー、中原中也、チャンドラーまで。そして、『泣いた赤鬼』『ナルニア国ものがたり』。なんの目的もなく生きていた。しかし、ここで自分のあるべき姿を見つけたような気がする。が、やがてやってくる帰る時。何故、ここにやってきたのが「さとし」だったのか?そして、ユイのことが気にかかる。ちょっと内容を書き過ぎてしまったかも。横書き、随所にイラスト付き。すぐに読めます。素直に読みたい(読める)本です。なんかいいやね。ラブストーリーですけど、それ以外の部分もよいです。ラブストーリーの部分もよいです(笑)構成もgood!ちょっとこのボキャブラリーは問題か(笑)殺人事件ばかり読んでいると気がめいることもあるので、こんな温かい話も必要です。小さい頃、眠る前に母親に朗読してもらった、という記憶はありません(事実、ないでしょう)が、それを実行なさっているお母さんは本当に素敵だと思います。(別にうちの母を非難しているのではないです。)お受験の為に、塾に行かせて詰め込むよりも、何十倍も子供の為になるのでは。超早期教育で、天才小学生!とか言われている子供はどう育っているのでしょうか?おっと話が脱線しました。戻します。この話には、続きがあるようで。このまま終わるのもキレイでいいのに、と思うのですが、読んでみないとなんともいえないですけどね。ちなみにこの本も、続編も文庫ではないです。ちょっと中途半端な大きさ。ノベルスより少し大きいです。朗読された本で気になったのは『ナルニア国ものがたり』。なかなか壮大そう。
2003年06月21日
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「アルキメデス・・・」中絶の失敗で死んだ美雪が最期に二度繰り返したうわ言。その意味するところは?そして彼女を妊娠させたのはいったい誰か?教室で起こった毒殺未遂。行方不明になった1人の男。手を汚したのはアルキメデス?それとも・・・青春もの、学園ものの代表作として名前が挙がることが多いこの本。別に、数学、物理、歴史などの話があるわけではありません。それでは、なぜ【アルキメデス】なのか?(いちおうの必然性はあるかな、というところです)少女が死んだ → 少年が倒れた → 青年が消えた → 幼児が舐めた →老婆が感謝した → 母が庇った → 死体が呻いたというような章題で進んでいきます。(こういうの好きです)次から次へ新たな謎が!というほどスピード感があるわけではありませんが、幾つかの事件が起こります。そしてある人物が全てに関わってくる。その関連性は?はたしてその人物が犯人なのか?美雪の死。原因は中絶の失敗。しかし相手は誰だかわからない。父・健太郎は【仇討ち】を決意し、妊娠させた相手を探すために高校に乗り込む。で、親、先生、警察と高校生たちのやりとり。テレビでやる懐かしの青春ドラマ!とかに出てきそうな雰囲気をどことなく感じますが、高校生達の会話はやはり違和感があります(言葉使いはもちろん、道徳観だとか、女性観だとかも)当時はそんなこともなかったのかな?と少し気になるところ。【弁当のセリ】などには、やはり時代を感じます。結構、小生意気なことを言っていたりもしますが、すれてなくて根は純粋。のはずが、どこかで歯車が狂いだす。高校生たちは文化祭で【アルキメデスの英語劇】をやってます。そのなかでの「入浴中にアルキメデスの原理を発見し、浴槽から飛び出して裸で街を走る」という逸話をとりあげています。英語劇ということで、何を言っているのか正確にはわからなくても、観にくる父兄、または同伴の小学生が内容を理解できるように、ということでこの演目が選ばれる。ですが、殺される時の話は記憶にありましたが、これは知りませんでした。少なくともここでは、“誰もが知っている常識”としてとりあげているわけです。うーん、ちょっとショック。25年前では当たり前だったけれども、今では、そんなこともないのか。それとも私だけ?その時々の教育の一つとしての儒教的な話や、愛国心についての挿話などには、幾つかこういう例もあるのでしょうが、これはどうなんでしょ?さて、そもそもの話の始まりの美雪が残した「アルキメデス・・・」ということば。いわゆるダイイングメッセージなのでしょうが、どうもイマイチ納得いかなかったり。この話の、ということではなく、【ダイイングメッセージ】そのものが。死の間際に直接的ではないもの(少々考えてもわからんもの)を残す、というのがねぇ。こんなこと言ってたら、何もはじまらず物語が成立しないけど(笑)この少々奇抜な題名に惹かれました。(他の作品でも昔の偉人の名を使ってます。『ソクラテス最後の弁明』『パスカルの鼻は長かった』『ヒポクラテスの初恋処方箋』など)古本屋ではたまにみかけるのですが、なかなかいい状態の本がない。私が読んだのも、昭和49年。仕方がないか。復刻版などはないのかな。ミステリーとしても、江戸川乱歩賞(第19回)を受賞しているだけあって悪くはないですがやはり全体的に、ちょっと古いかな、という気がしてしまいます。ほろ苦いさわやかさ、青くさい若さ、を感じます。特に動機などに。なつかしいなぁ、という気持ちがないでもないです(笑)独りよがりの正義感、視野の狭さ。それを笑えるほど大人でもないですけど。
2003年06月20日
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「どんな事件だい?」と団地の一室で交わされる親子の会話。息子は、捜査一課に配属された現職刑事。よくこの家を訪れる父親は、退職した元刑事。捜査に出向くことのない退職刑事は、未解決事件の話をきき、縺れた糸をひとつひとつ鮮やかに解いていく! 7作収録の短編集。安楽椅子探偵もの / アームチェア・ディクティブ・ストーリイ。実際に現場に足を運んだりせずに、話をきいただけで謎を解決!というアレである。この『退職刑事』はいわばその代表作と呼ばれるもののようです。(収録作は全て70年半ばのもの)西澤保彦さんは『麦酒の家の冒険』の解説で、このシリーズを【本格推理のバイブル】とまで言っています。内容としては、刑事である息子が、手がけている事件の話を父親にする。退職刑事である父親は、その話だけを基にして推理を進めていく→会話によって犯人が導き出される、というのもの。なので、場所は常に団地の中、登場人物も親子の他には息子の奥さんくらいです。(もちろん、話のなかには様々な人物が登場しますが)これをシリーズ化するとなると、当然マンネリ化するわけですが、都筑さんにはむしろマンネリズムに徹し、論理を表面に押し出すことのみにつとめる、という狙いがあったようです。(解説で法月さんが触れている、都筑氏VS佐野洋氏の『名探偵論争』も興味深いです)と、ここまで書いておいてなんですが、この短編集の中には私にとって、これが最高!というような会心の作品はありませんでしたぁ~。確かに 『狂い小町』 の逆転の発想には吃驚しましたし、『妻妾同居』 も面白い展開だと思うし、『ジャケット背広スーツ』 での【二着の上着を抱えた男(本人も別の上着を着用)】の謎・何故3着も?に対する解答もなるほど~と唸りました。でももう一つのダイイングメッセージのほうは無理がある気がします。(この話は、ある有名な作品と落しどころが同じとのこと。私もそれは既読なのですが、忘れてしまっている為、何の問題もなく楽しめました。記憶力がないというのもたまにはいいもんだ、笑)と、充分に堪能しているようにも思いますが、もっともっと期待していたのでした。ですが、それは作品のせいというよりも、読み手の問題でしょうか。こういう形式の場合、話に入り込んで自分の頭の中で整理出来ていれば、論理の展開が楽しめて非常に面白いと思うのですが、イマイチ集中できずに話に入れない場合は、なんとなく読み進んでしまって、「はて?終わっちまったよ」てなことになりがちな気がします。電車の中で「降りるまでに読めるかな」と思いながら読むよりも、落ち着いてゆっくり読んでみたほうがより味わうことが出来るのかもしれません。私は論理的な考えが苦手なので、都築さんなら、やはり砂絵のセンセー率いる【なめくじ長屋】シリーズのほうが好きですね。大勢でワイワイガヤガヤ賑やかに、というほうが。
2003年06月19日
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どうやら、仕事のヤマは超えました。そしてまた、私は肥えました。傍らには、感想書き待ちの本の山が・・・すっかりテーマの『今日はどんな~』の【今日】が守れません。結局、感想書くときに軽く読み直さないと何にも書けなかったり。あと、KICK THE CAN CREW 『キックOFF』の ♪ 動かざること 山のフドウ ♪ってところが好きです。もっともポピュラーな合言葉、【ヤマ】←→【カワ】【カワ】より【タニ】のほうがおさまりがいい気がする。∧と∨。あ、それは山折り、谷折りか。谷より川のほうが身近かな。どっちにしろ実際には使われることのない符牒だろうけど。コンフェデ観ちゃった。
2003年06月18日
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ジョナサン・リヴィングストン(かもめ)は飛ぶことが好きだった。何をするよりも。飛行術を探究し、いかに速く飛べるか試行錯誤する。彼が目指すもの。辿り着いたところ。すべてのかもめたちへ・・・さて。この本が生涯の愛読書、という方もいらっしゃるでしょう。そんななかで、気恥ずかしさもあり、僭越にも感じるわけですが、別に誰かに強制されて書くというわけではないのだし、好き勝手に書きます(笑)まず、ジョナサンの一途さが気持ちよい。【飛ぶ】。食べるよりも、飛ぶ。好きだから。翼を持たない我々から見ると、空を飛ぶのは本当に特別な素晴らしいこと、とうつる。だが、かもめにとってはどうだろう?飛べることなんて当たり前。飛べないやつなんてかめもじゃねぇ、ぐらいの勢いのはず。だからこそ、その魅力に気付かない。飛べることの素晴らしさを忘れてしまう。ジョナサンはいつ気付いたのだろう?自分はもっと、速く飛べるはず、だと。可能性。できることには限りがある。そうかもしれない。だが、その限度を自分で決め付けてしまう必要があるのだろうか?と、まぁ随分お気楽に、Part Oneを読んでいて思ったわけです。それが読み進めていくうちに、少し様相が変わってくる。限界を突破した!と歓喜の声をあげていたジョナサン。しかし無責任な行動と咎められ、群れから追放される。ジョナサンは一人遠くへ飛び、更に訓練を続ける。やがて、二羽のかもめがどこからともなく現れる。そして彼を天国のような【高いところ】へと導く。多くのことを学び、特別な存在になっていくジョナサン。自分が見出した真実を伝える為に、地上へと戻っていく。ここまでくると、少しあれれ?と思ってしまう。飛ぶことを追求する=自分らしく生きる、ということだと単純に感じていた。それなら、それだけでいいのではないか?と。ほとんど【神】のような存在になったジョナサン(本人は否定するが)。どうも、高みから【教化】する、という印象を受けてしまう。どこがいけないのか?といわれると何とも言えないのだが、これが自由、愛だ、となると・・・うーむ、と違和感があるのです。と思って読み終える。そして訳者でもある五木さんの解説にある一文。「冒険と自由を求めているようでいて逆に道徳と権威を重んずる感覚である」ここまでは深く考えていたわけではないけれど。あーそこまでかぁ、と思って再読してみるとこれがこれが。また少し印象がかわってくる。逆に【教化】ってこともないか、と感じる。五木さんの言うことともちょっと離れた気がする。↑に書いた、すべてのかもめたちへ(本文等にあるわけではなく私が勝手につけました)というのは上からものを言っているのでなくて、むしろ横のつながりだな、と。個々は尊重するから、自分で切り開けよ、とも。甘いかなー。また読めばかわるかもしれない。そのあたりが微妙です。変に細かいことを気にしないで、写真をみながら眺めるように読むのが一番かも。劇的な展開や、涙をさそう場面などがあるわけではないこの本がこれだけ支持されているのは、おそらく何らかの理由があるのでしょう。私としては、手放しで素晴らしい!とは言えないけれど、たびたび読み返してみたいなぁ、と思わせる本でした。今回、本当は同じバックが書いた『イリュージョン』訳、村上龍。を読もうかと思っていた。が、『かもめ~』を読んでいなかったことに気が付いて・・・。(本を買った当時、パラパラと写真だけ見て読んだつもりになっていた)で結局『イリュージョン』を読むのは、かなり先に(笑)毎度のことです。
2003年06月17日
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どんな奴でもかかってこい。俺は寝台の上の血塗れの男を切って切って切り開いて切り散らかして最後に縫い合わせて元通りの形に戻してやる。第19回メフィスト賞受賞作(問題作?)です。↑の文では、内容わかりませんね(笑)初めの方の本文の抜粋です(P7)句読点が少なかったり、改行が極端に少なかったりという特徴ある文章。(もちろん、全部が全部ではなく、そういうところがチラホラという感じ)裏表紙には「ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー」「密室?暗号?名探偵?くだらん、くたばれ!」とあるような挑戦的な態度。こりゃ、いかにも一筋縄では行きそうもない感じです。内容的には、ノワール?ピカレスク?(あまり意味わからず使ってますが)もう少し詳しく内容をおっていくと。サンディエゴのERで外科医として働くシロー(奈津川四郎)のもとに「母が怪我した。できれば戻れ。一郎。」 というメールが入る。福井県、西暁町に戻ると、おふくろは意識不明。脳へのダメージがある可能性有。そして、連続主婦殴打生き埋め事件の被害者でもあった。四郎は犯人を見つけ出し復讐することを決意する。と、ここからミステリーっぽく展開していくのですが・・・やがて話は、四郎の家族の話に。父・丸雄、そして、一郎、二郎、三郎。とくに、丸雄と二郎の確執について。暴力と憎しみが延々と続いていく。祖父・大丸と、二郎の「別荘」・【三角蔵】。正直、ミステリーとしての魅力(トリック、謎解きなど)はそれほど感じず。むしろ、キャラクターの人物造形が面白かった。先に挙げた家族の他にも、四郎をとりまく、ルパン、ウサギ、マリックなどなど。ただ、肝心の母親のインパクトがあまりないような気がします。どうもミステリーは後付けで、家族間の話こそ、書きたかったのでは?と。ここまでいってしまうものでしょうかね?うちも4人兄弟ですが、とてもとても。いや、ここまでいってたらまずいです(笑)ある意味、自分の欲望に正直すぎるのでしょうか。家族。親子。兄弟。羨望、嫉妬。愛情を求め、憎しみに転じ、拒みきれずに受け入れる。最後はちょっと、センチな気もしますが。さて、この題名『煙か土か食い物』。はじめ見た時は、何?とわけがわりませんでしたが、由来をきけば、なるほどと頷けます。この話にあっているとてもいい題名だと思います。そして、作者の名前【舞城王太郎】。王太郎、ってなかなかいませんよね。つい、舞王城太郎と書いてしまったり(笑)油断したらどちらかわからなくなる可能性大です。暴力描写などが苦手な人はパスしたほうがいいかもしれないです。文体のクセもありますし、この世界観はかなり読む人が限定されてしまいそう。私は嫌いではないです。メフィスト賞とは結構、相性が良い私。
2003年06月16日
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分かりやす過ぎるぞ! <ロッテ6連勝のあとの3連敗。しかも下位チームに連勝後に上位チームに連敗。西武ファン以外は皆、非常にガッカリの結果。もちろん相手を見て、勝とう、負けようとしているわけではないだろうが。実力といってしまえばそれまでだけど。昨日なんて限りなくノーヒットノーランに近かったし。連勝後の連敗って今まで何度繰り返したことだろう。ロッテファンの多くが抱いていた危惧が現実に。康介はまだまだだし。澤井も勢いが無くなってきた様子。喜多は頑張っておりますが。ジョニーも違和感があったとかで、相変わらず目処がたたず。(一度、二軍での先発予定を回避。昨日は少し投げましたが)あと、清水にそろそろ勝ちをつけてやらないと。と、愚痴が多くなってしまう。今年はマリンでオールスターなんだし、せめて5割を維持して欲しい。ファン投票はなかなか厳しいから、推薦されるような成績を残してマリンでのオールスターを盛り上げてくれ!
2003年06月15日
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幼き頃、隣の家の少女に、無記名で手紙を出し続けていた真理子。結婚後、帰省し、彼女が殺されていたことを知る。六年前の未解決事件。彼女はなぜ殺されたのか?手紙が果たしてしまった役割とは?夫とともに謎にせまる。『凶運の手紙』他5作収録の短編集。仁木悦子さんは、『猫は知っていた』で第三回江戸川乱歩賞を受賞。もう20年近く前に亡くなっています。この作品(角川文庫)も、昭和53年初版発行です。さすがに古さを全く感じない、というわけにはいかないですし、驚くような仕掛けがあるわけでもないです。ですが、シンプルな中にもキレがあり、独特の温かい雰囲気をもった作品集で楽しめます。なかでも『遠い絵図』は、二転、三転する展開が面白い。父が死んだ時の様子を語ろうとしない母に疑惑を抱く娘。二十数年前の出来事を探る為に、当時の関係者をあたっていく。他には『金ぴかの鹿』。犯人はあらかじめ提示されているようなものですが、犯罪に巻き込まれた幼女の心の動きには、思わず唸ってしまいます。子供ならではの道徳心、好奇心、罪への意識。巧いです。他の作品でも子供同士のちょっとしたやりとりだとか、友達関係だとかがいいんですよね。ただ、おそらく本人にとっては実験的な作品だと思われる『一日先の男』。SFぽい話しで、もう題名そのままなのですが、これは私にとってはイマイチでした。ごちゃごちゃと込入った話のあどなどに読むと、サッパリとして良いかもしれません。(といっても、もちろんちゃんとしたミステリーなのですが)私が読んだ本、表紙では黒猫が手紙をくわえております。この本のなかで猫が出てきた話はなかったと思います。また、他の仁木さんの本(角川文庫)のものも、表紙に猫が描かれているのが多いかと。やはり、『猫は知っていた』のイメージが強くてそれを利用したのでしょうか?
2003年06月14日
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あれだけ文句を言っておきながら・・・ <12日の日記とても有意義で、なかなか楽しめました。株主総会は、予想通り。形式にこだわりすぎているように感じてしまう。きっと、やっていることは正しいのだろう。でも、他にやることがたくさんあるでしょ?と思う。その後の講演。これが大変良かった。まずは、化粧品会社のオーナー。この人の話は、結局最後、【男と女とセックス】に行き着いてしまうのだが(笑)この日は、【幸福】がテーマ。哲学的な話からはじまったものの、、やはり・・・とても経験豊富な人なので、どんなことを話しても面白いし、人をひきよせる。でその次は、琉球大学の名誉教授。(もう講義などはしてないそうですが。)「何故、沖縄は肺がんでの死亡率が高いのか?」という話からはじまる。空気はキレイなはずだし、タバコを吸う人がそんなに多いのか?それとも泡盛がまずいのか?という展開から最後には先生なりにたどりついた結論を。答えは【砂】だった。これを吸い込むことにより・・・というわけである。次に沖縄の資源について。よく知られている海産物などの話。モズクとか。で、最後に沖縄に特有の粘土層について。今まで誰も見向きもしなかったものに、驚くべき効果が!ということで。化粧品の原料として注目し、研究を続けている。様々なデータ等が示されていて非常にわかりやすかった。後に、軽く立食で懇親会。終わって帰ろうと思ったら、主催会社の人に呼び止められ最後まで付き合うことに。この席にいたのは、会社の人以外は、先生と私だけ。先生とはこの日が初めてだったが、とても気さくな人で話やすく、会社の人たちはほとんど見知っている人なのでそれほど気を使うこともなく楽しめました。米ぬかに含まれた抗がん物質、ホタテの貝殻のアスファルトへの再利用(青森)、林檎の滓。先の粘土層の土を含めて、今まで全く省みられていなかった捨てられてきたものへの再評価、有効利用の話を中心に。あとチャンネルの切り替え方の話も非常に興味深くためになりました。というわけで、帰りは午前様になったものの大満足でした。この日は何故か、普段ほとんど飲めないウィスキーが美味しく感じられ5,6杯飲んでしまった。→またしても、翌日二日酔い。(それほどひどくはなかった)やりもしないうちから文句ばかりいうものではないですな。
2003年06月13日
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あー、面倒くさい。億劫だ。行きたくない (しつこいな)でも仕方ない。夕方から社長の代理で、叔母の会社の株主総会に出なければならない。その後、講演(化粧品会社のオーナーと琉大の名誉教授)。そして当然、懇親会。(案内には立食パーティとあるが)うちと同じくらい小さな会社(社員10人ちょっと)なんだし、そんなに気合いれていろいろとやらなくてもいいのに。形にこだわる人だからなー。何よりも、自分とこの決算処理がまだ終わっていないのに(4月決算)よその株主総会に出ている場合じゃない!(笑)叔母の生まれ育った沖縄の離島の物産をつかって何か始めるらしい。頭の中には壮大な計画があるようだが・・・(もしかしたら私もその中に組み込まれているかも。)なので離島のお偉いさんとかも来るのかな?んで、懇親会かぁ~。いやじゃーー!酒を飲むこと自体は好きなんだけど。気を使って飲みたくないんだな。これじゃ、普通の会社ではやっていけないだろ(笑)決算業務は今週末がヤマか。それより、日記書いている暇あったら仕事しろ!ってことか。
2003年06月12日
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9歳の私が憧れていた、バーバラとデューク。二人は理想のカップルだと思っていた。しかし、バーバラは自ら命を絶ち、デュークは殺人罪で絞首刑になった。私は、裁判でデュークに不利な証言をしたのだった・・・1943年、セオ・シンクレアが疎開した先はギフォード農場のロックウッド家。45年、セオは裁判で証言し、20年後、その犯人の実の娘が訪ねてきた。物語は、娘・アリスがセオのもとに現れるところから始まる。父のことを訊きたいと言うアリス、次第に語りだすセオ。想いは当時に戻り、アリスは父の無実を求める。若き頃、ロックウッド家で過ごした日々。その短い時間とはうらはらな密度の濃い記憶。リンゴの収穫と酒作り。疎開先で不安でいっぱいだった心を埋めてくれた、バーバラ。ささやかな嘘から農場にくることになった、GI2人、デュークとハリー。やがて起こる暴行事件。そして、リンゴ酒作りのための搾汁が始まったあの日の、出来事。後に発覚する殺人事件・・・【リンゴ酒につかった髑髏】セオとアリスは当時の面影を追い求め渡り歩く。セオが持っていたデュークの形見の品。そしてもう一つ・・・アリスの疑い。のこされたロックウッド家の人々。と、内容を流してみました。うーん、裏表紙にあるようにまさしく【芳醇なヴィンテージ・ミステリ!】といった趣。良いです、とっても。そして苦いです、ホントに。ラヴゼイは、ハヤカワ・ミステリ文庫の古いものからこれまで4作読んでいますが一番好きです。(初めの『偽のデュー警部』もいいですが)もともと読み始めたのは、森博嗣さんが大絶賛していたからです。(口直し用だとかでかなり信頼しているようです)少年の眼から見た情景。関係者の娘が感じたギャップ。信じていることと、信じたいこと。実際に起こったこと。深いんですよねぇ。それこそリンゴを目の前で搾っているような感じさえして来ます。大長編ではない(300P弱)のですが、どっぷりその世界に浸かってしまいます。
2003年06月11日
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フフフ・・・ロッテが6連勝です。二年ぶり?二日間試合がないので余韻にひたれます。連勝後の反動が心配です。tokさんはつらい2日間だろうなぁ。日ハム・劇的な素晴らしい試合の後の三連敗。野球は怖い。
2003年06月10日
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この家には何かいる。という妻。「ちょっと疲れているんじゃないか?」「実家に帰って休んだらどうだ?」と答える私。しかし、深夜に帰宅したあの日、家の中で私は見た。ひょろりとした、仙人のようなパジャマ姿の男の姿を!かなり不思議な幻想的な話?と思って読み始めましたが・・・予想をくつがえさせられました。解説がイッセー尾形、というところで気付くべきでした(笑)サラリーマンの話です。ちょっと悲しくなってしまいます(【感動】という意味ではなく)随分あっさりというか、適当な部分も多く感じますが、この分量(短編60P)なら丁度よいかも。話のオチとしては、え、そんなんなの?と少し拍子抜けでしたが、うーむと考えてしまう結末です。他の収録作品のうち『戦争管理組合』は、【男社会に対する反乱】を企て、実際に猟銃なども持ち出してしまうのだけれど、どうも中途半端。これよりも『てんぷら社員』、『派遣社長』などの、「サラリーマン、それでいいの?」というような作品のほうが面白い。だいたい題名でどんな話なのか想像がつきますが、アイデアが良いです。内容的には多少違いがありますが、梶尾真治の短編集を思い出したました。一番最後に収録の『シューシャイン・ギャング』。リストラされた50代の元課長と家族を見捨てたという十代の娘。そんなふたりが組んで渋谷で始めたのは・・・靴磨き!これもなかなか面白い設定で良かったです。全体をとおして現代の社会、仕事人間に対する警告、というような意味合いもあるのかもしれないがそんなに深さはない、というか暗さはない。むしろ笑い飛ばしちぇ!とでもいうような軽さのようなもの、ユーモアを感じる。一工夫ありの設定が多くて楽しめました。この文庫(祥伝社文庫)は字も大きいですし、文章も読みやすく感じました。まぁでも、バリバリに働いている人が読めば感想も違うのかもしれません。あと、↑でも書いたようにイッセー尾形の解説が表紙の折り返しにありますが・・・「カフカに勝る絶妙な仕掛け!」は言い過ぎでしょう。と、カフカを読んだことのない私でも思います(笑)
2003年06月09日
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ぐでんぐでんののんだくれ、ということで。久~~しぶりに、朝まで酒を飲み、始発で帰宅。ちょいと寝て、起きたら頭ガンガン。二日酔い?これも久々。んでもって、その後、また飲んだ(笑)本を読むどころではなく、ましてや日記を書くどころでは・・・
2003年06月08日
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母と娘は、古家に引越しをした。新婚まもなかった父と母がかつて住んでいたこの家を、取壊すまでの短い間借りる事にした。そう、そこは【奇術師の家】。心臓病でいつ発作をおこすかわからない母と、もうすぐ30歳になる娘・鮎子。義姉の勧めもあり、母の残された短い人生を思い引越しをした。現在のこの家の持ち主は、大事な人からの預かりものだという。が、母のことを聞くと快く貸してくれた。母は、この家のものは全て奇術師・鬼頭のものだ、と。まるで自分のものであるかのように、残っている先住者の荷物を整理する母。ほとんど家具を持たずに越してきたのに、見事な調度品で飾られていく部屋。カード会社で働く鮎子は、ある日15年前に発行された鬼頭のデータをみてしまう。家族蘭には、母と同い年の妻と、兄と同い年の長男の存在が記されていた。外国から兄が一時的に帰国した時、母の希望で、この家の庭でパーティーが開かれた。母は上手に消えた・・・とても静かな澄んだ空気を感じる。かといって、穏やかと言い切れるものでもない。三十年前の家にいるかのような母。三十年間の想い。そして今を生きる人々。本物の水芸が出来たという最後の奇術師に、ささやかに(けれども鮮やかに)見せつけられた、そんな感じです。他に『静かな家』『遠い庭』『秋の棺』の3作品収録です。連作ではありませんが、やはり【家】の比重が大きい。(特に『静かな家』)『遠い庭』の「ベランダからジグソーパズルを落とす少女」『秋の棺』の「月子と名乗る謎の女」ともに雰囲気は悪くないですが、やはり表題作『奇術師の家』が一番好きです。あとがきより 「家と言えば家族、いう図式が最初から欠落しているところに、 物語の始まりがあったのかもしれない」という少々かわったアプローチをしている。家にこだわる人々。決して温かいだけの存在ではない家。けれども、やはり【拠り所】としての機能を持つのだな、と感じました。なお、『奇術師の家』は第1回朝日新人文学賞を受賞しています。ちなみに第6回が、中山可穂『天使の骨』。他の受賞者は私の知らない人ばかり。というか魚住さんも本書を手にとって初めてしったのだけれど(笑)
2003年06月07日
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帝王急逝後、若干17歳の皇太子の為に宦官達がやったこと、それは、【新しい後宮づくり】であった。1607年、素乾国でのことである。凄い題名ですが、これでも【ファンタジーノベル大賞】受賞作です(笑)酒見さんの、孔子を主人公とした『陋巷に在り』を読みたい!と思っているのですが、如何せん大作なので、その前に同じ作者のものをチラッと読んでみよう、という私が良くやる手です。後世の人物が、当時の歴史書を参考にしながら書く、とい体裁をとってます。語り口はどことなくユーモラスで、あまり【後宮】のイメージにあいません。主人公が主人公なので、艶っぽさも、エロティックな雰囲気もほとんどなく・・・今まであまり読んだ事のないタイプの小説で、とても楽しめました。主人公は【銀河】という世間知らずな屈託のない少女。この人物あっての物語です。(当たり前か)彼女が後宮へ入る為、女大学という研修施設のようなものに入る事になります。ですが、銀河が何故、宮女募集に応募したのか?ということについては↑の設定を使って上手く逃げています(笑)さてこの女大学というのは、学校の教科書『女大学』でもあるのですが、「後宮ニ哲学アリ」 という一文で始まるという、いかにも曲者です。そして、銀河とともにここで学ぶ、生徒=宮女予備軍=正妃候補 達、とりわけ銀河と同室の3人はかなりの個性派揃い。女大学での講義の終了とともに、話は急展開していきます。最終的には、前半と全く関係ないような事態にまで。うーん、面白いです。こういうハチャメチャなものは好きです。鍵を握る【渾沌】もまた興味深い人物。こういう人がいてもいいなぁ。いやー、何ともインパクトのある作品で、面白かったです。冒頭の一文が「腹上死であった、」だもんな(笑)爽快感もありますし、話の展開が全く予想がつかないのがまた良いです。一応、中国っぽい雰囲気で歴史小説的な側面もないことはないですが、歴史が苦手な人でも全く問題ないでしょう。なんといっても【後宮小説】だから(笑)この設定で書くことを思いついた作者に拍手です。
2003年06月06日
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となりの家は幽霊屋敷と呼んでいる古い洋館。そこに引越しして来たのは・・・名探偵だった!(自称)さてこの本は、講談社の【青い鳥文庫】という小学生の高学年を対象としたものです。息子の為に買ったものを私も読んでみて・・・ ということではなく、幼き頃、江戸川乱歩やホームズに夢中になって・・・ ということがなかった(!)のでちょっと小学生の頃に帰り、そういった本にふれて見ようということで読んだ次第です。(まわりくどいな)うーん、何とも内容を書きにくい。初めにひとネタあるので・・・。まぁ、簡単に言ってしまえば、以下のとおり。遊園地で次々と小学生がいなくなる!お隣に住む、自称名探偵の夢水清志郎とその仲間たち(笑)は推理する!簡単すぎだ(笑)話としてもわかりやすく当然読みやすいです。(もちろんトリックが全てわかった、ということではありません)犯人は【伯爵】と名乗る。大胆な犯行声明まで出します。そして、この探偵さんはなかなか困った人です。警察に対する態度などは教育上よろしくないのでは(笑)冗談は置いておくとしても、警察の捜査、だとか被害者の心情などはホント簡単。都合が良すぎるところも多々ありますが、そんな粗探しをするべきものではないでしょう。ですが、思っていたよりもしっかりとしたミステリーです。楽しめますが、それほど力を入れて読むものではない感じです。(やはり対象年齢がしめすように、というところです)作者の、はやみねかおる さんは小学校の教師で、クラスの本嫌いのこどもを夢中にさせる本を探すうちに自分で書き始めた、というとっても微笑ましいというか、理想的な動機で小説を書いているようです。現在、一般を対称とした本もかなり書いていらっしゃるかと思うのですが(未読です)今もまだ教員をなさっているのでしょうか?
2003年06月05日
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わたしはフルナ。ほの明るい緑の光に包まれて、母の歌をきく。陽光に照らされた空間をころげまわり、夜のとばりが降りるまで遊びつづけた。もうすぐ父が帰ってくる・・・ザトウクジラの物語。オスのフルナの視線で語られます。母のもとで元気に遊び暮らす日々。狩に行っていた父との初めての対面。最古老「大いなるクジラ」フラレカナからきいた物語。そして【孤独な巡航】と呼ばれる旅立ちへと・・・若者の成長物語。自分に課せられた使命と、誇り。アホウドリのアラをはじめとする友達たち。イルカ、ラッコ、アザラシ、ジュゴン、シャチ、ナガスクジラ・・・そして人間とのかかわり。クジラといえば、メルヴィルの『白鯨』です!そしてここでも当たり前のように引き合いに出されています。といいつつも、実は読んだことのない私。こんなことなら、お向かいの鈴木さん(小学校教師)に薦められたときにきちんと読んでおけば良かったと後悔。こんなのばかりです。もったいない。もったいないといえば、もう何年も前ですが、車の中でたまたまつけたラジオで池澤夏樹さんがクジラの話をしていました。ただ、その時営業でお客様のところへいく途中だった為、ほとんど聴く事が出来ませんでした。残念!全体を通じて、作者のクジラに対する愛情が伝わってきます。そして人間への怒りも。私は鯨とほとんど関わったことがありません。食べた事もないし、ホエールウオッチングをしたこともない。捕鯨をとりまく現状もよく知らないので、随分無責任な物言いになってしまいますが、別に食べなくても大丈夫じゃない?というのが本音。現状の生息数をどれくら正確に把握出来ているのか?というような問題はあるでしょうが、種を滅ぼす可能性があることを積極的にする必要はないと思う。長いこと鯨肉に接してきた人々にとっては、当然、別の考え方もあるでしょうが。以前『夏のロケット』で取上げた川端裕人さんが【捕鯨】についてのノンフィクションを書いているそうなので、いつか読んでみたい。ザトウクジラも生でみたいな。
2003年06月04日
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美少年を描くのが得意なイラストレーターが依頼されたのは、バイオレンスもの流行作家の小説のカバー絵だった。【朱鷺飛来図】という明治に描かれた絵の雰囲気で、という指定だった。しかしそれはただの絵ではなかった・・・【朱鷺飛来図】作者・河野珠枝八羽の朱鷺とおびただしい牡丹の花。時は夕暮れ。幻想的な薄紅色。河野珠枝は、技術はあるが作品の凡庸さからあまり重要視はされていない明治期の女流画家。しかし彼女は日本のルー・サロメといわれたほどの華やかさをもち、ロマンスで有名だった。イラストレーター・谷口葉子、バイオレンス作家・美鈴慶一郎。現状に不満を感じている二人は、ともにこの仕事にかけていた。二人は原画を見る為に、珠枝の生家へ行くことに。そこで観た【朱鷺飛来図】には恐るべき謎が!!珠枝の足跡をたどることを二人は決意する。この美鈴ですが、私が今まで読んだ篠田作品では初めてのタイプのキャラ。その容貌、言動がユーモラスなのです。どんな話になるんだろう?と思っていたら、まさかこんな展開になるとは。(ま、裏表紙に異色の長編ホラーとあるので、その通りなのですが)当然、女流画家・珠枝は、大きな謎を持っている。壮絶な死に方をしたと言われ、つい最近、映画化もされていた。しかもその映画監督は半年後、「私は間違えた、珠枝は恐ろしい絵描きです」という走り書きを残して死んでしまう。絵に秘められた謎。牡丹、そして朱鷺。珠枝に関する謎。朱鷺、牡丹との関係は?そしてその死は?もうこれだけそろえばバッチリです(笑)キッチリと料理してくれます。力技もあり。あの方(?)にこの役をやらせてしまうとは(笑)うーむ、怖いです。どことなく坂東眞砂子を思い起こさせるような怖さ。幻想的なところもあります。視覚、聴覚、触覚にも迫ってきます。でもこれが止められないのですよ(笑)長さも丁度よいですし、ページが一気に進む!また、この人の本が読みたくなってしまうような不思議な魅力があります。
2003年06月03日
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ファミレスで起きた火災は普通ではなかった。火元は一瞬のうちに火に包まれた一人の客自身。死体は上半身が激しく焼け、下半身には何者かの咬み痕が。捜査本部要員になった機動捜査隊の音道貴子が組むことになったのは・・・えー、組んだのはベテランの中年刑事なのですが。この滝沢がなかなかのクセ者で「女のデカなど認めない」という思想の持ち主。それに対する貴子のほうでも、滝沢のようなタイプは生理的に受け付けない。そして共に頑固者とくれば、これはもう大変です(笑)しばらくお互いに対する愚痴が続くような感じですが、私はこれが別に嫌ではなく。しかーし滝沢の貴子へ態度はひどいもの。当然、貴子に感情移入したくなるものですが・・・。私は結構滝沢目線でいってしまいました。確かに女性蔑視的な考えだし、パートナーとして貴子を捉えてない。正直ものといえるほどでもないし、表面を取り繕うことも出来ずとても不器用。自分が悪いというのはわかってはいる。でも「あんたには他に道があるだろ?俺にはこれしかないんだよ」という気持ち。そのうえ、家庭に帰れば・・・。分からないでもないです。人それぞれ苦悩があります。妬み、被害妄想、自分勝手。相手にしてはたまらないでしょうが。やはり男性的な考え方か。さてもう一人超重要な登場人物(?)がいます。【疾風】です。これはもう読んでもらうしかないですが、とても魅力的。それほど犬好きというほどではない私ですが、もう痺れまくりでした。大の犬好きの方は【疾風】をどうとらえるのだろう?肝心のミステリーの部分。とても派手な出だしのファミレス火災。そして同時に起こるもう一つの事件。二つの事件の関係は?という感じなのですが、火災に絡んだ事件のほうがいつの間にか影が薄くなるというか犯人がイマイチというか・・・。そのかわりもう一つのほうは、見事なクライマックスです。あの追走劇は、他に類をみないものですし、爽快ですらあります。バイクに乗っている貴子は気持ちよさそうでした。彼女が生きていることを実感出来るときなのでしょうね。いやー、面白かったです、とても。今回、読んで感じたのはこの人こんなに凄かったっけ?という驚き。後からみれば、たいしたこと無い場面などでも、グイグイ惹きこまれていた自分に気付く。筆力というのでしょうか?上原真世の登場するところなどとても良かった。(既読の方もそれ誰?といいそうですが、笑)ちなみに乃南さんは、本作で直木賞を受賞しております。96年。あと千葉マリンへの道(笑)が出てくる!あまり遠出をしない私も車で通ります(空いていれば1時間かからずに行けますけど)ゴミはないし、キレイっていえばキレイなのかもしれませんが、貴子もいうように、とても【人工的】なんですよね。球場の芝も人工だし、やはり天然て難しいのか。便利になる代わりに失くしているものも多いのだろうな。またまた解説について。安原顕さん、これはないでしょ?(もう亡くなってしまったようですが)自分の主義主張(本文の内容から飛躍しすぎ)は別のところでして欲しい。なんかウサを晴らしている感じ。スーパーライターだか何だか知らんけど。ふぅ。随分と久しぶりの読書感想。ほぼ書けた!と思ったら、PCがフリーズ!怒怒怒怒!内容がないのはいつものことですが、きっと初めに書いたもののほうがマシでした(笑)
2003年06月02日
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パッパッパッァーと一気に日記を書きたいところであるが・・・眠いぞ、今日も。『凍える牙』 乃南アサ『神鳥』 篠田節子『歌うクジラ』 ロバート・シーゲル『そして五人がいなくなる』 はやみねかおる『後宮小説』 酒見賢一たまっておりますぅ・・・。なんか動物ものが多いな。この前は、もののけ、ネズミだったし。もう、6月も10日過ぎか・・・今年も半分終わっちゃうよ。相変わらず、はやいなぁ。
2003年06月01日
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