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月ノ章_00-03【主従】→月ノ章_00-03【双子】下月ノ章_00-02【双子】下→月ノ章_00-02【双子】中に其々名称変更致しました。============================================================月ノ章_00-03【双子】下【改稿/レムリアの台詞】 セナートル金貨の部分を幻の貨幣に変換しました。============================================================【改稿・加筆/レムリアの心理描写】 ミュークの言葉から突き放すような響きを感じとったのか慌てて否定するレムリア。 捨てられた子犬のような目で心許なげに表情を曇らせている。============================================================【改稿・加筆/ミュークと双子の過去に関する描写】 この双子、今でこそミュークが面倒を見てはいるが、元々はミュークの実母であるアルフォンヌ・ウィズイッドが何処ぞで拾い僻地の古城で人目を憚るように育てていたのだ。 娘にとって母のそういった気まぐれは取るに足らない出来事であった―――その時までは。 数年後、気の迷いや戯れでは済まされない事態が生じることになる。 母がウィズイッドの血統アルカナ『女教皇』の継承に双子の後見人となることを条件としたのだ。 無論、娘は動揺を隠しきれなかった。 しかし、この母にしてこの子ありか、娘自身も屍族としては一風変わった性質(性癖)の持ち主であった。 俄かに喪失していた双子が見目麗しく成長した姿を確認すると二つ返事でそれを承諾した。 娘は生来の美童趣味だったのである。============================================================【改稿/首人に関する説明】 寄生植物アタナシアを切り落とした頭部の頚椎に植え付け↓ 切り落とした頭部から伸びる頚椎に寄生植物アタナシアを植え付け============================================================【改稿/ルムファムを振り返る描写】 恐ろしく嫌な予感を覚えながら双子の片割れの少女の姿を確認するミューク。↓ 恐ろしく嫌な予感を覚えながら双子(レム)の片割れ、寡黙な少女の姿を確認するミューク。============================================================【改稿/ルムファムが破壊した大噴水の描写】 少女の視線の先には大聖堂前庭の美しい景観には一見そぐわない瓦礫の山があった。 その場所には少し前まで都市の名物でもあった天然大理石の大噴水があった筈だが今は見る影も無い。 ただ、嘗ての名残を惜しむように巨大な水柱を大聖堂の天辺付近まで盛大に吹き上げていた。↓ 少女の視線を追いミュークは我が目を疑った。 都市の名物でもあった天然大理石の大噴水が無残な瓦礫の山と化していた。 今はただ、嘗ての名残を惜しむように巨大な水柱を大聖堂の天辺付近まで盛大に吹き上げている。============================================================※その他、誤字脱字の訂正、細かい形容などを追加致しました。
2009/06/24

※推敲ではなく別展開です。『†Princesse du sang†』 月ノ章 0-03【主従】月ノ章 0-03【主従】―ミュークSIDE― 朝靄に包まれた大聖堂の幻想的な佇まいを背に三つの人影があった。 「ふたりともワチキの助力なしでも十分生きて(やって)ゆけそうじゃな」 レムリアが調達したプリウスの実を受け取ったミュークは満足したように頷く。 「そ、そんなことありません! 事前にミュークさま忠告がなければどうなっていたか…。 それに取引きの成功はボクの力ではなくセナートル金貨があったらればこそ成し遂げられたものです」 捨てられた子犬のような目で心許なげに表情を曇らせるレムリア。 ルムファムに到ってはミュークの長衣の袖口を小さな両手で握り締めて離さない。 「(……ワチキに母上の姿を重ねているのじゃろうか?)」 この双子、今でこそミュークが面倒を見てはいるが、元々はミュークの実母であるアルフォンヌ・ウィズイッドが何処ぞで拾い僻地の古城で人目を憚るように育てていたのだ。 母のそういった戯れは娘にとって取るに足らない出来事であったのだが、母はウィズイッドの血統アルカナ『女教皇』の継承に双子の後見人となることを条件としたのだ。 当初、娘は動揺を隠しきれなかった。 しかし、この母にしてこの子ありか、娘自身も屍族としては一風変わった性質(性癖)の持ち主であった。 数年後、俄かに喪失していた双子が見目麗しく成長した姿を確認すると二つ返事でそれを承諾したのだった。 決して遠くはない過去を懐かしむようにミュークは口元を緩める。 「そ、それで…ミュークさま。 アルフォンヌさまは?」 少年はミュークの複雑な心裡を察したのか、少し聞きづらそうに尋ねる。 ミュークは深いため息をつくと、首を横に振り、 「見当違いじゃったよ。 ワチキをウィズイッドの血族だと知った上での接触であったから多少の期待はしておったが、ヘリソンに母上の“首人”についての記憶はなかった」 ミュークの云う“首人”とは屍霊術の秘法によって半永久的な命を与えられた生首の異称だ。 寄生植物アタナシアを切り落とした頭部の頚椎に植え付け、濃縮された千年樹の樹液で満たされた特殊な首台に着床させることで呪法は完遂される。 端的に云えば彼らは生前の記憶を保ったまま永久の時を生きる喋る生首である。 メナディエル正教の元老院の面々が首人の賢人たちによって形成されている事実は大陸でも有名な話だ。 「そ、そうですか…。 でも、お気を落とさないでください。 諦めなければきっと見つかるはずです。 ボクたちも及ばずながら尽力させて頂きます!」 レムリアの真摯な物言いににミュークは苦笑する。 「うむ、期待しておるぞよ」 ミュークはこの双子を高く評価していた。 レムリアの真っ直ぐな心理眼、ルムファムの的確な真理眼は数百年生きた屍族にも劣らぬものだとミュークは考えている。 永らく人里離れた僻地で育てられた為、浮世離れした感性の持ち主なのは否めないが、その点に関してはミュークも同様である。 足りない部分は時間が解決してくれるだろう。 「あぅ…。 で、でも…、ボクたちでは足手まといにしかならないかもしれませんけど…」 ばつが悪そうにそう付け加えると、照れくさそうに頭を掻くレムリア。 「要らぬ心配じゃ。 もとよりそう簡単に見つかるとは思っておらぬ」 ミュークたちが実母であるアルフォンヌの頭部を求め旅をする経緯は些か複雑であった。 ウィズイッド家は聖剣戦争以降、人類最古の王国ヤガ=カルプフェルトの宰相職を歴任していた。 人類との共存はミュークの実母、前ウィズイッド家当主アルフォンヌの本懐でもあったからである。 だが、聖剣戦争から数百年の時を経て、アルフォンヌは自らが救った人間の手によって貶められ、反逆罪で斬首されることになる。 ミュークは母の死を知ると自らに危害が及ぶ前に、私有地と財産の全てを王国に進上していち早く国外へと出奔する。 ミューク自身ウィズイッド家が背負う古きしがらみから解放されることを強く望んでいたこともあり、遊歴に身を窶すことに対する抵抗はまったくなかった。 今にして思えばアルフォンヌは娘が一族を捨てることも含め、全てを心得た上で運命を受け入れていたのかもしれない。 若くして娘に血統アルカナを継承をさせたのもその為であったのかもしれない。 ウィズイッドの血統アルカナ『女教皇』とはそういった“力”であるからだ。 血統アルカナ『女教皇』は他者の心を操り読み解く力。 その力の本質は、ウィズイッドの血族間でも継承者のみに知らされ秘匿されてきた。 大屍族達は互いの血統アルカナが宿す力を畏怖し警戒していたからこそ、現在まで安易な衝突が避けられてきたのだ。 しかし、それから間も無くしてミュークは母の頭部が“首人”となり今も生きながらえているという噂を耳にする――― 真相を確かめる為、ミュークはヤガ=カルプフェルトに急ぎ帰参するが、既にアルフォンヌの頭部は王国から持ち出された後だった。 その後、首人となったアルフォンヌの消息を追い大陸を転々とする日々が続いていた。 「でも、どうして今回に限ってボクたちに買出しをお申しつけになられたのですか? てっきりミュークさまは“ああいったこと”がお好きなものだとばかり……」 どこか言い難そうに言葉を濁すレムリア。 「ああいったこと?」 「はい、ミュークさまは新しい街を訪れると決まって闇市や競売にお顔をだされて人間族との駆け引きに興じられております。 先日も“首人”に関する情報に法外な金額をふっかけてきた商人貴族の鼻っ柱を楽しそうに圧し折っておられました。 あの時はミュークさまが屍族だと悟られて大騒動になりかけましたけど…」 ミュークは端正な顎先に右手を添えると考えるような仕草を見せる。 そういえば、ヘリソン子飼いの商人と一悶着あった気もする。 考えてみればそれが原因でヘリソンの耳にウィズイッドの名が届いたのかもしれない。 「よく覚えておらぬがそんなに楽しそうじゃったかの?」 「はい。 それはもう楽しそうでした♪ 一見理不尽にも思える方法で相手の理論武装を一枚一枚丁寧に論破して、その欠陥を逐一論えては更なる心理的動揺を誘い、疲弊し精神的に追い詰められた獲物を物理的にも丸裸に―――あぐぅ」 ミュークの正拳が皆まで言わせずレムリアの額を打ち据える。 「随分と正確な分析じゃが…。 それは遠まわしにワチキがネチネチとした陰湿な性格だとでも云いたいのかや?」 ミュークが半眼で尋ねる。 よく見るとこめかみにヒクヒクと青筋を浮かべていた。 「あう~…ごめんなさいぃ……。 でも、旅に出てからのミュークさまは随分とお変わりになられました」 赤みを帯びた額を擦りながらレムリアは言葉を続ける。 「も、勿論良い意味でですよ!」 ミュークに真顔で見据えられ、また余計なことを口走ってしまったかと、理由もわからずあたふたと汗だくになるレムリア。 「そ、その…、巧くいえないのですが……。 ヤガ=カルプフェルトに居た頃のミュークさまはどことなく毎日が退屈そうでした。 でも、今はボクたちにもよく笑顔をお見せくださります。 ボクはそれがたまらなく嬉しいんです」 運命の悪戯で、今は放浪の身となってはいるが、自分の在るべきカタチを見失っていたミュークにとってそれは面映さを覚える言葉だった。 ミュークはレムリアの顔を覗き込むように身を屈めると、小さな頭を軽く小突く。 「まぁ…よい。 そろそろ夜も明ける。 続きは寝床に帰ってからじゃ」 ふと、気づけば生まれたばかりの微光が露出した白蝋の肌を刺激していた。 中級以上の屍族が太陽の光を浴びた程度で命を落とすことはない。 だが、屍族は例外なく遺伝性の光線過敏症をその身に宿している。 長時間被照状態にあれば、射部に水疱・膨疹・丘疹・紅斑などの火傷にも似た皮膚症状が現れる。 外衣で身体を覆っていても、まだ幼いレムリアとルムファムには負担が大きいだろう。 「はい、投宿を門前払いした宿屋の主人から巻き上げた旅亭に帰るんですね♪」 「誤解を招くような表現をするなやっ!」 ミュークが再度鉄拳を振り上げる。 「ひゃわわ…」 驚いたレムリアが尻餅をついた瞬間―――風を切る音がミュークとレムリアの鼻先を掠めて視界を横切る。 それは一瞬前までレムリアが居た空間を削りとるように横断し、遠くで派手な爆砕音を響かせた。 「…ル、ルム?」 恐ろしく嫌な予感を覚えながら双子の片割れの少女の姿を確認するミューク。 「むぅ…」 ルムファムは低く唸ると、まず自分の手元を不思議そうに、次に音のした方向をつまらなそうに眺めた。 少女の視線の先には大聖堂前庭の美しい景観には一見そぐわない瓦礫の山があった。 その場所には少し前まで都市の名物でもあった天然大理石の大噴水があった筈だが今は見る影も無い。 ただ、嘗ての名残を惜しむように巨大な水柱を大聖堂の天辺付近まで盛大に吹き上げていた。 人工の集中豪雨に晒されて、あっという間にびしょ濡れになるミュークとルムファム。 レムリアだけが降り注ぐ地下水から器用に逃げ回っている。 前庭一帯が見る見る浸水していく。 暫し呆然としていたミュークが慌てて頭振る。 これだけ目立った破壊活動を行ったのだ人目を惹かないわけもない。 案の定、大聖堂周辺から疎らだった人の気配が参集しつつあった。 「だぁ~ナニをやっておるのじゃ!!」 ミュークの悲痛な声が朝靄に包まれたナイトクランの空気に溶けて消えた。==============================================※推敲はフリーページ内で行います。
2009/06/21

前回、ピンクの首輪を装着した仔猫さんですが、まだ少し早かったようで危険がないようにと外すことに相成りました。仔猫さんは相変わらずの寂しがりやで、自分とほぼ同じサイズの『トロのぬいぐるみ』がお気に入りお膝の上でも…(クロとトロ)ベットの上でも…(抱き枕状態)トイレもちゃんと覚えておりこうさんです(*´ω`*)以上、クロ歴史でお馴染みの三原うーたんがお送りしたぴょん誤字修正(汗
2009/06/14

※シャルロット編の2章導入部です『†Princesse du sang†』 光ノ章 2-00【老卿】光ノ章 2-00【老卿】―シャルロットSIDE― 落日の最後の余光が消失し神都アレシャイムに夜が堕ちる。 教皇の惨殺体が発見されてから3日。 フォン=バレル3世の死はメナディエル教圏全ての国家を揺るがす事態に発展していた。 教皇殺害の首謀者として挙げられた名前が民衆にも広く知れ渡ったものであったからだ。 ―――ミルフィーナ・ド・グラドユニオン 彼女はアダマストルでも有数の名門貴族グラドユニオン家の一人娘であり、聖女を守護する聖アルジャベータ騎士団の団長を務める人物であった。 グラドユニオン家は古派のひとつ聖アルジャベータ公会にも多大な影響力を誇り、アダマストル王室とも縁深い一族であるが故に、宗教世界のみならずメナディエル教圏の国家間に様々な憶測を呼んでいたのだ。 今や人々の尊敬と信望を集めた聖アルジャベータ騎士団の名声は地に堕ちていた。 ・ ・ ・ 「ヴィルヘルム先生、フィーナに会わせてくださいっ!」 シャルロットの狼狽した声が室内を囲むように備え付けられた書架を震わせた。 現在、シャルロットはヴィルヘルム・アンスバッハ首席枢機卿の庇護のもとにあった。 ヴィルヘルムはランスロットからミルフィーナの言伝を聞くや否や、元老院の手が彼女に伸びる前に一策を講じたのだ。 彼はいち早く枢機卿団を召集すると、シャルロットを教皇殺害の重要参考人として召喚したのだった。 外面的には証人の監視と尋問となっているが、内実はシャルロットの身を守る為に体裁よく口実を述べているだけだ。 それが証拠に元老院の特使が教会転覆の陰謀に関与した疑いでシャルロットの身柄引き渡しを何度も求めてきたが、ヴィルヘルムはその要求を突っ撥ねている。 最終的な破局には到っていないが教皇庁内部の緊張も日々高まっていた。 「ミルフィーナ・グラドユニオンは審問会での聖審を終え、近日中に贖罪の牢獄へと護送される筈じゃ」 ヴィルヘルムは脚の部分に実に優雅な曲げ木を誂えた揺り椅子に腰掛け、手に持った書物から視線をあげる。 深いしわの刻み込まれた彫りの深い顔、意志の強そうな口元と長い顎鬚、包み込むような深蒼の瞳が如何にも穏和そうに見える。 なかでも高い鼻筋に斜めに挟み込むようにのせられた眼鏡が印象的である。 「そんな…」 シャルロットは声まで青ざめて絶句する。 贖罪の牢獄は教会の面子を守る為に表立って処罰できない高位聖職者や王侯貴族。 異端者として認定するには不都合な人間を幽閉する場所である。 嘗てはその存在自体の信憑性が疑われていたのだが、十数年前にある人物が投獄された時、その在処が世間にも明るみに出た。 「全ての命は女神が創りたもうたもの。 聖下亡き今、政務を司る元老院の意思は女神のご意思でもある」 教皇の権威は唯一無二のものでなければならない。 それは使徒座空位期間に教皇の権威を必要とする承認事項は成立しないことからも実証されている。 だが、教会の実質的な支配者は元老院であるといっても過言ではなかった。 元老院は過去幾度となく傀儡の教皇を擁立すると対立する機関の権限を悉く縮小し、教会を裏から操ってきた。 ヴィルヘルムは不心得にも女神の名を引き合いにそれを皮肉っているのだ。 「ヴィルヘルム先生はフィーナではなく元老院の詭弁を信じるおつもりですかっ!?」 激昂した少女は老人に詰め寄ろうとするが、床上に乱雑に積み上げられた蔵書に足を取られよろめいてしまう。 「おっと」 体勢を崩した少女の身体を奇抜な衣装に身を包んだ青年が受け止める。 偏屈の塊のようなヴィルヘルムが初めて取った直弟子。 それがこの若者だった。 「老卿の肝っ玉は図太いを通り越して鈍感なんですよ」 「エドゥアルト…。 お前は黙っておれ」 ヴィルヘルムに窘められ肩を竦める青年。 元から深入りするつもりはないようで、そそくさと書斎の隅に退散する。 ヴィルヘルムは深いため息をつくと、 「姫にはミルフィーナ・ド・グラドユニオンを無実たらしめる確証がおありか?」 ヴィルヘルムはアダマストル公国の出身である。 嘗てはシャルロットとその妹姫であるプルミエールの教育係を勤めていたこともありミルフィーナとも顔馴染みであった。 彼もミルフィーナが信用に足る人物であることは十分心得ていた。 だが、相識であったからこそミルフィーナの持つ危うさも同時に理解していた。 彼女のシャルロットに向けられた忠誠は守護騎士としての職務の範疇を超えたもののようにヴィルヘルムの目には映っていたからだ。 「それは…」 シャルロットは首元に手を添える。 硬質ではない柔らかな肌触りがそこにはあった。 少女の首元を隠すように幾重にも巻かれた真紅の絹布。 そこには聖アルジャベータ騎士団の紋章が縫いこまれていた。 それは普段ミルフィーナが愛用していた手巾帯である。 「きっと、フィーナは私を護るために…。 そ、それに…聖下は―――」 人間ではない…そう続けようとして言葉を呑み込むシャルロット。 教皇が屍族との間に“渇きの契約”をしていた真実を明かせば、自分が聖女でないという事実までも公になるかもしれない。 「焦っても事態が好転するとは限らぬ。 なにより、今下手に動いてはあの娘(ミルフィーナ)の心遣いを無駄にすることになるじゃろうて」 ヴィルヘルムはシャルロットの苦悩を心得たように諄々と諭すように言い聞かせる。 「ヴィルヘルム先生…」 シャルロットはどこかやりきれない面持ちで気持ちで下唇を噛む。 「それより一杯どうじゃな?」 老人はゆったりとした動作で立ち上がると、馴れた手つきで東方製の茶器を扱い白い湯気を上げる香草茶を蓋碗に注ぐ。 古書独特のかび臭い匂いに混じり芳しい香りがシャルロットの鼻腔をくすぐった。==============================================※推敲はフリーページ内で行います。
2009/06/11

仔猫さんの傍若無人な振る舞いが目立つ今日この頃(´;ω;`)ウッ…とりあえず、うーたんの支配下に入っていることを再認識させるべく首輪を装着(`・ω・´)(腹いせにうーたんの靴下が犠牲になりました)(取り返そうとしたら怒りました)でも、寝る時は傍にいないと不安になって鳴きだしてしまう甘えん坊です(*´ω`*)P.S.最近、ネズミの玩具を壊しまくって経験値を稼いでいるようです
2009/06/06

短文ですが~ミルフィーナSIDE~を1章の最後に追加です。『†Princesse du sang†』 光ノ章 1-06【脱出】光ノ章 1-06【脱出】―ミルフィーナSIDE― 水晶の塔の螺旋階段を一足飛びで駆け下りるミルフィーナ。 屍族の少女が追撃してくる気配はないが、彼女に休む余裕はない。 背にもたれ掛かるシャルロットの体温が次第に失われていくように感じていたからだ。 だが、外回廊へと開かれた鉄扉を潜り抜けた時、ミルフィーナは息を呑み立ち竦んだ。 「くっ」 ミルフィーナの行く手に突如として白銀の壁が出現したのだ。 彼女は小さく舌打ちをするとシャルロットを鉄扉の陰に横たえる。 蓄積された疲労は全身を激しく襲っていたが、彼女は自らを鼓舞するように腰に携えた長剣の柄に手を伸ばす。 待ち伏せていたのは、完全武装の兵士たちだった。 湾曲した長方形の盾を構え水晶の塔の入り口を封鎖するような陣形を形成している。 方盾に刻まれた教皇庁の紋章から彼らが教皇庁直属の正規兵であることがわかった。 その数は軽く十五を数え、数人を斬り倒したところで囲みを突破するのは不可能にみえた。 「(言い逃れる台詞を考えておくべきだったか―――)」 内心で舌打ちをすると、長剣の柄に添えた手を放す。 「これはミルフィーナ卿。 随分と急がれている様だが、水晶の塔(ここ)がメナディエル正教にとってどのような意味を持つ場所であるか勿論ご存知でしょうな?」 うちの一人、隊長格と思しき長身の男が前に進み出る。 黄昏色の髪を短く切り揃え理知的な双眸に均整のとれた体格、僅かな所作から滲み出るその様相は威厳と風格に満ち溢れていた。 「ランスロット卿…」 ミルフィーナは強く下唇を噛み締めると表情を曇らせた。 ランスロットと呼ばれた男はミルフィーナの挙動を視線で制しながら言葉を続ける。 「水晶の塔に賊が侵入したという投げ文が騎士団詰め所にありました。 最初は性質の悪い悪戯かとも思いましたが、その書状に捺された印が些か気になりましてね。 まさかとは思いましたが態々兵を率いた甲斐もあったようです」 ミルフィーナは微動だにしない。 いや動けないのか? ランスロットは背後に控えた部下の一人に目配せすると一言三言言耳打ちする。 その兵士は酷く緊張した面持ちで水晶の塔へと姿を消した。 どうやら、教皇の無事を確認する為に部下を祭壇の間へ向かわせたようだ。 「再び御尊顔を拝する機会に恵まれて光栄の到りですが、出来ればこのようなカタチでの再会は避けたかったところです」 ランスロットは鉄扉の陰に横たわっているシャルロットに歩み寄ると。 片膝を地に着き姿に静かに聖印を切った。 「我々がここで鉢合わせたことも恐らく偶然ではないでしょう。 何者かが仕組んだ歯車の一環として利用されているようです」 ランスロットはミルフィーナにだけ聞こえるようにそっと呟く。 ミルフィーナは歯噛みする想いだった。 あの時、水晶の塔へと赴こうとするシャルロットを力ずくにでも止めるべきだった。 ともすれば避けられた事態であったのかもしれない。 だが、今更どんなに後悔しようとも後の祭りであることは確かだった。 聖域である水晶の塔に脚を踏み入れ、その神聖性を穢したというだけでも罪は重い。 どのような申し開きをしようにも、ミルフィーナの置かれた現状は最悪だ。 それに、祭壇の間へと向かった兵士が教皇フォン=バレル3世の惨殺体を発見するのも時間の問題だろう。 ラールウェア・オルカザードが未だそこに止まっていれば状況も変わろうが、その期待は薄い。 暫くすると先ほどの兵士が這う這うの体で螺旋階段を転げ落ちてくる。 その兵士は縺れるような足取りでランスロットに駆け寄る。 報告の内容にランスロットの端整な顔が驚愕に歪む。 「ミルフィーナ卿。 貴女たちの身柄は一時的に我らアレシャイム聖堂騎士団が預からせていただく。 追って審問会にかけられることとなりましょうが、先んじて何か申されたいことがあるのならば聞き届けましょう」 ランスロットはミルフィーナに向き直ると努めて冷静な口調でそう言った。 現状のまま審問会にかけられれば断罪は避けられないように思えた。 ランスロットが何処まで事実を見通しているかは判断しかねるが、彼の申し出は想定される幾つかの未来を踏まえた上でせめてもの心遣いなのだろう。 ミルフィーナは静かに瞑目すると口を開いた。 「それではヴィルヘルム主席枢機卿に―――」==============================================※推敲はフリーページ内で行います。
2009/06/03
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