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112 「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 (ふくおか しんいち)講談社現代新書 285頁¥740 2007.5.20 初版第1刷発行 [目次] プロロローグ第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク第2章 アンサング・ヒーロー第3章 フォー・レター・ワード第4章 シャルガフのパズル第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ第6章 ダークサイド・オブ・DNA第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ第8章 原子が秩序を生み出すとき第9章 動的平衡とは何か第10章 タンパク質のかすかな口づけ第11章 内部の内部は外部である第12章 細胞膜のダイナミズム第13章 膜にかたちを与えるもの第14章 数・タイミング・ノックアウト第15章 時間という名の解(ほど)けない折り紙エピローグ[内容]この本には、つぎのようなことが書かれています。遺伝子はタンパク質ではなく、DNAであったことを示したエイブリ-、PCRの原理を発見したキャリー・マリスDNAの構造模型をはじめて提示したワトソン、クリック、ウイルキンソン彼らの「業績」の裏に隠れた陰湿な事実と悲劇のロザリンド・フランクリン動的平衡を示したシェーンハイマーの重窒素を用いた実験細胞内で造られたタンパク質が細胞外へ出るしくみを示したジョージ・パラーディ幹細胞(ES細胞)発見の端緒となる腫瘍を発見したリロイ・スティーブンス著者によるノックアウト実験の顛末[感想]ある事情から新幹線のぞみで博多まで行くことになった日に、5時間もの退屈をしのぐためにと上野駅の書店で書名につられて買ったのが本書でした。この本に書いてあることのほとんどは、理系人間とくに生物学を少しはかじった人間からみればとくに新しいことではありません。にもかかわらず、読んでいてわくわくする楽しい本でした。みれば帯にこれまで50万部も売れ、新書大賞とサントリー学芸賞を受けたとあります。サイエンスの話は一般に難解です。しかし、著者の現役の実験科学者としての深い経験と稀にみる文章力から、DNAや細胞膜のことをまったく知らない人でも、庭先の花を見るように具体的なありさまが目に浮かぶことでしょう。おすすめの本です。ベストセラーになったのも、むべなるかなです。[頁のかけら] ○生命とは動的平衡にある流れである。(なお、138頁にある「花粉のブラウン運動」の記述は誤り。花粉ではなく花粉中の顆粒がブラウン運動をする。これは古典的で有名な誤りです) **************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.3.21. No.112)
2009.03.21
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111 「贅沢なる人生」 中野孝次 (なかの こうじ) 文春文庫 207頁¥371 1997.9.10 初版第1刷発行 [目次] まえがき 大岡昇平 尾崎一雄 藤枝静男 中野孝次・生のかたちー解説にかえて 近藤信行 [内容] 著者中野孝次が人生で出会った師とよぶ三人の先輩作家 について語っています。 [感想] 作家の生き方には、他の職業の人には見られない個性的で、 多様な面があります。私のような宮仕えの理系人間として過ご した者からすると、羨ましいほどの自由さがあります。 そのためかこのような作家の生き方を語る本をふだんから好 んで読んでいます。この本からは以前にご紹介した奥野健男 「素顔の作家たち」とはまたちょっと異なる側面が窺えます。 [頁のかけら] 「負け惜しみが強いのねえ」と家人が笑っていったが、 負け惜しみをのけたらぼくという人間に、何が残るか。 何も残らないかもしれない」 大岡昇平 ○ 文章というものは「風俗や飾りから真っ先に腐食していく」 尾崎一雄 ○「東洋の芸術が西洋の芸術の伝統で接ぎ木されなければ ならぬ理由はない。そしてそれより何より、元来もっとも個人的 であるべき芸術が何故ヨーロッパの規格に合ったものでなければ いけないのか私には合点が行かないのである」 藤枝静男 **************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.3.18. No.111)
2009.03.18
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