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122 「叡智」 ポール・ヴェルレーヌ(Paul Marie Verlaine) (河上徹太郎訳) ダヴィッド社 210頁 1956.9.10 初版第一刷発行 原著題 Sagesse (1881) [目次] 序 原著の序 I 1-24 II 1-9 III 1-20 跋 [内容] 詩の世界では、あまりにも有名な詩集です。 放浪の詩人ヴェルレーヌが37歳のとき(1881年)の詩集です。 「叡智」とは「心の貧しさ」のことに外ならない、と訳詩者はいっています。 この詩は堀口大学「ヴェルレーヌ詩集」にも含まれていますが、 私はこの河上徹太郎訳が好きです。 なお、Wikiには河上訳「叡智」として1935年芝書店版と 1994年の新潮文庫版しか載っていませんが、私のもっているのは 1956年のダヴィッド社版です。 [感想] 今日はクリスマスです。 私が少年のころは、年末になるとジングルベルの曲が 街中に流れ、なんとなくせわしげに、しかし賑わしく、 またお正月の楽しみを控えて、1年で最も楽しい期間でした。 あの楽しみはどこへ行ってしまったのでしょうか。 サンタクロースの来ない町、正月にも餅もつかず門松もない町、 国旗を飾って祝うことも忘れた国、 ムダを削り、街からお祭り気分をなくすと不景気になるのでしょう。 (「不景気だからお祭り気分にはなれない」というのは、ウソです) この詩は、青春時代に出会い、その後の長い職業生活の単調さの 中でなぐさめとなった詩です。 [頁のかけら] ○ 空は屋根の彼方で あんなに青く、あんなに静かに、 樹は屋根の彼方で 枝を揺がす。 鐘はあすこの空で、 やさしく鳴る 鳥はあすこの樹で、 悲しく歌ふ。 あヽ神様、これが人生です、 卑ましく静かです。 あの平和な物音は 街から来ます。 --どうしたのだ?お前は又、 涙ばかり流して? さあ、一体どうしたのだ、 お前の青春は? ○ 何ものか嬰児の如妙なる心もつものあれかし。 善よ、敬愛よ!まこと死の来らん時 われ等に同伴(ともな)ふものぞ何?残らんものぞ何? **************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.12.25 No.122)
2009.12.25
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121 「ワインの文化史」 ジャン・フランソワ・ゴーティエ Jean-Francois Gautier (八木尚子訳)白水社 161頁¥951 1998.4.10 初版第1刷発行原著題 Histoire du Vin [目次] 序文はじめに-ワイン以前の「酒」第 1章 ワインとその文化第2章 ワインと宗教第3章 ワインと{守護聖人第4章 ワインと祝祭第5章 ワインとその消費第6章 ワインとヨーロッパ結び-ワイン以後の「酒」訳者あとがき主要参考文献[内容]原題は「ワインの歴史」です。しかし、内容は日本語題の「ワインの文化史」のほうがぴったりの感じがするほど、神話、宗教、から時代時代の社会の変遷がからみあっていて、ワインを縦糸としたヨーロッパ社会の歴史をほうふつとさせます。[感想]底なしの不景気とはっきりしない天気と、やはりはっきりしないブレまくりの政治の下、少し気分転換をしたくて、読んだのがこの本でした。訳書ゆえの硬さはありますが、丹念に時間をかけてよむと楽しい本です。ヨーロッパ社会の歴史に詳しい人ならば、とくに楽しむことができるでしょう。「ワイン」、「ビール」、そして「日本酒」の歴史に興味があり、ときどきこのような本を探しています。[頁のかけら] ○ 葡萄栽培はまずカフカス山脈の斜面で、次いでメソポタミアで始まった。エジプトでも紀元前三〇〇〇年頃から葡萄を栽培し、葬儀用のワインをつくっていた。ヨーロッパでは古代ギリシャ人がシチリア島やイタリア半島南部に葡萄を移植し、ワインづくりを広めた。(カフカス山脈:黒海からカスピ界まで東西に走る山脈で、アジアとヨーロッパの境のひとつ)○キリスト教はフランスの葡萄栽培の普及者であり、ワインの宣伝者であった。聖職者はローマの支配下にあった時代から行われてきた葡萄栽培を遺産として受け継ぎ、それによって教会の権力と栄華を維持した。聖職者による葡萄栽培はフランス革命とともにその歴史的役割を終え、十九世紀初頭には完全に葡萄畑が教会と切り離されることになる。○ 本書が語るワイン小史紀元前3000年 エジプトで葡萄栽培が始まる紀元前154年 古代ローマ人が葡萄栽培を本格化紀元480年 聖ベネディクトゥスが戒律を定め、「酒の飲み方」を指示。12世紀 フランスでワイングラスの使用が始まる15世紀 フランスでワイン貯蔵にガラス瓶の使用が始まる17世紀 樽の中で硫黄を燃やして燻蒸する「樽殺菌法」の発明17世紀初頭 オランダ人が「焼いたワイン」つまりブランデーを発明17世紀 ピエール・ペリニョンによる、葡萄品種の選択、 ブレンド技術、発泡性ワイン、厚手の瓶とコルク栓の製造18世紀 ワイン蔵(カーヴ)で寝かせる「長期熟成法」の発見19世紀 鉄道に発達により、ワイン消費がフランス全土に広がる ワインの品質による葡萄畑の格づけが始まる1855-1885 ウドンコ病と害虫フィロキセラの発生でワイン産出量が低下1866 ルイ・パストゥールによる低温殺菌法の開発 **************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.12.5 No.121)
2009.12.05
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