ランダム読書日記
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114 「中国、核ミサイルの標的」 平松茂雄 (ひらまつ しげお)角川書店 224頁¥743 2006.3.10 初版第1刷発行 [目次] 序章 なぜ日本の知識人は中国の核の脅威を論じないのか 第1章 核兵器保有の論理第2章 ソ連からの援助を受けた初期の核兵器開発第3章 核兵器独自開発への転換第4章 次世代核兵器の開発第5章 宇宙開発と対米直接攻撃第6章 台湾の軍事統一第7章 なぜ、日米にとって台湾が問題になるのか第8章 日本のとるべき戦略は残されているあとがき附表1、附表2[内容]著者は中国軍事問題研究家。元防衛研究所研究室長です。ソ連のスターリンは核兵器の使用禁止、実験停止を世界に訴えながら、他方で自力で核兵器開発を急いだ。 中国の毛沢東は、他国首脳との会見では「原爆は張り子の虎」といいながら、その裏で通常兵器の改良はあとまわしにして、国の経済発展は無視して、当初から水爆と大陸間弾道ミサイルの組み合せによる対米核抑止力を構築するという明確な戦略目標をもって核兵器の開発に邁進した。中国の人工衛星の打ち上げは、もっぱら軍事用で、民事用や通信衛星はなかった。原水爆を保有しても原子力発電を始めることはなかった。航空機を開発してもすべて軍用機で、民間航空機はなかった。この本は、中国の核開発にかけるすさまじい執念と、すべてを犠牲にして開発してきた結果が世界に与える脅威とを、詳しいデータにもとづいて明確に示しています。[感想]こういう本を読むのは、ほんとうにしんどい。しかし、目をそらしているわけにはいかない。二回の世界大戦をへても、何もそこから汲み取ることなく、イデオロギーか、はたまた己の権力をまもるためだけに、国家予算のほとんどをつぎこんで大量殺人兵器を開発している国家が今も存在する現況に、深く暗い気持ちにならざるをえません。北朝鮮はかつての(そして今の)中国を見習っているにすぎない。北朝鮮の核実験とミサイル発射実験だけでなく、日本や他のアジア諸国(韓国、フィリッピン、タイ、ヴェトナム、モンゴルなど)が直面する核の状況から目をそらさないことが必要と思わされます。戦後64年たって、日本人でさえ原爆の恐ろしさの実感をもっている人は少なくなりつつあります。アメリカ、ロシア、中国、英国、フランス、インド、パキスタンなど、核保有国の施政者も、ありていのところ、まったく実感がないでしょう。施政者が、想像力の欠如から、核兵器のボタンを押すとき、パンドラの箱が開き、そのときこそ「人類は生物進化の失敗品」とうそぶく悪魔の高笑いが虚空に響くことでしょう。[頁のかけら] ○「中国は人口が六億人いるから、仮に原水爆によって半数が 死んでも、三億人が生き残り、何年か経てばまた六億人になり、 もっと多くなるだろう」 (毛沢東) (生き残った三億人はむごい放射線障害に苦しみ、国土は疲弊する ことでしょう)○ (毛沢東の言は、) 「単なる聞きかじりだけで、核兵器のいかなるものかを知らない」、人間の「非人間的な考え方」であり、「野獣の考え方」である。 (フルシチョフ)○ 「一点の火花も核戦争に拡大する」 (フルシチョフ)**************************************************** ランダム読書日記 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2009.5.24. No.114)
2009.05.24
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