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ストラヴィンスキー:春の祭典、火の鳥RCA Red Seal THE BEST 20::ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」&「火の鳥」(全曲) [ マイケル・ティルソン・トーマス ]
2019年04月30日
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カムヤマトイハレビコは、わが『大王記』においては、地上に降り立った天孫ニニギから四代の裔である。父祖三代の神主が日向の海と山をよく統べたのち、さらに住みよい土地をめざして長い遠征を始めた。瀬戸の海から難波津に入り、登美、熊野、宇陀、忍坂などで抗う敵を平らげ、やがて実り豊かな大和に至りつき、畝火山のふもとの白檮原に宮を築いて鎮座した。そんな物語になっている。だが、厩戸皇子が初めに考えたのは、それとはじゃっかん異なるものであった。カムヤマトイハレビコの名にふさわしく、遠征の最後に宮を築いて世を治めた地は磐余ということになっていたのである。この世で実在をたどれる最初の大王のミマキイリヒコは三輪山のふもとに拠点を置いたとされており、それから数代、付近に宮を営む王が続いた。磐余は三輪山の南西で、距離的にもほど近い。すなわち、厩戸皇子はカムヤマトイハレビコをミマキイハレビコから始まる三輪の王たちの始祖として位置づけたのである。また、そのイハレビコからミマキイリヒコまでの間に八代分の王をもうけたのは、ここに子や兄弟の枝葉をたくさんつくれば、現政権に連なるあまたの臣の祖先をうまく処理できると考えたからだった。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P98)
2019年04月30日
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バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番【輸入盤】ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番 I.ファウスト、ハーディング&スウェーデン放送響 [ バルトーク (1881-1945) ]Sibelius & Tchaikovsky: Violin Concertosレディー・ガガ:ボーン・ディス・ウェイ【中古】 ボーン・ディス・ウェイ−スペシャル・エディション− /レディー・ガガ 【中古】afbレディー・ガガ:アートポップ【中古】 アートポップ(初回限定盤) /レディー・ガガ 【中古】afb
2019年04月29日
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乙巳の変が起こったのはそのときであった。『大王記』は馬子以来の蘇我氏の情熱だったが、かかわっている恵尺にとっても大いなる情熱であった。だから凶変の日、決死の思いで巻子を持ち出した。二十五年にわたる苦労の結晶である。ぜったいに失ってはならぬと思った。そして、中大兄皇子に捧げた。それは新しい君主に対する一種の忠誠の証でもあった。ところが、中大兄は一顧だにせず、冷たい頬で言い放った。「船恵尺、大儀であった。国史はもうよい。ほとぼりがさめたら、つくり直す」恵尺は愕然とした。おのれの努力を泥のついた履で踏みにじられた気分だった。が、冷静に省みれば、それもそうかと思った。中大兄にとっては、蘇我は憎んでも憎みたりない敵だろう。そのもとでつくられた国史など、汚らわしいいだけだろう。献上した『大王記』がその後どうなったのか、恵尺は知らない。たぶん、捨て去られたのだろう。いや、もしかしたら王宮の長櫃の底にでも眠っているのかもしれない。でも、行方を尋ねることはできないし、返してくださいとも言えない。無念だった。あきらめきれなかった。だから、恵尺はそれ以来こつこつと夜なべして、失われた書をよみがえらせようとしているのである。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P76)
2019年04月29日
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シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品集シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品集 [ イザベル・ファウスト ]ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番≪皇帝≫ 、ピアノ・ソナタ第28番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番≪皇帝≫ ピアノ・ソナタ第28番 [ エレーヌ・グリモー ]
2019年04月28日
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デイヴィッド・ピース「Xと云う患者 龍之介幻想」を買書つんどく。「小説家、芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、己が生み出した虚構の分身と邂逅し、キリストと信仰の物語に心を囚われ、漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。イギリスの鬼才が芥川文学をコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、精妙に美しい日本語に移し替えた決定的翻訳。文学的にして音響的、イギリス文学であり日本文学であり、近代文学と現代文学を越境する野心作。」(「BOOK」データベースより)
2019年04月28日
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『大王記』の編纂は、いまから三十余年前に嶋大臣蘇我馬子の発案で始められた――と、恵尺は聞いている。時の大王は推古女帝だった。当時の倭国は大国隋と国交を再開し、世界に恥じぬ先進国になることをめざしはじめていた。その折も折、ほかならぬ隋が滅び、唐に取って代わられた。馬子は驚愕し、ますます意をあらたにした。そもそも国家が国家として自己主張をするためには、みずからの来歴をきちんと説明できねばならない。おのが国はいつ、どのようにして生まれ、どんな王たちがいて、いかなる展望を持ち、戦い、民を富ませてきたか。ところが、わが邦にはその統一見解がない。馬子はそれを欲しいと熱望した。そして、それはぜひとも文字で記されていなければならないと考えた。この国ではだいじなことは語り部が伝承しているが、口伝えでは元の形がどんどん変形してしまう。文字化することこそが、国の歴史を確固たるものにする方法だ。このとき馬子は齢ちょうど七十になったところだった。やるべきことはほとんどやり終え、位人臣をきわめた彼は、残りの人生をその仕事に捧げようと思った。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P74)
2019年04月28日
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ルネサンス作品集【中古】 【輸入盤】Glenn Gould Plays Renaissance & Baroque /グレン・グールド 【中古】afbレディー・ガガ:THE FAME【中古】 【輸入盤】THE FAME(REVISED INTERNATION VER.) /レディー・ガガ 【中古】afb
2019年04月27日
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入鹿は中大兄の母の皇極女帝の寵愛を受けて、まつりごとをほしいままにしていた。その威勢は飛ぶ鳥を落とす勢いで、逆らう者はほとんどなかった。それでも入鹿は満足していなかった。お飾りの大王と、実質的な力を持つ大臣――、そんなまだるっこしい二重構造はやめにして、真に力を持つものが名実ともに大王になるべきだ。現に、海の向こうでは禅譲といって、血統によらず実力ある者に帝王の座が譲られるのが当たり前になっている。わが邦でもそういう流れが生まれてもおかしくない。それを実現するのは自分だと入鹿は本気で考えていた。そして、入鹿がどれほど度を越したふるまいをしても、女帝の寵愛が揺らぐことはなかった。そのことが中大兄皇子の怒りにいっそう激しい火をつけた。母上は入鹿をどうなさるおつもりなのか――。中大兄はぎりぎりと歯ぎしりした。その中大兄の嫉妬の炎を利用したのが中臣鎌足だった。鎌足はこのまま座視していたら、ほんとに入鹿に大王の座を奪われるであろう、としきりに若い皇子を焚きつけた。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P51)
2019年04月27日
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ルクー:ヴァイオリン・ソナタ、ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集【輸入盤】ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集、ルクー:ヴァイオリン・ソナタ イブラギモヴァ、ティベルギアン [ ラヴェル(1875-1937) ]
2019年04月26日
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伊坂幸太郎さんの「シーソーモンスター」を買書つんどく。「我が家の嫁姑の争いは、米ソ冷戦よりも恐ろしい。バブルに浮かれる昭和の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり・・・・・。(「シーソーモンスター」)。ある日、僕は巻き込まれた。時空を超えた争いに――。舞台は2050年の日本。ある天才科学者が遺した手紙を握りしめ、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を阻止すべく奮闘する!(「スピンモンスター」)。」(「BOOK」データベースより)
2019年04月26日
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いっぽう、おのれを取り立ててくれた蘇我氏は、かつて大和一の大豪族といわれた葛城氏の支族で、葛城氏が衰退したあと中央政界に進出した。蘇我氏は稲目のとき、娘たちを大王家のきさきに入れる閨閥戦略によって大躍進したが、いわゆる成りあがりだから氏族としての規模も知れており、子飼いの郎党のようなものも少ない。そんな彼らが成功したいちばんの理由は、特殊技能を持った渡来人をうまく使ったことにあった。とりわけ今来の才技と呼ばれる、最新の技術を持った渡来人である。なかでも知られているのは東漢氏で、土木建築や軍事の側面で才を発揮した。仏教文化の面で抜きんでていたのは鞍作氏だった。そして、財政や税制面で実務官僚となったのが、文字を扱う船の一族であった。さらに、恵尺たちは父の龍の代から、この国初の国史の編纂にもたずさわろことになった。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P40)
2019年04月26日
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リーズ・ドゥ・ラ・サール:バッハ・アンリミテッド【送料無料】 バッハ・アンリミテッド〜イタリア協奏曲、シャコンヌ(ブゾーニ編)、リスト、他 リーズ・ドゥ・ラ・サール、トーマス・エンコ 輸入盤 【CD】ルクー:弦楽四重奏曲
2019年04月25日
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凶変が起こったとき、多くの者は、中大兄らは君則の奸を討って大王の権威を取り戻しただけだと思った。ところが、そうではなかった。彼らはその後、思いもしなかった新政策をどん、どん、打ち出しはじめた。簡単に言えば、それまで豪族たちが有していた特権を取りあげ、連合政権的なまつりごともやめ、大王を唯一絶対の頂点とする中央集権国家をつくりあげようという大改革であった。お手本は唐の制度だ。畿内の豪族たちはしぶしぶ従い始めているが、地方の首長はいまも多くが抗っている。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P37)
2019年04月25日
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Cocco:クムイウタクムイウタ [ Cocco ]Cocco:ザ・ベスト盤【中古】 ザ・ベスト盤(初回限定盤) /Cocco 【中古】afb
2019年04月24日
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兄妹にはもう一人、年の離れたオオタカという兄がいる。それが、大兄だから、ヤマドリは小兄なのだ。「うん」と、返しながら、ヤマドリは妹の瞳を見つめる。満々と水をたたえた泉のようだ。いや漆黒の、磨き上げた宝玉のよう。その大きな黒目に自分の顔がありありと映っている。しかし、ありありと映っているその顔は、妹にはなんの認識もされていない。コダマは目が見えないのだ。生まれつきではない。あるときから霞がかかり、曇天になり、濃霧になり、夕闇になり、ついに見えなくなった。吸い込まれるように美しいこの瞳がなぜになにも映さないのか。ヤマドリは対峙するたびに神様から解けない謎を与えられた気分になる。(周防柳さん「蘇我の娘の古事記」P28)
2019年04月24日
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2019年04月23日
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でも私が免色のようになることはない。彼は、秋川まりえが自分の子供であるかもしれない、あるいはそうではないかもしれない、という可能性のバランスの上に自分の人生を成り立たせている。その二つの可能性を天秤にかけ、その終わることのない微妙な振幅の中に自己の存在意味を見出そうとしている。しかしわたしにはそんな面倒な企みに挑戦する必要はない。なぜなら私には信じる力が具わっているからだ。(村上春樹さん「騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編」P540)村上 そういう物語の「善意」の根拠は何かというと、要するに歴史の重みなんです。もう何万年も前から人が洞窟の中で語り継いできた物語、神話、そういうものが僕らの中にいまだに継続してあるわけです。それが「善き物語」の土壌であり、基盤であり、健全な重みになっている。僕らは、それを信頼し信用しなくちゃいけない。それは長い長い時間を耐えうる強さと重みをもった物語です。それは遥か昔の洞窟の中にまでしっかり繋がっています。―― 神話や歴史の重みそれ自体が無効になっているとは思いませんか、村上さん。それらが保証する善性のようなもの、それ自体が。村上 全然なっていない。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P337)というわけで、村上春樹さんの「騎士団長殺し」と、村上春樹さん×川上未映子さんの「みみずくは黄昏に飛びたつ」を読みました。「みみずくは黄昏に飛びたつ」の第一章は「職業としての小説家」、それ以降は「騎士団長殺し」刊行を受けての、川上未映子さんによる村上春樹さんのインタビューです。結果からいうと、「騎士団長殺し」について、川上さんが相当攻め込んでおられますので、とても参考になりましたが、第一章のインパクトにはかなわないな、と思いました。第一章だけでも、少なくとも川上未映子という作家(村上春樹とちゃうんかい!)がどういう作家なのか知る意味でも、おすすめです。肝心の、「騎士団長殺し」なのですが、久々に村上さんの作品にカタルシスを感じました。ここのところ、ちょっと消化不良状態が続いていたので、今回はとても満足です。ところで、『1Q84』は終わってるのか問題について、朝日新聞のこんなインタビューを見ました。――『1Q84』はBOOK3で完結なのですか。『1Q84』と『ねじまき鳥』の共通点は、第2部まで書いて間を置かず第3部を書き始めたこと。作品としてまとまった。でも結論は出さない。『1Q84』は、三遊亭円朝の落語『真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)』みたいな長い因縁話の一部なんです。天吾のお父さんやお母さんがどうやって出会ったとか、わからないでしょう。天吾と青豆の二人がコスタリカに行った後のこと、二人の娘のこととかも。話はできているんだけど。ジャズで和音の基音を省いちゃうのと同じで、空白を残したい。別の物語が不思議なトンネルでつながる曼荼羅のようなのは好きですね。これこそ、『1Q84』の「BOOK3」を読んだときに、僕の知りたかったことなんで、こんなに簡単に聞き出しちゃってることに拍子抜けしました。やれやれ・・・・・。
2019年04月23日
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2019年04月22日
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―― それはさておき、誰も見たことのない、存在したことのない一番悪い「悪」――それを見てみたい、書いてみたいと思わせるのは、わたしたちの隠された欲望や暴力性といったものとたぶん深いところで結び付いているのだと思います。そこで、村上さんはご自身が「悪」みたいなものを書けているなと手ごたえを感じたときに、それがどれくらい悪いのか、というようなことを意識されますか。これまで文学が、あるいはご自身が書いてきた「悪」を更新しているかどうか、というような点において。村上 僕は純粋な意味での「悪」ってまだ書いたことないから、また書こうとしたこともたぶんないから。それがどういうものか、あまり真剣に考えたことってないです。でも今のところ、僕が一番「悪」であると見なすのは、やはりシステムですね。―― 村上さんの考える「悪」のイメージは、システム。村上 もっとはっきり言えば、国家とか社会とか制度とか、そういうソリッドなシステムが避けがたく醸成し、抽出していく「悪」。もちろんすべてのシステムが「悪」だとか、システムの抽出するものがすべて「悪」だとか、そんなことを言っているわけじゃないですよ。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P328)
2019年04月22日
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2019年04月21日
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佐々木実さんの「資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界」を買書つんどく。「「資本主義の不安定さを数理経済学で証明する」。今から50年以上も前、優れた論文の数々で、世界を驚かせた日本人経済学者がいた。宇沢弘文ーその生涯は「人々が平和に暮らせる世界」の追求に捧げられ、行き過ぎた市場原理主義を乗り越えるための「次」を考え続けた信念の人だった。大宅賞作家が描く「ノーベル経済学賞にもっとも近かった日本人」86年の激動の生涯。」(「BOOK」データベースより)
2019年04月21日
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―― 前のお話で、村上さんの中で「イデア」という言葉は、ふと出てきたから使った、とおっしゃっていました。でも、イデアという言葉はけっこう使われていて、ある意味において「既成概念」ともいえるようなものです。もしその言葉を使うことによる誤解を避けたいのであれば、例えば新しい言葉を村上さんが造語することもできたと思う。そこにわざわざというか、あるいは、ふとやってきたイデアという言葉を採用したのはなぜなんでしょう。村上 前にも言ったように、この本の中で僕の使っている「イデア」は、いわゆる辞書的な意味合いのイデアとはだいぶ違うんです。イデアという言葉を上に放り投げたら、空中にあるいろんなものがピュッピュッピュッピュッてくっついてくるんだけど、そのくっつき方は、放り上げる人によって違ってきます。僕の場合は、よりたくさんいろんなものがくっつきやすくなっている、もっと寛容、ジェネラスな意味合いでのイデアなわけ。だから、辞書を引いて、「【イデア】観念」とかなんとか書いてある意味とは違うもので、たしかに観念的なものではあるけれど、それはものすごく広い可動域を持ったものです。もしイデアの代わりに新しい言葉をつくったらつくったで、その可動域の意味あいが減衰されてしまう。だからイデアという、どこにでもある既成の言葉を、更にいえばけっこう手垢のついた言葉を、ツールとして用いたかったんです。その方が逆に自由になれそうな気がしたから。「メタファー」も同じことですね。本来の「暗喩」という意味でのメタファーというばかりではなく、もっと広い範囲の、磁力を持った何かと考えてもらえばいいわけです。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P317)
2019年04月21日
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BEST A.I.【中古】 BEST A.I.(初回版) /AI 【中古】afbヤナーチェク:シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ【中古】 ヤナーチェク:シンフォニエッタ タラス・ブーリバ /ヴァーツラフ・ノイマン,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 【中古】afb
2019年04月20日
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上橋菜穂子さんの「鹿の王 水底の橋」を買書つんどく。「黒狼熱大流行の危機が去り、東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らずオタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?ふたつの医術の対立を軸に、人の命と医療の在り方を描いた傑作エンタテインメント!」(「BOOK」データベースより)
2019年04月20日
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―― 批評家が今じゃちょっと想像もできないくらいに強い時代だったんですものね・・・・・じゃあ、いわゆる叩いていた人たちに「で、今の俺みて、どうよ?」みたいな気持ちは?。村上 うーん・・・・・今となってはないね。―― ちょっとはある?こう、いい感じの上から目線で・・・・・(笑)。村上 いやいや、そのときは「やってやろうじゃないか」という気持ちはたしかに少しあったと思うけど、実際にやってみると、そういう気持ちは失せたね(笑)。失せました、本当に。だって何をやったって、がんばって何を達成したって、見たくないひとは何も見ないんだもの。そんなこと考えるだけ消耗だということがわかっただけ。―― だからやっぱり、まあそもそも勝ち負けでもなんでもないんだけど、あるポイントまでいくと「勝負の場」みたいなもの自体がなくなっちゃいますもんね。まあ、そういうのって最初からないんだけれども。。村上 そうですね。勝ったとか負けたとかじゃなくて、自分が小説を書けて、ある程度その小説に納得できるというのは、何物にも代え難く幸福なことだから、数とか考えてもしょうがない。小説を好きなときに好きなように書いて、それで生活できるってことだけで幸福だと思うな。普通なかなかできることではないから。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P302)
2019年04月20日
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AI: my name is AI【中古】 my name is AI /AI 【中古】afbAI:INDEPENDENT【中古】 INDEPENDENT /AI 【中古】afb
2019年04月19日
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北条裕子さんの「美しい顔」を買書つんどく。ずいぶん批判を受けた初出の、改稿されての出版です。ちょっとビックリです。経緯から、柳美里さんの「石に泳ぐ魚」を思い出しました。こちらは現在絶版になっているようですね。「未曾有の災害に襲われた町。高校生のサナエは、幼い弟を連れて避難所に身を寄せていた。混乱の中、押し寄せるマスコミの取材にねじれた高揚感を抱くサナエ。だがいつまでも目を背け続けるわけにはいかない、いつか訪れなければならない場所があった。強く、脆く、そして激しく――喪失の悲しみと絶望の底からの、帰還の旅路。第61回群像新人文学賞受賞作 」(講談社の紹介)
2019年04月19日
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村上 だから、三人称の小説をいくつか通過して、今また一人称に戻ったけど、同じところには戻ってないな、という気がする。新しい一人称の世界が始まったのかなと。―― 村上さんは「僕」で書いてきた時期が長かったじゃないですか。村上さんの小説の一人称の「僕」は最大の発明だという人もいるぐらいで、けっこう特殊なんですよね。村上 かもね。僕にとってはわりに普通だけど。―― 主人公の人や物への態度も大いに関係あると思うんですが、三人称的な効果がありますよね。逆説的になるんだけど、だからこそ、そのクールなあり方をする主人公に、憧れを抱きつつ自己を投影できるというか。そういう機能を持った「僕」だということ(中略)そういう「僕」によって語られていく世界に、たくさんある村上さんのシグネチャーの重要なひとつがあった。その「僕」だけに可能な――モラトリアムや甘えの構造も含んだ、切なさとしか言いようのないものが表現されているじゃないですか。村上 うんうん。―― その切なさみたいなものを、読者は懐かしんだり、初期のほうがいいね、とかみんな言うわけです。時代は関係なく、それが一九九〇年代でも、二〇〇〇年代でも、その時々にのっぴきならない「切なさ」を生きている人々たちにダイレクトに響く。村上さん自身は、もう一度あのときの「僕」みたいな感じで何かかいてみたいとか、あのときの空気感もう一回味わってみたいな、みたいなことは思ったりしませんか。村上 思わない。僕にはそういう懐かしいという感じはないから。「今、三十歳に戻してやるけど、戻りたいか?」と言われたら、「いや、けっこうです。あれ、一度やればもう充分です」と答えるしかないんだけど、それに似ているかも。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P285)
2019年04月19日
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MISIA:星空のライヴ【中古】 星空のライヴ〜The Best of Acoustic Ballade〜 /MISIA 【中古】afbMISIA:THE GLORY DAY 【中古】 THE GLORY DAY /MISIA 【中古】afb
2019年04月18日
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―― 今までたくさん男性も書かれてきた中で、今回の免色さんのような、ちょっと得体のしれない、「初めてかな、こんなキャラクター」という人物は、女性に関してもこれから出てくる可能性はありますか?それとも女性に関しては、やはり、必要な役割を与えられた存在として登場することになるのでしょうか。村上 もちろん女性に関しても、これまでとは違うキャラクターをどんどんつくっていきたい。今回の秋川笙子さんなんて、まあ脇役ではあるんだけど僕にしてみれば、これまであまり書いたことのないキャラクターなんです、僕は個人的に彼女に対してかなり強い関心を持っています。彼女のことをもっとよく知りたいという願望があります。実際にはなかなかそこまではいけなかったけど。―― 何の本を読んでるのかなって、興味ありますよね。あれは何の本を読んでいるの?あれがもう弩級のハードボイルド小説とかだったら(笑)。何だろうと思って。何だろう、どんな本を読む人なんだろう。想像つかないよね。村上 『三国志』だったりして(笑)。―― 笙子さん、タフやわぁ(笑)。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P255)
2019年04月18日
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MISIA GREATEST HITSMISIA GREATEST HITS [ MISIA ]MISIAの森【中古】 MISIAの森 Forest Covers /MISIA 【中古】afb
2019年04月17日
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―― 「眠り」を数日間かけて精読したことがあるんですけども、とにかく、こんな女の人を読んだことがない。女性であるわたしが、テキストの中で「新しい女性を発見した喜びがありました。それが男性作家の手によってなされたということが驚きだったし、本当に素晴らしい体験でした。さきほどの話に少しだけ戻りますと、わたしにとって村上さんの小説における女性、女性の造形といえばこの「眠り」なんです。わたしはフェミニストですが、その点でいうと、ここで信用取引が――それもかなり大型の信用取引が成立しているんですね。そして何よりも、文章そのものに対しての信頼がある。・・・・・村上さんはグレイス・ペイリーという女性作家の短編をたくさん訳されているんですけれども、そういったものとも、ちょっと関係しているのかな。女性の造形において。村上 あんまり関係ないと思う。グレイス・ペイリーはただ小説作品としてとても面白いから訳しているだけであって、そこにある女性原理みたいなことはほとんど意識しないです。「眠り」についていえば、僕はただ思いつくまますらすらと書いて、こんなものでいいのかな、女の人って、という感じでした。たまたま主人公が女の人だったということであって、僕としてはとくに女の人の心理を書こうと意識して書いたというのでもないですね。―― 女の人を書こうと思ったら、女の側からも男の側からも、こういうものを書いたら女性っぽくなる、みたいな刷り込みがあるんだけれども、そういったものがまったくないんですよね、あの小説には。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P252)
2019年04月17日
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MISIA:LOVE BEBOPLOVE BEBOP (通常盤) [ MISIA ]MISIA:Life is going on and onLife is going on and on [ MISIA ]
2019年04月16日
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高山宏さん訳、建石修志の絵の「不思議の国のアリス 鏡の国のアリス」を買書つんどく。「21世紀アリス学の金字塔。夢とファンタジーに溢れた、全世界の永遠のベストセラー『不思議の国のアリス』は、多くの画家・イラストレーターの創造心を激しく掻き立て、現在に至っている。永遠の少女アリスを具象化したアーティストは枚挙に暇なし。テニエル、ラッカム、エルンストら多数。満を持しての建石修志画伯は、細密描写に定評があって熱烈なファンも多々。日本のアリス学研究の頂点に立つ、絵の極み・建石修志/文の極み・高山宏による夢のコラボレーション。カラー挿絵80点!! 」(青土社の紹介)
2019年04月16日
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村上 文体ということですごいなあと思うのは、なんといってもサリンジャーですね。サリンジャーも『キャッチャー・イン・ザ・ライ』で、圧倒的な文体の力を見せつけました。人々を、特に若者たちを文字通りノックアウトした。でも彼は、あの文体を一度きりでぴたっと封印しちゃうんです。ちょうど川上さんが『乳と卵』の文体を封印したのと同じように。同じものは絶対に使わない。―― あれは本当に、際立っていますもんね。村上 うん。で、その次に『フラニーとズーイ』に行くわけですが、あの作品は『キャッチャー』とはまったく違う文体を使って書かれています。『フラニーとズーイ』のすごさは、『キャッチャー』のスタイルをそっくり全部捨てて、その小説のために新たな文体をほとんど特注でこしらえていることです。過去の文体をほとんど流用していない。それってまず、驚異的な労働量です。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P232)
2019年04月16日
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MISIA:SINGER FOR SINGER【中古】 SINGER FOR SINGER /MISIA,久保田利伸,玉置浩二,CHARA,比嘉栄昇,藤井フミヤ,宮沢和史 【中古】afbMISIA:NEW MORNINGNEW MORNING/[CD]通常盤【返品種別A】
2019年04月15日
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大澤真幸さんの「社会学史」を買書つんどく。「本物の教養がこんなに頭に染み込んで、ものの見方がすっかり変わる経験をあなたに!マルクスもフロイトもフーコーも、実は社会学者なんです。「社会学はもちろん、その周辺の学問を理解するためには、どうしても、社会学史全体を知っておく必要があります。それなのに、なぜか、社会学史の本がほとんどないのが現状です。だから、この仕事に私は、強い社会的な使命感を持っています」――大澤真幸」(講談社の紹介)
2019年04月15日
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村上 スバル・フォレスターの男は、音楽の不吉なライトモチーフのように、物語のところどころで顔を出してきます。―― うん、出てきます。村上 彼がどういう存在なのか、それは僕にもわかりません。小説的にはわかっているけれど、説明することはできない。だから、例えば免色さんらしき存在が、まりえの潜んだクローゼットの前にじっと立っているというのも、小説的には理解できるんだけど、意味的には説明できないですね。そういう要素が小説には必須であると僕は思うんです。作者はそれを小説的に、物語的には説明できるけれど、意味的には説明できない。そしてそれを説明しちゃうと小説にならない。そういう部分を多くの評論家は意味的に説明しようとします。それがうまくいく場合もあるし、うまくいかない場合もあるけど、もちろんそれは評論家の勝手というか自由であって、僕には何とも言えない。良いとも悪いとも言えない。読者もまた好きに考えればいいわけです。僕の役目はテキストを提供するだけだから。―― 村上さんはあるインタビューの回答を「書いても書いても、まだまだ書くことが出てきそうだから、僕のその闇というのは自分でもわからないですね」というふうに結んでらっしゃる。つまり、さきほどのお話でおっしゃっていた、「意味的には説明できないこと」がエンジンとなって、自分では絶対に意味をつかめないものが自分の中で動き出すから、物語を書く。村上 当然そういうことになります。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P211)
2019年04月15日
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バッハ:ゴールドベルク変奏曲【中古】 J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音) /グレン・グールド 【中古】afbバッハ:ゴールドベルク変奏曲【中古】 J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 /グレン・グールド(p) 【中古】afbMISIA:SOUL QUESTSOUL QUEST [ MISIA ]
2019年04月14日
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―― 村上さんは避雷針的な役割をして、ある意味で霊的なものや、いろんなものを受けて物語を書くんですよね。そのことによって、村上さん自身は変化しますか、書くことによって。村上 多分してない(笑)。―― しない?より自分を深く知ることができたとか。村上 そういうのはないと思う。―― ない?よく、「自分を知るために小説を書いている」って言葉をおっしゃっていましたが、それはあくまでも比喩なんでしょうか。書くことは地下深くに降りていくことでもあるけれども、書くことによって自分自身が・・・・・すごく卑近な例でいうと、何かものを書くときって、鮮烈な体験がベースにあったりしませんか?例えばですよ、母と自分との関係について小説を書くとか。父でもいいけれど。それは作家自身にとってみれば、それらの関係を克服する行為だったりもするわけじゃないですか。村上 そうなの?―― 例えば、の話ですよ。そんなにびっくりしましたか?今の。村上 かなりびっくりした。―― あ、そこですね。その違いがあるんだ。村上 そんなこと。、まったく考えたこともなかった。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P180)
2019年04月14日
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シューマン:交響曲全集シューマン:交響曲全集&マンフレッド序曲 [ ラファエル・クーベリック ]MISIA:JUST BALLADEJUST BALLADE [ MISIA ]
2019年04月13日
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―― 一回最後まで読んで、もう一度プロローグに戻ると、まだ終わっていないぞという、不穏さが生まれる。これは「私」が絵を描くことをやめられないということの表れでもあるし、一回開いてしまったものはそうそう簡単には閉じないよ、という意志のようにも見える。今は閉じたように見えるけれども、いつでもそれは開かれるものであるという。村上 地下世界への入り口は、いつかまた口を開くかもしれない。―― 閉じることができなかった。だから、あくまで対症療法でしかない、そのときそのときで対処していくものなんだという予感がします。結局、ペンギンのお守りも返してもらえませんでしたしね。村上 「顔のない男」の肖像を描くことができれば、ペンギンのお守りは返ってくるだろうけど、むずかしいかもしれない。でも、それは彼の人生の大きな課題になるかもしれません。そしてその課題がまた彼を変えていくことになるかもしれない。物語は続くんです。そこにはポストヒストリーがあります。僕がそれを書く書かないは別にして。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P174)
2019年04月13日
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2019年04月12日
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村上 たとえばジョゼフ・コンラッドの『ロード・ジム』でジムは最後に死にます。それはもちろん悲劇的なエンディングなんだけど、でもジムの死は、ジムの生よりもむしろ、読者の救済の感覚みたいなものを与えます。それが大事なんだ。『騎士団長殺し』の最後のほうで、まりえの免色に対する警戒心がだんだんなくなってきて、一緒に住むかもね、みたいな感じになって、最初に読んだ人の中には、それはまりえらしくないんじゃないかという意見もありました。でも、僕は、そういう可能性があっても別にいいだろうという気がするんです。―― いえ。わたしもすごくいいと思う。彼女が「昔のことだから、あまり覚えていない」みたいなことを言うでしょう?たった数年前のことを昔だと。素晴らしいと思った。というのはやっぱり、そこに彼女自身の時間が流れていることがすごくありありと感じられたし、三十代とか四十代の大人と、十代の彼女とでは、まったく時間の流れ方が違うんです。村上 十代の女の子というのは、わりにすっと変わる。―― その否応ない感触が、あの台詞で見事に表現されています。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P170)
2019年04月12日
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MISIA:KISS IN THE SKY[枚数限定]KISS IN THE SKY/MISIA[CD]【返品種別A】MISIA:MARS & ROSESMARS & ROSES/MISIA[CD]【返品種別A】
2019年04月11日
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―― 穴とか肖像画とか秋川さんとかまりえさんとか、結局、物語に出てくる一連のものは彼が始めたことで、見方を変えれば、すべてが免色の右手と左手の中にあるようにも見える。やっぱりそういう意味でも、免色が物語の中心だったりするんでしょうか?村上 そうね。でも面白いことに、免色さんは騎士団長の姿を見ることを許されていない。そういう資格を与えられていない。―― ええ。与えられたのは二人、「私」と秋川まりえです。騎士団長にちゃんと反応できるのは二人だけ。村上 だから、騎士団長を連れて主人公が免色邸に招待されるわけだけど、免色にはそれが見えない。見ることができないように設定されている。―― それは何を意味しているのか。村上 それはなかなか大事なポイントかもしれない。この小説の中で。どうしてなのかはは僕も知らないけど。―― 本当に知らない?(笑)村上 本当に知らない。(笑)でも、わかるんですよ。物語的に、彼に騎士団長の姿が見えてはいけないことはよくわかる。でも、それがどうしてなのか、その理由は僕には説明できない。―― 本当はできる?村上 できない。いや、しようと思えばできるだろうけど、それは真実を全部伝えたことにならない。七十パーセントぐらいしか伝えたことにならない。そして七十パーセントを伝えるぐらいだったら、何も言わないほうがいいです。小説にそのまま語らせておけばいい。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P154)
2019年04月11日
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2019年04月10日
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「源氏物語(五) 梅枝ー若菜 下」を買書つんどく。「心に耐へぬものなげかしさのみうち添ふや──。太上天皇に準じる位に登り、明石姫君を入内させた四十歳の源氏。子息の夕霧も初恋を成就させ、六条院では慶事が続く。その栄華の絶頂で、源氏が直面した女三宮の降嫁は紫上を深く苦しめる。全五四帖中最大の巻「若菜(上・下)」を「梅枝」「藤裏葉」とともに収録。(全九冊)」(岩波書店の紹介)
2019年04月10日
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―― 今回のインタビューの準備で『若い読者のための短編小説案内』を再読したのですが、作家がその作品をどう読むかということは、それはそのまま、自分がお書きになるときのポイントでもあるわけですよね。そう考えると、村上さんは、作家がどこでこの物語を、小説を異化しているかってことに、すごく注意していらっしゃる。村上 その通りだと思います。―― 読んでいきますとね、異化ポイントが村上さんの関心の中心ですね。あとは、その作家の自己のあり方。その二本立て。どのように異化しているか。どのように自己を扱っているか。それは村上さんの小説のなかでも無意識のうちに大動脈の二本になっていると思います。お書きになる段階で。(村上春樹さん×川上未映子さん「みみずくは黄昏に飛びたつ」P139)
2019年04月10日
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