詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2011年05月14日
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カテゴリ: AVEコラボ作品
AVENUEロゴ10TITAN 「中国の友よ【燃燒了我的夢想的歌】」

                    by 塚元寛一&izchan






実は、塚元さんといずちゃんはGWにコラボ詩の強化合宿を組みまして、
いずちゃん見事に(?)塚元さんから「GWスキルアップ免許」をいただきましたぁ!
塚元さん、本当にありがとうございました。


      パンダーイ!  \( ^ o ^ )/  (あれ、パー子さん?)


その強化合宿で素晴らしい(自画自賛!)コラボ詩が6作品生まれましたので、
今週から順次ご紹介してゆきますね♪



今回ご紹介する「中国の友よ【燃燒了我的夢想的歌】」は、
強化合宿4日目に生まれた作品で、
中国の友人との友情をユーモラスにうたっています♪

(いずちゃんお気に入りの一作品です^^)

この作品の後ろに塚元さんの前駆詩もアップしましたので、
どんな風に2つの異なる色合いの個性がコラボしたかもお楽しみください^^


なお、この作品を含め強化合宿で生まれたコラボ作品のうち数編を
(アヴェニュー発表前から)
読み聞かせをお仕事にされている方から
ぜひ読み聞かせに使わせてほしいとの嬉しいお話を頂いています。
異なる色合いが離れたり溶け合ったりして共鳴しあい
読み聞かせにもとてもよいのだとか。

コラボ詩の新たな可能性の1つを感じているところです。



では作品です☆



    *   *   *








 「中国の友よ【燃燒了我的夢想的歌】」  塚元寛一 izchan



「調理器具 取り扱い注意!」

    ―― 中国からのエアメール
           小包?

中国は青海省の奥地に悠々自適、
青海仙人からの・・

「受け取ってくれた?リーベンちゃん。」
「ひぇー、青海仙人!
  …テレポートで現れるんなら、なにもエアメールで送らなくても。」
「テレポートだと経済効果ないでしょ、ネ。」
「仙人が経済効果考えるんですか。で、調理器具ってなんですか?」
「ははは、これで夢を調理して、ネ。」


枕元で三人の名を聞く
張、王、李
(ちょう、おう、り、…ちょおうり、…ちょうり、…調理器具?
 考えすぎだよな、あはは、それにコレ夢だし。)
中国にうようよとしている名前だ
(わかっている「砂を浸す執拗な波」・・ゴビ沙漠にきえる川)
――蒼霧のような気配
運河の水、(いや黄河の濁水)
わたしはちょうどヒクリ
自分の肉がゼリーのようにやわらかくぷにぷにとしている
⌒+。+⌒ヤギの乳茶をのみほして
(めぇめぇ、チガッタ、ねぇねぇ)
夜が迷宮にかわっている
(紫禁城なんて行ったことないし…)
その時ふっと、
書斎の一隅に永久に眠ることになる写真
(ちょと待て、青海仙人とのツーショットなんて撮ったことないぞ。)
カチリ
いらいらする時計の2:00
浮き城のように巍然として輝く輪郭
楽山大仏
その凸っぱりや凹みが当時の声を思い起こさせ
A「おれいやだよ」B「おまえやれよ」
いやだよいやだよ
したいならおまえがしろよ
・・・まるでラジオドラマみたいだ

  ?マッコォリ マッコォリ
   ウーリナラ スル
   サンチョンリ カンサネ
   ウーリナラ スール

耳をすましていると、兵馬俑のことを思い出す
不自然情報のために仮定条件があらわれたるや!
寝室、・・明晰夢
告白すれば――昨日、
中国人から不思議な器をもらった
(「ほかでもなく」)
やあ、これはいい器だ
前世代記憶的産物
――調理器具
ソンナニイイカア
イイヨオ
イイヨ(「お安い御用さ。」)
なんだかんだで、・・・ぐだぐだで、ついさっきまで
土の匂いだなあ、ぷーんとくわい匂いだ
うっすらとコチュジャンや紹興酒のにおいでもするぞもがな
――縁側に置きっぱなし
さて中国の友よ!
このしまつどうつけてくれようぞ

 無人のボートが水の化石のように浮かぶ
 そういう単調な
 ヒョイヒョイヒョイ
 ヒクリ・・・!

呼ばれているのか、・・・それとも話しているのか
念いというもの
湿り気をおびた血
残留思念
ひゅる
、る、る、る
一瞬、ひと肌の温もりがよぎったが、
鮫のようにすぐに渇いてなくなる。
フカ鰭スープは高級だし
(「チル桜チルチル桜」モチル桜モチ)
ああああああああん、なまぐさい血腥い
得体の知れない「生まれる」
ピイータンぷるぷる
それからたくさんの小卵
それからたくさんの浜
それからたくさんの「出てくる」
タイピイーエンは美味いし
くりかえし ピイ
生ゴミ用ポリ袋 ピイ
エヘイヨ エヘイヨ
ヌンゲンヌンゲン南無阿弥陀仏

  カサ、コソ。カサ、コソ。カサ、コソ。
  ――静かであればあるほど、
  しんしんと迫ってくるので眠れない
  いや、眠った
  (「俺は神経が太いのだ」)
  ヒクリ・・。

朝、アイスダンス「白鳥の湖」
がすべってこわれていた
(「器が割れていた」)とふつうに言えよ
三つに割れている
張、王、李――張、王、李!
――調理器具!
うああああああ
熟れて落ちた無果木
ニンニク
トマトの青臭さ
オママゴトと、やるせないシャボン玉遊びの記憶
名前だけが
(「水死体のように浮く」 わすれないで)
いまやもう名前だけが
ヒッソリ
雪のように静まり返っている
ヒクリ


夢から覚めて、青海仙人の調理器具の箱をあけてみた。
なかには、紙切れ1枚だけが鎮座。

李白の秋浦歌 其十五を意訳


    白髪三千丈  わたしの白髪はボウボウボウボウ
    縁愁似箇長  かなしさのあまりボウボウボウ
    不知明鏡裏  おおきな痛みをしらない水の窓
    何處得秋霜  でも秋の霜はその痛みを嘲笑う


青海仙人とは、かくの如しである。
「君と酒酌み交わして美味いもん食って四方山話に興じたら
 楽しく憂さ晴らしができるだろう」
その誘いに、
こんなにゆたらかな夢を届けてくる。
青海仙人とは実に愛すべき大陸の詩人なのである。









 * * * 






【燃燒了我的夢想的歌】  塚元寛一



枕元で三人の名を聞く
張、王、李
中国にうようよとしている名前だ
(わかっている「砂を浸す執拗な波」)
――蒼霧のような気配
運河の水
わたしはちょうどヒクリ
自分の肉がゼリーのようにやわらかくぷにぷにとしている
(ねぇねぇ)
夜が迷宮にかわっている
その時ふっと、
書斎の一隅に永久に眠ることになる写真
カチリ
いらいらする時計の2:00
浮き城のように巍然として輝く輪郭
楽山大仏
その凸っぱりや凹みが当時の声を思い起こさせ
A「おれいやだよ」B「おまえやれよ」
いやだよいやだよ
したいならおまえがしろよ
・・・まるでラジオドラマみたいだ

  ?マッコォリ マッコォリ
   ウーリナラ スル
   サンチョンリ カンサネ
   ウーリナラ スール

耳をすましていると、兵馬俑のことを思い出す
不自然情報のために仮定条件があらわれたるや!
寝室、・・明晰夢
告白すれば――昨日、
中国人から不思議な器をもらった
(「ほかでもなく」)
やあ、これはいい器だ
前世代記憶的産物
ソンナニイイカア
イイヨオ
イイヨ(「お安い御用さ。」)
なんだかんだで、・・・ぐだぐだで、ついさっきまで
土の匂いだなあ、ぷーんとくわい匂いだ
うっすらとキムチやコチュジャンのにおいでもするぞもがな
――縁側に置きっぱなし
さて中国の友よ!
このしまつどうつけてくれようぞ

 無人のボートが水の化石のように浮かぶ
 そういう単調な
 ヒョイヒョイヒョイ
 ヒクリ・・・!

呼ばれているのか、・・・それとも話しているのか
念いというもの
湿り気をおびた血
残留思念
ひゅる
、る、る、る
一瞬、ひと肌の温もりがよぎったが、
鮫のようにすぐに渇いてなくなる。
(「チル桜チルチル桜」)
ああああああああん、なまぐさい血腥い
得体の知れない「生まれる」
それからたくさんの小卵
それからたくさんの浜
それからたくさんの「出てくる」
くりかえし ピイ
生ゴミ用ポリ袋 ピイ
エヘイヨ エヘイヨ
ヌンゲンヌンゲン南無阿弥陀仏

  カサ、コソ。カサ、コソ。カサ、コソ。
  ――静かであればあるほど、
  しんしんと迫ってくるので眠れない
  いや、眠った
  (「俺は神経が太いのだ」)
  ヒクリ・・。

朝、バレエ「白鳥の湖」
がこわれていた
(「器が割れていた」)とふつうに言えよ
三つに割れている
張、王、李――張、王、李!
うああああああ
熟れて落ちた無果木
ニンニク
トマトの青臭さ
やるせないシャボン玉遊びの記憶
名前だけが
(「水死体のように浮く」)
いまやもう名前だけが
ヒッソリ
雪のように静まり返っている
ヒクリ
李白の秋浦歌 其十五を意訳


    白髪三千丈  わたしの白髪はボウボウボウボウ 
    縁愁似箇長  かなしさのあまりボウボウボウ
    不知明鏡裏  おおきな痛みをしらない水の窓
    何處得秋霜  でも秋の霜はその痛みを嘲笑う









   *     *     *



    次回もお楽しみに♪










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最終更新日  2015年12月30日 10時49分05秒
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