まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2020.03.16
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カテゴリ: シロクロ!
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。


いやー、すごかった…。
最高にカッコいいドラマでした。
日テレ史上5本指に入る作品です。
わたし的に全ドラマ史上でも5本指に入るかなあ。
(見終わった直後で興奮してるせいもあるけど)

正直な話、
この結末で納得できたかといえば、けっしてそうではないし、
まったく不備のない脚本だったとも思いません。


川田麻衣子がなぜ心変わりしたのかもよく分からないし、
ウサギのぬいぐるみの意味もよく分からないし、
なぜ囲碁夫婦がずっと姉妹を助けてきたのかも分からない。
リコがみずからミスパンダになろうとしたことは分かったけど、
リコが消えてレンが残るのは間違ってる気もするし、
結局のところ、リコの人生は非常に不幸だったなあとも思う。

そもそも、このドラマの登場人物のなかで、
結果的に幸せになった人は誰ひとりとして存在しません。
佐島家も、川田家も、森島家も、ほぼ破滅したと言っていい。
唯一、直輝とレンだけが、
かろうじて記憶をリセットして生き延びたにすぎません。

だから、これはけっしてハッピーエンドではない。


物事のすべてはグレーのまま、
ただ記憶だけを消し去って終わってしまう結末です。
ドラマ自体に、まったくシロクロがついていない。

しかし、それでもなお、
この終わり方に不思議な充足感をおぼえています。


リコの存在は永久に消え去ってしまいました。
これは、ありえないくらいに悲しい。
でも、夢のなかのシーンとはいえ、
レンとリコが一瞬向かい合ったときは涙が止まらなかったし、
それだけで何かが報われる気がしてしまった。

そして、
レンとリコとミスパンダの記憶を消し去る瞬間に、
直輝の目から流れた一筋の涙は、悲しくて美しかった。

最後に、記憶を失くした直輝とレンが、
ふたり並んでパンケーキにシロップをかける瞬間、
また何かが起きるのではないかとドキドキしてしまった。
何も知らない二人のあいだで、
また新しい物語が始まっていく予感がありました。

きっと、これは、
永遠にシロクロつけられぬまま、
なんども繰りかえし続いていく物語なのだろうと思います。




…それに、よくよく考えれば、
檻のなかに戻っていったリコだって、
いつまた何かの拍子に復活するかもしれませんよね。
川田麻衣子も、囲碁夫婦も、リコの存在を忘れてないのだし、
そもそも死んだのはレンであって、リコは生きているのだから。



独創的で奇想天外な脚本。
スタイリッシュな演出と音楽。
清野菜名と横浜流星、そして佐藤二郎のすばらしい演技。
すべてに大きな満足をもらえました。






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最終更新日  2020.09.26 21:50:48


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