まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.03.02
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NHK-Eテレのドラマ「ハルカの光」。


黒島結菜も好きだし、
古舘寛治も好きだし、
映像も綺麗なので、
なんとなく見ていました。

第4話では、
古舘寛治の弾き語りも聴けてよかったです。




このドラマでやや物足りないのは、

肝心の名作照明についての紹介が、
いかにも借りもの的な通りいっぺんの説明に終始して、
物語のなかへ十分に消化しきれていないこと。

そこだけは、妙に「Eテレ」的なのです。

毎回、
ひとつの名作照明を取り上げるのですが、
その説明を聞いた後でも、
その照明の個性や魅力は、いまひとつ伝わってこない。

上っ面の知識を伝えるだけで終わっている。




ほんとうに掘り下げるべきなのは、
照明の「光」についての認識ではなく、
むしろ「陰翳」についての認識なのだろうと思う。

照明器具の個性や魅力は、
その周囲に創り出される陰翳によるものだからです。


どんな照明器具であったとしても、
光源そのものには、さほど大差はないのです。

同じ発電所から引いた電気エネルギーを、
ただ光エネルギーに変換してるだけであって、
せいぜい、
蛍光灯か白熱球かLEDかの違いでしかない。

むしろ重要なのは、
その照明器具が、いかに光源を覆い遮って、
その周囲に独特の陰翳を作り出すか、ということなのです。



陰翳についての認識を、
物語のなかで深めていかなければ、
その照明の個性や魅力も十分には伝わらない。

ひとりの人生の陰翳に、
その照明の陰翳がいかに寄り添っていくのか。
そのことこそが、ほんとうは大事なのだと思います。

このドラマのもうひとつのテーマは、
東日本大震災からの復興なので、
物語の焦点が最終的に「光」へ収斂するのは、
あらかじめ必然なのでしょうが、

かりにそうだとしても、
まずは陰翳についての認識が深まってこそ、
それぞれの光のもつ意味が見えてくるのだろうと思います。



もし次回作があるのなら、
そのことを考慮した物語を目指してもらいたい。

そのためには、
Eテレの教科書的な説明だけでは、
おそらく不十分だろう、と思います。





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最終更新日  2024.06.19 09:22:09


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