まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.10.18
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カテゴリ: 東宝シンデレラ
萌歌が昨夜の「adieu LOCKS!」で、
ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』の話をしていました。

わたしは、この映画を観てませんが、
調べてみると、
現代の米国人が、
ベルエポック期のパリへタイムスリップする内容らしい。

そこで、
フィッツジェラルドとか、ヘミングウェイとか、
コクトーとかダリとかピカソに遭遇する…


番組で紹介した、
パリの地下鉄が思い浮かぶという映画音楽 は、
もともと萌歌が好きな『アメリ』のテーマと同じ三拍子のワルツ。



じつは最近、
萌音がヘミングウェイの「老人と海」の話をしていたし、
もともと萌歌はピカソの「ゲルニカ」と関係が深いので、
(これはスペイン語圏のメキシコで暮らしたことの影響もある)
もしかしたら、萌歌は姉と一緒に映画を観たのかもしれません。




萌音も、萌歌も、
しばしば美術への関心を口にしますが、

萌音の場合は、
さすがに名前が「モネ」だけあって、
たぶん印象派が好きなんだろうなあという感じがあり、
事実、最近も《モネと萌音》のコラボレーションが話題になっています。

モネと萌音 



萌音萌歌はともに「赤毛のアン」を演じてきましたが、
赤毛のアンの時代も、
じつはジャズエイジやベルエポックの時代に重なっている。

わたしは、
ドラマ「アンという名の少女」に登場した同性愛者の大叔母が、
ガートルード・スタインをモデルにしてるんじゃないかしら?

と思っていましたが、

そのガートルード・スタインが出てくるようです。

このブログ的にいえば、
押井守が担当した「ルパン三世PART6」の、
シェイクスピア&カンパニー書店がらみの内容
も、当然ながらこの時代に関係する。




かたや、萌歌のほうは、
大学でひととおり美術史を学んだはずだけど、
具体的にどういうものが好きなのかは、正直よく分からない。

なんとなく現代美術が好きそうではあるものの、
意外にアンドレ・ブルトンの本を手にしてる写真があったりして、
シュルレアリスムへの関心も気になるところです。

ウディ・アレンの映画にも、
コクトーや、ダリや、ブニュエルなど、
当時のシュルレアリストたちが登場するらしいのです。
(ちなみに、わたしはブニュエル推し!)

アンドレ・ブルトンと萌歌 



しかし!
なんといってもシュルレアリスムが好きだったのは、
彼女たちの先輩にあたる斉藤由貴なのですよねえ。

由貴ちゃんは、
昔からジャン・コクトーやルネ・マグリットが好きでした。

1989年に、
由貴ちゃんが長岡和弘と一緒にベルギーを訪ねたのは、
おそらくマグリットが目当てだったからだろうし、
2000年代になってプラハを訪れたのも、
やはりシュルレアリスムへの関心と無関係ではないはず。

英国の「不思議の国のアリス」も、プラハの絵本や人形劇の文化も、
この時代のシュルレアリスムの潮流と無関係ではないからです。


かつて由貴ちゃんが作詞をした「迷宮」という曲 も、
ルソーやダリの絵画の世界をモチーフにしていたし、

現在、
彼女が出演しているドラマ「ノンレムの窓」にさえ、
ダリやらマグリットやらの要素が盛り込まれています。



萌音が、
かねてから原田マハを愛読してるのは有名だけど、
原田マハの出世作である「楽園のカンヴァス」 も、
まさにアンリ・ルソーの絵が表紙になっています。

つまり、
斉藤由貴の「迷宮」と、
原田マハの「楽園のカンヴァス」は、
同じルソーの作品を題材にしていると言っていい。



原田マハは、
その物語を岡山の大原美術館のシーンから書き始めましたが、
ちょうど岡山で朝ドラ「カムカム」が撮影されていたころ、
由貴ちゃんも、萌音も、大原美術館を訪れていました。
(そこにはもモネの「睡蓮」も展示してあります)



斉藤由貴と原田マハの直接の接点は思い当たりませんが、
かつて由貴ちゃんが『月カド』で連載をしていたころ、
同じ雑誌でコラムを書いていたのが原田マハの兄の原田宗典でした。

そして、
近ごろ公開された萌音の書棚を見たら、
ちゃっかり原田宗典の本がド真ん中に置いてありました(笑)。

萌音も萌歌もあまり漫画は読まないはずですが、
なぜか高野文子の「おともだち」がありますね。
かつて由貴ちゃんは「絶対安全剃刀」を絶賛していました。



前にもこのブログに書きましたが、

萌歌が、
J-WAVEで「LOVEFAV」をやっていたとき、
「銀色夏生の詩集と一緒にクリムトの葉書を送ってくれた人がいる」
という話をしていて、

わたしは、
このエピソードがずっと気になっているのですが、

それは、
クリムトが世紀末ウィーンのファムファタルの画家だからであり、
結局のところ斉藤由貴の関心領域が、
ウィーンやプラハを舞台にした末期のハプスブルク王宮文化 だからであり、
コクトーやヴィスコンティへの関心もそこから生まれていたからです。
(もともとこれは萩尾望都をはじめとする少女漫画からの影響ですが)

シュルレアリスムというのは、
いわばプラハに生まれてパリで広まったのだけど、
由貴ちゃんの場合も、フランス文化への関心がそれなりにあって、
それがルソーの引用やドビュッシーの愛聴に繋がったり、
自分のことを「コメディエンヌ」と規定したりすることに繋がっています。

そして、
斉藤由貴のファンならみんな知っていることですが、
水嶋凜の本名も「モネ」です。
これがたんなる偶然なのかといえば、案外そうではないかもしれません。
ちなみに水嶋凜は、多摩美術大学を卒業しています。





追記:
「プラハとシュルレアリスムの関係」について、誤解を招くといけないので、補足しておきます。わたしは「ギヨーム・アポリネールがプラハのユダヤ人街でシュルレアリスムの可能性を直感した」と思っていて、その考えから「シュルレアリスムはプラハで生まれた」と書いてますが、実際には「シュルレアリスムはパリで生まれた」という説明のほうが一般的だと思います。
それから「プラハの人形劇文化」(←由貴ちゃんのプラハへの関心はこれがきっかけ)は神聖ローマ時代のドイツ支配下で生まれたものであり、かたや「プラハの絵本文化」のほうは共産主義時代のソ連の影響下で発展したわけなので、1910年代のシュルレアリスムの発生とは時代的にも無関係です。ただ、プラハの文化が異民族間の葛藤のなかで地下化したり歪んだりする特性は一貫していて、アポリネールがプラハのユダヤ人街でシュルレアリスムの可能性を直感したのも、そういう「都市の特性」と無関係ではないとわたしは感じているわけです。もちろん、これもわたし個人の考えなので、まったく一般的な解釈ではありません。











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最終更新日  2024.06.18 11:53:37


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