まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.02.26
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ドラマ「三千円の使いかた」最終回を見ました。
最後のエピソードは、けっこう難しい問題!

かつて息子のために借りた教育ローンの返済を、
結婚を前にした息子に押しつけてくる親。

まあ、
もともとは自分の就学のための借金なのだから、
息子のほうもそれを了承するけれど…

息子の婚約者はそれを納得できません!
自分たちの結婚後の生活費が削られるからです。


まるで生活笑百科のご相談みたいなお話!
ローンを支払うべきなのは、
実家の親なのか、それとも息子夫婦なのか??

もっといえば、
経済リテラシーがなさすぎる家の息子は、
経済リテラシーがありすぎる家の娘と結婚できるのか??
…って話でもあります。





最終回の決着のしかたは、
まず新婦の側の実家が借金を一括で返済し、
それを無利子で新郎に貸すという形でした。

つまり、結婚するなり、
義父と新郎は貸借関係になるのですね(笑)。

けっしてファンタジックな結末ではなく、
ドラマとしては、わりと妥協的で生々しい決着。
実際にありうる話かもしれません。

まあ、
新郎側の実家が返済から逃れることに変わりはないので、


結婚そのものを諦める場合もあるだろうし、
現実的な対応は、人それぞれだろうなと思います。

視聴者のあいだで意見が割れるようなテーマを、
テレビドラマが突きつけてくるのも悪いことじゃない。




前回の放送を見たときから、
こちらの「婦人公論」の記事とほぼ同じでした。
▶ https://fujinkoron.jp/articles/-/7821

たしかに借金の押しつけは不愉快だけれど、
経済リテラシーの欠如した人々を、
ドラマのなかで断罪しても仕方ないって気がしてた。

…だって、
経済リテラシーの欠如した人なんて、
世の中にはたくさんいるし、
正直、わたし自身も計画的にお金を使うのが苦手だし、
そのこと自体を糾弾することはできないと思う。




現在では、政府も、
国民に「経済リテラシー」をもつよう促しているのですね。
▶ https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201404/1.html

しかし、
たんに呼びかけるだけでは不十分で、
政府が本気でそう考えるのなら、
全国民に義務教育で学習させなければならない。

それを「自己責任」の問題で片づけるべきではありません。




現代社会は、
人々にさまざまな「リテラシー」を要求します。
しかし、誰しもが、
かならずしも万全なリテラシーを身につけられるわけではない。

かつて読み書きのできない人たちが沢山いたように、

メディア・リテラシーのない人もたくさんいるし、
ヘルス・リテラシーのない人もいるし、
エコノミック・リテラシーのない人もいて、

しかも、
そうしたリテラシーの有無が、
社会の格差をどんどん拡大させている。

たんに「リテラシーがない」というだけの理由で、
就労ができなかったり、
結婚や出産ができなかったり、
しまいには社会生活さえままならずに、
生きていけなくなってしまう人が出てきています。



とくに高齢者になるほどリテラシーは失われます。
独り暮らしになれば、なおさらです。

メディア・リテラシーがなければ、
スマホも使えず、ネットにもアクセスできず、
必要な情報が得られずに、誤まった情報に振り回される。

ヘルス・リテラシーがなければ、
自分の健康を適切に管理できず、
必要な検査や医療も受けられず、
かりに薬を処方されても、それを正しく服用できず、
みずからオーバードーズで薬害を被ったりする。

エコノミック・リテラシーが欠如していれば、
むやみに浪費してしまったり、
あやしげなサービスに金をつぎ込んだり、
あるいは逆に、
自分と他人の所有の分別がいいかげんになって、
店で万引きを繰り返したりもする。

それらは「病気」や「犯罪」と見なされるかもしれませんが、
じつは「リテラシーの欠如」という面もあるだろうと思います。



なんでもかんでも「自己責任」で済ませる社会は酷です。

むしろ、
リテラシーの欠如した人々がいることを前提に、
セーフティーネットのある社会を作らなければならない。

そうしないと、
情報や医療や経済の格差がどんどん拡大し、
国民社会が分断して、ついには国家の凋落を招いてしまう。
それは個人の病理というよりも、社会の病理だと思います。




ドレミファドンで中尾ミエがMISIAの曲を当てたのが驚き。


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最終更新日  2024.06.20 17:34:10


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