まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.03.10
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朝ドラ「舞いあがれ!」は難しいテーマに挑んでますね。

子会社の形をとってるけど、その業務は生産者組合に近い。

つまり、
生産者どうしをつなぎ、それを消費者に媒介して、
商品開発やブランディング、そして小売りまで担うってこと。

日テレの「ファーストペンギン」では、
漁協の仲介を取っぱらって、
生産者と消費者が直接つながる仕組みを作っていましたが、


むしろ、農協や漁協みたいに、
まずは生産者どうしが繋がる仕組みを立ち上げようって話。
組合ではなく、子会社の形をとるのは、
そのほうが機動的で小回りも利くからだと思う。



ドラマを見ていて気がついたことだけど、

おそらく製造業 (第二次産業) の場合、
農業や漁業 (第一次産業) とは違って、
元請けと下請けをつなぐ「商工会議所」は存在しても、

今こそそれが必要とされてる…って話でもある。

これは、
「あさが来た」や「青天を衝け」の、
五代友厚とか渋沢栄一の話にまで遡るけれど、

もともと商工会議所ってのは、

下請けの中小企業とを連絡する仕組みであって、
農協や漁協のように、
生産者と消費者をつなぐ機関ではなかったのだと思う。



大企業による元請けの場合は、
あくまで需要に合わせて供給の形を考えるので、
通常は、収益性の高い事業に特化しながら、
大量生産によって価格を下げていくことになります。

しかし、
収益性の高い事業にのみ特化することは、
その反面で、技術の多様性を失うリスクにもなる。

本来なら、たとえ少量の生産であっても、
多様なニーズに応えていくほうが、
技術の多様性を守っていけるし、受け継いでいける。



生産者組合の場合は、
供給側の立場から需要を掘り出すことになります。

大口の顧客や大多数の庶民に、
大量生産による低価格商品を売るのではなく、
むしろ富裕層や事業者・法人などに、
少量の高価格商品を売る形になるはずです。

ただし、収益性が高まれば、
かえって低価格の大量生産ベースに乗せられてしまうので、
その場合は、アイディアや権利を売って、
大企業による海外生産などに委ねる形になるのかもしれない。



日テレの「ファーストペンギン」の場合は、
曲がりなりにも現実の成功モデルがありました。

しかし、
今回の「こんねくと」の場合は、
かりに何らかのモデルがあるにせよ、
はっきりとした成功例はまだ存在しないのだと思う。
なので、これは、
ひとつの提案であり、思考実験の可能性が高い。

この脚本が分かりにくいとすれば、
それは、このビジネスモデルそのものが、
まだ十分に確立していないからだろうと思います。

ネットを見ても、
このコンセプトを理解した記事はほぼ皆無で、
あいかわらずドラマ評論家の無能っぷりを示しています。

脚本の内容が分かりにくくなると、
視聴者のなかにもアンチが蛆虫みたいに湧いてきて、
SNSではまた「反省会」が盛り上がりはじめてますが、
理解できないものを叩くのが大衆心理の常だとはいえ、
それは多分に大衆側の理解力の欠如の問題でもある。



今にして思えば、
菱崎重工の下請け生産を断ったのも、
ひとつの伏線だったのでしょうねえ。

その意味で、今後のIWAKURAが、
下請けとして飛行機などの部品生産を担う可能性は、
ほとんど無くなったように思える。

現実の三菱重工も、
舞い上がるどころか、
いまやどんどん舞い落ちていて、
国産飛行機の事業からは撤退、
H3ロケットの打ち上げも失敗、
自動車事業にも展望があるとはいえない。

そう考えると、
IWAKURAが、大企業の下請けから脱却するのは、
方向性としては間違っていないのだと思う。



ただし、中小企業の連携のなかでなら、
IWAKURAが飛行機やロケットの事業にかかわる可能性は、
十分にありうるだろうし、
テレビドラマとしても、最後に舞い上がらないはずはない。

なので、わたしは、
いまだに舞が宇宙へ飛ぶだろうと思ってます(笑)。





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最終更新日  2024.06.20 17:33:49


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