まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.06.18
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朝ドラ「らんまん」第11週。

視聴者に "ヤバ藤" 呼ばわりされた高藤雅修が、
本妻に啖呵を切られて退場してしまいました。

しかし、高藤雅修のモデルは、
ほかならぬ牧野富太郎だった可能性が高い(笑)。




ドラマのなかで高藤はこう言いました。
弥江は妻です。だが、それだけじゃ。
親が決めた話です。
もとより恋心を抱いたことはなか。
それは弥江も承知してる。

しかし、
じつは牧野富太郎にとっても、
本妻の猶との結婚は「祖母が決めた話」であり、
もとより「恋心を抱いたこと」はなく、


一方、
妻の弥江はドラマのなかでこう言いました。
男と女が対等と仰るけれど、
すぐそばにいる女さえ目に入っていない!
この国の行く末を描くのに女の考えは聞こうともしない!
どうぞお好きなだけお仲間と踊ってらしたら?

しかし、
本妻の存在に目もくれず、
日本の植物学を世界に並べるために、
実家の稼業を本妻に押しつけて、
好きなだけ仲間たちと遊び続けたのは、
ほかならぬ牧野富太郎でした。

つまり、
視聴者が "ヤバ藤" を叩けば叩くほど、
その批判はブーメランのように、




ドラマのなかで寿恵子の母は、
「妾なんてつまらないよ」と言いましたが、
じつは後妻の牧野寿衛も、はじめは妾でした。

富太郎と猶の離婚が成立して、

それが彼女にとって幸福だったかどうかも分からない。

…分かっている史実だけを見れば、

その後の牧野寿衛は、
稼ぎのない富太郎に13人もの子供を産ませられ、
家計と子育てをほぼ一人でやりくりするという、
壮絶なワンオペ人生を送ったと言えます。



それにくらべると、
たとえば渋沢栄一のお妾さんのように、
妻妾同居の大豪邸のなかで、
女中を含む大所帯での生活を営むほうが、
はるかに負担が少なくて安定的だったろうと思う。

おそらく牧野寿衛の母も、
彦根藩士のお妾さんとして、
わりに安定的な生活を享受していたでしょう。

むろん、
嫌な相手の妾にさせられるのは苦痛だし、
かりに好意のもてる夫だったとしても、
「妾なんてつまらない!」 ってのは一定の真実であり、
本妻を羨む気持ちがあっても不思議はないけれど、

そうはいっても、
貧しい中で13人ものワンオペ子育てをする今後の寿恵子の暮らしが、
妾だった母の人生より幸福になるという保証はどこにもない。



わたしにいわせれば、

それこそ広末涼子みたいに、
一夫一妻制のなかで3人もの子育てをしながら、
なおかつ恋愛もするなんてのは、
少子化問題にあえぐ国や自治体から表彰されてもいいほどに、
ほんとうの意味で「ベストマザー」と言うべきなのだけど、

なぜか日本の愚衆のみなさんは、
恋愛をせず子育てだけに身を捧げるのが、
正しい妻であり、正しい母の姿だと信じて疑わないのよね。
そういう考えが、
巡り巡って自分の首を絞めることになるとしても(笑)。



一夫一妻制のもとで、
セックスレスに耐えながら、恋愛もできずに、
働きながら子育てをしつづけるのが、
母としての義務であり、
妻としての幸福だというのは、まったくの幻想です。

実際に統計をとって調べてみればいいのだけど、
「母親が自由に恋愛したら子供が不幸になる」
などという実証的なデータはどこにもありませんし、

むしろ、
性的なフラストレーションを抱えたまま、
子供だけに依存してしまう母親のほうが、
かえって子供との関係をいびつにこじらせて、
ろくでもない「毒親」になっていくのだと思う。

そういうパターンこそが、
戦後の日本の主婦の現実なのだというべきです。

けれど、ほとんどの毒親は、
「自分は子供に依存などしておらず、
 むしろ自分を犠牲にして子供のために尽くしてきた」

と言い張るだけなのですね (↑同じことなんだけど)

そうした自己正当化が集団心理を形成して、
妬みや不満の矛先を不倫芸能人にぶつけているのです。



不倫は犯罪ではないし、
それどころか、恋愛の自由は、
たとえ既婚者であっても、
現行憲法のもとで保障されているのだけれど、

愚かな民衆は、
愚かな企業組織と同様に、
古い固定観念や慣習に縛られたまま、
いつまでたっても合理的な判断ができません。

芸能界の権力者による少年への性虐待や、
ラブレターの暴露みたいなプライバシー侵害や、
個人の恋愛の妨害などは黙認する一方で、

なぜか不倫だけは執拗にバッシングしつづけるのが、
日本の愚かな民衆の現状であり、
人権意識や遵法意識があべこべなまま、
いまだに前近代的な価値観から抜け出せず、
明治憲法下の「姦通罪」の発想を維持しているわけです。



そして、
ありもしない一夫一妻制の幻想にとらわれ、
自分たちの非合理な現実を正当化するために、
嫉妬心から不倫した芸能人をバッシングするのだけれど、

その結果、
不用意にも結婚してしまった女性たちは、
セックスレスに耐え、恋愛することも禁じられ、
働きながらのワンオペ子育てを、
ほとんど一生涯にわたって強いられ続けることになる。

ほんの一瞬でも恋愛しただけで、
社会的な制裁が加えられてしまうのだから、
そんな社会のなかでは、
だれも結婚したくなくなるのは当たり前です。

むしろ、結婚もせず、
ワンオペ子育てを強いられもせず、
自由に恋愛しつづけられる人生のほうが、
はるかに豊かであろうことは明らかなのだから。



こういう問題は、
少子化に拍車をかけてしまうし、
本来なら国会でもきちんと取り上げて、

天皇や総理大臣の口から、
「既婚者であっても恋愛は自由です」
と声明を出せば済む話なのだけれど、

保守政権もまた、
統一教会などの悪しき「家族主義」に毒されているので、
合理的な選択ができなくなっているのですね(笑)。

こうして日本の一夫一妻制は、
ありもしない共同幻想だけに支えられて、
完全に出口を見失っています。




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最終更新日  2023.07.08 16:32:48


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