まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.07.11
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カテゴリ: メディア問題。
今回の山下達郎問題の最大の焦点は、
スマイルカンパニーと山下夫妻が、
長いあいだジャニーズと昵懇だったことではなく、

あくまでも 「松尾潔を排除したこと」 です。

もちろん、
長年にわたってジャニーズと昵懇だったからこそ、
松尾を排除したのだろうことは想像に難くありませんが、

今さらジャニーズとの関係を問題視しても仕方ないし、

そのような企業やアーティストは他にも多いはずですから。



最大の問題は、
改革を促そうとした松尾潔を排除したこと です。
山下夫妻がそれを追認したことは明らかになっています。

一部には、
松尾潔がこの問題をメディアへ持ち出したことに対して、
「当事者どうしで内々に解決すべきだった」と主張する人もいます。
しかし、それこそが、
ジャニーズ問題を内部に隠蔽して、
うやむやに終わらせてしまいたい勢力の思う壺です。


メディアにはびこる隠蔽体質を外側に向けて告発する人が、
各所で声を上げるようでなければいけません。
そうでなければ、日本の芸能界の改革が進まないからです。



たとえば、

戦時中に、国家の要請に応じて、
軍歌や戦時歌謡を量産した問題にも関係するのですが、

かりに達郎のようなノンポリの音楽家であっても、

・社会正義や倫理を選ぶのか

そういう選択を迫られる局面があります。

山下達郎にとっては、今回がそれでした。



じつは若き日の山下達郎は、
少女の人間性を搾取するフィル・スペクターに否定的だったそうです。

しかし、それなら何故、
少年の人間性を搾取するジャニー喜多川には肯定的であり得たのか?

わたしが気になっていたのは、
《坂本龍一に弄ばれた女性を山下達郎が懐柔した》とのエピソードです。
「遊ばれたー!」と泣き出す女性に山下達郎が
'10年代に坂本さんのツアーがあり、リハーサルにスタッフの女性も同行していました。でも、なにがあったのか、その女性は来るなり“遊ばれたー!”とわんわん泣き出したんです。たまたまスタジオが一緒だった山下達郎さんが“この人と付き合ったら遊ばれる可能性があるのはわかっていたはずだから、文句を言っても仕方ないでしょう”と諭したと聞いています。(レコード会社関係者)
https://news.yahoo.co.jp/articles/532b5a12f940f278a9a7074f267a7ae3f5b72ab9?page=2

これもまた、
「権力者による性の搾取を呑み込ませた行為」
…に等しいのではないか、とわたしは疑っています。



ミュージシャンにとって、
「ご縁」や「ご恩」や「義理人情」こそが大事だという発想は、
さながら 美空ひばりと田岡一雄 の関係とも同質です。

今回の山下達郎は、
世間で「シティポップス」とも呼ばれてきた世界が、
まるで演歌と同様の泥臭いしがらみで成り立っている実態を、
公然と認めてしまいました。



たとえ事務所の社長が田岡一雄のようなヤクザでも、
たとえ取引先の社長がジャニー喜多川のような性犯罪者でも、
音楽家が優先すべきは「ご縁」「ご恩」「義理人情」
という、今回のあからさまなメッセージは、

山下達郎の「希望という名の光」や、
竹内まりやの「いのちの歌」のような楽曲に、
どのような意味を与えることになるでしょうか?

だからどうぞ泣かないで
こんな古ぼけた言葉でも
魂で繰り返せば あなたのため祈りを刻める
泣きたい日もある 絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて 寄り添うあなたの影

これらの歌を、
性搾取の被害者たちはどのような気持ちで聴けばいいのか?





松尾潔も引用したように、
新曲の「弾圧のナンチャラ」は、
もはやギャグにしか聴こえなくなってしまいましたが、

たとえノンポリの達郎&まりやであっても、
それなりに社会的なテーマを題材にした楽曲はあったのです。

わたしが思うに、
竹内まりやの「縁 えにし の糸」という曲も、
今では 「ご恩と義理人情の糸」 と読み替えねばならなくなった。

この世で出逢う人とはすべて 見えぬ糸でつながってる
天が描いたシナリオに沿い あなたと私知り合うの
時に愛して 時には泣いて やがて固い絆へと

それはもはや、
NHK朝ドラの主題歌というよりも、
ほとんど東映ヤクザ映画の主題歌みたいに思えます。

ちなみに、達郎は、
> オレにとっては小杉さんやジャニ―さんとの「縁」が大事で、
> 松尾みたいな批判的な連中との「縁」など無かったも同然なのだから、
> それで文句があるなら、おまえらもオレの歌は聴かなくていい

⇒ 発言の全文はこちら
…という趣旨のことを述べて、
長年のファンとの「縁」もみずから断ち切りました。



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最終更新日  2024.06.17 20:37:06


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