まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.07.03
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NHK「燕は戻ってこない」が終了。


基の選択も、
悠子の選択も、
リキの選択も、
リリコの反応も、

すべてが予想とはちがってました。




奇しくもリリコが、


人間は、
「遺伝子の奴隷」でもあるし、
「生まれ育ちの奴隷」でもあるし、
「名前の奴隷」でもあるし、
「経済の奴隷」でもあるし、
「法律や契約の奴隷」でもある。

女は「結婚」と「出産」の奴隷でもある。

リキの最後の選択は、
そのすべての呪縛を振り切ったものだけど、
それは自由である同時に不穏でもある。




あえてDNA鑑定をせず、
リキの子の「里親」として手を取り合う、
…という選択をしました。

たんなる「里親」なのだから、
リキが片方の子を連れ去ったとしても、

草桶夫妻は文句を言わないはずです。

実際、訴訟を起こしたところで、

リキが戸籍上も母親なのは事実だし、
事前の契約が双子の想定をしてたかは怪しいし、
遺伝的な父親が誰なのかも不明だから、
草桶夫妻が《愛磨》を取り戻せる保証はない。

ただ、
基の母の千味子は納得しないかもしれません。



一方、
リキが自力で子育てできるのかは不安だし、

出生届が《愛磨》なのに、
彼女のことを《ぐら》と呼び続ければ、
出生名と通名とに齟齬が生じることになる。

さらに、
将来的にDNA鑑定をした場合、
リキの連れ去った子と草桶家の育てた子が、
あべこべの結果になってしまうかもしれない。

子供たちが、
自分たちの出自を知りたいと主張したときに、
どんな結果が生じるのかも分からない。



帝王切開の傷が残っただけでなく、
さまざまな禍根と不穏な要素を残す結末です。



もとより、
これは代理出産を奨励する作品じゃないので、
ハッピーエンドにならないのは当たり前だし、

想像しうるかぎり、
もっとも不穏な結末を選んだってことでしょう。

桐野夏生の原作があるとはいえ、

長田育恵の脚本作としては、
朝ドラ「らんまん」との作風の違いに驚かされる。

わたしが思うに、
「ぐりとぐら」という絵本も、
卵を食べる物語であることが意識されている。
「ぐりとぐら」が他者の卵を食べたように、
彼らの生命も他者から食いものにされてるのでは?

そういう怖い話ですよね。



わたしは、
「いとうせいこうの登場に意味があるに違いない!」
…と予想したのだけど、

それ自体がミスリードだったのかも (^^;
結局、さほどの意味はなかったのですね。

富田靖子が序盤で語っていた、
「結婚すれば自由になれる」という遺言も、
ある意味ではミスリードだったように思います。

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最終更新日  2024.07.03 08:20:07


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