まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.11.19
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カテゴリ: 政治
兵庫県知事選。

N国党の立花孝志は、
自殺した渡瀬元局長の「不倫問題」に焦点を当て、
この問題の構図は、
《既得権益に固執する守旧派 vs 改革派知事》
…の対立なのだと主張しました。

マスコミは、
「有権者はネットのフェイク情報を鵜呑みにした」
とのニュアンスで報じたりしてますが、

そうかといって、

たぶん日記の存在自体は事実なのでしょう。

なので、
立花孝志は嘘を言ってるわけじゃないと思います。
とはいえ、
彼の主張するストーリーは、かなり恣意的でもある。



一方のマスコミは、
斎藤知事の「パワハラ&おねだり疑惑」に焦点を当て、
《内部告発者を弾圧した知事 vs 不信任案を突きつけた議会》
という図式で報じてきました。

これはこれで恣意的だといえます。

つまり、

「パワハラ・おねだり疑惑」に焦点を当てるかで、
描かれるストーリーが天動説と地動説ほど違ってくる、
…ってこと。



しかし、問題の本質からすると、


たしかに斎藤知事が、
天下りなどの既得権益に切り込んだ面もあるだろうし、
それを覆すべく、
守旧派側のクーデタ計画もあったのかもしれませんが、

だからといって、
立花孝志が主張するように、
斎藤知事が「正義の改革派知事だ」という話も、
そのまま鵜呑みには出来ません。





もっとも重要な問題は、
文春や集英社などが報じていたとおり、

1.阪神・オリックスの優勝パレードの補助金の違法支出・公金横領の問題。
2.それをやらされた担当課長の《自殺》を斎藤知事が隠蔽した問題。


…なのです。

しかし、残念なことに、
この問題は有権者に十分に理解されてない。

テレビのワイドショーが報じたのは、
枝葉末節のパワハラやおねだりの話ばかりで、
もっとも重要な問題が影に隠れてしまったのです。

もちろん、立花孝志も、
この2つの問題にはまったく触れようとしません。
そこに彼のストーリーの最大の恣意性がある。




…以下は4月の産経新聞の記事です。

プロ野球阪神とオリックスの優勝記念パレードを巡り、大阪府と兵庫県は10日、実施費用が約6億4千万円だったと発表した。協賛金やクラウドファンディングなどで約6億5300万円が集まり、収支は約1300万円の黒字となった。
余剰金は1970年大阪万博の収益を基に文化活動などに取り組む公益財団法人「関西・大阪21世紀協会」に寄付する。大阪府の吉村洋文知事は記者会見で「寄付くださった方々に感謝する。おかげで盛大なパレードができた」と述べた。
https://www.sankei.com/article/20240410-I23AG7PUG5J4TEH4XTQUXR7N6I/

しかし、これは大ウソで、
実際は、赤字を不正な形で補填していた。
以下は7月の集英社の記事。
〈兵庫県庁、2人目の自死を公表〉「弔慰金集めを“牛タン倶楽部”が妨害」なぜ阪神・オリックス優勝パレード担当課長の死は徹底隠蔽されたのか?

その実施準備の中核となった50代の県課長Bさんが今年4月に自死した。県は7月23日、死去から約3ヶ月経ってようやくその事実を県職員たちに明らかにした。それまでBさんの死は隠蔽を徹底するよう同僚にも圧力がかけられた。
当然、労災である「公務災害」の可能性を探る必要が出てくるが、それが行われればBさんがどのような仕事をしていたのかが明らかになる。そこで県当局は、Bさんが亡くなったこと自体を認めない行動に出る。
県関係者は「渡瀬元局長が告発した7つの疑惑のうち、パレードに絡む問題は“本丸”。もっともヤバい事案でしょう。中心となって携わったBさんの死亡の背景に関心が向くことをどうしても避けたいという考えが働いたのではないでしょうかね」と話す。
https://shueisha.online/articles/-/251154

なお、今回の選挙戦で、
立花孝志の背後にいたのも片山元副知事らしい。
知事候補全員が出演したネット番組の生中継討論会で、立花孝志候補が10月25日に片山氏が証言した百条委員会の秘密会の録音データについて「元副知事からもらった」と発言し、片山氏が立花候補にデータを提供したのではないかとの疑惑が持たれています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7855c5f4e5f0c5ea2fc2692d57bc3c3f0f7fb29?page=3



ちなみに、
内部告発をした渡瀬元局長の自殺には、
2つの原因が考えられます。

1つめは、
本人が《抗議の遺書》を残したとおり、
内部告発の弾圧に対して抗議の自殺をした ってこと。

2つめは、
百条委員会の設置にあたって、
不倫日記がバラされる局面に追い詰められた ってこと。

そのどちらか一方かもしれないし、両方かもしれません。



そして、
かりに不倫日記が自殺の原因だとすれば、
それを「バラすぞ」と言って追い詰めたのは、

斎藤知事を中心とする牛タン倶楽部の面々と、
維新の会なのだろうと思います。


けれども、維新は、
元局長が自殺した途端に斎藤知事を裏切った。
議会の側に回って不信任決議案に賛成しました。

おそらく元局長の自殺の責を負うのを恐れたのでしょう。

いわば、トカゲのしっぽ切りのように、
斎藤知事に責任を押しつけて党の延命を図ったのです。



もちろん、
不倫をするのが悪い…という見方もあるでしょうが、
弱みを握ってコントロールするのはヤクザの手法ですよね。

これは、
内部告発した元局長だけでなく、
優勝パレードの担当課長もそうだし、
それこそ近畿財務局の赤木氏もそうだけど、

はたして抗議の意思だけで自殺する??…って疑問はある。

よほど追い詰められなければ、
自殺にまでは至らないんじゃないでしょうか。

そして、
もし被害者が何らかの「弱み」を握られていた場合、
マスコミとしては、その「弱み」の内容までは公表しにくい、
…という事情もあるはずです。



立花孝志は、
「斎藤知事を応援するためだ」と言って、
さかんに不倫問題を取り上げたわけですが、

なぜか当の斎藤知事自身は、
この問題にまったく言及しようとしません。
維新も、この問題には触れようとしない。

きっと、
斎藤知事にとっても、維新にとっても、
この不倫問題はビミョーなのですね。
「この問題で元局長を自殺に追い込んだかも」
…という負い目があるからだと思います。



他方で、
マスコミがこの不倫問題を取り上げないのは、

1.死者を不必要に貶めかねないからであり、
2.そもそも政治の本質とは無関係だからであり、
3.世論が不倫問題にばかり反応しかねないからでもある。


実際、
立花孝志がこの問題を取り上げた途端に、
ネットの世論はそこだけに反応して、
県知事選での投票行動をも変えてしまいました。



不倫問題を取り上げ、
それを政争の具にするという手法は、
マスコミもこれまでに散々やってきたことです。

先日の国民・玉木代表のケースもそうだし、
古くは沖縄密約の西山事件のケースもそうです。

不倫の話というのは、
政治の本質から見れば枝葉末節であり、
いわば目くらましなのですが、
どうしても世論はそこに大きく反応してしまう。

今回は、いわばブーメランのように、
それと同じことを立花孝志にやり返され、
マスコミが敗北することになった。

そして110万人の兵庫県民も、
この不倫問題に踊らされたわけです。



現在の兵庫県政は、
けっして《正義と悪の戦い》じゃありません。
どちら側も叩けばボロが出る権力闘争の泥試合です。

マスコミを信じすぎるのもどうかと思いますが、
立花孝志のようなトリックスターを信じすぎてもいけない。

おそらく立花孝志の今回の目的は、
斎藤知事を応援することなどではなく、
彼自身の今後の活動のために、
知名度と支持を得ることだったと思います。



今回の件から学ぶべき点は何か?

選挙期間中のネット情報に対して、
マスコミは手足を縛られて無力になるということ。
なので、
ネット情報にはネット情報で対抗するしかない。

ネットの世論は、
選挙期間のわずか1週間ほどで形作られるし、
それを検証する間もなく投票日を迎えてしまいます。
かりに、それがデマや陰謀論だとすれば、
民主主義の前提が大きく損なわれることにもなる。

現在の状況で、
有権者のネットリテラシーに期待するのは無理があります。




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最終更新日  2024.11.21 03:24:57


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