まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2026.06.19
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三脚を立てて空蝉橋夕焼け ラッシュ抜け新大久保や梅雨の月 階段しか無い五月雨の旅鞄 入梅の雨音超えし地下ライブ 夕立や死守の前髪プリ一枚 左手にアキバ界隈扇風機 梅雨じめり山手線は弱冷車
6月18日のプレバト俳句。
お題は「6月の山手線」。




梅沢富美男。
三脚を立てて空蝉橋 夕焼 ゆや


地名の「空蝉橋」は季語じゃありませんが、
もともと「空蝉」も「夕焼」も晩夏の季語なので、
季節感に矛盾はありません。
ただし、兼題の「6月」からはややズレる。

なお、
連用形で「立てて」と書いたのは、

省略されてることの暗示と読めるけれど、

それは省略するまでもないことだし、
わたしなら普通に連体形で 「立てる」 と書きます。

…でも、まあ、これは良句ですね。



徳光和夫。
ラッシュ抜け新大久保や 梅雨の月


作者は、
新大久保で電車を降りて、
駅から出て月を見たらしいけど、

むしろ字面から想像されるのは、

窓の外の景色が見えるようになった場面。

東京の人がこれを読んだら、
新宿駅で多くの乗客が降りた直後に、
ホッと一息つくような瞬間だと思うはず。




階段しか無い 五月雨の旅鞄
階段しか無い 梅雨のキャリーケース
(添削後)

個人的には、
地下鉄の構内をイメージさせたほうが、
「階段しか無い」という作者の独白に、
より具体性とリアリティが出ると思うのよね。

ただし、
屋外を思わせる季語がそれを邪魔するし、
実際のところ、山手線に地下駅はないようです…(^^;

形式上の難点があるとすれば、
形容詞「無い」が終止形か連体形か判別しにくいこと。

たとえば中8ですが、
首都の梅雨 階段だらけの鞄旅

あるいは下6ですが、
首都の梅雨 鞄を引いてまた階段

のような書き方も出来ます。



トンツカタン森本。
入梅の雨音超えし地下ライブ
荒梅雨の音を超えたる地下ライブ
(添削後)

新宿のライブハウスだそうですが、
読み手の多くは、
漫才でなく音楽ライブと思うでしょうね。

過去形は避けるべきだし、

厳密にいえば、
「音を超える」という表現も曖昧です。
音量なのか、音高なのか、音速なのか。

せめて、
荒梅雨の音量超える地下ライブ

と書くべきだし、
かりに音楽ライブなら、
荒梅雨の轟音凌ぐ地下ライブ

と書くほうがいいと思う。



なえなの。
夕立や 死守の前髪 プリ一枚
前髪を死守 夕立のプリ一枚
(添削後)

中七を 「前髪死守し」 とすれば、
三段切れはすぐに解消できるけど、

夕立のなかで前髪を死守したのだから、
それはひとつのカット内に収めるべきだし、

そう考えれば、
添削句も場面の分け方がおかしくて、
夕立のなかでプリクラを撮ってるように見える。

一句一章で、
夕立を前髪死守しプリ一枚

とするのがいちばん妥当ですね。



高橋成美。
左手にアキバ界隈 扇風機
アキバ行く 手にポータブル扇風機
(添削後)

原句の字面からは、
はとバスのガイドを想像してしまう。
(はとバスに扇風機があるかは不明ですが)


いずれにせよ、
景色を見てるのなら、
「界隈」などと漠然とした書き方でなく、
もっと具体的な映像を描写すべき。

これは添削案が妥当ですが、
名詞の「行く手」と誤読されるのを避けるには、
漢字は 「往く」 とすべきかもしれません。




清水アナ。
梅雨じめり 山手線は弱冷車


弱冷車は「弱冷房車」の略語なので、
実質的な季語と考えるべきだし、
しかも、季重なりが因果関係くさい。

いうならば、
夏旺ん 山手線は冷房車

を一段階ずつ弱めたような凡句です。



▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2026.06.20 23:16:06


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