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はて、なんで? 著者の 和田誠 は数年前に亡くなった方のはずです。で、手に取って奥付を見て了解しました。 1982年 だそうですから、40年前に 講談社 から出版された本の ポプラ社 による 復刊 でした。
「???」 なのかもしれませんが、こちとらは、まあ、その時代の人間なわけで、懐かしさもあり、 和田誠 の物言いの楽しさもありで、速読(笑)でしたが、巻頭エッセイがこんな感じです。
「猫について」 一九七四年十二月巻頭のエッセイの出だし半分の引用です。後半は 桃代さん との暮らしですが、妻と呼ばれているのは平野レミさんですね。
わが家に猫が来た。
妻はこの猫の種類をアビタシオンだと言う。高級マンションのような名前の猫だなあと思ったが、よく聞いてみたらアビシニアンというのであった。そう言えば結婚した時に、いずみたく氏から蘭を贈られたのでありますが、この蘭の名をシンポジウムだと言うのですね。蘭の品種について討論でもするみたい。これも人に聞いたらシンビジウムというのだそうである。
さて、この猫だが、実は片親がアビシニアンで、どちらかが雑種なのだそうだ。ぼくはその方を好みます。名門は肌に合わない。ところでクレオパトラが飼っていた猫がアビシニアンだったそうで、アビシニアというのはエジプトの地名なのだという知識を妻はどこから仕入れて来た。妻はもうクレオパトラになった気でいるようだ。
七月十四日生まれだから誕生日を憶えやすい。しかし猫の誕生日を憶えていても役に立つかどうか。それはそうと名前であるが、妻は「桃代」と名付けたのであります。何故か妻は幼い頃から猫に対して「桃代」というイメージがあったのだそうで、もっと正確には「桃代のシン子さん」というのが適当なのだと言う。
「だって一重瞼の人はシン子さんていう感じだし、ネコは一重でしょ。どうしても洋子さんて感じじゃないもん」
と言うのだが、このへんを理解できる人は少ないのではないかと思うのですけれども。(P17~P19)
桃代はこんなふうに上むいて眠る とキャプションがついています。まあ、イラストがサイコーですね(笑)。
追記
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