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「にんげんはつよい」 とお書きになっている色紙や、 緑の木に雪が降り注いでいる美しい絵 が映し出されるのを見ながら、揺さぶられ続けです。
「わたしも哀しかったけどな、オジーちゃんはずーっとおこっとんなったなあ。」 そう語りながら、ボンヤリ病室の天井を見上げていたことです。
「つーちゃんがな、今度こそ帰って来るいうてな、おばーちゃんなあ、船がつくという知らせが来るたびに舞鶴まで行きなったんやで。私が結婚する前やなあ。あんた、岩壁の母っていう歌知っとるやろ、あの歌はホンマことやで。」 そう、語りかけながら 、あるかなきかの声でひっそりと
「はーはは きましーた・・・♪♪」 と口ずさんでいたことです。
「夢は?」 と問われた オモニたち が、困った顔で80年の人生を振り返っていらっしゃるのが、胸を打ちました。十代で体験した戦争下での暮らしも、戦後の暮らしも、ボクの母の体験などとは比べものにならない悲惨で苛酷な、夢など何一つかなえられなかった人生がスクリーンにはありましたが、ぼくは、戦死した伯父や、それを悲しみ続けた祖父母のことを、亡くなる前の晩に思い出しながら逝った母を思い浮かべながら見終えました。
アリラン アリラン アラリよインタビューは、おそらく、この詩を念頭にして行われたと思いますが、
アリラン峠を越えて行く
青い空には小さな星も多く、
我々の胸には夢も多い。
オモニたちの「夢」 を、言葉通り、 生涯にわたって、 踏みにじってきたのが、1920年代にお生まれになったときから、戦中、戦後、実は、今に至るまで、 「日本」という国 であったということは、やはり、忘れてはいけないことだと思いました。 思い出ついでに、もう一つ、ハッとしたことがあったことを書き添えておきます。
「ああー!金城センセーや!」 と噴き上げてくるものがありました。
沖縄や朝鮮の人たちの心を打ち続けて来られたのだ! ということは、初めて実感したのでした。
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