『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録 32
ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選) 18
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食習慣とおいしさの構造 “おいしさ”というは実は、個人それぞれの価値観です。そして、それぞれの感じるおいしさは、その人の育った環境や、食習慣という生活習慣に依存します。 以前もこのセミナーで触れましたが、多様な食物との接触がなければ、「おいしい」と感じるストライクゾーンは狭くなります。おいしさの構造を図にしてみましたので、下記の図をご覧下さい。おいしさには食欲を刺激する要素と後天的な価値観により感じる要素があります。満腹中枢を満たす要素は動物として要素ですので私は“餌”と表現しております。後天的に付け加えられた要素を自動車のオプションのように付け加えられたものと考えました。よく、「おいしさの8割は見た目です」という人がいます。しかし、それは、見た目が大切だというオプションの教育を受けたからです。そうでない人にとっては見た目はあまり価値がない場合があります。一方、見た目(店舗の空間)、香り、食感は誰にでもわかる部分です。わかりやすさに偏っているのが今の飲食店の傾向なのです。会報「四方よし通信」2013年3月号のコラムを加筆
2023.09.16
差し込みメニュー新商品投入とCFなどの接触による繰り返し効果 最近というか、昔からだが差し込みメニューでの新商品投入がさかんですね。その時期の行事や旬に合わせたタイムリーな魅力的な差し込みはとくにリピーターさんに喜ばれています。例えば土用の丑の日にあわせて鰻の商品投入をすると喜ばれます。 差し込みメニューはお客様の飽きに対応するためと考えますが、繰り返しの利用頻度が高い場合は瞬間を売る必要があるからです。つまり、行事や旬で瞬間を感じていただき、エンターテイメント性(レジャー性)を演出するのです。実際、差し込みメニューの繰り返し効果は高くて、お客様が蓄積してゆきます。したがって、新商品投入というよりは、ブラッシュアップしてゆくのが良いです。 また、差し込み商品をCFやInstagramなどでの不特定多数の潜在客との接触は、しばらくご来店がなかったお客様への思い出し来店を起こし、新規客の獲得も可能になります。CFは確率戦・総合戦をするマクドナルドのような大手企業にぴったりな戦略で、Instagramは日々の投稿でフォロアをある程度(1,000人以上)獲得しておけば効果が出ます。
2023.08.01
個人飲食店は高単価、劇場経営で これから、人頭税が強化されるにしたがって、人を雇うか、機械化するかの選択に迫られると思います。これから、やり方によってはとても有利な高単価の個人飲食店の開業が増えると思っています。その高単価の個人飲食店のポイントは「劇場経営」です。近いうちに講義をするので、アジェンダを作ってみました。
2023.07.01
飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次 飲食店の開業者を目指す人向けにコラムをスタートします。このページは索引としてご利用ください。第0章 はじめに(準備 基礎知識) 自分の知識や経験以上のもの(価値)は売れない 市場にないものを売ろうとするな 店舗経営には「やりたいこと(やるべきこと)を実現する」ということと同時に「資金が絶えることがないようにやりくりをする」という、ある意味二面性がある 何をやりたいかを決めるには、やりたいことに近い店を探すのが近道 飲食店の経営構造 お店のタイプ 食事需要の店 日常的な店ほどスピードが重要 時間をすごす店 劇場型の店 劇場型の店の店が成功するには 劇場型の店は人気商売 専門店と幅広くメニューを品揃えする店 専門店の強み 専門店経営のポイント 大差と微差 本当の質とは微差の中にあり、その微差は量をこなしてはじめてわかる 微差は記憶にある既知の比較が必要なのでわかりにくい第1章 メニューの知識売れちゃう商品と売ろうとしないと売れない商品マーケットインかマーケットアウトか看板商品の役割 看板商品にとって理想の出店場所は一見さんしか来ない場所おししさとは(ふたつのおいしさ) おいしさの設計 本当のおいしさとずらしたおいしさ味のインパクトはお客さんの利用頻度にあわせて品揃えの商品スペシャリテ スペシャリテは模倣厳禁商品カテゴリーと価格の幅行列ができる店の料理コース料理で最初に出す料理のポイントコース料理のつかみの料理食事需要の店のメニュー第2章 お客様づくりの基礎知識お客様の種類見込み客の来店 見込み客は失敗を嫌う 新規客の来店は見込客の発見→魅力(ニーズ)→来店誘導 買ってくれ光線 目の前の見込み客の量と質商圏 商圏を決める要素 交通手段お客様の評価をあげてお客様を増やす 新規客かどうか見分ける お客様の評価改善 お客様は既知と経験から評価する お客様の既知とおいしさの印象(おいしさ感)新規客はインパクトを求める新規客のお店の評価は減点方式リピーターを増やすには人間関係を構築するインパクトから微差へ近くの見込み客を集客するには戸別訪問(訪宅)リピーターのお客様の失客要因顧客情報は把握するがポイントカードはやらない思いだしツール 自然な接触 事務的な接触 水打ち会員制のレストラン第3章 サービスサービスの段階作業とサービス 良いサービスをするには繁盛店の心を持て来店前、来店時に予想していたよりサービスを超えるふたつのタイプのサービスホスピタリティ・サービスの現場落とし込み接客台本 接客台本とロールプレイングについて高級飲食店は得てして偏差値が高い人が相手になるので教育産業となる第4章 教育訓練新人スタッフの教育は入社日から・新人スタッフの教育の基本ステップ ①オリエンテーションを実施して仕事への意識を高める ②マニュアルをトレーニングツールとして使いながらトレーニングを実施する ③日々、進捗状況をフィードバックする第5章 空間作りクローズドキッチン、オープンキッチン汚くて高い店=うまい店外観 開放度、透視度、深度第6章物件探し物件探し家賃設定居抜きかスケルトンかスタートダッシュを狙わない目的来店の店は家賃はないほうが良い第7章 業種業態別個別的な展開法ひとまず食の店をやるなら個室のある日本料理はお祝いを攻めろ無名の高級寿司店で一見客(新規客)に高いと思わせないためにはいきなり鮑を出せカフェをやるなら内装はしっかりとした質感で蕎麦屋は古民家が良いそば屋の外観と看板客単価1万円以上のレストランを開業する場合はおいしさの落としどころを決める第8章 開業後いろいろメニューの見直しのポイント 定番メニューをブラッシュ・アップメニューブックの作り方 メニューブックのつくり方は一品完結型と多品種チョイス型で大きく異なるABC分析の結果はやり方次第で変化する第9章 経営よもやまばなし家賃の大小がそっくり利益の差になる大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才2時間の教え / 大久保 一彦 / 三笠書房 [単行本]【ネコポス発送】
2023.04.01
白露の連続講座 和食店にみる 評価される料理とは その3~会報『四方よし通信』2016年5月号より2 食べログで評価が高い和食店の料理 茶碗蒸し 2014年4月号では「茶碗蒸しで勝つ」ということで、茶碗蒸しのみをとりあげ反響をいただきました。その後も、評価の高い多くの店に参りましたが、茶碗蒸しを効果的に使っていることが多かったです。では、ふたたび、茶碗蒸しについてふれみましょう。2-1 茶碗蒸しの商品特性茶碗蒸しの商品特性は、「(日本に住んでいる人なら)ほとんどの人が食べたことがある」、「共通した商品イメージがある」、「外食(料理屋)で味わう料理というイメージがある」、「好き嫌いが出にくい」、「商品をひねればだれでもわかる」、「脇役である」が挙げられます。茶碗蒸しの料理としての特徴・ほとんどの人が食べたことがある・共通した商品イメージがある・商品をひねればだれでもわかる・外食(料理屋)で味わう料理というイメージがある・好き嫌いが出にくい・脇役である大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]お知らせ個人飲食店向けの「四方よしコンサルティング会員」を若干募集します。会費制でセッションをしながら、お店の未来実現のお手伝いをします。ご興味がある方はぜひこちらをご覧ください。
2022.09.08
CH.53 メニュー論 その36 メニューブックの原則 その13 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-3 多品種チョイス型のメニューブック チョイ呑み需要やカジュアルイタリアンなどの多品種チョイス型の店も多いでしょう。続いては多品種チョイス型の店のメニューブックの作り方を見ていきましょう。2-3-1 カテゴリー分けがすべてを決める よく、前菜、揚げ物、煮もの、サラダ、ご飯もののようにありがちな料理カテゴリーでメニューブックを作る店を多く見かけます。このようにしてしまうと新規のお客様に店の良さが伝わらず再来店に結び付かないケースが多く出ます。 新規客や利用頻度の低いお客様に店の独自性を伝えるために大切なのが“カテゴリー分け”です。カテゴリー分けをする場合は、自店のコンセプトを感じていただきながら、食べていただきたい商品をまずピックアップして、いわば自店の印象をキッチリ残すことができる勝ちパターンを考え、メニューブックに落とし込んでいきます。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.04.22
CH.52 メニュー論 その35 メニューブックの原則 その12 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-2-1 ワントップ法 名物メニューを基本的に食べていただく場合のやり方で、不特定多数の見込客が狙える場所で、二度と来るかわからない場合や一人客が多い場合に有効です。 私の在籍しておりました20年くらい前の『新宿さぼてん』の新宿本店はこのタイプで、トップを“ヒレかつ定食”、“ロースかつ定食”と“海老フライ定食”をサブに、この3アイテムで営業して、月商3000万円(月間経常利益1000万円)をコンスタントに記録しておりました。 上記は券売機を使用する立ち喰いそば業態の『瀬谷そば』のメニューをメニューブックにプロットしてみました。ご覧下さい。瀬谷観音や八福神参拝のお客様を意識して作ってみた場合のメニューブックです。 このように1+2のワントップにすれば、基本は大根そばをウリにして自然に誘導し、海老好きの客層をターゲットに海老天そば、ボリュームを求める客層ターゲットにかき揚げそばを想定して作っております。写真を大きくすることで、お客様の深層心理に無意識のうちにおすすめであることを伝えます。つまり、写真の大きさをコントロールすることで、何を選んだら失敗しないかを伝えることができるのです。
2022.04.22
CH.51 メニュー論 その34 メニューブックの原則 その11 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-2-2 新規客に対するメニューブック 初めてお店を訪れた時、深層心理には「おいしい店なのか、失敗に終わるのか」という不安があります。この深層心理は食のビジネスには非常に重要で、うどんやラーメンのようにトータルの支払額がいくらか容易に想像がつく場合はそんなに来店障壁にはなりませんが、単価が高そうな店に行くときは、人に評判を聞いたり、食べログなどのネットで調べたりして来店するため、来店障壁になります。 だからこそ食べログ対策は重要なのです。 新規客は店舗の経験がないために店のことがよくわかりませんし、人間関係もありません。この「おいしい店なのか、失敗に終わるのか」という深層心理への対応はメニューブックを作る上でも重要で、「おいしい店であること」、「失敗しなそうなこと」をメニューから伝えないといけません。そのために、多くの人が評価していることや自信を持って伝えることができるセールスポイント(“ウリ”)を主体に情報を発信します。 “ウリ”を明確に伝えることで、お客様の “決められない” という迷いを除き、深層心理にある“失敗する恐れ”を除去します。新規客に対するメニューブックのポイントです。 そのセールスポイントのメニューブック上でのフォーメーションはメニューをメインのウリ1+その他ウリ2にする“ワントップ法”と2つのウリ+品揃えにする“ツートップ法”があります。
2022.04.21
CH.50 メニュー論 その33 メニューブックの原則 その10 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-2 食事需要のメニューブック2-2-1 食事需要のメニューブックの特徴 食事需要の利用時の最大の特徴は、なじみのある業種業態でない限り、定食やセットのニーズが高いです。特にランチ需要においては、サイドメニューを品揃えしてもお客様は定食やセットを注文するために、その一品で完結することが多いです。 そのため、全メニューのバランスを何も考えないで割安で魅力的なセットメニューを投入すると、その商品ばかりに注文は集中してしまいます。だからこそ、よく注意してメニュー編成を考えないといけません。 また、一品完結型の店の場合、お客様のメニューブックを読み込む力が低ければ、無難で割安な定食やセットに落ち着きます。あなた自身や店のスタッフが、お客様を教育する能力がない場合は、この原則に則ってメニューを作らなければなりません。 食事需要のメニューブックは、あなたのターゲットとするお客様が、新規客かリピーターかでまず決まり、続いて、前回講義しました足元商圏、週末商圏、ファンタジスタ商圏なのかで分岐していきます。まずは、新規客かリピーターでの作り方のセオリー、続いて、各商圏とメニューブックの関係を講義しましょう。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2022.04.19
CH.49 メニュー論 その32 メニューブックの原則 その9 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則6 メニューブックのつくり方は一品完結型と多品種チョイス型で大きく異なる 一品完結型とは、一品を注文すると他の商品を注文しないタイプの営業スタイルで、定食屋やランチ、セット売り主体で食事需要に対応する洋食店やパスタ店などのメニュータイプです。多品種チョイス型とは、居酒屋などのアルコール主体の業種や焼肉店や回転寿司など皿数をある程度注文することを前提にメニューが組まれる店です。 一品完結型は一つの商品を注文すると他の商品を注文しないことから、何を売り儲けるのか、何を魅(見)せるのかを明確にする必要があり、プライスゾーンの下から売りたい商品、上のプライスゾーンの商品まで、全体のバランスをとる必要があります。多品種チョイス型は、買い上げ点数の予測とメニューカテゴリーの選定がものをいいます。その上で、商品階層を設定して看板商品やリピーター向けなど明確な役割付けに応じたアイテム設計が大切です。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2022.04.19
CH.48 メニュー論 その31 メニューブックの原則 その8 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則5 メニューブックに説明を加えれば加えるほど事後評価は低くなる 書かずにおいしさ感や“何か熱いパワー”が伝わるのがいいメニューです。そして、先にも触れましたが、“大久保流メニューブックの説明”はお客様の食の知識を超えない方がいいので、説明の内容は書かなくてもわかる範囲となるはずです。 もし、書かなければ伝わらないとすれば、特徴づけをしようとしている(独自性を出そうとしている)おいしさが先の〝おいしさのチャート“の上位に位置するパーツ(調理技術の差、生産者の違い、品種の違い)か、そもそも商品自体が平凡なメニューと言えるでしょう。 無理に伝えようとすると嘘に聞こえます。“情報はコントロールしようとすればするほど、嘘に感じる”という情報の大衆化時代の原則を常に頭に入れて下さい。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.04.18
CH.47 メニュー論 その30 メニューブックの原則 その7 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則4 お客様がメニューブックを読み込むには訓練が必要である 日常生活の食事であまりなじみのない料理を売りたい場合、まず接触を通じてお客様にそれなりの既知や経験を与えて、お客様がメニューブックを読み込めるように訓練しないといけません。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2022.04.17
CH.46 メニュー論 その29 メニューブックの原則 その6 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則3 メニューブックには直観型と想像させ読み込む型がある メニューブックの作り方には直観的なメニューブックと想像させ読み込むメニューブックがあります。どちらがいいとは一概に言えませんが、店の利用シーンに合っていればいいメニューブックとなります。 直観型は写真やキャッチコピー、商品名など中心に表現して、「これ」という感じで決めるメニューです。メニューブックは一枚ものの方が品数(選択肢)の多さを感じないのでいいです。カウンターサービスやランチなど店のビジネスモデル上、セット(定食)主体の一品完結型でメニュー選びに時間を要しない状況下に有効です。 利用シーン的に衝動的にメニューを決めるため、セットに自然と誘導されます。また、売りたい高い単価の商品の写真を大きなものにすれば、こちらに誘導することもできます。 想像させ読み込む型は、行間を大切にして余計な説明を加えないメニューです。メニューの行間を読むには食に対する経験や知識から派生する想像力が必要であり、外食経験豊富なアッパーな客層を狙う時に有効です。もし、説明を加えるのであれば、客層の知識の範囲内に収めるのがいいです。 そして、未知なる知識は顧客の求めや興味(必ず聞いてきます)に応じて、スタッフの接触を通じて講義(教育)するのがいいのです。 この想像させ読み込むタイプのメニューブックは、商品力が極めてあり、事後評価が高く誘導できる店の場合に極めて有効です。逆に、商品力がない店の場合はお客様の事後評価が極めて辛辣なものになることが多いため、あまりおすすめできません。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2022.04.17
CH.45 メニュー論 その28 メニューブックの原則 その5 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則2 お客様はメニューブックのメニューを無意識に決めるお客様がメニューブックからメニューを選ぶ時は無意識に選ぶため、行動心理学の理解が重要です。つまり、お客様の行動にはパターンがあり、とくにメニューという道具を利用する時にはある法則にしたがって選ぶのです。このパターンを頭に入れてメニューを作りましょう。 メニューブックにおける行動心理学・新規客は失敗を恐れるので、その商品を選ぶ時に決め手となるわかりやすい判断材料がないと定番を選ぶ。・選ぶメニューはその店の来店経験で変わり、店のことをあまりよく知らない人は、差し込みメニューや写真の大きなものを選ぶ。いろいろ迷うと結局は無難な定番を選ぶ。・松竹梅の方が選びやすいし、真ん中の価格が売れる大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2022.04.15
CH.49 メニュー論 その27 メニューブックの原則 その4 ~『四方よし通信』2015年6月号より原則1 単なるメニューの入れ替え、メニューブックの変更では新規客は増やせない よく、私たちコンサルタントに仕事を依頼いただくときに、「メニューを変えれば売上が上がる」と思い込んでいらっしゃる方を多く見受けます。しかし、特に短期間で劇的に業績を変えたいと思っていらっしゃる方にとって、メニューブックのみでの新規客の開拓は難しいと言えるでしょう。こと、特徴のない店ならなおのことです。必ず、新規客に発見されるアクションを伴わないといけないのです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.04.15
CH.48 メニュー論 その26 メニューブックの原則 その3 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-1 メニューブックの原則原則2 お客様はメニューブックのメニューを無意識に決めるお客様がメニューブックからメニューを選ぶ時は無意識に選ぶため、行動心理学の理解が重要です。つまり、お客様の行動にはパターンがあり、とくにメニューという道具を利用する時にはある法則にしたがって選ぶのです。このパターンを頭に入れてメニューを作りましょう。 メニューブックにおける行動心理学・新規客は失敗を恐れるので、その商品を選ぶ時に決め手となるわかりやすい判断材料がないと定番を選ぶ。・選ぶメニューはその店の来店経験で変わり、店のことをあまりよく知らない人は、差し込みメニューや写真の大きなものを選ぶ。いろいろ迷うと結局は無難な定番を選ぶ。・松竹梅の方が選びやすいし、真ん中の価格が売れる大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.04.14
CH.47 メニュー論 その25 メニューブックの原則 その2 ~『四方よし通信』2015年6月号より2-1 メニューブックの原則原則1 単なるメニューの入れ替え、メニューブックの変更では新規客は増やせない よく、私たちコンサルタントに仕事を依頼いただくときに、「メニューを変えれば売上が上がる」と思い込んでいらっしゃる方を多く見受けます。しかし、特に短期間で劇的に業績を変えたいと思っていらっしゃる方にとって、メニューブックのみでの新規客の開拓は難しいと言えるでしょう。こと、特徴のない店ならなおのことです。必ず、新規客に発見されるアクションを伴わないといけないのです。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2022.04.14
CH.46 メニュー論 その24 ~『四方よし通信』2015年6月号より2 メニューブック2-1 メニューブックの原則続いてはメニューブックについて見ていきましょう。代表的なのは下記の六つの原則です。この六つの原則について詳しく見ていきましょう。 原則1 単なるメニューの入れ替え、メニューブックの変更では新規客は増やせない。原則2 お客様はメニューブックのメニューを無意識に決める。原則3 良いメニューブックの表現法には、“直観的なメニューブック”と“想像させるメニューブック”がある。原則4 メニューブックを読み込むには訓練が必要である。原則5 説明を加えれば加えるほど事後評価は低くなる。原則6 メニューブックのつくり方は一品完結型と多品種チョイス型で大きく異なる。 つづく大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2022.04.14
CH.45 メニュー論 その23 メニュー編成手順 その2 ~『四方よし通信』2015年6月号よりSTEP1 新規客をつかむメニューを決める まずは、立地の状況に合わせて新規客のつかみとなる看板商品を決めます。・定食パターンの一品完結の店の場合 “1アイテム”、“1VS1”、“1VS1+1”、“1+2”の編成で1~3のアイテム考えます。・コースやデギュスタシオンの一品完結型の店の場合まず、一番価格の低いコースを定めます。そのコースの最初のつかみ料理、中間の料理、ダメ押しの料理、デザートに看板料理を組み込みましょう。その上で、増やしたラインナップに違いを設けます。例えば、焼肉屋でしたら、『SATOブリアン』のようにつかみで“ビーフシチュー”を出す、あるいは、『東京苑』のように“和牛炙り握り”を出すなどです。中押しには、和食でしたら福岡市薬院の『千翠』などのように“グルメ茶碗蒸し”がいいでしょう。ダメ押しは和食なら基本、“土鍋ご飯”です。『千翠』のように、一杯目穴子丼、二杯目しらす丼、三杯目おにぎりという方法も面白いです。 ちなみに、神保町の『傳』では“フォアグラ最中”→“傳タッキーフライドチキン”→“土鍋ご飯”となっていますね。・多品種チョイス型 カテゴリーを決めて、3~4アイテム配置する。 基本的には、“1VS1”、“1VS1+1”“1+2”のように優先順位を考える。STEP2 ある頻度で数回来店したら流れる枝葉の定番の精度上げる 特に初回来店は看板商品で終わってしまうことが多いですが、気に入っていただき、二回目、三回目と定番アイテムに流れて、店の評価をしようとします。そのため、お客様がさりげなく注文するアイテム(私の言う“売れちゃう商品”)を予想を上回るくらいに精度を上げます。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2022.04.13
CH.44 メニュー論 その22 メニュー編成手順 その1 ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-3 メニュー編成手順 料理人がメニュー構成を作ると、出したいメニューをまず書き出して、商品化しようとします。そして、原価が高いとか、味がまとまらないなど、うまくいかない料理を抜いていこうとします。 2000年くらいまでならこのやり方で良かったと思いますが、このような自分本位のやり方ではお客様を増やせないのは、これまでの講義でわかっていただけたと思います。続いては、お客様を増やすメニュー編成手順を見ましょう。つづく大久保一彦の本【中古】 なぜか行列のできる飲食店の法則 味・値段・立地は関係ない! / 大久保 一彦 / PHP研究所 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2022.04.13
CH.43 メニュー論 その21 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-4-2 顧客教育をするメニュー 人間関係を築いた顧客の一回の来店でお客様が学べるのはせいぜい3テーマです。できれば、未来像に向けて、ひとつのテーマをしっかり掲げて、しっかり学んでいただきます。 『第三春美鮨』では、寒鮃の〆方のうまさ違い(活〆と浜〆)、シビ(本鮪)の熟成の違い(熟成4日目と熟成10日目)、かつての栄光江戸前の青柳に味が近い三重県大淀(おおいず)と北海道の野付の青柳の食べ比べ、細魚とかんぬきの旨さの違い、とり貝の蒸しと炙りの対比、蝦蛄の雄雌の食べ比べなどが勉強でき、楽しんでいます。 『ラフィネス』では、2種類のワインの対比を行います。よくある料理に対して2種類のワインを提供しての対比はもちろんですが、エグリ・ウーリエ(シャンパーニュ)の対比(杉本敬三シェフがフランスからハンドキャリーで持ち帰ったものと、日本の正規輸入品の対比)、ニュイサンジョルジュをグラス(リーデルのビノムとハンドメイド)違いで対比などを行います。顧客教育を行う場合、基本的に、ワインの種類や魚種などを少しずつ覚えていただき、かなり時間がかかりますが(いや、辿りつくことはないと思いますが)、最終的に種類指定ができるところを目標に行います。基本的な展開方法は、上記事例のような二品同時対比がいいでしょう。『第三春美鮨』の2017年7月の鮑の二種同時対比
2022.04.12
CH.42 メニュー論 その20 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-4-1 季節の顔のメニュー 食材は日々移り変わります。気象や人知で計り知れない要因で日々変わり、同じものはありません。そして、瞬間があります。通えば通うほど微差がわかり、その微差の認知はさりげない日々の変化の喜びの認知であります。 同じ料理を出していながら、同じではない。その料理を見て「ああ、一年経ったな」と感慨にふけることができる料理であり、私の好きなミュージカル『オペラ座の怪人』が“悲しみのファントム”とか、“怒りのファントム”とか“愛のファントム”のように演出が変わるように、昨年とは少し趣を変えて提供された微差を謎解きのように楽しむ、常連ならではの良さがあります。そのお知らせが届いた時の感動を提供するのです。『鮨行天』のマグロ。マグロは季節により変化する。その変化する材料のポテンシャルを見極め、シャリを工夫して、握り方を工夫。それがわかるのが通う客の楽しみである。
2022.04.12
CH.41 メニュー論 その19 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-4 常連のお客様に生涯顧客として来店していただくためのメニュー 『菜根譚』に「春の花、夏の涼風」という私の好きな一節があります。ありふれた日常の中に喜びを見出すことほど幸福で贅沢なことはありません。食材は日々変化しており、その変化が驚きや楽しさやありふれたものの中にある贅沢を演出します。飲食店は食環境を整え、お客様の食の楽しさを育む教育産業なのです。 つまり、生涯顧客関係とは、教育産業として信頼関係を維持しながら未来像で結ばれ、お互いに学び心を育むことです。このような要素に裏打ちされた料理が常連のお客様に生涯顧客として来店いただくためのメニューです。 具体的には、ひとつは思い出しハガキを送るための季節の顔となる料理と、もうひとつは顧客教育をしながら未来を共有する料理です。本日のおすすめ[決定版]菜根譚 [ 守屋洋 ]
2022.04.11
CH.40 メニュー論 その18 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-3-2 お客様の信頼を得るメニューのつくり方 このお客様の信頼を得るメニューの役割は、様々な利用シーンで使えることや、奥深さの片鱗を感じていただきます。店の未来像に合わせて5~10アイテムを作りましょう。 例えば、私のコラムや書籍によく登場する『東京苑』を例に話しましょう。 『東京苑』は“元祖10秒ロース”、“3秒ロース”、食事メニューの独自性ある目の前でスープを入れる石焼海鮮リゾットが看板商品で、これらはとても有名ですね。しかし、この第二階層のメニューもすばらしいです。例えば、コースに入ってくるドライアイスで演出された霜降りの盛り合わせ、デザートの牛乳瓶で提供される“絶対プリン”、“元祖10秒ロース”、“3秒ロース”の陰に隠れておりますが通常のカルビ、白トリュフがのっているわけではないが“白トリュフハラミ”(ハラミのことです)、生レバー、ホルモンなど王道のアイテムが秀でています。多くの店はこちらを収益商品にしておりますが、実はこれら定番商品の水準の高さがとても大切です。 そして、常連客からのサポートを得るべく、常連だけが知っているメニューも用意しましょう。 例えば、『東京苑』には、今や人気焼肉店での定番と言えます“炙り牛トロ握り”に裏メニューでフォアグラを載せてくれます。このように、常連が言うとやってくれるメニューが、まさに常連にかけ上ると素晴らしいという未来を見ることになり、信頼を得る手段となるのです。 『東京苑』の他にも一ツ星の予約のとれないフレンチレストラン『ラフィネス』の“フレンチの技法を駆使したラーメン”や、阿佐ヶ谷の人気焼肉店『SATOブリアン』の“シャトーブリアンのカツサンド”や“ぶり丼(シャトーブリアンと雲丹の丼)”などがこの位置づけの料理にあたります。『東京苑』の握りに常連オプションでトリュフをのせたもの
2022.04.11
CH.39 メニュー論 その17 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-3 お客様の信頼を得るメニュー1-3-3-1 お客様の信頼を得るメニューとは ほとんどの店は店を構えた段階で商圏(お客様がやってくる範囲)が決まります。したがって、看板料理でお客様がついたからと言って、安心するのはまだ早いです。 一般的にインパクトのある商品であればあるほど飽きにつながります。そして、多回数経験で情報の鮮度を失い、自然消滅しかねません。生涯顧客になっていただくべく、店の可能性を見ていただく王道の商品のすばらしさを見ていただきます。これがお客様の信頼を得るメニューです。 合図は、「何か(看板商品の他に)ありますか?」です。「何かありますか?」は初回来店客が心配のあまり「お勧めは何ですか?」と聞いているのとは違います。生涯顧客になるかどうか、試験しているのです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.04.10
CH.38 メニュー論 その16 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2-6 看板商品(つかみのメニュー)はいくつある 看板商品の数の設定は立地から来る客質の要素が大きいです。まず、不特定多数の人がひっきりなしにやってくるのであれば、一つで十分でしょう。また、遠方からの集客が主で、いわばファンタジスタ商圏が成立する店で利用頻度が低ければ、少ない方がいいでしょう。 しかし、多くの店は限られた商圏で限られた見込み客を相手に商売するわけですので、繰り返し来店でないと成立しないことになり、その場合は強弱をつけて三つくらいの用意した方がいいでしょう。また、飲食店が共卓という性質を持つことら、ファミリーやグループで利用することが前提のテーブル数がある飲食店も強弱をつけて三つくらい用意した方がいいでしょう。複数の看板を用意する時は、カテゴリーが違うアイテムや利用動機や方向性の違うアイテムを品揃えすることが理想です。 方法論としては、ワントップ法、商品特性のコントラストがあるタイプの2アイテムでvs法、1+2法があります。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.04.10
CH.37 メニュー論 その15 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2-5 コンセプト商品 コンセプト商品というのは、大衆層を広く狙うというよりは、食文化の既知や経験を豊富に持つ少しアッパーな層のお客様を狙う方法と言えます。 基本的には、明確な社会的意義やミッションを込め、“未来像”を掲げた飲食店に向きます。したがって、外食産業成長期によしとされた外食ビギナー狙いの要素は弱くなり、絞り込んだお客様をターゲットにしないといけません。 見込客をターゲティングしたら、ターゲットに対して明確な未来像(ミッション、ビジョン、理念、想い)を掲げます。そして、その未来像で共鳴(エンゲージメント)して、店、スタッフ、お客様、サプライヤーという関係を超えて、未来像実現のための情報を共有してお互いに学び合う必要があります。言わば、未来共同体(パブリック・エンゲージメント)と言えるでしょう。 サザビーリーグとパートナーシップを組み日本に上陸するバリューハンバーガー・チェーン『Shake Shack(シェイクシャック)』は、インアンドアウトバーガーより深化したハンバーガー・チェーンで、抗生物質を使っていないローカルな牛をコンセプト商品に絶大な支持を得ています。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2022.04.10
CH.36 メニュー論 その14 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2-4 スタッフとお客様の接触を作ることで看板商品にする 外食産業が急成長した時代は、効率追求をするために、できるだけスタッフとお客様の接触回数や接触時間を減らしてきました。この右肩上がりの時代の時流と逆行して、料理とスタッフとの接触を意図して組み合わせて看板商品にするというのが今の時代の流れになりつつあります。お客様に近づくには効果的な方法ですので、まさに成熟した外食産業ならではのものと言えるでしょう。 一方、接触を通じて関心に関心を持つことでお客様との距離感を縮めたり、顧客教育ができるのもいいところがあります。しかし、この接触の仕組みづくりは誰にでもできるわけではありません。非効率な方法ですし、接客台本を作りロールプレイングに落とし込まねばなりませんので、困難が伴います。この点が大衆チェーン企業を低価格マーケットでしか商いをできなくさせてしまっておる原因であり、消費税増税後、3分の2に当たる店が前年割れをしている(二極化を加速させる要素)のもうなずけます。お客様の目の前で仕上げる『ラ・フィネス』の杉本敬三シェフ。
2022.04.10
CH.35 メニュー論 その13 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より 1-3-2-2-3 切り方や調理法の工夫でのインパクト 商品に大きなインパクトを出すために“切り方や調理の工夫で、ありがちな味や食感に意外性を出す”というパターンがあります。 切り方などの調理の工夫でありがちな味や食感に意外性を持たせるためのアプローチには「非常識な厚さで食後感アップ」、「非常識な薄切り、切り刻み」、「秘宝を忍ばせる」、「非常識な温度で提供」、「調理行程のコペルニクス的転換をする」、「ありふれたアイテム(脇役)を利用シーンの絞込みをして唸るようにする」などがあります。お客様に明確に伝わる価値観の違いという要素を看板商品につけなくてはならないのですが、そうするとなんらかのデメリットが出てしまうことがよくあります。 例えば、厚い豚カツを出したいが、大きな会社で会議をしますと、分厚いと提供にあまりにも時間がかかり不満を招くというデメリットに着目する人が必ずいて、最終的に会議ではオペレーション的な理由で商品投入が見送られることが多いです。「お客様から『料理が出てこない!どうなっているんだ!』と聞かれたらどうするんですか?」という現場の意見に弱気になってしまうからです。全員を満足させるメニューはお客さんを呼ばないわけです。 ちなみに、非常識な温度とは、本来は暖かいものを冷たく、本来は冷たいものを暖かく出す手法です。ベースの料理がカレーや茶碗蒸しのように非常に馴染みのあるものであれば、タイミングがよい時に投入することでヒット商品になることが多いです。『東京苑』の“3秒ロース”。今では当たり前になった、薄く切ることで商品に特徴を出した。“3秒ロース”という商品名は薄さを伝えるにはわかりやすかったです。
2022.04.10
CH.34 メニュー論 その12 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2-2 見た目からした組み合わせの妙(ありそうで無かった組み合わせ) そのもの自体はよく食べるのですが、異様とも思える変わった組み合わせはインパクトがあります。“組み合わせの妙”というやつです。 その一方で、組み合わせが普通であると、他の店との違いはわかりにくく、思ったようには認識されません。食べた人が持っている食文化の尺度と大きな違いを生み出す何かをつくる難しさであり、この明確な違いが提供されないと違いを認識できないからです。 例えば、若竹煮。私は大好きで、若竹煮に瞬間を感じますが、食の既知や経験が高くない人にとっては、逆にふつうに感じてしまうかもしれません。 あまりない組み合わせは、好き嫌いが発生するものの、個性となります。フランスモンペリエの『ジャルダン・デ・サンス』のスペシャリテ“オマールエビと鴨の燻製マンゴーとの出会い”はインパクトがあります。
2022.04.09
CH.33 メニュー論 その11 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より参考 グルメ食材ちなみに、“グルメ食材”とはマスコミのグルメ番組で重宝がられているわかりやすい食材で、ブランド化され世間一般に高級食材と認知されているものです。例えば、本マグロやA5の和牛といっても、プロの目からは大して差はないし、時として絶対いいとも言えませんが、ほとんどの消費者はグルメライターではありませんので、銘柄がない・ブランドが弱い産地の食材は2枚落ちぐらいの効果になってしまいます。そもそもなぜブランド化するかというと、盲目的に「いいものだ」と錯覚してくれると言う面があることは否めないでしょう。したがって、看板商品を考える時には、単なるA5よりも、威光効果を使える超有名和牛の方がいいのです。『うかい亭』のような超有名でなければ、まずわかりやすいグルメ食材を活用して、おいしいことをすり込んでいかなければ見込み客が限定されます。 グルメ食材例・大間産の本マグロの大トロ ※本鮪<<<大間の本鮪<<<大間の本鮪大トロ・松阪牛、飛騨牛、九州であれば佐賀牛、米沢牛などの有名な銘柄のA5・伊勢海老、鮑、蟹、雲丹、鱶鰭・ノドグロ(赤むつと表現してはいけない)、金目鯛・フォアグラ、キャビア、トリュフ ・松茸『東京肉しゃぶ家』のしゃぶしゃぶのお肉は、日本でもトップ生産者のひとりで会員でもある上田伸也氏の「但馬玄」です。融点が13度のお肉は脂も肉も味わい深いです。だからグルメ食材をのせる必要はありません。ものたりない人はタレがお好きなのでしょう。
2022.04.09
CH.32 メニュー論 その10 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2-1 インパクトある見た目 「味のわかる人はほとんどいない」とするならば、誰にでもわかることはないか、ということでそのひとつの方法が見た目でわかるようにすることです。実は、昔から看板商品のパターンで一番多いものと言えるでしょう。 繁盛店のオーナーは「味がわかる人はいない」という達観をしたのかもしれません。修業をした料理人は嫌がりますが、ものを見る目(食文化の多様な価値観)を必要としない看板商品作りのこの手法は幅広く見込み客を想定できるためかなり効果的な方法であり、料理開発の要素も少なく、再現性も高いことから現実的なやり方です。 代表は会員でもあります福岡の森さんの『パロマグリル』の“バーニャカウダー”や『魚男』の“刺身の階段”です。ただし、真似されれば陳腐化していきます。開発段階においては、原価率を圧迫しないように工夫することが大切です。ただし、尼崎市出屋敷の『味楽園』の骨付カルビのように、あまりにも原価がかかる入手困難なものは参入障壁になります。 インパクトある見た目の展開方法には、私たちが“デカメニュー”と言っている“常識外の大きさ”、“ありえない食器”、“グルメ食材をふんだんに使う”、“常識外の形状”の四つがあります。インパクトある見た目の看板商品を考える場合は、原価率を考えすぎると魅力的な商品ができないために、出数×原価を販促費として計上することがポイントです。余呉湖の人気オーベルジュ『徳山酢』の熊の提供も迫力あるプレゼンテーションで提供されています。
2022.04.09
CH.31 メニュー論 その9 看板商品(つかみのメニュー)のパターン ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2-2 看板商品(つかみのメニュー)のパターン 私は、食べログで高評価の店や繁盛店をあまりにもたくさん見てきました。この体験を通して、看板商品づくりにはパターンがあることを知りました。このことは、すでに2012年10月号で特集して、2014年に発売した著書『非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール』に収録しました通り、“インパクトある見た目”、“見た目からした組み合わせの妙”(ありそうで無かった組み合わせ)、“切り方や調理法の工夫でのインパクト”、“スタッフが接触する”、“コンセプト商品”の五つに私は集約しました。 今回は著書発売から一年経っていますので、少しバージョンアップして講義します。続く大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.04.09
CH.30 メニュー論 その8 つかみのメニュー ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-2 看板商品(つかみのメニュー)1-3-2-1 看板商品(つかみのメニュー)の役割 見込み客を来店させるために、あるいは新規客を顧客として再来店していただくためには、店の独自性と価値――すなわち、「ここでしか体験できない」、「わざわざ来る価値がある」ということを伝えないといけません。そのときに役立てたいのが、“わかりやすい”つかみになるメニュー、すなわち、看板商品です。 しかし、「味が(最初から)わかる人はいない」と私が口癖のように言うように、あまりにもマニアックな部分を追求すると多くの人を真の目的、すなわち、自分たちの未来像に結びつけられません。「正論を振りかざす者は、正論にたどりつかない」という普遍の真理があるからです。 ではどうするのかというと、多くの人がおいしいと感じるストライクゾーンの広い料理を看板商品に仕立てて、まず信頼を得ます。そして、店とお客様の関係が師と生徒として進められるタイミングになったら、正論を小出しにするのです。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2022.04.09
CH.29 メニュー論 その7 ~『四方よし通信』2015年6月号よりメニューの情報の階層◎一次階層のメニュー・・・・新規客をつかむためのメニュー、看板商品 わかりやすく、この店でしか体験できないことを海馬に焼き付ける必要が あります。◎二次階層のメニュー・・・・初回来店で気に入っていただき、そのお客様がファンになる途上に対応するメニュー。・初回や来店経験が低い段階で、お連れの方が来店を否定しない逃げになるメニューも含める。◎三次階層のメニュー・・・・常連のお客様に生涯顧客として来店していただくためのメニュー 未来像を共有するメニュー、顧客教育プログラムのメニュー・多回数経験者を失わないためのメニュー 個別対応、裏メニュー大久保一彦の本【中古】 非常識に稼ぐ飲食店がやっている「最高のチーム」を作るルール /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.04.08
CH.28 メニュー論 その6 ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3-1 メニューの“情報の階層”とは まず、初回来店のお客様、何度か来たお客様の特徴を下記に列挙しますのでご覧下さい。新規客の特徴①新規客は、すばらしいことよりも失敗しないことに重きを置く。失敗を怖がる。 そのため、同じ条件下では定番メニューを選ぶ傾向がある。②新規客は、レジャー性が高い利用シーンほど、食べログのような口コミサイトを見る。 →わかやすくつたわりやすい商品構成のメニューが重要となる③新規客はあまりものごとが見えない。④新規客のほとんどは、看板商品を求め、わかりやすいインパクトに弱い。⑤新規客は、物事を一瞬で判断する傾向が強く、ほとんど再来店しない。⑥新規客は、“悪の心”(まゆつば的見方、あら捜し、減点法、店を信用しない)でものごとを見る。⑦新規客の多くは“食べ歩き”に興味があるが、おいしい店を探して持ち店にすることを 求めていない。⑧新規客はさりげない接触が好きである。⑨目的性の高い新規客は情報発信したい。 ただし、ほとんど覚えていないので、おもち帰りになれるお品書きを用意することが功を奏し、評価アップにつながる。 何度か来店されファンになる途上のお客様①二度目の来店、三度目の来店のインターバルがあると看板商品を注文する傾向がある。固定メニューがないとお客様をつかみきれないのはここにある。②ある程度のインターバルで数回来店すると、次第にいろいろなことが見えるようになるし、疑問点も出てくる。③お客様は店のスタッフと近しくなりたいが、なかなかそういう行動に移れない。④お客様は覚えていることが嬉しい。食べた料理まで覚えていればさらに嬉しい。『日本橋橘町都寿司』の杉田オーナーのように、お客様を覚えていて、名前で呼ぶと効果的である。⑤看板商品に満足して、何度か利用されるような信頼を得たお客様は、違うメニューを選んでみたいとは思っている。何度か来店されているのに「おすすめありますか?」と聞くお客様は次のステップ(ファン客)になる準備ができたということ。 この質問に看板商品をおすすめするとファン客にならない。場合によってはお客様を 失う。⑥何も言わずに、枝葉のメニューを注文することがある。 したがって、どのアイテムも隙がないくらいに完成度が高い店はお客様を失わない。 ファン客の特徴①ファン客は店側が思っている以上にいろいろなことが見えており、客観的に評価している。②ファン客は未来像を共有したい。 人は誰でも未来の楽しみがない店が嫌いである。③ファン客は学びを求める④ファン客は“瞬間性”のあるメニューに魅力を感じる。⑤ファン客には得意客と贔屓客がある。⑥ファンになったお客様は、“善の心”で料理を評価する。 上記の違いを見ていただけばおわかりかと思いますが、お客様の店への利用回数、頻度、熟知度などによってお客様の求めるものが違うわけです。したがって、お客様と店との距離感(利用回数、頻度、熟知度など)に応じてしかるべく品揃えし、メニューブックに表現をする必要があります。これらの違いを明確にしていくメニューづくりが、メニューに情報の階層をつけるということです。ちなみに、私は、下記のように一次階層のメニュー、二次階層のメニュー、三次階層のメニューと表現しております。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.04.08
CH.27 メニュー論 その5 ~『四方よし通信』2015年6月号より1-3 メニューに情報の階層をつける 前項“一品完結型と多品種チョイス型”の講義のように、お客様の利用動機は様々あり、メニュー作りはその利用動機ごとにしっかり考え込まれていないといけないことがわかっていただけたかと思います。そこで登場するのがメニューに“情報の階層をつける”という考え方です。続く大久保一彦の本【中古】 善の循環経営 人口減少時代を生き抜くメソッド /大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.04.03
CH.26 メニュー論 その41-2 多品種チョイス型(アラカルト型) 多品種チョイス型とは、いくつかのアイテムを自分自身で自由に選び、メニューを組み立てるものです。オーダーメイドのテーブルづくりと言えるでしょう。 しかし、私が品種選定を顧客教育の目標にしていることからおわかりかと思いますが、自分で数ある料理(商品)の中から一品をチョイスすることはとても難しいものです。特に、来店経験が少ない店では、来店経験がある程度多い店と比べ、わかりやすいメニューを選ぶ傾向があります。そのため、他店との違いを感じず、再来店に結び付かないケースも多いのです。どう海馬の記憶に収まるつかみの看板商品をつくることができるかは、成熟の時代は店の存続に関わる問題なのです。~『四方よし通信』2015年6月号より大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.04.03
CH.24 メニュー論 その3 ~『四方よし通信』2015年6月号より1-1-2 一品完結の予算考 例えば、ランチなどは明確に上限価格が決まっていると思います。同様に、寿司店ならいくらくらいまで、ステーキならいくらくらいまで、焼肉屋ならいくらくらいまでと決まっているものです。 一品完結型の店の予算は、日々のランチのように、利用シーンが日常的であればあるほど(生活に密着していればいるほど)、シビアになります。また、身近な店であればあるほどシビアになります。 新規客は価格を非常に意識しますので、一品完結型の定食、セットメニュー、コースをチョイスすることが多くなります。そのため、有名店ではない店が、看板商品を外してセットメニューを組み立てると「本当は売りたい商品」を注文に結び付けられず、お客様が増えないという現象に陥るケースがままあります。大久保一彦の本誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2022.04.02
CH.24 メニュー論 その21-1 一品完結型1-1-1 一品完結型と三つのパターン 多くの利用シーンでお客様は暗黙の予算、あるいは会合などの明確な予算を持っています。そのため予算内に収まるべく、組み合わせになった予算が明確なメニューを選ぶ傾向が高いです。このようなメニュー体系を一品完結型と言います。大きく分けると下記の三つのパターンに分かれます。一品完結の三つのパターン①定食型 メニュー選びは暗黙の予算に左右されます。日々の購買活動が習慣化あるいはパターン化されていることに起因して発生するもので、無意識のうちに「高い」と思わない範囲で商品を選ぶ習慣から来るものです。②コース型 メニュー選びは経験値による予算(その個人の財布の大きさ)に左右されます。その個人の財布の大きさとは、過去の体験のすばらしさから、レジャー的に利用した店での経験に基づく予算を示し、食事需要にもなる蕎麦、パスタなどを扱う店ではコースがこの予算にかなわないと単品で完結することもあります。単品が出る場合は、コースに飛び込む恐怖感の除去が大切で、まずは単品で満足いただき顧客教育をするか、単品をメニューから排除する必要があります。③デギュスタシオン型(テイスティングメニュー型、おまかせ型) メニュー選びでは、特別な日など非日常の利用における最大限許される金額の範囲で、失敗しないセットであるかどうかの印象に依存します。デギュスタシオンに誘導するには事前の情報活動(有名シェフ、有名店、口コミ)と、店から伝わる自信(他のメニューを捨てる勇気)が必要です。
2022.04.01
CH.23 メニュー論1 メニュー論 飲食店の利用動機には、食事目的にした利用とレジャーに重きを置いた利用、そして日常的な利用と非日常(ハレ)の利用があり、メニューの構成にあたってはこのことを頭に入れないといけません。また、初回来店で店のことがわからない状況なのか、その店や同じような業態をよく利用しての来店なのか、あるいは業態のシステムのことを熟知している状況なのかでメニュー選びも変わります。このような要素が複雑に絡み合い、メニュー選びという消費行動になります。メニュー選びのパターンは大きく分けると、一品完結型と多品種チョイス型に分かれます。
2022.03.31
社員に掃除を徹底させて、善の心と悪の心をふるいにかける 2009年の『日本経営合理化協会主催・店舗見学セミナー』で、故一倉定門下生の方の店でお話を伺いました。 一倉先生は「事業経営の成否は、社長次第で決まる」という信念から、社長だけを対象にして情熱的に指導した異色の経営コンサルタントで、空理空論を嫌い、徹底して現場実践主義とお客様第一主義を標榜されました。このローカルのチェーンでも、そのマインドがしっかり根付いていました。30年ほど前に100店舗100億円というキャッチフレーズを掲げ拡大路線を歩んでいた同社は、途中で躓き、債務超過に陥り、一倉先生のご指導に託されました。 債務超過にもかかわらず社員も大量に採用していましたので、リストラの必要性がもちろんありました。しかし、一倉先生はまず人を辞めてもらうのではなく、徹底的に店舗の至る所を清掃して、ピカピカに掃除をさせたそうです。 経営不振に陥っているにも関わらず、「掃除をやれ、掃除をやれ」と言うわけですから、「社長は何かの宗教にはまった」などと言って、多くの社員が会社を去って行きました。 しかし、残った社員は社長を信じてついていくタイプばかりで、朝から晩まで無我夢中で働きました。会社の中に、会社や仲間のことを大切に思うスタッフだけが残ったので社内の結束も固まりました。 この話を聞いて、私は「一倉先生は、善の心と悪の心のスタッフをふるいにかけたんだな」と思いました。つまり、善の心を持った社員とは、「今一緒にいる仲間と将来も一緒にいたい」という長期的な価値観を持っている人、悪の心の人は「自分が損したらどうしよう」という短期的な価値観を持っている人です。人は会社の苦境などの逆境に直面すると、この2つの心のどちらが強いのかが見えます。それを掃除をさせることでふるいにかけたのだと思います。 このチェーンは掃除を徹底したことで、社員の数も自然にスリムになりました。そして、ある店舗の成功で一気に経営は改善されます。そして、これ以降は、たまったキャッシュで出店するようになりました。このチェーンが債権バブルの時代であっても元気なのはこの無借金経営が大きいのです。「善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]」より
2022.03.31
CH.23 開業するときは配偶者がどこまで関わるか決めておく 中、高年で開業が増えています。 そんなとき、配偶者はどこまで関わるかを決めておくことが重要です。経理だけ、DMの発送、店に出てサービスをする、一緒にかんがばる。最初から決めておきましょう。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2022.03.30
CH.22 機会で効率化して、おお!と言わせるグーには最大の手間をかける 何に手間をかけるかは、とても大切です。そして、徹底的に機械化して不必要な人時(ひとりが1時間働くこと)を省きましょう。思わぬ機械化が思わぬ効用を倍増することが多いです。『四方よし通信』の会員の皆様はだから繁栄しています。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2022.03.29
CH.21 商売はグー → パー→ チョキ で 初めて飲食店をするときは、いろいろ品揃えしたほうが利用動機が広がると考えがちだが、まずは、事前期待を超える、絶対、再来店する料理で勝負しましょう。徹底的に鮮度にこだわり、徹底的に手間を加えます。 例えば、ハンバーグ屋をやるときは、店で挽き肉を挽き、瞬間のおいしさが出るように商品設計します。そして、お客様同士が「これすごい」と目!を合わせるようにします。 お客様に支持され、自信をもって商売ができるようになったら、常連さん向けに、手を少しずつ広げます。そして、また、縮小する。 商売はグー → パー→ チョキ でやるのです。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.03.28
CH.20 タイトルとは タイトルとはコンテストでの優勝、ミシュランなどの権威ある冊子での格付けされることで、店や料理人の「肩書き」となります。 「味のわかる人はほとんどいない」と私が常に申し上げていますが、食の「既知」と「経験」を繰り返しわかるようになるのは相当大変で、だからこそ点数化されています『食べログ』はわかりやすいです。『食べログ』で4.0点以上の店も高い評価を得ている「タイトル」ホルダーと言えるでしょう。最近は「百名店」なるものも作っています。※会員の皆様へタイトルにつきましては、四方よし通信2022年5月号で講義予定です。大久保一彦の本【中古】 いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか / 大久保 一彦 / ぱる出版 [単行本]【ネコポス発送】
2022.03.27
CH.19 おいしさの構成要素とは “おいしさ”というは実は、個人それぞれの価値観です。そして、それぞれの感じるおいしさは、その人の育った環境や、食習慣という生活習慣からくる「既知」や「経験」に依存します。 以前も触れましたが、多様な食物との接触がなければ、「おいしい」と感じるストライクゾーンは狭くなります。おいしさの構造を図にしてみましたので、下記の図をご覧下さい。おいしさには「食欲(満腹中枢)を刺激する要素」と後天的な「既知」「経験」による価値観により感じる要素があります。 まずは、動物として満腹中枢を刺激するおいしさです。これは、人間が動物である故に、誰にでも根にはあります。満腹中枢を満たす要素は動物として要素ですので私は“餌”と表現しております。・胃の急激な充足(だから汁物がいい)・ナトリウムの摂取による血圧上昇・糖の摂取による血糖値の上昇・咀嚼・食感 そして、人間の成長にしたがい、人との食文化との出会い、つきあいを通して、後天的に自動車のオプションのように“おいしさのバリエーション”として付け加えられていくと考えます。従って、食通が言うようなおいしさがわかる人はいません。食通が言う味が分かる人はほとんどいないのです。正確には「最初から味のわかる人はいない」のです。味がわかるために重要なのが顧客教育です。その前に家庭教育があるといいのですが、教育できる家庭はほとんどないので難しいでしょう。 まず、おいしさの付け加えられるおいしさのオプションは、見た目のインパクト、特定のグルメ食材、マスコミの情報、有名シェフ、有名店。見た目のインパクトはデカメニュー、ありえない食器、目の前で仕上げるなどです。 料理技術の差、食材の品種識別などは最上位にあり、非常に難しいです。というわけで、私のコンサルティングの最終目標は、品種指定できる顧客教育をすることにしています。 見た目のインパクトでつかみ、接触を通してお客様と信頼関係を築いて、二種対比、三種対比など顧客教育のメソッドを通してお客様が、「○○お願いします」とすることです。 余談として、「おいしさの8割は見た目です」という人がいます。しかし、それは、見た目が大切だというオプションの教育を受けたからです。そうでない人にとっては見た目は何ら価値がない場合があります。 先日テレビを見ていましたら、料理研究家や有名シェフが大手牛丼チェーンのメニューを批評していました。しかし、その話を聞いていて「昼の30分弱の時間で労働者が食べるランチでお客様が求めている要素は、彼らが考えるおいしさとはかけはなれているな」と思いました。このズレこそ“おいしい”= 繁盛とはいかない理由なのですが、おいしさの設定は経営的に重要な戦略事項です。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.03.26
CH.18 デビューし立てはチンドン屋になれ、ある程度になった王道を行け! 昔、確か日経BPで「看板で売れ」というビデオがありました。その中で印象的だったのが、際コーポレーションの中島武社長が、「デビューし立てはチンドン屋になれ」とおっしゃっていました。この言葉はとても響きました。 それから、なんとかやっていけるようになり、御世話になっております日本経営合理化協会でちょっとしたトラブルに遭遇して、火消しを牟田學前理事長にしていただきました。その時に牟田先生からいただいたのが、「(ある程度やれるようになったのだから)王道を行きなさい」でした。このふたつを組み合わせると、デビューし立てはチンドン屋になれ、ある程度になった王道を行け!となります。大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才 2時間の教え 127人の店長を成功させた /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2022.03.25
CH.17 飲食店は情報産業 長く続く店にするには、当たり前のものを飛び抜けたクオリティにするのが一番です。なぜなら、飽きが来ないからです。 しかし、オリジナリティや他の店と差別化を図ろうとするとどうしても当たり前のものからは遠ざかります。そう、商品に科学という論理など、情報を加えていくわけです。つまり、飲食店は情報産業なのです。 しかし、情報は表層あり、みんながとなえるとスタンダードになります。だから、旬な店は情報の劣化がおこるのです。 一方、ひたすらに、当たり前のものを、量稽古的に提供し続けると、時間と共に細部がすばらしくなり、違いを感じます。だから、お客様は飽きないのでしょう。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! 知的生きかた文庫/大久保一彦【著】 【中古】afb
2022.03.24
CH.16 地方のレストランは生産者に近づき瞬間の味を追え 「地産地消」という陳腐な言葉があります。しかし、地方のレストランは生産者に近づき、足で稼ぎ鮮度が高くないと味わえない味を追求すべきです。 例えば魚は漁港に水揚げされます。その魚を漁港に出入りする仲買人が買い、地方の市場、あるいは高く買う豊洲に出荷します。豊洲に届いた荷は、選別され、金額などふさわしい店に割り当てられます。 産地と消費地に距離がある場合、その消費地に届くまでの処理を行い店に届くわけです。例えば、活魚の流通、見た目は良いですが、日数が経っても活魚であります。鮮度が高いおいしさというのがあるのです。スピード勝負の食材を追い、生産者に近づき、瞬間の味を追求するのは大変ですがとても消費地で出せない味となり、地方にお客様を呼ぶことができるので。福島県いわき市の『レストランHagi』の野菜は、旬のピークを追うために1~2週間で入れ替わります。熊本市北区の『花小町』は産山村のあか牛の名生産者井信行さんのお肉が食べられる店です。
2022.03.23
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