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ウィスキー復活第2弾は、こちらも昨今ボトルがリニューアルされたスプリングバンクでした。スプリングバンク 10年スコットランドのウィスキー生産地は、北か南かのハイランド、ローランド、地域を示すスペイサイド、アイランズ(諸島)、特定の場所を示すアイラ、キャンベルタウンに分類され、このスプリングバンクは最後に登場のキャンベルタウンという町で作られるウィスキーです。たったひとつの町がスコットランド全体のなかで区分されるのは、かつて一大生産地だったからなのですが、現在は確か2ヶ所残存するのみだったはずですので、ローランドの蒸溜所とともに貴重な存在です。さらに貴重なのは、ここの蒸溜所もフロアモルティングを行っており、さらに自社で瓶詰設備も持っている(ということはアルコール度調整のための加水とウィスキー蒸留水が同一で品質高し!)という2つの要素からして、世界一級の蒸溜所です。多くの他の蒸溜所のウィスキーは、少々残念なことに樽買いしてオリジナルボトルを出荷するボトラーズの製品に個性を求めていくことが往々にしてあったりするものですが、前回のハイランドパークとここはオフィシャルボトルの完成度が高いので、あまり奇をてらったものに志向が変化することが少ないように思います。この点からしても、頑固に高い品質を求めて(信じて)モノを作ることがどれだけ大事かということを教えてくれる蒸溜所ではないでしょうか。頑固さというと、モルトウィスキーコンパニオン等では蒸溜回数2.5回と書かれているところ、コンマ5って一体なんだろう?と当然のように疑問に思いましたけれども、その実は再蒸溜のときにウォッシュを入れるのだそうです。このことも、フレッシュな印象のウィスキーに仕上がる秘訣ではないでしょうか。そして2.5回蒸溜はここしかやっていない。「最も塩っぽいウィスキー」として知られるスプリングバンクですけれども、もうひとつ語られることが多い「モルトの香水」を醸し出している蓮華のような香り、ヘザーの甘さ、塩っぽくオイリーな舌触り、ヴァニラやナッツの風味、モルトの甘み等々複雑かつ順々に姿を現す個性というのは、これもハイランド・パークと同じく丁寧な職人仕事だけが作ることのできる愚直な営みの成果です。かつてキャンベルタウンには30以上の蒸溜所があったそうですが、現在でも生き残ることができているのはこの個性といわれる人の努力の成果の賜物に他ならないと思います。感謝!
2011年05月31日
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日本の週末は台風の大雨でしたが、コート・ダジュールの東端は空も紺碧で清々しい週末でした。清々しいのは空と海だけでなく、モンテカルロの公道レースで我らが小林可夢偉選手が頑張って5位入賞を成し遂げた点も記憶に残したい特別な週末になりました。F1のモナコ・グランプリというのは、世界各国を転戦しながら世界選手権を競う所謂グランプリ・サーカスのなかでも、歴史や格式や難易度から特別とされてきたのですけれども、数年前にプールサイドのコースを沖合いに拡張してコースが広くフラットになったことやヴァレンシア等のように港町で市街地レースを開催するようになったこと等から、その”特別感”が若干減じていたと感じていました。しかしながら、今年のTV中継で毎戦解説されるようにピレッリのタイヤに加えて、KERSとDRSの規則変更がモナコに再び「レース」をもたらした結果のひとつとして小林可夢偉選手の入賞という喜びに繋がったと思います。今年のレースカレンダーのなかでのモナコという位置づけでは、DRSが他のサーキットほど作用しなかったため、タイヤのグリップとKERSの影響のみであってもレースが大きくエキサイティングになる好例となったのではないでしょうか。とくに従来では考えられにくかったミラボーやタバコ屋といったコーナーでのパッシングは、上述の両者を最大限に活かした者だけが実現できるものとして新しいレースを楽しませてもらって、次回観戦するならタバコ屋スタンドの前の方もいいなと思いました。スタンドといえば、トンネル前のポルティエがなくなってしまったようで少々残念ですが、ラスカスから最終コーナー前の崖にはしっかりとスタンドが出来たようで、そちらも一度は体験してみたいです。とはいえ、このグランプリをスタンドで観戦するというのは野暮なものですから「テラスかボートで」といきたいですね♪感謝!
2011年05月30日
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Je t'aime.Je t'aime.Oui, je t'aime!で始まるDior CherieのTVーCMがWEBでも公開中です♪http://www.dior.com/beauty/jpn/ja/minisite/fragrance/mdc_2011/tf470-16.htmlhttp://youtu.be/TsmnddJiDS8ナタリー・ポートマンはブラックスワンでもいい演技をしていましたが、このコマーシャルでも可愛いパリジェンヌを見事に演じていて瞬時にメロメロになりそうです。Oh, Mon amour!とか彼女に言われたら大抵は理性の鍵を忘れてしまうでしょう!と、お恥ずかしいことに、ようやくというか何というかこのスポットをみて初めて気がついたことがありまして、ディオールのCMにしても例えばAIR FRANCEのCMにしても、映像に描かれているのは恋心なんですね。Amourは日本語に訳すと愛ですが、日本の恋と愛は違う意味を持っているので、LOVEとかAMOURとかAMOREとかいうときに本当の意味はどちらなのか意識しないといけないときがあったりします!最近AIR FRANCEのCMに影響を受けたと思われる東洋の会社のCMを見かけましたけれども、この点の区別が整理されていなかったようでちょっと苦笑してしまいましたが(笑)、本家やディオールのCMは何を描けばいいのか言わずとも分かるように共有されているのでしょう。さすが彼の地は恋愛先進国です♪ところで、意識してNoirが使われているのは、やはりナタリーがブラックスワンに主演していることと関係ありそうだなあと思うのですが、さりとて殊更に主張する黒ではなく控えめでありながら女優の思わせぶりな目で訴えるところがよく、大人で味わいがあるいいCMになっていると思います。確か、昔の日本の映画にも「日本の男はそんなこと言わないよ。何も言わない。目で言うよ。『お前のことを愛してるよ』」なんてのがあったなぁ。モナコの週末に乾杯!感謝!
2011年05月27日
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今年のスギ花粉シーズンは例年になく長く、いつもなら桜が散って新芽が出る頃にはウィスキーも解禁となるのですが、今年はゴールデンウィーク近くまで長引いてえらく困りました。困るというのは、飲みたいのに我慢しなくてはいけない蛇の生殺しという話ではなくて、思考の切れが悪くなって本当に体調が優れない状態になるんです。これってアル中でしょうか?(笑)でも3ヶ月ほど飲んでいないので、どうかご勘弁いただくということにして。さて、ウィスキー解禁の第一弾としては、やはり世界最高No.1と考えるものから始めたいと思い、選択の余地なくハイランド・パークのオフィシャル(但し、43度のオールドボトル)にしました。ハイランドパーク43度 旧ボトルモルトファンの皆さまには耳タコですが、やはり「北の巨人」「TheBest Spirit In The World」です。その偉大なるオールラウンダーの個性は、たまたま偶然その場所で奇跡のような地酒が生まれるという、シングルモルトの世界の住人が喜びそうなストーリーではなく、スチルマンとブレンダーの長年の経験と技術によってもたらされる作品だというところにあります。オークニー諸島(そうオークニーは多くの島々からなる諸島です)のメインランド、カークウォール空港に降り立つと、そこでのハイランドパークは余市駅におけるニッカウヰスキーのような存在感です。少し残念だったのは、私が訪れたときには既にブレンドとボトルが刷新された後だったので、昨今よくみるブランディングを意識した露出がなされていてクリーンな印象だったことですが、今でも多くの方が愛してやまないオールドボトル(とブレンド)の方は、探求に値する魅力に満ちています。オールラウンダーの秘密を、ジャーナリストの方(ウィスキーの世界もジャーナリストがいる!)は”スモーキー&ハニー”といいます。それはパレートの法則から言って正解で、他にも多くの要素が複雑に関係しているからこその北の巨人だと考えています。例えば、ファーストテイストはスモーキーですが、その後で出てくるハニーは所謂ヘザーであり、蒸溜所周辺に群生するヒースからできる若いピートの香しい甘い風味です。そのブーケのような香りがアルコールに溶けていながら後からシェリーの甘さがゆっくり姿を現します。ハイランドパークの12年では、シェリーのブレンド割合は15~20%で年数が上がるに従ってその割合も上がるのですが、一番若い12年では実はその若さこそを特徴に仕立てているところがブレンダーの腕の見せ所なのではないでしょうか。▲ハイランドパークのシェリー樽ブレンド割合さらにその後でバーボン樽を思い起こさせつつも、柔らかい香味で安定した個性で全体を支えるアメリカンオークが謙虚に顔を出すという茶道の作法に近い味わいが、全世界のモルトファンを魅了し続ける秘密だろうと思います。しかしながら、柔らかいピート、柔らかいスモーク、柔らかいヘザー、柔らかいシェリー、柔らかいオークのハーモニーを指揮するのは、フロアモルティンングが作り出す丹精込めたモルトであり、ウィスキーは「モルトに始まりモルトに終わる」といことを天下に宣言しているからこその金メダルに違いありません。だから、ウィスキーのことをモルトと呼ぶ皆さまには、フロアモルティングをしている蒸溜所のウィスキーから飲み進めることが、正しい作法になるでしょう。ハイランドパーク12年こそが、シングルモルト界の入口の扉です。感謝!
2011年05月26日
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前回に引き続きネスプレッソをもう少し。ネスプレッソは、誰もが容易に連想できるようにネスレのエスプレッソという意味のネーミングですが、それはこのコーヒーの入口に過ぎず、単なるエスプレッソ以上のものであることは前述の通り、タグラインに書かれています。しかし、コーヒー、ボディ&ソウルというタグラインのメッセージは、なんとなく分かったようで実は曖昧模糊としているのですが、だからこそのマーケティングなのです。ちょっと脱線すると、巷で流行っているマーケティングというのは商品企画のことであったり、広告宣伝のことであったり、販売手法のことであったりすることが多いですが、どれもマーケティングの全体像に触れるものではありません。一方、経営を修めた人からみるとドラッカーやコトラーのように経営そのものを意図して使われることすらあります。これは事業における最適化という意味では正しいですが、消費者サイドの視点からすると「ファイナンスなんて関係ない」でしょう。だからこれも完全な答えとは限りません。消費者からみた商品のイメージと事業者からみた商品のイメージが整合するとき、それは良くも悪くもブランドでありマーケティングでもあるのです。これが答えです。ネスレという企業は、その部分が非常に長けている夢のような素晴らしい会社で、ここでタネを明かせば「ネスプレッソ」の答えはリーフレットの中に、次のようにしっかりと書かれています。-ネスプレッソシステムのコーヒー、マシン、クラブが一体となって、ご家庭でくつろぎながら、エスプレッソを飲む楽しみをお届け致します。これです。これがCoffee, body and soulの中身です。そして美味しいエスプレッソを実現するコーヒーカプセル、25年ほど前に特許を取得したというエスプレッソマシン、マシンを購入するとメンバー登録されてブティック・ネット・電話でコーヒーカプセルを購入できるクラブ。これらが一体となって美味しい一杯のコーヒーを提供しています。ネスプレッソ ラティシマつまり、例えばライバルメーカがネスプレッソと類似のマシンを販売しようと考えたとしても、まずマシンで次にコーヒーで最後に流通で追いつくことが難しいと思われるポジションを作り出すことに成功しています。またリーフレットをみると、コーヒーとエスプレッソに関するストーリーや企業で取り組むプログラム、マシンデザイン等エスプレッソを購入するであろうライフスタイルやクォリティ・オヴ・ライフを求める顧客層の関心事をしっかりカバーしています。仮に、あなたがネスプレッソブティックでこれからネスプレッソマシンを購入したとしたら、その記憶にあるエスプレッソと同じ味のコーヒーが再現されることが保障され、もし別の味を楽しみたいと思ったら15種類以上の選択肢があるとするならば、ネスプレッソを通じたネスレ社との強力な結びつきは簡単に解けないのではないでしょうか。ここまで来ると、欲しいと思っている人に対しては価格は大きな関心事ではなくなってくると思います。これこそがマーケティングです。先のようにマーケティングの意味を間違えて捉えていらっしゃる方でしたら、ぜひネスプレッソのブティックでマーケティング体験をなされることをおすすめします(笑)私自身は、また別の部分に関心をもつようになりました。感謝!
2011年05月25日
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先週末に開催されたスペイン・バルセローナでのF1グランプリは、やはり南欧はいいなあと思わせる晴天でグッド・レースでした。今夏はスーパークールビズを導入しようと思っていますので、スーツを着る機会は、おそらく例年になく少なくなると思うのですが、なんとなく虫が騒いで(笑)また一着作ってしまいました。やはり、紳士たるもの良いテーラーを見つけるところから始めなくてはなりません(何を始めるの?)さて、ネスレが展開するエスプレッソ・コーヒーのブランドがネスプレッソで、高島屋でスーツをお願いしエスカレータで下に降りてきたら、ブティック(とそう彼らは呼ぶ)があって積極的なプロモーションが行われていましたので、コーヒー好きとしては思わず足を止めてしまいました。ネスプレッソはTVでもCMを展開しているので、もう十分に認知度が上がっていると思われるものの、周囲を見回すと興味津々の人が集まってきて、なるほどこれから成長する市場だなあと実感します。ネスプレッソのコーヒーマシンは、専用カプセルに詰められたミリング済みのコーヒー豆をマシンに投入し、ボタンを押すだけで簡単、スピーディに美味しいエスプレッソが飲めることがウリです。ネスプレッソ ラティシマ私の初めてのネスプレッソ体験は、恩師宅にお邪魔した際にご馳走になったもので、そのクリーミーな泡立ちにすっかりファンになってしまいました。「マシンを使用してコーヒーを淹れる」というケースでは、同じコーヒー豆を煎じて飲む同じコーヒーという名前の飲み物でも、レギュラーコーヒーとエスプレッソではその名が違う如く別の飲み物として考える必要があると思います。そのココロとして、レギュラーコーヒーは抽出方法によって味の方向性を変えることができるのに対して、エスプレッソは蒸気抽出という技法が固定されているので、抽出条件の最適化が図りやすく、かつ出来上がった製品の美味しさも明確に感じ取りやすいという「味」と「ビジネス」の二軸でメリットが大きいからだと思います。あ、エスプレッソ・バーやろうかな?(笑)冗談はさておき、その最適化にかけて食品分野で素晴らしく長けているのがネスレですから、もうすっかり安心して楽しむことができることこそが楽しみではないでしょうか。その証拠のように、ネスプレッソのタグラインにはCoffe,body andsoulとあり、至福のひとときを約束する商品であることを主張しています。コーヒーマニアの私としては、ドリップで淹れるコーヒーに一定の極みを見つけつつも、コーヒー以外の領域ではまだまだ取り組むべきテーマが沢山あることを教えてもらって良い勉強の機会になりました♪大切なのはコーヒーだけではなくて、ボディとソウルということですよ(笑)感謝!
2011年05月24日
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第10回モンスターズ・オブ・ロックのライヴ作品が登場。Live At Donington 1990 / WHITESNAKE最近は日本でもロックフェスティヴァルが一般的になりましたけれども、当時は毎年恒例のように大規模なイベントがあるヨーロッパ(といいますかイギリス)を単純に凄いなあと思っていましたし、イギリスでの野外コンサートなど想像の彼方の夢のような話でした。改めて映像をみると、確かにサーキットのコースが背景に映り込むところに7万5000人が集まっていて、いま振り返っても規模の大きさに驚かされます。作品そのものはステージ脇の大型ヴィジョン用映像をベースにしているため、寄った映像が多くライヴでスイッチされているので、ギタリストのソロやドラムのオカズなどの決め場所が映っていなかったりしてイマイチ。ひょっとすると今でもウリなのかもしれないと感じられるスティーヴ・ヴァイは、やはり異彩を放っていて他の何物からも浮いてしまっています。一方、特典映像の方に入っている Slip Of The Tongueのメイキングが充実しており、とくにデモ製作途中のオリジナル・ギターリフなどはアルバムに収録された厚化粧のアレンジではなく、ストレートにコードを弾く骨太のロックで、いわゆるヴァンデンバーグのホワイトスネイクを聞くことができるため、そのままレコーディングされなかった悲劇を悔やまずにはいられません。オリジナルのタイトルはライヴアットドニントンですが、こうなるとメイキングも含めたドキュメンタリー物にしてしまった方が、作品としての価値が高まってよかったと感じますけれども、そこはアーティストとして音楽作品である一線を守らなければならなかったのかもしれないなと思いました。メイキングといえば、Peaveyのスピーカーの上で踊っているハイレグ・Tバックのお姉チャン達など、当時のバブリーな雰囲気は日本だけではなかったのかと苦笑しつつ、どこか懐かしく楽しめました(笑)。個人的には、アリーナにいては決して聞くことができなかったファイバーグラスシェル(FRP?)のドラムサウンドに納得しつつも、サーペンスアルバス・ツアーの代々木オリンピックプールの公演の際、2Fスタンドを回ってステージ上まで見に行ったこと。9月25日だったかの最終公演の際は終演後涙雨の北の丸だったこと等々が走馬灯のように駆け巡ります。肝心な音楽としては、やはりCrying In The RainとAin't No Love In The Heart Of The Cityが秀逸。エイドリアンのソロがフルレングスで収録されたものも今回が初めてではないでしょうか。Slip Of The Tongueの当時の日本盤に掲載された、伊藤政則氏のライナー・ノーツが脳裏をよぎりました。感謝!
2011年05月23日
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現在好評発売中のF-ROAD。今月の特集はランボルギーニ。もちろん毎月欠かさずチェックしていまして、いつもはTスー研の企画によって購入するかどうかを決めるのですが、今月号は特集がランボルギーニだからという仁義が理由で購入しました。つまり、F野R一郎先生の原稿の内容によって購入が決まる、という訳です。物事の分別がつくようになってからは、サンタガータよりもマラネッロの方が優れているともっぱら馬派になるのが道理というものですけれども、もちろん78年の熱い夏を強く記憶されていらっしゃる皆さまには、誰が何といおうとガルウィングが勝ちに決まっているのでございます。そういう私もそのなかの一人でして、己のアイデンティティは優美なBBの方ではなく、楔のようなウェッジシェイプのガンディーニにココロを奪われたことに始まっている自覚があるからこその大人買いです。一年でもっとも清々しく過ごしやすい今の時期に、まだ見ぬ未来への情景のようなスーパーレッジェラを眺めるというのは、例えば、リッツ・カールトンのベッドの上でスパークリング・ワインを飲むような、そういう感情なのです。肝心の内容の方は、新型12気筒に源を発する構成になっており、なるほどだからランボルギーニなのだと満足する内容で、ブドウ由来の発泡酒の酔いが廻る味わいです。野暮を承知で付け加えるなら、アヴェンタドールに搭載される12気筒はこれから数十年掛けて設備を減価償却するような事業計画になっているのではなく、最低でも加速度償却でトントンくらいの計画を立てているだろうということ。そのくらいの償却に耐えられるような事業規模でなくては上場企業のトップがGOを出さないだろうということであって、つまりそれはあちこちに顔を出すことになることが予見されるということでもある。フォルクス・ワーゲン/アウディに買収された後のランボルギーニは、ムルシエラーゴで矢継ぎ早に多様なモデルが投入された。この新型でも同様のアプローチがとられ、どんどんモデルの陳腐化が図られるだろう。そしてトリノ系ライヴァルが行ったのと同じように、この12気筒もグループ内の別ブランドに供給されるだろう。12気筒が載ったアウディやクワトロターボで武装されたブガッティなどもあるかもしれない。それはそれでよいし私にはご縁がないだろうと思うけれども、いま確実なことは、当時クンタックというものをカウンタックと訳し、リアのホイルアーチが矩形で、ヘッドライトがリトラクタブルだったからこそ「対決」が生まれたということだし、その対決熱が伝播してブームと伝説になったからこそ現在があるということだ。今後あと数年したら、きっと新型モデルとメーカーブランドだけが残り、対決や12気筒は話題の主役を降りて徐々に忘れられていくだろう。だからこそ、いま仁義を通して黙って読んでおくのだ。数時間かけて楽しんで読んだ後、ちょうど2歳の甥っ子が訪ねて来たのでプレゼントした。普段はフィットやプリウスやキューブなのだが、この日は覗き込んで「これなに?」と聞き返してきた。「これはディアブロだよ。」「これなに?」「これはカウンタックだよ。」「これなに?」「これはサンゴーマルジーティーだよ。」「これなに?」「これはミウラだよ。」きっと自宅では親父が質問攻めに遭っているだろう。そうして、ランボルギーニの名前が継承されていくだろう。感謝!
2011年05月20日
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インジェクタの警告灯が点いているとき、確かに燃料計の動きの早さが気になったのですが、それよりももっと気になって困ったは、エンジンがストールすることでした!たいてい始動直後は調子よく、外からのイメージと同様に軽快にコロコロと走っているのですけれども、小一時間くらい経つと、アイドルが不安定になるんです。例えば、交差点で停止するとき、ギアを下げてブレーキを踏み、クラッチを切って停止しますが、停止直前にB&Cペダルを踏むとそのままストンとストールしてしまうのです!赤信号のときは、信号が変わってから再始動すればいいですが、ふつうに走っていて停止したときには、すぐに再始動できず後ろのクルマを停めてしまうので、カマを掘られないかとヒヤヒヤします(笑)。そこで、アイドルが不安定になってきて停止するときは、早めにギアを下げてエンジンブレーキを最大限に活用し、パーキングブレーキを引いて車速をギリギリまで落とし、クラッチを切ってギアをニュートラルに戻してから右足でスロットルを煽り、左足でブレーキを踏むなんてことをやってました。これを読むと、「えっー危ないよ!」と思われるでしょう?確かにノーマルではないですが、AT車では左足でブレーキを踏むので違和感ないんですよ(笑)スロットルを煽るのはカートみたいなもんです。と、それだけで話が済めばイタ車は要らない。じゃなかった、メンテナンスは要らない。どうやら、こんなことをしているうちにブレーキの調子が悪くなっていたらしいのです。あるとき停止をしようとしてブレーキを踏んでみたら、フィーリングがスポンジーでした。そのときは、スロットルを煽ったりクラッチを切ったり、何よりクルマを停めようと大変だったので気づかなかったのですが、別のときに気づいたらスルスル~とペダルが奥の床まで行ってスコンと当たります。あれ、これってちょっとヤバくない?はい。もちろん危ないです。さっきよりももっと!そういう訳で、アクセルもブレーキも調子が悪く、完調なのはエンジン本体とクラッチだけ! ブレーキはフルード交換でお茶を濁したのが悪かったか!?やっぱり一通り全部整備しないとダメなんですねイタ車って。いくらなんでもインジェクタからエンジンだけでなく、ブレーキも不調となれば、きちんと直さなければ危なくていけません(当たり前です)。さっそく、いつもの神様に架電。「これこれかくかくしかじかなんですけれども何でしょう?」「それはオイルが漏れてますねぇ。リアドラムのシリンダか、マスターシリンダの可能性が高いね。じゃあまずクルマの後ろからリアドラムのバックプレートを覗いて、オイルが漏れているかどうか見て」「漏れてません。」「そしたら、リアのドラムを開けてシリンダから漏れているかどうか見て」「分かりました!」という訳でリアブレーキをバラしましたら、こんな感じ。ライニングが減ってドラムのなかは真っ黒です。点検すべきは上部についているシリンダからのオイル漏れ。ご覧の通りペダルが奥に突いてしまうようなオイルはどこにもありません。今回こそ本領発揮(!)のブレーキクリーナを思う存分吹いて再度チェックしましたが漏れは見つかりません。ということは、ということは、マスターシリンダです!マスターシリンダーは、エンジン右奥にある太鼓状の部品から出ている四角いプラ部品の下のところ。ここからオイルが漏れていて、かつ床面にオイル痕がないということは、漏れている先はマスターバック!ガーン。大手術が必要になることが明らかになる瞬間です。こうなったら素人のスーパーカーメンテナンス道楽みたいな仕事では直りませんので、素直に工場にドック入りです。数日後に神様からTEL。「マスターシリンダを交換したんだけどそんなに漏れてなくて、オカシイと思ってブレーキラインを追っていったら、リアのブレーキラインからフルードが漏れてますよ。」「ブレーキラインなんてパーツ供給がないから、これは作るしかないねえ」ガーンガーンガーン。こうしてイタ車の世界に堕ちていくのかと思ったのは言うまでもありません。こういう出来事をどうやら客観的にご覧になると、「オトコってのは美しいオンナに振り回される事が快感なのさ」という哲学が見え隠れするそうですが、当人にとってはまったく悪いジョークでしかありません(笑)。もう一度ちゃんと作り直してくれよ、トニー!というのがシチリア製クルマ乗りの正直な感想でございます。感謝!
2011年05月19日
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ヴァイオレットだかロッソだか、調子よくコロコロ動いていたのは結局わずか2週間程度のことでした。例のイタ車でございます(笑)乗り出して少し経ったころ、メーターパネルにインジェクタの警告灯が点きました。なんとなく「噴け上がりが眠いなぁ」と思っていたので、やっぱりというか、いらっしゃ~いという感じだったのですけれども、困ったことに我がYの取説はスペイン語なのです!そこで、取説に書かれているスペイン語をGoogle翻訳で訳してみました。すると、「Cuando se produce una averia en el sistema de inyeccion. Al girar la llave a la posicion MAR el testigo se enciende, perotiene que apagarse despues de algunos segundos.Si el testigo permanece encendido o se enciende durante la marcha significa que el sistema de inyeccion no funcionaperfectamente, en este caso es posible que resulte dificilconducir y que el coche consuma demasiado.障害が噴射システムで発生する。光スイッチMARを配置してキーを回すが、数秒後にシャットダウンする必要があります。ライトが点灯したままオンの場合、または噴射システムを使用すると、それが困難で、運転する車があまりにも多くの消費がありますこの場合、完全に動作しないことを意味します運転中に点灯します。」まあ、こんな感じ。分かります?とりあえずクルマは走るので、ちょっと派手にエンジンを回したらなんとかなるんじゃないかと思ったりして様子をみていたのですが、全然変化はありません。むしろGoogleの言うとおり燃費が悪いのがさらに気になります(笑)。仕方なくパーツ交換かと調べてみると、意外にも2~3万円くらいして、さらにパーツはイタリア取り寄せらしいのです。ガーン。そこでメンテで頼りにしているヘインズマニュアルのインジェクタの項目をみると、インジェクタが完全にダメになる前にメンテナンスをすることをおすすめします、なんて書いてありまして「なんだボッシュのインジェクタはメンテナンスするのが当たり前なんだ」と合点がいき、そうなったら得意分野とばかりにバラしてみました。▲これがストックの状態。▲エアクリーナを外した状態。このクルマは、ご覧のとおりシングルポイントインジェクションなので、インジェクタは吸気チャンバー中央にあり点火プラグと同じような構造でガソリンを噴いています。ここから慎重になるフェイズ2に入って、たどり着くとこんな感じ。▲中央のBOSCHの文字が見えるのがインジェクタ。バラして分かったのは、構造そのものはキャブの時代からほとんど変わっていないということで(笑)、ポルシェ・オーナーの皆さまがメカポンと呼んだKジェトロとかKEジェトロの噴射方式を変えただけのようです。さらに細心の注意を払うフェイズ3では、適当な工具がなかったのでウォーターポンプ・プライヤで(!)緩めて取り出しました。ちなみに、インジェクタは電子制御の精密部品ですから、ふつう一般にウォーターポンプ・プライヤなどは使ってはいけません。良い子はくれぐれもマネをしないように(笑)。さて、ここでヘインズのマニュアルをみると、見事にメンテナンスとしか書かれておらず、具体的に何をやったらいいのか詳細記述がありません!インジェクタのトラブルでググると、何やら難しい措置を施してクルマの調子が良くなりました!という、チューニング・ショップのサイトが出てきたりします。そこで、長年の知識と経験とヤマ勘によって、キャブクリーナを吹いておくことにして早速実行。組付けは分解の逆の手順で3分で終了したら、見事に警告灯は消えましたとさ。チャンチャン(笑)。感謝!
2011年05月18日
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先日帰りのロマンスカーの特急券を購入したら、たまたま一番前の座席になりました。この列車は、JR御殿場線に乗り入れて沼津まで行くJRの車両で、初めてだったか2回目くらいだったかという珍しい出来事。その珍しい時にたまたま先頭になったのだからへぇと思ってちょっとウキウキしました(笑)。新宿を出るときのアナウンスでは「特急あさぎり7号」と案内されていて、他の特急のように「特急ロマンスカー○○7号」とは言われませんでした。これは他の機会も同様だったので、どうやらあさぎり号はロマンスカーではない様です。細かいことですが、ふ~んと思って乗っていたら、いつも乗る車両よりも乗り心地がいいことに気づいて、ほぉ~と感心したのが本日のメインテーマ(前置き長くてゴメンナサイ、笑)です。このJRのあさぎり号用の車両は1編成しかない、本当に本当のオリジナル列車なのですが、シートの出来がいいところが素晴らしいです。加えて、最近の電車はどれもステンレス製のボディで合板の上に載せられているような剛性感に肉体的疲労を感じるのですけれども、この車両は従来通りの鋼板製なので絶妙なしなりがあって人間の身体もいなされます。W124のメルセデスを思い出しました。本来考える順序は逆で、この”しなって”粘る鋼板製のボディの上に、リッチでコイルスプリングを思わせるたっぷりウレタン座面のシートが上質な乗り心地を作り出しています。背面のランバーサポートも小田急のものより厚く結果適度に揺さぶられて、これらの結果ともすれば旅情すら感じてしまうのは胸から上の上半身だけという素晴らしさです♪隣の乗客と手を繋ぐか、腕を組むか、楽しいおしゃべりで過ごせば、気づけば目当ての目的地に連れて行ってくれる快適さです。対して、元祖ロマンスカーの車両の方は、昔から3000形→3100形→7000形、10000形→20000形、30000形+50000形→60000形と、設計思想がキャリーオーバーされることが多く、たった1編成のために隙のない気合の入った設計がなされることはあまり見られないようで、座席は薄く固くロマンスが生まれるにはちょっと辛く、長年どうにかならないものかと思ってきました。そんなところに、今回の発見があったものですから、もうこれは出来れば毎日乗りたいくらいの嬉しさでした(笑)。いっそのこと「特急ロマンスカーあさぎり号」に昇格させたら、ブルーリボン賞の栄誉が付いてきたりして♪感謝!
2011年05月17日
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スイムのトレーニングを始めてから先週末で1年が経ちました。1年という区切りの目標として、先日の3kmから更に1km上乗せして4kmに挑戦していたのですが、なんとかギリギリで達成することができました!パチパチ(笑)昨年始めた当初は我流で25mを泳いで肩で息をしていたくらいで、当面1年間の目標はアイアンマン・レース3.8kmの半分、1.9kmに設定したものですから、優に越えての目標達成で達成感があります。これまでジム友になった方々に親切にご教授いただいての達成ですから、私一人の力ではなく遠巻きに見守っていて下さったお友達の皆さまにも、御礼を申し上げたいと思います。私個人としては、4kmと来たのだから次は5kmでしょ?と思われるところ、実際にトライアスロンの競技に参加された方のお話からレース距離の2倍くらいは泳げないとキツイとのことでしたので、無理なく泳げるようになるために泳法やら体力面の改善に注力したいと考えております。ところで、3km・4km泳ぐ現実というのは、それはもう必死の難行苦行でございまして、大体調子がいいのは最初の3分の1、気合と根性で乗り切っているのは中間の3分の1、最後の3分の1はただひたすらにカウントダウンしているだけ!だったりしますので、泳ぎ終わってプールから出ると肩で息をしてフラフラになってしまうのに加えて、背中やら腰やらに痛みを覚えるくらいですが、これもトレーニングのプロセスの一部なのでしょうから、そういうタイプではないのですけれども(笑)、頑張って耐えております。加えて、長距離泳ぐと見事にクタクタになりますけれども、同時に身体としては興奮状態にもなるようで、疲労困憊で休みたいのにも拘らず横になってもぐっすり眠れないという薬物中毒のような状態になるのが困りもので、そういう翌日の今日は眠くて大変でが、そろそろバイクとランも始めなくては!これが上善如水の吟醸なら、純米吟醸はどうなってしまうでしょうか?(笑)感謝!
2011年05月16日
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3月11日の東日本大震災から本日で2ヶ月となりました。今朝の新聞報道によれば、死者14,949人、行方不明者9,880人、避難者11万7085人と、地震は収束しつつありますが福島原発の事故は継続しており「現在でも震災は続いています」。先日のメルマガにも書きましたけれども、被災地の多くは今も瓦礫に覆われ、完全復興には数年~数十年といった時間が必要と考えられます。地震後1ヶ月を経過したころから仮設住宅の建設が始まり、復興に関心が移ってきました。復興を考える場合、今回の震災から考えるテーマは大きく4点に絞られると思います。「地震・津波」「被災者・被災地復興」「原発・放射能」「節電・電力供給」です。どのテーマであっても、必要となる物資や資金、人材にはクイックとスローの2つのタイプを組み合わせることが大切なポイントです。最初の「地震・津波」に関して、地震時の津波が押し寄せるTV映像と被災地の現場を見たところから、日本の従来の建築基準はかなり有効ですが、津波に対して脆弱なことが明らかになったと思います。津波の被災地では、高台に移住するか従来の低地に居住を続けるかで復興計画をまとめるのが大変だと報道されています。堤防を越える高さの津波が押し寄せた場合に「建物」を維持できるのはPCコンクリート造のものだけでした。今回の地震は大きな余震が続き、従来とは発生パターンが違ったことから、大地震が発生した後でも人々が継続して暮らせるよう、建築物の弾性域をより確保する方向の建築基準の見直しもなされる(->建築基準の強化)と思います。今回のような非常時や有事の際に、どこまで個人の自由を認めるか(または公共の福祉を優先するか)は、今後の考え決めなくてはならない検討課題ですが、現在の法体系下でも特区制度を導入しても優先すべきは人命ですので、高地に移住した方は従来からの建築基準法ベース、低地に建築する際にはPCコンクリート製に限定して、高地を選べば低コスト/低地を選べば高コストなどのメリハリの利いたルール作りをされてはいかがでしょう。つぎの「被災者・被災地復興」に関しては、ヒトの生活を取戻す作業になりますから、先述の物資や資金が短期のものと長期のものに亘って継続的に必要になります。現代の日本は、世界でも稀にみる社会システムが高度に整った社会ですから、その社会にいらした方々の生活の基盤が失われることの喪失感は想像に絶するものがあります。幸い、ネットや携帯電話等の通信インフラが多対多で普及していますので、人々の連帯が面で伝わって強くなっているのが従来と違う点です。ですから今回の震災からの復興こそ、現場の生のニーズを最大限に活かして「より強い東日本」になるようなスキームで実施することが、未来へ繋がる希望ではないでしょうか。被災者の皆さまが、避難所生活から離れ日常の生活に移行しつつあるタイミングを上手に活かして「将来はどのようなライフスタイルを望むのか」という、夢や理想を前倒しで獲り込む営みを社会全体で共有できると良い復興に繋がります。例えば、復興の際には「投融資」といった言葉がよく使われますけれども「まず民間が投資を行い、国は融資で下支えする」のように、ここでも投入される資本にメリハリを効かすことが、迅速で充実した復興を実現し、国の財政問題へのインパクトも極小化できるはずです。次に「原発・放射能」ですが、現在も今後数十年も進行し続ける問題だということを忘れてはいけないように思います。地震から時間が経過するにつれて、原発や放射能に対する人々の認識が良くも悪くも「慣れて」きています。雨の天気予報の際に被ばくを防ぐ対策も報道されなくなりました。放射能と健康への影響については、3月18日のメルマガにも書きましたけれども、がんが発生するリスクを基準に考えられているようです。しかし、放射能が健康に関わるリスクはがんだけではなく、種々の病気や子孫への影響もチェルノブイリ事故で報告されています。現時点ではまだ有事ですので、半減期の違う放射能を区別して対処の優先順位を決めていますけれども、決して0になるわけではありません。ある人が○シーベルトの被ばくで健康を害したとして、別の人が同量被ばくしたからといって同じ症状になるとは限りません。政府や東電の会見や報道では「健康への影響は認められない」という表現がなされ、科学的にはその通りだろうと思いますが、被ばく量は少なければ少ないほどいいに越したことはありません。被ばくについての情報が少ないのは、人類に被ばくについての知見が十分でないから判断が難しいのだという事情で、これを基礎に判断することが分かりにくい情報に繋がっています。会見や報道では、混乱を発生させたり助長させたりすることのないように配慮されるものですが、現在の科学では分からないことは「分からない」と正直に情報提供されることの方が、配慮によって提供されず情報開示が不十分と評価されるよりも大切ではないかと考えます。また、この必要かつ十分な情報開示は、もう安全でも低コストでもなくなった「今後の原発」についても同様に求めたいことです。最後の「節電・電力供給」です。福島第一原発に続き浜岡原発も停止することになり、電力不足は東日本だけではない問題となってきました。私も今電気を使ってパソコンでこの原稿を書いている訳ですが、節電に協力して無駄な電気は使わないようにしています。夜になると街のあちこちが従来よりも暗いですが、もう慣れて問題なく生活できています。短期的には、既存のあらゆる発電設備を活用して電力供給を維持することになっていますが、火力発電の増加はCO2を増加させ燃料価格の高騰と電力料金の値上げといったマイナスのインパクトがありますので続けられません。21世紀は電気の世紀です。人類が使用する主なエネルギー源は電気に依存しています。しかし必要な電力を確保しつつCO2も削減し安全な電力供給を実現するには、根本的に考え方を改める必要があります。もっとも基本的なところでは、現在は東京電力のような地域電力会社から電気を購入するのが一般的ですが、現在発売されている燃料電池で電気を作れば、またソーラーパネルのエネルギー変換効率が向上すれば、立地によっては風力や揚水などでも、部分的に電気の自給自足が実現しそうです。補償問題をめぐって東電が取り上げられていますけれども、あくまで私企業で経営陣も民間維持を希望しているのだから、買収などのリスクに対応するのも現経営陣の責任ですし、長期的には地域独占制も見直しの対象に含めることが必要でしょう。我々は、電気さえ使えれば東電から買わなくてもよいのです。とかく社会のトップには情報が集まってきて、全体を俯瞰した上でのバランスを維持する判断に傾きがちになりますが、今後は放射能対応や補償の問題と、将来の電力供給の問題とは区別して考える自由と柔軟性を持ちたいですね。長く書いてきましたが、いま一番気がかりなのは、ヒトの生活が一番大切だという基本です。震災から時間が経過して日常生活に復帰しつつある現在で、私たちはあの地震から何かを学んだのだろうか、学びを活かしているのだろうかと思います。学べば次のアイディアや打ち手、行動が見えてくるからです。報道を通じて接する政治の意思決定方法や、メディアの報道姿勢などは何も変化がないように見えますが、ダーウィンの進化論は変化に対応できない者は滅ぶと語っています。ピンチはチャンスの格言の通り、今この苦しい時期に可能な限り明るい未来を描くことと、人々がそこで生き生きと生活すること、それらを実現するために社会のシステムを作って下支えをすることが、私たちがこれから取り組むことではないでしょうか。世界はグローバル化して地球は小さくなっていますので、「日本はこれから復活するぞ」と高らかに宣言することが、信頼獲得と復興の一番の近道になるはずです。※この記事は、5月11日に配信したメルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジネスに関する情報は、メルマガを優先して公開しています。いち早く最新情報をお読みになりたい方は、まぐまぐから無料でメルマガ登録できます。感謝!
2011年05月13日
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二宮金次郎:1787年に現在の小田原市栢山で生まれ、1856年に栃木県今市村で没、とある。我が相模国の英雄で、私個人的には関白となった豊臣秀吉よりも尊敬しています。小学校に入学したとき、講堂で入学式が行われた最後の学年だったのですが、その講堂の前に二宮金次郎像があって記念写真を撮ってもらった記憶があります。その後、講堂は1学期のうちに解体され角に立っていた大銀杏の木だけが残りました。二宮金次郎については、母親だったか祖母だったかから話を聞かされ、お前も暗い夜に本を読んで勉強しろという内容に参って勉強嫌いになったせいか、今の自堕落な人間が出来上がった次第です(笑)。秋の銀杏の臭いには閉口しましたが、皐月の新芽の威風堂々とした勢いには大いに誇りに感じ、今は玄関脇に移設された金次郎像とともに報徳思想が原点にあります。合理論から考えると人間の可能性は無限です。経験論から考えると集中力の継続こそが無限です。「見えぬ経をよむ」ことの実践。感謝!
2011年05月12日
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ホノルルマラソンでご一緒したお友だちの浜口隆則さんが、復興支援チャリティーセミナーを開催します。浜口さんは、1年前に尊敬する先輩が癌で亡くし、半年前にお父様が余命3カ月と宣告され、先日の震災で多くの方々が亡くなったことから、「明日があること」の「幸せ」と「責任」を、今まで以上に、日々、強く感じながら生きるようになったそうです。浜口さんは言います。「私たちが当たり前のように<ある>と思っている明日は、ある人が、願っても願っても得られなかった明日なのだ」そう想いながら、1年と1ヶ月を過ごしてきて分かったことは、とてもシンプルでした。・目の前のことをちゃんとする。・自分が出来ることを精一杯やる。小学生でも言えそうなことです。でも、僕は出来ていなかったのだと思います。反省したという浜口さんが色々と動いているなかの一つが今回のセミナーで、講師は高野登さん、浅見帆帆子さん、鶴岡秀子さん山崎拓巳さん、はづき虹映さん、村尾隆介さんと、錚々たるメンバーがチャリティーのために無料セミナーを開催します。開催は、今週末の5月14日土曜日10時~ 定員は742名様と大規模にも拘らず無料です。タイムスケジュール及びセミナー講師(敬称略)10:00 ~ 高野 登『“ホスピタリティ”の原点を考えてみる』11:00 ~ 浅見 帆帆子『愛のエネルギーを送るには』12:00 ~ 村尾 隆介14:00 ~ 山崎 拓巳『FOR YOU-自分の愛し方、他人の愛し方-』15:00 ~ はづき 虹映16:00 ~ 鶴岡 秀子17:00 ~ 浜口 隆則『「心の翼の見つけ方」 ~人生を豊かに生きるために手放す<4つの常識>~』お時間に余裕のある方は、一部だけでもご参加されてみてはいかがでしょうか。◆「起ち上がれ東日本!」復興支援チャリティーセミナー◎日時:5月14日(土) 10~19時 (入退場自由です)◎会場:日本消防会館(ニッショーホール) 約742名◎交通:東京メトロ銀座線 虎ノ門 2番・3番出口徒歩5分 東京メトロ日比谷線 神谷町 4番出口徒歩10分◎会費:無料(※当日は募金箱を設置します。募金して頂いた全額を被災地へ寄付させていただきます)◎お申込み:ビジネスバンクの専用ホームページからどうぞ。http://www.bbank.jp/charity/【 学べる + 東北の人たちの力になれる 】「GW明けのモチベーションが落ちてしまいやすい時期に、ハートを温める、良い一日になると思います。仲の良い友達や家族と一緒に、来て頂けたら嬉しいです。お会いできるのを楽しみにしてます!(^^)」とのことです。どうぞよろしく。感謝!
2011年05月11日
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宮城県の被災地へボランティアに行ってきました。場所は東日本大震災の津波で滑走路が冠水した仙台空港の近くです。仙台空港へアクセスする県道20号線では、いまだに信号機の電気が復旧せず、東京警視庁の警察官が交差点の交通整理にあたっています。空港前にあるレンタカー各社の営業所も、津波の被害と思われる事務所建屋が基礎のコンクリートだけ残して跡形もなくなっていました。言葉を失う現実が横たわっています。ボランティアで向かった現場は一般のお宅です。津波が家屋敷に容赦なく押し寄せ、1.5mほどの高さの壁に濁流が流れた後が線となって残っています。足元をみると短い藁が一面を覆っています。この藁とその下に堆積したヘドロの除去、いわゆる泥かきが我々の仕事でした。これらの津波堆積物は地表から5~10cm程度の厚みがあり、あたり一面すべてを覆い尽くしています。一見無事だった住宅も津波が基礎の下に流れ込んでいるため、泥かきは畳を上げ、床板を剥して、床下に人が入り込まないとできません。従って泥かき作業だけでも生活道路、住宅、車両、庭、田畑等の順番に途方もないほど必要です。現地で作業した実感では、復興には年単位の時間が掛かるだろうと思いました。ボランティアに限らず人手はいくらあっても足りず、あればあるだけ助かるといのが実情です。ボランティアの現場では、各地域の社会福祉協議会が窓口となり、登録と資材等の確保、作業現場の日程調整などが行われていますが、先の現況に対してボランティア人数の制限が行われていて、せっかく集まったボランティア志望者を断ってしまう残念な出来事もありました。これらは混乱が続く被災地の現状と様々なニーズに対して、我々ボランティアがいわば素人の寄せ集め集団だということ、社会福祉協議会も非常時のボランティアマネジメントに経験が浅いことなどの、ちょっとした需給や経験のマイナスが累積し、結果として最大限の効果が得られていない不幸が存在してしまっています。ここで被災地でのボランティア活動に関連して、当事者毎の改善策を提案します。まず、被災者の方へ。ボランティア作業依頼の見積もりは10割増しで考えた方が良い。東北の皆さまは優しくて忍耐強い方が多く見受けられます。そのため「うちなんかに来てもらっていいのだろうか」とボランティア依頼にあたって遠慮があり、本来なら10人以上必要な作業でも5人程度と作業に対する見積もりが甘くなって、「過少申告」となってしまっています。実際に現地で作業をするのは、知識も経験もない素人の寄せ集め集団ですから、2倍の見当をつけて依頼するくらいで調度よいでしょう。できれば、被災現場をデジカメや携帯電話で撮影して、画像を見せながら社会福祉協議会でボランティア依頼の相談をなされるとよいと感じました。つぎに社会福祉協議会の方へ。社会福祉協議会の方は行政マンの方が多いので、現場のことはよく分からないが情報整理と管理は得意というマネジメントが伝わってきました。そのことは特に問題なく、限られた情報と資源のなかでかなり効率的にマネジメントできていると思います。ただ、これは社協や行政に限らず日本人全体の問題としてコミュニケーションが下手なため、情報伝達が分かりにくく結果として情報が錯綜していたり不達になってしまっていたりします。ボランティア枠100~200人のところへ500~1000人も集まって断る事態になったとか、ある地域にはボランティアが十二分に集まっているのに隣町では全然足りなくて困っているとか、こういったことも情報伝達を良くすることで状況を改善できます。情報の整理と「相手に分かる形で、あらゆる手段で、全体に伝わるまで何度でも」発信するだけで、機会損失を防ぎ復興スピードを速めることができるでしょう。最後にボランティアの方へ。東日本大震災の被災地へは日本全国からボランティアが集まっています。私が会った人では「会社に掛け合って仕事を休んで来ました」「鹿児島からクルマを一昼夜走らせてきた」という方もいました。本当に頭が下がります。私も車中泊しましたが、普段と違う環境で日常と違う仕事に従事するのは肉体的負担が大きく、就寝中に余震で揺れた際には「どこに避難したらよいのだろう」と不安になり、意識せずとも精神的にも疲労しています。ですから、無理をせずに早めに休息をとり、ボランティア枠に対して余裕のある地域では積極的に交代して早めに撤収を心掛けるのも、効率的な流通の確保と迅速な復興の手助けをすることに繋がると思います。被災地の現場に遭遇すると「できることはしたい」「少しでもお役に立ちたい」と思いますが、被災地外から入っているボランティアが体調を崩すようなことになると、反って被災地に負担をかけることになってしまいますので、帰ってくる体力も考え十分な余裕をもって行動を計画することが大切だと感じました。また、ボランティア中におすすめな食べ物が「ドライマンゴー」です。いわゆる乾燥マンゴーですが、砂糖がまぶしてあって疲労回復に効果があり、ビタミンCが豊富で免疫面でも有効ですし、食物繊維が豊富ですので非日常の環境でも体調管理しやすくなります。昨今は身近なスーパーで容易に手に入るようになっていますので、ボランティアに出掛ける際には1~2袋持って出掛けるとよいと思います。ボランティアに従事して感じたことは、日本はまだまだボランティアの歴史が浅いので、被災者(依頼者)も、社会福祉協議会(行政)も、志望者(ボランティア)も、上手に活用するノウハウが不足していることです。これは経験を積み重ねて継続的に改善されることでより充実したボランティアサービスに発展するでしょう。ボランティア活動に関連して、いま被災地で必要なものはマイクロバスと運転手、一輪車とスコップ、ブルドーザーやフォークリフト等の重機と運転手です。見渡す限りがれきが散乱する現場があります。復興を手伝いたいというボランティアもいます。でも流通手段が足りません。一般の住宅までボランティアを運ぶにはマイクロバスが最適ですが、現地ではマイクロバスも被災しています。たとえマイクロバスがあっても大型免許をもつ運転手がいなければ動かせません。ですからこれからボランティア活動を考えている方は、マイクロバスで被災地入りされると非常に活躍します。マイクロバスが無理なら7人以上乗りのミニバンもマイクロバスの代用になります。ミニバンやワンボックスカーをお持ちの方は、ぜひ大きめのクルマを持ち込んでください。夏休みにボランティアをお考えの方は、これから大型免許を取得して準備を進めるのも立派なボランティアです。できる範囲でできることを継続するのが、被災地の方を勇気付け一日も早い復興の後押しをすることができます。被災地が3月11日より前の日常に復帰するには、数年に亘る努力が必要です。息の長い継続の力を通じて元気な日本を取り戻しましょう。※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジネスに関する情報はメルマガを優先して公開しています。いち早く最新情報をお読みになりたい方は、まぐまぐから無料でメルマガ登録できます。感謝!
2011年05月10日
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連休明けにPCに向かいましたら【楽天ブログ】アクセス数のお知らせというメールが届いていました。================================================================== ■「マックいのまたのYes!!で行こう!」が200000アクセスを突破!! http://plaza.rakuten.co.jp/gyosyo/ ================================================================== あなたのホームページのアクセスカウンターが、 200000アクセスを超えました。 つぎは300000アクセスを超えたときにお知らせします。 今後とも引き続き楽天ブログでお楽しみください。とのことで、次回は目指せ30万アクセスですね(笑)。ブログとは当初は何やらよく分からなかったのですが、ネットビジネスの視点でみると、ホームページ→掲示板→メルマガ→ブログ→ソーシャルネットワークサービス→ツイッター→フェイスブックと流行がどんどん変化していますので、もうブームというようなピークは過ぎていますが、だからこそ今続けている人は継続力によって得るものがあると思います。何事も一過性のものは一過性の結果、継続したものは継続が蓄積した結果になります。大切なのはその方向性を間違えないこと。さて、風はどちらに向かって吹くのでしょう。指をくわえてから、空にかざしてみましょうか。感謝!
2011年05月09日
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