全10件 (10件中 1-10件目)
1
酢〆の魚をきずしと呼びますが、関西では特に、鯖の酢〆を指して言います。もっとも、最近では全国チェーンの居酒屋も多くなり、「締めサバ」と表記してあることが多くなりましたが、地元の大衆居酒屋などでは「きずし」も健在です。鯖をおろして酢で締めればいいのですが、以前は刺身で食べられるような鯖(切り身を含む)は大阪では手に入りませんでしたので、もうすでに酢で締めたものを買ってくるのが普通でした。家では細く切って出すだけでした。食べ方には主に、醤油+わさびと、酢+おろししょうがの2通りがあります。わが家はおろした土しょうがで食べていました。市販品に酢をかけ直すためにとても酸っぱく、しょうがのさわやかさが救いでしたが、最近のは酸味もゆるく、あとからもすし酢などの加減酢を少量かけるだけなので、しょうがが無くても大丈夫です。古漬けを刻んで絞った「かくや」に加えるように、夏の食卓にあれば食欲が進むしょうがですが、なければ鯖自体を味わえばいいでしょう。半身のきずしを切るときは、身の真ん中にある、胴骨に垂直な小骨を、残らず抜いておくと口当たりがよくなります。包丁はよく切れるものを用意し、頭の方から2~4回、皮に切れ目を入れたあと、切って1切れとします。こうすると皮のかたさが気になりません。包丁の切れが悪いと、切っているうちに身が崩れることもありますので、慎重に包丁を引いてください。おからと合わせた「からまむし」を以前に書きましたが、今回は「きずし」で真っ向勝負です。
2007年06月30日
コメント(2)
家庭で普通にはできないことを、まずご承知おきください。「茹でだこをブツ切りにして衣を付けて揚げたもの」ではありません。生だこをパリッとふわっと揚げるのが、この「たこのてんぷら」です。一度食べると、もう類似のものは食べられません、というか、別のものだと思えてきます。かつて岡山の倉敷に住まいしたときに、初めて食べて感動しました。以下は、わたしなりにどう作っているかを考えたものですが、ぜひ本場で本物を味わってみてください。使うのは、生だこの足の太い部分です。これをできるだけ薄くそぎ切りにし、片栗粉か小麦粉をはたいてから、硬めの水溶き小麦粉の衣を薄く付けて、高温の油でからっと揚げます。揚げ加減は、身が「半熟」というか、半分火が通るぐらい。刺身でも食べる生のたこは、歯ごたえがあって噛み切りにくく、また茹でだこになってしまうと、身が硬くなってしまいます。その中間のたこは、さくっと歯で噛み切れるぐらいの食感で、このてんぷらはそれを目指します。揚がれば余熱でも火が通りますから、熱いうちにいただきますが、天つゆでも塩でも、どちらでもいいでしょう。1切れを半分かじって、噛み切れれば、たぶんうまくできています。倉敷では、粉をはたいただけの「唐揚げ」も食べましたが、カリッと揚がって、しかも食べた感じはまさに生だこでした。通常のたこのてんぷらは、揚げれば揚げるほど水分が出て、身が硬く締まってしまいますが、そういうレベルでは全くない、プロが作る「たこのてんぷら」です。
2007年06月26日
コメント(4)
福井県若狭地方名産の鯖のぬか漬けです。いちどきに大量に獲れた鯖を上手に食べるため、塩辛く保存したものなのでしょう。たいがい半身におろして、ぬかと塩で長期間漬け込みます。脂の乗った鯖だと、脂分は身に残ったままで、身が飴色に漬かります。食べるときにぬかを洗い落としますが、手がぬらぬらするほど脂分の多いものもあります。食べ方は主に2つ。焼くか、生かです。焼く場合、ぬかの付いた「へしこ」を適量切ります。塩辛いので、1人前につき「鯖のきずし」2切れ分ぐらいの幅でいいのではないでしょうか。切り身はぬかをよく洗い落とし、弱火で両面を焼きます。両面焼きのグリルでなければ身側から焼きましょう。香ばしく焼ければ、皮側もあぶります。脂が落ちるので燃えないように注意してください。焼いたへしこは、そのまま大根おろしを添えて/ほぐしてごはんに乗せて/ほぐしたものでお茶漬けに/ほぐしたものをお椀に入れてお湯を注ぎ、お吸い物に/……などして食べてみてください。生のままいただくときは、ぬかをこそげたへしこを紙のように薄く切ります。厚さにもよりますが、1人前5切れもあれば充分でしょう。これを酢じょうゆで食べると美味しいと言いますが、わたしはすし酢(だしの効いた酢)ぐらいがいいと思います。酢をかける前に水で塩抜きするという手もありますが、うまみも洗い流されてしまうように思うので、多めの酢で洗う感じでどうぞ。ただし、それでも塩辛いのでたくさんは食べられませんが、まさに珍味ですね。
2007年06月20日
コメント(4)
大阪では焼きそば入りのお好み焼きをモダン焼きと称しますが、今回はそば玉の代わりにごはんを使ってみました。仕上がりは、裏から見ればお好み焼き、表から見れば卵で包んだオムライスのようですので、間をとってドリアとしました(なんでやねん!(^_^;))。ま、基本的に「お好み」焼きなので、具や味付けは自由ですが、トンカツソースまたはマヨネーズ味でいかがでしょうか。1枚につき、生地は、小麦粉大さじ山盛り2杯を水で少し硬めに溶き、刻んだキャベツ(大きな葉っぱ1枚程度)を混ぜます。ごはん半膳程度に、ピーマンやたまねぎの粗みじん切りを炒めて混ぜ、ケチャップで味を付けておきます。卵1個は割りほぐしておきます。よく温めたフライパンに油を引いて、豚ばら肉1~2枚の両面を焼き、その上に生地を丸く薄く流します。さらにごはんをまんべんなく乗せ、小さく角切りにしたチーズを乗せて、中弱火で焼きます。生地の表面が9分通り固まったら、全体をフライ返しではがし、裏側は焼かずに、いったん皿に取ります。フライパンに油を足して、溶き卵を丸く広げたら、表面が固まらないうちに、皿に取ったものを裏返してかぶせます(卵とごはんの面が接触するように)。そのまま動かさず、1~2分焼いたらできあがり。フライパンから上手にはがして、今度は皿に裏返して取りましょう。ごはんがふんわりと仕上がり、スップリ(ごはんコロッケ)のようになれば成功です。
2007年06月18日
コメント(6)
しらあえというのは優しい感じがする料理です。あえるものは何でもいいのですが、わたしは三度豆やグリーンアスパラが好きです。ほかには小松菜、ほうれんそう、しめじ、突きこんにゃくなど、ちゃんとした食感のあるものなら、たいがい使えます。以上のものは下茹でをして、冷ましてからあえ衣と合わせるといいでしょう。あえてしばらくなじませ、冷蔵庫で冷やしているうちに、素材から水分が出て衣が緩むことも考慮に入れて、衣の味付けを調節します。絹こし豆腐半丁は、耐熱皿に乗せて電子レンジで3分程度加熱し、取り出してざるに乗せておくと、水切りできます。冷めたらボウルに移し、クリームべらなどで、最初は崩すように、それからは切り混ぜるように、最後は押しつぶすようにして、なめらかなペースト状にします。塩分は白味噌で、甘みはみりんで付け、ボウルの中で少しずつ伸ばしながら全体に味を行き渡らせます。あえる素材の分量にもよりますが、前述の通り、少し濃いめの味でもかまいません。茹でた三度豆(隠元豆)は、まっすぐか斜めかに切って2~3cmにし、食べる10分ほど前にあえて、冷やしておきましょう。しめじや突きこんにゃく、短いマッチ棒に切って茹でたにんじんを混ぜると、色鮮やかです。メインのおかずではなく、箸休めになるので、塩分も甘みもくどくならないよう、控えめにしてください。しっかりした濃い豆腐を使えば、なおさら美味しくなります。それほど難しい料理ではないので、季節の素材を使ってぜひお試しください。
2007年06月16日
コメント(4)
奄美大島の郷土料理が食べられる居酒屋で「とびんにゃ」を食べました。標準和名がマガキガイ(籬貝)で、地方により「てぃらだ」「ちゃんばら貝」などとも呼ぶようです。縦長の巻き貝で、今回食べたのは高さが4cmぐらいですが、大きくて6cmほどだそうです。貝ごと茹でたのから、身をほじくり出して食べます。噛みごたえ(食感)、うまみとも充分に合格点ですが、貝から身を出すときの努力が、さらに「うまい」と言わしめているようにも思えます。茹でたとびんにゃを1つ手に取り、下の方から縦に(細長い貝の口のすきまと同じ方向に)つまようじかカニフォークを入れて、身を引っかけ、くるりと回して外に出します。黒っぽいわたの部分は、砂を噛んでいるため食べてはいけないそうです。それと、爪状の、貝のふたに当たる部分も硬くて食べられません。残るは身というか足というか、白い部分ですが、これが絶妙の食感で、醤油か酢味噌をチョンと付けて食べると、滋味も深く、えも言われぬ味わいです。奄美では貝のことを「なにゃ」と呼ぶそうで、ヤマトで巻き貝を指していう蜷(にな)と同じかもしれません。とびんにゃの難点は、貝の重みに比べて、食べる部分がほんとに少ないこと。それと、ごくたまにですが、身を引き出しにくい貝があって、殻の外側を少し割らないと、身にありつけなかったことです。しかし、それを割り引いても、充分に美味しいと思える、酒のアテでした。なお、そのお店によると、とびんにゃは初夏の、今ごろの季節のもので、今年はこれでおしまいとのことでした。また来年の楽しみといたしましょう (^_^)。
2007年06月12日
コメント(2)
漢字で鰰とか魚へんに雷とか書くはたはたは、秋田などの日本海で多く獲れます。近年は資源保護のため漁獲制限がありました。西日本では境港も有数の水揚げ港で、秋田をしのぐ年もあったそうですが、ブランドのないのが悲しさ、やはり「はたはたは秋田」だと思われているようです。さて、生のはたはたは身も胴骨も軟らかい典型的な「北の魚」で、そのまま鍋に入れて、頭から食べてしまうこともできます。一夜干しにすれば、ぐっとうまみが凝縮されます。ほっけでも鱈でも、身の軟らかい魚は干物に向きますが、はたはたは切り身や開きでなくて、1匹丸ごとで干物になります。相模湾や駿河湾の鯵や金目鯛など、開きには開きの良さがありますが、丸ごと、しかも生しい一夜干しのうまみは、これはこれで特筆されます。食べる時はただ両面を柔らかい火であぶるだけ。身に火が通り、自分自身の脂で胴骨も“揚げられ”て、ただでさえ軟らかい骨も、口に残らなくなります。多少焦げ目がつけば、頭も食べられます。干物の骨を食べるかどうかは、焼け具合に左右されるところもあるかもしれませんが、骨の軟らかい魚は、がりがり噛んで食べてしまって間違いないと思います。骨せんべいのように100度以上で香ばしく焼いたり揚げたりしたものはもとより、開きになった干物の表面のよく焼けた骨は食べて大丈夫です。内側の骨で食べられるものは、このはたはたに代表される、北の魚になるでしょう。
2007年06月11日
コメント(2)
しゃれて書きましたが、皮に焦げ目を付けたバター焼きだと思ってください。真鯛のほかに、ちぬ(黒鯛)、いさき(いさぎ)など、身がしっかりした白身魚が適します。それと、ぜひ切り身を用意しましょう。半身丸ごとだと失敗します。半身の場合はもったいながらずに、わざと小さく切り分けてください。まず皮側を焼くときに皮が縮むので、それで全体が反りくり返らないように考えると、うまくいきます。切り身には塩・胡椒を適量、振りかけておきます。フライパンを中火でよく熱します。煙が立つ直前ぐらいにバター大さじ1ぐらいを入れ、じゅわじゅわ溶けているところへ切り身の皮側を押し付けるようにして5秒ほど置き、フライパンに固定します。こうやって何切れでも、溶けたバターの上に皮をくっつけます。全部置くと火を少し弱め、そのまま動かさずに、身の2/3~3/4まで火を通します。それからそっとはがし、皮にうっすらと焦げ目が付いていることを確かめてから、裏側(身側)などを焼きます。くれぐれも、焼いている切り身は、不必要に動かさないように我慢してください。充分に焼けたら皿に取ります。フライパンは、もしお好みなら、塩適量、お湯少々、白ワイン少々、コーヒーフレッシュ1個(生クリーム5g)を加えて煮立て、少し煮詰めてソースにしてもいいでしょう。香草類を添えていただきましょう。バターの代わりにサラダ油やオリーブ油でもOKです。熱いうちに、皮のパリッとした味わい・香ばしさと、ホクホクした身をいただくのが、この料理です。身だけでなく、皮も味わうので、鮭などの魚も使えると思います。
2007年06月09日
コメント(0)
関西以外の人には驚かれますが、「たこ焼き」がそうであるように、これもやはり、いかを焼いたものではありません。お祭りの夜店などでは、刻んだいかと、卵と、水溶き小麦粉を、2枚の鉄板でプレスして焼き、焼きたてにソースを塗って食べるというのが、視覚的にも嗅覚的にもおなじみです。大阪・梅田の阪神百貨店の地下では、小麦粉だけのを「いか焼き」、卵入りを「デラバン(デラックス版の略)」と呼んで、行列ができるほどの名物になっています。家庭で作るとしても、いかの下足などの材料は簡単に手に入りますが、プレスして焼く鉄板がありません。でも、いか、いや以下のようにすれば、売ってるようなものが作れます。まず、下足は食べやすいように切ります。1枚分で足5本分以上はほしいですね。これに軽く塩をしておきます。小麦粉大さじ山盛り2杯程度は、緩すぎないように水で溶きます。ここに卵を割り入れ、あまり混ぜずに、黄身を崩す程度にしておきます。フライパンとふたを用意します。フライパンをよく熱し、油小さじ1~2を入れてなじませたら、下足をサッと入れてパッとふたをします。タイミングが遅れると、ものすごく油がはねます。フライパンを揺すって、収まったなと思ったらふたを取り、卵を混ぜた生地を流し入れて、またふたをして中火で焼きます。固まったころにペタンとひっくり返し、あとはふたを取って焼きます。焼けたら皿に取り、トンカツソースやマヨネーズでいただきます。下足を入れたときの油はねは嫌ですが、あまり長く下足を炒めすぎると、水分が出すぎて硬くなりますので、ご注意ください。
2007年06月07日
コメント(2)
ノコギリザメと同様、鼻先が鋭いカジキは、ヘミングウェーの「老人と海」に出てくるように危険な魚の一つです。ただ、切り身で食べる段になると、同じ仲間のマグロに比べて、赤身は淡い肌色をしており、少し脂分もあって、大味ながら鉄板焼きに適します。今回は、粉を付けて鉄板で油焼きにするムニエルにし、赤胡椒(ポワブル・ルージュ)を多めに使いました。ま、香辛料はお好みでいいのですが、なんとなく合うと思ったので、そのように紹介いたします。赤胡椒は正規の胡椒とは別種のようですが、黒・白・緑色の胡椒とともに卓上で粉にひいて、香りと色合いを楽しむときにも登場します。胡椒より実の皮がパリパリしていますが、実自体はやはりピリリとします。ペッパーミルで挽くか、乾いたまな板で包丁の平らな面で押しつぶし、砕けた皮をさらにみじんに刻みます。赤胡椒がなければ粗挽き胡椒で結構です。かじきの切り身は酒と醤油ごく少量をまぶし、下味をつけるというか、余分な水分と臭みを出します。そのまま冷蔵庫で30分ほども置いたら、砕いた赤胡椒を片面によくまぶし、さらに小麦粉を両面にまんべんなく付けて、余分な粉をはたき、よく熱したフライパンに油を多めに入れて、中火で両面を焼きます。塩味で食べる場合は、小麦粉を付ける前に塩をしましょう。焼いたあとで味を付けるなら、めんつゆ、醤油味ドレッシング、(モルトかワイン)ビネガーかバルサミコ酢などでどうぞ。胡椒のピリッとした味をアクセントに、ステーキ感覚でいただきましょう。
2007年06月02日
コメント(2)
全10件 (10件中 1-10件目)
1


