イラクの復興を議論するときに、その破壊の方は「何を今更そんなことを言うのだ」というような空気がかなりありましたよね。議論をしていたら、今すぐに必要な復興に手を出せないから、議論よりも行動が必要なのだというような論理で、破壊の方がいつの間にか忘れ去られているというように感じました。

しかし、これはおかしいですよね。数学の計算だったら、プラスとマイナスが相殺されてゼロになりますが、実際には不可逆的な現象であれば、あとでいくら埋め合わせをしてもそれだけで責任がなくなるのではないと思います。

自分たちの爆弾で手足を奪っておきながら、あとで治療したから「良かった」というのでしょうか。僕は、イラクの問題に関しては、いつまでも話を蒸し返して、そもそもの始まりはどうだったのか、誰に責任があるのかを忘れてはいけないのではないかと感じています。

大事なのは、二度と理不尽なことを起こさせないようにすることだと思うからです。 (2004年01月24日 14時44分12秒)

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2004年01月23日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ニュースを読むと気が滅入る日が続いているが、自分の精神的な健康のために、ニュース断ちをしたら、悪化する世界情勢の変化についていけずいよいよ精神的打撃が大になることは必至である。

 戦争に反対していても、日本は巨額のお金をイラクの破壊と復興(あってはならない取り合わせ。破壊しなければ復興の必要もなかった)のために使っているという事実をどうすることもできない。イラク派遣国会承認案について議論されている間に(造反議員を処分するという自民党)航空自衛隊はクウェートに着いてしまっている。イラクでの自衛隊の活動についての取材の制限はやむをえないと小泉首相。報道の自由や国民の知る権利を不当に制限するものではない、と。日本新聞協会と日本民間放送連盟は、取材提供・取材のルールを確立するように政府に要望したようだが、取材する側でこんなふうにするというルールを作って政府に伝えるのか、と思っていたがそうではないらしい。取材を制限してほしいといわれたらのんでしまうのだろうか。

 南木佳士の『エチオピアからの手紙』半分ほど。今週は採点があって思うように本が読めない。「活火山」という短編に、天明三年の浅間山の大噴火のことが書いてある。流れ出た溶岩が熱泥流となって村を襲った。観音堂に逃げ登った村人は助かるがもとは百五十段あった観音堂への階段は今は十五段しか残っていない。石段を駆け登る途中で泥流に足を取られ埋まったものもいた。発掘調査で上から五十段目あたりまで掘った時、石段にへばりつくように重なった二体の人骨が出てきた。下にいたのが若い女性、上は腰の曲がった老婆。姑を背負った嫁ではないか、と推定された。嫁を捨てれば嫁は逃げられたかも知れない、捨てなかったのか、姑がしがみついて捨てさせなかったのか…こんな時人は何を考え、どんな決断をするのか、と読みながらいろいろ考えてみた。

 主人公の医師は、この話を語った女医と実際にこの観音堂の階段で同じことをしてみる。「石段の下に降りて腰をかがめた勇の背に女医が体を預けてきた。豊かな胸が背をやわらかく押し、長い髪が首筋に触れた…膝が細かく震え、口の中に甘酸っぱい液が湧いてきて、勇は吐きそうになった。女医が甲高い声で笑い出した。「あなたなら絶対捨てたわね。重いものね。一人だけ逃げのびて、あとでうんと後悔して、そのうちにありきたりの想い出に変えてったりするのよね」。彼女の言葉がふいに僕に向けられ、困惑した。

 『短歌に親しむ』(佐々木幸綱、日本放送出版協会)を手に入れる。俵万智に短歌を教えた人である。短歌らしい短歌をつくろうと思わないでよい、個性的な短歌をつくろうと試みるべきだという著者の主張は勇気づけられた。少しずつ読んでいこうと思う。「具体的に、細部を」というところでは、俵の歌をあげている。
 砂浜のランチついに手つかずの卵サンドが気になっている
(サンドイッチではなく、卵サンドであるところ)
 見送りてのちにふと見る歯みがきのチューブのへこみ今朝新しき
(ラミネートチューブをイメージしてはわからないかも…前夜からの二人の時がチューブのへこみに凝縮する)

目を閉じて来し方眺む君の頬ポインセチアの赤色映える





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最終更新日  2004年01月24日 00時14分02秒
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Re:一人逃げ延びて(1/23)  
 僕もなかなか平和にならない世界に悲しんでいます。悲しみの果てに、そもそも世界が平和になることなんてできないのではないか、それなら、世界を破滅させてしまって無になってしまったほうがいいのではないか、と考えてしまう始末。もちろん、そんなこと実行不可能なんだろうけど。 (2004年01月24日 01時39分32秒)

Re:Re:一人逃げ延びて(1/23)  
Ichiro_Kishimi  さん
Karkun(か~くん)さん
 ほんとにね。ハクビシンを、そしてに鶏を絶滅させてまでも生き延びるに値するのか、この人類は、と思ったりします。でもね、やはり悲観的になってはいけない、と思う。 (2004年01月24日 01時46分18秒)

Re:一人逃げ延びて(1/23)  
Ichiro_Kishimiさん

 うん、たしかに。悲観的になってしまいたいけれども、やはり悲観的になっていても意味が無く、また、ためにならないと僕は思うので、やはり何かできることをしようと思っています。
 もちろん、世界を破滅させるだなんて、僕一人の力ではできるわけではないので、やはり少しでも世界が平和になれるように行動を起こそうと思います。

 ただ、ただ。今までの歴史をみると、世界が平和になるには時間がかかるはず。おそらくあと何百年もかかる……切ない。 (2004年01月24日 09時15分42秒)

Re:Re:一人逃げ延びて(1/23)  
Ichiro_Kishimi  さん
Karkun(か~くん)さん
 人と人の関係でも同じだと思います。一瞬にして喧嘩して別れることはできますが、愛を育むのは時間もエネルギーも必要です。
 まずは今起こっていることは他人事、対岸の火事ではないということに思い至るところから始めたいです。 (2004年01月24日 10時28分38秒)

Re:一人逃げ延びて(1/23)  
秀0430  さん

Re:Re:一人逃げ延びて(1/23)  
Ichiro_Kishimi  さん
秀0430さん
 同感です。いつまでもこだわりたいし、こだわらなければならないと思います。復興は必要である、そのために自衛隊を派遣しなければならない。しかるに、自衛隊派遣に反対するということは復興を支持しないことであり非人道的である、というロジックにはまってはいけないと思います。 (2004年01月24日 18時18分25秒)

Re:Re:一人逃げ延びて(1/23)  
秀0430さん
>自分たちの爆弾で手足を奪っておきながら、あとで治療したから「良かった」というのでしょうか。僕は、イラクの問題に関しては、いつまでも話を蒸し返して、そもそもの始まりはどうだったのか、誰に責任があるのかを忘れてはいけないのではないかと感じています。

オンタイムで「黒い雨」読んでいたもんでこの気持ちよくわかります。もっとも今日の僕の読書は結構・・
宿題的なものなのですが・・

大事なのは、二度と理不尽なことを起こさせないようにすることだと思うからです。
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(2004年01月24日 22時14分12秒)

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