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送崔使君赴壽州 劉長卿列郡專城分國憂、■(「丹」のみぎに「彡」。トウ)●(「瞻」の「目」を「巾」に換えた字。セン)皀蓋古諸侯。仲華遇主年猶少、公瑾論功位已酬。草色青青迎建隼、蝉聲處處雜鳴▼「趨」の「走」を「馬」に換えた字。スウ)。千里相思如可見、淮南木葉正驚秋。【韻字】憂・侯・酬・▼(スウ)・秋(平声、尤韻)。【訓読文】崔使君の寿州に赴くを送る。列郡専城国の憂ひを分かち、■(「丹」のみぎに「彡」。トウ)●(「瞻」の「目」を「巾」に換えた字。セン)皀蓋古への諸侯。仲華主に遇ひしとき年猶ほ少く、公瑾功を論ぜしとき位已に酬はる。草色青青迎建隼を迎へ、蝉声処処鳴▼「趨」の「走」を「馬」に換えた字。スウ)を雑(まじ)ふ。千里相思ひて如(もし)見るべくんば、淮南木葉正に秋に驚く。【注】○崔使君 未詳。「使君」は、州郡の長官に対する尊称。○寿州 安徽省寿県。○列郡 各郡。○専城 地方長官。○■(トウ)●(セン) 車蓋の周囲にさげる朱色のたれぎぬ。○皀蓋 黒い車蓋。○仲華 ▲(「登」にオオザト。トウ)禹の字。後漢の南陽新野の人。年十三にして能く詩を誦す。長安に遊学し劉秀(光武帝)と親しんだ。○公瑾 周瑜の字。三国時代の廬江の舒の人。劉備と協力し赤壁に曹操軍を破り、南郡の太守に拝せられた。○青青 草木が茂るようす。○建隼 地方長官はハヤブサを画いた旗を建てる。【訳】崔使君が寿州に赴任するのを見送る。君は太守に任ぜられ国を憂いて政治とり、かつての諸侯さながらに車ととのえ赴任する。仲華は若きときすでに光武に厚遇されており、公瑾手柄たてしときすでに南郡太守たり。草青青と生い茂り迎える太守の旗のぼり、あちらこちらに蝉の声、時折いななく馬の声。千里のかなた君思い、もしも再びあえるなら、淮南の地に木の葉散り秋のおとずれ驚かん。【参考】『全唐詩』巻二五〇 送崔使君赴壽州(一作劉長卿詩) 皇甫冉列郡專城分國憂、■(トウ)●(セン)皀蓋古諸侯。仲華遇主年猶少,公瑾論兵位已酬。草色青青宜建隼,蝉聲處處雜鳴▼(スウ)。千里相思如可見,淮南木落早驚秋。
October 31, 2007
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送楊於陵歸宋■(ベン)(一無此字)州別業 劉長卿半山溪雨帶斜暉,向水殘花映客衣。旅食嗟余當歳晩、能文似汝少年稀。新河柳色千株暗,故國雲帆萬里歸。難亂要知君到處,寄書須及雁南飛。【韻字】【訓読文】 楊於陵の宋■(サンズイに「卞」。ベン)(一に此の字無し)州の別業に帰るを送る 劉長卿半山渓雨斜暉を帯び、水に向へる残花客衣に映ず。旅食嗟(ああ)余歳晩に当たり、能文汝の似(ごと)き少年稀なり。新河の柳色は千株暗く、故国雲帆万里に帰る。難乱知るを要す君の到る処、書を寄するには須らく雁の南飛に及ぶべし。【注】○楊於陵 字は達夫、弘農の人。年十九にして進士に及第。節度使韓滉に気に入られ、その娘を嫁にもらった。韓滉が大臣となったが、出世を望まず、退廬建昌に隠居した。滉の死後に膳部員外郎、中書舍人、戸部侍郎などを歴任。元和の初、嶺南節度使となり、穆宗即位後に戸部尚書に遷り、左僕射に終わった。死して司空を贈られた。○宋■(ベン)州 河南省開封市。○別業 別宅。○半山 ○渓雨 谷間に降る雨。○斜暉 夕日。○残花 色香の褪せた散り残りの花。○客衣 旅人の着物。○旅食 よその土地で暮らす。○嗟 ああ。○余 われ。○歳晩 年末。○能文 文章を上手に作る。○汝 きみ。○少年 若者。○寄書須及雁南飛 蘇武が匈奴の地から、ガンの脚に手紙を結びつけて漢に届けた故事。【訳】楊於陵が■(サンズイに「卞」。ベン)州の別宅に帰るのを見送ったときの詩。山の中ほど谷あいに雨そぼ降りて夕日差す、旅立つ君の衣には水べの花の色はえる。ああ、われ今年も歳の暮れ異郷で暮らすさびしさよ、君は文才恵まれて前途洋々若さあり。新河の柳色は千株暗く、故国雲帆万里に帰る。災難戦乱多ければ君のいる場所知らせたし、手紙を南に去る雁の脚に結びて是非よこせ。
October 27, 2007
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感懷 劉長卿秋風(一作青楓)落葉正堪悲、黄菊殘花欲待誰。水近偏逢寒氣早、山深長見日光遲。愁中卜命看周易、夢裏招魂讀楚詞。自笑不如湘浦雁、飛(一作春)來即是北歸時。【韻字】悲・誰・遅・詞・時(平声、支韻)。【訓読文】 感懐秋風(一に「青楓」に作る)落葉正に悲しぶに堪へたり、黄菊残花誰をか待たんと欲する。水近くして偏へに寒気に逢ふこと早く、山深くして長く日光を見ること遅し。愁中命を卜するに周易を看、夢裏魂を招くに楚詞を読む。自ら笑ふ湘浦の雁に如かざるを、飛(一に「春」に作る)来するは即ち是れ北帰の時。【注】○感懐 心に感じた思い。○秋風落葉堪正悲 李■(「斤」のみぎに「頁」。キ)《行路難》「秋風落葉閉重門、昨日論交竟誰是」。○黄菊残花誰をか待たんと欲する。○水 川や湖。○寒気に逢ふこと早く、山深くして長く日光を見ること遅し。○愁中 ○卜命 運命をうらなう。○周易 周代の占いを書いた書。儒教の五経の一。『易経』。○夢裏 夢のなか。○招魂 死者のたましいを招いてなぐさめ、祭る。○楚詞 楚の愛国詩人屈原とその門人の作品と、漢代の模倣作を収めた書。『楚辞』。○自笑 自嘲する。○不如A Aにおよばない。○湘浦 湘水のほとり。湘水は、湖南省を流れて瀟水と合流して洞庭湖に注ぐ川。【訳】胸中の思いを詠んだ詩。秋風吹きて木の葉散りいとも悲しき秋の暮れ、黄色に咲ける菊の花誰が見るのを待ちいるか。川の近くに住みおれば寒気も早くおとずれて、山深ければ出ずる陽の昇り来たるもいと遅し。愁い抱きて『易経』を開いて我が身うらないて周易を看、夢のうちには『楚辞』を読み、亡き人の霊なぐさめる。南のかたへ飛び来たる湘浦の雁に背を向けて北へと向かうこの身をば自ら笑う切なさよ。【参考】 辰陽即事(一作劉長卿詩,題云感懷。) 張謂青楓落葉正堪悲、黄菊殘花欲待誰。水近偏逢寒氣早、山深常見日光遲。愁中卜命看周易、病裏招魂讀楚詞。自恨不知湘浦雁、春來即是北歸時。
October 23, 2007
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■(「員」にオオザト。イン)上送韋司士歸上都舊業(司士即■公之孫,頃客於■上) 劉長卿前朝舊業想遺塵、今日他郷獨爾身。■(イン)地國除為過客、杜陵家在有何人。蒼苔白露生三徑、古木寒蝉滿四鄰。西去茫茫問歸路、關河漸近涙盈巾(一作此去茫茫盡秋草、離心萬里逐征輪)。【韻字】塵・身・人・隣・巾(平声、真韻)。【訓読文】■(「員」にオオザト。イン)上にて韋司士の上都の旧業に帰るを送る。(司士は即ち■公の孫にして、頃(このごろ)■上に客たり)前朝の旧業遺塵を想ひ、今日他郷独り爾の身。■(イン)地国除せられて過客と為り、杜陵家在るもの何人か有らん。蒼苔白露三径に生じ、古木寒蝉四隣に満つ。西去茫茫帰路を問へば、関河漸く近くして涙巾に盈つ(一に「此去茫茫尽秋草、離心万里逐征輪」に作る)。【注】■(「員」にオオザト。イン)上 随州■水のほとり。○韋司士 未詳。「司士」は、州・郡の補佐官。○上都○旧業○■公 韋安石。武后・中宗・睿宗の世に、相として仕え、■国侯に封ぜられた。○頃 このごろ。ちかごろ。○前朝 前の皇帝の御代。○旧業 古い屋敷。○遺塵 遺跡。○今日 現在。○他郷 先祖の地をはなれた異郷。○国除 封爵を削除される。○過客 旅人。故郷を離れた人。○杜陵 漢の県の名。陝西省西安市の東南。漢の宣帝の陵墓がある。○蒼苔 アオゴケ。○白露 秋に生じるしらつゆ。○三径 庭の三つの小道。漢の蒋▼(「言」のみぎに「羽」。ク)は、庭に三本の小道をつくり、松菊竹を植えた。○古木 老木。○寒蝉 ヒグラシ。○四隣 四方。あたり。○西去 西に向かう。○茫茫 はてしないようす。○関河 国境の川。○漸 だんだん。○巾 手ぬぐい。【訳】■(イン)水のほとりで韋司士が長安の旧宅に帰るのを見送る。(司士は即ち■公の孫で最近、故郷を離れて■水のほとりに来ていた)君が先祖は前の御代、長安の地にぞ住みたもう、現在君はただ独り他郷に暮らすさびしさよ。■(イン)の土地をば後にして旅をする身となりにけり、杜陵の土地に家の在るもの何人もあるまいぞ。屋敷の道にコケはむし、草の葉に置く露多し、年古りた木に蝉は鳴き四方にひびく秋はきぬ。はるかに西を目指しゆくその帰路君に問うたれば、国境の川近づきて手ぬぐいぬらす涙かな。
October 14, 2007
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喜朱拾遺承恩拜命赴任上都 劉長卿詔書徴拜脱荷裳、身去東山閉草堂。■(「門」のなかに「昌」。ショウ)闔九天通奏(一作楚)籍、華亭一鶴在朝行。滄洲離別風煙遠、青瑣幽深漏刻長。今日卻迴垂釣處、海鴎相見已高翔。【韻字】裳・堂・行・長・翔(平声、陽韻)。【訓読文】朱拾遺の恩を承けて命を拝し上都に赴任するを喜ぶ。詔書徴拝せられて荷裳を脱ぎ、身は東山を去つて草堂を閉づ。■(「門」のなかに「昌」。ショウ)闔九天奏(一作楚)籍を通じ、華亭の一鶴朝行に在り。滄洲離別風煙遠く、青瑣幽深漏刻長し。今日卻つて釣を垂れし処を迴れば、海鴎相見て已に高く翔ぶ。【注】○朱拾遺 朱放。「拾遺」は、天子をいさめる官。○拝命 官職に任ぜられる。○上都 長安。○詔書 みことのりを記した文書。○徴拝 呼び出して官職につける。○荷裳 隠者の服。○東山 浙江省上虞県の西南に在り。晋の謝安が隠れた所。○草堂 草葺きの家。○■(「門」のなかに「昌」。ショウ)闔 天上界の門。ここでは、宮門。○九天 皇居。宮中。皇城の門は九重であるからいう。○奏籍 宮門の通行証。○華亭 今の江蘇省松江県の西の平原村。晋の陸機は華亭の人なり。害に遇ったとき嘆じて曰く、「華亭鶴唳、豈復た聞くべけんや」と。 華亭の一鶴は、隠者のたとえ。○朝行 朝廷の列。○滄洲 いなかの水辺。○離別 わかれ。○風煙 風に舞う塵。○青瑣 青い図柄で彫刻した宮門。○幽深 奥深い。○漏刻 水時計。○卻 あべこべに。○迴 めぐる。○海鴎相見已高翔 カモメが私を見て高く飛んで逃げる。カモメといつも戯れていた若者が、その父親から「わたしがカモメをペットにするから捕まえてこい」と言われて海に出かけたところ、カモメが寄りつかなかったという『列子』に見える話にもとづく。【訳】朱拾遺が天子のご恩を承けて官職に任ぜられ、長安に赴任するのを嬉しく思って詠んだ詩。詔書届いて官職をたまわることと相成りて隠者の服を脱ぎ捨てて、草堂閉じて山を去る。通行証を宮門の門番に見せ宮に入り、かつての隠者は朝廷の行列にその雄姿在り。いなかの水辺あとにして自然の景色に遠ざかり、青く塗りたる宮門の奥に時告ぐ水時計。今日あべこべに釣糸を垂れた所にきてみれば、海の鴎は君を見て空高く翔び逃げるだろ。
October 3, 2007
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