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戸籍 南風一戸籍がなくて小学校に通えなかった人がいる小学校や中学校へ通うことはできたけれど日本国政府のパスポートを貰えなかった人がいる一方で親が死んで相続人の証に戸籍謄本の提出を求められるとき何でそんなものが要るんだと銀行窓口で毒づく人がいる実は戸籍を持っている人は空気を呼吸する人が当たり前のこととしてその有難さを感じないように戸籍を当たり前に持っていることの有難さを感じない (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/28
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たこ焼き 南風一認知症がかってきた母が曽孫が離乳食を口の周りにいっぱい付けている写真を見て何を思い出したのか私に問いかけてきた「はじめがお祭りのたこ焼き屋台の前で立ち止まるので たこ焼きを一串買ってやると片方の側ばかり食べるので 半分食べたところで下に落とした。 落としたたこ焼きを拾おうとするので 土がついて食べられないよと言ったものの 恨めしそうにたこ焼きを見ているので 再びたこ焼き屋台のところに戻って おじさんにはじめがたこ焼きを落としたことを話すと 小さな子どもは串を回して万遍なく食べる術を知らないから 落とすよねと言って小さなたこ焼きを一串サービスしてくれた そしたら今度はたこ焼きを落とすまいとして 左手を顎の下に据えて 食べていた。」その話を聞いた私は「憶えてないな」と答えた「そうだろうね」なお母は続けて「今度はうまくたこ焼きを食べ終わって またたこ焼き屋台の方を振り返ってじっと見ている。 もういっぱい食べたからこれ以上食べたらお腹を壊すよと言って 串を捨てようとしたら 串を握って離さない。 仕方がないのでそのままにしておいて 何気なく見たら串を持っていなかったから 何処かで捨てたらしかった。」私の記憶を超越したはるか以前の記憶の中で母の記憶は生き生きと生きている (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/21
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傘 南風一昭和40年代黄色の学童傘はまだ高価だった現代の百均店やコンビニ店で売っている傘ほど安価でも手軽に買えるものでもなかったそんな学童傘を小学校からの帰り道に振り回して首の長い草を払うのが爽快だった何も起きないときはそれで良かったけれどちょっと茎の固い雑草2、3本をまとめて払ったときにはさすがに傘の柄もその固さに耐えきれずぽっきり折れてしまうことがあった翌日晴れのときは何も問題なかったところが何日かすれば雨が降ることもある朝から雨降りの日に傘を差さずに濡れながら歩くことほど惨めなことはなかった雨の冷たさもさることながら道近くの近所の人の視線がつらかった「なぜ傘を差さないの?」「うん 学校に忘れて来たから」嘘を付いてその場を取り繕った小学校に着いたからと言って傘など置いているはずなかった帰りも濡れながら歩いて帰る日もあった母親に叱られるのが怖くて言い出せなかったものだが再び傘を差して行っていたからその後どうにかなったのだろう今ではその辺りの事情も忘れてしまった (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/15
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容姿以上 南風一容姿だけを言うならきみは多分ありふれたおばさんに過ぎない誰もきみに振り向くことはないしきみに心ときめかす者とていないだろうだけど俺にとってきみは容姿以上の存在だからきみの姿を見るだけで心ときめくだろうだってきみの声を聴いただけで俺は昔に戻れたしきみだって昔のきみに違いなかったきみの姿に心ときめかないはずないだろうきみは何十年経ってもきみのまま俺はきみの姿に心ときめく (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。 購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/14
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何もないこと 南風一次男の車検に続いて私の車の定期点検車検は2年毎定期点検は半年毎いつも忘れているけれどディーラーの担当者から電話があって郵便が届いて早や半年が経ったことに気付く2年というのもあっという間だそうして私の車は18年が過ぎた18年は随分長い歳月だけれどそれじゃあと新車に買い替える余裕もない定期点検 車検の度に大きな修理がなければと思い何もないときもあればオイル漏れやタイヤ交換で修理費が嵩んだこともあるいつも何もないことを願い次の点検までは6か月もあると思うのに次の車検なんて2年先だと思うのに過ぎてみれば 何のこと?そうして一足毎に歳を重ねてディーラーの担当者が店長になったり新入社員と入れ替わったり車に明け暮れて生活している人がいる (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/08
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番号非表示 南風一馬鹿げた妄想かも知れないそういつまでも昔の想いを引きずっている人なんてあろうはずがない子育てやら親の介護やら自らの健康問題が追い打ちをかけてはるか昔の飯事遊びのような感傷に身を浸している時間などそうそうあろうはずもなかろうその上で「もしかして・・・」と想う携帯の着信 午後7時45分真夜中の着信 午前3時1分誰も出なくていいのよ着信があったことだけ知ってもらえばいいそんな伝言何の意味があるのかな?俺が知ったところでどうなるというのだろうきみのことは最早何でもない殊更憎いとか哀しいということもないあるのは確かそんなこともあったかなという想い好きという想いを抱いた女が数人確かにいたそれがきみだったものかどうかいや確かにきみだったのだろうと想う (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/07
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