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真実 南風一何が真実だったかなんて今も分からない後々まで尾を引くことがないように恨まれることなく離れるにはどうすればいいか無意識のうちに恋が成就するときを待つことなく出口の心配をしていた逃げるタイミングばかりを計っていたこちらが振ったとなれば死ぬまで恨まれることになるかもしれないその点向こうの乗り気が今一のときならばこちらが自分から去ってくれてありがたかったとなる可能性が高いそんなわけで俺は彼女から去ったその後彼女から連絡はない恨まれないことより成就することをなぜ最後まで信じられなかったのだろう絶対に成就することはないそんな確信を持っていたのかもしれないそんな負け犬根性をいつから持ち始めたのかな?きみが俺のことを好きなことは俺がきみを好きなこと以上に当たり前過ぎて疑ったことなんて一度もなかったそれなのにいつからだろう?きみから呪われないでさよならする方法そんなことを考えていたなんて結末を確信していたのにそれでもきみが靡くこともあるかもしれないそんな風に振る舞っていた「ありえないよね」そんな風にあっけらかんときみに言えていたらわざわざ策を弄することもなかったのだろうか何が正しかったのか今も分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/30
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おしべ 南風一初夏のころ木立の中を歩くときやばいと思うことがある精香ぷんぷん若い娘さんなら恥ずかしくてこの匂いの中は歩けないんじゃないかと思うくらい強烈な精香が立ち込める周りを見渡せば松のおしべかもっとほかの木なのかもしれない強烈な匂いを放ってめばなへ存在を知らせる大昔に遡れば植物も人間も兄弟だったのだろう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/24
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好き 南風一歳をとったということだろうか?好きの意味が分からない別れ話のもつれで殺人に及ぶ男がいる殺された人には気の毒だがなぜ殺人に及ぶのかその理由が分からない以前仕事の関係で見積もり依頼や発注書を交わす度に応接応対していたセールスレディがいた彼女は細身の割にグラマーでいつも胸元までカットが入ったシャツを着ていた低い応接椅子に座って前屈みになる度に真っ白の胸の膨らみやブラジャーが見えたあるときその女性に女を感じてしまってつい深夜に彼女の携帯を鳴らしてしまった彼女は仕事でもないのに深夜に携帯を鳴らされたことでひどく動揺した様子だった「今晩は。南風です。分かりますか?」「あ、あ、あのう、分かります」「今テレビを見ようとしたところで、 自分の部屋に行くので、ちょっと待ってください」彼女の声はやや鼻にかかった甘えた声だった。ややあって「びっくりしました・・・」そんなことを二度ほど続けたある日のこと彼女は仕事で私のところにやって来たとき応接に入る前に私を睨みつけて小声で言った「困ります。先日は仕事で接待中だったのです」「申し訳ない。私がどうかしていた。許してください」そう言って謝った後にはきみはもう自分の言ったことを忘れてしまったかのようににこやかな彼女に戻っていた単なる仕事上の付き合いにしか過ぎなかったのになぜ俺はあのときセールスレディに魅力を感じてしまったのだろう?セールスレディたるもの仕事の相手には愛想笑いが当たり前なのに俺は何を勘違いしたのだろう?彼女に睨みつけられても憎いとも何とも思わなかったただ深夜の彼女の甘えたような声は何だったのか?と不思議だった一転して睨みつけられて俺は何か悪いことをしただろうか?分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/23
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1年 南風一 10時の時報が鳴って車のドアを閉めると2階の会議室へ急いで駆け上がった部屋に入るとボランティア仲間はすでに着席して残すところ私一人となっていたきみの姿が見えたけれどそこにまっすぐ行くには気が引けたのでぐるりと後ろから回ってはみたけれど結局きみの隣に着席することになったただきみの隣できみの横顔や掌素肌の足首、踵を盗み見るだけでも幸せだったこれから1年の予定を聞きながらきみと会ってからの6年の日々のことを思い巡らせた初めて自己紹介した日のこと土曜日に集まったのがきみと俺の二人だけだった日のこと土砂降りの中きみの車に乗って昼飯を食べに行った日のことどれも懐かしい思い出となってただきみと隣り合っていることを至福の時間として味わっているきみを素っ裸にしたところで女であることに変わりないだろうセックスしたところで他の女と変わるところはないだろうそんなことを妄想する私ととてもそんなことをする勇気がない自分を交互に思い描いて結局いつものようにおとなしく座っている突然変化すれば何かが変わるのかもしれない変わらないのかもしれないそこで変わって何かがよくなるというものではない悪いことしか残らないということもあるそんなリスクを思い描いてきみの横顔を盗み見ている私 (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/16
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白 南風一雲は白女子高生のふくらはぎも白制服のスカートから伸びた脚に過ぎないのにその白さは際立って眩しい自分が高校生であった頃女子高生の級友たちを見て脚の白さに眼を奪われたことなんてあっただろうか?当時は女子高生のふくらはぎの白さに気付かなかった白さは属人的なものだと思い込んでいた節はある確かにそういういう要素もあっただろうでも女子高生の白さは一般的なものと思う生涯において一番きれいな年頃ということもあろうそうでなかったらきみのことを好きになるはずなかったきみもまた生涯において一番きれいな時季だったのだろうそうでなかったらあんなに眩しいはずなかった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/09
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GW 南風一忘れていても必ずやってくるものこれの使い方の達人には程遠い子どもたちが小さかった頃は祖父母に子どもたちの顔を見せるのがGWの仕事だった子どもたちが成長して親たちに付いて来なくなったときからGWの過ごし方が分からなくなった時間に任せて衣更えをする居間の片隅のヒーターを片付けるボアの毛布を片付ける切り抜いままに積み重なった新聞スクラップを整理するそんなことでGWはいつの間にか終わってしまう長いようで過ぎてしまえば早いもの一体何をして過ごしたのだろうと思うGWのうまい使い方というものもあるのだろうけれどいまだもって分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/06
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筍 南風一森林公園に散歩に行った折遊歩道の脇の竹藪に筍を見つけた最初は一個くらい掘ったところで何の足しにもならないと思ってそのままにして通り過ぎたややしばらく行くと道の脇にまた筍が頭を出しているこれは掘るしかないと思って軍手とスーパーの買い物袋を取り出して本腰を入れて筍を掘り出したそうは言ってもスコップも鍬も持ち合わせていなかったので筍の周りの土を掻き分けて前後左右に揺すって抜き出そうとしたけれど筍は途中でぽっきり折れて太くて筒の大きい部分は土中に残ったなかなかすっぽり抜き出すのは難しかった帰りにうどん屋に寄って筍の天ぷらを食べたそれは私が土中に残してきた筒の大きい筍だった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/05
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サツキ 南風一 庭にはサツキの植木が1本ある長男の軽自動車を置くために移動してから3年になるそれから一度も花を咲かせないそれ以前にも白い花を咲かせる年もあれば咲かせない年もあったから花はサツキの気紛れで咲くものと思っているサツキが花を咲かせるのも咲かせないのも八卦みたいなものでこればかりは人の手に負えないと思うが街路樹のサツキがピンクや赤白の鮮やかな花を咲かせているのを見ると、八卦だけでもなさそうだなと思える基本的に日照時間が理由かなとも思う当家のサツキは東ブロックの西側に植わっているので太陽が当たるのは昼からであるさてあと何年したら真っ白な花を咲かせるのだろう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/04
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卒業あれこれ 南風一大学の卒業式を控えゼミテンが集った最後の日先生は二人のゼミテンが姿を見せなかった理由を淡々と話した一人は地元新聞社に採用が決まったので卒業を待たずに大学を中退してさっさと就職してしまったこと先生は彼なりの別れ方でありゼミテンにはよろしくということだったらしいもう一人は転身を決意して地方大学医学部を受験して合格したのでもうそちらに発ってしまったとのことだった私は留年が決定していたので大学に余り顔を出していなかった事情もあったのかも知れないゼミテンたちは自分の卒論作成に忙しくて仲間のことまで気が回っていなかったこともあっただろう誰も二人の事情について知らなかった大学3、4年にゼミナールを一緒にやってきた仲間たちの別れ方としてはちょっと淋しい別れ方だったそれから32年が過ぎて二人はどんな暮らしをしているのだろう?すっかり忘れていたけれど突然二人のことを思い出した (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/03
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自然の1日 南風一1日なんて365日の1日に過ぎないと思うことなかれ5月1日晴れの日照時間は12月23日晴れの日照時間の2倍5月の掻き入れ時の1日がなければ5月の発電収入が1年で最高になることがない5月の発電収入が1年で最高になることがなければ太陽光発電設備の借金を返して余りが出ることはない余りが出ることがなければ誰も設備投資をしない結局5月1日晴れの1日があるから高価な太陽光発電設備を購入しようという人がいる5月に晴れの1日が何日あるかというのは大いなる関心事となり晴れ1日が彼の生殺与奪の権を握っている大事な時季の1日は極めて重要大事でない時季の1日は大事でない時季ゆえにその日が晴れたときの貢献度は大きいものがあり大事でない時季の収入の過半を制する365日の1日が晴れるかどうかは365回の大切な事柄私は日々を判で押したようなサラリーマン生活を送っているが自然の1日は毎日が戦いである (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/02
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曇り空 南風一雨が降って翌日曇りのとき空を見上げて「この曇り、いつまで続くのか?」「ひょっとしてこのまま曇りが続くのじゃないか」と不安になる立ち込めた雲の向こうに太陽がまぶしく輝いて居ることは分かっているけれど「もしかしてこのままずっと晴れないのじゃないか」と悲観的になってしまう1年中晴天が続くことはあり得ないし1年中雨と曇りが続くこともありえないにもかかわらず半月くらい雨と曇りが続いたくらいで「このまま晴れの日は永遠にやって来ないのじゃないか」そこまで私を不安にさせる理由は何?明日にも終わるかもしれない地球の運命?明日にも終わるかもしれない太陽の光自然の終わり終わるとも終わらないとも確信を持って言えない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/02
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