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「当面、何もしないことにしました。
いまの自分には向いていないですから」。
先日、
退職金が銀行に振り込まれた
60歳の男性Aさんは、
まとまったお金を
どう運用すべきか考えた結果、
こう決断しました。
それを聞いた私も
「それでいいでしょう」
と同意しました。
銀行から勧められた
保険への加入や
投資信託の購入を
断った理由に納得できたからです。
銀行からの提案は2つありました。
※よくある・・
銀行に入る手数料が
大きい、2つ・・です。
こんなもの、
買ってはいけない。
一つは
「一時払い終身保険」。
一生涯の死亡保障があるので、
相続対策などに利用
されることもある保険です。
※特殊な人だけが必要。
相続対策が必要な人、
事業の承継対策が必要な人、
・・といったところです。
一般の人にはまったく
不要な保険です。
ただ一般には、
数年後の中途解約金が
払い込み保険料を上回る
ことに着眼し、
貯蓄代わりに提案
されることが多いものです。
※はい、貯蓄商品として
奨められています。
現在の低利率の状況で
「保険で貯蓄」
は、
まったくあり得ませんが。
Aさんは
「(金利が高かった)昔と
状況が違うのは分かっているけど、
貯蓄性に納得がいかなかった」
そうです。
確かに私が提案書を
見せてもらったところ、
加入後
3年以内に解約すると元本割れし、
10年後の解約金の
払い戻し率は104%強でした。
※10年後で104%
特に魅力はありません。
私も
「終身保険などは基本的に
国債
などで運用していますから、
Aさん自身で
直接国債を買ってもいいのでは?
死亡保障にもお金がかかるぶん
貯蓄性が下がるのではないか、
という見方も必要でしょう」
とお話ししました。
※「保険」と名がつく限り、
保障のためのコストを
常に負担し続けます。
余計なコストを負担しながら、
効率のよい運用ができる
わけがありません。
『保険で貯蓄してはいけない。』
もう一つの提案は、
海外債券で運用する
「毎月決算型」の投資信託
です。
「毎月の分配金が年金の上乗せ
になるし、債券の値上がり益
も見込める人気商品」
※そんなうまい話は、無い!
と勧められたものの、
「仕組みがよく理解できなかった」
ため見送ったそうです。
勧められたパンフレットによると、
購入時に3%超、
運用期間中に1.7%超の
手数料がかかります。
※こんな高い手数料
(暴利!暴利!)
を取られながら、
お金が増えるわけがない!
私たちの標準金利は
0.025% ・・です。
3%は、その120倍!・・です。
1.7%は、その68倍!・・です。
(銀行が必死に奨めるわけです)
こんな高い(暴利な)
手数料を払ってはいけない。
銀行が奨める金融商品は、
買ってはいけない。
人気商品なのは、
高い手数料収入が見込める
金融機関が
販売に力を入れているせい
かもしれません。
※買う消費者の人気商品
ではなく、
売る銀行の人気商品
です。
Aさんは
「その後も銀行からは
『支店長が挨拶に伺いたい』
※営業会議で
ハッパをかけられて、
販売を促進するよう
プレッシャーを受けて、
支店長も必死・・です。
などと電話がある。でも、自分は
何度も足を運ばれたりすると、
何か契約しないとまずいかな
と思ってしまう方なので
『来ないでくれ』
と言い続けている(笑)」
とも話していました。
そして、
1人で過ごす時間が増えるなか
「そもそも昔ほどお金を
使わなくなった自分がいる」
ことにも気付き、
「物価が急上昇でもしない限り
『運用』を急ぐ理由はない。
少しずつ勉強してみよう」
と現時点での結論が出たそうです。
Aさんの話から学べることは、
(1)納得がいかない買い物はしない
(2)自分を知る
(3)結論を急がない
--の3点でしょう。
※いやぁ~
『銀行が奨めるものは
買わない!』
この1点!・・でしょう。
まず、
銀行が勧めた商品については、
お金の殖え方や商品の仕組みへの
疑問から契約を見送っています。
実際、仕組みが分かりづらい
金融商品はたいていハズレです。
「よく分からないものは
購入しない」
という方針は、
ずっと貫いてほしいと思います。
※ 『銀行が奨めるものは
買わない!』
貫くのは この1点!
シンプルで分かりやすくて
すごくいいと思います。
次に
「継続訪問などに弱い」
というご自身の弱点を
自覚していることも重要でしょう。
確かに金融機関の人と
面談を繰り返すうちに
「情報だけもらって
何もしないのは気まずい」
といった感覚を持ってしまう方は
少なくないようです。
ただし、そんな感覚は
先方が勧める商品の価値を
判断する際、邪魔になるはずです。
Aさんは過去の経験から
学ばれたのだと思います。
※
『お金に
振り回されたくない?
それなら、
保険会社や銀行の人
と会わないことです。』
(^^ゞ
最後に、結論を急ぐ必要が
ないことも自明でしょう。
まとまったお金を
金融商品の購入に向ける
という提案は、
商機を逃したくない売り手の
都合でなされている、
という認識でいいはずだからです。
私はAさんにこの先ずっと
「何もしない」
ことをお勧めしたい
と思っているわけではありません。
運用は、できないより
できた方がいいに違いありません。
それでも
今回の結論の出し方は
正しかったと思います。
特に
「いまの自分には向いていない」
という言葉には、消費者が
金融商品の売り手と向き合う前に
自分自身と向き合ってみることの
大切さを教えられた気がしています。
※私たち消費者と銀行とは、
利益が相反する関係です。
銀行が一生懸命奨める商品は、
銀行が確実に儲かる反面、
私たち消費者は確実に損をします。
銀行が熱心に奨める商品は、
買ってはいけません。
店頭の目立つところに
展示してあるものは、
買ってはいけません。
私たち消費者にとって
お得な商品は、
銀行は儲かりません。
なので・・
特にお奨めもしないし、
店の奥の目立たないところに
こっそり陳列しています。
買うなら そっち・・です。
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