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初めて原田マハさんの作品を読みました。 私が出会っていない、素晴らしい作家さんたちが、 まだまだたくさんいそうだと、改めて気付かせてくれる作品でした。 次は『本日は、お日柄もよく』を読む予定です。 ***現在、大原美術館で監視員をしている早川織絵は、26歳で博士号を取得し、かつて美術史論壇を賑わせたアンリ・ルソーの研究家。そんな彼女に、ルソーの『夢』を日本への貸し出す際の交渉窓口にとの依頼が舞い込む。彼女を指名したは、ニューヨーク近代美術館学芸部長、ティム・ブラウンだった。17年前、早川織絵とティム・ブラウンの二人は、伝説のコレクターであるコンラート・バイラーの邸で出会った。共に、バイラーの所有する『夢をみた』が、真作か贋作かを見極める鑑定人として。バイラーの指示に従って、二人はそれぞれに真贋を見極めるべく競い合う。 クリスティーズのポール・マニングの電話で猜疑心が生まれ、 インターポールのジュリエットの出現で衝撃を受けた。 「ルソーの下のピカソ」について知らされ、 さらには織絵があのアンドリュー・キーツの愛人であると聞かされて- 急速に、落ち込んだ。(p.268) ***バイラーの正体は、お話が進む中で、薄々気付くことが出来ましたが、ジュリエットについては、「なるほどね」という感じでした。しかし、本作はミステリー作品として以上に、ルソーやピカソを楽しめる作品です。美術史科を卒業し、その関係の仕事に携わった作者の経験が遺憾なく発揮されています。
2020.03.28
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『妻のトリセツ』、『夫のトリセツ』と読み進めて、これが3冊目。 出版されたのは、『妻のトリセツ』の後、『夫のトリセツ』の前なのですが、 本著は、同じことが繰り返し述べられているところが多いものの、 最も説得力があり、良くまとまっていて、理解しやすいように感じました。 ***第1章は「夫婦はなぜムカつき合うのか」。男は半径3mの外側が守備範囲で、”遠くの異物”に気を取られます。一方、女は近くの愛しいものに意識が向けられます。この真反対の特性が、二つ揃って完全体となるペア装置を形成するのです。第2章は「定年夫婦のための準備」。夫は共感力を身につけ、妻は夫の「ぼうっと」を許すことが大事。そして、夫婦の「定番」を、定年後に向けて作り直すことが必要になってきます。それは、互いに「個」として生きながら、チームとして共に行動するもの。第3章は「夫の禁則五箇条」。妻の行き先をいちいち聞かず、朝食を食べながら「昼食は?夕食は?」と聞かない。夫はこれが普通に気になって、妻につい尋ねてしまうのですが、それがダメなのです!さらに「たまの正論」を振りかざさず、妻を手足がわりにせず、ことばをケチらない!第4章は「妻の禁則五箇条」。いきなりストッキングを履かない、ことばの裏を読まない、口角を下げない、縄張りを侵さない、「あ~もうこれやらなくていいんだ」とは言わない。単純で定番を大切にする男は、見通しの持てない妻の予想外の行動に大パニックなのです。 *** 上沼恵美子さんの別居で注目を浴びた夫源病。(p.4) 上沼さんは、本著を、なかでも「おわりに ~挽回の呪文」を読まれたでしょうか。
2020.03.28
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『「超二流」という言葉は、 私の尊敬する三原脩監督が作り出したものだ。』(p.6) 本著「まえがき」の冒頭の一節です。 「超二流」、何と魅力的な言葉でしょうか。 『だが、確かに一流にはなれないけれど、 「超二流」ならば努力次第で誰しもなることができるのだ。』(p.7) これも、本著「まえがき」の中の一節。 もちろん、プロ球団に入れる才能や素質があることが大前提。 ただ、よく「長所を伸ばして欠点を補う」などと言うけれど、これは間違いだ。 確かに長所を伸ばして引き出してあげれば、全て上手くいくことはある。 ただ、それはあくまでも結果論だ。 いくらいいところがあっても、欠点を直さないと往々にして長所を邪魔してしまう。 だから、まず欠点を直す。 最低限、直す。 それを第一に考えるべきだと思う。(p.85)人によっていろいろな考え方があると思いますが、私は、野村さんの言わんとしているところは良く分かります。 日本人は何かと「自主性が足りない」と言われるが、 この「自主性」を勘違いして「自分勝手」に行動する者も多いのが事実だ。 自主的に考えて、素直な心で、壁に挑む。 そんな姿勢でいることが、時に最高の結果をもたらすことがある。(p.90)これも良く分かります。「自主性がある」と「聞く耳を持たない」とは、全くの別物です。 要は「結果」は自分がコントロールすることができない、 後からついてくるもの、と割り切る覚悟が必要なのだ。 「未来」の事象だから、それについてあれこれ考えてもしょうがない。 そこでおのずと大事になってくるのが、 その結果に至るまでの「プロセス」ということになる。 要は「今できることを正しくやる」ということだ。(p.137)先日読んだ『寂聴 九十七歳の遺言』で述べられていることと、相通じるものがあると感じました。
2020.03.22
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2019年4月1日と24日、 京都の寂庵で行われた朝日新聞大阪本社によるインタビューを基に、 加筆・構成した語り下ろしの一冊。 寂聴さんの人柄が滲み溢れ、一言一言が読む者の胸に染み込んできます。 *** 昨日のことをくよくよしたところで、もう済んだこと。 明日のお天気さえ、 ほんとはどうなるか誰にもわからないのだから心配しても仕方がない。 乗っている飛行機も落ちる時は落ちます。 結局、なるようにしかならないんです。 そんな心配や取り越し苦労をするよりも、 今ここにいる、この瞬間を精一杯、生ききることが大切なんですね。 洗濯でも料理でも読書でもそうです。 この本を読んでいる時はただ懸命に読む。 人生の充実は、これに尽きると思います。(p.109)本著で最も印象に残ったところ。本当にそうですね。
2020.03.21
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2011年夏、銀座デパートの地下にサリンがまかれた。 首謀者は、当時7つの半グレ集団を率いていた優莉匡太。 デパ地下で買い物をしていた9歳の森沙津希は、目の前で両親を失ってしまう。 そして、その日、六本木にあった優莉匡太のアジトに機動隊が突入した。 劣悪な環境の中、父の課す課題をこなしながら過ごしていた9歳の優莉結衣。 警察に保護され、児童発達研究センターで担当者と面談をすることになるが、 その最中、結衣は自らが手にしていた鉛筆を、自身の首に突き刺した。 そして、17歳になった結衣は、丸子橋付近の玉川沿い河川敷で田代勇次と会っていた。武蔵小杉高校で、結衣と共に苦境を乗り切った濵林澪。そして、養父母に育てられ、17歳になった沙津希。二人は、富津市櫻部にある与野木農業高校に、KNS免除制度を受け編入することになるが、そこで二人は事件に巻き込まれ、澪は結衣にスマホでメッセージを送信。結衣が与野木農業高校に辿り着くと、そこには何とサリンプラントがあった。結衣は、そこでかつて父と共に活動していたコウイチやタキに再会。さらには、妹の凜香とも再会するが、彼女は田代槇人に与しているという事実が判明。結衣は、澪や沙津希を護りつつ、旧知の面々から逃走するも追いつめられてしまう。が、その時、自衛隊がサリンプラントに突入し、絶体絶命の危機を乗り切る。そして、澪や沙津希と共に富津を脱出した結衣が、次に目指したのは原宿。それは、凜香たちがサリンを撒こうとしていることに気づいたから。結衣は、大惨事が起こるのを防ぐことに成功する。 ***今回のお話では、結衣は悪夢のサリン事件再現を防ぎつつ、自分を陥れようとする公安の陰謀にも正面から立ち向かい、最期には見事な大逆転劇を見せてくれます。今後は、田代槇人・勇次父子との対決が見どころになっていくのでしょう。今日は地下鉄サリン事件から25年でした。
2020.03.20
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序章こそ、イニエスタ自身がイニエスタ自身について語った内容ですが、 それ以降は、イニエスタに関わった人たちがイニエスタについて語った内容。 これを自伝と呼んで良いのかどうかはともかく、 イニエスタの人となりが浮かび上がってくる一冊であることは間違いないです。 アンドレスは伝説的な選手の1人だ。 なぜなら、彼はスペースと時間の関係を完全にマスターしているからだ。 どの瞬間でも自分の位置を把握している。 中盤で無数の相手に囲まれているときでも、必ず最良のプレーを選択できる。 常にタイミングと位置を把握しているんだ。 さらに、相手を突き放す独特の能力も持っている。 引き離して止まり、また引き離しては止まる。 彼のような選手はめったにいない。(p.159)これは、バルサの元監督、ペップ・グアルディオラの言葉。2009年と2011年にバルサがチャンピオンズリーグ優勝を果たした時の監督で、その2009年の準決勝で放たれたのが、イニエスタの伝説の右足シュート。そんなイニエスタのプレーを日本で見ることが出来るとは、何と幸せなことでしょう!!
2020.03.14
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「もし何かあればリュウと連絡を取れ」 加藤の辞表を預かっている桜田に、加藤からメールが届く。 どう行動すべきか逡巡した桜田だったが、加藤を救うべくリュウとコンタクト。 そして向かったのは、東京湾に入港している曹国良所有のコンテナ船。 その頃、加藤は単身コンテナ船に乗り込もうとしていた。 恩人・秋光正の遺言に従って、崇が大陸の勢力に取り込まれるのを阻止するために。 しかし、加藤は拘束され、目の前には曹国良と愛怜。 そして、曹国良は、環・愛怜・加藤の身体に関する真実を語り始める。 つまり彼女の肉体は移植においての拒絶反応をほぼ起こさないという事だ そして彼女の心臓は取り出され秋光の長男の心臓と取り換えられた 彼の意識はまだ戻らないそうだが移植そのものは成功している-つまり 彼女こそスーパードナーを超えた存在 まさしく”パーフェクトドナー”だその後、一人残された加藤のもとにリュウが到着。加藤はリュウに、自分の腹の奥に仕込んだC4爆弾の起爆装置を取り出すよう指示する。 ***お話としては、それほど前に進みませんでしたが、根幹となる事実が遂に明らかにされました。なるほど……専門的知識を持ち合わせていないと、決して思い至らない内容です。それから、前巻の記事に書いた「次巻は、2020年冬発売予」については、私の完全なる思い違い。2020年12月頃と思い込んでしまい、2020年1月~2月頃という発想が、全く思い浮かばなかったのでした。
2020.03.14
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1年ぶりの新刊。 お話としては、さほど前進しなかったものの、 慣れ親しんだ筆致と、いつもながらの世界観にどっぷり浸りつつ、 「やっぱり、イイなあ」と思わずひとりごと。 ***壬氏の火傷を処置するため、宮廷外の離宮に赴いた猫猫。そこで、養父・羅門から外科処置の教えを請いたいと、壬氏に願い出る。そんな猫猫に、羅門は父・羅漢の屋敷の離れにある蔵書の中から『華佗の書』を探し出し、それを受け入れるという条件を提示する。その頃、壬氏の西都行きが決定し、猫猫はそれに同行することを求められる。鶏から始まった実技訓練は、絞首刑になった罪人の腑分けへと進み、やがて、猫猫が医官専用の官女として同行することが正式決定する。しかし、その一団の中には、父・羅漢もいた。西都へ向けて船旅が始まり、あの後宮医官「やぶ医者」が同乗していることも判明。亜南に到着し、夜宴が催された翌朝、その「やぶ医者」が行方不明に。石鹸屋の火事騒動に巻き込まれていたのだ。猫猫たちは、その事件の真相を解明し、「やぶ医者」救出に成功する。 ***さて、今巻の中で、私が一番印象に残ったのは次の部分。 『ははは、実技とな? 実技の実験台にされる患者の身にはなれませぬか? 医術は人を救うものですが、だからと言って常に救えるものではない。 時に失敗し、患者から、遺族から暴言を吐かれることもある。 心が強い者でなければ、すぐに折れてしまうでしょう』(p.161)劉医官が壬氏に述べた言葉です。
2020.03.08
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著者の内科医・谷本哲也さんは、 マネーデータベース「製薬会社と医師」に参加されている方。 これは、探査ジャーナリズムNGO・ワセダクロニクルと 医療ガバナンス研究所の合同プロジェクトで、次のような経緯で始まりました。 医療費のあまりの増加に、1990年代より、 製薬会社から医者への過剰な利益供与が、米国を中心に次第に問題視され始めます。(中略) 製薬会社と医者との間に経済的な利益関係があるため、 患者よりも製薬会社の利益のために高額な薬が使われたり、 製薬会社に有利なデータを出すのに医者が協力したりしているのでは、 などの疑念が生じました。(p.80)これを受け、2010年にアメリカでは「サンシャイン条項」と呼ばれる医療制度改革法が制定され、製薬会社や医療機器メーカーは、医者との金銭的関係を、すべて政府機関に報告する義務が課せられました。日本でも、製薬会社が医療機関や医師へ提供している資金詳細公開が決められました。ところが、医師側から公開への反対が巻き起こり、2014年に公開が遅れただけでなく、製薬会社が自主的に情報提供するという形になってしまいました。それらのデータを一元的に集約することを、誰もしようとしないという状況下で、その作業に取り組んだのが、当時朝日新聞の記者だった渡辺周氏でした。その後、渡辺氏が立ち上げたのがワセダクロニクルであり、その渡辺氏と旧知の仲だったのが医療ガバナンス研究所の上氏でした。そして、双方で研究資金を出し合い、「製薬マネー」のデータベース作成プロジェクトが始まったのです。 ***本著では、医者が処方箋を決める背景として、どのようなことが行われているか、また、薬の値段がどのようにして決められているか等が記されています。さらに、大学教授をはじめとする著名な医師と製薬会社との関係、薬使用のメリットとデメリット、ガイドラインと患者数についても述べられています。本著では、ほとんど触れられていませんが、SSRI発売開始後に、うつ病受診者が急増したことも、本著に記されている内容と強い関連がありそうです。製薬会社や医療機器メーカーが、営利企業であることを思い知らされます。
2020.03.08
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中学生たちを乗せたバスが、スキー教室に向かう途上で転落事故。 その後、バスの運転手が、男子中学生によって猟銃で撃ち殺される。 そして、その男子生徒・優莉健斗も、猟銃で自ら命を絶ったのだった。 弟が引き起こした事件の真相を解明すべく、優莉結衣が動き始める。 そして乗り込んだのは、極悪非道の韓国系半グレ集団が絡む清墨学園。 父・匡太の半グレ集団・クロッセスの因縁の敵・パグェの本拠。 結衣は、自らを追っていた公安の梅田、綾野と共に壮絶なバトルを展開。 迫りくる危機を凌ぎつつ、敵の殲滅を図る。 ***今巻は、結衣の幼少時の様子が語られる場面が挿入されると共に、武蔵小杉高校や塚越学園で起こった事件の真相が明らかに。そして、その黒幕の息子は、今後、結衣に大きく絡んできそうな気配。真の物語を始めるための舞台設定が、ようやく完成したようです。
2020.03.08
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