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図書館で『「文化昆虫学」の教科書』という本を、手にしたのです。「文化昆虫学」ってか・・・なんか民俗学風のタイトルに惹かれてチョイスしたのです。【「文化昆虫学」の教科書】 保科英人, 宮ノ下明大著、八坂書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より「あなたの情はセミの羽のように薄い」と夫を難詰した『蜻蛉日記』の作者。クモの糸のおかげで九死に一生を得た源頼朝。蛾に想いを託した幕末のヒーロー土方歳三。バッタの跳躍力をまとった仮面ライダー。日本人と昆虫との奇妙な関係を探る“文化昆虫学”のエッセンスが詰まった新しい教科書誕生!<読む前の大使寸評>「文化昆虫学」ってか・・・なんか民俗学風のタイトルに惹かれてチョイスしたのです。rakuten「文化昆虫学」の教科書「第1章トンボ」の冒頭を、見てみましょう。p43~44<「第1章トンボ」> 筆者は日本トンボ学会の会員である。また、福井県環境審議会野生生物部会長でもある。そのおかげで、絶滅危惧種のトンボの生息状況の悪化は否応なく耳に入ってくる。 人口や国際的地位と同様、我が国のトンボの個体数は絶賛右肩下がり中である。 では、トンボの文化的な地位はどうか? トンボはその形状からして、安価な日用品のモチーフにはなりにくい事情がある。単純な丸型のテントウムシは、グッズ化の際に足や触覚を省いても、誰しもがテントウムシとして認識してくれる。だからこそ、弁当箱やボタン、菓子パン何にでもなれる。そのテントウムシと比較すると、トンボハデザインの簡略性の点ではるかに劣る。 一方で、トンボを嫌い、気持ち悪いと感じる日本人は極めて少数派だろう。トンボはずいぶんと数が減ってしまったが、それでも大都市の公園に池さえあれば、シオカラトンボぐらいなら生息している。体が大きいことにくわえ、視界を遮るものがない水面を飛ぶトンボは、格別昆虫に興味がない人の目にも、姿が自然に映る。本章では、そんなトンボたちの文化的な栄枯盛衰の歴史を語ることとしよう。■①日本神話に見るトンボ メソポタミア地方に位置する中近東は、沙漠ばっかで水とは縁遠いとの印象を持たれがちだ。しかし、古代オリエントの神話には、トンボはしばしば登場する。タトエバ、シュメル神話にはニンウルタ神が神が退治した十一勇士の一人がトンボだった、との物語がある。また、こんな話もある。 永遠の命を与えられたウトナピシュティムに対して、英雄ギルガメッシュも永遠の命を懇願した。ウトナピシュティムの回答は否定的なものだった。ウトナピシュティムは「川は永久に水位を上げ、洪水をもたらすか? トンボはその抜け殻を残すが、その顔は一目だけ太陽の顔を見るだろう。古い日々から、永久性は存在しない」と答えた。 抜け殻は残るけど、虫そのものは長くは生きられない。日本人なら、これに該当する虫として十中八九、セミを持ち出すはずだ。しかし、古代オリエントの人々は、トンボをこの哀しい定めを背負う虫に仕立て上げたのだ。発想の違いというほかない。 神話に登場するトンボといえば、日本神話に優るものはない。このことは第Ⅲ部第1章で詳しく紹介する。神武天皇は「何と素晴らしい国を得たことよ。狭い国ではあるけれどアキツが交尾しているように、山々が連なり囲んでいる国だ」と言われた。これにより秋津洲の名ができた(日本書紀)。また雄略天皇が狩りをしていると、アブに刺された。すると、どこからともなくトンボが飛んで来て、そのアブを食い殺した(古事記)。『「文化昆虫学」の教科書』1
2021.12.31
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図書館で『「文化昆虫学」の教科書』という本を、手にしたのです。「文化昆虫学」ってか・・・なんか民俗学風のタイトルに惹かれてチョイスしたのです。【「文化昆虫学」の教科書】 保科英人, 宮ノ下明大著、八坂書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より「あなたの情はセミの羽のように薄い」と夫を難詰した『蜻蛉日記』の作者。クモの糸のおかげで九死に一生を得た源頼朝。蛾に想いを託した幕末のヒーロー土方歳三。バッタの跳躍力をまとった仮面ライダー。日本人と昆虫との奇妙な関係を探る“文化昆虫学”のエッセンスが詰まった新しい教科書誕生!<読む前の大使寸評>「文化昆虫学」ってか・・・なんか民俗学風のタイトルに惹かれてチョイスしたのです。rakuten「文化昆虫学」の教科書第1章で、文化昆虫学の意義を、見てみましょう。p20~21<9 文化昆虫学の意義> 文化昆虫学は、文化事象に現れる昆虫を対象に、人々に対する昆虫の影響や昆虫に対する人々の認識について研究するものである。人々は、自然からインスピレーションをえることで昆虫のイメージを様々な文化事象に表象させている。すなわち、文化昆虫学の研究によって明らかになっていくのは、端的に述べれば昆虫に向けられた人々の自然観である。 では、昆虫に向けられる人々の自然観を明らかにすることには、どのような意義があるのだろうか? 文化昆虫学は基礎学問、趣味的学問であるため、残念ながら人々の生活に直接的に役立つものではない。しかしながら、こういった基礎学問は、何らかの形で人々の生活に寄与するような研究に活かされる可能性はある。 たとえば、近年、環境破壊などにより、生物多様性が急速に失われている中で、生物多様性を保全することの重要性が保全生態学などの分野で主張されている。生物多様性の保全を行うには、保全対象となる生物の生物学的な研究が必要となるが、多くの人々に生物の保全に取り組む意識がなければ、実践的な保全は不可能である。したがって、そのためには、保全すべき生物を主体とした研究だけではなく、人々の自然観を理解し、それに応じた教育・普及を行うことが大切である。 これまでの保全生態学の研究事例の多くは、保全すべき生物を研究主体としたものがほとんどであった。文化昆虫学の研究によって、昆虫を対象とした人々の自然観を明らかにすることは、人々に対する昆虫に関する教育・普及のあり方や、昆虫の多様性の保全などの分野に応用されていくことだろう。 ここでは、文化昆虫学の研究成果が昆虫の保全や昆虫に関する教育に活かされることを述べたが、もしかすると他の研究分野でも活かされるのかもしれない。 もっとも、仮に文化昆虫学が社会の何の役に立たなくても、それはそれでいいだろう。いまさら坂本龍馬暗殺の真犯人を特定できたとしても、それが何になるだろうか? また、本能寺の変の黒幕を見つけ出せたとして、日本の経済成長率が上がることは絶対にない。しかし、学問なんてのは結局そんなもの。第Ⅱ部では、人と昆虫との文化的な関係のうんちくをしかと楽しんでいただきたい。
2021.12.31
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「年越し」でしょうか♪<市立図書館>・「文化昆虫学」の教科書・司馬遼太郎短篇全集1・絶望図書館<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【「文化昆虫学」の教科書】保科英人, 宮ノ下明大著、八坂書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より「あなたの情はセミの羽のように薄い」と夫を難詰した『蜻蛉日記』の作者。クモの糸のおかげで九死に一生を得た源頼朝。蛾に想いを託した幕末のヒーロー土方歳三。バッタの跳躍力をまとった仮面ライダー。日本人と昆虫との奇妙な関係を探る“文化昆虫学”のエッセンスが詰まった新しい教科書誕生!<読む前の大使寸評>「文化昆虫学」ってか・・・なんか民俗学風のタイトルに惹かれてチョイスしたのです。rakuten「文化昆虫学」の教科書【司馬遼太郎短篇全集1】司馬遼太郎著、文藝春秋、2005年刊<「BOOK」データベース>より司馬遼太郎は言った。「短篇小説を書くというのは、空気を絞って水を滴らすほどのエネルギーがいる」。そうして生まれた短篇の豊かな世界を発表順に味わう。【目次】わが生涯は夜光貝の光と共に/「国宝」学者死す/勝村権兵衛のこと/流亡の伝道僧/長安の夕映えー父母恩重経ものがたり/饅頭伝来記/森の美少年ー花妖譚一/チューリップの城主ー花妖譚二/黒色の牡丹ー花妖譚三/烏江の月ー謡曲「項羽」より 花妖譚四/匂い沼ー花妖譚五/睡蓮ー花妖譚六/菊の典侍ー花妖譚七/白椿ー花妖譚八/サフランー花妖譚九/蒙古桜ー花妖譚十/ペルシャの幻術師/戈壁の匈奴/丼池界隈/大阪商人/兜率天の巡礼<読む前の大使寸評>司馬さんといえば、西域、中国を描く長篇がまず注目されるが・・・短編はどんなかなと思ってチョイスしたのです。rakuten司馬遼太郎短篇全集1【絶望図書館】頭木弘樹著、 筑摩書房、2017年刊<「BOOK」データベース>より気持ちが落ち込んで、どうしようもない。はげましの言葉も心に届かない。そんなときは、絶望図書館を訪れてみよう。そこには世界中からさまざまなジャンルの物語が集めてある。せつない話、とんでもない話、どきりとする話などなど。すべて、絶望した気持ちに寄り添ってくれるものばかり。今の気持ちにぴったりな物語がきっと見つかる。こんな図書館も世の中にひとつくらいはあっていいだろう。<読む前の大使寸評>本の表紙にある「立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる」というコピーがいいではないか♪rakuten絶望図書館************************************************************図書館大好き525
2021.12.31
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第8章で、日本のデジタル化の続きを、見てみましょう。p244~246<1 「デジタル化」とは何か>■日本型組織がIT化を阻む 日本においてITかが進まないのは、日本型組織や日本社会の特性と密接な関係がある。 第4章で指摘したように、戦後日本経済の基本的な仕組み(1940年体制)は、ITと調和しないのである。したがって、単に技術の問題だけではなく、社会的な組織の問題との関りを考える必要がある。組織が変わらないと、IT化は実現できない。 デジタル化が進まないのは、単に「古いものを使い続けて新しいものを拒否する」ということが原因である場合が多い。ところが、IT化を進めるかどうかについては、価値観が強く影響している。集団的な利益よりは個人の自由のほうが重要であるということだ。(中略)■良いデジタル化と悪いデジタル化 本書においては、デジタル化やIT化の枠内においても、さまざまな方向付けがあることを述べてきた。それらを、「良いデジタル化」と「悪いデジタル化」という呼び方で区別することができよう。これは、個人のプライバシーがどの程度守られるかに注目した区別である。「仕事の生産性も上がったし、生活も便利になった。しかしプライバシーがなくなり、自由がなくなった」というのであれば、本末転倒だ。これは悪いデジタル化である。生産性の向上とプライバシーとの兼ね合いは、大変難しい問題だ。 ただし、デジタル化を進めれば必然的にプライバシーがなくなるかと言えば、そうではない。 この問題の基本は、本人を確認する手段として何を用いるかである。マイナンバーカードのような中央集権型の仕組みで行うのか、あるいはブロックチェーンを用いるのかで、大きな差異が生じる。 この違いは日本であまり意識されていない。しかし、大変重要なことだ。中央集権型のIDではなく、分権型の仕組みを作ることが重要だ。 以下、本章では、つぎの諸点を強調したい。第1に、クラウドを導入すべきこと。第1に、第2に、第3に、そして第4に、政府が信頼を獲得することだ。<2 やっと日本もクラウド化>■「デジタル化」だけでなく、「クラウド化」が重要 デジタル化しても、データが自分の端末や会社のシステムに置かれている限り、十分な活用はできない。情報を活用するためには、情報を活用するためには、それをクラウドに上げる必要がある。これによって初めて高度な操作が可能になる。 「クラウド」とは、インターネットのことだ。アプリケーションや大規模なデータの保管などさまざまなサービスをインターネットを通じて利用するのが「クラウド化」だ。インターネットに接続する環境さえあれば、アプリケーションソフトや大規模なデータの保管など、さまざまなサービスを利用できる。 「クラウド・コンピューティング」という言葉は、2006年8月、当時のグーグルのCEOであったエリック・シュミット氏が用いたとされる。 それから14年も経つが、日本では、企業情報をそのように扱うことを禁止している会社が多い。『よいデジタル化 悪いデジタル化』7:日本のデジタル化『よいデジタル化 悪いデジタル化』6:中国で重大な地殻変動『よいデジタル化 悪いデジタル化』5:クッキーに関する問題(続き)p197~200『よいデジタル化 悪いデジタル化』4:クッキーに関する問題p193~197『よいデジタル化 悪いデジタル化』3:ワクチンパスポートの動向p161~166『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状
2021.12.30
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第8章で、日本のデジタル化を、見てみましょう。p239~243<1 「デジタル化」とは何か>■デジタル化、IT化、DX デジタル庁が2021年秋に発足する。そして、デジタル化を進める。具体的には、脱ハンコや行政手続きのオンライン化を進めるという目標を掲げている。 では、その背後にある基本的な考えと方向付けは何なのか? あるいは、どうあるべきか? この問題を考えるために、最初に概念整理をしておこう。 まず「デジタル」は、「アナログ」に対する概念として使われる場合が多い。 例えば、FAXや手紙で情報を伝達するのではなく、メールやPDFを使うことだ。あるいは、本人証明のために、印鑑でなく、電子署名を使いことだ。 それに対して、「IT」というのは、デジタル技術の中でも、とくに1990年代以降主流になった方式だ。それまでの大型コンピューターと専用回線による仕組みから、PCとインターネットを中心とする仕組みになったことが「IT化」だ。1980年頃からPCが普及し、誰もがデジタル情報を扱えるようになった。そして、1990年頃から、インターネットを使えるようになった。IT化は、世界を一変させた。 「レガシー」とは、IT以前のデジタルシステムを指すことが多い。そのような仕組みから脱却するのが、「IT化」だ。 日本がIT化という新しい技術体系に適合していないことは、間違いない。IT革命は1980年頃から生じている変化であるにもかかわらず、その変化に日本はまだ追いついていないのだ。第1章、第2章で述べたように、そのことを、新型コロナウイルスの感染が広がる中で、われわれはいやというほど見せつけられた。■「DX」は、場合によりさまざまな異なる意味に用いられている 「DX」(デジタルトランスフォーメーション)というのは、比較的最近使われるようになった言葉だ。 経済産業省が2018年12月にまとめた「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」における定義では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされている。「IT革命はデジタルトランスフォーメーションの一部でしかない」とか、「IT化は業務効率化などを目的としてデジタル化を進めるのにたいして、DXはITの活用を通じてビジネスモデルや組織を変革する」などと説明される。「単なる技術の問題だけではなく、社会全体が変わる、あるいは組織が変わる、あるいは、そうすべきだ」ということなら、まことにそのとおりだ。 ただし、DXは2004年にスウェーデンのウメオ大学教授のエリック・ストルターマン氏が提起した概念であるため、最近生じている新たなことを表す概念でもなさそうだ。(中略) 「ITという言葉は使い古されてありがたみがなくなってしまったので、DXという、これまであまり使われていなかった言葉を持ち出して注意を引こうとしている」という見方も可能だろう。 重要なのは、つぎからつぎへと新しい言葉を持ち出すことでなく、現状を着実に改善していくことだ。■ITやDX以前のアナログ処理が行われている 日本では、ITやDX以前のアナログ処理という段階で止まっている場合が多い。FAXや印鑑は、その例だ。 インターネット時代になったにもかかわらず、紙による情報処理が行われている。これが日本の生産性向上を阻み、世界における日本の地位を低下させた基本的な理由だ。デジタル化が進まないことと日本の生産性の低さは、ほぼ同じ問題だ。デジタル化を妨げている要因が、同時に、日本の生産性の低さの原因ともなっている。 企業で情報のデジタル化が進んでいない。また、官公庁に提出する書類はいまだにほとんどが紙だ。したがって、個々の企業がデジタル化を進めても、社会全体のデジタル化は進まない。『よいデジタル化 悪いデジタル化』6:中国で重大な地殻変動『よいデジタル化 悪いデジタル化』5:クッキーに関する問題(続き)p197~200『よいデジタル化 悪いデジタル化』4:クッキーに関する問題p193~197『よいデジタル化 悪いデジタル化』3:ワクチンパスポートの動向p161~166『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状「」(〇)
2021.12.29
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図書館で『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』という本を、手にしたのです。この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。【「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし】京極夏彦著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より「水木しげる作品」がウケ続けているわけは?柳田國男が『遠野物語』で描いた「河童」「山人」…。「幽霊」「妖怪」「おばけ」の怖さ。「私は京極だが、京極は私でない」のはなぜか?京極夏彦の「アタマの中」!?<読む前の大使寸評>この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。rakuten「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし第三談「水木漫画と日本の“妖怪”文化」の続きを、見てみましょう。p109~110<水木しげるの目で世の中を見る> 先ほど、“妖怪”は気配だと申し上げました。昔の夜は暗いですから、いろいろのなものを感じたんでしょう。現代ではなかなかそういう体験をすることはありません。水木先生は電気が悪い、とおっしゃいます。ランプくらいがいいそうです。たしかにランプは雰囲気がありますからね。何かを感じやすいかもしれませんが、さすがにいま、ランプでは生活も仕事もできません。しかし水木先生いわく、「江戸時代の行燈なんてのはもっとイイ」のだそうです。もちろん、“妖怪”を感じるのにイイ、ということです。先生にとっては、昔の生活の方が理想だったのでしょう。 現代は電気によって闇を失いました。昔は夜になるとほとんど灯りはなく、真っ暗闇になる。暗くなって視覚情報が遮断されると、人間はそれ以外の五感を鋭敏に使いはじめます。聴覚、触覚、嗅覚が強まって、資格情報を補おうとするわけです。 そうすると、視覚がない分、風が吹いてほっぺたに当たるだけで、他の五感が過剰反応して何かを感じたり見てしまうことがあります。見えないからこそ見えるわけです。 最近は夜道も明るいし、暗いところに潜んでいるのは“妖怪”ではなく犯罪者という世の中ですから、奇妙な体験をしずらくなっているのは間違いありません。 それが人間にとっていいことなのか、悪いことなのかはわかりませんが、私たちが暗闇を抱えた生活から脱却しようとしていることだけは確実です。 それでは、“妖怪”やお化けを感じる環境をどう補えばいいかと言えば・・・水木先生の作品に触れるしかありません。冒頭でお伝えしたように私は『水木しげる漫画大全集』を監修し、朝から晩まで水木さんの絵と漫画を見続けました。しかも、ただ見るだけではないんです。修正も必要だったので、モニターで拡大して印刷の網点一つひとつがはっきり見えるほど、6年間ずーっと中止してたんです。それこそバッカみたいに凝視しました。毎日朝から晩まで見続けて、たまに外出すると、草むらなどが先生のタッチで描かれているように見えてくるんです。幻覚じゃなくて、草や木が水木タッチに見えるんです。 これは私の目がおかしくなったのではなくて・・・多少はおかしかったんでしょうが、それほど水木先生の絵がしっかりと描き込まれていたということです。単に精密に描いているだけではなく、明暗のつけ方や省略が巧なのです。それをずっと見ていたら、自然と先生の目を通して見られるようになったのです。もう治りましたが。 水木しげるの目を持つということは、日常生活の中で不思議な空間を感じることができるようになるということですから、“妖怪”好きにはたまらない快感なんですよ。『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』2:「バッカみたい」に努力する『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』1:世界の半分は書物の中にある
2021.12.29
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図書館で『超速でわかる! 宇宙ビジネス』という本を、手にしたのです。先日、ZOZOの前澤さんがISSに滞在後に宇宙船でロシアに帰還したけど・・・宇宙旅行がビジネスになったわけですね♪【超速でわかる! 宇宙ビジネス】片山俊大著、すばる舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より2020年代、すべてのビジネスは宇宙に通ず。旅行、観光、運輸、不動産、農林水産、通信、IT、マーケ、広告、ファッション、サービス…etc.文系も必須のビジネス教養。<読む前の大使寸評>先日、ZOZOの前澤さんがISSに滞在後に宇宙船でロシアに帰還したけど・・・宇宙旅行がビジネスになったわけですね♪rakuten超速でわかる! 宇宙ビジネス一泊380万円宇宙事業プロデューサーの仕事が語られているので、見てみましょう。p104~105<宇宙の仕事4:高田真一>Q:早速ですが、宇宙事業プロデューサーって、どんなお仕事なのでしょうか?A:宇宙イノベーションパートナーシップ(J—SPARC)という研究開発プログラムにおいて、新しい技術と宇宙事業を、官民共創によって生み出すことが、宇宙事業プロデューサーの仕事です。 これまでの宇宙事業は、アメリカも日本も、国家が主体となって推進してきました。しかし、最近その役割に変化が見られ、未開拓の宇宙は国家が主体、開拓済みの宇宙は民間企業が主体となって推進する流れができつつあります。なので、JAXA自ら研究開発を進め、JAXAが持つ技術やノウハウを活用して、民間企業が自ら宇宙関連事業を創出する、ということを推進しています。Q:たとえば、どのようなことを行っているのでしょうか?A:たとえば、国際宇宙ステーション(ISS)を民間企業に活用してもらうことを促進しています。これまでのISSは、宇宙飛行士のみが滞在し、研究者が実験で活用することが主でしたが、これからは、民間企業や個人などに門戸を開くために、さまざまな連携を通じて事業拡大を図っています。Q:どんな事業があるのか、もう少し詳しくお聞きしてよいでしょうか?A:民間企業による宇宙ロボットの事業化に向けた連携もその一つです。宇宙飛行士の船内作業を、自動ロボットにやってもらうと、グッと効率化できますし、宇宙飛行士の危険な船外活動も低減されます。そういったことw実現するために、日本の宇宙ロボットのスタートアップ企業が、作業用ロボットの開発を進めています。NASAの高い安全基準を乗り越えて実装した彼らのロボット技術は、将来さまざまなことに役立つでしょう。 また、日本のデジタルクリエイティブカンパニーが、宇宙と地上を双方向でつなぐ世界で唯一の宇宙放送局「KIBO宇宙放送局」のアイデアを提案し、事業化を進めています。ISSに滞在する日本人宇宙飛行士が出演し、ISSから見える宇宙の初日の出を地球に中継したり、地球の視聴者の映像メッセージをISSに中継したり、宇宙と地球の双方向エンターテインメントを創っています。 また、複数の民間企業による「宇宙飛行士の訓練方法を活用した次世代型教育事業」との連携も実現しました。宇宙飛行士は、「異文化理解」「状況認識や意思決定、問題解決」「チームワークと集団行動」など、非常に幅広く望ましい行動と心構えが要求されます。これらは、急激で予測不可能な変化をする現代において、自らの可能性を発揮し、よりよい社会の創り手となる人材の輩出に貢献するものです。こうした宇宙飛行士の訓練ノウハウを、全国の学校で活用するプログラムを推進しています。Q:どのような経緯で現在のお仕事をされているのでしょうか?A:私はもともと宇宙機の開発エンジニアで、宇宙ステーションへの無人物資補給機「こうのとり」の研究開発、運用管制などを担ってきました。そして、2014年~2017年の米国ヒューストン(NASAジョンソン宇宙センター)滞在期間中、ISSにおける各国との国際調整をしながら、米国の宇宙分野のさまざまな官民連携事業を目の当たりにしたのです。アメリカでは、民間の資金と技術により、宇宙ビジネス・宇宙ベンチャーが次々と立ち上がり、互いに競い合いながら宇宙産業を盛り上げていました。しかも、それは決してNASAと無縁に進めているのではなく、「NASAの技術やノウハウ」と「民間企業のアイディアやスピード感」がうまくシナジーを発揮するためのノウハウが、数多く存在していることを知りました。(中略) 日本の現状に対する危機感を強く感じ、日本の宇宙産業でも官民共創の仕事に就いたのです。『超速でわかる! 宇宙ビジネス』1
2021.12.28
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図書館で『超速でわかる! 宇宙ビジネス』という本を、手にしたのです。先日、ZOZOの前澤さんがISSに滞在後に宇宙船でロシアに帰還したけど・・・宇宙旅行がビジネスになったわけですね♪【超速でわかる! 宇宙ビジネス】片山俊大著、すばる舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より2020年代、すべてのビジネスは宇宙に通ず。旅行、観光、運輸、不動産、農林水産、通信、IT、マーケ、広告、ファッション、サービス…etc.文系も必須のビジネス教養。<読む前の大使寸評>先日、ZOZOの前澤さんがISSに滞在後に宇宙船でロシアに帰還したけど・・・宇宙旅行がビジネスになったわけですね♪rakuten超速でわかる! 宇宙ビジネス一泊380万円米中の対立が語られているので、見てみましょう。p40~41<宇宙開発競争ふたたび⁉>■中国の台頭で覇権争いが再燃? 長年、宇宙開発競争を続けてきた米露。しかし、近年では中国もまた国力をつけ、独自路線が台頭してきました。米国の新たなライバルとなりつつあり、競争がふたたび激化しそうです。①これからの国防と宇宙開発の要? 2019年、ついに米国宇宙軍が創設。中国の宇宙開発は、そもそも人民解放軍が中心。 ロケットと弾道ミサイルの基本構造は同じ、側位衛星は無人爆撃機や抑撃ミサイルを操作し、観測衛星は地上の動きをモニタリングしています。「宇宙を制するとは、戦争を制すること」とも言われています。②自由主義連合 vs 中国共産党の戦い? 現在、米国などで運用のISSは、2024年以降の運用は未定。映画撮影やホテルなど、民営化の可能性が高まっています。 一方、2022年、中国の宇宙ステーション「天宮」が完成し、中国による宇宙長期滞在が実現する予定です。③月面開発競争の再来。今回は、基地建設 米国を中心とした諸国(日本・UAE含む)は、2024年の「アルテミス計画」で再び友人月面着陸を予定。月周回宇宙ステーションと月面基地の建設を目指します。また月の氷から水や水素を取り出し、生活や燃料に活用。火星までの燃費を劇的に下げることも狙っています。 一方、中国もすでに、無人探査機が付きに到達し、月のサンプルを持ち帰ることに成功。次は友人月面着陸を目指し、米国側を確実に追い上げてくることになります。④ついに人類は火星に到着⁉ 移住計画も 太陽系内で地球に比較的環境が近い火星には、スペースⅩ社やUAE政府などの、都市建設・移住計画があります。アルテミス計画で、月を燃料補給基地とし、火星との効率的な行き来を促進する。いわば“月と火星の一体開発”を進める予定です。 2021年、米ソに続き、中国も火星に探査機を送り込むことに成功。今後、火星の開発にも進出の可能性大です。
2021.12.28
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図書館で『47都道府県・発酵文化百科』という本を、手にしたのです。都道府県ごとの醤油、味噌、日本酒、特産品などが見られるわけで・・・まず出身地の発酵食品が気になるのです。【47都道府県・発酵文化百科】北本勝ひこ著、丸善出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書は、都道府県ごとに醤油、味噌、日本酒などの伝統的な発酵食品から、近年、話題となっている塩麹やクラフトビール、さらに、藍染めや柿渋といった発酵を使った技術、文化についても紹介する。発酵に興味があり、歴史や文化を知りたい人や、忙しくてゆっくり食事を摂れないなどの悩みをもつ現代人など、さまざまな人々のニーズに応える一冊。<読む前の大使寸評>都道府県ごとの醤油、味噌、日本酒、特産品などが見られるわけで・・・まず出身地の発酵食品が気になるのです。rakuten47都道府県・発酵文化百科大使の故郷高知県を、見てみましょう。p253~255<39 高知県>■地域の特色 四国の南部、太平洋から四国山地の尾根までの範囲にある。高知市から香南市、土佐山田町に至る香長平野と南西部の四万十市周辺はやや平野となっているほかは、ほとんどが海の近くまで山が迫る山国である。西部を流れる四万十川、石鎚山から土佐湾に南下する仁淀川、県北部から徳島県に流れる吉野川など水量豊富な河川が多くある。 年間日照時間は2000時間を超える一方、年間降水量も平野部で2500㎜前後、山間部では3000㎜を超える。夏は蒸し暑く、熱帯夜が続くが昼間は比較的過ごしやすい。気候は温暖多雨で台風の襲来も多く、1951年以降の台風上陸数は鹿児島県に次いで2番目に多い。県内総生産額、一人あたり県民所得とも全国の下位にあり、経済規模に示す財政力指数も全国最下位である。鳥取県、島根県に次いで3番目に人口が少ない。 ピーマンやナス、トマトをはじめとする野菜類の促成栽培が盛んで、県中央部の沿岸部は、ビニールハウスが多く並んでいる。ナス、シシトウ、ショウガ、ミョウガ、ユズ、ブンタン類の生産は、いずれも全国1位である。漁業では、カツオの一本釣りが行われており、ソウダガツオ類の漁獲量は全国1位である。■発酵の歴史と文化 鰹節の製法で重要なカビ付けは、土佐で始まったといわれる。江戸時代に、紀州で現在の荒節に近いものが作られるようになり、これが熊野節として人気を呼び、土佐藩は藩を挙げてその製法を導入した。しかし、大坂や江戸などの消費地から遠い土佐では、輸送中のカビの発生に悩まされた。江戸に到着してから蔵に保管している間にもカビが発生し、再三払い落とす必要があった。しかし、「カビが付き、払い落とす」の繰り返しの中で、経験的に「鰹節が良質化する」ことに、江戸の鰹節問屋が気がついた。 魚臭さが減少し旨みが増し、特有の香気が醸し出され、だしが濁らなくなる。これにより、逆にカビを利用して乾燥させる方法がこうあんされた。この改良土佐節は大坂や江戸までの長距離輸送はもちろん、消費地での長期保存にも耐えることができたばかりか味もよいと評判を呼び、土佐節の全盛期を迎える。改良土佐節は土佐藩の秘伝とされたが、西方が1781年に安房へ、1801年に伊豆へ、その後、薩摩にも伝わり、のちに土佐節、薩摩節、伊豆節が三大名産品と呼ばれるようになる。■主な発酵食品醤油:四国の中では珍しい甘口の醤油が人気のマルバン醤油(四万十市)やマルサ醤油(四万十市)のほか、丸共味噌醤油醸造場(須崎市)や畠中醤油醸造場(香南市)などで造られている。味噌:1818年創業の井上糀店(高岡郡)のほか、宇田味噌製造所(高知市)、だるま味噌(高知市)などで造られている。日本酒:坂本龍馬を筆頭とする幕末維新の志士たちは酒とのかかわりが深く、歴代土佐藩主のほとんどは愛酒家であったといわれており、土佐では淡麗辛口の酒を豪快に飲み干す伝統が受け継がれている。 「龍馬と最も縁の深い蔵元」と言われる司牡丹酒造(高岡郡)、1781年創業の県下最古の西岡酒造店(高岡郡)をはじめ、土佐鶴酒造(安芸郡)、高木酒造(香南市)、土佐酒造(土佐郡)、酔鯨酒造(高知市)など18の蔵で造られTいる。焼酎:北幡地域で採れるクリを使った焼酎を造る無手無冠(高岡郡)、室戸産の金時芋と海洋深層水を仕込み水に使った芋焼酎を造る菊水酒造(安芸市)のほか、米焼酎の仙道酒造場(安芸郡)などがある。鰹節:鰹節にはカツオを燻して作った「荒節」と、カビを付けてさらに乾燥させた「本枯れ節」がある。本枯れ節はカツオの生切りから、煮沸、乾燥しカビ付けと天日乾燥を4回繰り返し約6ヵ月かけてでき上る。本枯れ節は生のカツオ10㎏に対して、約1.6㎏となり、それだけ旨みが凝縮されている。良質の本枯れ節同士をぶつけると、「カンカン」と乾いた音を発し、割ると透明感のある濃い赤色の断面が現れる。世界で一番固い食品といわれている。土佐氏宇佐町などで作られている。宗田節:土佐清水市などで作られるソウダガツオから作られる鰹節の一種である。カツオに比べ血合いが多いため、コクのあるだしが出て、香りも濃厚で、しっかりとした味付けをする料理によく合う。宗田節のほとんどは業務用として流通しており、日本料理店や老舗のそば屋などで使われている。酒盗:新鮮なカツオの内臓で作った塩辛である。土佐藩主山内豊資が、清水(土佐清水市)の宿にてカツオの塩辛で酒を飲み、「これだと酒がいくらでもいける。酒を盗みおったわい」と言ったとの話からこう呼ばれるようになったといわれている。(以降省略)『47都道府県・発酵文化百科』1
2021.12.27
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図書館で『47都道府県・発酵文化百科』という本を、手にしたのです。都道府県ごとの醤油、味噌、日本酒、特産品などが見られるわけで・・・まず出身地の発酵食品が気になるのです。【47都道府県・発酵文化百科】北本勝ひこ著、丸善出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書は、都道府県ごとに醤油、味噌、日本酒などの伝統的な発酵食品から、近年、話題となっている塩麹やクラフトビール、さらに、藍染めや柿渋といった発酵を使った技術、文化についても紹介する。発酵に興味があり、歴史や文化を知りたい人や、忙しくてゆっくり食事を摂れないなどの悩みをもつ現代人など、さまざまな人々のニーズに応える一冊。<読む前の大使寸評>都道府県ごとの醤油、味噌、日本酒、特産品などが見られるわけで・・・まず出身地の発酵食品が気になるのです。rakuten47都道府県・発酵文化百科どの料理にも醤油をかけてしまう大使は・・・まず醤油から、見てみましょう。p8~9<醤油> 日本農林規格(JAS)では「種類による分類」と「製法による分類」が決められている。「種類による分類」では、「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5種類に分類されている。 「こいくち」(濃口)は、全醤油の約80%を占めている、最も一般的なものであり、全国各地でせいさんされている。食塩分は約16%であり、煮物、焼き物、だしなどの調理用から、つけ、かけなどの卓上用まで何にでも使われる。 麹は、大豆または脱脂大豆を蒸したものに、ほぼ等量の炒って砕いた小麦を混ぜて造る。江戸時代中期の関東地方で発祥し、江戸料理の調味料として発達した。溜り醤油の原料に小麦を配合するなどして改良し、現在の濃口醤油の醸造法を確立したといわれている。 特有の香りが高く、濃い色をもつ、さまざまな料理の味付けに使われ、色付け香り付けにも使われる。特に有名な産地として、利根川の水運が利用できた千葉県の野田市や銚子市、気候、風土の適した香川県小豆島などがある。 「うすくち」(淡口)は、全醤油の約13%を占めている、淡口とは色が淡いという意味であり、食塩分は約18~19%と濃口醤油より2%ほど高い。淡めの色合いとおとなしい香りが特徴である。素材の持ち味を生かす炊き合わせ、汁物などの料理用に、特に近畿地方で多用される。 近畿の料理は昆布だしを多用し、コンブの風味が失われないように香りの薄いものが求められた。また、濃口醤油を使うと料理の色が黒くなるので、素材の彩りを生かす京料理などに透明なものが好まれた。原料は濃口と同じだが、色を淡くするために塩分濃度を高く仕込んで発酵、熟成を抑え気味にして、醸造期間も短くし、かつ火入れ温度を低くするなどの工夫により生産されている。圧搾前に甘酒や水あめが加えられる。 「たまり」(溜り)は、全醤油の約2%弱で、食塩分は濃口と同程度である。原料は大豆がほとんどで、小麦は使っても少量である。大豆を蒸して味噌玉を作り、これに麹菌をを植え付けて麹を造る。これを塩水に仕込んで1年間熟成させる。江戸時代中期までは醤油といえばこの溜り醤油のことだった。とろりとしており旨み、風味、色ともに濃厚である。 刺身につけたり、照焼きのタレなどに向く。豆味噌と同様に愛知、三重、岐阜の東海3県が主産地である。刺身のつけ醤油はもちろんのこと、加熱すると美しい赤みを帯びるので、煎餅、佃煮などの加工用にも使われる。昔、豆味噌を造っている過程で生まれた醤油といわれている。 「さいしこみ」(再仕込み)は、全醤油の約1%弱で、食塩分は約16%である。さしみ醤油や甘露醤油とも呼ばれ、風味、色ともに濃厚さが特徴である。発祥は山口県の柳井地方と伝えられる。名前に「再」があるとおり、一度でき上った生醤油に、再び麹を入れて二度仕込みをする醸造法で、濃口の倍以上の材料と時間をかけて造られている。色、味、香りとも濃厚で、刺身、すしなどに向く。 「しろ」(白醤油)は、全醤油の約1%弱で、食塩分は約18%である。溜り醤油とは反対に、小麦を主原料に大豆を少量用いて麹を造る。色は薄く、淡い琥珀色をしている。味はたんぱくながら糖分が12~16%と高く甘みが強いのが特徴である。茶碗蒸しや吸い物、うどんのつゆ、煮物などに向く。愛知県碧南市原産で、現在でも愛知県を主産地とするが、関東など他地域でも生産されている。
2021.12.27
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第7章で、米中デジタル戦争を、見てみましょう。p218~220<1 中国で重大な地殻変動が起きつつある>■アントの上場中止事件 中国で重大な地殻変動が起きつつあるのかもしれない。共産党内部の権力抗争ではない。共産党と新しい民間新興勢力との衝突である。これは、長期的には中国の成長の阻害要因となり、米中バランスに本質的な影響を与える可能性がある。 共産党と新しい民間新興勢力との確執がはっきりした形で表れたのが、アリババ集団傘下の金融会社アントグループの上場中止事件だった。 アントは、電子マネーAlipayの発行主体。中国最大のeコマースであるアリババの子会社だ。2014年に設立されたばかりだが、急成長。その企業価値は、約1500億ドル(約16兆円)にもなると言われた。 これはアメリカシティグループ(約11.5兆円)の時価総額を超え、三菱UFJファイナンシャル・グループなど日本の3大メガ銀行の時価総額の合計(約13.3兆円)を上回るものだ。せつりつされてからわずか6年のうちに、世界最大の金融企業になってしまったのだ。 アントは2020年11月に香港と上海市場での上場を計画していた。これによって345億ドル(約3兆6000億円)という史上空前規模の資金が調達できると感がえられていた。これは、みずほフィナンシャルの時価総額にも相当する額だ。 発行計画は順調に進んでいた。ところが上場予定日直前の11月3日に、当局が突然、待ったをかけ、上場は中止されてしまった。 アリババ創業者のジャック・マー氏が、シンポジウムで、当局に対する批判的コメントをしたのが原因だったと言われる。それを読んだ習近平国家主席が、激怒したというのだ。 そうしたことがあったかもしれない。しかしこれは、失言と当局の反発という単発的な偶発事件ではない。その底流には、深い原理的対立がある。これは、いずれ表面化するはずだった矛盾が表面化したものだと考えることができる。12月14日には、中国政府がアリババとテンセントのそれぞれの傘下企業に対し、独占禁止法違反で罰金を科すと発表した。中国政府による巨大ネット企業への管理が、さらに強化されたのだ。 ■アリババに対しても当局が圧力 2020年のアリババ集団によるネット通販セール「独身の日」が11月12日0時に終了した。セール期間中の取扱高は4982億元(約7兆7000億円)。2019年の2684億元を大きく上回った。 ところが、セール前日の10日に、規制当局である国家市場監督管理総局が、独占的な行為を規制する新たな指針の草案を公表した。取引先の企業にライバル企業と取引しないよう「二者択一」を求めることは法律違反にあたるとしている。 このように、アリババを取り巻く事業の環境も急激に変化している。この措置を受けて、11日に香港株式市場でアリババの株価は前日比9.8%安となった。『よいデジタル化 悪いデジタル化』5:クッキーに関する問題(続き)p197~200『よいデジタル化 悪いデジタル化』4:クッキーに関する問題p193~197『よいデジタル化 悪いデジタル化』3:ワクチンパスポートの動向p161~166『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状
2021.12.26
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図書館で『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』という本を、手にしたのです。この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。【「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし】京極夏彦著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より「水木しげる作品」がウケ続けているわけは?柳田國男が『遠野物語』で描いた「河童」「山人」…。「幽霊」「妖怪」「おばけ」の怖さ。「私は京極だが、京極は私でない」のはなぜか?京極夏彦の「アタマの中」!?<読む前の大使寸評>この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。rakuten「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし第三談「水木漫画と日本の“妖怪”文化」を、見てみましょう。p102~103<「バッカみたい」に努力する> あれほどの数の“妖怪”キャラを生み出したのだから水木しげるの想像力はすごい、と思っていらっしゃる人も多いでしょう。しかし、想像力だけではありません。水木先生は過去の資料や文献、民俗学の研究成果などを徹底的に勉強し、“妖怪”文化的な背景も含めて、自家薬籠中のものとしてあのアイコンを作り上げてきたんです。決して、勝手に想像して描いたわけではないのです。 先生は漫画だけでなく何千枚もにわたる1枚絵の“妖怪”画を書き続けていました。“妖怪”が一般的になる、ずっと前から描いていました。 みなさんご存じでしょうが、“妖怪”画の背景の緻密さは感動的です。背景をじっと見ていると、いかにもそこに、そんなやつが出てきそうな気がしてきます。そんな過剰ともいえるほどの描き込みがあって、その前にアイコンとしての“妖怪”が描かれています。 背景に比べると“妖怪”そのものは、わりとあっさりと描かれているように思えます。実はこの背景が、アイコンの中にあるデータでもあるんですね。つまり、背景が本体で、それを象徴するものが手前のキャラクターなんです。 “妖怪”は実際に存在するものではないし、見えるものでもありません。 いわば雰囲気、気配としてあるものなんですね。そうした気配のようなものを表すためには、風景だけではなく、温度、湿度、匂い、音までもを絵で感じてもらわなければなりません。だから、血がにじむような努力をして水木先生は背景を描き込んだのです。 そんなことを何も知らなかった頃、私は先生にこんな無邪気な質問をしました。「先生、目に見えないものをどうやって形にするんですか? インスピレーションがピッと降りてくるんですか?」「そんなものはアンタ、降りてきませんヨ」 たぐいまれな感受性でピッと感じているのかと思った私が浅はかでした。先生はこう答えました。それは数ある水木語録の中で、私が最も好きな名言です。「目に見えないものを見るためには、バッカみたいに努力するしかないんです。そうしないと、見えないものなんか描けませんよ、あなた」『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』1
2021.12.26
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図書館で『「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし』という本を、手にしたのです。この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。【「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし】京極夏彦著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より「水木しげる作品」がウケ続けているわけは?柳田國男が『遠野物語』で描いた「河童」「山人」…。「幽霊」「妖怪」「おばけ」の怖さ。「私は京極だが、京極は私でない」のはなぜか?京極夏彦の「アタマの中」!?<読む前の大使寸評>この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。rakuten「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし第一談「世界の半分は書物の中にある」の冒頭を、見てみましょう。p8~11<未来も過去も存在しない> 私たちはどんどん年をとっていきます。刻一刻、1秒1秒、必ず老けていきます。若くなる人はいません。最近ではアンチ・エイジングなどといって、実際の年齢よりも若く見せようとする人が増えているようですが、いかがなものでしょう。 シワをなくしたり、毛を増やしてみたり、着飾って若づくりをしてみたり・・・人には年齢を重ねたなりの良さというものがあるわけで、私は年相応が一番美しいあり方だと思うのですが。年寄りの冷や水・・・これは少し違いますが、いずれ失くなったものは失くなったものとして受け入れる姿勢が大事だと、私は思います。 未練がましく「時間を巻き戻そう」などと考えるのは、あまりよろしくない。 私たちが存在する世界では、時間は一方通行に進み、絶対に逆行しません。昨今いろいろな発見がありまして、「もしかしたらタイム・マシンができるのではないか」というニュースが流れたことがありましたが、あれは計測間違いだったようです。将来的にタイム・マシンの製造が実現したとしても、いまこの瞬間を生きている私たちは、時間を逆行することはできないですね。 私たちは昨日を見ることはできないんです。それどころか、「ついさっき」も二度と見ることはできません。この大展示会場に入ったみなさんも、会場に入る前の状況を見ることは絶対にできません。 いや、ほとんどの人がそんなことは考えないと思いますが。歩いている時に、「左足を出したら、もうこの左足を出す前の自分じゃないんだぞ」なんて思いながら歩いている人はいないでしょう。 私たちはインターネットを使うことで、日本中のこと、世界中のことを瞬時に知ることができるようになりました。そのため、一瞬でいろいろなことが体験できるような・・・錯覚に陥っています。 しかし実際には、目の前にあるものしか見えませんし、空気の振動によって伝わってくる音しか聞こえませんし、手が届く場所にあるものしかさわれません。 つまり、手を伸ばせば届く場所より離れた距離にあるものにはさわれない、ということです。私たちは『怪物くん』の怪物太郎や、『ONE PIECE』のルフィではないのですから、手足を伸ばすことはできないんです。 私たちは、体感としては非常に狭い範囲のものごとしか知ることができません。そのうえ後戻りもできないのです。つまり、「いま」しかないということですね。 私たちは生活の中で、過去、現在、未来という言葉を当たり前のように使いますね。 しかし、未来は、まだありません。ないものは知ることができませんよね。よく「未来を作る」という表現を耳にします。まあ、いまがなければ明日もないので、言いたいことはわかります。しかし、作るといっても、正直明日のことなんてわかりません。(中略) それは、誰もがこの会場に入るまでの間に、外の景色・・・東京の街並を確認しているからです。建造物に入って出ただけで都会がジャングルになったり沙漠になったりすることは常識では考えられないと、私たちは知っています。SF小説でもない限りそんなことはあり得ません。そして、それは正しい認識ですね。でも、そう判断した根拠となっているのは、「さっき」という過去です。 過去の経験を元にして、私たちは現在を知り、未来を予測しているということがよくわかります。ただぼおっと生きているだけでも、過去と現在と未来は必要なんですね。未来の話というと、ハイテクな車両や鉄腕アトムのようなロボットが空を飛んでいたり、宇宙ステーションで逆さまにご飯を食べていたりするような場面を考えがちなんですが、でも1秒後だって未来ですし、1秒前はもう過去なんです。私たちは過去、現在、未来という仕組みを持っていないと、生きていけないんです。「〇」() (〇)
2021.12.25
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「民俗学」でしょうか♪<市立図書館>・47都道府県・発酵文化百科・超速でわかる! 宇宙ビジネス・「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【47都道府県・発酵文化百科】北本勝ひこ著、丸善出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より本書は、都道府県ごとに醤油、味噌、日本酒などの伝統的な発酵食品から、近年、話題となっている塩麹やクラフトビール、さらに、藍染めや柿渋といった発酵を使った技術、文化についても紹介する。発酵に興味があり、歴史や文化を知りたい人や、忙しくてゆっくり食事を摂れないなどの悩みをもつ現代人など、さまざまな人々のニーズに応える一冊。<読む前の大使寸評>都道府県ごとの醤油、味噌、日本酒、特産品などが見られるわけで・・・まず出身地の発酵食品が気になるのです。rakuten47都道府県・発酵文化百科【超速でわかる! 宇宙ビジネス】片山俊大著、すばる舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より2020年代、すべてのビジネスは宇宙に通ず。旅行、観光、運輸、不動産、農林水産、通信、IT、マーケ、広告、ファッション、サービス…etc.文系も必須のビジネス教養。<読む前の大使寸評>先日、ZOZOの前澤さんがISSに滞在後に宇宙船でロシアに帰還したけど・・・宇宙旅行がビジネスになったわけですね♪rakuten超速でわかる! 宇宙ビジネス【「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし】京極夏彦著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より「水木しげる作品」がウケ続けているわけは?柳田國男が『遠野物語』で描いた「河童」「山人」…。「幽霊」「妖怪」「おばけ」の怖さ。「私は京極だが、京極は私でない」のはなぜか?京極夏彦の「アタマの中」!?<読む前の大使寸評>この本は、著者の九つの講演会のお話しとなっているが・・・わりと民俗学的な視点が興味深いのです。rakuten「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし************************************************************図書館大好き524
2021.12.25
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在102位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在76・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在17位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在169位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在10位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在165位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在12位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在15位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在23位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)現在62位・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在376位・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、副本1、予約18)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・『スマホ脳』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・今村夏子『星の子』・半藤一利著『太平洋戦争への道 1931-1941』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/09以降> ・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)・『生物の驚異的な形』(12/11予約、12/19受取)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【鴨川ランナー】グレゴリー・ケズナジャット著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日本と世界の狭間で生まれた中篇二作。外国から京都に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤等を、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作(「鴨川ランナー」)。福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが…(「異言」)。第二回京都文学賞満票で受賞。日本語を母語としない著者が紡ぐ、新しい感性による越境文学。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/23予約、副本1、予約18)>rakuten鴨川ランナー【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2021.12.24
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図書館で『私の消滅』という本を、手にしたのです。この本の「私の消滅」というタイトルの漢字の一部が消えかかっているのが気になって・・・チョイスしたのです。(アホやで)【私の消滅】中村文則著、文藝春秋、2016年刊<「BOOK」データベース>よりこのページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記ーこれを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。<読む前の大使寸評>この本の「私の消滅」というタイトルの漢字の一部が消えかかっているのが気になって・・・チョイスしたのです。(アホやで)rakuten私の消滅妹が怪我をしたあたりを、見てみましょう。p16~19<1> 小学三年生だった私の中に最初に浮かんだのは、びっくりさせようという思いだった。あのような幼い私の中に、生々しい殺意はあったのだろうか。いずれにしろ問題なのは、行為の果ての結果だった。「でも誰かが落としたはず」そう声が聞こえた。私がよく観ていた、アニメの登場人物の声。落としたのは当然私だった。 足の力が抜け、動くことができなくなった。息を吐き出すことができず、吸うことしかできず、声を上げられなかった。私はその場で眠るようにうずくまった。でもアニメの声は止まなかった。声は続けてこういうのだった。「落としたのがもしきみでなかった場合、きみの人生はもっと厄介なことになる」<2> 文章から頭を上げると、灰皿に放置された煙草が目に入った。僕が忘れていた、吸われることなく燃え尽きた煙草。 窓の向こうでは、接近したように見える木々が不機嫌に揺れ続けている。不愉快な振り子のように。もう辺りは暗い。 僕は改めて目の前の手記を見る。それほど分厚いものではない。もう三分の一は過ぎている。 孤独な文章。そう思っていた。なぜなら、これは多くの人間が共感できる内容じゃないから。異質な存在は弾かれる。そういう意味で、この小塚の文章は僕に似ていた。 では自分はどうか。口元に笑みが浮かぶ。別の意味で共感などできない。なぜなら、もう自分には感情というものがほとんど残っていないから。ただ時折心臓の鼓動が微かに速くなるだけだ。感情の名残のように。手記の先を少しだけめくり、そこに書かれた「妹」が怪我で済んだのを知り、何だ死んでないのかと思っただけだった。 部屋の奥の白いスーツケースを眺める。目の前にはその彼の人生が書かれた手記。パッケージ化された人生。 まだ途中だが、ノートの内容を頭で反復していく。これは陰鬱な人生だった。 そうか、と僕は思う。そうか、だからこの人生はあんなにも安かったのか。 不意に渦のように何かがせり上がってくる。僕はそれを意識に上らせる前に、飲み込もうとする。頭痛がする。鼓動が速くなるのを、深く息を吸って抑えようとした。僕は周囲を見渡す。考えてはいけない。小塚の身分を手に入れ、僕は早く姿を消さなければならない。 もう一度煙草に火をつけ、手記の続きを読む。あと三分の二。【手記 2】 でも妹は死ななかった。崖の下へ落下し身体を強くぶつけ、さらに滑り落ちたが不法投棄のタイヤと自転車の残骸に引っかかった。両足の骨折と肩の脱臼で、気絶していたが、命の有無に影響はなかった。本来なら死んでいたはずで、偶然が結果を変えていた。近くで虫取りをしていた子供のグループに、発見されることになる。『私の消滅』1(〇)
2021.12.24
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第6章で、クッキーに関する問題(続き)を、見てみましょう。p197~200<5 クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?>■「クッキー」は何に使われてきたか? クッキーは、ネットスケープコミュニケーションズのエンジニアであったルー・モントゥリが、1994年に発明したものだ。「cookie」という名は、中にメッセージが入った「フォーチュン・クッキー(fortune cookie)」に由来する。 クッキーの役割は、会員の識別だけではない。例えば、アマゾンなどのショッピングサイトで買い物をするとき、クレジットカードの情報などを登録しておくと、次回からはいちいち入力する必要がない。あるいは、買い物をしている途中で、商品をカートに入れたままログアウトし、しばらくしてもう一度そのサイトに戻ってくると、カートの中の品物が残っている。これはクッキーによって情報が保存されていたからだ。 自分のブラウザにどのようなクッキーが書き込まれているかは、見ることができる。必要に応じて、クッキーを消すこともできる。■知らないうちに「プロファイリング」されている クッキーの利用は、以上にとどまらない。グーグルなどの検索エンジンでは、クッキーを利用して、ユーザーがどういう人かを推定できる。性別、年齢、所得、家族状況、趣味などの「プロファイル」を推定できるのだ。つまり、本章の3で述べた「プロファイリング」ができる。 これを用いると、検索エンジンは、ユーザーに合わせた検索結果を返せるようになる。その人が興味ありそうな情報を返してくるのだ。例えば、レストランを検索すれば、その地域のレストラン情報を表示する。 つまり、インターネットからプッシュされてくる情報にはバイアスがある。これは、イーライ・パリサーが指摘した「フィルターバブル」という現象だ。こうなると、情報の受け手は、「泡(バブル)」の中に包まれたようになってしまい、自分が見たい情報しか見えなくなり、知的孤立に陥るというのだ(イーライ・パリサー『閉じこもるインターネット』、早川書房、2012年)。 では、実際に、どのようにプロファイリングされているのだろうか? グーグルの場合、Googleアカウントで「データとカスタマイズ」を選び、「広告の設定に移動」を選ぶ。すると、「広告のカスタマイズに利用する要素」という欄に、このブラウザを使用している人間のプロファイルが示されている。 私の場合について言うと、年齢、性別は、正しく推定されていた。どうやって正しく推定できたのだろうか? 「何に関心を持っているか」については、当たっているものと見当違いなものが半々くらいだ。「野口悠紀雄という人物がこういうプロファイルを持っている」と示されているわけではないのだが、「このブラウザを用いてアクセスしている人物は、このようなプロファイル」ということが示されているのだ。 その意味では、これは個人情報ではないと言える。日本の「個人情報の保護に関する法律」は、個人情報を、「当該情報に含まれる指名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」と定義しているからだ。 しかし、他の情報と付き合わせれば、個人名とのリンクも可能になるかもしれない。そう考えると、「無関心のまま放置しておくのも危険かもしれない」という気持ちになってくる。■グーグルは検索連動広告を行う ユーザーのプロファイリングができれば、選別された情報を提供することができる。これは、広告に応用できる。ユーザーに会った広告を配信するのだ。例えば、利用者が自動車に興味を持っていると推定されれば、自動車の広告を出す。利用者が関心を持つはずの広告を出すのだから、効果的だ。 これがグーグルを成長させた検索連動広告だ。 検索連動広告は、「リスティング広告」と呼ばれることもある。「Google広告」(旧Google Adwords)や「Yahoo!広告」(旧Yahoo!プロモーション広告)が良く知られている。 ただし、これは、グーグルのような企業だからできることだ。グーグルは、検索エンジンやメール、マップなどさまざまなサービスを提供し、しかも全世界の数十億人のユーザーを相手にしている。それによって収集した大量のデータを持っているから、それらの分析によってプロファイリングができるのだ。 『よいデジタル化 悪いデジタル化』4:クッキーに関する問題p193~197『よいデジタル化 悪いデジタル化』3:ワクチンパスポートの動向p161~166『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状「〇」(〇)
2021.12.24
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第6章で、クッキーに関する問題を、見てみましょう。p193~197<5 クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?>■GAFA+マイクロソフトの時価総額が東証1部の総額を超える 「ビッグデータ」「プロファイリング」「データ資本主義」などの言葉が、連日のように新聞紙面を賑わしている。 GAFAとかBATという言葉も飛び交っている。これらは、アメリカや中国でインターネットサービスを提供する企業で、「プラットフォーム企業」とも呼ばれている。新しい経済活動の最先端にいる企業群だ(「GAFA」とは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。「BAT」とはバイドゥ、アリババ、テンセント)。 GAFA企業の時価総額はコロナ下でも伸びている。GAFAにマイクロソフト(MS)を加えた企業の時価総額の合計(7.5兆ドル、825兆円)は、日本の東証1部上場企業の時価総額合計(701兆円)を超えている。 経済は、明らかに大きな転換点を迎えようとしているのだ。これは単に経済の一部で起こっている現象ではない。私たちの日常生活にも密接に関連する問題だ。それにもかかわらず、何が起きているかに関して、われわれは必ずしも十分に理解していない。 変化とはどのようなものか? どこで、何が起きているのか? それは、どのような問題をもたらすか? それに対してどのような対処が必要か? 以下では、こうした事柄をみていくことにしよう。■問題はきわめて複雑で分かりにくい この問題がいかに分かりにくいものかを示す例を挙げよう。2020年1月16日の『日本経済新聞』1面のトップに、「ネット利用者の閲覧データ、グーグルが提供取りやめ」という記事が出た。 この記事の内容は、かなり難しいものだった。ウェブ業界に関係がない人で正確に理解した人は少なかったと思う。 まず、グーグルがこれまで何をやっていたのかが、理解しにくい。この記事のタイトルからすると、これまでグーグルは、閲覧データを他企業に提供していたのだろうか? では、どのような情報をどのような企業に提供していたのだろうか? 記事によると、「閲覧履歴のデータが、外部のネット広告企業まどに無料でわたる仕組みになっている」とある。外部の広告企業とは、どのような範囲なのか? なぜこのようなデータを渡すのか? どのようにして渡すのか? 閲覧履歴のデータとは「クッキー(cookie)」と呼ばれるものだというのだが、「クッキー」とは何なのか? インターネットを使っていれば、多くの人が「クッキー」という言葉を何度も聞いているだろう。しかし、それがどういうもので、どのような機能をはたしているかについて、正確に答えられる人はあまり多くないと思う。 この新聞記事のサブタイトルは「個人情報保護を優先」というものだった。すると、これまでは、営利のために個人情報がグーグルから広告企業に渡されていたということなのだろうか? 最も知りたいのは、「提供取りやめによって何が変わるのか?」ということだ。 記事は「広告業界への打撃は必至」としていた。では、なぜそうなるのか? また、グーグルは、これによっていかなる影響を受けるのか? この記事の最後には、「今回の措置で、大手IT企業のデータ寡占が進む可能性もある」とあったのだが、なぜなのか? 「疑問だらけでよく分からない」というのが、多くの人の反応だったのではないだろうか? なお、この記事は、1月21日にタイトルと内容が訂正され、「提供取りやめ」とあったのが、「機能を制限」にされた。こうなると、さらに分からなくなってくる。「機能」とは、一体どんなものか?■「クッキー」は何に使われてきたか? この問題の中心は、「クッキー」というものだ。クッキーは最近様々なところで話題になる。本章の7で述べるリクナビの事件でも、「クッキーが使われていたのが問題だった」と報道された。 こうしたニュースを見ていると、「クッキーとは人々のインターネット行動を探る仕掛けであり、われわれは知らないうちに行動を把握され、それを利用されていた」という印象を受ける。そうであれば、「こうした物騒なものをやめてもらうのは当然」ということになる。しかし、本当にそういうものなのだろうか? クッキーを理解するには、日常のインターネット閲覧を思い出すのがよい。会員登録が必要なサイトがある。そうしたところでは、IDとパスワードが要求される。しかし、何度もソコニアクセスしていると、いちいちパスワードを記入しなくても開くことができる。これは、そのサイトが私(正確にいうと私のブラウザ)が会員であることを認識しているからだ。このための手段がクッキーなのである。 私がそのサイトにアクセスすると、クッキーと呼ばれる情報がサイトノサーバーから送られてくる。そこには、私が会員であることが書かれてある。クッキーは、私のPC(あるいはスマートフォン)のブラウザに記録され、一定の期間保存される。 つぎにアクセスすると、その情報が相手のサーバーに送られる。それによって、サイトは会員のブラウザからのアクセスだと認識できるから、いちいちパスワードを入力しなくても見られるのだ。 『よいデジタル化 悪いデジタル化』3:ワクチンパスポートの動向p161~166『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状
2021.12.23
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<『生物の驚異的な形』>図書館に予約していた『生物の驚異的な形』という本を待つこと1週間ほどで、ゲットしたのです。【生物の驚異的な形】エルンスト・ハインリヒ・ヘッケル著、 河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>より太古の原生生物から、奇妙な無脊椎動物、昆虫や植物まで…進化論を支持した科学者の「精巧な博物画」たち。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/11予約、副本1、予約0)>rakuten生物の驚異的な形科学者と芸術家が語られているので、見てみましょう。エルンスト・ヘッケル 科学者のなかの芸術家p19 初めて海を訪れた25年前の1854年8月、私は忘れることのできない師、ヨハネス・ミュラーによって、ヘルゴラントで無尽蔵の、すばらしい海洋生命体の世界を紹介された。多彩な動物のなかで、これほど私を惹きつけたものはなかったし、たとえばクラゲのように生きている種を目の当たりにしたのも、そのときが最初だった。 20歳の学生だった私が初めてティアラやイレーネ、クリュサオラやキュアネアを観察し、そのすばらしい形や色を絵筆で表そうとしたときの喜びは、けっして忘れられないだろう・・・ こういう思いのあふれる言葉をもって、エルンスト・ヘッケルは1879年、自らのクラゲのモノグラフ、672ページからなり、40点もの見事な図版を含んだ対策の序文を始めている。しかし、ヘッケルが熱っぽく語っているのはこの序文の部分だけで、長い本文は本質的に淡々としている。この作品には、彼の性質の二つの面が表れている。 対象の美しさに感動する、芸術的な目を持った一面と、冷静で淡々とした、事実をありのままに述べる知の仲介者の一面である。そのことは図版そのものが物語っている。 科学と芸術・・・人類が成し遂げた最高の文化的偉業は、世界を見る異なった方法を代表するものとして、しばしば同じ文脈のなかで言及される。 一方は、理性と客観的な理解として、先入観のない観察と実験を通じ、生命のある自然と、生命のない自然の、無数の現れの下に横たわる、自然の法則を探るために使われる。もう一方は、芸儒家が技術と想像力を駆使し、自分自身と他者の美的感覚を呼び覚まそうとするものである。科学者は客観性を追い求め、何よりも、本能と主観を避けようとする。そして発見者として、この世界の事実をとらえる。芸術家は自らの想像力と感覚に従い、まったく新しいものを想像しようとする。 しかし、現実には、科学者と芸術家が、基本的に異なる性格のタイプを体現することは稀である。科学者も芸術家も、この世界の美と未解決の問題をもっとよく調べるよう強いられていると感じている。さらに、芸術家は科学者と同じくらい好奇心が旺盛である。彼らは実験を好み、それによって驚くべきことを知り得る。 たとえば、自分の顧客に、何も描いていない額縁を売ることだってできる「顧客が“裸の王様”であることを知り得る」ということなどである。彼らは自分たちの作品がどのくらい効果的か、じぶんたちが社会でどのような役割を演じるべきか、そして、たとえば自分たちが腕によりをかけてデザインした記念碑や、建物のファサードの価値を知りたがる。さらに、科学者も芸術家も、自らを表現する必要があると強く考えている。
2021.12.23
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。残暑厳しき折りなんて言っていたが・・・今年の冬至~年末は寒さが厳しいとの予報が出ているので、気を付けてください。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり冬至ゆづ湯この本で、冬至のあたりを見てみましょう。和暦p3<冬至>大晦日と新年の行事があり、夜長短日の節気 「冬至」は、現行の暦では12月22日ころ、第1日目を迎え、小寒(1月6日ころ)に入る前日までをいう。「冬至の日」、「冬至日」は第1日目を指している。 秋分から春分までの間、北半球では太陽は真東からやや南寄りの方角から上り、真西からやや南寄りの方角に沈む。冬至の日にはこの「日の出・日の入り」が最も南寄りになる。さらに、冬至の日には北極圏全域で「極夜」となり、南極圏全域で「白夜」となる。 わが国では一般に、冬至の日は「1年中で最も昼が短く夜が長い日」と言われているが、実際は日の出が最も遅い日は冬至の半月後ころであり、日の入りが最も早い日は冬至の半月前ころである。『暦便覧』では「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」と説明している。 しかし冬至の日は「1年中で最も昼が短く夜が長い日」ということから、さまざまな行事や祭りが誕生し、人々の暮らしに寄り添い親しまれ、現在に続いているのである。 冬至の期間の七十二候は、次の通り。 初候「乃東生(なつかれくさしょうず)」夏枯草が芽を出す。 次候「麋角解明(きわしかのつのおつ)」大鹿が角を落とす。 末候「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」雪の下で麦が目をだす。 西洋占星術では、冬至の日が磨カツ宮(やぎ座)の始まりとしている。二十四節季の大雪に注目(復刻)二十四節季の小雪に注目
2021.12.22
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図書館で『ゆかりある人びとは・・・』という本を、手にしたのです。若い頃に最も触発された本といえば、小田さんの『何でも見てやろう』になるわけで・・・小田さんの説く老後が気になるのです。【ゆかりある人びとは・・・】小田実著、春秋社、1997年刊<「BOOK」データベース>より老後に処する心得。イキのいい反戦運動の活動家として知られる著者が、このたび一族のための墓をつくった。ゆかりある人びとの想い出を語り、この元気では死ぬ気配もなし。<読む前の大使寸評>若い頃に最も触発された本といえば、小田さんの『何でも見てやろう』になるわけで・・・小田さんの説く老後が気になるのです。rakutenゆかりある人びとは・・・アメリカが語られているので、見てみましょう。p235~238<3> 34年まえ、私はボストンのすぐそばのケンブリッジにあるハーバード大学に「留学」していたのだが(「留学」という引用符つきで書くのは、大学で毎日授業に出て勉強していたという意味での留学を私はしたことがないからである)、私はしょっちゅうと言っていいほどニューヨークに出て来て、アメリカ合衆国に来てから知り合いになった作曲家のところに泊まり込んでいた。そのニューヨークで日本からの留学生が集まって論議していたのは、当然、アメリカ合衆国のもろもろに比較しての日本のことであった。 たぶん、アメリカ合衆国からの留学生が今東京に集まって日本と比較しての「アメリカ論」などは、私たちがそのころやっていたほどには決してしていないにちがいないし、今、日本の留学生たちも、かつての私たちのように、「わが日本はこれからどうなるか、どうあるべきか」というようなかたちで口角アワをとばしていないだろう。今は若者たちはもっと「個人的」に留学しているのだ。 もちろん私たちも「明治」時代の留学生がそうであったように祖国の未来を背負って勉強しに来ているというような意識に燃え上がっていたわけでもなかったが、それでもまだ戦後の日本は、私たち同様まだまだ十分に若かったのである。若さは論議を呼ぶし、また、議論がとかく好きなのだ。 さて、そのアメリカ合衆国と比較しての「日本」論議のなかで私たちがよく口にしていたセリフがひとつあって、それこそがまさにアメリカ合衆国に比して当時の日本のダメさかげんを端的に言いあらわす事例として口にしていたものだが、それは、ニューヨークでなら若い女性が深夜ひとり歩きできる、東京ではそんなことは危なくてとうていできない、というものであった。 冗談じゃない・・・と言い出す人は、今、実際にニューヨークに行った人にもまだ行ったことのない人にも多いだろう。ニューヨークがいかに危険な土地であるかは、日本で今や天下周知の事実なのにちがいない。(中略) <4> この話、実はかつての「日本はダメだ」に対して、今の「アメリカはダメだ」を言い出すために描いているのではない。三十年余のあいだに、一国の事態も変われば変わるものだ、いや、世界全体だってそうだ・・・というのが、ここで書きたいことだ。あの当時、アメリカ合衆国の前途はまったく前途洋々なものに見えていた。今日のありようを想像するする人はまずいなかった。 そして、日本の未来は「ダメだ」。なんとか今よりましになるとはみんなが考えていても、さて、それがどれほどましなものとして考えていられたのか。だから、今、日本はすばらしい、日本人は偉大だ、というようなはやりの論議をここでするつもりはない。そういうことがあったし、あることをまるっきり否定するつもりはないが、そうしたことより私がここで書いておきたいのは、未来がいかに不確実、不安定なものであるかということだ。『ゆかりある人びとは・・・』1
2021.12.22
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図書館で『ゆかりある人びとは・・・』という本を、手にしたのです。若い頃に最も触発された本といえば、小田さんの『何でも見てやろう』になるわけで・・・小田さんの説く老後が気になるのです。【ゆかりある人びとは・・・】小田実著、春秋社、1997年刊<「BOOK」データベース>より老後に処する心得。イキのいい反戦運動の活動家として知られる著者が、このたび一族のための墓をつくった。ゆかりある人びとの想い出を語り、この元気では死ぬ気配もなし。<読む前の大使寸評>若い頃に最も触発された本といえば、小田さんの『何でも見てやろう』になるわけで・・・小田さんの説く老後が気になるのです。rakutenゆかりある人びとは・・・韓国が語られているので、見てみましょう。p207~209<3> 私たちがジャーナリズムの世界で話題になったことの三つ目の理由は、二つの韓国語訳で出た私の本の中身にかかわっている。 そのうちのひとつ、『オモニ太平記』は、私の「人生の同行者」の「オモニ」(母親)との「つきあい」を淡々と書き記した「エッセイ」だった。これがなぜ評判になったかと言うと、少し誇張して言えば、「オモニ」という「在日韓国人」が、あるいは、その彼女の娘の「在日朝鮮人」が私という日本人といっしょに住み、「オモニ」から見れば孫娘までができているということのありようが人の心をとらえたからである。 どうしてそれだけのことが人の心をとらえたのかと言うと、これは、もうひとつの私の作品、これは長編小説だが、『民岩太閤記』が豊臣秀吉の「朝鮮侵略」であったことでよく示されているにちがいない。その秀吉の「朝鮮侵略」には、のちの日本の朝鮮支配の「原型」が、今「従軍慰安婦」の問題をふくめた「強制連行」に至るまですべてがあるのだが(その事実の発見が私にその長い小説を何年もかかって書かせた)、つまり、そういうひどいことをした国の人間とひどいことをされた国の人間とがうまく暮らして行けることができるか、できるはずがない・・・という一般認識のまえに立ち現れたのが『オモニ太平記』だった。 つまり、そこで、女性雑誌への私たちの度重なる登場ともなれば、朝の家庭の主婦むけの人気番組への出演ともなった。大げさな言い方になるかも知れないが、私たちの登場と出演にはそれだけの歴史的背景があって、その歴史は、やはり、ひたすら重い。 そうした、背後の重さは、女性雑誌の随所に見られたことだ。たとえば、いかにも上品な顔といでたちをした老女性がインタビュー記事に登場している。まさにどこにでもいる「中流」の老女性だが、彼女がかつて日本帝国主義の支配とたたかって投獄された。解放後は朝鮮戦争となって「北」へ連れ去られた。 いや「北」から「南」に今度は「北」の秘密活動家として侵入して来た。そしてまた投獄されたというような過去・・・個人的でもあれば歴史そのものと言っていい過去を背後にもっていたりする。 有名人のインタビューとグルメ記事とファッション写真と下着の広告とともにこうした背後の重さにも充満した女性雑誌が、いきおい、日本の女性雑誌にはない生まじめさをもっていたとしても不思議はないだろう。(中略)<4> さっきも少しふれたように、私たち一家は朝鮮の家庭の主婦むけのテレビジョンの人気番組に出た。まず、豊臣秀吉の「朝鮮侵略」を描いた韓国映画の場面が放映されたあと、私たちが出て来る・・・そうした登場の仕方だったが、それは、もちろん、私が秀吉の「朝鮮侵略」を書いた日本の作家であったからだ。 それともうひとつ、今年が、韓国では「壬辰倭乱」と呼ばれるその7年半の長きに及んだ、そして朝鮮の人たちに暴虐のかぎりをつくした「侵略」が始まったのは、ちょうど四百年昔の1592年であったからでもある。番組も、当然、日韓両民族のなんでもないくらしのさまを書いた『オモニ太平記』とともに、「壬辰倭乱」をとりあげていた。つまり、それはなんでもない日韓両民族の「中流」のくらしの背後にある重いものもとりあげていたことになる。
2021.12.21
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図書館で『私の消滅』という本を、手にしたのです。この本の「私の消滅」というタイトルの漢字の一部が消えかかっているのが気になって・・・チョイスしたのです。(アホやで)【私の消滅】中村文則著、文藝春秋、2016年刊<「BOOK」データベース>よりこのページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記ーこれを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。<読む前の大使寸評>この本の「私の消滅」というタイトルの漢字の一部が消えかかっているのが気になって・・・チョイスしたのです。(アホやで)rakuten私の消滅不気味な文章で始まる“出だし”を、見てみましょう。p3~6<1>このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。 古びたコテージの狭い部屋。机の上に、そう書かれた一冊の手記がある。ページはすでに開かれている。誰かに読まれるのを、この場所でずっと待っていたように。 机の他には、簡素なベッドしかない。歩く度に木の床が軋んでいく。微かな風で、疲労した薄い窓がカタカタ鳴り続いている。 僕はバッグの中の、手に入れた身分証明書を意識する。小塚亮大という男の、保険証や住民票、年金手帳まで。1977年生まれとあるから、実際の僕の二つ上。日本の身分証明制度はどうかしている。これらの証明書に顔写真はなく、僕はこれで自分の顔写真入りのパスポートをしんせいすることもできる。小塚亮大に成り代わって。 手記の文面を見る。古びた紙に印刷され、クリップで簡易に綴じられている。これは、小塚の手記に違いなかった。僕がこれから成り代わる人間の、おそらく人生が書かれた手記。 部屋の奥の白いスーツケース。鼓動が微かに速くなる。アノスーツケースは、僕が持ってきたものじゃない。あの中に、入っているのだろうか。小塚の死体が。窓の外で木々が揺れている。この場所にある不吉を僕に知らせるように。でもそれは、最初からわかっていたことなのだ。あのスーツケースこの山林に埋めれば、全て終わるだろう。 “このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない”。彼は最初のページにそう書いている。でも、僕はこれまでの人生を失うつもりはない。彼がその人生において何かやり残していたとしても、その義務は負わない。欲しいのは彼の身分だけだから。 机を覆う薄い埃を、痩せたデスクランプの光がオレンジ色に照らしている。僕は煙草に火をつけ、その傷んだ手記のページをめくる。【手記 1】 きっかけは恐らく、近所の葬儀だった。 少女が誘拐され死体で発見されていた。喪服を着た黒い人間達が、汗をかき、窮屈そうにひしめき合っている。小学三年生だった私は、その黒い他人達に囲まれたクラスメイトを見ていた。殺害されたのは、そのクラスメイトの妹だった。彼の両親が、少女の遺影を手に立っている。 逮捕されたのは無色の三十代の男で、少女を誘い、車に乗せ、騒がれ殺したと供述した。その男は巨大な身体をし、すり切れたバスケットシューズをはいていた。やや背を前に傾け、町をさまよう姿を何度も見たことがあった。 クラスメイトは、その父親違いの妹を疎ましく思うと私に話していた。なぜ私にだったかというと、私にも父親違いの妹がいて、存在を疎ましく思っていたから。葬儀が気だるく間延びしながら終り、クラスメイトに近づいた。喉が渇き、呼吸が浅くなっていく。少女が死んだのも、逮捕された犯人もそうだが、ソノクラスメイトが恐ろしくてならなかった。 私は彼に囁く。葬儀場の様々な灯りが、柱のように立つ他人達を直立の影にしている。影達は交差し、奇妙な幾何学的な模様をリノリウムの床に映していた「・・・どうやったの?」 クラスメイトの仕業と思ったのだった。彼が、あの巨大な男に自分の妹の美しさをちらつかせたのだと。仕事を辞めさせられ、町を歩く孤独の中で暗部を少しずつ育てていた男に、野良犬に肉を見せるように自分の妹をみせたのではないかと。当時そんな言葉は知らなかったが、完全犯罪といえた。 自分は手を汚さず、町をうろつく狂気に邪魔な存在を襲わせる。でも彼は私を不思議そうに見た。涙が滲む目で。自分の見当違いに気づく。クラスメイトは、その父や母に励まされ頭を撫でられていた。周囲の他人達からも。自分は醜いという思いが、せり上がって来る。首や頬に不快な熱を感じ、羨むように呆然と見ていた。交差する直線の影達の中で。
2021.12.21
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図書館で『人間であることをやめるな』という本を、手にしたのです。今年亡くなった半藤さんであるが、司馬遼さんの後を継ぐ人との感があるので・・・チョイスしたのです。【人間であることをやめるな】半藤一利著、中央公論新社、2009年刊<出版社>よりいまの日本は「天上大風」、すなわち、ものすごい勢いで荒々しく吹きまくる嵐のまっ只中にある。解決する道はなかなかみつからない。中国がどうの北朝鮮がどうのということではなく、日本国そのものが大転換期、解体しつつある、先行きは不安ばかり、といってもいい。そうした「行き止まり」のときに、日本人は、とくに若い人たちは、どう生きたらいいのか。そうなんです。明日に光明をもてない、「行き止まり」であればあるほど、物事をきちんと考え、真面目に、自分のなすべきことを困りつつウンウンと唸ってやりつづけながら、君たちは人間であることをやめないで生きなさい、と。<読む前の大使寸評>今年亡くなった半藤さんであるが、司馬遼さんの後を継ぐ人との感があるので・・・チョイスしたのです。rakuten人間であることをやめるな日露戦争が語られているので、見てみましょう。p104~109<国力を使い果たした日露戦争、近代日本の岐路> この日清~日露戦争の時期に、東洋経済は創設され、出発したわけです。そして『東洋経済新報』という名前が語るように、経済を中心に日本の国を考える、もっと言えばジャーナリズムとして、「われわれはこの国の歩みにたいして、もう少しきちんとした目をむけなきゃいけないぞ」という、思いが込められていたのではないでしょうか。 このころすでに東洋経済には、植松考昭とか三浦テツ太郎といった、非常に開明的な意見を発表する方々がいて、日露戦争後の日本の国とまともに向き合っていた。 その日露戦争後の日本はどうなってしまったか。じつはここがいちばん大事なところです。 日本は戦争に勝ったのですが、後でまた申し上げますが、この戦争で多くの人間を亡くし、国力のぎりぎり全部を投げ出し、使いきってしまった。当時のお金で二十億円近くという莫大な戦費を使ったが、半分ぐらいは外債・借金だった。国際的・外交的には、アメリカ大統領の仲介によって、きちっとした形で勝利を確定したことは確かなんですが、ほんとうはもう、これ以上戦争が」続けられないところで、やっとこさっとこ戦争を終結した・・・と言うのが現実だったわけですね。 ですからほんとおうはそのときに、そうした現実を国民に知らしめるべきだった。じつはこの戦争は、これこれしかじか、全力を挙げて勝ち、国際的にはいちおう勝利という形で確定したのだけれども、もう国力に余裕はない、われわれとしては、これからもういっぺんきちっとした形で国家というもの、及び世界というものを考えなきゃならないのだ・・・というふうに、当時の指導者が、国民に徹底的に知らせればよかったとわたくしは思うのですが、知らせなかった。 日本の近代史を見ると、少なくとも日露戦争が終わるまでは、みなさんがお読みになっている『坂の上の雲』の時代であって、一つの大きな理想を求めて、日本人がみな心を一つにして、ほんとうに一生懸命になって働いて戦った時代であった。そのことは確かなんですが、戦争に勝った後、きちんとした戦争の現実、日本の国力の現実を国民に教えないで、「勝った勝った」「カッタカッタ」と、さながらに華やかな下駄の音のようなことばかり言って、日本人は有頂天になってしまった。昔風の言葉でいえば夜郎自大的な考えかたになっていった。 ここに近代日本の栄光と悲惨があるわけで、栄光といえば確かに非常な栄光だったが、じつはその後の始末をきちっとしなかった。そのために悲惨が始まったと、わたくしは見るわけです。 つまり日露戦争後に、日本のリーダーは国民に、これからどういう国であるべきかという、国家ビジョン、国家戦略、国家像をはっきりと示さなかった。ただ、世界の五大強国の一つ、ロシアを破って、われわれは世界の五大強国の仲間入りした、ものすごい強国になったんだ・・・という形で国民は指導されたわけです。 これにたいして、東洋経済はそのころから、「これではいけないんじゃないか」と考えはじめたと思います。 つまり、日露戦争が終わった時点でほんとうは、もう一度国力をよく考えたうえで、日本は謙虚な国家、貿易中心の世界にやさしい国家であるべきだ、というイメージを持った人たちもたくさんいたと思います。事実、日本の今後を考えた場合に、「大日本主義」で行くべきか「小日本主義」で行くべきかという議論が、必ずしもなかったわけではなく、かなりの識者の間には論ぜられていた。追い追い申し上げるとおり、東洋経済はその大きな一角だったのです。 しかしその一方では、「いや、日本の国家はますます強くしなきゃならない」という、国家像を描いた人たちもいたわけです。 それは、ひとつには、なんといってもロシア(まだ帝政ロシアですが)という国の存在です。日露戦争で勝ったとはいえ、その後も含めて現実は厳しいものだった。なるほど、ご存じのように日本海海戦において、日本の海軍は、ロシアの東洋・アジアいた艦隊、遠くヨーロッパカラヤッテキタバルチック艦隊も併せて、数の上では日本の倍に達する艦隊を、ほとんど全滅させた大戦果を上げたわけですが、ただ陸軍の方は必ずしもそうではなかった。 陸軍は奉天会戦でいちおうロシアの陸軍を打ち破ったことになっていますが、ロシアは初めから、日本軍を、補給の届かないもっと奥地に引き入れて、そこで決戦に及ぶ戦略を練っていた。だからハルビンまで下がっていたわけです。つまりロシア陸軍は五十万もの大軍がなお健在だった。 一方、日本の方は、奉天の会戦が終わったときに、もうほとうに国力にありったけを尽くして、ぎりぎりになっていた。十万の軍隊もいないぐらいで、とくに、大尉・中尉・少尉クラスの前線の指揮官のほとんどが、戦死ないしはケガをしていて、後に引き込まざるをえない。弾丸もほとんどなくなっている。これ以上戦争は続けられないという状況だった。 それで、ロシアがもういっぺん復讐戦にでてくるのを非常に恐れていた。当時の流行り言葉に、ロシアを恐れる「恐露病」というのがあって、夏目漱石の小説(『それから』)のなかにも、「あいつは恐露病にかかっているから、だらしないんだ」というように出ています。(〇)
2021.12.21
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・生物の驚異的な形・私の消滅・ゆかりある人びとは・・・<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【生物の驚異的な形】エルンスト・ハインリヒ・ヘッケル著、 河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>より太古の原生生物から、奇妙な無脊椎動物、昆虫や植物まで…進化論を支持した科学者の「精巧な博物画」たち。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/11予約、副本1、予約0)>rakuten生物の驚異的な形【私の消滅】中村文則著、文藝春秋、2016年刊<「BOOK」データベース>よりこのページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記ーこれを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten私の消滅【ゆかりある人びとは・・・】小田実著、春秋社、1997年刊<「BOOK」データベース>より老後に処する心得。イキのいい反戦運動の活動家として知られる著者が、このたび一族のための墓をつくった。ゆかりある人びとの想い出を語り、この元気では死ぬ気配もなし。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenゆかりある人びとは・・・************************************************************図書館大好き523
2021.12.20
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図書館で『魯肉飯のさえずり』という本を、手にしたのです。台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。【魯肉飯のさえずり】温又柔著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりママがずっとわたしの恥部だったー「もしも、あたしが日本人ならと思う」就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ“大切なもの”をふみにじられていくーことばを超えて届くのは、愛しいさえずり。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする。心の声をとり戻す長篇小説。<読む前の大使寸評>台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。rakuten魯肉飯のさえずり台湾語と中国語、日本語が語られているあたりを、見てみましょう。p257~260<第5章 あるがままのわたしたち> 桃嘉は遠い記憶がよみがえる。あれは確か、昭和から平成に改元された年のことなので桃嘉は8歳だった。―あの方は、台湾にも来たことがあるからね。 祖父は確かに、亡くなったばかりの天皇陛下を、あの方、と呼んでいたと桃嘉は言う。百瀬の話によれば、皇太子だった昭和天皇が台湾をめぐったのは一度きりだというから、祖父はその時のことを言っていたのかと桃嘉は思う。「わたし、母方の祖父母とはいつも日本語で話してました。祖父のほうはもう亡くなってるんですが。あるとき母に、なんでオジイチャンとオバアチャンは台湾人なのにあんなに日本語がじょうずなの? と訊いたことがあります。母は教えてくれました。オジイチャンは昔、日本人だったのよって・・・」 母はそのあと、 ―オジイチャンオバアチャンとちがう。ママは台湾人なのに、日本語、へた。わるかったね。 冗談めかしながら頬をふくらませたのだった。「ということは、深山のお祖父さまは本省人なんですね」「え?」「深山のお祖父さまとお祖母さまはどちらも蒋介石の軍隊と一緒に戦後になってから台湾にわたったのではなく、日本統治時代の頃からずっと台湾にいらした方なんですね」 そういうことになる。父と初対面だった母が、ミヤマモキチ、と書いて周囲を驚かせることができたのは祖父が母にカタカナを教えたからだ。台湾人なのに日本語ができるからといって祖父が特別だったのではない。あの頃の台湾人は皆、学校に行ったら日本語を教わった。「胸が痛みます。それはもとをただせば、日本人のせいなのですから」「でも祖父は自分が日本語をはなせることをすごく自慢に思ってたと母は言います。父が日本人だと知ったときも、それで反対することはなくて、むしろ歓迎したらしくて・・・」 百瀬は遠慮がちな笑みを浮かべ、あいまいにうなづく。紹興酒のせいで、今夜の自分は少し浮かれすぎているにちがいない。ふだんなら、あれこれ質問されても期待されているだろうことが答えられないうしろめたさもあって、台湾の話題をみずから長引かせるようなことはめったにしたことがない。それなのに今はどうしたことか、訊かれもしないのに、みずからすすんで喋っている。街灯に照らされた、自分とほんの五つほどしか年の変わらない老師にむかって、なんだか喋りすぎてしまいました、と桃嘉は言う。「いや、ぼくこそ、つい聞き入ってしまって・・・深山のお祖父さまのお話、とても興味深いです」 それから百瀬は、自分の“本業”は博士論文を完成させることなのだと打ち明ける。専門は台湾文学。それも、日本統治期に日本語で執筆した作家たちの研究をしている。大学時代は史学科にいて中国近現代史を学んでいたが、ひょんなはずみでそうなった。「台湾に留学中、寮の近くに文学館があって、そこに毎日のように通いました。勉強に飽きると、日本語に飢えていたのもあって、日本語で書いてあるという理由で片っ端から読むうちに、台湾人作家たちの作品にのめり込んでしまったんです」 特に、1940年代に活躍した作家たちが書くものに夢中だった、と言う。となると、桃嘉がうまれる40年ほども前の話だ。百瀬を惹きつけたという台湾の作家たちは、祖父より少しい年上か、あるいは同年代の人もいるのだろうと桃嘉は思う。『魯肉飯のさえずり』2:桃嘉の離婚『魯肉飯のさえずり』1:冒頭の語り口
2021.12.19
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在118位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在88・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在23位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在175位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在12位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在173位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在13位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在15位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在23位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・『スマホ脳』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・今村夏子『星の子』・半藤一利著『太平洋戦争への道 1931-1941』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/09以降> ・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)・『生物の驚異的な形』(12/11予約、12/19受取予定)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2021.12.19
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図書館で『アメリカは中国を破産させる』という本を、手にしたのです。おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。【アメリカは中国を破産させる】日高義樹著、悟空出版、2019年刊<「BOOK」データベース>より日本は「憲法改正」だけでは生き残れない!中国との関わりをこれ以上深めれば日本は危機的な状況に追い込まれる!【目次】第1章 朝鮮戦争は終わらない/第2章 中国を破産させる/第3章 アメリカは中東から撤退する/第4章 欧米同盟体制が終焉する/第5章 戦うアメリカが消えた/第6章 日米安保は消滅する<読む前の大使寸評>おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。rakutenアメリカは中国を破産させる「第2章 中国を破産させる」で、ファーウェイ戦争を、見てみましょう。p50~53<第1部 アメリカはファーウェイ戦争で勝利した> 2019年7月のワシントンはとくに暑かった。早朝から気温が上がり、午前10時前には30度を超していたが、その暑さのなかホワイトハウスに、アメリカのインターネット企業の首脳たちが呼び集められた。 ホワイトハウスの正門にあたるノースウェストゲートで検問を受け、徒歩でホワイトハウス構内に入ったインターネット企業の社長たちは、そのまま木立のあいだを歩いてホワイトハウス正門に立つ海兵ガードの出迎えを受けて、次々に中に入った。 午前10時、インターネット企業の社長や最高技術者たちは、ウェストウィングのほぼ中央部にある大統領の執務室、オーバルオフィスから廊下ひとつ隔てたフィッシュルームと呼ばれる会議室の大きなテーブルの席に、それぞれ腰を下ろした。 十分後、トランプ大統領が安全保障担当のボルトン補佐官、ポンペオ国務長官、それにCIAのハスペル長官を引き連れて入室し、短い挨拶のあと会議が始まった。 この会議の数日前、インターネット企業大手のグーグルが、中国政府のために情報システム開発に協力したことが明らかになり、アメリカ保守勢力から激しい批判を受けていた。インターネット企業の代表たちは、そういった問題をトランプ大統領が真正面からぶつけてくるのではないかと身構えていた。 トランプ大統領とボルトン補佐官、ポンペオ国務長官、ハスペルCIA長官などが説明し始めたのは、大きく言えばその問題に関りがあったが、直接的には違う問題だった。中国の通信先端企業ファーウェイが、中国解放軍の諜報機関の一部で、アメリカの安全保障に著しく害を及ぼしているという問題であった。 ワシントンではすでにファーウェイが、中国公安機関の一部として、アメリカに敵対する諜報活動をしていることは明らかになっていた。カナダが身柄を押さえたファーウェイの副社長の供述などからも、ファーウェイがアメリカにとって危険な存在であることは知られていた。この日の説明で明らかにされたのは、ファーウェイがアメリカ国内で行っている情報収集活動の実態と研究結果の盗用についてだった。 アメリカCIAやFBIの情報によれば、このところアメリカ国内で研究文書が盗まれる事件が頻繁に起きているが、ファーウェイの関係者が背後で糸を引いている。会議に出席した関係者の一人はこう言っている。「アメリカの有力な大学の研究所から、中国人や中国系の学者が最高機密の研究文書を手にしたまま消えてしまった、という話っや、ファーウェイから研究費を受け取ってアメリカの研究所で最先端技術の研究をしていた、という事実が暴露されている。ファーウェイは中国の諜報機関の一部で、アメリカにとってきわめて危険な存在といえる」 こうした事実が発覚したあとアメリカ政府は、中国系の学者にアメリカ滞在のビザを発給することを停止したのをはじめ、最先端技術の研究を許可するライセンスの発行も中止してしまった。 アメリカCIAやFBIによればファーウェイは、中国の公安機関や人民解放軍の情報部隊と同一体で、アメリカに対するハッキング攻撃の強力な実施部隊にもなっている。この会議の後の8月13日、トランプ大統領は国防権限法を発動し、アメリカ政府およびそれに関連した機関が、ファーウェイの製品を購入することをいっさい禁止すると発表した。 トランプ大統領はまた、同じ国防権限法に基づいてファーウェイに製品を売り渡したり、あるいは買い取ったりした世界中のあらゆる企業は、アメリカ政府および関連機関から締め出すと発表した。 この発表と同時にトランプ大統領は、国防権限法と国際緊急経済権限法に基づいて、ファーウェイに関わりのある企業がアメリカに進出することを禁止し、また、同じようにファーウェイに関わりを持つアメリカの企業が中国に投資することを禁止した。『アメリカは中国を破産させる』2:北朝鮮と韓国(続き)『アメリカは中国を破産させる』1:北朝鮮と韓国
2021.12.19
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図書館で『アメリカは中国を破産させる』という本を、手にしたのです。おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。【アメリカは中国を破産させる】日高義樹著、悟空出版、2019年刊<「BOOK」データベース>より日本は「憲法改正」だけでは生き残れない!中国との関わりをこれ以上深めれば日本は危機的な状況に追い込まれる!【目次】第1章 朝鮮戦争は終わらない/第2章 中国を破産させる/第3章 アメリカは中東から撤退する/第4章 欧米同盟体制が終焉する/第5章 戦うアメリカが消えた/第6章 日米安保は消滅する<読む前の大使寸評>おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。rakutenアメリカは中国を破産させる「第1章 朝鮮戦争は終わらない」で、北朝鮮と韓国(続き)を、見てみましょう。p39~41<第四部 ペンタゴンの悲劇―朝鮮半島戦略がない> 朝鮮半島について日本など周辺国家の関心が異常に高いのは、ロシア、中国、アメリカ、という世界の大国、それに日本に囲まれ、すでに述べたように各国が対立する場所になっているからである。 第二次大戦後の朝鮮半島の歴史を見ても、この場所がいかに特殊であるかがわかる。日本が太平洋戦争でアメリカに敗れたとき、勝ったほうのアメリカは朝鮮を独立した国だとはまったく考えていなかった。 アメリカ軍には朝鮮語を喋る担当者はおらず、日本を占領したマッカーサー元帥は、朝鮮に占領部隊をわざわざ送り込むこともしなかった。朝鮮半島に新しい独立国家を設立することを、アメリカは本気で考えていなかった。 朝鮮半島に独立国家をつくろうとしたのはソビエトが先で、日本が降伏したあとまもなく、キム・イルソンを朝鮮半島の北部に送り込み、北朝鮮という国を設立した。そのときアメリカには、それに対抗する国をつくる用意がまったくなかった。 アメリカ軍がアメリカで見つけた韓国の初代大統領のイ・スンマン(李承晩)は、韓国独立の動きとはまったく関わりのない政治家で、その後の韓国の無力さを象徴する人物であった。その後起きた朝鮮戦争でも、アメリカ軍側は不意を衝かれた。どの記録を見てもアメリカ軍は、何が起きたのかわからないままに大きな損害を受けて後退しつづけた。 こうした経緯のもとに生まれた韓国と、そして核兵器は持ったものの地球上もっとも貧しい国の一つである北朝鮮を、アメリカは依然としてどう取り扱い、どのような関わりを持つべきか、軍事的にも政治的にも戦略を持っていない。 私が取材を続けてきたカーター大統領をはじめとする歴代の大統領、キッシンジャー、シュレジンジャー、ブレジンスキーといった国家戦略家たち、あるいはサミュエル・ハンチントン博士や、ケネディ大統領の政治顧問であったガルブレイス博士なども、朝鮮半島問題についてはほとんど関心を持っていなかった。 つまり韓国や北朝鮮を脆弱な三流国家と見なしているために、アメリカの政府首脳は戦略も戦術も持っていないのである。 朝鮮半島の問題がこのところアメリカで関心を持たれはじめたのは、アメリカが次第に孤立主義的になり、国際社会での立場を見直そうと動き始めたからである。「なぜこれほど長いあいだ、アメリカは朝鮮半島問題にコミットしているのか」という疑問をアメリカの人々が持ち始めたからである。 これまで述べてきたように、現実の問題としては、朝鮮半島がロシア、中国、アメリカといった世界の指導的な国々の利害が衝突する接点になっているのは事実であり、孤立主義的な傾向を強めたからといって、アメリカは簡単に朝鮮半島を放棄できないのである。『アメリカは中国を破産させる』1
2021.12.18
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図書館で『アメリカは中国を破産させる』という本を、手にしたのです。おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。【アメリカは中国を破産させる】日高義樹著、悟空出版、2019年刊<「BOOK」データベース>より日本は「憲法改正」だけでは生き残れない!中国との関わりをこれ以上深めれば日本は危機的な状況に追い込まれる!【目次】第1章 朝鮮戦争は終わらない/第2章 中国を破産させる/第3章 アメリカは中東から撤退する/第4章 欧米同盟体制が終焉する/第5章 戦うアメリカが消えた/第6章 日米安保は消滅する<読む前の大使寸評>おお 嫌中の大使に響くタイトルではないか・・・ということでチョイスしたのでおます。rakutenアメリカは中国を破産させる「第1章 朝鮮戦争は終わらない」で、北朝鮮と韓国を、見てみましょう。p28~30<第三部 北朝鮮と韓国に国家主権はない> ここまで述べてきたように、朝鮮半島というのはアメリカ、中国、ロシアが70年近く戦いを繰り広げてきた場所であり、あらゆる行動が軍事情報として厳しく管理されている。言い方を変えれば朝鮮半島は事実上、アメリカ、中国、ロシアによって軍事的に占領されているということである。 朝鮮半島に存在している北朝鮮と韓国という二つの国はこの三つの大国の支配下に置かれ、国家的な主権を失っている。つまり戦争が行われている朝鮮半島においては、主権国家であるべき北朝鮮と韓国が、その権限と立場のすべてを制約されて、実際には中国とロシア、アメリカに管理されている。 朝鮮半島における三つの大国の管理の形は、大きく異なっている。韓国はアメリカ軍から直接的な統治、北朝鮮は中国とロシアからの圧力と経済的締めつけという間接的な統治を受けている。 わかりやすく言えば、韓国においてはアメリカ軍が韓国内に駐留し、軍事力でもって直接韓国政府を制圧し、動かし、命令を下している。北朝鮮について言えば、中国とロシアは軍隊を送って占領し支配しているわけではない。しかし周辺にはアメリカ軍を上回る膨大な兵力を展開し、いつでも直接的な行動に移ることのできる態勢をとっている。 中国とロシアはそのうえ、北朝鮮と言う国家の命綱である食料やエネルギーの援助がなければ存在することすら難しい。かくして中国とロシアは北朝鮮を間接的に動かす占領体制をつくり上げている。 北朝鮮と韓国は、中国、ロシア、アメリカに事実上占領され、身動きできなくなっており、独自の外交を行うことができない。朝鮮半島の二つの国は、すべてを中国とロシア、アメリカに依存している。こうした北朝鮮と韓国が置かれた立場、つまり、中国、ロシア、アメリカに占領され、主権を失っている現実を、隣国である日本の指導者はまったく無視している。 こうした現実とそれに伴う問題を正確に理解していない日本の安倍政権は、北朝鮮に直接交渉して拉致された日本人を取り返そうとしたり、核兵器の問題について話し合おうとしたりしている。韓国についても、韓国政府の不法な賠償の要求に対して直接、外交交渉を行おうとしている。 こう言った日本政府の行動は間違っていると言わざるをえない。北朝鮮も韓国も事実上は中国、ロシア、アメリカの占領下にあり、国家主権をはく奪されている。独自の外交を行うことは許されていないのだ。 こうしたいわば単純明快な誤りを安倍政権が犯しているのは、北朝鮮と韓国が事実上、国家主権を持っていないことを理解していないからである。日本が現在、北朝鮮や韓国に対して行ったり、行おうとしていることは、他国に占領されている国に対する適切な行動ではない。 日本が、北朝鮮と拉致問題や核兵器の問題について交渉したり、あるいは韓国の不法な賠償請求について話し合いたいと考えるのであれば、実際に戦略を立て、外交をおこなっている中国、ロシア、アメリカとやるべきなのである。これは歴史的に見れば明々白々の事実である。(〇)
2021.12.18
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第5章で、世界のワクチンパスポート動向を、見てみましょう。p161~166<6 ワクチンパスポートを導入できないガラパゴス日本>■世界で広がるワクチンパスポート導入論 ワクチン接種が進むにつれて、「ワクチンパスポート」導入論が世界的に広がっている。これがコロナ後の世界に向けて経済活動を再開させる際の切り札になるという見方が多い。 ワクチンの接種が最も進んでいるイスラエルでは、すでに「グリーンパスポート」が発行されており、ホテルやジム、劇場などへのアクセスに広く利用されている。 イギリスでは、ボリス・ジョンソン首相が、夏の休暇シーズンまでにパスポートを導入する方針を打ち出した。接種者を優先して海外渡航を復活させていく。2021年6月末以降は、スタジアムや劇場への定員までの入場を許可する。 エストニアでは、ワクチン接種証明書所持の旅行者には、検疫・隔離措置を免除する。デンマーク、スウェーデンなどの北欧諸国も、独自のデジタル・ワクチンパスポートを発行する。 EUは、夏までにワクチンパスポートの発行を計画している。日本からEUを訪れる場合、搭乗の際にワクチンパスポートの提示が求められる可能性がある。 中国は、中国製のワクチン接種者に限って隔離なく入国を認めるという構想を発表している。アメリカ・ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、2021年3月26日、新型コロナワクチン接種済みあるいは検査で陰性だったことを州内で証明するモバイルアプリ「Èxcelsior Pass」を無料で公開したと発表した。 2月のG7サミットも、ワクチンパスポートについて統一制度の導入を参加国に訴えた。■日本政府は消極的 日本でも全日本空輸が、国際航空運送協会(IATA)によるデジタル証明書アプリの導入を進めている。 ただし、日本政府はあまり積極的ではない。 河野ワクチン接種担当大臣は、2021年2月21日のテレビ番組で、ワクチン接種済み証明書に否定的な見解を示し、「証明書を持っていなければ何かができない、という制度をつくることに意味はない」と強調した。 しかし、3月15日の参院予算委員会では、「国際的にワクチンパスポートが必要という状況になれば、日本も検討せざるを得ない」と方向転換した。ただし、「国内で接種証明書を使うことは考えていない」とした。(中略)■日本政府はなぜ消極的なのか? ワクチンパスポートに日本政府が当初否定的だったのは、マイナンバーカードによるワクチン接種管理が頓挫した直後だったからだろう。 ところが、EUなどでワクチンパスポート導入の動きが活発化し、海外渡航者に必要となる可能性が出てきたため、対応せざるを得なくなったのだろう。 ただし、考えられているのは、「渡航型」のものであると報道されている。そして、認証の基準を決定する際に、EU証明書と世界経済フォーラムが提唱する「コモン・パス」を参照すると報道されている。 日本政府は「接種証明型」のワクチンパスポートは、依然として否定している。なぜ、このように消極的なのだろうか? 考えられる第一の理由は、「接種証明型」のパスポートをつくるには、ワクチン接種記録のデータベースが必要であり、その構築が容易でないことだ。 なぜ難しいのか? 日本の場合、ワクチン接種は地方公共団体が行っており、全国統一の仕組みはない。 しかも、接種の際の本人確認は、マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など、さまざまな手段で行われている。 このような状態では、国がワクチン接種証明をしようとしてもできない。 仮に、ワクチン接種管理をマイナンバーで行っていれば、国全体の統一したデータベースができていたかもしれない。しかし、本章の2で述べたように、これは2021年1月に断念したことだ。『よいデジタル化 悪いデジタル化』2:ITシステムの現状(続き)『よいデジタル化 悪いデジタル化』1:ITシステムの現状(〇)
2021.12.18
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第4章で日本のITシステムの現状(続き)を、見てみましょう。p97~101<2 SIベンダーの言いなり・丸投げ体制>■システムを統一できない理由「省庁ごとバラバラなシステムだから機能しない」というのは、テレビ会議に限った問題ではない。省庁ごとに、あるいは地方公共団体ごとにバラバラにITシステムを調達しており、一元的なデータベースが存在しないことは、以前から指摘されていた。 定額給付金の申請でマイナンバーが機能しなかったのも、そのためだ。マイナンバーと紐付いた情報は各行政機関がそれぞれ保有し、マイナンバーカードは総務省、マイナポータルは内閣府が担当している。厚生労働省のオンラインシステムも、継ぎはぎの集積としか言いようがない。全体の体制との役割分担を考えずに、バラバラのシステムを作っている。 なぜこんなことになるのだろうか? その原因として、「つぎはぎIT、厚労省迷走(2020年6月25日、『日本経済新聞』)」は、つぎのことを指摘している。 (1) 古い技術に機能が次々と加わり、肥大化した。厚生労働省は技術に疎いの で、これを放置。 (2) NTTデータは維持管理で稼ぐことに執着する。このため、ネット上で設計を 柔軟に変えられるクラウド技術を敬遠してきた。 この説明は、納得的だと思う。コロナが暴いた日本政府のIT化の信じられないほどの遅れの基本的原因は、ここにある。 なぜこうしたことになってしまうのか? その大きな理由として、政府や企業の情報システムが抱えた日本特有の問題がある。 日本のITシステムで重要な意味を持つのが、「システム・インテグレーター」(SIまたはSIer)と呼ばれるベンダーである。発注側が評価能力を持たないため、彼らの言いなりになり、古いシステムが温存されてしまうのだ。 SIerの役割を知るには、コンピューターシステムの歴史を知っている必要がある。以下に、ごく簡単に要約しておこう。■メインフレームから分散型へ 情報技術は、1980年代頃に大きく変わった。1970年代から80年代にかけて、日本はデジタル化で世界のトップにいた。この当時のデジタルシステムは、メインフレームコンピューターやオフィスコンピューターを用いるものだった。 メインフレームコンピューターとは、大組織の基幹業務用などに使用される大型コンピューターだ。オフィスコンピューターとは、中小企業の財務会計や給与計算を行うための小型のコンピューターだ。 このシステムは、組織ごとに別々の仕組みだった。そして組織ごとに別々のITベンダーが仕組みを構築した。これは、日本の縦割り型組織に合致した仕組みであった。 ところが1990年代以降、IT革命が進展し、コンピューターの仕組みが大きく変化することになった。PCが導入され、オープンな仕組みが採用されていくことになったのだ。PCやワークステーション、サーバーなどが使われるようになった。さらにインターネットが導入されて、組織間での連携ができるようになった。(中略) メインフレームの場合には、1社のみのハードウェアおよびソフトウェアで構成されることが多かった。それに対してオープンシステムでは、マルチベンダーとなる場合が多い。「ITベンダー」とは、企業が必要とする情報機器やソフトウェア、システム、サービスなどを販売する企業のことだ。 このようなオープンシステムを組織化する役割を担ったのが、SIer(システムインテグレーションを行う業者)である。さまざまなベンダーのソフトウェアやハードウェアを統合する。 有力なSIerとして、富士通、日立製作所、NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、NEC、IBM、日鉄ソリューションズなどがある。 なお、ITベンダー、SIベンダー、SIerなどという名称の違いについて、明確な定義はない。経済産業省の『DXレポート』は、「ベンダー企業」という名称を用いている。 問題は、日本の場合には、組織とSIerが固定的な関係になってしまうことだ。こうなる大きな理由は、組織のトップにITの知識を持った人が少なく、SIerに丸投げしてしまう場合が多いことだ。 SIerとしては、より効率的な仕組みを作るよりは、従来の仕組みを維持し、それを更新し続けることによって利益を得ることに関心が向く。このようにして、組織別のバラバラな仕組みが温存され、全体としての最適化が達成されない事態が生じたのである。『よいデジタル化 悪いデジタル化』1
2021.12.17
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図書館で『良いデジタル化 悪いデジタル化』という本を、手にしたのです。国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>国会では国土交通省の統計書き換え問題の審議でもめているが・・・出来たばかりのデジタル庁の今後が気になるのでおます。rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化第4章で日本のITシステムの現状を、見てみましょう。p92~96<1 IT化の絶望的な遅れが、長期停滞の元凶>■電子政府ランキングで、日本は14位に転落 第1章で述べたように、日本のITシステムに大きな問題があることが、新型コロナ禍で明るみに出た。 こうした状況を反映して、さまざまな国際ランキングで、日本の地位が低下している。 国連の経済社会局(UNDESA)が発表した2020年の世界電子政府ランキングによると、1位はデンマーク、2位は韓国、3位はエストニアだった。いか、フィンランド、オーストラリア、スウェーデン、イギリス、ニュージーランド、アメリカ、オランダと続く。日本のランクは、前回の10位から14位に低下した。 100都市を対象とする電子自治体ランキングでは、1位はマドリード(スペイン)だった。以下、ニューヨーク(アメリカ)、タリン(エストニア)、パリ(フランス)、ストックホルム(スウェーデン)と続く。 アジアの都市では、9位にソウル(韓国)と上海(中国)、12位にインスタンブール(トルコ)、16位にドバイ(アラブ首長国連邦)が入った。東京は、前回は19位だったが、今回は24位になった。 この報告書は、新型コロナウイルスが、デジタル政府の役割を活性化し、危機管理の革新的な方法をもたらしたと指摘している。 例えば、中国では、チャットボットを使用して感染リスクの評価が行われた。ロンドンでは交通制御のカメラやセンサーとAIを用いて、歩行者間距離を測定し、ソーシャルディスタンスを制御した。クロアチアでは、AIを利用した「仮想医師」が開発された。 台湾では、デジタル担当の政務委員(大臣)に、天才ホワイトハッカー、唐鳳(オードリー・タン)氏が起用され、コロナ対策で活躍した。マスクの在庫データを管理するアプリを活用し、どの店にどのくらい在庫があるのかを市民が常に把握できるようにした。 蔡英文総督は、いち早く2019年12月31日に世界保健機関(WHO)に情報を伝えて警戒を呼びかけるとともに、武漢からの入境者への検疫を開始した。■世界競争力ランキングで過去最低の34位 日本の IT化の遅れは、コロナとの闘いだけで問題になるわけではない。長期的な日本の経済パフォーマンスに大きな悪影響を与える。 日本の生産性が低い基本的な理由は、情報処理がいまだに紙への依存から脱却できていないことにある。 これまでもそう感じていたが、コロナで、それがはっきりと分かった。 スイスのビジネススクールIMDが2020年6月16日に発表した「IMD世界競争力ランキング2020」では、首位はシンガポールだった。日本は2019年から4位下落して、34位に落ちた。これは、過去最低だ。日本は、1992年までは首位にいた。 デジタル技術では、日本は62位だった。対象は63の国・地域だから、最後から2番目ということになる。ビジネスの効率性では、55位だった。 日本政府は、2001年の「e-Japan戦略」で、「5年以内に世界最先端のIT国家となる」と宣言した。20年後の実態は、このようなものだ。■データをおろそかにする日本政府 ついでに言えば、政府の統計サイトの使いにくさに、私は毎日のように悩まされている。利用者の観点など、まったく考慮されていない。使い方の説明をいくら読んでも分からない。 日本は、統計データがよく整備されている国だと言われてきた。確かに、昔はそうだった。しかし、いまでは、大分怪しくなっている。 2018年の12月19年の1月にかけて、厚生労働省が作成する毎月勤労統計の不正集計が問題となった。その結果、データの連続性が失われた。一部には修正がなされたのだが、長期時系列データの1952—2012年分は修正ができず、いまだに空欄だ。 だから、日本では、過去の賃金・就業データを用いて分析することができない。厚生労働省は、基礎的データの提供義務を果たしていない状態なのだ。こんな状態が許されていいものだろうか?
2021.12.17
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図書館で『魯肉飯のさえずり』という本を、手にしたのです。台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。【魯肉飯のさえずり】温又柔著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりママがずっとわたしの恥部だったー「もしも、あたしが日本人ならと思う」就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ“大切なもの”をふみにじられていくーことばを超えて届くのは、愛しいさえずり。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする。心の声をとり戻す長篇小説。<読む前の大使寸評>台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。rakuten魯肉飯のさえずりかなりとばしますが・・・離婚した桃嘉を、見てみましょう。p222~224<第4章 娘の選択> 数日後、娘夫婦はふたたび自分たちの今後に関する話し合いの場を持った。カシワギが予約したレストランの個室で、どうにか結婚生活を継続したいとカシワギは訴えたが桃嘉の決意は揺らがなかった。場合によっては裁判にもつれこむのも桃嘉は覚悟していたようだが、レストランでの話し合いから二日後、カシワギは桃嘉のギャラリーをおとずれて捺印済みの離婚届を置いていったという。 こちらも証人がいるとはしらなかったね、と茂吉が呟く。前回―結婚届―は、両家の父親が保証人になったが、今回はカシワギの父親の代わりに雪穂が茂吉とともに署名する。両親のサインが入った離婚届をタカラモノでも手に入れたかのように桃嘉は抱き留め、その日のうちに役所にていしゅつしてくるといって出かけてゆく。数時間後に帰宅すると、やっと自分自身に戻れた、と満面の笑みで言う。雪穂は夫と顔を見合わせる。「柏木桃嘉、ずっと他人みたいだった。わたしの名前はやっぱり深山桃嘉なんだな」<第5章 あるがままのわたしたち> 小春日和だ。予定よりも早く倉庫の整理を終えられたので、一駅分歩くつもりで桃嘉は最寄りの地下鉄駅には寄らず、堤防のほうへとむかう。川沿いに小さなスタンドがあったので、コーヒーを一杯買う。焙煎前の芳ばしい香りの中で少し待たされたあと、佐藤もミルクも不必要だと伝えると店主らしき白髪の女性が魅力的な微笑を浮かべる。 空が、すがすがしいほど輝いていた。この季節がいちばん好きだ、と思う。子どものときからずっとそうだった、とも思う。それから、1年前はこんなふうに感じる余裕もないほどだったのだ、と思いいたる。いや、もっとさかのぼれる。桃嘉と聖司が結婚式を挙げたのも、この季節だった。 (俺、桃嘉が奥さんでよかったよ) わたしはもうあのひとの妻ではない。「我姓深山、我的姓不是柏木」 風がそよぐ。飛行機雲が延びてゆくのが見える。やはりこんなふうによく晴れた日に、ほら桃ちゃんはママとあれに乗って台湾に行ったんだよ、と父が空を指さしながら言ったことがある。フェイジー、フェイジーと桃嘉ははしゃいだ。桃ちゃんは飛機(フェイジー)の発音がうまい、と母が褒める。飛行機、とおぼえる前に、飛機のほうを桃嘉は先に知ったのだ。そういうことばは、ほかにも色々ある。『魯肉飯のさえずり』1
2021.12.17
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『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』という雑誌が最寄の本屋で売り切れだったので、三宮に出かけた際に購入したのです。買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「私的読書案内 51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。【村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)】雑誌、マガジンハウス、2021年刊<商品説明>より1979年に『風の歌を聴け』でデビュー後、文芸の本流を担ってきた村上春樹。同時代を生きるブルータスが、ついにこの稀代の作家に向き合います。村上春樹と読み、村上春樹を読む。村上さんが手放せない51冊の本について28ページにわたって書き下ろし。著作から時代を読み解く年表や、早稲田大学<村上春樹ライブラリー>案内も。【目次】より・村上春樹の私的読書案内。51 BOOK GUIDE ・特集「ドイツの『いま』を誰も知らない!」・年表で探る。文芸・社会学・カルチャーで振り返る、村上春樹の時代。・翻訳家として何がすごいのか?<読む前の大使寸評>買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。rakuten村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)村上春樹ライブラリーが語られていいるので、見てみましょう。p96~97<世界に孔をあける:隈研吾> 早稲田大学のキャンパスの中に、ライブラリーをデザインしてほしいと頼まれた。「新築ではなくて、古い4号館の改築です。本当に申し訳ありません」と村上夫妻も、早稲田の大学関係者も、ものすごく申し訳なさそうだった。 しかし、実は僕だけ、ほっと胸をなでおろしていた。リノベーション、しかも古くて普通の建物の改築で、ほんとうによかった。ゼロからデザインしてくれなどといわれたら、何をどうしていいか見当もつかなかったのである。 僕が提案したのは、普通の建物に孔をあけることだった。春樹さんが小説で試みていることを、僕は建築と言う道具を使って試してみようと思ったのである。 春樹さんは、小説を通じて、普通の世界に孔をあけてくれる。なんでもない小さなドアを開けると、読者は突然に、別の世界に迷い込んでしまう。あるいは、路地の中の小さな落とし孔から、違う時間の中にはいり込んでしまう。 そのドアや落とし孔の「なんでもない」感じを、小説という世界で作り出すのは、それほど難しくはないかもしれないが建築で「なんでもない」感じを出すのは、とても難しい。ましてや新築の建築ではどうしてもピカピカしてしまう。それを「なんでもない」ものとするのは、ほぼ不可能である。だから僕は、4号館が、古くて普通なことが嬉しかったのである。(中略) この村上ライブラリーを設計するずっと前から、僕はなんでもない世界に孔をあけたいと、ずっと考えていた。その意味で春樹さんと僕は、似たところがある。二人に共通する孔への指向性は、東京の青山という場所にも関係していると思う。僕はずっと30年間、青山にアトリエがあり、この場所を動きたいとは思わない。春樹さんも鳩森神社のそばにピーターキャットという名のジャズバーをオープンして以来、何十年間も、青山のまわりにいる。そして青山の神宮球場を本拠とするスワローズに対して、並々ならぬ愛情を示している。 青山は丸の内のようなオフィス街でもないし、世田谷のような住宅地でもない。青山自体が東京という大都市の中での孔のような場所なのである。(中略) そして実際に村上ライブラリーをデザインしながら、僕は春樹さんと僕の違いについても、考え始めた。4号館は「なんでもない」ところが有難いのだが、孔の入口が、まったくわからないと、人々は建築にはいってきてくれない。逆に小説では入り口は、さりげなければさりげないほどいい。どっちにしろ読者は、文章を読み進んで、自動的に孔に入ってきてくれるのだから。(中略) 僕がたどりついたのは、細い木材でできた、透明なベールのような庇(ひさし)であった。それは4号館のコンクリートの重たいマスと比較した時、実体というよりは、非実体的で非物質的なものにも感じられる。はかない庇が作る独特の3次曲面は、時空のねじれの表象のようにも見える。庇によって実体的世界と非実体的な二つ世界が、パラレルにそこに出現するのである。 春樹さんの読者は読み進めながら通時的にパラレルワールドを体験するが、僕の読者は共時的にパラレルワールドを体験する。そんなことに頭をめぐらせながら、このパラレルなライブラリーを楽しんで欲しい。 現地取材&館内徹底レポートをネットで見つけたので見てみましょう。〈村上春樹ライブラリー〉を設計した隈研吾に現地取材&館内徹底レポート!より少し古めかしい、どっしりとした講義棟が建ち並ぶ早稲田大学の構内に突然現れる、外壁から窓まで真っ白の箱型の建物。“箱” の周りには木製の庇が生き物のように絡みつき、辺りでは思い思いに植物が伸びる。庇が持ち上がったエントランスを通り抜けると、さらに驚きが待っている早稲田大学の早稲田キャンパス内に10月1日に開館した〈早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)〉でそう話すのは、このライブラリーの設計を手がけた隈研吾。建物の通称が示すように、ここは刊行された村上春樹作品の日本語版/外国語版や、村上本人から寄託・寄贈された各種の資料や書評、そして村上自身のレコード・CDコレクションの一部などを収蔵するほか、広く文学関連の書籍を収蔵するライブラリーだ。学生時代を同大学で過ごした村上からの書籍や資料の寄贈を受けたのをきっかけに、プロジェクトがスタートしたのだそう。早大生はもちろん、一般客にも開かれている(要予約)から、文学好きな人ならば一度は訪れてみたい場所だ。『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』5
2021.12.16
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「安全保障」でしょうか♪<市立図書館>・良いデジタル化 悪いデジタル化・アメリカは中国を破産させる・人間であることをやめるな<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【良いデジタル化 悪いデジタル化】野口悠紀雄著、日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍におけるさまざまな出来事を通じて、日本におけるデジタル化の遅れが白日のもとに晒し出された。かつて銀行オンラインシステムで世界の最先端を走っていた日本で、なぜ、こうした事態になってしまったのか?なぜ、日本政府はテレビ会議も満足にできないのか?なぜ、いつまでも印鑑やFAXが使われるのか?マイナンバーカードが国民管理の道具に使われることはないか?クッキーをめぐるグーグルの方針転換は、なぜ重要なのか?そして、クラウドやブロックチェーンの導入、世界に開かれた仕組み、政府への国民の信頼が、なぜ不可欠なのか?日本の労働生産性の低迷、「テレワーク」、「オンライン教育」、「オンライン診療」も進まない官民双方の著しいデジタル化の遅れの根本要因を明らかにし、個人の自由とプライバシーを守れるデジタル化への道を指し示す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten良いデジタル化 悪いデジタル化【アメリカは中国を破産させる】日高義樹著、悟空出版、2019年刊<「BOOK」データベース>より日本は「憲法改正」だけでは生き残れない!中国との関わりをこれ以上深めれば日本は危機的な状況に追い込まれる!【目次】第1章 朝鮮戦争は終わらない/第2章 中国を破産させる/第3章 アメリカは中東から撤退する/第4章 欧米同盟体制が終焉する/第5章 戦うアメリカが消えた/第6章 日米安保は消滅する<読む前の大使寸評>追って記入rakutenアメリカは中国を破産させる【人間であることをやめるな】半藤一利著、中央公論新社、2009年刊<出版社>よりいまの日本は「天上大風」、すなわち、ものすごい勢いで荒々しく吹きまくる嵐のまっ只中にある。解決する道はなかなかみつからない。中国がどうの北朝鮮がどうのということではなく、日本国そのものが大転換期、解体しつつある、先行きは不安ばかり、といってもいい。そうした「行き止まり」のときに、日本人は、とくに若い人たちは、どう生きたらいいのか。そうなんです。明日に光明をもてない、「行き止まり」であればあるほど、物事をきちんと考え、真面目に、自分のなすべきことを困りつつウンウンと唸ってやりつづけながら、君たちは人間であることをやめないで生きなさい、と。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten人間であることをやめるな************************************************************図書館大好き522
2021.12.16
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図書館で『きまぐれ星からの伝言』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪【きまぐれ星からの伝言】星新一著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より星新一生誕90周年。小説・エッセイ・翻訳・インタビュー・対談・講演エトセトラ。初収録たっぷり、バラエティブック。書き下ろし、ベテラン&新鋭作家による星作品解説つき。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪rakutenきまぐれ星からの伝言対談をひとつ、見てみましょう。(with福島正実)p191~192<SFと純文学との出会い>星:SFという言葉さえほとんどが知らなかった時期に福島さんが「SFマガジン」の編集長となり、初期の苦闘の段階を乗り越え、やっとここまで、十数年で定着みたいな状態を迎えたわけですが、なぜSFにそれだけ熱を入れられる気になったのか。まず福島さんにおけるその出会いみたいなものをひとつ伺えればという感じなんですが。福島:順序からいうと星さんのほうからいかなければならないんで、逆に私の方から質問したいんです。星さんはその前には何にもSF的なものに興味はなかったですか。星:僕は大正15年生まれなんですが、ちょうど小学校の終り頃に「少年倶楽部」を愛読した時期がありまして、江戸川乱歩さんの少年探偵小説、海野十三さんの『浮かぶ飛行島』とかあれもSFのはしりみたいなものですね。また原田三夫さんが「子供の科学」などに天文解説などをやっておられた。乱歩さんの作で一種の幻想的な恐怖みたいなものの感覚が開発され、原田さんの宇宙旅行科学解説で宇宙への科学的な進出の可能性を教えられ、海野十三さんで冒険SFのはしりを教えられた。簡単にいうと、このあたりがめばえでしょうね。福島:星さんの戦後におけるブラッドベリやブラウンやシェクリイとの出会いは、いろんな条件があって大体機が熟しているときに行われた。ちょうど、コナン・ドイルにおけるデュパンみたいな感じがするんだけれどもね。星:ぼくと同年配の人たちには、空想的なものへのあこがれが強いような気がする。作家になっている人にも、そんな傾向の作風が多いんじゃないかな。その原因分析をやったら面白いと思っているんですが、乱歩さんや原田さんが一つのファクターとして浮かび上がってくるでしょうね。それに今と比べて、あの頃は活字の媒体というものが非常に少なくて、「少年倶楽部」を月1回買ったら何回も何回も読み返し、しかも捨てなくてとっておいて、古いやつをまた読み返しているから、覚えちゃっているようなところがありますね。福島:連載の長編小説が単行本になるということだって、今のようにはなかったし。星:今の子どもは量では大量に印刷物に接しているけれども、われわれは量は少ないけれども、一つの作品世界への没入というのは昔のほうが相当あったのじゃないかと思うんです。戦争中にはたまたま家にあった日本や外国の名作全集を読んでました。昭和初期の円本というやつです。いま考えると、戦争中は読書に熱中できましたね。ほかにすることがなかったから。(中略) また、空飛ぶ円盤という現象が時々新聞をにぎわせはじめた頃で、それに興味をもって、円盤マニアグループにはいったりしてたし・・・福島:それは何年頃ですか。星:昭和29年頃、円盤というのは今でもそうですが、ある段階までいくと壁があって、それ以上は議論のしようがなくなる。結局その限界への不満から、さらにそれを越えて何かを楽しもうというので、SF同人誌の「宇宙塵」というものができ、そこで作品を書きはじめたのです。いろんなかたが好意的に声援してくれました。『きまぐれ星からの伝言』2:やや身辺雑話的に:大伴昌司『きまぐれ星からの伝言』1:SFの書き方
2021.12.15
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図書館で『きまぐれ星からの伝言』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪【きまぐれ星からの伝言】星新一著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より星新一生誕90周年。小説・エッセイ・翻訳・インタビュー・対談・講演エトセトラ。初収録たっぷり、バラエティブック。書き下ろし、ベテラン&新鋭作家による星作品解説つき。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪rakutenきまぐれ星からの伝言「第6章 インタビュー・講演録・アンケート」から雑談をひとつ、見てみましょう。p154~155<第4楽章 やや身辺雑話的に:大伴昌司> この夏、星さんは、東京品川区西戸越の旧居に帰った。旧宅の一部を壊し、明るい家を新築したもの。第二京浜国道沿い、五反田から池上線の線路を越えて下り坂になる進行右側の石垣の台地である。二階の書斎の窓を開けると、二国を走る車のうなりがゴウゴウきこえてくる。「子供が生まれたら、毎日、下界を見せて育てよう。人間とはあんなにチッポケな、つまらぬ存在だと教えてやろう。料理やポーカーなど教えるより、よっぽどマシだ。きっと親父の教育法に感謝するだろうさ」 といいながら地上11階のアパートに城をかまえた星さんだったが、愛児、ユリカちゃんの成長のためには、せまくても大地に建った一戸建ての住宅のほうがいいとさとったそうだ。木の香も新しい二階の四畳半にゴロリと寝ころんだ星さんの身辺雑言集。《新聞》 テレビの番組表を10分ぐらい見るだけ。といって、テレビもそう見ない。他面は読まない。《映画》 恋愛映画はつまらないので見ない。精神年齢の高い人間には面白くない。怪奇ものと『』のようなものはよろこんで見る。《音楽》 モーツアルトが好き、チクオンキがないので、買ってくれる人がいれば、ほかの作曲家も好きになるだろう。《趣味》 落語=面白さの典型。 碁=碁会所に通うことが上達の近道。友人相手では真剣さがともなわない。 根付け蒐集=江戸時代、印鑑につけた装飾品で祖父ゆずりの趣味。精巧な細工で日本的な凝り性の集大成のようなところが面白い。 無人島マンガ、精神分析医マンガ蒐集=孤島に流された男や女を主人公にしたマンガが千枚以上。もっとも単純化された舞台に人間生活のあらゆるドラマが表現されている点、アメリカ俳句といってもよく、ショートショートの参考になる。たくさん集めて整理分析し論文を書きたい。精神分析医マンガは百枚。 フランス小話=たいていの人は読んだだけで忘れてしまっているが、作家になるには、これを一つでも暗記して、人に話して面白がらせる練習をすべし。暗記することによって、“話”というものの構成法や面白さがわかってくる。これを下らないと言う人は作家になるのを止めたほうがいい。人を面白がらせるのが作家の義務だから。 好きな小話=精神病院の浴室で患者が風呂の中に釣り糸をたれ、じっと見ている。医者がからかい半分「どう、釣れますか?」と聞くと患者は「釣れるわけがないでしょ、ここは風呂場ですよ」という小話。 星さんは来年の春にアメリカへ行く。ニューヨークの博覧会を見物してまっすぐ帰るそうだが、滞米中のお母さんや妹さんに会うのも目的の一つ。その他アメリカでしたいことは「“アストロ・ボーイ”というTV番組があるそうだがどんなものかぜひ一度見ておきたい。“マイ・フェア・レディ”も英訳されているそうだから見物できるといいんだが。 古道具屋とゴースト・タウンにも必ず行きたい。ゴースト・タウンにはゴースト氏が住んでるそうだから、ぜひ、サインをもらいたい。Kkk団の白頭巾のセットを一組買って都築道夫さんのお土産にしたい」とのお答えだった。 (注:アストロ・ボーイは“鉄腕アトム”のアメリカ題名である)rakuten『きまぐれ星からの伝言』1:SFの書き方
2021.12.15
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在118位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在88・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在23位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在175位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在12位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在173位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在13位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在15位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在23位・『生物の驚異的な形』(12/11予約、副本1、予約0)現在1位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・人新世の「資本論」・「諸星大二郎の世界」・『スマホ脳』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・今村夏子『星の子』・宮崎駿著『本へのとびら』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/04以降> ・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【生物の驚異的な形】4エルンスト・ハインリヒ・ヘッケル著、 河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>より太古の原生生物から、奇妙な無脊椎動物、昆虫や植物まで…進化論を支持した科学者の「精巧な博物画」たち。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/11予約、副本1、予約0)>rakuten生物の驚異的な形【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2021.12.15
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本屋で『英語化は愚民化』を立ち読みしたが・・・・1日ほどの冷却期間をおいて買ったのです。まあ、衝動買いになるんでしょうね♪【英語化は愚民化】施光恒著、集英社、2015年刊<「BOOK」データベース>より英語化を進める大学に巨額の補助金を与える教育改革から、英語を公用語とする英語特区の提案まで。日本社会を英語化する政策の暴走が始まった。英語化推進派のお題目は国際競争力の向上。しかし、それはまやかしだ。社会の第一線が英語化されれば、知的な活動を日本語で行ってきた中間層は没落し、格差が固定化。多数の国民が母国語で活躍してこそ国家と経済が発展するという現代政治学の最前線の分析と逆行する道を歩むことになるのだ。「愚民化」を強いられた国民はグローバル資本に仕える奴隷と化すのか。気鋭の政治学者が英語化政策の虚妄を撃つ!<読む前の大使寸評>アメリカ仕込みのエスタブリッシュが企てているんだろうと、漠然とした如何わしさを感じていたが、やはりそうだったのか。rakuten英語化は愚民化「第6章 英語化が破戒する日本の良さと強み」で日本語の危機が語られているので、見てみましょう。p171~173<英語教育の低年齢化の悪影響> 以上見てきたように、言語は単なるツール(道具)ではなく、人々の自己意識のあり方、道徳の見方にまで影響を及ぼす。「言語はツールに過ぎない」という浅薄な見方に立ち、英語化を推し進めれば、いくつもの予想だにしなかった望ましくない帰結がもたらせるだろう。 たとえば、子どもの自己認識や道徳意識の混乱だ。 すでに触れたように、小学校三年生からの「外国語活動」の導入、五年生からの英語の正式教科化が提案されている。岐阜市などの一部の地方自治体では、2015年4月より、小学校一年生から英語が正式教科となった。 母語である日本語も十分に固まっていない小学生の段階での英語教育の導入は、子供の安定した自己認識の形成を妨げる恐れがある。日本語の求める「関係性や反省能力を重視する柔軟な自己」を形成すればよいのか、あるいは英語の求める「自己主張の強い、世界の中心としての固定した自己」を作り上げればいいのか、子供は当惑するのではないか。 自己認識のあり方の混乱は、道徳意識の混乱にもつながる。前述の通り、日本で優勢なのは「思いやり」「気配り」「譲り合い」の精神である。日本語を子供にきちんと身につけさせることは、これらの道徳観に必要な感受性やものの見方を育むことも意味する。 日本の家庭や学校では、半ば無意識に「思いやり」「気配り」「譲り合い」のできる子供の育成に重点が置かれている。対照的に英語圏の道徳は、自己主張を重視し、必然的にぶつかり合う個々人の利害や要求を「公正さ」という規範に照らして事後的に調整するというものであり、やはり家庭や学校でもこうした道徳観の育成が求められている。 日本と英語圏とのこうした道徳観の相違、また学校など教育の場で強調される道徳観の相違は、多くの発達心理学や教育学の比較研究で指摘されている。 いくつかの研究によれば、たとえば国語教科書にも、こうした道徳観の相違はよく現れている。国語教科書、特に初等教育段階の教科書に出てくる物語の登場人物やその行動は、ある社会の一般的人々の感覚から乖離せず、支持されやすい人物像や規範となる行為を暗黙裡に反映していると考えられている。 社会科や家庭科などの教科書では、政策などその時々で流行している明示的な価値観が反映されやすいが、国語教科書は一時的風潮に流されにくく、各々の社会の半ば無意識の価値観が映し出されやすいと言われているのだ。 日米、あるいは日英の比較分析によれば、日本の教科書では、互いに気持ちを察し合い、自身のそれまでの行為を反省して改め、譲り合う温かい人間関係が数多く描かれている。まさに「互譲互助」の美徳が、児童の身につけるべき模範とされているのがうかがえる。 他方、アメリカやイギリスの教科書で強調されているテーマは、公正や平等、強い意志、自律、自己主張などであり、利害を異にする個人相互の対立や葛藤、ならびに交渉を通じたその公正な解決の過程を扱ったものが数多く見られる。『英語化は愚民化』2:日本語が「国語」の地位を失う危機『英語化は愚民化』1:英語偏重の教育改革
2021.12.14
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図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。この本の表紙には、なんか見覚えがあるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って調べると、やはり借りるのは3度目でした。ということでこの記事は(その8)とします。【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たちアメリカにおける長編小説の抜粋・短縮出版が語られているので、見てみましょう。p306~308■46 The Wind-Up Bird Chronicle刊行に向けての長いワインドアップ 雑誌や出版社の編集者による「エディット」は、文章レベルの編集にとどまらない。どの作品が、いつ、どこで、どのように読まれるか(ときには「文学作品」として読まれるか否か)までに及ぶ。この広い意味での「エディット」の興味深い例のひとつに、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』の英訳が挙げられる。 『ねじまき鳥クロニクル』の英訳が大幅に編集された形で刊行されたのはよく知られた話である。後に再び触れるが、アメリカの出版社のクノップフ社との契約で文字数が制限されていたため、翻訳家のジェイ・ルービンが大胆に編集・短縮した原稿を(全訳の原稿と一緒に)出版社に送り、短縮版が出版された。 英訳版から重訳されたドイツ語などの複数外国語版も同じく短くされた形で流通したこともあり、この「村上春樹の許可を得て」行われた単行本の「アダプテーション」は、一部の批評家や読者に批判された。 だが、『ねじまき鳥(英)』の広義での「エディット」は、単行本の刊行前から既に『ニューヨーカー』誌面上ではじまっていた。前述のとおり、、担当編集者のリンダ・アッシャーがはじめて『ニューヨーカー』に掲載したのは、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。つまり『ニューヨーカー』の読者は、1990年11月の段階でこの村上作品と遭遇していたことになる。 その数年後に『ねじまき鳥』の翻訳が進んでいることを知ったアッシャーは、「抜粋を乗せたいから、その部分を選んでほしい」と村上に依頼する。 雑誌での抜粋の先行掲載について、村上は次のように語っている。アメリカの出版界では長編の抜粋を雑誌に載せることが、雑誌にとっても、版元にとってもかなり大きなことなんです。出版社にとっては発売前の評判につながるし、雑誌にとっても話題作を先行して掲載できるということで熱心になる。 このアッシャーからの依頼を受けて、村上は訳者のルービンと「よく相談して抜粋部分をえらびだした」と述べているが、この点について再び確認すると、「抜粋ということ自体にほとんど興味がない」ため、全面的にルービンに「まかせた」という。他の抜粋箇所を提案することもなかった。「そこを載せたいと思うんだったらそれでいいんじゃないっていうしかないですね。日本にはそういう、長編小説を抜粋して雑誌に載せるという文化がないじゃない」。 一方、ルービンは、膝を突き合わせて二人で決めたのか、電話でやりとりしたのか、当時の記憶が曖昧だという。「でも、抜粋した二つの章は特に好きな部分で、独立した作品としても読めると思ったことは覚えているわ」 担当編集者のアッシャーも、当時の記憶がほとんどないと言う。「村上作品の編集については、翻訳者とのやりとりを含めて、とても興味深くて、楽しいプロセスだった記憶はあるけど、それ以外は細かく覚えていないし、残念ながらもう手元に参考となるような資料もほとんどないわ」『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』7:「パン屋再襲撃」の英訳p296~299『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』6:翻訳家バーンバウム氏の続きp18~22『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』5:翻訳家バーンバウムができるまで(続き)p12~14『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』4:翻訳家バーンバウムができるまでp7~10『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』3:村上さんの「冬の時代」p236~238『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2:出版社の出版事情p32~35『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1:翻訳家バーンバウムのケースp23~27
2021.12.14
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図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。この本の表紙には、なんか見覚えがあるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って調べると、やはり借りるのは3度目でした。ということでこの記事は(その7)とします。【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち「パン屋再襲撃」の英訳あたりが語られているので、見てみましょう。p296~299■46 短編から翻訳する『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に衝撃を受けたルービンは、入手できるすべての村上作品を読んだ。バーンバウムと同様に、村上の「ユーモアのセンス」に魅せられ、とりわけ短編小説を気に入ったルービンは、文芸年鑑で調べた村上の住所に手紙を書き、いくつかの作品の翻訳を申し出た。すると、当時の村上のエージェントであった日本著作権輸出センター(JFC)から連絡があり、ルービンは「パン屋再襲撃」と「象の消滅」の試訳を送った(一遍ではなく、二編訳しているトコロカラモルービンの意気込みが感じられる)。 そして、しばらくすると、村上本人から電話があり、「パン屋再襲撃」の訳をPlayboy誌に掲載したいと相談された。ルービンは、「『プレイボーイ』誌のいわゆる「哲学」にいささか躊躇はあれ、私が平生発表している論文等の読者は十名程度なので、このチャンスに飛びついた」 ルービンの「パン屋再襲撃」の訳“The Second Bakery Attack”はPlayboy誌の1992年1月号に掲載された。 ルービンは今でも「パン屋再襲撃」は最も気に入っている作品のひとつだという。「私に言わせてみれば、1985年は村上春樹のピークの年だね。なんせ「パン屋再襲撃」、「象の消滅」、そして『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が発表された念だから」 ルービンによる「パン屋再襲撃」の英訳は、鮮やかな見開きのイラストとともにプレイボーイ誌(1992年1月号)に掲載された。マクドナルド強奪の場面を18世紀浮世絵木版画風に描いたのは、クニコ・Y・クラフト。現在も、コネチカット州ノノーフォークでイラストや絵画を手がけているクラフトは、挿絵を手がけることになった経緯について、次のように振り返る。「シカゴ美術館附属美術大学を卒業したあと、70年代前半から90年代半ばまでフリーのイラストレータとしてプレイボーイ誌の仕事を頻繁にやっていました。当時、プレイボーイ誌のアート・ディレクターたちから、すでに亡くなられていた有名なアーティストのパロディーをつくる依頼を受けていて、The Second Bakery Attackの浮世絵もそのプロジェクトの一環としての依頼でした。私に依頼が来たのは、日本で生まれて教育を受けていたからというのもあったと思います。タイム誌、ニューズウィーク誌、フォーブズなどの表紙、そしてナショナル・ジオグラフィックのイラストの仕事の多くも似たような理由で私のところに来ました」 ちなみに、クラフトは、当時も今も村上作品をほとんど読んでないという。「娘がコロンビア大学の学生だったときに本を一冊くれたわ。プレイボーイ誌も掲載する原稿をくれたはずだけど、なんせ昔のことだし、当時は彼の作品は私にとっては抽象的すぎた。でも、今でもその感覚が変わらないか、また読んでみるわ」 村上は、自らの英訳者を評する際に、バーンバウム=自由(意訳)、ルービン=忠実(逐語訳)という言葉を用いて語ることが多い。1991年9月にまだルービンの翻訳が世に出る前から、村上のコメントはパブリッシャーズ・ウィークリー誌のインタビューで、次のように引用されている。すかさず、それは小説を訳したアルフレッド・バーンバウムの手柄だとムラカミは言う。「彼は人柄が良くて、翻訳はとても活き活きしている」。その一例を挙げると、バーンバウムは『羊をめぐる冒険』という原題にwild-goose chase(あてのない追及)をもじったA Wild-Sheep Ⅽhaseという英題を当てた。「もう一人、ジェイ・ルービンという訳者もいます」とムラカミは続ける。「彼も上手い。どちらかと言うとアルフレッドの方が大胆で、ジェイの方が原文に忠実だ」。アメリカの読者はムラカミの短編を掲載予定の『ニューヨーカー』9月号でこのルービンの訳に触れることができる。『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』6:翻訳家バーンバウム氏の続きp18~22『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』5:翻訳家バーンバウムができるまで(続き)p12~14『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』4:翻訳家バーンバウムができるまでp7~10『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』3:村上さんの「冬の時代」p236~238『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2:出版社の出版事情p32~35『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1:翻訳家バーンバウムのケースp23~27(〇)
2021.12.13
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図書館で『きまぐれ星からの伝言』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪【きまぐれ星からの伝言】星新一著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より星新一生誕90周年。小説・エッセイ・翻訳・インタビュー・対談・講演エトセトラ。初収録たっぷり、バラエティブック。書き下ろし、ベテラン&新鋭作家による星作品解説つき。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・エッセイ、小説、翻訳、インタビュー、対談など、なんでもありのサービスがええでぇ♪rakutenきまぐれ星からの伝言SFの書き方が語られているので、見てみましょう。p114~116<SFの短編の書き方>「どうやってSFをお書きになるのですか」 と質問されて、ロッド・サーリングは、こう答えている。「なくなったヘミングウェイも言っています。小説を書くのは簡単だ。タイプに紙をはさんでキイをたたけばいいのです」 また私の知る限りでは、ハインラインもアシモフもブラウンも、これと似たりよったりの答えをやっている。そのほかの作家も、おそらく大差ないことを答えているにちがいない。どうやらこの種の問答は、作家なるものが地球上に出現して以来、あきることなく繰り返されてきたものらしい。 皮肉な作風のボーモントは、このテーマで短編を書いた。「魔術師」という名作がそれである。人びとの羨望の的である旅まわりの老いた奇術師。それが子供たちにせがまれた末、ついにつぎつぎと手品の種明しをやってしまう。だがあとに残ったものは、幻滅と失望だけなのである。「黙っているほうがおたがいのためでしょう」と逃げている形だ。 はぐらかすことのできない作家、ブラッドベリはこう答えている。「執筆とはつらい仕事で、落胆や胸のはりさける思いの連続だ。作品を書くための近道をよく聞かれるが、それは、書きつづけ、学びつづけ、そしてまた書きつづける以外にはない」 SF作家ではないが、自信家のイアン・フレミングの場合はこうだ。「ベストセラーを作る唯一の秘訣は簡単だ。読者がページをめくり続けるようにすればいい」 どれもこれも要領を得ない。小説技法の秘密をもらしたら飯の食いあげになるから、作家シンジケートが共同戦線を張って防衛しているのではないか、などと気をまわしてはいけない。すでに秘密は公開されているのだ。以上の問答のなかで、すべてに共通した点がある。 すなわち、質問する側は「容易にできるものなら自分もやってみよう」という気楽な心境である。だが、これに反して答える側は、「楽であろうとなかろうと自分は小説を書くのだ」といった意欲、あるいは自己に課した義務感のようなものを持っている。これなくしては、タバコをやめる法、異性を獲得する法と同じく、事態は一歩も前進しない。 心構えについてはこれぐらいにして、ここでは短編作法について、もっと突っ込んだ解説をしなければならない。ヒッチコック・マガジン日本版に「ショートショートの書き方」というのがのったことがあった。この分野の傑作集をまとめたり、書き方の本を出しているロバート・オバーファーストという人の著書の紹介である。それによると、「まず四十枚の短編を考え、それを十枚にすっきりと圧縮すればいい」 のだそうだ。いささか無責任な発言だ。しかし、アメリカの小学校では、むかしからこんな授業がおこなわれている。たとえば、まず歴史の教科書を五ページほど読ませ、つぎに生徒たちにその内容を百語にまとめさせ、良くできたものを先生が読みあげて教えるのである。このような基盤があるため、オバーファーストもあっさりとかたづけたのだろう。わが国では、演説や祝辞や弔辞など、長いほうがありがたいという概念が広まっていて、圧縮技術は独学で工夫しなければならず、困ったことである。私が文部大臣になれば・・・。 話が脱線しかけたが、オバーファースト氏もこれではいくらか気がとがめるのか、もう少し詳しく解説し、売り物になるショートショートの三要素をあげている。 一、新鮮なアイデア 二、完全なプロット 三、意外な結末 この三つである。 それくらいはいわれなくてもわかっている。どうすれば、その条件をそなえた作が書けるか知りたいんだ。こんな不満の高まった人も多いことだろう。なんだか、宇宙の有限性を説明した天文書を読んでいる時と同じ、わかったような、納得できないような気分である。もう一歩ふみこんでもらいたいところだ。「〇」
2021.12.13
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図書館で『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』という本を、手にしたのです。村上春樹が精力的に翻訳したレイモンド・カーヴァーという作家が気になるのです。【私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー】村上春樹編訳、中央公論新社、2009年刊<「BOOK」データベース>より密なる才能、器量の大きさ、繊細な心…カーヴァーは、彼について語るべき何かをあとに残していくことのできる人だったーJ・マキナニー、T・ウルフ、G・フィスケットジョンほか、早すぎる死を心から悼む九人が慈しむように綴ったメモワール。<読む前の大使寸評>村上春樹が精力的に翻訳したレイモンド・カーヴァーという作家が気になるのです。rakuten私たちの隣人、レイモンド・カーヴァーお次は宮本美智子という作家のエッセイを、見てみましょう。p179~183<レイモンド・カーヴァー:宮本美智子> 「レイモンド・カーヴァーに会うって? そいつはいい。あんないーい男はは滅多にいるもんじゃないよ。昔アル中だったこともあるけど、今は元気で書きまくってるよ」 ギターをかき鳴らしながら、鼻にかかった声の南部弁でカントリー・ウエスタンを歌っていたロバート・ワードが突然言った。ところで、ロバートは昔、ウエスタンの歌手だったこともあるのだ。 彼は新作Red Baker(主役の男の名)について語りまくったあと、小休止だと言ってギターを弾き始めた。そして、一人だけどうしても自分の本を読んで欲しい人間をあげるとしたら、それはノーマン・メイラーだと言った。 メイラーはその作品よりも、その顔と行動のほうが知られていて、一般に、特にフェミニストの女性たちからは、ひどく嫌われている。メイラーの小説も人柄も大いにかっている私は、メイラー嫌いの底の浅さを内心批判していたので、ロバートのメイラー評に満足した。 クセがあり、時代の先取りをし過ぎるメイラーに敵が多いのはうなづける。メイラーとはまったく異なるタイプではあるが、短篇作家のレイモンド・カーヴァーもやはり一般向きではなく、玄人受けの作家らしい。友人のジェイ・マキナニーがカーヴァーに師事しながら小説を書いているので、シラキュースにいるジェイを通して何度かカーヴァーとのコンタクトを試みたことがあるが、いつもあまりパッとしない答えが返ってきた。 「ンーム・・・言ってみたんだけどね。カーヴァーはインタヴューが嫌いなんだ」 私はジェイをあの手この手で説得してみた。こちらの熱意と主旨は十分に伝わっているはずなのに、ジェイの返事は相変わらずだった。「それがね・・・。恥ずかしいって言うんだよ。彼は自分がそんなに有名だと思っていないんだよね」 そのうちにジェイを通して、電話インタビューならどうかと言ってきたので、それは私のほうから断った。会ったこともない人と電話だけで話すのではおっくうである。手紙も二通ほど書いてみたが、返事はなかった。 こうなると嫌でも“レイモンド・カーヴァー伝説”が私の中で芽生えてくる。ジャーナリストを拒むほどの有名人ではないから、これはひょっとすると、本当に人嫌いなのかもしれない。「すごい変人とか偏屈な男なの?」「オーノー!ヒーズアナイス・ガイ(とんでもない、すごーくいい人だ)」 カヴァーを個人的に知っている人なら必ずカーヴァーの人柄をほめるし、物書きなら必ずや彼の作品に一目置く。 こうして「いい人」と言われながらもこわもての作家カーヴァーのイメージが私の中でどんどんふくらんでくるのであった。誰もがそうであるように、インタヴューを申し込んであまりにも突っけんどんに拒否されるとムカッとくることもあるのだが、一方では却って気持ちが惹かれる。ことさら、私の場合には、むつかしい相手だとなおさらチャレンジの炎が燃えてくるヘキがある。(中略) 私は早速ランダム・ハウス社の編集者ゲィリーに電話を入れた。案の定カーヴァーは翌週、授賞式に参加するためにワシントン州からニューヨークに出て来るという。「レイが着いたら話しとくよ」 ゲィリーのいうとおり、ついにカーヴァーが私に電話をしてきた。 「私はレイだが…」 というカジュアルな自己紹介のあと、私が彼の小説の話などをすると、早口というか、どもるというか、カーヴァーは同じ相づちの言葉を何度もくり返した。話し方が実に素朴だ。“Thank you so much for your interest…”(私に関心をお持ちいただいて感謝しております) などという、ニューヨーカーならおよそ言わないような台詞が出てきた。 インタビューの取りつけがうまくいかないのは、ニューヨーカー独特の「セレブリティ・コンプレックス(有名コンプレックス)」が原因であることが多いが、この人はジェイのいうとおり本当に人に会うのが「恥ずかしい」のかもしれない。ワシントン州の片田舎育ちの人だから、インタビューなんて名目で、人に会うのが照れくさいのだろう。この本も村上春樹アンソロジーR13に収めるものとします。『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』2:ジェイ・マキナニーのエッセイ『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』1:村上さんが書いた序文
2021.12.12
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図書館で『魯肉飯のさえずり』という本を、手にしたのです。台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。【魯肉飯のさえずり】温又柔著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりママがずっとわたしの恥部だったー「もしも、あたしが日本人ならと思う」就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ“大切なもの”をふみにじられていくーことばを超えて届くのは、愛しいさえずり。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする。心の声をとり戻す長篇小説。<読む前の大使寸評>台湾にルーツを持つ著者の生活が見えるようなお話なのかなぁ。rakuten魯肉飯のさえずり冒頭の語り口を、見てみましょう。p5~7<第1章 ふつうの女の子> 鍋を火にかけたままだったのを忘れていた。あわただしく起きあがり台所に駆けこむと、案の定、沸騰したお湯が鍋から噴き出している。コンロの炎が乱れるようすに、ほんの一瞬、みとれてしまう。じゅっという危なっかしい音が耳につき、はっとする。あわてて火をとめてから、(何やってんだろ、あたし・・・) 桃嘉はその場にへたり込んだ。鈍く続く頭痛が、いっそう強まる。鍋の中にはトウモロコシが入っていた。夕暮れ間近のスーパーで特売だったものだ。その日必要なもののリストには入っていなかったそれを、桃嘉は少し悩んだあと買物かごの中に加えた。まるごと茹でればそのままオヤツになる。 子どもの頃に母がよくそうやって食べさせてくれた。台湾出身の桃嘉の母親はトウモロコシのことをファンベーと呼んでいた。にほんじんである父も母もあわせてそう呼ぶので、桃嘉は小学校にあがるまでファンベーという言葉しか知らなかった。 給食のときにクラスメートが、トウモコロシ、と言い違えたときは皆がどっと笑ったが、桃嘉はひとりだけ何が可笑しいのかわからなかった。 濡れてしまったコンロを布巾でふいてから桃嘉は、すっかり茹であがったトウモロコシをお皿にうつしかえる。そうするあいだにも頭痛は激しくなる一方だ。たぶん、月経の前兆なのだろうと桃嘉は考える。眠気と倦怠感もそのせいに決まっているのだ。 桃嘉ハコップ一杯の水を準備すると、テーブルに置きっぱなしにしていた頭痛薬の入っている小瓶に手を伸ばす。こんなに痛むんだもの、しかたないよね、と何かにむかって言い訳するように、三時間ほど前に服用したばかりの丸い粒を二錠、口の中に放り込む。微かな苦味が喉を通過し、胃の中に薬の成分が溶けて広がるさまを思い浮かべながら桃嘉はしばらくのあいだ目を閉じる。そうすれば痛みが和らぐような気がするのだ。 テーブルには、マンションの回覧板とボールペン、それに未開封の修正液がある。回覧板は、隣の部屋に住む山崎さんが持ってきた。もうじき六歳になるという男の子(確か、リョウくん、という名前だ)も一緒だった。ほらお姉さんに何て言うの? と母親に促されると、コンニチハ、ともじもじしながらもちゃんと言う。 桃嘉はゆっくりと目を開けると、回覧板に視線をおとす。ボールペンの文字で、山崎、とある左隣には、渡瀬、と綴られている。真下の部屋に住む渡瀬さんたちとは、きのうの昼、エレベーターで乗り合わせたばかりだ。聖司と引越しの挨拶をしたときはベビーベッドでスヤスヤとねむっていた男の子が、今では歩いている。 赤ん坊だった男の子の父親の両手は、ぱんぱんに詰まったスーパーの袋と紙おむつでふさがっていた。幼い息子の手を引く母親のハンドバックには「赤ちゃんがいます」と記されたキーホルダーが揺れていた。エレベーターからおりていく親子三人の後ろ姿を見つめながら、まだおむつを必要とする小さな子がいるのに、もう次の赤ちゃんが生まれるのね、と桃嘉はひそやかに感嘆した。 渡瀬さんや山崎さんに限らず、桃嘉たちが暮らすマンションには、子どものいる家庭が多い。 俺たちだってそのうち・・・ 頭痛をふりはらうように首を振ると、修正液を桃嘉は開封する。回覧板の内容は、粗大ごみに関する新しいルールの告知だった。賛同を示すサインが求められていた。そこに、深、と書いてしまってからはっとしたのだった。字を消さなくてはと思ったら頭痛が激しくなり、少しだけは横になるつもりがウトウトしてしまった。「柏木」を名のることに桃嘉はまだ慣れていなかった。長い間、聖司のことを「柏木さん」と呼び続けてきたせいもある。最初の頃は「柏木先輩」と呼んでいた。 つきあってまもない頃に、俺は彼氏なんだから名前で呼んでよ、と言われたものの、急に下の名前で呼びあうなんて何だかあからさまで恥ずかしくて・・・と親友の茜に話したら、桃ちゃんらしいや、と笑われた。
2021.12.12
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本屋で『英語化は愚民化』を立ち読みしたが・・・・1日ほどの冷却期間をおいて買ったのです。まあ、衝動買いになるんでしょうね♪【英語化は愚民化】施光恒著、集英社、2015年刊<「BOOK」データベース>より英語化を進める大学に巨額の補助金を与える教育改革から、英語を公用語とする英語特区の提案まで。日本社会を英語化する政策の暴走が始まった。英語化推進派のお題目は国際競争力の向上。しかし、それはまやかしだ。社会の第一線が英語化されれば、知的な活動を日本語で行ってきた中間層は没落し、格差が固定化。多数の国民が母国語で活躍してこそ国家と経済が発展するという現代政治学の最前線の分析と逆行する道を歩むことになるのだ。「愚民化」を強いられた国民はグローバル資本に仕える奴隷と化すのか。気鋭の政治学者が英語化政策の虚妄を撃つ!<読む前の大使寸評>アメリカ仕込みのエスタブリッシュが企てているんだろうと、漠然とした如何わしさを感じていたが、やはりそうだったのか。rakuten英語化は愚民化「第2章 グローバル化・英語化は歴史の必然なのか」で日本語の危機が語られているので、見てみましょう。p34~36<日本語が「国語」の地位を失う危機>「これからは英語の時代だ。日本語だけできてもだめだ」 日本人がこのように考えた時、日本語の地位はどうなるのだろうか。当然、土着の言語である日本語は、「進歩によって乗り越えられた、時代遅れの非合理的な存在」ということになるだろう。 ビジネスや高等教育、学問研究などの公式な場面で、これからは英語を使うことが望ましいと考えられるようになれば、英語のほうが日本語よりも「進んだ」高級で知的な言語であると日本人が見做すようになってしまうのは当然のことだ。 この問題を取り上げて大きな反響を呼んだのが、2008年に作家の水村美苗氏が著した『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』だった。同書のなかで水村氏が懸念を示したのは、グローバル化の進展に伴う世界の英語化の波を受けて、日本語が「国語」の地位から滑り落ち、単なる「現地語」になってしまうのではないかということだった。 ここでいう「国語」とは、複雑化した近代の国家や社会を運営することができる言葉を指す。つまり、政治や経済、自然科学、文学、芸術に至るまで一通り、その言葉で思考し、論じられる言語体系のことだ。したがって、「国語」には、森羅万象や天下国家が論じられる豊かな語彙を持ち、文法体系や正書法もきちんと整備されていることが求められる。身の回りの事柄だけでなく、抽象的かつ専門的な思考や議論も可能な言葉が「国語」なのである。 他方、「現地語」とは、知的で複雑な事象を論じることができず、もっぱら身近で日常的な事柄のみを取り扱う言語のことだ。たとえば、植民地下に置かれた人々の生活を思い描いてもらえればわかるだろう。日常生活では「現地語」、つまり地元の言葉で用を足すことができるが、役所の手続きをしたり、裁判を受けたりする場合、あるいは少し複雑なビジネスを行う際には、「現地語」では足りず、英語などの宗主国がもたらした言語を使わざるを得ない。 さらに、教育の場でも同様な事態が起きる。語彙の不足や文法の未整備のため、「現地語」ではどうしても十分に議論したり、記録したりすることが難しい。それゆえ、「現地語」は、初等・中等教育ではどうにか用いることが可能だとしても、大学などの高等教育の場で使うには無理があるのだ。 英語が事実上の世界標準後となり、日本国内でも高度なビジネスや学問、芸術などについて話す際に英語を用いることがふつうとなってしまえば、日本語は次第に衰退し、「国語」ではなくなり、「現地語」と化してしまう。日本語は、公式な場での高度な話題では使われず、もっぱら身の回りのことを家族や友人と話す時だけに用いられる言語となってしまうだろう。『英語化は愚民化』1:英語偏重の教育改革
2021.12.12
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在137位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在95・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在26位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在180位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在16位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在177位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在13位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在15位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在24位・『生物の驚異的な形』(12/11予約、副本1、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・小野正嗣『歓待する文学』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・『SFマンガ傑作選』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・片岡義男『言葉の人生』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/04以降> ・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【生物の驚異的な形】4エルンスト・ハインリヒ・ヘッケル著、 河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>より太古の原生生物から、奇妙な無脊椎動物、昆虫や植物まで…進化論を支持した科学者の「精巧な博物画」たち。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/11予約、副本1、予約0)>rakuten生物の驚異的な形【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2021.12.11
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「再読本」でしょうか♪<市立図書館>・きまぐれ星からの伝言・私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー・Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【きまぐれ星からの伝言】星新一著、徳間書店、2016年刊<「BOOK」データベース>より星新一生誕90周年。小説・エッセイ・翻訳・インタビュー・対談・講演エトセトラ。初収録たっぷり、バラエティブック。書き下ろし、ベテラン&新鋭作家による星作品解説つき。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenきまぐれ星からの伝言【私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー】村上春樹著、中央公論新社、2009年刊<「BOOK」データベース>より密なる才能、器量の大きさ、繊細な心…カーヴァーは、彼について語るべき何かをあとに残していくことのできる人だったーJ・マキナニー、T・ウルフ、G・フィスケットジョンほか、早すぎる死を心から悼む九人が慈しむように綴ったメモワール。<読む前の大使寸評>村上春樹が精力的に翻訳したレイモンド・カーヴァーという作家が気になるのです。rakuten私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち************************************************************図書館大好き522
2021.12.11
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図書館の本を手当たり次第に、借りている大使であるが・・・・なんか慌しいので、この際、積読状態の蔵書を再読しようと思い立ったのです。で、再読シリーズとして、以下のとおりボツボツ取り上げてみます。・#56:『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』・#55:『英語化は愚民化』・#54:『すぐそばのロボット(ナショナルジオグラフィック2020年9月号)』・#53:西方冗土・#52: 群像(2020年6月号)・#51:『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』・#50:『一夜漬け日本美術史』・#49:『ぼくの翻訳人生』・#48: 村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)・#47: 空想居酒屋・#46: 文芸春秋(2021年9月特別号)・#45: 文芸春秋(2021年8月号)・#44: ヤマザキマリ『たちどまって考える』・#43: 再読『マイ・ロスト・シティー』・#42:『小川洋子対話集』 ・#41: ミヒャエル・エンデ著『モモ』・#40: 日本人はなぜ存在するか・#39: 「空気」の研究・#38: 街場の大阪論・#37: 韓国 反日感情の正体・#36: トウ小平・#35: 日本語と韓国語・#34: ソウルの練習問題・#33: 『「日本」とは何か』日本の歴史00巻・#32:「王権誕生」日本の歴史第2巻・#31:新・韓国風土記(第一巻)・#30:グ印関西めぐり(濃口)・#29:リドリー・スコット:フィルムメーカーズ#16・#28:日韓 悲劇の探層・#27:日本人と韓国人なるほど辞典・#26:街場の文体論・#25:書いて稼ぐ技術・#24:「無法」中国との戦い方・#23:資本主義の終焉と歴史の危機・#22:村上春樹ロングインタビュー・#21:日本人はなぜ存在するか・#20:兼好法師『徒然草』 (100分 de 名著)・#19:世界マンガ体系・#18:南画と写生画・#17:ホンモノの日本語を話していますか?・#16:ストレスゼロの整理術・#15:里山資本主義<再読候補>・ノモンハン・播磨国風土記・情報の「捨て方」・老人力のふしぎ・夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです*********************************************************図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。この本の表紙には、なんか見覚えがあるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って調べると、やはり借りるのは3度目でした。ということでこの記事は(その7)とします。【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち*********************************************************【英語化は愚民化】施光恒著、集英社、2015年刊<「BOOK」データベース>より英語化を進める大学に巨額の補助金を与える教育改革から、英語を公用語とする英語特区の提案まで。日本社会を英語化する政策の暴走が始まった。英語化推進派のお題目は国際競争力の向上。しかし、それはまやかしだ。社会の第一線が英語化されれば、知的な活動を日本語で行ってきた中間層は没落し、格差が固定化。多数の国民が母国語で活躍してこそ国家と経済が発展するという現代政治学の最前線の分析と逆行する道を歩むことになるのだ。「愚民化」を強いられた国民はグローバル資本に仕える奴隷と化すのか。気鋭の政治学者が英語化政策の虚妄を撃つ!<読む前の大使寸評>アメリカ仕込みのエスタブリッシュが企てているんだろうと、漠然とした如何わしさを感じていたが、やはりそうだったのか。rakuten英語化は愚民化*********************************************************三宮の古書店で『すぐそばのロボット(ナショナルジオグラフィック2020年9月号)』という雑誌が目についたが、めくってみると、ダチョウの特集があるではないか・・・それに値段も300円とリーズナブルなんで買い求めたのです。帰って調べてみると今年の3月に図書館で借りていたので、この記事を(その3)とします。*********************************************************図書館で『すぐそばのロボット(ナショナルジオグラフィック2020年9月号)』という雑誌を、手にしたのです。おお ナショナルジオグラフィックのロボット特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪【すぐそばのロボット(ナショナルジオグラフィック2020年9月号)】雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2020年刊<商品の説明>より【特集】●ロボットがいる日常これまで人間が果たしてきた役割を、ロボットが担うようになってきた。今やロボットは工場で人間とチームを組んで製品を組み立て、大型店舗で在庫の管理や清掃作業に活躍し、農場で作物を収穫し、介護やリハビリを助けている。人間とロボットが共生する時代は、すでに始まっている。●ダチョウの素顔世界最大の鳥、ダチョウ。捕食者だらけの世界で、したたかに生き抜き、子育てする姿を追った。<読む前の大使寸評>おお ナショナルジオグラフィックのロボット特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪amazonすぐそばのロボット(ナショナルジオグラフィック2020年9月号)********************************************************* 以降は省略する(再読シリーズ(#49-51)参照)*********************************************************再読シリーズ(#1-4)再読シリーズ(#5-8)再読シリーズ(#9-11)再読シリーズ(#12-14)再読シリーズ(#15-17)再読シリーズ(#18-20)再読シリーズ(#21-23)再読シリーズ(#24-26)再読シリーズ(#27-29)再読シリーズ(#30-32)再読シリーズ(#33-34)再読シリーズ(#35-37)再読シリーズ(#38-40)再読シリーズ(#41-44)再読シリーズ(#45-46)再読シリーズ(#47-48)再読シリーズ(#49-51)再読シリーズ(#52-53)
2021.12.11
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図書館で『戦術の本質』という本を、手にしたのです。著者は陸上自衛隊で第71戦車連隊長を務めたそうで・・・プロが説く戦術とは如何なるものかと思った次第です。【戦術の本質】 木元寛明著、SBクリエイティブ、2017年刊<出版社>よりリアリズムが支配する現代の戦場で、指揮官はどのように作戦を立案し、どうやって部隊を指揮・運用し、敵を撃破し、勝利を収めるのでしょうか? 勝利の「原理・原則」や「方程式」はあるのでしょうか? 本書では、陸上自衛隊で陸将補を務めた著者が、戦術を体系的に解説し、その本質に迫ります。<読む前の大使寸評>著者は陸上自衛隊で第71戦車連隊長を務めたそうで・・・プロが説く戦術とは如何なるものかと思った次第です。rakuten戦術の本質皇軍では二の次とされた兵站であるが・・・現代の兵站を、見てみましょう。p50<2—10 兵站 その②> 補給幹線(MSR:Main Supply Route)は作戦地域に指定される戦闘力維持の根幹輸送路線で、常時確保が求められます。旅団戦闘チームで言えば、戦闘力維持支援地域と戦闘地域を合わせた地域が作戦地域です。 MSRは、地形の特性、友軍の全体配置、敵情、第一線部隊の機動計画などを考慮して、後方幕僚(S4)が作戦幕僚(S3)と調整して決定します。 敵の航空攻撃、正規部隊または非正規部隊による攻撃、伏撃、地雷設置、CBRN(化学兵器、生物兵器、放射性物質、核兵器など)による汚染、交通渋滞、天候気象の変化などを想定して、予備MSRの準備が不可欠です。 また、憲兵部隊による交通統制、工兵部隊による道路の維持・補修、橋梁の防護も欠かせません。MSRの確保自体が1つのオペレーションなのです。 旅団戦闘チームが戦闘目的を達成=任務を達成するためには、弾薬、燃料、糧食、水などの常続的な補給、負傷者の治療・後送、兵員の補充などにより、部隊の戦闘力を維持し増進しなければなりません。すなわち、MSRは第一線機動部隊の戦闘力を維持・増進するための大動脈なのです。 若干余談になりますが、段列などが所在する後方地域=戦闘力維持支援地域は戦闘地域と不可分一体のものです。「後方地域は安全地域」という見解がありますが、それは幻想にすぎません。現代戦では、段列がMSRにより前線部隊に補給品などを輸送すること自体が戦闘行為です。『戦術の本質』1
2021.12.10
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