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「全国アホ・バカ分布考」読書レポートも6回まで進んで、なんだか関西弁強化月間みたいになっております(汗)松本プロジューサーの、わりと格調高い論調もいいのだが・・・・ここで、もっとベタな故中島氏の著書「西方冗土」から、関西弁の実地例をとりあげてみたいと思うのです。だいいち、「全国アホ・バカ分布考」の論拠にもなるし、他国から関西に来て戸惑うことのないようにと願う大使のサービスでんがな♪<女の子をデートに誘う場合>〇:エミちゃん、今晩ひま?▲:別に用事ないけど。なんで?〇:なんぞおいしいもんでも食べに行けへんか。▲:いや!〇:なんや、いやなんかいな。▲:アホ。(この“いや”は女子の使う感嘆符。“アホ”はののしり言葉ではなく“このひょうきん者”といった好意的なニュアンスである)<相手をののしる場合>〇:なんやと?おのれ誰に向かって口きいとんじゃ、このドアホ!▲:あははは、いや冗談でんがな。〇:冗談?寝言は寝てからぬかせ、このボケ!▲:えろうすんまへん。〇:“すんまへん”ですんだら警察はいらんのじゃ、このカス!▲:・・・・なんもそこまで言わんかて・・・・〇:やかまっしゃい、ミソ汁で顔あろて出直してこい、このスカタン!(このような関西人には、「アホ」は親愛の言葉で、効き目はない。「ボケ」「カス」ときて、初めてムッとするのである)<日常会話と死語>p91~92 関西にはアキンドとヨシモトとヤクザしかいない、という固定観念には根強いものがある。しかし、一般に関西弁と思われているものは、主に商人の使う大阪言葉であって、若い人たちは社会人になって商取引の場に臨んだとき以外はこういうアクの強い大阪弁は使わない。 例えば、高校生同士の会話で「さよかいな(そうですか)」「あきまへんわ(だめですね)」「かなんな(しょうがないな)」「さいでおま(そうです)」「堪忍しとくんなはれ(勘弁してくださいよ)」などの言葉が使われることはまずない。あるとすれば自虐的なギャグとして使う場合だけだろう。これを商取引以外の日常会話で変に使うと、いわゆる「変な外人」的な違和感を与えることになってしまう。人によっては関西弁に対する揶揄と受け取ることもあるかもしれない。 その他、昔の「番頭はんと丁稚どん」などでおなじみの商家の言葉は多くは死語となっていて日常では使われない。「こいはん」「いとはん」「ごりょんさん」などの呼び名も大家族制の崩壊とともに、現在では使われなくなっている。「西方冗土」という本のタイトルが、だいたい自嘲的であるが・・・・大使の場合は、関西弁強化はあくまでも前向きであり、「今にみておれ」という意識が強いのである(笑)【西方冗土】中島らも著、集英社、1994年刊<「BOOK」データベース>より「ヤクザ、アキンド、ヨシモト」マスコミに描かれる関西人は三つの人種のみで、かれらは「けつねうどん」と「たこやき」を主食にしており「わやでんがな」などの、奇怪な言葉を操りつつ「がめつい奴」を演じている―という、恐るべきカンサイ人の朝昼夜。街角の看板、貼り紙。試験に出る関西弁を縦横無尽、奇想天外に考察し、関西人にエールを贈り、ヨタを飛ばすエッセイ集。浪速はこれ一冊でわかります。<大使寸評>関西弁のブラッシュアップにはお奨めの1冊でおま♪Amazon西方冗土
2021.11.30
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図書館に予約していた『生命海流』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。折しも朝日新聞が「ドリトル先生 ガラパゴスを救う」を連載している今、福岡先生のガラパゴス航海記を読んでみようではないか。【生命海流】福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。<読む前の大使寸評>折しも朝日新聞が「ドリトル先生 ガラパゴスを救う」を連載している今、福岡先生のガラパゴス航海記を読んでみようではないか。<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>rakuten生命海流「まえがき」のような辺りを、見てみましょう。p6~9<ガラパゴスに行きたい> ガラパゴスに行きたい。これはナチュラリストとしての長年の夢だった。プロの研究者も、アマチュアバードウォッチャーも、7歳の虫好きの少年も、みんなナチュラリストであるという点では同じ。そして彼らはひとしく願う。生涯、一度でいいから、絶海の果てに位置するガラパゴス諸島に行って、溶岩と巨石に覆われ、絶えず波に洗われる岸壁に生息する、独自の進化を遂げた、奇跡的な生物を実際にこの目で見てみたと。 ずっと昔からそう願ってきた。とはいえ、私の夢はもう少し手が込んでいた。ただ、観光客としてガラパゴスを見に行くのではない。今をさること200年近くも前の秋、はるかな航海の果てに、この群島にたどり着き、ここを探検したビーグル号と同じ経路をたどって島が見たかった。ビーグル号には、かのチャールズ・ダーウィンが乗っていた。後に、進化論を打ち立てて生命史に革命をもたらした人物。 しかし、そんなことはできるはずがない。ビーグル号の正式名称は、H.M.S.Beagle,Her Majesty's Ship.つまり女王陛下の船だった。全長27.5メートル、排水量242トン、実戦が可能な大砲6門を搭載、英国精鋭の軍人70余名の船員が乗船する本格的な軍艦だった。当然装備も資材も豊富に積まれていた。だからこそ自由自在な航路をとれたのだ。 そもそもビーグル号の密かな狙いは、世界中に散在する将来の軍事拠点を確認、調査、測量することだった。彼らと同規模の船を仕立てて、同じ旅を再現することなど不可能である。 当時、ダーウィンはまだ22歳。船長フィッツロイのコネで、たまたま随行を許された民間の客人だった。生物学に興味を持っていたとはいえ、あとになって『種の起源』として結実する進化論の構想は、何ひとつとして彼の心の中に準備されてはいなかった。 ひとくちに「ガラパゴス」といっても、そこは大小様々な島や岩礁が散在する群島である。名前のついている島は全部で123島、主要な島だけでも⑬島あるといわれており、それがおよそ関東地方くらいの広い範囲に分布している。 ダーウィンの乗ったHMSビーグル号は、1835年9月15日に、ガラパゴス海域東端のサン・クリストバル島に到着した。その後、約1ヶ月かけて、数少ない水源のある島、フロレアナ島、6つの火山を擁するガラパゴス最大の島、イサベラ島、イサベラ島と今も火山活動が激しい島フェルナンディナ島のあいだの狭い海峡をくぐり抜けて、赤道線0度を越え、サンティアゴ島などに寄港し、調査と測量を行い、同年10月20日、次の調査地であるタヒチ島に向けて太平洋を西に進んだ。 ビーグル号は、タヒチ、タスマニア、ココス、モーリシャスなど、今から見ると高級リゾートめぐりをしているかのような航路をたどって、5年にわたる世界航海を行った。これは先にも記したとおり、ビーグル号の密かな使命が、大英帝国による世界制覇の野望に関わっていたからに他ならない。 少なくとも、ガラパゴス諸島の旅に関してだけでも、チャールズ・ダーウィンと同じ航路をたどって、彼が見たであろう光景を、彼が見たはずの順番で、訪れてみたい。いったいガラパゴスの何が、彼の目を見開かせ、彼の想像力を搔き立てたのだろう。それを追体験したかった。これが私の贅沢な夢だった。
2021.11.30
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図書館で『海を越える日本文学』という新書を、手にしたのです。著者は日本留学を経て、今では明治大学教授とのこと。中国人から見た日本文学という視点が興味深いのです。【海を越える日本文学】張競著、筑摩書房、2010年刊<「BOOK」データベース>より海外での村上春樹人気のなぜ?を皮切りに、海を越える/越えられない日本文学にまつわる翻訳事情を紹介。また、日本文学が東アジアで読まれることと、欧米で読まれることの、意味の違いについて論じる。<読む前の大使寸評>著者は日本留学を経て、今では明治大学教授とのこと。中国人から見た日本文学という視点が興味深いのです。rakuten海を越える日本文学中国での日本文学観が興味深いので、見てみましょう。p146~150<繰り返される「上下関係」の戦い> 文学環境が好転するなかで、日本の近代小説は相次いで翻訳されるようになりました。日中国交が回復するまえには、プロレタリア文学の翻訳が多かったのですが、ほかの作家が紹介されていないわけではありません。たとえば島崎藤村『破戒』は早くも1955年に翻訳され、夏目漱石『坊っちゃん』も1959年に人民文学出版社から刊行されました。ただ、80年代以降、翻訳作品を選ぶ際、政治的な要素がほぼ排除され、作品の出来栄えや日本国内の評価を優先するようになりました。 翻訳者は、文化大革命が終了した直後で、人材が少ないということもあって、戦前からの日本文学の専門家や、台湾や旧満州で日本語教育を受けた世代が多かったようです。しかし、十年も経たないうちに、新しい世代が育ち、2、30代の翻訳者が登場してきました。 ノーベル文学賞受賞作家という肩書きのおかげで、80年代にもっとも注目されたのはやはり川端康成。『雪国』は1981年に早くも観光され、あっという間に10万部近くも売れました。やがて、ほかの同時代作家も紹介され、とくに文芸誌では多く翻訳されています。(中略) 日本語教育の規模拡大と、日本語学習者の急増も読者を増やし、日本文学の受容を促しました。90年代には欧米文学に匹敵するほどの作品が翻訳され、その後も拡大の一途をたどっています。1995年、三島由紀夫『金閣寺』をはじめ、『仮面の告白』、『潮騒』、『午後の曳航』、『愛の渇き』など多くの作品が翻訳され、『安部公房文集』も1997年に刊行されました。 村上春樹がベストセラー作家になった影響で、2000年以降になると、日本文学の人気がいっそう高まり、翻訳の量は爆発的に増えました。ヒットする作家を見ると、渡辺淳一は2001年から、よしもとばななと山崎豊子はそれぞれ2005年と2006年から多く訳され、出版関係者のあいだでは「人気作家」と呼ばれています。 そのほか、石田衣良、川上弘美、小池真理子、高樹のぶ子、宮部みゆき、林真理子など、幅広い作家の本が読まれています。私の手元にここ数年に出版された日本小説のリストがありますが、その数は600点を下りません。ちなみによしもとばななは中国語では「芭娜娜」と表記されています。 推理小説の翻訳は意外と早く、森村誠一『人間の証明』は映画の公開と相前後して翻訳されました。1981年に出版された『野生の証明』の発行部数は16万部にも達しています。やがて、松本清張の小説が翻訳され、江戸川乱歩も紹介されるようになりました。2002年には19冊におよぶ『乱歩探偵作品集』が刊行され、現代の推理小説も大量に翻訳されています。 (中略) 最近の翻訳は商業主義のあおりを受け、販売実績は出版界の唯一の関心事になりました。売れそうな本はすぐに訳され、映画やテレビドラマになった作品はあいついで出されています。ブームに乗って一儲けするのが目的ですから、翻訳者の選択や訳文の質が後回しにされています。 また、刊行を急ぐために、同じ作品を複数の翻訳者が分担して訳することもよくあります。 2010年、浅田次郎『蒼穹の昴』は中国でテレビドラマ化されました。テレビの放映に合わせるためか、中国語版の上下二巻は二人によって別々に訳されています。翻訳の質にばらつきがあるだけでなく、上下巻には明らかな文体の違いが見られます。村上春樹の小説はずっと林少華という翻訳者が訳していましたが、『1Q84』の翻訳権は南海出版公司によって高額で落札されたため、上海訳文出版社と専属関係の林少華は翻訳する機会を失いました。 日本文学の翻訳はもはや文学の出来事だけではなく、さまざまな要素が複雑に絡んでいます。もっとも小説が商品である以上、翻訳出版も究極的には営利目的の商行為にすぎません。電子書籍という大変革に直面しているいま、海外における日本文学の読まれ方が果たしてどのように変わるか、しばらくは目が離せません。ところで、日本文学とは関係ないが、明るいニュースを見てみましょう大谷翔平の衝撃 現地アメリカの記者が語る『海を越える日本文学』1
2021.11.29
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『カラスの早起き、スズメの寝坊』という新書を借りて読んでいるのだが…鳥に関する本をわりと読んできたので、並べてみます。・「なぜ鳥だけが生き延びた?」(2021年発信)・ツバメのひみつ(2020年刊)・電柱鳥類学(2020年刊)・ナショナルジオグラフィック2018年シリーズ(2018年刊)・小鳥 飛翔の科学(2017年刊)・鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(2017年刊)・にっぽんスズメしぐさ(2017年刊)・鳥の話(2017年刊)・ハトはなぜ首を振って歩くのか(2015年刊)・小川洋子『ことり』(2012年刊)・鳥あそび(2011年刊)・里山の野鳥ハンドブック(2011年刊)・さえずり言語起源論(2010年刊)・ソロモンの指環(2006年刊)・野山の鳥 観察ガイド(2004年刊)・カラスの早起き、スズメの寝坊(2002年刊)・鳥のいる空(2001年刊)・バードウォッチング(1987年刊)R12:『さえずり言語起源論』「なぜ鳥だけが生き延びた?」を追記恐竜絶滅、なぜ鳥だけが生き延びた? 低酸素時代に適応した、羽毛、気嚢システム..より【恐竜絶滅、なぜ鳥だけが生き延びた?】 「数千万年に及ぶ進化の結果、前肢を羽ばたかせて空を飛ぶ小型の恐竜が誕生しました。その後、小惑星が衝突した際、そうした体の構造が実に好都合だとわかったのです」と、英エディンバラ大学の古生物学者スティーブン・ブルサティは語る。「こうした鳥の一部が大量絶滅を生き延び、ほかの動物がほとんどいなくなった地球で繁栄することになりました」アマツバメの化石【時代に適応した鳥類】 2億年前から始まるジュラ紀から6,600万年前に幕を閉じる白亜紀までの長い期間、恐竜は陸上の支配者としての地位を占め続けたのだが、恐竜が哺乳類型爬虫類にとって代わることを可能にしたのが気嚢だった。酸素濃度はジュラ紀前期まで低く、ジュラ紀後期から白亜紀を通じて次第に増加する。 気嚢をもった竜盤目恐竜から、現在確認されている中で最古の鳥類である始祖鳥が進化した。始祖鳥は、ジュラ紀後期の約1億5,000万年前に生きていた。また中国では白亜紀初期の1億3,100万年前頃に孔子鳥という長い尾羽をもった鳥がいた。 始祖鳥と孔子鳥はどちらも、現在の鳥のように自由に空を飛ぶことはできなかったと考えられている。その頃の空の支配者は空飛ぶ爬虫類と称される「翼竜」だった。 しかし白亜紀の後期になると翼竜の多くがすがたを消し、6,600万年前に最終的に絶滅して、鳥類全盛の時代を迎える。鳥類の特徴は羽毛をもっていることですが、最近多くの恐竜が羽毛をもっていたことが分かってきた。 羽毛はもともと体温を保つために進化したと考えられるが、鳥類はこれを使って空を飛べるようになった。生物進化において、このように転用された形質の元の機能を「前適応」と言う。生物は、ありあわせのものを最大限有効に使うように進化している。【ツバメのひみつ】長谷川克著、緑書房、2020年刊<「BOOK」データベース>よりツバメが池の底で越冬!?ツバメは本当に浮気者!?中華料理の「ツバメの巣」はツバメの巣じゃない!?モテるオスとつがったメスは一生懸命、子育てする!?赤ちゃん言葉でプロポーズ!?奄美大島で百年に一度の進化が観察されていた!?ツバメが低く飛ぶと雨が降る、というのは本当!?喉が赤いオスはけんかに強い!?伝書鳩ならぬ伝書ツバメがいた!?意外と短命!?第一線の研究者による最新ツバメ学。専門用語の解説付きで、生物に詳しくなくてもすらすら読める。要約付きの参考文献も掲載。おまけには、ツバメの迎え入れ方も収載!<読む前の大使寸評> 先日、ブログでツバメの渡りについて書いたように・・・ツバメについて思い入れが深い大使なので、即、チョイスしたのです。rakutenツバメのひみつ『ツバメのひみつ』2:タカの目をもつ小鳥『ツバメのひみつ』1:スズメとの違い<『電柱鳥類学』2>図書館で予約していた『電柱鳥類学』という本を待つこと10日ほどでゲットしたのです。おお 鳥類といえば・・・スズメ、ウグイス、デイノニクスなど、大使のツボがうずくのです。【電柱鳥類学】三上修著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より電柱といえば鳥、電線といえば鳥。でも、そこで何をしているの? カラスは「はじっこ派」? 感電しないのはなぜ?――電柱や電線の鳥に注目したら見えてきた、その知られざる生態、電柱・電線の意外な姿、電力会社と鳥たちの終わりなき知恵比べ。あなたの街にもきっとある、鳥と電柱、そして人のささやかなつながりを、第一人者が描き出す。<読む前の大使寸評>おお 鳥類といえば・・・スズメ、ウグイス、デイノニクスなど、大使のツボがうずくのです。<図書館予約:(3/10予約、3/21受取)>rakuten電柱鳥類学【ナショナルジオグラフィック2018年シリーズ】2018年のナショナルジオグラフィックは「鳥たちの地球」シリーズを特集したので、1月号から2、4、5、6、7月号と集中的に読んできたのです。魅惑的な写真を並べてみます。【小鳥 飛翔の科学】野上宏著、築地書館、2017年刊<「BOOK」データベース>より飛翔の瞬間をとらえた!小鳥はどの羽をどのように使って飛ぶのか?野外での撮影に成功した著者の93枚の写真とともに、飛び立ち、急制動、失速防止飛翔、採餌飛翔、争い飛翔など、14種類の飛び方について解説する。新しく深いバードウォッチングのすすめ。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、高速シャッターを駆使したカラー写真が満載で、それから、著者が飛行機マニアとのことで、小鳥の飛翔能力を飛行機と比較しながら述べているところがええでぇ♪rakuten小鳥 飛翔の科学『小鳥 飛翔の科学』2:失速防止飛翔『小鳥 飛翔の科学』1:はじめに【鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。】川上和人著、新潮社、2017年刊<「BOOK」データベース>より出張先は火山にジャングル、決死の上陸を敢行する無人島だ!知られざる理系蛮族の抱腹絶倒、命がけの日々!すべての生き物好きに捧げる。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、内容は興味深いのに、著者の軽口が鼻につくのです。でもまあ、それも個性ということで借りたのです。rakuten鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。メグロ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』1:メグロ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』2:糞尿譚【にっぽんスズメしぐさ】中野さとる著、カンゼン、2017年刊<「BOOK」データベース>より一羽で、仲間たちとースズメたちの毎日を凝縮!スズメたちの愛らしい姿がもっと楽しめる!大好評のスズメ写真集シリーズ第2弾が登場!『きょうのスー』マツダユカさん描きおろし作も収録!<読む前の大使寸評>おお スズメの写真が、可愛いいやんけ♪昨今は駅前広場のハトやスズメを親しく眺めているが・・・典型的な老人風景を呈しています。rakutenにっぽんスズメしぐさ【鳥の話】細川博昭著、SBクリエイティブ、2017年刊<「BOOK」データベース>よりたくさんの人が行きかう街から赤道直下の密林、南極の氷原まで、さまざまな場所に鳥はいます。上空1万メートルを軽々と渡る鳥もいれば、体に毒をたくわえる鳥もいます。一方で、「概念」を理解して人間と話す鳥、最大4000ヵ所の位置を記憶する鳥、凝った構造物をつくる鳥も。そんなすごい鳥の秘密としくみ、身近にいる鳥の意外な事実をつめこんだのが本書です。美しく楽しげで、少し怖い、鳥の世界をご案内。<読む前の大使寸評>このところ『にっぽんスズメしぐさ』や『鳥のいる空』など、鳥の本をよく読んでいるので、この本もその勢いで借りたのです。rakuten鳥の話【ハトはなぜ首を振って歩くのか】藤田祐樹著、岩波書店、2015年刊<「BOOK」データベース>より気がつけばハトはいつでもどこでも、首を振って歩いている。あの動きは何なのか。なぜ、1歩に1回なのか。なぜ、ハトは振るのにカモは振らないのか…?冗談のようで奥が深い首振りの謎に徹底的に迫る、世界初の首振り本。おなじみの鳥たちのほか、同じ二足歩行の恐竜やヒトまで登場。生きものたちの動きの妙を、心ゆくまで味わう。【目次】1 動くことは生きること(動くとは、どういうことか/死なないために動く ほか)/2 ヒトが歩く、鳥が歩く(鳥とヒトの二足歩行/歩くことと走ること ほか)/3 ハトはなぜ首を振るのか?(首振りに心奪われた人々/頭を静止させる鳥たち ほか)/4 カモはなぜ首を振らないのか?(体のつくりがちがう?/まわりが見えてないカモ? ほか)/5 首を振らずにどこを振る(ホッピング時に首は振るの?/首を振らないチドリの採食 ほか)<読む前の大使寸評>三浦しをんの選ぶ本は、だいたい外れがないので・・・・この本が気になるのです。<図書館予約:(8/13予約、1/19受取)>rakutenハトはなぜ首を振って歩くのか『ことり』3図書館に予約していた『ことり』という本を、待つこと3日でゲットしたのです。この本を『歓待する文学』というNHKテキストで、小野正嗣さんが高く評価していたので、即、図書館に予約していたものです。【ことり】小川洋子著、朝日新聞出版、2012年刊<「BOOK」データベース>より世の片隅で小鳥のさえずりにじっと耳を澄ます兄弟の一生。図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて歩く老人、文鳥の耳飾りの少女との出会い…やさしく切ない、著者の会心作。<読む前の大使寸評>この本を『歓待する文学』というNHKテキストで、小野正嗣さんが高く評価していたので、即、図書館に予約していたものです。<図書館予約:(1/19予約、1/22受取)>rakutenことり『ことり』3『ことり』2『ことり』1【鳥あそび】小宮輝之著、二見書房、2011年刊<「BOOK」データベース>よりこんな野鳥の楽しみ方を知ってますか?上野動物園の園長さんは鳥あそび歴50年の“鳥名人”。庭に鳥を呼ぶ方法から街中や里山での観察術まで、自ら撮った写真を織りまぜて綴る野鳥おもしろ体験記。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten鳥あそび【里山の野鳥ハンドブック】NHK出版編、日本放送出版協会、2011年刊<商品説明>より里山で見られる野鳥を、春夏秋冬別と主な生育場所別で、美しい写真とともに数多く紹介。姿・形が可愛らしい鳥、鳴き声の美しい鳥のほか、天然記念物の鳥、帰化種の鳥、野鳥にまつわる興味深い話を野鳥の基本的データと共に収載。<大使寸評>野鳥のウォッチングでも始めてみるかということで、この本を借りたのです。shogakukan里山の野鳥ハンドブック【さえずり言語起源論】岡ノ谷一夫著、岩波書店、2010年刊<「BOOK」データベース>よりジュウシマツの歌には「文法」があるーこれが転機をもたらす大発見だった。進化的な起源の異なる小鳥の歌が、言語進化の謎に迫るカギとなるのはなぜなのか。初版刊行から7年半、性淘汰起源説に相互分節化仮説が加わった。「言語の起源は求愛の歌だった」とする進化のシナリオを、苦労と喜びと興奮が満載の研究者人生とともに描く。<読む前の大使寸評>「BOOK」データベースが「言語の起源は求愛の歌だった」と述べているが・・・何とロマンティックではないか♪<図書館予約:(11/20予約、副本1、予約0)>rakutenさえずり言語起源論『さえずり言語起源論』3:複雑な歌をうたうジュウシマツ『さえずり言語起源論』2:小鳥の歌とヒトの言葉の共通点『さえずり言語起源論』1:小鳥の歌とヒトの言葉【ソロモンの指環】コンラート・ローレンツ著、早川書房、2006年刊<「BOOK」データベース>より孵卵器のなかでハイイロガンのヒナが孵った。小さな綿毛のかたまりのような彼女は大きな黒い目で、見守る私を見つめ返した。私がちょっと動いて話しかけたとたん、ガンのヒナも私にあいさつした。こうして彼女の最初のあいさつを「解発」してしまったばかりに、私はこのヒナに母親として認知され、彼女を育てあげるという途方もない義務を背負わされたのだが、それはなんと素晴らしく、愉しい義務だったことか…「刷り込み」理論を提唱し、動物行動学をうちたてた功績でノーベル賞を受賞したローレンツ博士が、溢れんばかりの喜びと共感をもって、研究・観察の対象にして愛すべき友である動物たちの生態を描く、永遠の名作。<読む前の大使寸評>「BOOK」データベースがこの本を「永遠の名作」と讃えているが・・・さて、如何なるものか♪<図書館予約:(9/03予約、9/08受取)>rakutenソロモンの指環『ソロモンの指環』3:ハイイロガンとの生活『ソロモンの指環』2:マルティナの世話『ソロモンの指環』1:ガン類の刷り込み【野山の鳥 観察ガイド】市田則孝(監修)、ネイチャーネットワーク、2004年刊<「BOOK」データベース>より本書は、野鳥との出会いを紹介した本。登山やハイキングの途中で野鳥の姿や鳴き声に出会ったときの、「なんという鳥だろう?」という素朴な疑問に基づいて解説した。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、二階の窓からよく見かけるシジュウカラ、メジロ、ウグイスが載っています。駅前でハトとスズメの仕草を眺めることが多くなったこともあり…バードウォッチングに最適というか、老人向けの1冊でおます♪amazon野山の鳥 観察ガイド【カラスの早起き、スズメの寝坊】柴田敏隆著、新潮社、2002年刊<「BOOK」データベース>よりモズ、カラス、スズメ、フクロウ、ウ、オオタカ、ヤマシギ、オオミズナギドリ…さまざまな環境に適応して高度に進化した鳥たちは、苛酷な状況を生き抜くためにみごとな知恵を発揮する。感情表現豊かなその生態は、知れば知るほど、人の姿を連想させる。文化人類学ならぬ、「文化鳥類学」の視点から、鳥たちの社会を、いきいきと描くネイチャー・エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenカラスの早起き、スズメの寝坊【鳥のいる空】沢野ひとし著、集英社、2001年刊<「BOOK」データベース>より多摩丘陵の一角に住み着いて20数年結婚して25年が過ぎたが、ともかく別れないで今日まできたのが、夫婦というものなのだろうか。ワニ眼画伯が休日に、妻と散歩に出かけたとき、ふと心をよぎる、いくつもの感慨…。山あり、川あり、街角あり、妻あり、息子娘のことあり。旅の思い出あり、天然ユーモアのエッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、博物誌のように野鳥や草花の名前がでてくるわけで・・・ええでぇ♪rakuten鳥のいる空【バードウォッチング】(画像なし)酒井哲雄著、国土社、1987年刊<「BOOK」データベース>より古書につきデータなし<読む前の大使寸評>我が家の2階から裏山の小鳥たちを眺める程度のバードウォッチャーであるが・・・この本は、私の程度にちょうどの本やでぇ♪このところ、ウグイスの競演が途絶えたが、代わりにセンダイムシクイの「焼酎一杯、グイーッ!」が聴こえたりする。
2021.11.29
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図書館で『シルクロード 1万5000キロを往く』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。【シルクロード 1万5000キロを往く】今村遼平, 中家惠二編著、古今書院、2021年刊<出版社>よりタクラマカン沙漠の南北を通る中国シルクロードの3つのルートおよび河西回廊(西安?敦煌)の旅行記。地形・地質の専門家が中心だけに,一般の観光ツアーでは訪れない珍しい風景を求めて南へ北へ。上巻には,タクラマカン沙漠の北縁に沿って西へパキスタン国境に至る「天山南路」の旅(2011年)および,天山山脈の北側,ジュンガル盆地を横断する「天山北路」の旅(2014年)を収録。どこまでも続く沙漠,氷河,大草原,そして五色に輝くヤルダン地形に言葉を失う。新疆ウイグル自治区に暮らす人々との交流も楽しい。中国の厄介なトイレ事情も。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。rakutenシルクロード 1万5000キロを往くトルファンのカレーズ沙漠で生き抜くインフラともいえるカレーズを見てみましょう。p46~48<トルファンのカレーズ> トルファン盆地は内陸感想地域に位置していて、夏季の最高気温50℃、冬季の最低気温マイナス30℃と年較差が著しく大きい。「朝は毛皮の服をまとい、昼間には薄ものの服に着替え、日が暮れるとストーブを囲んでスイカを食べる」のことわざがあるように、日較差もきわめて激しい。 年平均気温は約14℃であるが、年間降水量は最高でも50㎜、平均は約17㎜であり、最低記録は2.9㎜であるが、蒸発量は2838㎜にも達するため、灌漑用水の果たすカレーズの役割はきわめて大きい。 私たちはトルファンのカレーズ博物館を見学した。カレーズは中国だけでなく、乾燥地帯で山岳地から伏流してくる地下水を地下水道に流し、さらにそれを導水するシステムである。 中東地域ではガナート(ghanat)と呼ぶようだが、もともとはアラビア語のカナートの転訛したペルシャ語で、さらにそれがカフレーズとかカレーズに変わった。中国語・カンアールチンのカンは穴とか窪地といった意味である。カレーズはペルシャには5千年ほど前からあったといわれている。その後、北アフリカやイベリア半島から西トルキスタン(現在の中央アジア)などに広まり、東トルキスタン(西域・新疆ウイグル地域)に広がったと言われている。 シルクロードのオアシスは、①カシュガルやホータンのように地上河川の水を利用したオアシスと、②自然湧水を利用したオアシス、それと③トルファンの生命線であるカレーズの地下水路を利用したオアシスの3つのタイプに分かれる。 カレーズの建設は中国における三大土木事業の一つとされる。残りの二つとは、①万里の長城、②李ヒョウが建設した都江堰、秦の始皇帝の時代、皇帝の命を受けて史禄が建設した山脈越えの運河霊渠のなかのいずれかであろう。 一つ一つのカレーズの建設は、これほどの大規模な土木事業ではないが、これら①~③よりも古くから営々と築かれている。トルファン市から2㎞のところにあるカレーズ博物館で見るように多数建設され、いまなお命の水として利用されている。この土木事業は、やはり中国古代土木事業の偉大な遺産である。<カレーズと地下水> カレーズは新疆ウイグル地域での呼び名で、中国語ではカンアールチンと呼ぶ。トルファンのカレーズは、天山山脈に降った雨や雪融け水が地下へ浸透し、伏流して地下水となってトルファン盆地へと流下する地下水をうまく取水してきたものなのである。『シルクロード 1万5000キロを往く』1
2021.11.28
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図書館で『シルクロード 1万5000キロを往く』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。【シルクロード 1万5000キロを往く】今村遼平, 中家惠二編著、古今書院、2021年刊<出版社>よりタクラマカン沙漠の南北を通る中国シルクロードの3つのルートおよび河西回廊(西安?敦煌)の旅行記。地形・地質の専門家が中心だけに,一般の観光ツアーでは訪れない珍しい風景を求めて南へ北へ。上巻には,タクラマカン沙漠の北縁に沿って西へパキスタン国境に至る「天山南路」の旅(2011年)および,天山山脈の北側,ジュンガル盆地を横断する「天山北路」の旅(2014年)を収録。どこまでも続く沙漠,氷河,大草原,そして五色に輝くヤルダン地形に言葉を失う。新疆ウイグル自治区に暮らす人々との交流も楽しい。中国の厄介なトイレ事情も。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。rakutenシルクロード 1万5000キロを往く「第1編 天山南路」の冒頭を、見てみましょう。(この本では現地の都市名をすべて漢字で表記しているが、パソコンで打てない漢字が多いのでカタカナで表記します)p4~5<1 念願が叶う> 私たちは2009年8月に今回の旅を計画していたが、出発の半月くらい前、新疆ウイグル自治区で漢民族とウイグル族の間で争いが起きて、旅行は中止になった。そんな悔しい思いもあり、再度挑戦の機会をうかがいつつ、夢を実現すべくカウントダウンの毎日であった。 2011年7月18日の午後、新疆ウイグル自治区のホータンで、10数人のグループが警察署を襲撃し、周辺の人々を人質にとって火を放った。駆けつけた武装警官は襲撃者14人を射殺した。 その他に武装警官2人と人質2人の死者が出るという事件があって、「また中止か?」と心配したのだが、旅行社からは何の連絡もなく、飛行機は8月2日、成田を予定通り離陸し、雄大な自然と歴史を巡る旅は始まった。 なぜタクラマカン沙漠のシルクロードの旅にこだわったのか? 参加者の今村は旅先の風物にも興味はあったが、特に歴史に執着があり、また中家は大学時代の恩師(多田文男教授)が授業で紹介したタクラマカン沙漠の講義が印象深く残っていた。上野はタクラマカン沙漠そのものと、周辺の山岳地帯の地形地質の実態に触れてみたいという深い思いがあった。だが、全員が、漠としたロマンを思い描いて参加したというのが実情だろう。 タクラマカン沙漠は、トルコ系ウイグル語で「入ると出れない」という意味を、中国語で音訳したものである。中国歌謡『楚辞』の『招魂』に次のような一節がある。 魂よかえりなさい。西方の害は、沙漠が千里も続いている。 その雷淵に回転して入ると、身が砕けてしまっても止まることができない。 幸いにも脱することができても、その外は荒野である。 赤蟻は象のようであり、黒蜂は瓢箪のように大きい。 五穀は育たず、菅の茎を食っている。その上は焼けて人の肌を爛れさせ、水を求めても手に入れる所がない。さまよい歩いても身を片寄せて休む所もなく、広々と大きくてはてしがない。 帰りなさい。恐らく自身に害を与えるであろう。 この『招魂』は屈原が妬まれて王の側近をしりぞけられ自ら命を失ったのを哀れんで、楚の大夫宋玉が、屈原の魂を招くためにつくったといわれている。楚の国を中心に、東西南北どの方向にも安住の地はなく、楚の国にまさる場所はない。だから魂よ帰ってこいと説得した第二段の、西方を詠んだ一節である。
2021.11.28
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在157位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在11位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在111位・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在35位・ブリーディング・エッジ(8/22予約、副本2、予約9)現在1位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在198位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在21位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在188位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在15位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・「諸星大二郎の世界」・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・猫が30歳まで生きる日:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・片岡義男『言葉の人生』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:10/17以降> ・多和田葉子の〈演劇〉を読む(8/31予約、10/17受取)・日本文学100年の名作:10巻「バタフライ和文タイプ事務所」(10/17予約、10/21受取)・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取予定)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【ブリーディング・エッジ】トマス・ピンチョン著、新潮社、2021年刊<出版社>よりITバブルは弾けたが新世紀の余韻さめやらぬニューヨークで、子育てに奮闘する元不正検査士の女性。知人の仕事を手伝い覗いたネットの深部で見つけたのは、不穏なテロの予兆だった。NYの、そして世界の運命は肝っ玉母さんの手に――オタク的こだわりと陰謀論にあふれる、謎に満ちたアメリカ文学の巨人が放つビッグバン。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/22予約、副本2、予約9)>shinchoshaブリーディング・エッジ【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。
2021.11.27
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書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・【群像(2020年6月号)】雑誌、講談社、2020年刊<商品の説明>より[特集 翻訳小説]・アンケート「最新翻訳小説地図」阿部公彦/磯上竜也/伊東順子/今福龍太/上野千鶴子/大空ゆうひ/大竹昭子/大塚真佑子/大森望/岡真理/小川公代/小川哲/小川洋子/小国貴司/長田杏奈/長田育恵/小山田浩子/温又柔/鎌田裕樹/岸本佐知子/北田博充/木原善彦/木村朗子/久野量一/くぼたのぞみ/倉本さおり/栗原康/小島秀夫/小林エリカ/小山太一/斎藤真理子/酒寄進一/佐藤究/柴崎友香/下平尾直/瀧井朝世/武田将明/堂場瞬一/都甲幸治/豊崎由美/鳥澤光/中島京子/中野善夫/名久井直子/西加奈子/他<読む前の大使寸評>書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・rakuten群像(2020年6月号)多和田葉子へのインタビュー(続き)を見てみましょう。(インタビュアー:小澤英美)p188~190 <キャラクターの交換可能性>小澤:Hirukoをはじめ、ノラやニールセン夫人といったといった女性たちがみんな強くて自由奔放なところに元気づけられましたが、クヌートやナヌークら男性陣は、母親や恋人から逃げ回ったり、沈黙したりと弱さやダメさが目立ちますね(笑)。アカッシュは「このままでは男性は滅んでしまうのではないか」とすら考えます。多和田:スカンジナビアを舞台に選んだもう一つの理由は、フェミニズムをはじめ、いろんな差別との闘いに関して先進国だからです。まだ男女差別が当然のものとして蔓延している社会ではなく、公式にはもう男女差別はないことになっている社会のなかで人間はどうなるのか。 たとえば日本でも、おおっぴらに女性や性的マイノリティを差別したりする人がいない職場で、時々ちらちらと差別発言をしないではいられない人というのがいると思います。やりすぎるとインガのように強い女性にたしなめられて黙る。それほど差別意識がつよいわけではないし、女性を崇拝し、ゲイの友達もいるのに、時々そういう発言をお漏らししないと精神のバランスが保てない。ベルマーもそれですね。小澤:そのベルマーが、ナヌークと性格を交換するという展開は、奇想天外でした。多和田:私も奇想天外だと思いました(笑)。読者は登場人物をキャラとして読むんだなと気がついた時に、キャラなんてものはいつでも交換可能ですよ、と反発したくなったんです。小澤:キャラを立てるのが大事だという考えは小説においてもありますが、便利で有益かもしれませんが、安易ともいえる。多和田:そうです。日常生活でも、あの人はこういう性格だ、と決めてしまって、安心してみんなが暮らしているような共同体というのはおそろしいものです。決めてしまった時点で、その人のことをそれ以上知りたくないといったようなもので、絶縁状態と同じです。キャラを決めることが、相手の顔にレッテルを貼ることになってしまう場合もあると思うんです。でも逆に言えば、レッテルに過ぎない部分は交換できるはずですよね。小澤:たくさん登場人物が出てくる物語では、それぞれのキャラが立っていないと誰が誰だかわからなくなってしまうし、群像劇や歴史エンターテイメントやアニメや漫画では「キャラ立ち」が必須の要件のようなところもある。でも多和田作品では、キャラという概念に抗って、それぞれの登場人物が多面的でありつつ強烈に魅力的でもある。多和田:私も昔から知っている友達でも、ああ、こんな面もあるんだ、と驚かされることがあります。好感を持っていた友達のイヤなところを見てしまった時には、見て見ぬふりをするより、自分がイヤだと思う面と好きな面の相互作用とか、矛盾の美とかを楽しんだ方が生産的だと思います。まだイヤなところが一つも見つかっていない人はそれほど親しい人じゃないと思うし。小澤:多和田さんの手にかかると、どんなにイヤな登場人物でもチャーミングに思えてしまうから不思議です。『群像(2020年6月号)』2:「ブロークン・ブリテンに聞け」『群像(2020年6月号)』1:多和田葉子へのインタビュー
2021.11.27
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書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・【群像(2020年6月号)】雑誌、講談社、2020年刊<商品の説明>より[特集 翻訳小説]・アンケート「最新翻訳小説地図」阿部公彦/磯上竜也/伊東順子/今福龍太/上野千鶴子/大空ゆうひ/大竹昭子/大塚真佑子/大森望/岡真理/小川公代/小川哲/小川洋子/小国貴司/長田杏奈/長田育恵/小山田浩子/温又柔/鎌田裕樹/岸本佐知子/北田博充/木原善彦/木村朗子/久野量一/くぼたのぞみ/倉本さおり/栗原康/小島秀夫/小林エリカ/小山太一/斎藤真理子/酒寄進一/佐藤究/柴崎友香/下平尾直/瀧井朝世/武田将明/堂場瞬一/都甲幸治/豊崎由美/鳥澤光/中島京子/中野善夫/名久井直子/西加奈子/他<読む前の大使寸評>書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・rakuten群像(2020年6月号)ブレイディみかこの「ブロークン・ブリテンに聞け」が連載されているので、6月号掲載を見てみましょう。p173~175 <㉘ コロナの沙汰も金しだい> わたしの配偶者はダンプの運転手であり、配送業従事者はいちおう英政府が定めた「キー・ワーカー」にあたる。医療関係者、警察、消防士、教員などの公共セクター職員に加え、スーパーマーケット店員や配送業者などはロックダウン中でも働けと言われている。だから配偶者はこれまでどおり仕事を行っており、わが家の場合は全面的なロックダウン感はない。 というか、この「キー・ワーカー」のリストを見ると、弁護士とかバス運転手とか保育士とか低賃金の仕事がずらっと並んでいることに気づかずにはいられないのだが、それと同時に思うのは、わが家がある界隈にはロックダウン中も働いている人が多いのでは、ということだ。つまり、労働者階級が多く住んでいる地域は、そんなにロックダウンでひっそり眠っているような雰囲気にはなっていない、と推測されるのだ。 推測される、などと持って回った書き方をしているのは、わたしたち一家は現在、仮住まいをしているからだ。いつも住んでいる「」の地域にはいないのである。それというのも、今年の初めにセントラルヒーティング・システムが故障してしまい、家中の床を取っ払ってパイプの総取り換えが必要になり、そうこうするうちに家屋にアスベストと呼ばれる有毒な資材が使用されていたことも判明して、大修繕・改修工事が必要になったからだ。 それで知人のツテを頼り、オーストラリアに移住したばかりの一家の住宅を一時的に借りて引っ越したのである。ところがコロナ禍で住宅資材なども入手困難になり、当初は2ヶ月程度の予定だったのだが、もしかしたら今年いっぱいは元の家にもどれないという状況もあり得るのでは、と囁く建設業者もいて心配になる。が、そんな私の心配に逆行するように、仮住まいの家の窓から見える風景は平和そのものだ。 このエリア、実はミドルクラスのポッシュな住宅地なのだ。コロナ感染? どこの話ですか? と言わんばかりのエレガントな光景が展開されていて、前庭で草刈りをしている人もいれば、椅子をパティオに出して読書に熱中している人もいる。また、外出禁止中も一日に一度のエクササイズや犬の散歩は許されているため、ジョギングしている人やサイクリングしている人、犬を連れて大きなサングラスをかけ舗道をひらひら歩いている金髪のミセスなどもいる。 はっきり言って、外出禁止になる前と何も変わらないのだ。 考えてみれば、この辺はふだんから在宅勤務している人が多いのだった。ブライトンの中心地から遠く離れた田園地帯。こんなところに高価な家を買って住める人たちは、自分でビジネスをやってサクセスしている人たちや、週に何度か会社に行くだけで基本は在宅勤務している企業の重役とかだ。 毎日外に出てあくせく働いている人々が住むエリアではないのである。ロックダウンで眠っているわけではない。ポッシュ村はふだんから眠っているのだ。 買い出し事情にも格差が表出している。もとの家の近所に住むママ友と携帯で話すと、40分もスーパーの前に並んだとか、肉とジャガイモが全部売り切れで、卵も手に入らなかったとか悲痛な声で言う。テレビのニュースでも、スーパーの前に並んでいる人たちが所謂「ソーシャル・ディスタンシング」ルールを守って2メートル距離を置きながら立っているものだから、スーパーの周りをぐるりと一巡するような長い列になった映像などが流れている。 しかしポッシュ村にはこのようなことはない。 この地域にあるのは、安価で庶民的なスーパーマーケットではなく、スーパーの階級ピラミッドの頂点に位置するマークス&スペンサーの支店だ。そこには行列なんかできていない。いつものようにするっと店内に入って行けるし、肉も、ジャガイモも、卵も、平素と変わりなく棚に並んでいる。 そういえば、ここだけは、このロックダウン下にあってもまだ営業時間を変更していないスーパーである。他の庶民的なチェーンは、買い溜めに対応して棚に食品を補充する時間が必要になり、営業時間を短縮している。つまり、マークス&スペンサーを利用している階層の人々はパニック買いをしないのだ。「ソーシャル・ディスタンシング」にしても、そもそも高級だから普段からわんさか人が来る店ではなく、別に店員が目を光らせなくとも、ナチュラル・ソーシャル・ディスタンシングというか、いつもゆったりと優雅に人々は買い物している。何も変わったところはない。【注】posh は、「上流階級の」という意味になります。 posh のイメージは、上流階級でクイーンズイングリッシュの発音を使っており、私立学校に通っている、または私立学校出身の裕福な人々です。以前に読んだ「ブロークン・ブリテンに聞け」を付けておきます。【ブロークン・ブリテンに聞け】ブレイディみかこ著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より EU離脱、広がる格差と分断、そしてコロナ禍ー。政治、経済、思想、テレビ、映画、英語、パブなど英国社会のさまざまな断片から、激動と混沌の現在を描く傑作時事エッセイ集。<読む前の大使寸評>2020年刊10月刊行の本なので、当然として新型コロナに対するイギリスの対応が載っているので興味深いのです。<図書館予約:(12/9予約、1/30受取)>rakutenブロークン・ブリテンに聞け『ブロークン・ブリテンに聞け』4:英国英語はしちめんどうくさい『ブロークン・ブリテンに聞け』3:コロナの沙汰も金しだい『ブロークン・ブリテンに聞け』2:英国の子育て『ブロークン・ブリテンに聞け』1:パブの近況帰省先の図書館のパソコンでブログUPしました。『群像(2020年6月号)』1
2021.11.25
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書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・【群像(2020年6月号)】雑誌、講談社、2020年刊<商品の説明>より[特集 翻訳小説]・アンケート「最新翻訳小説地図」阿部公彦/磯上竜也/伊東順子/今福龍太/上野千鶴子/大空ゆうひ/大竹昭子/大塚真佑子/大森望/岡真理/小川公代/小川哲/小川洋子/小国貴司/長田杏奈/長田育恵/小山田浩子/温又柔/鎌田裕樹/岸本佐知子/北田博充/木原善彦/木村朗子/久野量一/くぼたのぞみ/倉本さおり/栗原康/小島秀夫/小林エリカ/小山太一/斎藤真理子/酒寄進一/佐藤究/柴崎友香/下平尾直/瀧井朝世/武田将明/堂場瞬一/都甲幸治/豊崎由美/鳥澤光/中島京子/中野善夫/名久井直子/西加奈子/他<読む前の大使寸評>書棚で『群像(2020年6月号)』という雑誌をみつけたが、どういう経緯で入手したのか思い出せないのです。表紙に出ている「特集:翻訳小説」「小特集:多和田葉子」のコピーを見ると大使のツボではあるのだが・・・rakuten群像(2020年6月号)多和田葉子へのインタビューを、見てみましょう。(インタビュアー:小澤英美)ポーランドとベラルーシ国境で移民の押し付け合いがみられる昨今ですが、2020年5月時点でこのインタビューが行われたようです。p177~181 <コロナ禍で浮かび上がる国家間のズレ>小澤:このお話を伺っている今、日本では東京をはじめ7都府県に緊急事態宣言が発出されたばかりです。コロナウイルス感染拡大の影響で、直接お会いする予定が変更になり、急遽ドイツにいる多和田さんに電話でインタビューすることになりました。 こうした世界的な危機のさなかに、前作『地球にちりばめられて』とその続編である『星に仄めかされて』を読むと、ここで描かれている開かれた世界のありようがひどく遠く離れてしまったことを痛切に感じました。 この作品は、世界のさまざまな場所から集い、自由に移動しつづける若者たちの物語です。ところが現在では、世界中で国境が封鎖されて、出入国が厳しく規制されている。くしくもHirukoの状況が現実味を帯びてしまったようです。多和田:『地球にちりばめられて』と『星に仄めかされて』、それとたぶんもう1冊続くのですが、これらの作品に描かれた世界では、ヨーロッパのなかは自由に移動することができるけれども、日本と思われる国には全然行かれないし、連絡がつかないという状況になっています。鎖国とグローバル化の両方が共存する状況ですね。 今、新型コロナウイルスのせいで世界中が鎖国状態にあります。ドイツの場合、仕事なら大丈夫ですが、友達に会いに行くとか湖に遊びに行くという目的では、国内の隣の州にも入れません。それだけではなくて、国境を閉じるか閉じないかを決めている段階で、ヨーロッパのなかの心の境界線みたいなものや、それぞれの国の考え方のズレのようなものが浮上してきて、ヨーロッパがばらばらになるんじゃないかと心配しました。 たとえばハンガリーなどは、これはいいチャンスだと言わんばかりに、さっさと国境を閉めましたね。移民問題ですでに国境を閉めたがっていたところにウイルスが幸い現れてくれたという感じなのでしょうか。これはハンガリー人がわるいのではなく、今の政権に問題があるのですが。 ドイツは、保守党も革新党もドイツが第二次世界大戦で大変な間違いを犯したという点では意見が一致しています。EUに積極的であるという点も基本的には一致しています。ですから戦後、国境のない平和なヨーロッパをつくろうとあれほど努力してきてやっと国境がなくなったのに、ウイルスのせいでまた国境を閉めなければならなくなったことがすごく悔しくて、かなり躊躇していたので、閉じるのが少し遅れました。 私も知らなかったのですが、国境というのは、こちら側からと向こう側からのそれぞれで開け閉めできるものなんですね。二重ドアです。例えばポーランド側はすぐ閉めたけれども、ドイツ側からはすぐには閉めなかった。 スタートはばらばらでしたが、それではいけないとという気持ちもあった、フランスのマクロン大統領は、コロナウイルスに対してヨーロッパが足並みをそろえてやっていかなければ意味がないよと呼びかけました。確かにそうなんです。地続きなので、それぞれが勝手な政策をとってもしようがないわけです。ただ、その国によって犠牲者の数には大きな差があり、その理由はまだ判明していません。死者の数でいうと今の時点でフランスではドイツの五倍くらい死者がでています。 毎日新しいニュースが入るので、今ここで言ったことが活字になる頃には違っている可能性もありますが、今の時点では、ひどい被害を受けたイタリアやスペインに北ヨーロッパの国々がどんなかたちで経済的な援助をするかで、もめています。私が小説で描きたかったヨーロッパも、いろいろな文化が喧嘩したり、仲直りしたり、もめたり、混ざったり、別れたりしている流動的な世界です。ヨーロッパの中でもデンマークとイタリアは違うし、しかもそれぞれの国にまた別のたいりくから来た人たちがたくさん住んでいるという構図です。 『地球にちりばめられて』の場合は、スカンジナビアと、かつて古代ローマ帝国に属していた部分、という二つの世界があって、その間を登場人物たちが行き来します。『星に仄めかされて』では移動は一回きりで、今はドイツの都市だけどもかつて古代ローマ帝国の重要な都市であったトリアーから、コペンハーゲンへの旅です。ナヌークの場合と、ノラ、アカッシュの場合で、移動のルートは違うのですが、いずれにしても巨大な暗い森のようなドイツという国を通っていかなければなりません。 昔のローマ人にとって現在ドイツのあるところは、恐ろしい森のなかにゲルマン人が隠れていて、いつ襲われるかわからないというイメージだったようです。でもそれがいつかドイツ・ロマン派の森になって、その森に入ることで自分の内部に分け入っていく、という意味合いが生まれるんですね。小澤:なるほど。今作での移動はなによりそのルートや手段の多様さに読みごたえがありました。コロナ禍であきらかになった、ヨーロッパの国々のズレというお話にひきつけると、本作では物語というツールをとおして、国籍や人種を超えた関係性が生まれています。例えば登場人物たちの造型には日本の神話的人物が透けてみえますが、HirokoとSusanooは、同じ国の出身かもしれないけれども、『古事記』でスサノオの兄弟であるツクヨミは、病院で皿洗いをしている青年ムンンにあてがわれています。 本作には北欧の神話への言及もありますが、さまざまな国や地域に伝わっている神話をごちゃ混ぜにしたるつぼのなかから物語を紡ぐということが、さまざまなズレや違いを内包しつつひとつになろうとするヨーロッパという先ほどのお話にも、また本作に通底する国という概念への疑義にもつながっていきます。多和田:日本という国がなぜか急に消えてしまったということになると、Hirokoはニイガタの人で、Susanooはフクイの人ということで、もう同郷人ではありません。 ユーゴスラビアとかソ連とか、今はもう存在しない国で生まれた知人たちが、出身国を聞かれた時に一瞬唾をのんで黙る。あの沈黙が気になっていたんです。アカッシュなどは、南アジア出身、インド出身、マラーティー語の話されている広大な地域出身、プネー出身、という風にいろいろな言い方のできる自分の出身のことなどたいして気にかけていません。 「インド人だからヨガができるはずだ」というステレオタイプにも柔軟かつ生産的に対応しています。あれだけ多様性に満ちたインドにさえナショナリズムを推し進める政治が生まれている今の世界情勢が一方にあるので、アカッシュにはがんばってほしいと思っています。 国という概念は、頭の中でつくられたり、勝手に壊れたり、フェイクとして又あらわれてきたりします。この小説の中でも、日本と思われる国が消滅してしまったからこそ、こういう国だよねという話だけがヨーロッパでひとり歩きして、逆に日本が以前よりはっきり感じられたり、ナヌークのように自分が日本人であるように振る舞って遊ぶ人がでてきたりします。 私はもちろん国という概念にこだわらずにものを考えることが何より大切だと思っていますが、でも実際に国も国という概念も必要なくなった世界というのは簡単には来ないと思うんです。 今だってウイルスへの対策は国単位で決定され実行されています。EU内部で政策を調整するのさえこんなに大変なのですから、世界が一つになるなんて夢の夢ですね。だからせめてとりあえず、その「国」と呼ばれる得体のしれない何かが、住人全員の意見からできていることが大切ですね。 それから、もちろん国と国の交流がすごく大切で、そのためには人と人とが顔を合わせる国際ワークショップとか国際学会などが必要で、ああ、やっぱり国境封鎖は困る。新型ウイルスさんには早く退場してほしいですね。小澤:今回の国境封鎖や、人種差別や他者恐怖といった排斥感情の深まりで、これまで私たちが積み上げてきたものが大きく後退し、足元から崩れていくような感覚もありました。マルクス・ガブリエルが、国家の単位などおかまいなしに、全民衆を平等に感染させるウイルスに対して、人類はどう立ち向かうのかと問題提起していましたが、統合と分断の二極化が進む現在の状況にあって、本作のなかで登場人物たちが緩やかな連帯を結んでいくさまが、私にはなによりも貴重なものに感じられました。 以前読んだ『文学界(2019年1月号)』4に「多和田葉子と温又柔との対談」が載っています。ところで、コロナ対応で自粛していましたが・・・今夜の夜行バスで四国南西部への里帰りを行う運びになりました。27日には帰ってきますが、この間はブログ更新はままならないことになります。
2021.11.22
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図書館に予約していた『君が異端だった頃』という本を、待つこと1週間でゲットしたのです。島田雅彦による自伝的青春私小説!ってか・・・面白そうである。【君が異端だった頃】島田雅彦著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より3月生まれの幼年期から、めくるめく修業時代を経て、鮮烈なデビューへー。戦後の文学を彩った、文豪たちとの愛憎劇と、妻がある身の最低男の、華麗なる遍歴と、不埒な煩悶と。最後の文士・島田雅彦による自伝的青春私小説!<読む前の大使寸評>島田雅彦による自伝的青春私小説!ってか・・・面白そうである。<図書館予約:(11/12予約、副本4、予約0)>rakuten君が異端だった頃「第1部 縄文時代」で著者の縄文的サバイバルを、見てみましょう。p15~18<滅亡に備えて> 君は四千年の年月を超えて、縄文人が残した痕跡と向き合うことになったが、森の中に分け入ったそもそもの動機は「心身の鍛錬」だった。何処ででも生きて行けるように自分を鍛え、来るべき危機の時代に備えるつもりだった。 縄文土器ブームが去り、君は五年生になったが、相変わらず野山の徘徊を続けていた。ちょうどその頃、グアム島で旧日本軍兵士が発見され、28年ぶりに帰還するという出来事があった。「恥ずかしながら生きて帰ってまいりました」といった男はジャングルに掘った穴に籠り、人目につかないよう自給自足のサバイバル生活を続けていた。 水筒を改造してフライパンにしたり、パゴの木から繊維を取って布を織り、服に仕立てたり、ヤシの繊維で草履やロープを編んだりして、それこそ縄文人のように暮らしていた。君はその創意工夫に満ちた生活術をテレビで見て、自分もその真似をしたいといい出すと、父は家出直後、東京で野宿を余儀なくされていた頃のことを思い出し、「夜露を浴びるのはしのびないから」とテントを買ってくれた。 そのプレゼントは完璧に息子のニーズに合っていて、ローラースケートや人生ゲームや野球のグラブをもらった時より数倍嬉しかった。君は早速、裏山にテントを張り、一晩過ごしてみた。夜9時までは弟も一緒だったが、「やっぱり蒲団がいい」といって、子ども部屋に戻った。 後に『ノストラダムスの大予言』が世間を騒がすことになり、大抵の小中学生がナイーブにそれを信じ、自分は40歳まで生きられないという諦念を育んだものだが、君はサバイバルの素養があるので、自分だけは滅亡を免れることができると思っていた。とはいえ、大震災も空襲も火山の噴火も津波も経験したことのない君は、滅亡とは何がどうなることか具体的なイメージを結べず、ただ漠然と、縄文人の暮らしに戻ることだと考えていた。文明の発祥地が森ならば、文明の滅亡後に向かう先も森である。 森に落ちているのはクリやドングリや土器ばかりではない。君は6年生になっても野山の徘徊を続けていたが、それは森が絶えず君の好奇心と冒険心を満たしてくれるからだった。森は我が家の裏庭にぽっかりと開いた別世界だったが、森の中にも別世界への入口があった。 君は土器やけもの穴を通じて、古代につながる入口を発見したが、別の少年は昆虫や草花を通じて、別世界に導かれただろう。多摩丘陵を徘徊していると、突然、目の前に神社や遊園地が出現したりもする。丘陵の斜面全体にジェットコースターのコースや水族館やゴーカートコースやモノレールの軌道を配置した遊園地は、君がこの町に移住して来た頃に開業していた。 君は時々、この遊園地に遊びに来たが、入園料を払って正面ゲートから入ることは滅多になかった。遊園地の敷地はフェンスで囲まれていたが、君が徘徊する森と地続きで、金網の破れたところが三ヵ所あり、こちらの無料ゲートから入場できるのは徘徊者の役得だった。 戦時中は都心を空襲するB29を照射するサーチライトが多摩丘陵の一画に設置されていたらしいが、戦後、丘陵の上空は米軍の領空になり、横田基地と厚木基地のあいだを軍用プロペラ機やヘリコプターが我が物顔で飛び交っていた。君はしばしば竹筒をバズーカ砲のように構え、その迷惑な飛行物体に照準を合わせ、撃墜する儀式を行った。<竹藪ハーレム> 君は森に自分の喜怒哀楽を捨てにも来ていた。森に通う者の心にはわだかまりがあり、それは町では晴らしようもない。森は安易に人の要求を叶えてはくれないが、恨みや悲しみを忘れさせ、何事もなるようにしかならないというあきらめの境地に導いてくれる。何かが足りないと感じたら、それは森が足りない時である。谷間を通り抜ける風には草木から漂い出した精気が含まれていて、それを吸い込むと、君の中の邪気は振り払われ、清涼な気分が満ちてくる。森の中にはとりわけ精気が強く流れる場所があり、そこは大抵、風通しがよく、見晴らしもいい。森はそのような浄化の場ゆえ、そこにやってくるのは穢れた人や弱った人が多かった。
2021.11.22
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図書館で『平成ネット史』という本を、手にしたのです。スマホやラインが嫌いな大使でもブログという手段でネットにつながっているわけで・・・ネット社会は今後どうなるのか気になるのです。【平成ネット史】NHK『平成ネット史(仮)』取材班編、幻冬舎、2021年刊<出版社>より2019年1月に放送され、トレンド1位となった特別番組「平成ネット史(仮)」を待望の書籍化。平成がいかにインターネットと進化してきたか、堀江貴文、宇野常寛らの論客が語る。また、ニコニコ動画、iモード、mixi、LINEの創始者などの開発秘話も。番組では取り上げられなかった取材成果も多数盛り込んだ、インターネット史決定版!<読む前の大使寸評>スマホやラインが嫌いな大使でもブログという手段でネットにつながっているわけで・・・ネット社会は今後どうなるのか気になるのです。rakuten平成ネット史「Chapter7 炎上とフェイクの時代」でツイッターの変化を、見てみましょう。p183~186<ツイッターの使われ方の変化> それまでは、ツイッターもようするに「遊び」というか、「暇つぶし」をするためのコミュニケーションツールでした。たわいもないツイートでつながるという、暇つぶしの道具だった。それが震災によって、「個人が多くの人にリアルタイムで情報を届けることができるツール」だと気づいたのです。 実はツイッターはすごく不安定なサービスでした。平成22年(2010年)くらいまでは。人が増えるとやたらんい落ちる。不安定で接続できなかったり、メンテナンス中の「クジラのマーク」が出ることも多かったわけです。 ただ東日本大震災のときは、ほとんど落ちていない。これは「大変なことが日本で起きているから、日本のサーバーを増強して落ちないようにしよう」とツイッター社が判断してやっていたのです。東日本大震災で日本人がツイッターを活用し始めてことで、ツイッター社もその役割に気づいた。ただ友だちと交流するのではなくて、情報を通じて社会の公共的な役割を果たす。そういう役割に気づくきっかけでもあったのです。 ちょうどその頃から、ツイッター社も自分たちのことをSNSとは言っていません。「自分たちはSNSではなく、ニュースネットワークなんだ」と。「自分たちは、個人が発信できる世界最速の情報ニュースネットワークサービスなんだ」と、当時まだ経営陣にいたエヴァン・ウィリアムズという経営幹部が言っています。<個人の影響力が大きくなりすぎた> ツイッターは理想の世界を実現しつつあるのでしょうか? たとえば、政治を透明化できたのか。これまでより個人と政治家がつながることで、政局よりも政策ベースの政治が実現したのか。 もちろん、部分的には実現しつつあります。ただ一方で、デマの問題も起きている。沖縄県知事選でも、対立候補に対する怪文書並みのデマやフェイクニュースが相当な数流れました。むしろ、その対応に政治家が追われなければいけなくなったという状況もあるわけです。 それはひとえに、ツイッターに流れる情報の影響力が大きくなりすぎたことに起因します。若年層に対しては、ときにはテレビや新聞以上の影響力を持つ。若年層だけではなく、むしろ高齢者のほうがネットの情報を鵜呑みにすることもある。つまり、全世代的に影響が大きくなっているわけです。よって、政治と個人をつなげるポジティブな可能性以上に、ネガティブな可能性のほうが大きくなっている側面もあります。 ジャーナリズムもそうでしょう。ツイッターで情報発信することで、ジャーナリズムがどんどん良くなっていったのかといえば、実際にはフェイクニュースや炎上ばかりが目立つようになった。 新しい可能性や刺激を与えたけれど、完全にそれに振り回されている状況もあるツイッターがここまで影響力の大きい存在になるというのは、そういう世界を僕も10年前は夢見ていたわけで、良い部分・悪い部分双方ありますが、現在は悪い側面のほうが目立ちますね。『平成ネット史』1
2021.11.22
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図書館で『海を越える日本文学』という新書を、手にしたのです。著者は日本留学を経て、今では明治大学教授とのこと。中国人から見た日本文学という視点が興味深いのです。【海を越える日本文学】張競著、筑摩書房、2010年刊<「BOOK」データベース>より海外での村上春樹人気のなぜ?を皮切りに、海を越える/越えられない日本文学にまつわる翻訳事情を紹介。また、日本文学が東アジアで読まれることと、欧米で読まれることの、意味の違いについて論じる。<読む前の大使寸評>著者は日本留学を経て、今では明治大学教授とのこと。中国人から見た日本文学という視点が興味深いのです。rakuten海を越える日本文学アメリカでの村上春樹の人気を、見てみましょう。p55~58<アメリカのハルキ・ムラカミ> 東アジアだけでなく、ヨーロッパやアメリカでも村上春樹の人気は高いです。ただ、一口に「世界的な」人気とは言っても、国や地域にによって読まれる程度が違うし、何よりもブームの理由はそれぞれ同じではありません。 現代日本の作家がアメリカでなぜ読まれているかについて、作家のローランド・ケルツは興味深い分析を行いました。それによりますと、アメリカでは日本のマンガを読んで育った世代が現代日本文学の熱烈なファンになっているそうです。 彼らはマンガやアニメの延長として現代日本の小説を楽しんでおり、しかもエキゾティックな好奇心を持たないところに特徴があります。アメリカの読者は子供のころから日本のマンガやアニメなどに親しんできたから、日本のポップカルチャーや、現代日本の文学表象にあまり違和感を持ちません。 そのことを説明するために、ローランド・ケルツは詳細な考察を行いました。その論点をわかりやすく要約すると、おおよそ次のようになります。 そもそも日本のアニメはディズニーの作品など、アメリカのアニメから大きな影響を受けています。そのため、日本のアニメ文化は親近性を持っています。アメリカの子供たちが日本のアニメに夢中になったのは、両者のあいだに類似点があるからです。つまり、強化の喪失が日本のポップカルチャーを受容する下地を作りました。 もちろん、いくらアメリカの影響を受けたとはいえ、日本で作られたマンガやアニメはアメリカのものとは違います。まさにその差異こそは日本のマンガやアニメの魅力だとローランド・ケルツは言います。日本文化がクールに見えるのは、そうした「類似」と「相違」が微妙に作用した結果です。 (中略) 日本的な特徴があまり目立たないことが、村上春樹の受容にプラスに作用した点においてはアメリカも同じです。アメリカの小説家リチャード・パワーズは村上春樹のことを「グローバルな小説家」と呼び、村上春樹の物語は「古い国家が消えていくなかで新しい世界主義を生きることにめざましい心地よさを見出しています」と言っています。 ややむずかしい表現ですが、村上春樹の作品が国境を越えて共感を呼び起こすということは確かです。パワーズの「村上文学は、いつの時代、いつの国でも叡智ある人がつねに唱えてきたことを唱えています」という言葉も作家としての感想をよくあらわしています。これは村上春樹の文学の本質をとらえているというより、作品がそのような印象を与える、というべきでしょう。実際、異なる文化背景を持つ海外の読者たちが村上の世界に魅了されたのもそのためです。 村上春樹はアメリカ文学に通暁しているだけでなく、みずからアメリカの小説を翻訳しています。現代日本の小説家には、日本の小説よりも欧米の小説を多く読んでいる人が少なくありません。とはいえ、村上春樹ほど現代アメリカ文学から多大な影響を受けた作家はやはり珍しいでしょう。 じっさい、アメリカの作家レイモンド・カーヴァーやスコット・フィッツジェラルドなどとの関係について、作家自身も証言しています。村上春樹の小説に接して、アメリカ人の読者は異文化の壁を感じるどころか、親しみやすく感じたのはそのためでしょう。
2021.11.21
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今回借りた4冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「冒険」でしょうか♪<市立図書館>・君が異端だった頃・生命海流・海を越える日本文学・シルクロード 1万5000キロを往く<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【君が異端だった頃】島田雅彦著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より3月生まれの幼年期から、めくるめく修業時代を経て、鮮烈なデビューへー。戦後の文学を彩った、文豪たちとの愛憎劇と、妻がある身の最低男の、華麗なる遍歴と、不埒な煩悶と。最後の文士・島田雅彦による自伝的青春私小説!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/12予約、副本4、予約0)>rakuten君が異端だった頃【生命海流】福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>rakuten生命海流【海を越える日本文学】張競著、筑摩書房、2010年刊<「BOOK」データベース>より海外での村上春樹人気のなぜ?を皮切りに、海を越える/越えられない日本文学にまつわる翻訳事情を紹介。また、日本文学が東アジアで読まれることと、欧米で読まれることの、意味の違いについて論じる。<読む前の大使寸評>著者は日本留学を経て、今では明治大学教授とのこと。中国人から見た日本文学という視点が興味深いのです。rakuten海を越える日本文学【シルクロード 1万5000キロを往く】今村遼平, 中家惠二編著、古今書院、2021年刊<出版社>よりタクラマカン沙漠の南北を通る中国シルクロードの3つのルートおよび河西回廊(西安?敦煌)の旅行記。地形・地質の専門家が中心だけに,一般の観光ツアーでは訪れない珍しい風景を求めて南へ北へ。上巻には,タクラマカン沙漠の北縁に沿って西へパキスタン国境に至る「天山南路」の旅(2011年)および,天山山脈の北側,ジュンガル盆地を横断する「天山北路」の旅(2014年)を収録。どこまでも続く沙漠,氷河,大草原,そして五色に輝くヤルダン地形に言葉を失う。新疆ウイグル自治区に暮らす人々との交流も楽しい。中国の厄介なトイレ事情も。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、地形のカラー画像が多く、やや専門的な本であるが・・・面白そうである。rakutenシルクロード 1万5000キロを往く************************************************************図書館大好き519
2021.11.21
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在175位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在24位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在122位・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在40位・ブリーディング・エッジ(8/22予約、副本2、予約9)現在1位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在206位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在24位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在194位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在15位・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、副本1、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・「諸星大二郎の世界」・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・猫が30歳まで生きる日:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・片岡義男『言葉の人生』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:10/01以降> ・『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(5/30予約、10/01受取)・ヘミングウェイで学ぶ英文法(10/11予約、10/17受取)・多和田葉子の〈演劇〉を読む(8/31予約、10/17受取)・日本文学100年の名作:10巻「バタフライ和文タイプ事務所」(10/17予約、10/21受取)・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【ブリーディング・エッジ】トマス・ピンチョン著、新潮社、2021年刊<出版社>よりITバブルは弾けたが新世紀の余韻さめやらぬニューヨークで、子育てに奮闘する元不正検査士の女性。知人の仕事を手伝い覗いたネットの深部で見つけたのは、不穏なテロの予兆だった。NYの、そして世界の運命は肝っ玉母さんの手に――オタク的こだわりと陰謀論にあふれる、謎に満ちたアメリカ文学の巨人が放つビッグバン。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/22予約、副本2、予約9)>shinchoshaブリーディング・エッジ【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【さえずり言語起源論】岡ノ谷一夫著、岩波書店、2010年刊<「BOOK」データベース>よりジュウシマツの歌には「文法」があるーこれが転機をもたらす大発見だった。進化的な起源の異なる小鳥の歌が、言語進化の謎に迫るカギとなるのはなぜなのか。初版刊行から7年半、性淘汰起源説に相互分節化仮説が加わった。「言語の起源は求愛の歌だった」とする進化のシナリオを、苦労と喜びと興奮が満載の研究者人生とともに描く。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/20予約、副本1、予約0)>rakutenさえずり言語起源論【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2021.11.21
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『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』という雑誌が最寄の本屋で売り切れだったので、三宮に出かけた際に購入したのです。買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「私的読書案内 51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。【村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)】雑誌、マガジンハウス、2021年刊<商品説明>より1979年に『風の歌を聴け』でデビュー後、文芸の本流を担ってきた村上春樹。同時代を生きるブルータスが、ついにこの稀代の作家に向き合います。村上春樹と読み、村上春樹を読む。村上さんが手放せない51冊の本について28ページにわたって書き下ろし。著作から時代を読み解く年表や、早稲田大学<村上春樹ライブラリー>案内も。【目次】より・村上春樹の私的読書案内。51 BOOK GUIDE ・特集「ドイツの『いま』を誰も知らない!」・年表で探る。文芸・社会学・カルチャーで振り返る、村上春樹の時代。・翻訳家として何がすごいのか?<読む前の大使寸評>買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。rakuten村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)翻訳家としての村上春樹が語られていいるので、見てみましょう。(対談者:辛島デイヴィッド×小野正嗣)p91~93<翻訳家として何がすごいのか?(続き)>■精読に精読を重ねて最適な言葉を選びとる。辛島:日本語としての滑らかさに関して、僕は一人称の訳し分けが達者だなあと思います。ここではチーヴァーの短編『再会』から例を挙げました。カーヴァー作品などでも“僕” “俺” “私”といった一人称の揺らぎは頻出します。小野:つまり翻訳した先の日本語のリアリティに寄せているんですね。僕らも普段、それがフォーマルな場か、カジュアルな場かといったTPOに合わせてほとんど無意識に一人称を変えるわけだから。辛島:村上訳はその精度が高い。微妙な差をすくい取って訳し分けていると感じます。もう1ヵ所挙げたカーヴァー『風呂』は、できれば音読してみてほしいです。 日本語は主語を省いても成立する言語ですが、この部分を“The birth-day boy”という主語を「誕生日を迎えた子供」という、英語の語感より長く、耳につく単語に訳し出したうえで、あえて省かず残している。それによって日本語がリズムを持って立ち上がり、シーン全体がより印象深いものになっています。小野:精読を重ねて最適な日本語を導き出しているんですね。村上さんの翻訳の多くを、翻訳者でアメリカ文学者の柴田元幸先生がチェックしているのはファンならよく知っていること。 柴田先生には僕も昔からお世話になっていますが、翻訳とはどのような行為なのかについて、こんなふうに話しているのを聞いたことがあります。「自分だけが踏み台の上に乗っていて、壁の向こう側の庭で起きている面白いことが見えている状態で、そこで何が起きているのかを壁の手前側にいる友達に実況中継してあげること」であると。村上さんは、その “実況中継”がとても上手。実際にその場に身を置いて描写している感じです。 音が聞こえ、匂いまで漂ってくる、そんな訳文が多いですね。それは一つには、豊富な語彙力と卓越した描写力があるということだと思います。自身の書き手としての優れた力が翻訳でも生きている。辛島:言葉の引き出しがとてつもなく多いのでしょうね。そういう語彙力と描写力を示す一つの例として、僕は『グレート・ギャッピー』から例を挙げました。フィッツジェラルドの原文ももちろん美しいですが、訳文もそれを損なうことなく写し取っている。会話体より地の文に力が発揮されることが多い気がします。小野:(中略)それから“ritually humble”の「表向き謙遜」という訳は、なにげないけど、僕には出てこない言葉遊びです。どれも原文と比較しながら訳文を読むと「ああなるほど!」とは思うものの、もし自分で訳したら絶対に思いつけない(笑)。Q:翻訳作品が村上さんの小説に生きている、あるいはその逆はあると思いますか?辛島:うーん、何かしらはあると思います。なんせ翻訳作業は高校生のときから好きでやっていたと言っているくらいだし、『騎士団長殺し』は『グレート・ギャッピー』へのオマージュだったりするし。小野:翻訳を通じて小説を学んだ感じはあるんじゃないかなあ。小説家としてデビュー時にもアメリカ現代文学の影響は指摘されましたし。ただしさすがだなと思うのが、好きな作家のように書いてみようと思ったところで、普通はそううまくはいかないことです(笑)。■“村上さんの訳”が読めるのは日本語で読むことの特権。辛島:あとは、小野さんと二人で「やれやれ」という訳語を拾ってみたのですが(point5)、想像以上に意味のレンジが広かった。小野:引き出しという点では「やれやれ」の引き出しだけ異様に大きい(笑)。小説の「やれやれ」を知る手がかりにもなるのかもしれない。<point5>【原文】“My God, I believe the man's coming,”said Tom.【村上訳】「やれやれ、あいつほんとうに来るみたいだな」とトムは言った。***********************************************************【原文】Someone yelled, “Bingo!”“Christ,”James Packer said.【村上訳】誰かが叫んだ、「ビンゴ!」「やれやれ」とジェームズ・パッカーは言った。『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』4:51冊からマンガに関する2冊『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』3:村上さんの書棚『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』2:冒頭のインタビュー『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』1:辛島デイヴィッド×小野正嗣による対談
2021.11.20
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図書館で『平成ネット史』という本を、手にしたのです。スマホやラインが嫌いな大使でもブログという手段でネットにつながっているわけで・・・ネット社会は今後どうなるのか気になるのです。【平成ネット史】NHK『平成ネット史(仮)』取材班編、幻冬舎、2021年刊<出版社>より2019年1月に放送され、トレンド1位となった特別番組「平成ネット史(仮)」を待望の書籍化。平成がいかにインターネットと進化してきたか、堀江貴文、宇野常寛らの論客が語る。また、ニコニコ動画、iモード、mixi、LINEの創始者などの開発秘話も。番組では取り上げられなかった取材成果も多数盛り込んだ、インターネット史決定版!<読む前の大使寸評>スマホやラインが嫌いな大使でもブログという手段でネットにつながっているわけで・・・ネット社会は今後どうなるのか気になるのです。rakuten平成ネット史「Chapter7 炎上とフェイクの時代」でSNSの負の面を、見てみましょう。p171~175<⑬ SNSがもたらした「闇」> もはや、ネットのない時代には戻れなくなった日本。その裏では、さまざまな問題も起こっています。 SNSへの写真の投稿が増える中、アルバイト先の洗浄機や冷凍庫の中に寝そべるなど、非常識な写真を投稿して炎上。いわゆる「バカッター」です。こうした非常識行為だけでなく、ちょっとしたつぶやきが炎上のターゲットに。一般人だけでなく、有名人も謝罪に追い込まれたり、SNSを閉鎖したりする時代に。 また、SNSで「ずっとつながる」ことに、疲れやストレスを感じる人も増えています。友だちのリア充な投稿を見て、自分自身と比較。うらやましい気持から、うつ状態になってしまうこともあります。 さらに、近年問題になっているのが、SNS上に蔓延するニセの情報。いわゆる「フェイクニュース」です。 平成28年(2016年)に発生した熊本地震の直後には、「近くの動物園からライオン放たれた」というデマツイートが拡散。被災地を混乱させました。 誰もが情報発信できるようになったことで、何か本当の情報かわからない。そんな状況が発生しているのです。 熊本地震と同じ平成28年(2016年)、アメリカ大統領選挙でも、特定の候補者の有利になるようなさまざまなフェイクニュースが横行。この裏には、フェイクニュースで広告収入を得て、生活をしている人がいたといわれています。 マサチューセッツ工科大学の研究によれば、「ウソの拡散力は事実の100倍」であるというデータもあります。刺激的な情報を人に教えたくてつい拡散してしまうのです。 最近ではフェイクニュースの技術もさらに進化、合成写真にとどまらず、本物と見分けがつかないほど精巧な「フェイク動画」まで作られる時代になっています。■ツイッターが殺伐としている。真鍋:ツイッターって、いやぁ、便利ではあるんですけど、でもやっぱり、ここ数年ツイッターの中が本当に殺伐としてきたなという印象があって、最初は発言がメディアに取り上げられたりすることもなくて気軽に描いていたんですけど、途中からツイッターで書いたことがネットニュースに上がるようになったりして。 たぶんここ4、5年ぐらいで、ツイッターの質が変わってきて、やりづらくなったなっていうのは思います。ヒャダイン:ツイッターってリプライ使えば、すぐに相手に意見を飛ばせるじゃないですか。それによって、いままでだったら「視聴者とタレント」とか「ミュージシャンとお客さん」みたいな感じで距離があったのに、ホットラインができたと勘違いして、自分がすごい発言力がある一市民なんじゃないかと思うような人が出てきて、それが「怖ぇな」って思うときがありますね。宇野:インターネットが証明したことって、結構残酷な真実があると思うんですよ。 それは、インターネットが誰もに発信の権利を与えても、「発信に値する中身」を持っている人って、ほんの一握りしかいないということ。 そんな中、「いま、こいつには石を投げてOK」というサインが出ている人間に石を投げたり、人をいじめたり、自分にとって都合のいい情報を拡散したりする。これってものすごくハードルの低いことで、発信に値するものを何も持ってない人にとっての自己実現なんですよね。その悪魔の誘惑を与えてしまった面があると思うんですよ。
2021.11.20
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図書館に予約していた『武器としての「資本論」』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。格差を助長するような新自由主義の吹き荒れる日本経済を読み解くには、恰好の理論ではないかと思うのです。(みんな自公の長期政権が招いたことであるが)【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>格差を助長するような新自由主義の吹き荒れる日本経済を読み解くには、恰好の理論ではないかと思うのです。(みんな自公の長期政権が招いたことであるが)<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」明治維新後の経済政策に触れているあたりを、見てみましょう。今ちょうどNHK「青天を衝け」で放映しているところですね。p188~191<日本における本源的蓄積> 前講では、本源的蓄積の基本的な機能を『資本論』に即して見ました。『資本論』はイギリスにおける資本主義の歴史を素材としていますが、決してイギリスにかぎったことではなく、同じ道はどの国・地域であれ、資本主義社会になるためには必ず通過するプロセスであるわけです。 ですから、日本にも本源的蓄積の時代があったはずだと想定されるわけです。教科書的にはそれは、明治時代前半のいわゆる「松方デフレ」の時代だとされます。松方とは政治家、松方正義のことです。九州・鹿児島の出身で、明治政府きっての経済通でした。 1881年から85年にかけて、松方正義は大蔵卿に就任し、意図的なデフレ政策を実施。世上、これが松方デフレと称されます。明治維新が68年ですから、その13年後のことであり、この時期が日本における本源的蓄積の時代と言われています。 当時の世相はどんなものだったのでしょうか。 松方デフレの直前には、西南戦争が起きています。西南戦争の原因は直接的には秩禄処分とされます。これは名実ともに武士階級を廃止するための政策でした。 明治政府は幕藩体制をやめて新しい中央集権制度を作り、身分解放を行って、廃刀令で刀を持ち歩くことを禁じた。「もう侍の時代ではなくなったのだから、そういう物騒なものを持ち歩くのはやめなさい」ということですね。旧武士にとってはプライドを傷つけられる命令でした。ただそれだけでは反乱にまでは至りません。反乱というものは、必ず一方で経済問題と結びついています。 幕藩体制における武士は、事実上は公務員でした。藩士は藩から、直参の場合は幕府から、俸禄という名の給与を与えられていた。それは武士の特権であったわけですが、明治政府は、明治維新と同時にその特権を全廃することはできず、代わりに秩禄というものを与えることにしました。これは発足したばかりの明治政府の財政を圧迫します。政府としては当然ながら、そんなものは早くやめたいわけです。 かつての武士は公務員であり、公務に従事することへの報酬として、石高に基づく禄を与えるのは筋が通ったでしょう。しかし明治維新後、すべての旧武士が政府に出仕して、政府のために働いているわけではない。なのになぜカネを配らなければいけないのか。 そういう事情なので、さっさと廃止したかった。そこで政府は一種の一括払いのようなことをやって、「もうこれっきりということにしてくれ」と、秩禄廃止の方向へもっていきます。これに旧武士階級が激怒して、各地で反乱を起こしたのです。その最大のものが西南戦争でした。 西南戦争は新政府にとって大きな試練でした。その戦費を賄うために、当時の明治政府はお札を刷りまくったのですね。このお札はただ輪転機を回しただけの、なんら金銀の裏づけがない不換紙幣でした。それを乱発したため、西南戦争が終わった時点で、悪性のインフレーションが起きてしまいます。 当時、大隈重信が大蔵卿、今で言うところの財務相を務めていました。しかし大隈重信はインフレの収拾に失敗、明治14年の政変で下野し、その後任に松方正義が就きます。そして、松方は前任者とは正反対の財政政策を打ち出します。 大隈はインフレを容認し、外債を発行して、外国から借金をしてしのごうとしたのですが、松方はそれをやってもダメだと考えます。代わりに増税と歳出抑制を組み合わせた均衡予算を組んで、意図的な緊縮財政を行い、経済を冷え込ませました。さらにインフレで市場に出すぎたいた紙幣を政府が回収し、燃やして捨てていきます。 これと並行して日本銀行条例を公布して日本銀行を設立、1885年に銀本位制が確立されることになります。つまり、貴金属の裏づけのある紙幣を発行できるようになったわけです。同時に官営模範工場の民間資本への払い下げも行っています。 これら一連の政策が、後世から見て日本資本主義の基礎を据えた一大事業だったとされているわけです。 そこだけを見ると「これで日本の近代的経済の礎ができたのか。松方はすごい」ということになるのですが、しかしそれは光の部分であって、これらの政策は同時に闇の部分を持っていました。なぜなら、これこそがまさに本源的蓄積の過程だからです。 このデフレーションの効果は農村部に及びました。農村で貨幣を獲得する主な手段となっていた生糸や繭、米などの農産物の価格が下落し、窮乏した農民は土地を売って、自作農から小作農へと転落していったのです。広大な土地が地主に集中し、彼らはやがて資本家となっていきます。『武器としての「資本論」』1
2021.11.20
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図書館に予約していた『武器としての「資本論」』という本を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。格差を助長するような新自由主義の吹き荒れる日本経済を読み解くには、恰好の理論ではないかと思うのです。(みんな自公の長期政権が招いたことであるが)【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>格差を助長するような新自由主義の吹き荒れる日本経済を読み解くには、恰好の理論ではないかと思うのです。(みんな自公の長期政権が招いたことであるが)<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」フォーディズム(フォード社による生産システム)の行き詰まりに触れているあたりを、見てみましょう。p157~159<ポスト・フォーディズムという悪夢> フォーディズム的な資本主義社会では、労働者にもそれなりの分配がなされ、同時に雇用のスタイルも安定していました。日雇いは「今日は働けても、明日は仕事があるかわからない」という不安定な労働形態ですが、フォーディズムの特徴は、労働者をそのような浮遊状態から脱させて落ち着かせたことです。「そうすることが消費の拡大にも、生産性の向上にも寄与する」という理由で、労働者の地位を安定させたのです。 一度そうなると、これは労働者が獲得した権益となって、資本家も簡単には労働者を解雇できなくなっていきます。政府も労働者が失業したら失業手当を出さなければいけなくなりました。 この資本制社会の新しい形は、一時はうまく機能しているように見えました。しかしやがて、資本家が満足するだけの剰余価値を生み出さなくなってしまった。 そこで新自由主義が目指したのが、過去に与えた労働者の既得権益のはく奪です。さまざまな規制緩和などを通じて労働者の権益を取り上げ、労働分配率を下げることで、新たな剰余価値を生み出そうとしたのです。かくして労働者がフォーディズム的な資本蓄積の時代において享受してきた生活様式は、新自由主義の時代に入って次々と打ち壊されていきます。 それによって現れたのは、ポーランド出身の社会学者ジークムント・バウマンが言うところの、「リキッド(液状の)モダニティ」です。すべてが流動化したのだ、ということをこの概念は言おうとしています。労働者に求められる能力、雇用形態等々が短期間に変化し、安定しない。日本における雇用の脱正規化はまさにその典型です。 同じ表現を使うなら、フォーディズムの時代はいわば「ソリッド(固体)モダニティ」でした。ただし、資本主義の時代はそもそも常ならざる変転の時代であり、剰余価値の生産のために次々と、生産方法等の革新がなされてきた。同じ状態にとどまるものが何一つないことは、資本制社会の本質に属するわけですが、フォーディズムはそのような変転にある一定の枠を与え、固定化したと言えます。 これは経済発展の原動力となった主力商品の性格から、そうならざるを得なかった面があります。フォーディズムにおいて発展のキーとなった商品は、フォードに代表される自動車であり、家電製品であり、耐久消費財であり、住宅です。産業としては製造業が中心でした。そしてこの時代に初めて労働者階級が家を所有することが一般的になってきます。 ここで挙げたような商品は生産工程が複雑で、大規模な工場を建てて生産するしかありません。「これは流行らなくなったからもう作るのをやめよう」とか、「作る途中だけど変更しよう」などとそう簡単にはできない。だから、すべてをある程度、安定させる必要があった。そのためにモダニティもそれなりの固形性を持っていたわけです。 しかし、耐久消費財を中心として資本主義が伸びていく時代は、ほどなく終わります。そしてモダニティの固形性に依拠し、労働者の既得権益になっていた安定性も突き崩されていきます。現在進行しているのは、社会が液状化し、人々が寄る辺なき「はじまりの労働者」に戻されていく過程にほかなりません。 ここ30年ほどのポスト・フォーディズムの経験は何だったのか。 その一つは、「相対的剰余価値の生産を追及していけば、資本主義はさらに発展していくし、また社会の安定性、健全性も保てる」という考え方が、「無効である」と証明されたことでしょう。
2021.11.19
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『星の王子さまのはるかな旅』(復刻)図書館で『星の王子さまのはるかな旅』という本を、手にしたのです。ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。【星の王子さまのはるかな旅】山崎庸一郎監修、求龍堂、1995年刊<「BOOK」データベース>より物語の忘れられない場面の数々に、作家であり飛行家だった著者サン=テグジュペリの、ロマンに満ちた感動的な生涯を重ねあわせながら、『星の王子さま』の世界を旅する一冊。フランスとモロッコに取材した撮り下ろしの写真と、魅力的な執筆陣により、読者の〈夢〉を裏切らない美しいヴィジュアル・ブックが完成した。 <読む前の大使寸評>ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。amazon星の王子さまのはるかな旅序章「星の王子さまへのオマージュ」を見てみましょう。p9~12<星の王子さまへのオマージュ:池澤夏樹> まず、簡単な疑問からはじめよう。『星の王子さま』は本当に子供の本だろうか? 作者のサン=テグジュペリがこの本を子供の読者のために書いたことはまちがいない。語り手であるパイロットが登場してウワバミに呑まれたゾウの絵をはじめる前に、この本をレオン・ウェルトにささげるという言葉があり、その後には、献辞の相手が子供ではなく友人とはいえ一人の大人であるわけを子供たちに説明する文章が続いている。 本当は子供たちの本なんだけれど、いろいろ事情があってこういうことになったと言った上で、献辞は「子どもだったころのレオン・ウェルトに」と書き改められる。あくまでも子供の本、大人は入ってはいけませんと言わんばかり。 しかし、この本はずいぶんむずかしいのだ。これは、むずかしいから子供にはわからないという意味ではない。この本の中には子供にわからない言葉、子供が知るべきでない話は何一つない。 だが、これは退屈な子供が夢中になって読んで、わかったと思って、そのまま忘れるような本でないことはまちがいない。読み捨てるわけにはいかない本。これを読んだ子供は何度となくこの本へ帰ってくる。それを繰り返すうちに少しずつ大人になってゆく。(中略) こうして、星から星への旅をつづけてきた王子さまは地球に降りたつ。その場所は砂漠、サン=テグジュペリが最もよく知っている地形である。彼は一度アジアへの長距離飛行の途中、リビア砂漠に墜落した体験がある。その時のことがそのまま王子さまとの出会いの場面に使われている。そう、彼ら二人は共にこの砂ばかりの地へ「天から」来たのである。 この本の中の地球はどこかおかしい。だいたい人がほとんど出てこない。王子さまが降りたところが砂漠だった以上、ヘビが言うように「砂漠にゃあ、だあれもいない」のは当然だろう。その後で彼が会った花は、人間は6、7人はいるだろうと言う。「かれこれ20億人の大人」が住んでいるはずの地球なのに、寂しいかぎりだ。 そして、この印象は最後まで変わらない。王子さまは1年の間この大きな星に滞在したけれども、その途中で人がたくさん住んでいる地域で暮らした形跡はまったくない。サン=テグジュペリは都会が好きでなかった。がらんとした何もない地形の上を飛びつづけた飛行士が都会に帰ってきた時の雑踏の中の寂寥感を、彼は『南方郵便機』に書いている。『星の王子さまのはるかな旅』3:星の王子さまへのオマージュ『星の王子さまのはるかな旅』2:砂漠の王さま『星の王子さまのはるかな旅』1:星の王子さまが生れたところ
2021.11.19
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図書館で横尾忠則著『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』という本を、手にしたのです。1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。【本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた】横尾忠則著、光文社、2017年刊<「BOOK」データベース>より2009~2017年「朝日新聞」書評欄。仕事と人生のヒントが詰まった133冊。<読む前の大使寸評>1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。amazon本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた戦争画が語られているので、見てみましょう。p280~282<『絵筆のナショナリズム』:芝崎信三著、幻戯書房 戦争画を描いた画家は何人もいたが、本書で槍玉に挙げられるのはその代表格、藤田嗣治と横山大観だ。藤田の「国際派」に対して大観の「国粋派」。大同小異だが対比の分析が実に痛快(小同大異)。 藤田と大観だけでなくオレだった戦争画描いてるぞと言いたいが、残念ながら当局からの要請ではない(笑)。子供時代の戦争の死の妄想と記憶の恐怖を吐き出すためだ(私事)。藤田と言えば「乳白色の肌」で、エコール・ド・パリの寵児がよりによって「乳白色の肌」を描いた同じ筆で「アッツ島玉砕」の戦争画を描いたからサァ大変。 一方国粋主義者の横山大観は、民族精神を描く「彩管報国」の画家として日本画壇の頂点を極めた人。その彼の絵には戦闘風景は1枚もない。だけれど国家戦略の象徴に富士山を選んだ(頭いい)。そして「富士山」を売って戦闘機4機を国に贈った。 さてパリでの藤田の成功の反動は、西洋への媚や嫉妬となって日本に逆輸入(ああ怖)。祖国に対する憧憬とコンプレックスの藤田は国内の評価の回復を視野に入れて、帰国と同時に次なる手は愛国画家として再登場を計り、打って出た(私見)。 同じ日本人画家でも、アメリカに骨を埋める覚悟の国吉康雄とはエライ違う。日本を追われるようにパリに替える途中アメリカに立ち寄った藤田は国吉からも相手にされず、「寵児」を待つはずのパリでも冷水を浴びせられる。スイス・チューリヒで81歳で死去。 ともに「戦犯」の汚名を着せられながらも、藤田の低迷に比べて大観は日和見的政治手腕によりこの難関を突破、戦後再び画壇に返り咲き、「彩管報国」の富士山はそのまま日本美の象徴として新たな光彩を放ち始めた。日本を舞台に展開した2人の戦争画家の二つの人生だ。藤田がアメリカへ発つ日、しみじみ述懐。「画家は絵さえ描いていればいい」(涙)。『戦争画とニッポン』2に「アッツ島玉砕」が載っています。『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』3:『ジュール・ヴェルヌの世紀』『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』2:『マグリット辞典』『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』1:『ネコ学入門』(〇)
2021.11.19
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図書館で横尾忠則著『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』という本を、手にしたのです。1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。【本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた】横尾忠則著、光文社、2017年刊<「BOOK」データベース>より2009~2017年「朝日新聞」書評欄。仕事と人生のヒントが詰まった133冊。<読む前の大使寸評>1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。amazon本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできたジュール・ヴェルヌ本の挿絵を、見てみましょう。p193~195<『ジュール・ヴェルヌの世紀』:フィリップ・ド・ラ・コタルディエール著、東洋書林 ジュール・ヴェルヌ。その名を聞くだけで、ぼくは大いに熱狂したものだ。そんな熱狂をもたらした首謀者がいる。彼の著作の中の挿絵たちだ。 ある時、ポール・デルヴォーが描く裸女群像の中に場違いな奇妙な男がいた。この男こそ、『地球の中心への旅』の探検家オットー・リーデンブロックだった。ぼくの小説世界への先導者はこんな具合に、聖書に始まり、ダンテ、ワイルド、ポー、キャロルに至るまで、その多くは挿絵絡みだった。 本書にもヴェルヌの<脅威の世界>を俯瞰できる多数の挿絵が収録され、ちょっとしたヴェルヌ百科事典の様相を呈する。ただし、約5000点もあるという挿絵の大半は小説が未邦訳(残念!)のために見ることができない。ファンの熱狂が不発で終わるのはなんとも寂しいが。 ヴェルヌといえばSFの父と呼ばれ、その小説には19世紀の科学技術の進歩が徹底的に応用された。だが、われわれが誘導されるのは、ダ・ヴィンチ的ともいえる科学を水脈とする豊かな神話的世界にこそある。 そんな魅惑の王国『海底二万里』や『神秘の島』に登場するネモ船長は、今も潜水艦ノーチラス号を待機させているはずだ。ぼくもノーチラス号を包囲する海底の神秘的超絶美に圧倒されて、何度も自分の作品に「独立した人間」ネモ船長の透徹した視線を移植したものだ。 さらに、『海底』から『神秘』までネモ船長が反復される時、そこにもう一つ大きな物語が立ち上がってくる。この芸当を可能にするものこそ、文学の存在理由である。そこでわれわれは子供の眼と心と魂を獲得するのだ。「科学の世紀」から現代へ。「夢と影響を与えてくれた別格の文学作品」として、ビュトール、ロラン・バルト、ミシェル・セール、ル=クレジオらがヴェルヌへの感謝の証言をくり返している。というのも、ヴェルヌによって発掘された彼らの青春を自ら強く確認したからだろう。『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』2:『マグリット辞典』『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』1:『ネコ学入門』(〇)
2021.11.18
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図書館で『中国に吞み込まれていく韓国』という本を、手にしたのです。この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。【中国に吞み込まれていく韓国】山本晧一著、飛鳥新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より朝鮮族85万人が、韓国を根底から変える。中国系移民で多文化社会になった現地の内情を知りつくす専門家、今までにないインサイドレポート!【目次】米中対決の狭間で/チャイナゲート/韓国で暮らす朝鮮族/朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿/同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善/「外交惨事」を引き起こした韓中の厳しい現実/最前線であばれまわる中国人留学生たち/〓海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?/渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者/文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝/左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生/結局、韓国は米中のどちらにつくのか?<読む前の大使寸評>この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。rakuten中国に吞み込まれていく韓国文在寅大統領弾劾のあたりを、見てみましょう。p27~32<2 「ある朝鮮族の告白」> (文在寅大統領)弾劾反対を求める請願に、なぜこれほど早く大量の同意が集まったのか? この疑問に答えるかのように27日、「ある朝鮮族の告白」という匿名の文書がネットにアップされ、大きな注目を集めた。長文なので要点を整理して記す。「私は朝鮮族だ。しかし、朝鮮族コミュニティには属さず、私が朝鮮族だということは誰も知らない」 「朝鮮族はテレグラム、ツイッターを使い、韓国の世論を操作している。ネイバー(大手ポータル)の上位のコメントや、女性中心のカフェに上がってくるコメントはすべて操作されている」 「中国政府と韓国の「民主党」がこれを主導しており、彼らは何をしても捜査を受けることはない」「中国は米国に対抗するために、必ず勧告を属国にしなければならないと考えている。中国共産党政府は非常に賢い」 「国民が未開で煽動されやすく、朝鮮族のコメント部隊によって、こっちにどっと傾いたり、あっちにどっと傾いたりする。米国が防御しなければ、この国は終わりだ」 「経済で米国に対抗できない中国は、韓国を赤化させて米国に対抗しようとしており、文在寅はそれに乗った」 (中略) 果たして、これは事実なのか?ネチズン(韓国ネットユーザー)は検証を始めた。<3 中国人コメント部隊による世論操作> まずネチズンはネット上に罠を仕掛けて、朝鮮族ら中国人をあぶり出すことにした。 SNSに「文在寅弾劾に反対する請願です。みんな参加してください」とのコメントを書き、そのリンク先を「動態網」などの中国政府が監視している反中国共産党サイトにした。すると奇妙な現象が起きた。リンク先を見たらすぐに戻ってきて「私は個人です」という言葉を残して、そそくさと退散するケースが相次いだのです。 中国では「動態網」のようなサイトにはアクセスしただけでも処罰される恐れがあるという。「私は個人です」とは、要するに「組織的に反体制活動をしているメンバーではなく、一市民がうっかりアクセスしてしまっただけ」という意味なのだ。青瓦台の請願掲示板に飛ぶと思ってクリックしたら、反共産党サイトに入ってしまい、驚き慌てた中国籍の朝鮮族が書き残したのだろう、とネチズンは見ている。 ここから「チャイナゲート」という言葉が韓国のネットで使われるようになった。つまり、「米国や台湾などで議論を呼んでいる中国のインターネット世論操作は韓国でも行われているのではないか?」という疑惑だ。3月1日は1919年の三一運動の記念日で、いつもなら反日で盛り上がるのだが、ネイバーのリアルタイム検索語ランキングでは「チャイナゲート」が1位になった。 それとともに「青瓦台の請願サイトには大きな欠陥があるのでは?」という声も出てきた。国民請願は実名認証はなく、ネイバー、カカオトーク、ツイッター、ファイスブックなどのIDだけで誰でも参加できる。中央日報が実験してみたところ、仮想のIDで10件の請願を簡単に出すことができた。 『週刊朝鮮』はこの件について、識者の懸念を伝えている。 《システム上、外国人が何の制限もなく青瓦台の国民請願に参加できるのは事実だ。中国人のコメント工作が行われているなら、単なる世論操作を越え、深刻な主権侵害行為だ》ウーム 朝鮮族で構成された中国人コメント部隊ってか・・・韓国も迷惑をこうむっているようです。なお、この本も韓国あれこれ14に収めておくものとします。『中国に吞み込まれていく韓国』2:韓国は遠からず多文化社会になる『中国に吞み込まれていく韓国』1:中国で暮らす朝鮮族
2021.11.18
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図書館の本を手当たり次第に、借りている大使であるが・・・・なんか慌しいので、この際、積読状態の蔵書を再読しようと思い立ったのです。で、再読シリーズとして、以下のとおりボツボツ取り上げてみます。・#51:『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』・#50:『一夜漬け日本美術史』・#49:『ぼくの翻訳人生』・#48: 村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)・#47: 空想居酒屋・#46: 文芸春秋(2021年9月特別号)・#45: 文芸春秋(2021年8月号)・#44: ヤマザキマリ『たちどまって考える』・#43: 再読『マイ・ロスト・シティー』・#42:『小川洋子対話集』 ・#41: ミヒャエル・エンデ著『モモ』・#40: 日本人はなぜ存在するか・#39: 「空気」の研究・#38: 街場の大阪論・#37: 韓国 反日感情の正体・#36: トウ小平・#35: 日本語と韓国語・#34: ソウルの練習問題・#33: 『「日本」とは何か』日本の歴史00巻・#32:「王権誕生」日本の歴史第2巻・#31:新・韓国風土記(第一巻)・#30:グ印関西めぐり(濃口)・#29:リドリー・スコット:フィルムメーカーズ#16・#28:日韓 悲劇の探層・#27:日本人と韓国人なるほど辞典・#26:街場の文体論・#25:書いて稼ぐ技術・#24:「無法」中国との戦い方・#23:資本主義の終焉と歴史の危機・#22:村上春樹ロングインタビュー・#21:日本人はなぜ存在するか・#20:兼好法師『徒然草』 (100分 de 名著)・#19:世界マンガ体系・#18:南画と写生画・#17:ホンモノの日本語を話していますか?・#16:ストレスゼロの整理術・#15:里山資本主義<再読候補>・ノモンハン・播磨国風土記・情報の「捨て方」・老人力のふしぎ・夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです*********************************************************三宮の古書店の店頭で『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』という絵本を、手にしたのです。おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourous持ってけ泥棒価格の絵本 1*********************************************************<『一夜漬け日本美術史』>『一夜漬け日本美術史』という本が手元にあるのだが、たぶん娘が残した部屋の本棚にあった本と思われる。で、暇なのでこの本を再読しようと、思い立ったのです。【一夜漬け日本美術史:美術手帳(2009年6月号)】雑誌、美術出版社、2009年刊<商品情報>よりデカッ、かわいい~、切ない、エロい、グロい、あぶない…作品を「パッと見」て出てきた言葉から日本美術の真髄に迫る、画期的な美術史誕生! 日本美術史家・山下裕二センセイが、今大注目の日本美術の新しい見方を指南。日本美術の知識なんてなくていい! 厳めしい学術書とは真逆の、おいしいとこ取りで日本美術史を楽しく学ぶ、新感覚ガイドの登場!<読む前の大使寸評>『一夜漬け日本美術史』という本が手元にあるのだが、たぶん娘が残した部屋の本棚にあった本と思われる。で、暇なのでこの本を再読しようと、思い立ったのです。amazon一夜漬け日本美術史:美術手帳(2009年6月号)*********************************************************<『ぼくの翻訳人生』9>図書館の放出本コーナーで『ぼくの翻訳人生』という新書を、手にしたのです。巻末の著者来歴を見ると、東大仏文科卒で、共同通信社の記者、ワルシャワ大学の日本語学科講師などを経て翻訳家になったようです。とにかく、米国留学を中退し、ポーランド文学、ロシア文学を専攻するというヘソ曲がり具合が大使のツボを打つのです。先日、「翻訳は30年しかもたない」というヶ所を読んでよかったので、この本の再読を再開したところです。【ぼくの翻訳人生】工藤幸雄著、中央公論新社、2004年刊<「BOOK」データベースより>翻訳を手がけて半世紀。著者はポーランド語翻訳の第一人者であり、ロシア語、英語、仏語からも名訳を世に送り出してきた。満洲での外国語との出会い、占領下の民間検閲局やA級戦犯裁判での仕事、外信部記者時代の思い出。翻訳とは、落とし穴だらけの厄介な作業だという。本書は、言葉を偏愛する翻訳者の自分史であると同時に、ひとりの日本人の外国語体験の記録でもある。トリビア横溢の「うるさすぎる言葉談義」を付した。<読む前の大使寸評>巻末の著者来歴を見ると、東大仏文科卒で、共同通信社の記者、ワルシャワ大学の日本語学科講師などを経て翻訳家になったようです。とにかく、米国留学を中退し、ポーランド文学、ロシア文学を専攻するというヘソ曲がり具合が大使のツボを打つのです。rakutenぼくの翻訳人生*********************************************************<『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』4>『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』という雑誌が最寄の本屋で売り切れだったので、三宮に出かけた際に購入したのです。買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「私的読書案内 51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。【村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)】雑誌、マガジンハウス、2021年刊<商品説明>より1979年に『風の歌を聴け』でデビュー後、文芸の本流を担ってきた村上春樹。同時代を生きるブルータスが、ついにこの稀代の作家に向き合います。村上春樹と読み、村上春樹を読む。村上さんが手放せない51冊の本について28ページにわたって書き下ろし。著作から時代を読み解く年表や、早稲田大学<村上春樹ライブラリー>案内も。【目次】より・村上春樹の私的読書案内。51 BOOK GUIDE ・特集「ドイツの『いま』を誰も知らない!」・年表で探る。文芸・社会学・カルチャーで振り返る、村上春樹の時代。・翻訳家として何がすごいのか?<読む前の大使寸評>買った後で中を見たのだが「翻訳家として何がすごいのか?」とか「51 BOOK GUIDE」とか色んな切り口があって・・・楽しめそうでおます。rakuten村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』3:村上さんの書棚『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』2:冒頭のインタビュー『村上春樹(BRUTUS 21年10/15号)』1:辛島デイヴィッド×小野正嗣による対談*********************************************************<『空想居酒屋』>本屋の店頭で『空想居酒屋』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると、どこから読んでも面白そうなラインアップとなっているし、写真やレシピも充実しているし・・・なかなかの優れものでおます♪【空想居酒屋】島田雅彦著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりコロナ禍のもと、大手チェーンからデリバリー中心のゴーストレストランへ、飲食店のかたちが変わろうとしている。そんな中、国内外の居酒屋をハシゴして40年、包丁を握って35年の「文壇随一の酒呑み&料理人」が、自身の理想の居酒屋を開店した?芥川賞最多落選の芥川賞選考委員が放つ、ポスト・コロナの食をめぐる痛快エッセイ!レシピ&カラーページ付。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、どこから読んでも面白そうなラインアップとなっているし、写真やレシピも充実しているし・・・なかなかの優れものでおます♪rakuten空想居酒屋空想居酒屋4********************************************************* 以降は省略する(再読シリーズ(#47-48)参照)*********************************************************再読シリーズ(#1-4)再読シリーズ(#5-8)再読シリーズ(#9-11)再読シリーズ(#12-14)再読シリーズ(#15-17)再読シリーズ(#18-20)再読シリーズ(#21-23)再読シリーズ(#24-26)再読シリーズ(#27-29)再読シリーズ(#30-32)再読シリーズ(#33-34)再読シリーズ(#35-37)再読シリーズ(#38-40)再読シリーズ(#41-44)再読シリーズ(#45-46)再読シリーズ(#47-48)
2021.11.18
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パソコンを新調して以来、旧パソコンのデータが見えないので往生しているわけです。だけど、楽天ブログの記事はさかのぼれば復刻することができるので、『持ってけ泥棒価格の絵本』を復刻したのです。三宮の古書店の店頭で『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』という絵本を、手にしたのです。おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourousこの絵本の最終ページを、見てみましょう。p96 ≪Miss Bianca..., chuchote Bernard, vourez-vous m'epouser? -Oh! cher Bernard,j'avais tellement peur que vous ne me le demandiez jamas≫, repond-elle, au comble du bonheur. Et Bernard offle enfin le precieux bijoux a sa ravissante fiancee...持ってけ泥棒価格の絵本 1
2021.11.17
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サン=テグジュペリがいいというか・・・砂漠と飛行機という取り合わせが好きなわけです。「サン=テクジュペリ 伝説の愛」という本を図書館で借りたこの際、サン=テグジュペリについて、集めてみました。・ふらんす(2015年7月号)・ファンタジーの発想・星の王子さまのはるかな旅・サン=テグジュペリの世界・戦う操縦士・古今東西エンジン図鑑・星の王子さまへの旅・Le Petit Prince・砂漠で渇きを癒す井戸・サン=テクジュペリ 伝説の愛R6:『ふらんす(2015年7月号)』を追加図書館の雑誌類リサイクルフェアで『ふらんす(2015年7月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に「特集:日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」とあるので、チョイスしたのです。【ふらんす(2015年7月号)】雑誌、白水社、2015年刊<商品の説明>より★特集「日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」澤田直/野崎歓★「フランスと私」井田太郎★「仏検3級対策次の一歩を踏み出すために」久保田剛史★「Dessine-moi un mouton!」釣馨+Ghislain MOUTON★「原題バンド・デシネを巡る12章」原正人<読む前の大使寸評>表紙に「特集:日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」とあるので、チョイスしたのです。rakutenふらんす(2015年7月号)『ふらんす(2015年7月号)』<『ファンタジーの発想』5>図書館で『ファンタジーの発想』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると、取りあげた5つの物語が定番というか、太子好みの『星の王子さま』、『モモ』&『はてしない物語』、『銀河鉄道の夜』が載っているので、借りる決め手になったのでおます。【ファンタジーの発想】小原信著、新潮社、1987年刊<「BOOK」データベース>より本書に論じられる作品は周知の名作で、かつて読んだ人も多いだろう。しかし、ここに著者の導きによって、新たな視点を与えられると、作品のみならず、自分の生きている「現実」さえ異なって見えてくる。まさに「ファンタジーは自他のもつ世界を新しくひろげてくれる」のである。<読む前の大使寸評>取りあげた5つの物語が定番というか、太子好みの『星の王子さま』、『モモ』&『はてしない物語』、『銀河鉄道の夜』が載っているので、借りる決め手になったのでおます。amazonファンタジーの発想『ファンタジーの発想』3ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。【星の王子さまのはるかな旅】山崎庸一郎監修、求龍堂、1995年刊<「BOOK」データベース>より物語の忘れられない場面の数々に、作家であり飛行家だった著者サン=テグジュペリの、ロマンに満ちた感動的な生涯を重ねあわせながら、『星の王子さま』の世界を旅する一冊。フランスとモロッコに取材した撮り下ろしの写真と、魅力的な執筆陣により、読者の〈夢〉を裏切らない美しいヴィジュアル・ブックが完成した。 <読む前の大使寸評>ちょっと古い大型本であるが・・・美しいヴィジュアル版で、内容も充実しています。amazon星の王子さまのはるかな旅『星の王子さまのはるかな旅』2:『星の王子さまのはるかな旅』1:ずばり『サン=テグジュベリの世界』という本を借りたのだが・・・この本で砂漠に触れたあたりが、大使のツボを打つわけです。【サン=テグジュベリの世界】リュック・エスタン著、 岩波書店、1990年刊<「BOOK」データベース>より星辰は頭上に広がり、眼下の大地には親しい灯が点在する。この文明社会に人間の絆をどう創成するか、その結び目はどこにあるのか。中空の闇をゆくパイロットは、しばし瞑想し、ときに星と対話する。『夜間飛行』『人間の大地』『戦う操縦士』と書き継いだこの『星の王子さま』の作家は、地中海洋上に消え去るまで思念を深くめぐらした。このユニークな行動する文学者の世界を、その全作品からの引用を自在に交えて、あますところなく論じた。本書は、サン=テグジュペリの文学を語るとき、逸することのできぬ定評ある古典的名著である。<読む前の大使寸評>ずばり『サン=テグジュベリの世界』という本を借りたのだが・・・この本で砂漠に触れたあたりが、大使のツボを打つわけです。rakutenサン=テグジュベリの世界<『戦う操縦士』1>図書館で『戦う操縦士』という文庫本を、手にしたのです。おお サン=テグジュペリの空戦記とは♪・・・大使のツボがうずくわけで、借りた次第でおます。乗っていたブロック174型機【戦う操縦士】サン=テグジュペリ著、光文社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりドイツ軍の電撃的侵攻の前に敗走を重ね、機能不全に陥ったフランス軍。危険だがもはや無益な偵察飛行任務を命じられた「私」は、路上に溢れる避難民を眼下に目撃し、高空での肉体的苦痛や対空砲火に晒されるうち、人間と文明への“信条”を抱くに至る。著者の実体験に基づく小説。<読む前の大使寸評>おお サン=テグジュペリの空戦記とは♪・・・大使のツボがうずくわけで、借りた次第でおます。rakuten戦う操縦士<『古今東西エンジン図鑑』1>図書館で『古今東西エンジン図鑑』という本を、手にしたのです。この本にサン・テグジュペリが乗ったP38戦闘・偵察機のエピソードがのっているので見てみましょう。(全文はここ) <星の王子さまへの旅>「星の王子さまへの旅」という素敵な本を図書館で借りて読んでいるが・・・西サハラのカップジュビーという辺鄙な町で、27歳のサン=テクジュペリは飛行場長として1年半暮らしたそうです。(全文はここ) <Le Petit Prince>Le Petit Princeという本が積読状態であるが・・・暇になったので、フランス語の復習にもなることだし、読んでみたいと思っているが、いつになるやら。【Le Petit Prince】Antoine De Saint-Exupery著、HEINEMANN EDUCATIONAL、1968年刊<「BOOK」データベースより>ふるさとの星を出発した星の王子さまは、命令好きの王さまの星や、うぬぼれ男の星などを旅します。最後に地球にやってきて、サハラ砂漠で飛行機を修理中のパイロットに出会います。心をとらえて離さない不思議な物語。 <大使寸評>私が買ったのはHEINEMANN EDUCATIONAL社(英国)のハードカバーであるが、さすがにこの本はアマゾンで出なかったので、アマゾンのMariner Books社の情報を載せました。AmazonLe Petit Prince <砂漠で渇きを癒す井戸>「星の王子さま」という本のメインテーマは「砂漠で渇きを癒す井戸」ではないかと思うわけです。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリより(全文はここ) <サン=テクジュペリ 伝説の愛> この本『サン=テクジュペリ 伝説の愛』から引用します。「サン=テクジュペリは自分で『庭師』になるのが向いていると認めていた。普遍的な子ども時代の輪郭を永遠に伝え、花となった女性のシルエットを私たちにまで愛させた魂の庭師。その女性はこの本の各ページにわたって類いまれな存在感を示している」【サン=テクジュペリ 伝説の愛】アラン・ヴィルコンドレ著、岩波書店、2006年刊<「MARC」データベース>より「星の王子さま」の作者には、エキゾチックで不思議な魅力を持つ妻コンスエロがいた。彼女の手記のほか、2人が交わした山のような手紙、写真、デッサンなど、誰も知らなかった過去を物語る数々の遺品をまとめた一冊。 <大使寸評>まさにサン=テクジュペリの世界という本になっている。よくこれだけの資料を集めたものです。パイロットで詩人、更に美しい妻が加わるのか♪「南方郵便機」で行った異国の地アルゼンチンで、砂漠のバラともいえる女性(当時は未亡人)が現れたのです。・・・彼女が亡命先のニューヨークから持ち帰った大型トランク。2000年に初めて開けられると中には、手紙、写真、デッサンなど数々の遺品がつまっていた。amazonサン=テクジュペリ 伝説の愛
2021.11.17
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図書館の雑誌類リサイクルフェアで『ふらんす(2015年7月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に「特集:日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」とあるので、チョイスしたのです。【ふらんす(2015年7月号)】雑誌、白水社、2015年刊<商品の説明>より★特集「日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」澤田直/野崎歓★「フランスと私」井田太郎★「仏検3級対策次の一歩を踏み出すために」久保田剛史★「Dessine-moi un mouton!」釣馨+Ghislain MOUTON★「原題バンド・デシネを巡る12章」原正人<読む前の大使寸評>表紙に「特集:日仏翻訳文学賞20年のあゆみ」とあるので、チョイスしたのです。rakutenふらんす(2015年7月号)「Dessine-moi un mouton!」に『星の王子さま』が載っているので、見てみましょう。p32~33<Dessine-moi un mouton!>釣馨:《Dessine-moi un mouton!》というタイトルをつけてしまったので、『星の王子さま』に触れないわけにはいかないでしょう。もちろんムートンさんの名前にちなんだのと、この台詞に込められた、想像力の大切さを踏まえてのことなのですが、さらにタイミングよくアニメ映画『星の王子さまと私』が今年11月に日本でも公開されることになりました。ひつじ:『星の王子さま』は現在までに250以上の言語に翻訳され、8000万部以上が売れた世界的なベストセラーですが、それを原作にした初のアニメーション映画ですね。原作の権利を管理しているサン=テグジュペリ・エステートが、小説のその後の物語を描くことを初めて公認したそうです。 CGアニメーション映画『カンフー・パンダ』などで知られるマーク・オズボーンが監督を務め、英語版では声優にマリオン・コティヤールらが名を連ねています。釣馨:おそらく日本でも大人気になるでしょうね。授業で学生に仏語版の予告編を見せましたが、反応は上々でした。2005年1月に『星の王子さま』の翻訳出版権が消失し、多くの新薬が出版されて以来の注目度の高さですね。ムートンさんにとって『星の王子さま』はどんな作品でしたか。ひつじ:実は小さいころは自分から読んだことがなかったですね。小学校のころ、授業で丸暗記させられました。ラ・フォンテーヌの詩と同じように。そのせいか、あまり思い入れがなかったのが本当のところです。釣馨:フランス人にとっては、ラ・フォンテーヌと同じくらい、あまりに古典すぎる作品になってしまったということでしょうか。ひつじ:次に読んだのが大学3年生の時でした。フランス語を日本語にする翻訳の授業で、『星の王子さま』を扱いました。子ども向けの絵本として有名ですが、どれだけ内容が難しいかって、よーく分かりました(笑)!釣馨:日本でも、「なぜフランス語を勉強しているんですか?」と聞かれて、「フランス語で『星の王子さま』を読めるようになりたいから!」と答える人は昔から多いですね。ひつじ:でも、内容がかなり大人向けで、中級レベルの文法事項も含まれると知ったら、皆さん驚くのではないでしょうか。ところで、本連載のタイトルに絡めていえば、内藤濯訳には「ね…ヒツジの絵をかいて!」とありますが、オリジナルは、《S'il vous plait… dessine-moi un mouton!》になっています。釣馨:《S'il vous plait》と、《dessine》というtuの命令形は矛盾していますね。ひつじ:そうですね。このような間違いに子供らしさが表れているんです。その反面、子供のお話にしては『星の王子さま』は格調高い文章なんですよね。単純過去で書かれているし、疑問文は倒置形になっています。『星の王子さま』のフランス語に挫折する人が多いとすれば、日本語訳のやさしい文章で書かれた童話的なイメージとのギャップが大きいからじゃないのでしょうか。この本も『サン=テグジュペリの世界』に収めておくものとします。
2021.11.17
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図書館で『中国に吞み込まれていく韓国』という本を、手にしたのです。この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。【中国に吞み込まれていく韓国】山本晧一著、飛鳥新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より朝鮮族85万人が、韓国を根底から変える。中国系移民で多文化社会になった現地の内情を知りつくす専門家、今までにないインサイドレポート!【目次】米中対決の狭間で/チャイナゲート/韓国で暮らす朝鮮族/朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿/同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善/「外交惨事」を引き起こした韓中の厳しい現実/最前線であばれまわる中国人留学生たち/〓海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?/渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者/文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝/左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生/結局、韓国は米中のどちらにつくのか?<読む前の大使寸評>この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。rakuten中国に吞み込まれていく韓国韓国は遠からず多文化社会になるあたりを、見てみましょう。p43~46<3 中国人が110万人、そのうち朝鮮族は70万人」> 韓国法務部出入国外国人制作本部の発表によると、2019年末に韓国に滞在する外国人は計252万4656人で、前年比6.6%増加。韓国の全体人口に外国人が占める割合は4.9%に達した。一般的にこの数値が5%を超えると多文化社会に分類され、この趨勢からすると韓国は遠からず多文化社会となる見通しだ。ちなみに日本は全人口に占める外国人の割合は2.16%(2019年末、法務省)。 国籍別では、中国が110万1782人で割合が最も大きかった(43.6%)。このうち、70万1098人が韓国系中国人、つまり朝鮮族だ。帰化した朝鮮族は14万人くらいとされるので、合わせると約85万人の朝鮮族が現在韓国で暮らしていることになる。 また韓国は在外同胞大国である。同胞が世界各地に散らばって暮らしており、合計で750万人いるとされる。これは香港の人口、743.6万人(2019年)とほぼ同じだ。<4 韓国の労働現場を支える朝鮮族」> 朝鮮族は、韓国人が嫌う3K業種で黙々と働いて韓国経済を下支えしてきた。だが、労働現場には危険もある。韓国社会には全体的に安全管理に対する意識が希薄で、事故がよく起こる。「安全不感症」なる言葉が定着して久しく、朝鮮族の労働者がその犠牲になることも少なくない。(中略) 朝鮮族は工場などの製造業ではなく、建築工事現場で働くことが多い。フィリピン、ベトナムなどの労働者は主に若い人たちで、単身で韓国に来て2、3年の契約で製造業分野に就職するのが一般的だ。 一方、朝鮮族は家族・親戚という単位で入国する。男がこれといった技術なしに早く働ける職場は今も昔も工事現場だ。製造業の現場では単純作業を繰り返し行うのでコミュニケーションができなくても大きな問題はないが、工事現場は言葉によるコミュニケーションが必要不可欠。そのため朝鮮族が適しているという事情もある。 悲惨なケースはあるものの、朝鮮族が韓国の労働現場を支える大きな力になっているのは間違いない。だが、それゆえに、韓国人との摩擦も生じる。 京畿道河南市のマンション工事現場で、全国建設労組の組合員が「外国人の不法雇用を根絶せよ」と書かれた横断幕を持ってデモを行った。労組京畿支部長は「首都圏の現場は朝鮮族を中心とする外国人に90%を占められている。雇用を奪われ、韓国人労働者が生きていけない」と訴えた。 韓国には「工費が1000億ウォンのマンションの工事現場では、朝鮮族を含め400人まで外国人を使うことができる」 というクォーター制があるが実際は守られておらず、むしろ不法滞在者の就労が黙認されている状態だ。ディアスポラの韓国人ということでは、『韓国が嫌いで』という本が興味深いのです。『中国に吞み込まれていく韓国』1
2021.11.16
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図書館で『中国に吞み込まれていく韓国』という本を、手にしたのです。この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。【中国に吞み込まれていく韓国】山本晧一著、飛鳥新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より朝鮮族85万人が、韓国を根底から変える。中国系移民で多文化社会になった現地の内情を知りつくす専門家、今までにないインサイドレポート!【目次】米中対決の狭間で/チャイナゲート/韓国で暮らす朝鮮族/朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿/同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善/「外交惨事」を引き起こした韓中の厳しい現実/最前線であばれまわる中国人留学生たち/〓海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?/渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者/文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝/左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生/結局、韓国は米中のどちらにつくのか?<読む前の大使寸評>この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。rakuten中国に吞み込まれていく韓国まず、中国で暮らす朝鮮族を、見てみましょう。p38~40<改革開放と朝鮮族の「空洞化」> 朝鮮族とは、遼寧、吉林、黒竜江の東北三省を中心に中国で暮らす、韓民族の血統を持つ中国国籍の住民のことをいう。近代における朝鮮人の中国への移住は19世紀後半に始まり、1945年、第二次世界大戦の終戦を迎える頃にはおおむね230万人に達していた。最も集住していた延辺には約70万人が住んでいた。 49年に中華人民共和国が成立。中国共産党は52年、民族区域自治実施要項を発表、国内の55の少数民族に自治権を与えた。これにより吉林省南部に「延辺朝鮮族自治区」(州人民政府所在地は延吉市)が誕生した。55年に「延辺朝鮮族自治州」と「区」から「州」へ降格、改称された。 中国の国家統計局によると、2000年の第5回人口調査で中国内の朝鮮族は192万人、2010年の第6回人口調査で183万人、10年で10万人近く減った。 実は東北三省では朝鮮族の「空洞化」現象が起きている。韓国が豊かになり、韓中の交流が活発になって、韓国企業が進出した北京、青島、上海などへ移る者、そして韓国に移って定着する者が増えたからだ。 この「空洞化」は深刻で、中国の法制上。少数民族自治州は少数民族の割合が全体の30%未満にになると、自治州自体が強制的に解除されることもあるという。延辺朝鮮族自治州の場合、州の総人口数は2010年には訳227万人で、このうち朝鮮族は約83万人の36.5%。自治州設立前の1853年を見ると朝鮮族の割合は70.5%だからはんぶん近くに減ったことになる。 特に中心都市の延吉市から朝鮮族が離れている。延吉に残った朝鮮族の人口は全体の20%を少し上回るレベルにまで低下。このままでは危険水域に入ってしまう。 じつは一方で、延吉市の人口は10年まで40万人ほどだったのが、14年には65万人と4年間で1.5倍以上に増えている。朝鮮族は減り、外部からの流入が増えているのだ。その理由は、中国の他地域と比べて高い物価だ。韓国などへ出稼ぎに行った朝鮮族が、稼いだ金を延吉に残る家族に送り地元で消費されるため、自然に物価が上がってしまう。もちろん報酬も高くなる。 すると、それが魅力で外部から人が集まってくる。その大半は漢族ではなく、ウイグル、キルギス、カザフスタンなどチュルク系少数民族とモンゴル人。彼らは中国語が不自由なため、古くから住んでいる朝鮮族とのコミュニケーションが難しい。 外からの送金のない朝鮮族は物価高により暮らしが圧迫され、物価の安い地域に移らざるを得なくなる。かつての朝鮮族は金を稼ぐために勧告などへ向かったが、今は生き残るために延吉を離れなければならなくなってしまったのだ。 少数民族ゆえに目に見えない差別を受ける。それを避けるために、子どもを漢族と結婚させ漢族の戸籍に入れたり、漢族の学校に行かせたりする「漢族同化」現象が深刻化している。それを受けて朝鮮族の学校は生徒数の減少、統廃合が急速に進んでいる。親が中国語教育を重視し、朝鮮族の青少年の中には韓国語をうまく話せないケースも増えてきている。
2021.11.16
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図書館に予約していた『父の詫び状』という文庫本を、待つこと1ヶ月ほどでゲットしたのです。この本はどこを開いても、つい惹きこまれるお話が並んでいて・・・それだけ著者の生活を見る目に深みがあったのでしょうね。【父の詫び状】向田邦子著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。<読む前の大使寸評>この本はどこを開いても、つい惹きこまれるお話が並んでいて・・・それだけ著者の生活を見る目に深みがあったのでしょうね。<図書館予約:(10/06予約、副本7、予約10)>rakuten父の詫び状東京大空襲が語られているので、見てみましょう。p89~93<ごはん> 歩行者天国というのが苦手である。 天下晴れて車道を歩けるというのに歩道を歩くのは依怙地な気がするし、かといって車道を歩くと、どうにも落ち着きがよくない。 滅多に歩けないのだから,歩ける時に歩かなくては損だというさもしい気持がどこかにある。頭では正しいことをしているんだと思っても、足の方に、長年飼い慣らされた習性かうしろめたいものがあって、心底楽しめないのだ。 この気持ちは無礼講に似ている。 十年ほど出版社勤めをしたことがあるが、年に一度、忘年会の二次会などで、無礼講というのがあった。その晩だけは社長もヒラもなし。いいたいことをいい合う。一切根にもたないということで、羽目を外して騒いだものだった。 酔っぱらって上役にカラむ。こういう時オツに澄ましていると、融通が利かないと思われそうなので、酔っぱらったふりをして騒ぐ。 わざと乱暴な口を利いてみる。 だが、気持ちの底に冷えたものがある。 これはお情けなのだ。 一夜明ければ元の木阿弥。調子づくとシッペ返しがありそうな、そんな気もチラチラしながら、どこかで加減しいしい羽目を外している。 あの解放感と居心地の悪さ、うしろめたさは、もうひとつ覚えがある。 それは、畳の上を土足で歩いた時だ。 今から32年前の東京大空襲の夜である。 当時、私は女学校の三年生だった。 軍需工場に動員され、旋盤工として風船爆弾の部品を作っていたのだが、栄養が悪かったせいか脚気にかかり、終戦の年はうちにいた。 空襲も昼間の場合は艦載機が1機か2機で、偵察だけと判っていたから、のんびりしたものだった。空襲警報のサイレンが鳴ると、飼猫のクロが仔猫をくわえてどこかへ姿を消す。それを見てから、ゆっくりと本を抱えて庭に掘った防空壕へもぐるのである。 本は古本屋で買った「スタア」と婦人雑誌の附録の料理の本であった。クラーク・ゲーブルやクローデット・コルベールの白亜の邸宅の写真に溜息をついた。 わたしはいっぱしの軍国少女で、「鬼畜米英」と叫んでいたのに、聖林(ハリウッド)だけは敵性国家ではないような気がしていた。シモーヌ・シモンという猫みたいな女優が黒い光る服を着て、爪先をプッツリ切った不思議な形の靴をはいた写真は、組んだ足の形まで覚えている。(中略) 3月10日。 その日、私は昼間、蒲田に住んでいた級友に誘われて潮干狩りに行っている。 寝入りばなを警報で起された時、私は暗闇の中で、昼間採ってきた蛤や浅蜊を持って逃げ出そうとして、父にしたたか突きとばされた。「馬鹿!そんなもの捨ててしまえ」 台所いっぱいに、蛤と浅蜊が散らばった。 それが、その夜の修羅場の皮切りで、おもてへ出たら、もう下町のそらが真赤になっていた。我家は目黒の祐天寺のそばだったが、すぐ目と鼻のそば屋が焼夷弾の直撃で、一瞬にして燃え上がった。 父は隣組の役員をしていたので逃げるわけにはいかなかったのだろう、母と私には残って家を守れといい、中学1年の弟と8歳の妹には、競馬場あとの空地に逃げるよう指示した。 駈け出そうとする弟と妹を呼びとめた父は、白麻の夏布団を防火用水に浸し、たっぷりと水を吸わせたものを二人の頭にのせ、𠮟りつけるようにして追い立てた。 『父の詫び状』1
2021.11.16
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一夜漬け日本美術史』という本が手元にあるのだが、たぶん娘が残した部屋の本棚にあった本と思われる。で、暇なのでこの本を再読しようと、思い立ったのです。【一夜漬け日本美術史:美術手帳(2009年6月号)】雑誌、美術出版社、2009年刊<商品情報>よりデカッ、かわいい~、切ない、エロい、グロい、あぶない…作品を「パッと見」て出てきた言葉から日本美術の真髄に迫る、画期的な美術史誕生! 日本美術史家・山下裕二センセイが、今大注目の日本美術の新しい見方を指南。日本美術の知識なんてなくていい! 厳めしい学術書とは真逆の、おいしいとこ取りで日本美術史を楽しく学ぶ、新感覚ガイドの登場!<読む前の大使寸評>一夜漬け日本美術史』という本が手元にあるのだが、たぶん娘が残した部屋の本棚にあった本と思われる。amazon一夜漬け日本美術史:美術手帳(2009年6月号)山下裕二さんと板倉聖哲さんによる特別講座を、見てみましょう。p81~82<なぜ中国美術を知る必要があるのか>■一晩でマスターできない、美術史の世界がある山下:今日はね、中国を中心とした東アジア絵画史の専門家である板倉さんに、一夜漬けで日本美術史を理解しようと企てている今回の特集を説教してもらおうと思っているわけです。「そんな、一晩でマスターできるもんじゃないでしょう」と。板倉:じつは僕は、最初日本美術史を専攻しようと思って大学に入ったんですよ。日本美術史をやるなら中国美術史の勉強をしなきゃいけないって言ったのは、当時、東大の研究室の助手だった山下さんでしたからね(笑)。山下:え、そうだっけ?まったく記憶にない(笑)。でも当時、専門家の中では、日本に圧倒的影響を与えた中国美術を知らずして日本美術を語れないっていう姿勢が、徹底してありましたね。板倉:それは今でも受け継がれていますね。僕の場合、ミイラ取りがミイラになってしまって、中国絵画史専攻でやっています。山下:板倉さんはね、中国美術のことだったらなんでも知ってるんだよね!僕はわかんないことがあったら、すぐ板倉さんに電話しますから。中国語もペラペラですよ~。板倉:いやいや、そんな。ハードル高くするの、やめません?(笑)■伊藤若冲は中国美術マニアだった!?板倉:まずは具体的に作品を例として、日本美術と中国美術の関係についてお話ししましょうか。山下:中国に影響を受けた日本美術は、本当にたくさんある。というか、全部そう。江戸時代で人気ナンバーワンの伊藤若冲の大もとだって、中国にあるんだよね。彼は京都のお寺に伝わった中国とか朝鮮の絵画を、じつはいちばんよく見てる。板倉:大好きですね。もう、すごい勢いで写しまくっていますよね。山下:《猛虎図》は、当時も今も正伝寺にある絵のコピーなんだよね。近年は朝鮮の作品ともいわれているけど、若冲にとって、これはたまらない中国絵画だった。伊藤若冲《猛虎図》板倉:南宋時代の宮廷画家である「毛益に倣う」と、款記に書いているくらいですからね。山下:でもさ、もとの絵よりも、写した若冲の絵のほうが断然いいと思わない?若冲はもとの虎の絵を、いったんバラバラにパーツ化して、そのひとつひとつをピカピカに磨き上げてからもう一度組み立て直すオーバーホールをやっている。 だから、この若冲の虎の絵も、外から取り込んだものを内側で育むことによって生まれた、日本美術の熟成と発酵による、きわめつけの成果だと思うね。
2021.11.15
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図書館で横尾忠則著『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』という本を、手にしたのです。1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。【本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた】横尾忠則著、光文社、2017年刊<「BOOK」データベース>より2009~2017年「朝日新聞」書評欄。仕事と人生のヒントが詰まった133冊。<読む前の大使寸評>1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。amazon本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできたマグリットを、見てみましょう。p208~119<『マグリット辞典』:Ⅽ・グリューネンベルグ編著、創元社><『国家を背負わされた画家』:利根川由奈著、水声社> パイプの絵を描いて「これはパイプではない」と言うマグリットはベルギー人だが、作風からはベルギーの民族性は全く感じられない。同国のボスの絵は民族的幻想的だが、マグリットは「私は現実の世界に生きている」と日常の事物を主題にする。そのためにポップアートの祖と位置づけられたりするが、本人はポップアートはダダの二番煎じと否定的意見を述べている。「この本はマグリットの作家論ではない」 本書名『国家を背負わされた画家』からは、かつて日本の国粋主義者・横山大観が、絵の売り上げで戦闘機を国家に献上したあの一件を想起してしまう。「国家を背負わされた画家」とは、ベルギー教育省の文化政策の一環としてマグリットが海外のビエンナーレに作品を出品したり、王立施設の天井画や壁画、王立航空会社のポスターなどの制作に関わったりしたことを指す。だけどマグリットは、過去の作品の焼き直しを反復することで、オリジナルに上手く肩すかしをくらわせた。「これは書評ではない」 ベルギーを象徴するものが何もないマグリットを、王立美術館館長は「国家の象徴」と名指ししたが、マグリットの嫌悪するものは民族的なもの、広告、装飾芸術と、国家と意見を異にする。実に皮肉なもの。広告と絵画を並行して制作したが、全て生活の一部で国家とは無縁。彼には国家意識はない。ひとりの画家に対する理解と同情を求める教育省の発想には、芸術に対する真の愛情と批評が欠如している。国家は社会的意味において自らを正当化したに過ぎない。 アメリカでのベルギーの対外文化政策はまるで経済政策だ。買うならベルギーの財団を通して購入してほしい、と。さらにマグリットの人気に便乗して若手を売り込む…。その結果は教育省のマネジメントの限界の露見で終わる。「この画家は国家を背負わない」『マグリット辞典』は以前に読んだので紹介します。【マグリット事典】クリストフ・グリューネンベルク、ダレン・ファイ著、創元社、2015年刊<「BOOK」データベース>より「Absence(不在)」から「Zwanzeur(無意味なことをする人)」まで148語のキーワードを総数約250点の図版・写真とともに一挙掲載!シュルレアリスムの大家、ルネ・マグリットの作品と彼の世界観を明らかにする百科事典の初邦訳。世界各国の美術館に所蔵されている作品や資料をもとに、国際的なマグリット研究家たちがキーワードを丁寧に解説。レファレンスとしてきわめて有用な一冊であり、マグリットを中心に当時の文化状況を理解するうえで必携の書。<読む前の大使寸評>横尾忠則が推しているし、見て楽しい事典のようである。<図書館予約:(1/07予約、1/12受取)>rakutenマグリット事典『マグリット事典』 byドングリ『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』1
2021.11.15
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図書館で横尾忠則著『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』という本を、手にしたのです。1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。【本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた】横尾忠則著、光文社、2017年刊<「BOOK」データベース>より2009~2017年「朝日新聞」書評欄。仕事と人生のヒントが詰まった133冊。<読む前の大使寸評>1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。amazon本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた猫に関する本を、見てみましょう。p118~119<『ネコ学入門』:クレア・ベンサント著、築地書館> つい最近わが家の猫が死んだが、もっと早く本書と出会っていれば後悔も反省もせずに猫に評価される人間になれたかも。猫にとって魅力的な存在になることは、人間社会においても好感の持てる価値ある存在になり得る可能性があると言うんです。 猫をペットとして一方的な愛情を押しつけ、猫を私物化することであなたは猫の最も軽蔑すべき対象となり、追えば追うほど猫から無縁の存在になっていくのだ。猫が好む人間はむしろ猫に無関心。猫は独立、独歩、自立心が強いために余計なお世話には耐えられない。大方の愛猫家は過剰なおせっかいをし、その結果は嫌がられるのが落ち。 猫は、体の大きさと比較した脳の大きさが、霊長類やイルカと同等でそれ以外の哺乳類より大きく、記憶力抜群、引っ越しなどした遠方から元の家に帰還したり、暗闇の中でもぶつからずに敏速に行動する驚異の方向感覚を持っていたり、家人の帰宅をその正確な体内時計で出迎えたり。 また、転変地異を前もって予知して安全な場所に幼猫を誘導したり、時には人間にその危険を気づかせる超自然的な能力を発揮したりという例は世界中、枚挙にいとまがないほど報告されている。このような第六感的な感覚は、人間が文明の進化と共に喪失した野生の自然感覚である。 人間は猫をしつけていると思っているが、実は猫にちゃっかりとしつけられている。人間は猫を飼育しているつもりでいるが、猫は飼い主を下僕扱いしているのである。猫は常に縄張り内で行動し、人間のように他人の縄張りを侵略したりしない。 自分の縄張り内が全世界でそれ以上のテリトリーは不要。与えられた環境で人間と共存しながら、過不足なく受け入れることのできるキャパシティーには悟性すら感じないか? 人間が猫から学ぶことは「好きなことはするが嫌いなことはしない」という思想である。
2021.11.15
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図書館の雑誌類リサイクルフェアで『ゴダール2015(ユリイカ(2015年1月号)』という本を手にしたのです。ヨーロッパでのゴダール人気が載っているようで興味深いのです・・・でも、まだ人気はあるのかな。【ユリイカ(2015年1月号)】ムック、青土社、2015年刊<商品情報>より2015年1月、ゴダール最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開!!ゴダール初の長篇作品『勝手にしやがれ』から半世紀以上が経過し、この度、最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開される。ゴダール以上に映像の可能性を試し、示し続けて来た作家はいないのではないだろうか。進化をつづける映画の巨匠、ゴダールの批評精神に迫りたい。<読む前の大使寸評>ヨーロッパでのゴダール人気が載っているようで興味深いのです・・・でも、まだ人気はあるのかな。rakutenユリイカ(2015年1月号)ゴダールに関する蓮實重彦×阿部和重の対談を、見てみましょう。p77~79<社会攪乱者としてのゴダール>蓮實:感想を申し上げる前に、ひと言触れておかねばならぬ問題があります。それは今回公開されるゴダールの新作『さらば、愛の言葉よ』が、フランス映画社の「BOWシリーズ」で公開されたのではないということで、その事実が私にとっては大きな事件だったからです。 これまで、1970年以降のゴダールの作品を日本で精力的に公開してきたのは、世界最強のタッグと言っていいフランス映画社の柴田駿と川喜多和子の二人でした。ゴダール以外にも様々な作品を公開しながら刺激をもたらしてくれたこの二人の活動がひとまず一段落したという時に、我々がたまたま生きているのですが、その一段落こそが21世紀の真の到来なのか、という気もしないわけではない。ことによるとゴダールはすでに、初めから21世紀の映画を撮っていたのかもしれない、という気もします。 すなわち、日本人がゴダールについてこれほど饒舌になれたのは、あるいはそう強いられていたのは、この最強のタッグが東京にいてくれたからであり、そのフランス映画社の消滅という事実に、深い感慨を抱かざるを得ない。柴田氏なら別の形で公開したかな、と思ったりしながら、これについて語っていくのは、単にゴダールの最新作ということ以外の、東京に生まれた者として私の映画的なこだわりみたいなものがどうしても出てきてしまう。 阿部さんも、「BOWシリーズ」には、ずいぶん恩恵を被られたわけでしょう?阿部:本当にその通りですね。ゴダールの映画を最初にスクリーンで観たのも、BOWシリーズの…あれは80年代末の有楽シネマでの再映だったと思うんですけど、『勝手にしやがれ』(1959年)と『気狂いピエロ』(1965年)だったんです。僕はまだ映画学校の学生だったんですが、やっとゴダールの映画をスクリーンで観られるということで、嬉々として観に行ったんですね。当時はもう「単館系」という言葉があったのか、定かでないですが、ジム・ジャームッシュやテオ・アンゲロプロスといった、ヨーロッパやアメリカのいろんな映画を、BOWシリーズの配給によって観続けてきました。 だから、フランス映画社の活動停止というのは本当に大きな損失であると、僕もひとりの観客として実感しているところです。学生時代も、卒業後もお世話になってきましたし、僕が小説家としてデビューしたての頃から、フランス映画社からは試写状を送っていただいたりして、そういう形で何段階にも大変にお世話になり続けてきているので、まずはその話をしておかなければならないだろうなと、僕も思います。蓮實:個人的には、柴田駿と川喜多和子に深い感謝の念を捧げることしかできません。ゴダールがごく自然に映画館で観られる都市など、世界にもそうは存在しなかった。アメリカだって、ニューヨーク映画祭での上映というケースはあったにしても、すべてが一般公開されていたわけではない。 だから、東京でゴダールが日常的に観られることが当たり前だったということに、もう少し驚かなければいけない。もちろん今回、コムストックという会社がこの作品を買い付けて配給されたということにも、別の意味での感謝を捧げたいと思いますけれど…。 *蓮實:阿部さんは、つい最近スイスに行かれて、ゴダール関係の土地を跳梁されたそうですね。阿部:はい。今年の5月にジュネーブでブックフェアのイベントがあったんですが、スイスのレマン湖のほとりに来たのであれば、やはりゴダールだろうと、空き時間を使っていろいろと散策をしました。当然、ロールには行かねばならないということで連れて行ってもらったんです。完全にミーハーゴダール観光ですね。 あわよくばゴダール本人と出会えないかとということで、案内してくださった国際交流基金の方に街ゆく人に声をかけてもらって、「ゴダールの家はどこですか?」と訊いたりして、きわめてストーカー的に、自分の小説の登場人物かと疑われそうなことをいろいろやってきました(笑)。 結局、ゴダールには会えなかったんですが、どうやらここのアパートに住んでいるらしいということを突き止めて、あるいはミエヴィルさんのお宅もここじゃないかというところも突き止めて、その前で記念撮影をしたりして。その後は、そこから近いというので、今回の『さらば、愛の言葉よ』にも関係してくる、『リア王』の撮影で使われたホテルにも立ち寄って、そのカフェでお茶を飲んできました。フランス映画社の「BOWシリーズ」を見れば、柴田駿&川喜多和子夫妻の目の確かさが偲ばれます。『ゴダール2015(ユリイカ(2015年1月号)』1
2021.11.14
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図書館に予約していた『父の詫び状』という文庫本を、待つこと1ヶ月ほどでゲットしたのです。この本はどこを開いても、つい惹きこまれるお話が並んでいて・・・それだけ著者の生活を見る目に深みがあったのでしょうね。【父の詫び状】向田邦子著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。<読む前の大使寸評>この本はどこを開いても、つい惹きこまれるお話が並んでいて・・・それだけ著者の生活を見る目に深みがあったのでしょうね。<図書館予約:(10/06予約、副本7、予約10)>rakuten父の詫び状四国の高松に触れているあたりを、見てみましょう。私も高松に住んでいたことがあるので、チョイスしたわけですが。p78~81<細長い海> この間うちから、がま口の口金がバカになっている。 癇性なせいか、靴の紐やベルトもきつめに結ぶたちなので、がま口もパチンと音がしないとお金の出し入れのきまりがつかないようで気持ちが悪い。銀座へ出たついでにデパートの袋物売場をのぞいてみた。あれこれ物色した挙句、結局は買わずに帰ったのだが、隅に並んでいた赤い丸型の小ぶりのがま口を手に取った時、よみがえるものがあった。 何十年も忘れていた海辺の光景が浮かんできたのである。四国の高松に住んでいた時分だから、35年も前のことになる。私は小学校6年生だった。 私は友達の女の子と二人で、堤防の上を歩いていた。海水浴の帰りで、髪は濡れていたが肌はサラサラで、泳いだあとの眠いような快さがあった。少し泳げるようになったこともあって、私は機嫌がよかった。小さな赤いがま口をお手玉のように放り上げ放り上げしながら歩いた。 反対側から水兵さんが二人やってきた。当時高松は「築港」と呼ばれる連絡船の着く桟橋があり、戦争中だったから軍艦が寄港していたのかも知れない。水兵さんは堤防で釣をしている人をのぞき込んだりしながらゆっくりとこちらへ歩いてくる。 私は小学校三年生の時、学芸会で「かもめの水兵さん」を踊ったことはあるが、本物の水兵さんを間近に見るのは初めてだったから胸がドキドキした。ところが、すれ違いざま、先頭の水兵さんはひょっと手を出して、私が放り上げたがま口をさらってしまった。 友達の女の子が、目をパチパチさせて私を見た。この子のキョトンとした顔はそのまま私の顔だったろうと思う。その頃、兵隊さんは絶対的な存在であった。水兵さんにがま口をかっぱらわれるなど、お巡りさんに泥棒されるのと同じだった。 記憶はここでプツンと切れているのだが、どうもこのあと、この時の赤いがま口を使ったような気もするので、多分水兵さんは「冗談だよ」という感じでがま口を返してのだと思う。だが、わたしの思い出の中の絵は堤防の上をゆく、蚊トンボのようなすねをした女の子が、すれ違った水兵さんに赤いがま口をひょいとさらわれて呆然としている場面なのである。あの日、瀬戸内海にしては珍しく風があったのか波は音を立てて堤防の左側を叩いていた。 海水浴場で心に残っているのは、鹿児島の天保山である。 40年前の田舎の海水浴場というのは誠にのんびりしたもので、よしず張りの入れ込みの脱衣場と黒いこうもり傘を立てたラムネやゆで玉子を売る小店が出ているだけであった。 鹿児島市内の住まいから、日曜のたびに出かけたのだが、引率者は大抵祖母で、私と弟がボチャボチャやっている間中、砂浜に日傘をさして座り、母から借りた腕時計を見ては、十分間たつとハンカチを振って私達に合図をした。 その前の年、私は大病をしていたので、医者から海水浴は十分入ったら十分出るようにしなさいといわれていたのである。 この天保山海水浴場の脱衣場で、私は下着を盗られてしまった。なんでも手作りにするうちだったから、「ズロース」も白いキャラコで母の手縫いであった。日華事変は始まっていたが、まだ衣料品は逼迫していなかったから、どうして子供の、しかも手縫いの下着1枚だけがなくなったのかわからないが、とにかく脱衣籠を逆さに振っても無いのである。 天保山から市内のうちまではバスに乗らなくてはならない。ベソをかく私を見かねた祖母は、当時小学1年の弟に、「お姉ちゃんに貸しておやり、お前はじかにズボンをはけばいいじゃないか」 といってきかせるのだが、弟はいつもはのろのろしている癖に、この日だけはいやに手早く身支度を終え、ズボンをギュッと手で押さえながら、ムッとして返事もせず海を見ていた。 私はスカートの裾を手で絞るように押さえながらバスに乗りうちに帰った。その夜の夕食でこのことを母が父に報告した。父は晩酌のビールを飲みながら聞いていたが、いきなり、「馬鹿!」 とどなった。 「二人とも馬鹿だぞ。保雄は男じゃないか。どうしてお姉ちゃんに貸してやらない。お前は男のクズだ」 弟は口惜し涙のたまった目で、私をにらんだ。「邦子も馬鹿だ。そんなに大事なものならこんどからははいて泳げ!」 きまりの悪いはなしを蒸し返されて、それでなくても身を縮めていたのに、何という理不尽なことをいうのだろうと私も鼻の奥がツーンとしてきた。
2021.11.14
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「資本論」でしょうか♪<市立図書館>・本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた・武器としての「資本論」・中国に吞み込まれていく韓国<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた】横尾忠則著、光文社、2017年刊<「BOOK」データベース>より2009~2017年「朝日新聞」書評欄。仕事と人生のヒントが詰まった133冊。<読む前の大使寸評>1冊について2ページと短い書評ではあるが・・・どうして、どうして133冊とは恐れ入ります。なかなか哲学的な趣きがあります。amazon本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【中国に吞み込まれていく韓国】山本晧一著、飛鳥新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より朝鮮族85万人が、韓国を根底から変える。中国系移民で多文化社会になった現地の内情を知りつくす専門家、今までにないインサイドレポート!【目次】米中対決の狭間で/チャイナゲート/韓国で暮らす朝鮮族/朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿/同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善/「外交惨事」を引き起こした韓中の厳しい現実/最前線であばれまわる中国人留学生たち/〓海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?/渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者/文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝/左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生/結局、韓国は米中のどちらにつくのか?<読む前の大使寸評>この本は単なる嫌中本ではなくて、中国の少数民族政策や韓国の地政学的状況に着目したインサイドレポートになっているようです。rakuten中国に吞み込まれていく韓国************************************************************図書館大好き518
2021.11.14
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先日、『のろのろ歩け』という中篇小説集を読んで良かったのだが・・・中島京子が「河合隼雄物語賞・学芸賞」の物語賞を受賞したと、新聞に載っていました。・・・河合隼雄物語賞とは西加奈子も受賞した渋い賞である♪なかなかいけてるやないけ。で、この際、中島京子関連を集めてみます。・夢見る帝国図書館(2019年刊)・怖い絵のひみつ。(2017年刊)・現実の中に非論理性(2015/7/16)・長いお別れ(2015年刊)・小さいおうち(山田洋次監督、2013年制作)・眺望絶佳 (2012年刊)・のろのろ歩け(2012年刊)・東京観光 (2011年刊)・エルニーニョ(2010年刊)・エ/ン/ジ/ン(2009年刊)・ツアー1989(2006年刊)・イトウの恋(2005年刊)R8:『夢見る帝国図書館』を追記【夢見る帝国図書館】中島京子著、文藝春秋、2019年刊<出版社>より「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったならーー資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。<読む前の大使寸評>冒頭をちょっと読むと・・・年上の友人・喜和子さんの、常識人とはかけ離れた、気ままで圧倒的な迫力に引き込まれるのです。<図書館予約:(3/09予約、副本15、予約0)>rakuten夢見る帝国図書館『夢見る帝国図書館』2:弱冠22歳のベアテ・シロタの活躍『夢見る帝国図書館』1:喜和子さんの気質【怖い絵のひみつ。】中野京子著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>より「怖い絵」展の主要14作品を中野京子が徹底解説!「怖い絵」を楽しむために知っておきたい5つのこと。あの「怖い絵」はここにある。世界「怖い絵」MAP。「怖い絵」展オリジナルグッズ。汗と涙と苦労の連続!?「怖い絵」展ができるまで。<読む前の大使寸評>各地の美術館で「怖い絵」の展覧が続いているが・・・このブームの発端は中野京子の「怖い絵」シリーズだったようですね。rakuten怖い絵のひみつ。<現実の中に非論理性>中島京子さんが小説「かたづの!」で第3回河合隼雄物語賞を受賞したそうです。・・・なかなか、渋い賞ではないか♪2015/7/16現実の中に非論理性―物語賞・中島京子さんより心理学者で元文化庁長官の故・河合隼雄さんの業績を記念した第3回河合隼雄物語賞・学芸賞(河合隼雄財団主催)の授賞式が7月に京都市内であった。 人の心を支えるような物語を作り出した文芸作品に与えられる物語賞に選ばれたのは、作家の中島京子さん(51)の小説「かたづの!」(集英社)。江戸初期の南部藩に実在した女性領主の苦難の人生を、彼女が少女期に接した羚羊(かもしか)の一本角の視点から描いた物語だ。 中島さんは「物語というものが事実に見える何かより、ときに深く真実を照らしてくれると信じさせてくれたのが河合先生。受賞はうれしい」とあいさつした。 選考委員の作家、小川洋子さんは「理屈に合わない、時に馬鹿げた視点で物事を見ることで、現実の中の非論理的なものが見えてくる。角の言葉を聞く耳を持ち、事をややこしくするのは男の論理と思っている女性のキュートな魅力が小説を支えている」と評した。しかし、ま~、アラファイブという年齢が、エアーポケットというか、渋いというか、なんともビミョーである。<長いお別れ>短編、中篇に抜群の切れ味を見せる中島さんの私小説はどんなかな♪というわけで・・・期待を込めて読んでみようということでおます。【長いお別れ】中島京子著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をするー。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。<読む前の大使寸評>短編、中篇に抜群の切れ味を見せる中島さんの私小説はどんなかな♪というわけで・・・期待を込めて読んでみようということでおます。大使の父も、晩年の数年はボケていたが…老人とはそういうものだと思っていたわけです。ときどき父の思い出が出てくる、今日この頃である。<図書館予約:(11/23予約、7/23受取)>rakuten長いお別れ長いお別れbyドングリ【小さいおうち】山田洋次監督、2013年制作、2015年3月1日テレビで鑑賞<movie.walker解説>より第143回直木賞に輝いた中島京子の同名ベストセラー小説を、名匠・山田洋次監督が映画化したミステリアスなドラマ。とある一家で起きた恋愛事件の行方を見守った1人の女中。60年後、彼女がつづったノートを手にした青年によってその出来事が紐解かれていくさまが描かれる。女中を黒木華、一家の若奥様を松たか子が演じる。<大使寸評>雇い主に対するたったひとつの背信を抱えて、その女中は生涯を終えたのです。彼女の生き方を定めたのは、女中という雇用環境と戦争という時代背景があったわけで・・・結婚するには、社会的環境が整っていなかったと言うべきか?movie.walker小さいおうち小さいおうちbyドングリ【眺望絶佳】中島京子著、角川書店、2012年刊<「BOOK」データベース>より昭和33年、東京タワーが立ったあの頃から遠くここまで来てしまった。それでもわたしたちは立っていなければならない。スカイツリーのように。もの悲しくも優雅な、東京タワーとスカイツリーの往復書簡。2011年の静謐と小さな奇跡を切りとった、「東京」短篇集。<読む前の大使寸評>中島ワールドの真骨頂!とのこと・・・・中島さんの短編は期待できそうかも♪rakuten眺望絶佳眺望絶佳byドングリ【のろのろ歩け】中島京子著、文芸春秋、2012年刊<「BOOK」データベース>より『北京の春の白い服』-1999年、中国初のファッション誌創刊に向けて派遣され北京で奔走する夏美。『時間の向こうの一週間』-2012年の上海、赴任したばかりで多忙な夫の代わりに家探しを引き受けた亜矢子。『天燈幸福』-「台湾に三人おじさんがいるのよ」という亡き母の言葉を手がかりに旅に出た美雨。時間も、距離も越えて、新しい扉をひらく彼女たちの物語。<読む前の大使寸評>中島京子の小説ならいけてるのではないか…映画の『小さいおうち』も良かったし。rakutenのろのろ歩けのろのろ歩けbyドングリ【東京観光】中島京子著、集英社、2011年刊<「BOOK」データベース>より恋情、妄想、孤独、諧謔…中島京子ワールドへようこそ女の部屋の水漏れが、下に住む男の部屋の天井を濡らした。女が詫びに訪れたのをきっかけに二人は付き合い出し、やがて男は不思議な提案をするが…。(「天井の刺青」)。直木賞作家が紡ぐ珠玉の7篇。<読む前の大使寸評>おお 中島京子の短篇小説集ではないか・・・このところ、海外作家の短篇小説を集中して読んだので、趣向を変えて国産の短編小説を読むのもええやんけ、ということでおます。amazon東京観光【エルニーニョ】中島京子著、講談社、2010年刊<「BOOK」データベース>より女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう二人。直木賞受賞第一作。21歳の女子大生・瑛と7歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。<読む前の大使寸評>追って記入amazonエルニーニョ【エ/ン/ジ/ン】ムック、角川グループパブリッシング、2009年刊<「BOOK」データベース>より身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待状を受け取った、葛見隆一。仕事と恋人を失い、長い人生の休暇にさしかかった隆一は、会場でミライと出逢う。ミライは、人嫌いだったという父親の行方を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、二つのあだ名だけ。痕跡を追い始めた隆一の前に、次々と不思議な人物が現れる。記憶の彼方から浮かび上がる、父の消えた70年代。キューブリック、ベトナム戦争、米軍住宅、そして、特撮ヒーロー番組“宇宙猿人ゴリ”―。<読む前の大使寸評>追って記入amazonエ/ン/ジ/ン【ツアー1989】中島京子著、集英社、2006年刊<「BOOK」データベース>より記憶はときどき嘘をつく。香港旅行の途上で消えた青年は何処へ。15年前の4日間をめぐる4人の物語。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、中国ツアーの短篇小説集のようである。怖い物見たさというか村上春樹風でもあるし借りたわけでおます。amazonツアー1989【イトウの恋】中島京子著、講談社、2005年刊<商品の説明>より「FUTON」に続く会心の書下ろし第二弾明治に日本を旅した英人女性の通訳の日本人若者の手記と現代のさえない独身男と男勝りの女性との関係を重ねて、欧米と日本、男と女の今を機知とユーモアで描く。<読む前の大使寸評>おお イザベラ・バードの通訳と関係を重ねて描くという着想が、いいではないか♪amazonイトウの恋
2021.11.13
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図書館で『文学界(2021年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年2月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<商品の説明>より通算1000号記念号 短篇競作 村上龍、山田詠美他<読む前の大使寸評>表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年2月号)柳美里さんのエッセイを見てみましょう。p378~379 <道行き> 11月19日に『JR上野駅公園口』の英訳『Tokyo Ueno Station』(Morgan Giles訳)が全米図書賞の翻訳部門を受賞した。版元の河出書房新社や担当編集者の尾形龍太郎さんやわたし自身の想定を遥かに超える反響があり、現時点で18万9500部の重版が決まっている。 文庫のサイン本を大量に作成した経験はないのだが、約二千冊の文庫本にサインをした。限られた時間の中で、都内の書店も訪問した。交通渋滞で10分ほど遅れてジュンク堂書店池袋本店のバックヤードに到着し、慌ててサイン道具の筆ペンと落款と朱肉をテーブルに並べていた時のことである。 「東日本大震災以降、柳さんの福祉までの活動を追ってきたけれど、今回の受賞で、柳さんが小説の世界に戻ってきてくれて、うれしいです」 と、書店員のAさんに言われて、一瞬顔を上げ、手を止めた。そうか、そういう風に受け止められているのか、でも、そりゃそうだよな、とわたしはサインをはじめながら、2011年3月11日以降に出版した本のタイトルを刊行順に頭の中でつぶやいてみた。 ピョンヤンの夏休み、沈黙より軽い言葉を発するなかれ、グッドバイ・ママ、JR上野駅公園口、貧乏の神様、ねこのおうち、まちあわせ、人生にはやらなくていいことがある、国家への道順、春の消息、飼う人、町の形見、沈黙の作法、南相馬メドレー… 出版自体はコンスタントにしているのだが、小説作品は『グッドバイ・ママ』『JR上野駅公園口』『ねこのおうち』『まちあわせ』『飼う人』の5冊のみ。 現在のわたしには三種類の名刺があって、その肩書は「青春五月党主宰」と、「フルハウス店長」と、「La MaMa ODAKA支配人」である。青春五月党は劇団、フルハウスはブックカフェ、La MaMa ODAKAは演劇アトリエで、三つの所在地は、全てわたしの自宅である。 わたしの自宅の住所は、福島県南相馬市小高区東町一丁目十番地。東京電力福島第一原子力発電所から北に16キロ地点に位置する旧「警戒区域」(原発から半径20キロ圏内)で、レベル七の原発事故によって12842人だった居住人口が0になった地域である。もうじき丸10年になるが、帰還住民は僅か3751人(2020年11月30日現在)で、約半数が65歳以上の高齢者である。 わたしは、常磐線小高駅から徒歩3分の場所にある中古住宅を購入し、表側をブックカフェ「フルハウス」として改築し、裏側の倉庫を「La MaMa ODAKA」と名付け、四半世紀ぶりに主宰劇団「青春五月党」を復活させて、地元住民を俳優に起用して三作品を上演した。 ここに至るまでの経緯に関しては、『南相馬メドレー』と『沈黙の作法』に詳しいので、触れないでおく。 敢えてひと言でいうと、わたしは、福島県の相双地区の人々と出逢った。一つ一つの行為の目的や予想を立てる間もなく、いや、目的や予想を立てられないほど毀損され引き裂かれた場所で、その破れ目の中で決定的に出逢ってしまったのである。それからのわたしの歩みは、絆や復興という言葉にはとてもそぐわない、辿るべき道もなければ行き着く先もわからない道行きのようでもあった。 臨時災害放送局の週一のレギュラー番組を担当したことから始まり(6年間で約600人の地元住人の話を収録した)息つく暇もなく、行動を起こしつづけてきた。行動というものは、目的や予想があれば、そちらに向かおうと歩み出す際に、出発点の方へたわむ瞬間がある。本当にこの道を進んでよいのだろうか、という逡巡のぬかるみにハマることもある。 だが、わたしの場合は、全てが行き当たりばったりで、なのにいきなりアクセルをベタ踏みしたものだから、延々と時間とのカーチェイスを繰り広げるしかなかった。『不思議の国のアリス』の白うさぎよろしく、いつも時計を眺めて「大変だ!遅刻する!」と走っていたような気がする。 さて、小説である。 震災後に出版した五冊に関しては、書いていて、確かな手応えがあった。どのような手応えかというと、書きながら、意識が卵のように抱く無意識の領域に触れ、時間に従属しない瞬間のようなものを捉えられた、という実感が得られた。 自己に縛されながら他者に到達する、という小説の「他我」を掴んだのだと思う。 今の私ならば、小説の中で自我を他在させることが出来る。 時間さえあれば、書ける。 書きたい小説は、いくらでもある。 今はただただ、小説を書く時間が欲しい。以前に読んだ『JR上野駅公園口』をつけておきます。【JR上野駅公園口】柳美里著、河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>より東京オリンピックの前年、男は出稼ぎのため、上野駅に降り立った。そして男は彷徨い続ける、生者と死者が共存するこの国をー。構想から十二年、柳美里が福島県に生まれた一人の男の生涯を通じて“日本”を描く、新境地!<読む前の大使寸評>著者は南相馬市のFM放送で週一回のパーソナリティを務めているそうである。毎度のことではあるが・・・虐げられる者、ハンデキャップを持つ者に寄り添う著者のスタンスがいいではないか。rakutenJR上野駅公園口『文学界(2021年2月号)』3:多和田葉子の特異性『文学界(2021年2月号)』2:翻訳される日本作家たち『文学界(2021年2月号)』1:21世紀の日本文学
2021.11.13
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図書館の雑誌類リサイクルフェアで『ゴダール2015(ユリイカ(2015年1月号)』という本を手にしたのです。ヨーロッパでのゴダール人気が載っているようで興味深いのです・・・でも、まだ人気はあるのかな。【ユリイカ(2015年1月号)】ムック、青土社、2015年刊<商品情報>より2015年1月、ゴダール最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開!!ゴダール初の長篇作品『勝手にしやがれ』から半世紀以上が経過し、この度、最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開される。ゴダール以上に映像の可能性を試し、示し続けて来た作家はいないのではないだろうか。進化をつづける映画の巨匠、ゴダールの批評精神に迫りたい。<読む前の大使寸評>ヨーロッパでのゴダール人気が載っているようで興味深いのです・・・でも、まだ人気はあるのかな。rakutenユリイカ(2015年1月号)ゴダールへのインタビューを、見てみましょう。(聞き手はフィリップ・ダジェン+フランク・ヌーシ、Godard をJLGと表記する)p66~67<Godard 2015、Adieu au langage>Q:現在ヨーロッパで起こっていることをどう分析されますか。ひとこと言いたいことがおありなんでは?JLG:ああ、意見はあるね。国民戦線がトップに立つといいと思うよ。オランド大統領はマリーヌ・ル・ペンを首相に指名すべきだね・・・このことはフランス・アンテル(の番組)でも言ったんだが削除されてしまった。 Q:その理由は?JLG:それで少しは動きが出るだろう。例え本当に行動しなくとも、そのふりをするためにはね。何もしないふりをするよりはましじゃないかね(笑)。それにみんな忘れてるが、国民戦線は全国抵抗評議会に二議席持っていたんだからね。当時は親共産主義の組織だったんだ。それでも国民戦線と名乗っていたんだ。 Q:それは名前が同じだけでは…。JLG:違う。人は名前が同じだけというかもしれないが、名前は残り、事実は忘れ去られる。そういうものだ。名づけることの重要さを考えるとね、もちろん名前が同じだけなんだが…。ルクセンブルグの首相はユンケル(Junker)という。これはドイツの爆撃機の名前でもある(Junkers、ユンカースはナチス・ドイツの爆撃機製造会社の名前、爆撃機はJu88)。 Q:ユンカーとはプロイセンの貴族でもあります。JLG:当時のドイツの田舎貴族だ。ともかく言語学に関心を持つ必要がある。君たちは知っているか分からないが、ミッシェル・ゴンドリーのちょっとした映画があった。とても素晴らしい、チョムスキーとの対話だ。信じがたい仕事で、しまいには繰り返しが多くなってくるんだが。Q:フランス、イギリス、デンマーク、いたるところで極右への票が伸びていますが、これは何を意味するのでしょう。JLG:それは私のケースに直結するね。私は彼らの敵方だから。昔、ジャン=マリー・ル・ペンは、私をフランスから追放するよう要求したことがある。だが、私は事態が動くのを望んでいるだけなんだ。偉大なる勝者、それは棄権主義者だ。私はかなり前からその一人だ。Q:なぜ前に進むことができないのでしょう。JLG:老いすぎているか、若過ぎるかなんだ。そういうことだ。カンヌでの賞を見るといい。私とグザヴィエ・ドランだ。ドランが誰か私は知らないが、カンヌは、若い映画を作る老いた監督と、古い映画を作る若い監督をいっしょくたにしたんだ。ドランは映画の形式も古い。少なくともそう聞いている。なぜ人は動かないか?その方が彼らにとってはいいからだ。 彼らは指導者を求める。結構。指導者を手に入れる。指導者たちを望む。指導者たちは現れる。しかしたちまち彼らは指導者が動かないことに腹を立てる。自分たちは動けないくせに。 私は昔、たった1ヵ所だけ、何かを変えられる場所があると知った。映画の作り方において、つまりシネマの領域だ。それは小さな世界だった。たった一人の個人ではなく、社会の生きた細胞ではあったが、みんなに役立つあの有名な細胞のように。バクテリアの何とかいう…。Q:大腸菌ですか。JLG:それだ!社会学的な比喩を使えば(私は今よく使われる社会的という言葉があまり好きではない)、それは1本の映画の誕生であり、思春期であり、死であるということになる。 3ヵ月から4ヵ月の間に起こり、巨大プロダクションであれば最大100人、私たちの場合は3人だが…。わずかな人数なので、その場所でだけなら、少なくともその小さな社会をどう生きるかということを変えることができるだろう…。いや、そうなっていない…。Q:そんなことはありません。その証拠にあなたがいます。
2021.11.13
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在193位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在33位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在135位・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、副本1、予約16)現在5位・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在43位・ブリーディング・エッジ(8/22予約、副本2、予約9)現在2位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在212位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在25位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在206位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、副本4、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・『レアメタルの地政学』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・猫が30歳まで生きる日:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・片岡義男『言葉の人生』:図書館未収蔵・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:9/25以降> ・『チャイニーズ・タイプライター』(7/17予約、9/25受取)・『Tokyo Ueno Station』(9/02予約、10/01受取)・『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(5/30予約、10/01受取)・ヘミングウェイで学ぶ英文法(10/11予約、10/17受取)・多和田葉子の〈演劇〉を読む(8/31予約、10/17受取)・日本文学100年の名作:10巻「バタフライ和文タイプ事務所」(10/17予約、10/21受取)・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/14受取予定)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【生命海流】福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>rakuten生命海流【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【ブリーディング・エッジ】トマス・ピンチョン著、新潮社、2021年刊<出版社>よりITバブルは弾けたが新世紀の余韻さめやらぬニューヨークで、子育てに奮闘する元不正検査士の女性。知人の仕事を手伝い覗いたネットの深部で見つけたのは、不穏なテロの予兆だった。NYの、そして世界の運命は肝っ玉母さんの手に――オタク的こだわりと陰謀論にあふれる、謎に満ちたアメリカ文学の巨人が放つビッグバン。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/22予約、副本2、予約9)>shinchoshaブリーディング・エッジ【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。「<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【君が異端だった頃】島田雅彦著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より3月生まれの幼年期から、めくるめく修業時代を経て、鮮烈なデビューへー。戦後の文学を彩った、文豪たちとの愛憎劇と、妻がある身の最低男の、華麗なる遍歴と、不埒な煩悶と。最後の文士・島田雅彦による自伝的青春私小説!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/12予約、副本4、予約0)>rakuten君が異端だった頃【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。
2021.11.12
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<『老親友のナイショ文』(復刻)>瀬戸内寂聴さんが亡くなられましたね。その遺徳を偲んで、10日ほど前にUPした記事を復刻します。不撓不屈で頑張ってこられた寂聴さんでしたが、お疲れさんでした。図書館で『老親友のナイショ文』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、90年、80年生きた人間というのがやたらに出てくるわけで・・・これこそ老人むけの書である。【老親友のナイショ文】横尾忠則×瀬戸内寂聴著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より百歳目前にして日々ペンを走らせる瀬戸内寂聴と、八十代半ばにして現役バリバリ横尾忠則。半世紀ほど前に出会った二人による、週刊朝日連載の往復書簡をまとめた書籍。〝老親友〟の二人が昭和からの交流を振り返り、世相を見抜き、奔放にユーモラスに生きること、長寿の悲喜こもごもを互いへの手紙形式で伝えあう。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、90年、80年生きた人間というのがやたらに出てくるわけで・・・これこそ老人むけの書である。amazon老親友のナイショ文横尾さんの文才のあたりを、見てみましょう。p165~167<ヨコオさんの文学的才能 見抜いたのは私> ヨコオさん 今回の手紙は、はからずも「小説」の話になって面白いですね。それに、嵐山光三郎さんが出てきたので、思わず「ヨーッ」と叫んで、おでこを叩いてしまいました。 嵐山さんの名前で書かれた活字の文章は、目につく限り、すべて読んでいます。別に義務があるわけでなく、彼氏の作文は、何を読んでも、断然、面白いからです。第一に、文章がよろしい。内容が気が利いている。必ず途中で笑わされる。すべてが粋である。こんな文章を見逃すのは、よっぽど運が悪いか、アホーな人間である。 仰せの如く、嵐山さんは、物書きになる以前は、雑誌「太陽」の編集長だった。私もヨコオさんも、その頃の嵐山さんが初対面であったようですね。嵐山さんは30代になっていたのだろうか。粋で、おしゃれで、言動のすべて、気が利いていた。 向かい合うと、いつの間にか、自分が常以上のおしゃべりになり、あること、ないこと、面白おかしく喋くりまわっている。喋り疲れて口を閉ざすと、間髪を入れず、「では、その話を、6枚のエッセイにまとめてください。締切は××日です」 とか言う。こうして、私はいくつエッセイを「太陽」に書かされたことか。取材の度に何度一緒に出掛けたことか。 私は内心、この人はきっと作家になるだろう。でなければ、出版社を造って、社長になるかも…と思っていた。 ヨコオさん、私の直感は、かくの如く凄いのよ。ヨコオさんの文学的才能をいち早く認めたのも、私だったことを忘れないで! 井上光晴さんが、いきなり電話をかけて、ヨコオさんにはじめての小説を書かせたのも、私が井上さんに、「天才がいるよ、若いけれどホンモノよ、あなたの雑誌“辺境”に彼の最初の小説を貰いなさい。歴史的事件になるよ!」 とわめいて、井上さんが何の紹介を持たず、いきなり、あなたにあの大声で電話をかけた次第だったのです。 私は昔から、天才が好きで、天才に憧れていました。未来の天才の若きヨコオ青年の身内にひそむ天才の本質を、すでに私は、見抜いていたというわけです。(もっと、尊敬しろ!)この本も老人力あれこれに収めておくものとします。『老親友のナイショ文』3:戦争体験『老親友のナイショ文』2:瀬戸内さんの返信『老親友のナイショ文』1:老年の価値
2021.11.12
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図書館で『文学界(2021年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年2月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<商品の説明>より通算1000号記念号 短篇競作 村上龍、山田詠美他<読む前の大使寸評>表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年2月号)「21世紀の日本文学」というテーマで3人の書評家、評論家たちが語り合っているので、続きを見てみましょう。(安藤礼二×鴻巣友希子×江南亜美子)p378~379 <多和田葉子の特異性>江南:いま海外マーケットで受容されるかどうかに、明快な解がないのがおもしろいと思います。かつて川端康成や谷崎潤一郎、三島由紀夫が評価されたとき、英訳した日本文学研究者の耽美的な審美眼が「日本ブランド」の輸出に一役買っていた。 しかし例えば多和田葉子さんは、ご自身でもドイツ語で書かれますが、日本的とはいえない。彼女の固有性を突き詰めたら、民族的なルーツを切断してユーモアで世界を救おうとしている感じがします。いっぽうで、現在の世界文学の文脈は、作家が民族的ルーツを掘り下げていき、テーマ化したものが多いですよね。鴻巣:アメリカの作家はルーツ大好きですよね。みんな移民作家ですから。江南:経済がグローバルを極めたら、逆に個人のルーツ探しに小説のテーマが回帰していった。そのなかで多和田さんは、たとえば『地球にちりばめられて』でルーツを切り離していく。鴻巣:むしろルーツをなくすような方向性がありますよね。例えばリービ英雄さんが持っているようなセンチメントって彼女にはない。もちろんリービさんの場合は英語からより“小さな”日本語に入ってきている。多和田さんの場合は日本語からより普遍的なヨーロッパの言語へ入っているという差はありますが。江南:まさに越境作家です。翻訳者が苦労しそうな日本語の言葉遊びや地口があるけど、真にグローバルな作家、国と国のあいだにいる作家なんですよね。安藤:翻訳にからめて述べれば、私は岡田利規という作家が大変気になっています。鴻巣:岡田さん、いいですよね。安藤:岡田さんの場合、全世界で戯曲がその国の言葉に翻訳され、上演も多くの場合は字幕付きでなされる訳じゃないですか。だから、翻訳されることが前提で戯曲を書いているはずなんだけど、しかしその日本語はきわめて特異なんです。 話し言葉と書き言葉が奇怪な形に融合されて、しかも語り手と登場人物がずれていく。日本語で書かれ、日本語でしか表現されるはずのないものが、実は密やかに世界文学を実現している。そうした感触は確かにあります。世界文学という考え方は嫌いですが。少しとばして読み進めましょう。p386~387 <悪について>安藤:人間の心についてはもしかしたらAIが解き明かしてしまうかもしれないけれど、一方で人間じゃない非人間的な世界というのは、SFがずっと担ってきているという見方もできると思うんです。先ほども出た青木淳悟さんとか上田岳弘さんとか、どうしても人間であることに我慢できない人たちっていると思うんですよね。江南:まあでも、上田さんはあの形式で人間を書きたいんだと思いますよ。鴻巣:上田さんは『私の恋人』とか『太陽・惑星』とかの頃は、すべての歴史はもう意識の中にあるみたいなすごくマクロなことを書いていたけど、『塔と重力』ぐらいから、この人は人間について書こうとしているなとわかり始めた。安藤:なるほど。最近ですね。鴻巣:『ニムロッド』も『キュー』もそうです。だから面白いと私は思っています。あのままずっとマクロな視点の、すべて見えてはいるけどどうにもならないみたいなものを書いていかれたら、どこに行ってしまうんだろうとは思っていました。(中略)江南:素朴なことを言うと、文学って結局、人間の謎を追いかけている部分があると思います。最近、東浩紀さんがテーマにしている、人間が歴史的にくりかえし巨悪に傾いてしまう謎とかもそうです。人体実験を行った731部隊、優生思想のナチス・ドイツ…人は邪悪な存在になりうるという問題を引き受けて次世代に継承する義務もあるはずです。 さっき鴻巣さんの話で面白いと思ったのが、ディストピア小説では記憶を失うことができない人が駆逐されるというストーリーが多いという部分です。鴻巣:『1Q84』もそういう部分がありますね。江南:イシグロの『忘れられた巨人』も老夫婦の悲しみは記憶にこだわったことに起因します。日本のこのところの政権がまさにそんな感じで、都合の悪いことを国民が速やかに忘れてくれればいいという魂胆がありありとしている。文学はその流れへの抵抗のかたちだと考えることもできるはずで…。鴻巣:村上春樹は自伝エッセイの『猫を捨てる』ではっきりとそういう趣旨のことを言いましたね。江南:あるいは、小川洋子さんがニューヨーク・タイムズに書いた「死者の声を運ぶ小舟」というエッセイもそう。鴻巣:ああ、良い文章でした。江南:声を持たなくなった死者、か細い声の弱者たちの代弁のために私の文学というものはあるんだ、とおっしゃっていて。「健全」すぎる定義かもしれませんが、人間が犯した取り返しのゆかない過ちを、記録し、記憶するのも文学の仕事だとやっぱり言いたい。 要するに、「21世紀の日本文学」は、多くの記録媒体のひとつ、遅効性の再現メディアであればいい。売れる売れない、文学賞で評価されるされないもそこでは関係ない。出版業も商売なのはわかっていますが、純粋に文学とは何かと考えれば、人間のそうした営為だとしかいえない気がしています。鴻巣:語り継ぐということは人間の本能的なものですよね。カルト教団とか新興宗教の話もしておきたいです。人の篤信と狂信の境はどこかというようなことが、角田光代さんの『八日目の蝉』、それから『1Q84』、最近だと今村夏子さんの『星の子』で書かれていますね。 日本は特定の宗教が広く普及しているわけではない、いわゆる無宗教者の多い国ですから、そういう中におけるカルト教団の重さがある。江南:合理性だけで解明しきれない人間の謎の部分。『文学界(2021年2月号)』2:翻訳される日本作家たち『文学界(2021年2月号)』1:21世紀の日本文学
2021.11.12
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図書館で『文学界(2021年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年2月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<商品の説明>より通算1000号記念号 短篇競作 村上龍、山田詠美他<読む前の大使寸評>表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年2月号)「21世紀の日本文学」というテーマで3人の書評家、評論家たちが語り合っているので、続きを見てみましょう。(安藤礼二×鴻巣友希子×江南亜美子)p374~375 <翻訳される日本作家たち>江南:リストを見ると、村田紗耶香さんは共通して名前が挙がっています。安藤:村田紗耶香さんは私の翌年に、群像新人賞の優秀作を受賞しているので、ほとんど同級生のような感覚で彼女が何を書いていくのかを追いかけてきました。 初期の村田さんはまさに性的多様性の問題であるとか、女性と女性の間に開かれる新しい性愛の問題などを扱っていて、私はそのような世界が非常に好きでした。村田紗耶香にしか描けない世界だと思っていたのですが、それが『コンビニ人間』を書いたことでまた大きく変わった。『コンビニ人間』を読んだ後で初期の作品をもう1回読み直してみると、やや作りすぎているなという感じがしました。『コンビニ人間』というあのまったく不自然な作品のほうが、村田紗耶香という表現者が持っているおかしさ、奇妙な産出性といったものが自然に出ているような感じがしていて、面白いものだなと思いました。阿部和重が偽史の起源だとしたら、川上未映子と村田紗耶香が性的多様性の起源になると思います。鴻巣:そこは少し注意が必要で、それ以前にも角田光代さんが『ひそやかな花園』でAIDの問題を正面から書いてらっしゃった。でも、旗手という意味では村田さんと川上さんというのは、そのとおりですね。安藤:一方で彼女たちはもうその世界から離脱しようとしているようにも感じられます。文芸誌には偽史と性的多様性が氾濫していますからね。それもまた興味深いと思います。村田紗耶香の場合、『コンビニ人間』がそのターニングポイントになるように思います。鴻巣:やっぱり翻訳者目線で言うと、村田紗耶香さんと川上未映子さんに関しては、昨今は気になるところです。多和田葉子さん、小川洋子さんもそうですが。江南:多和田さんは『献灯使』で全米図書賞を取っていますね。鴻巣:小川洋子さんは全米図書賞翻訳部門、ブッカー国際賞の候補になり、また、アメリカン・ブック・アワードという「人種、性別、民族的背景、分野を問わない」文学賞も受けていますね。村田紗耶香さんは『コンビニ人間』の売れ行きもとても好調だとか。ニューヨーク・タイムズのベストブックスに選ばれたり、今、『地球成人』の英訳が出たところですが、英米の有力媒体のブックリストに頻繁に入っています。どちらもジニー竹森さんの翻訳です。 川上未映子さんは確かに『わたくし率 イン 歯-』が挙がるのはわかるんだけれども、今回の鼎談テーマから言うと、AIDとか生殖の問題に取り組んだ『夏物語』はこの21世紀に挙げたいと思います。 フェミニズムの流れからもそうだし、2020年には、英訳とドイツ語訳とイタリア語訳なども出て、それぞれかなりの反響を得ている。この10年ぐらいだと思うんですけど、これからの日本の作家の方は海外での、特に英語圏での自分のポジションというのは意識せざるを得ない状況になっていくんじゃないでしょうか。 実際に海外での活動は活発化しているし、翻訳家とコラボするために英語力を磨いている方も多いですね。ここ数年で作家の方々の活動範囲が変わってきたというのは感じます。(中略)安藤:別に論争を吹っ掛けようとかそういう気はまったくないのですが、私は鴻巣さんと真反対で、基本的に英語圏のことなどを考える必要はないんじゃないかと思っています。鴻巣:いや、作家の方も書く時に海外の読者を意識しているということはないと思いますよ。『文学界(2021年2月号)』1:21世紀の日本文学
2021.11.11
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図書館で『文学界(2021年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年2月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<商品の説明>より通算1000号記念号 短篇競作 村上龍、山田詠美他<読む前の大使寸評>表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年2月号)「21世紀の日本文学」というテーマで3人の書評家、評論家たちが語り合っているので、見てみましょう。(安藤礼二×鴻巣友希子×江南亜美子)p362~367 <21世紀の日本文学>安藤:21世紀の日本文学というのが今回のテーマですが、21世紀といってもまだ20年しか経っていないんですよね。ちょうど私が、群像新人文学賞の評論部門優秀作を受賞したのは2002年でした。今日のために重要と思われる今世紀の十作を選んできましたが、自分がこれまで書いてきたキャリアをそのまま振り返るようで大変興味深かったです。同時代という感じがしました。鴻巣:私も書評を始めたのがちょうど2000年です。だから、自分の歩みを見るような感じです。江南:この20年を振り返るにも、なにかたたき台がなければ漠然としてしまいそうですので、簡単な2000年代の見取り図を考えてみたのですが、ここから始めさせてもらっていいでしょうか。安藤:どうぞよろしくお願いします。江南:斎藤美奈子さんと記憶しますが、純文学がミステリーやSF、ホラーといったジャンルの上位に位置するのではなく、並列になったとおっしゃったのが2000年ごろだったと思います。話の力点は、純文学が特権的な文学の形式ではなくなった、という意味です。 たしかに21世紀の日本文学の特徴として、ミステリーやSFとのジャンル混交的な純文学作品が目につくようになります。ミステリー的純文学の領域では高村薫さんの純文学への転向があり、奥泉光さんははっきりとミステリーを意識した作品を書きだし、そして桐野夏生さんの作品をミステリーか純文学かと問うのは野暮というもの。中村文則さんのデビューも2000年代です。 一方、SFと純文学はそもそも相性がよかったですが、近年の村田紗耶香さんの作品には、SF的かつフェミニズム的という文脈が浮かびあがります。さかのぼれば川上弘美さん、最近では上田岳弘さんがいます。円城塔さんがSFマガジンと文学界でデビューしたのは2007年でした。つまり、純文学だけが固有のジャンルのコードから自由だという言説が無効になり、他ジャンルでも脱コードの風潮ができたのが、2000年代ではないか。 ジャンル混交がデフォルトとなったからこそ、改めて「純文学って何なのか」とのとらえ直しが必要になるのかもしれません。(中略)■ディストピアはリアリズム?鴻巣:ミステリーとの乗り入れというのはそれまでもありましたが、おっしゃる通り、SFとの結びつきというものはこの2,30年の大きな特徴だと思います。翻訳者目線で言うと、マーガレット・アトウッドがいて、それからカズオ・イシグロがいます。 日本には村上春樹がいて、彼は比較的早くからファンタジーとの融合を実践していました。明らかにカズオ・イシグロよりも早かったですよね。 その状況に乗り入れてきたのが、ディストピア文学なんです。この20年ぐらい、英米ではディストピアブームが続いていて、もうブームとも言えないぐらいに一つのサブジャンルを形成していますが、この表現方法がはっきり変わってくるのがイシグロくらいからなんですね。 どういうふうに変わったかというと、昔、ディストピア文学というとSFの範疇だったじゃないですか。ジューヌ・ヴェルヌだって、19世紀の半ばからファクシミリのことを書いていたり、リニアモーターカーが登場したりする。 とにかくSF的ガジェットを投入して、未来感を作るのがディストピアだったのが、ル・グインなどのフェミニズムSFが「女性のユートピア」を描いた後に出てきたアトウッドの『侍女の物語』が一つの転換点になり、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』で決定的に事情が変化してきたと思います。 これは一種のSFマスキュリニティだと思うんですけど、先端的なテクノロジーを登場させ物質的なもので世界を加工して作り上げるという、ジューヌ・ヴェルヌからオーウェルを経由してヴォネガットにつながる男性的なディストピア、SF観を、女性的な資質を持った作家が緩やかに覆していった。 日本でその流れを受け継いでいるのが小川洋子さんであり、村田紗耶香さん、先日刊行されたばかりの桐野夏生さんの『日没』をそこに入れてもいい。別に驚くような未来感を前面に押し出したり、未来都市を構築したりするわけではないですよね。どんどんリアリズムに寄っているというか。江南:未来的な予言性のある作品というより、歴史的な検証も含んだ、時間超越的なものですね。結果的に、普遍的な趣きがもたらされるという。鴻巣:そうそう。川上弘美さんの『大きな島にさらわれないよう』などは神話ですよ。私はレトロ型ディストピアと呼んでいますけど、その潮流はどうしても気になりますね。 その中で重要な存在として、今回規定違反だとは思うのですが、小川洋子さんの『密やかな結晶』を十冊に入れました。日本では1994年に出ているので厳密には21世紀の作品ではないのですが、2019年にスティーブン・スナイダーが英語に翻訳したことによって、いま英米で大いに再評価を受けていますね。江南:小川さんがまだデビューして7、8年で書かれた作品ですが、のちの小川印がすでに濃厚に出ています。鴻巣:芥川賞を取って3年目で書いた、長編第1作なんですね。翻訳って時計の針を進めたり戻したりすることができると思っていますが、今回は時計の針が進んだというか、現代にアップデートされて提示されたんでしょう。今、英語圏では『密やかな結晶』を『The Ⅿemory Police』という新刊図書として読んでいるわけですよね。 日本の私たちが20年も翻訳されなかったピンチョンを、新刊図書として読むのと同じようなことが起こっている。作品の提示の仕方を変えてことで、今、読者の心にものすごく刺さっている。だから、私たちもこの作品をもう一回見る目を変えて読むというのはいいかなと思ってリストに入れました。 『密やかな結晶』は、今読むとディストピアだってわかるじゃないですか。だけど、刊行当時はファンタジーとして読まれていました。(中略)江南:多和田葉子さんとかもそうですね。鴻巣:そういった変遷がこの20年に起こった大きな変化の一つだと思います。ディストピア文学の中での流れですけどね。特徴の一つとしては喪失や消失があって、作品の中で登場人物はよく記憶をなくすんです。カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』もそうですし、J・Ⅿ・クッツェーのイエス三部作でも、記憶を消せない人というのが咎められる。『The Ⅿemory Police』も一緒で、記憶を消せない人が取り締まられるディストピア。 歴史修正にもつながるそういうところがリアリティをもって受け止められているのでは。 <偽史小説と性的多様性>安藤:(中略)それともう一つ、ここ数年本当に顕著になってきていると思うのは、主に男性作家たちが描く偽史の世界です。鴻巣:もう一つの別の歴史を描いた作品が、たしかにかなり多く発表されていますよね。安藤:この20年、阿部和重さんの『シンセミア』から始まって、村上春樹さんの『1Q84』だってまさにそうでしょう。男性の作家たちは本当に偽史しか書いていない。上田岳弘さんの『キュー』もそうです。満州事変から始まって、それが現実とはまったく異なった別の未来へと続いていく。ほとんどこの20年間、男たちはただひたすら偽史だけを語り続けているのではないか。 それではもう一方で、女性の作家たちは何をやってきたのか。こちらはこちらで、性的多様性、あるいはそうした性的多様性が認められた上での生殖的多様性というべきものだけを語っている。(中略)鴻巣:私もまったく同じことは考えていました。安藤さんがおっしゃった偽史小説を、私は叙事的なクロニクル小説と呼んでいますが。江南:島田雅彦さんの『君が異端だった頃』も一種の文芸偽史で。ところで、2年前の図書館放出で入手した『文学界(2019年1月号)』が興味深いので、ときどき再読しております。『文学界(2019年1月号)』4:多和田葉子と温又柔との対談
2021.11.11
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図書館で『他人になってみる(英文精読教室 第2巻)』という本を手にしたのです。柴田元幸さんの編・訳・註で6巻シリーズの第2巻とのことで・・・柴田さんといえば、読んでいるより、訳するほうが早いといわれる達人だそうで、如何なる本か興味がわくのです。【他人になってみる(英文精読教室 第2巻)】柴田元幸著、研究社、2021年刊<「BOOK」データベース>より最高の物語、丁寧な注釈、信頼できる訳文。「英語」を捏造するアジア人、独自の愛を見出す女の子、過酷な生を生きるアフリカン=アメリカンの若者…英語で書かれた小説を辞書なしで100%楽しむ本。<読む前の大使寸評>柴田元幸さんの編・訳・註で6巻シリーズの第2巻とのことで・・・柴田さんといえば、読んでいるより、訳するほうが早いといわれる達人だそうで、如何なる本か興味がわくのです。rakuten他人になってみる (英文精読教室 第2巻)Stuart Dybek『Farwell』の続きを、見てみましょう。難易度1とのこと。p14~15<Farwell>【原文】"That was you! I thought ①hooligans ②had heard Chaliapin moaning about fate and ③become enraged. Russian opera can have that effect even on those not ④addicted to rock and roll. I didn't know what to expect next ― ⑤a brick, maybe ― so I turned off the music and laid down on the floor in the dark.""No, no. ⑥It would have been a memorable entrance. I’m sorry I missed it, though if I looked out the window and saw you in the dark I still might have thought it was hooligans," he laughed. "As you see, ⑦my nerves aren't what they should be."【訳文】「何だ、君だったのか!私はまた、シャリアピンが運命を嘆くのを聞いた不良どもが怒り狂ったのかと思ったよ。ロシアオペラというのは、ロックンロールに中毒していない人間にもそういう効果を及ぼすことがあるものでね。つぎは何が来るかと思ったよ―煉瓦かな、とね。それで音楽を止めて部屋を暗くして、床に伏せたわけさ」「すいません」と僕は言った。「何も考えてなかったんです―どうして素直に呼鈴を鳴らさなかったのかな」 「いやいや。うまくいけばこっちも、千両役者堂々たる登場、だったろうにな。チャンスを逸して残念だね。もっとも、窓から顔を出して、闇の中に君がいるのが見えたとしても、やっぱり不良どもだと思ったかもしれんが」彼はそう言って笑った。「ごらんのとおり、私の神経はいささかくたびれていてね」 ブロンズの明かりがふたたび部屋にともっていた。バボの部屋は、書物が家具代わりに並んでいるという感じだった。さまざまな言語の本が壁を埋め、床にもびっしり詰まれていた。家具と見えるのも、要するにさらなる本の箱だった。***********************************************************【注記】 ①hooligan(s):ヨーロッパではサッカー場で暴れる観客について言うことが多いが、元々はごろつき一般を指す語。②had heard Chaliapin moaning about fate:シャリアピンが運命を嘆くのを聞いた。シャリアピンは1900~30年代に活躍し絶大な人気を誇ったロシアのオペラ歌手。③become enraged:激昂する④addicted to rock and roll:ロックンロールに中毒している。ダイベックは1942年生まれでもあり、この物語全体、ビートルズらが登場しロックンロールが「ロック」になる以前の時代を感じさせる。⑤a brick:煉瓦⑥It would have been a memorable entrance:「記憶すべき登場となったことだろう」。もし雪玉に応えて、窓から外に姿を見せていたらということ。⑦my nerves aren't what they should be:直訳すれば「私の神経はそれらが本来そうあるべきものでない」=「神経がいささか損なわれている」。英文や翻訳に関しては『柴田元幸の意見100』がお薦めです。『他人になってみる(英文精読教室 第2巻)』1
2021.11.11
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在1位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在193位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在33位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在135位・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、副本1、予約16)現在5位・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在43位・ブリーディング・エッジ(8/22予約、副本2、予約9)現在2位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在212位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在25位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在206位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・『レアメタルの地政学』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・猫が30歳まで生きる日:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・片岡義男『言葉の人生』:図書館未収蔵・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:9/25以降> ・『チャイニーズ・タイプライター』(7/17予約、9/25受取)・『Tokyo Ueno Station』(9/02予約、10/01受取)・『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(5/30予約、10/01受取)・ヘミングウェイで学ぶ英文法(10/11予約、10/17受取)・多和田葉子の〈演劇〉を読む(8/31予約、10/17受取)・日本文学100年の名作:10巻「バタフライ和文タイプ事務所」(10/17予約、10/21受取)・半沢直樹 アルルカンと道化師(4/06予約、11/04受取)・生態学者の目のツケドコロ(6/28予約、11/04受取)・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)**********************************************************************【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【生命海流】福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>rakuten生命海流【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【ブリーディング・エッジ】トマス・ピンチョン著、新潮社、2021年刊<出版社>よりITバブルは弾けたが新世紀の余韻さめやらぬニューヨークで、子育てに奮闘する元不正検査士の女性。知人の仕事を手伝い覗いたネットの深部で見つけたのは、不穏なテロの予兆だった。NYの、そして世界の運命は肝っ玉母さんの手に――オタク的こだわりと陰謀論にあふれる、謎に満ちたアメリカ文学の巨人が放つビッグバン。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/22予約、副本2、予約9)>shinchoshaブリーディング・エッジ【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。「<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>heibonsha米中戦争【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。
2021.11.10
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図書館に予約していた『生態学者の目のツケドコロ』という本を、待つこと1ヶ月ほどでゲットしたのです。いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・生態学者の見たコロナ禍は如何なるものか。【生態学者の目のツケドコロ】伊勢武史著、ベレ出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より生物と生物、生物と環境との関係を調べる、生物学の一分野である生態学。生きものについて知りたい、自然を守りたいと願う人にとって、生態学的な見方は必ず役に立つ。自然と生きもの、人間との関係を見つめ直す7つの章。【目次】第1章 人に囲まれて/第2章 暮らしのなかで/第3章 文化に触れて/第4章 外国を旅して/第5章 里山に生きて/第6章 森を歩いて/第7章 研究をとおして<読む前の大使寸評>いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・生態学者の見たコロナ禍は如何なるものか。<図書館予約:(6/28予約、副本3、予約21)>rakuten生態学者の目のツケドコロレジ袋有料化について、見てみましょう。p60~62<レジ袋有料化は環境にいいの?> レジ袋有料化は、もう10年くらいくすぶっていた議論。法の規制のもと、コンビニなどでも有料になったのは2020年7月からだが、イオンなど大手スーパーではもう何年も前から自主的に有料化していたと記憶している。 無駄なものを出さないのがいい、繰り返し使えるエコバッグがいいよね、という理由は誰もが理解できるところだが、そもそもレジ袋有料化がどのように環境の役に立つのか、じつはこの10年あまりで議論が変化してきたのでまとめておきたい。 僕の記憶の範囲では、10年ほど前にスーパー各社が自主的にレジ袋有料化を進めた際は、二酸化炭素排出量削減というのが名目だったように思う。ところが近年は、マイクロプラスチックなどの海洋ごみ問題の緩和を前面に出してきたように思われる。 二酸化炭素の話でいうと、私たち日本人が出す二酸化炭素のうち、レジ袋が占める割合はごくごくわずかであり、自動車や飛行機などの乗り物が出す量の1%未満となる。勝手な邪推だが、名だたる大企業主体の自動車産業や航空運輸業をやり玉に挙げることがかなわなかったからではないかという憶測を禁じ得ない。 一方、海洋ごみの削減という問題を考えると、たしかにレジ袋はそれなりに大きな原因になっていると考えられる。二酸化炭素は無味無臭無色の気体なので、排出されてもいわゆる「ごみ問題」は引き起こさないんだけど、街角に捨てられたレジ袋はやがて劣化してボロボロになり、海に流れ出してしまうのである。というわけで、環境科学の専門家のはしくれとしては、海洋ごみ削減のためのレジ袋の有料化という措置は妥当だと考えている。 問題なのは周知の仕方であり、どうも市民は何のためにレジ袋が有料化されたのかあまり理解しておらず、ただその不便さに不満を抱いているような気がしている。Twitterのつぶやきを確認したところでも、レジ袋有料化に好意的な発言というのはあまり見られない。 レジ袋有料化が海をきれいにするという効果が観測されるにはしばらく時間がかかるだろうが、少なくとも現時点でも、何を目的としているのか、意識を共有する必要があると思う。その責任は、僕ら専門家、政府、そして小売業のみなさんで連帯して負うべきであると思っている。 なお、有料化と禁止は意味合いが異なる。レジ袋についての環境政策としては、有料化が妥当で穏便なやり方だと思う。エコバックを持ち歩くのが面倒という人は、3円なり5円なり支払えば、これまでどおりにレジ袋を入手できる。それはまったく合法なことである。一方、エコバックを持ち歩く生活習慣を身につけた人は、レジ袋を買わずに済む。今回の有料化でそういう人の割合が大きく増えたことだろう。このように人間の多様性を認めつつ、社会全体としていい方向に持っていくための手段が有料化なのだ。『生態学者の目のツケドコロ』3:Small is beautiful『生態学者の目のツケドコロ』2:科学的リテラシー『生態学者の目のツケドコロ』1:生態系エンジニア
2021.11.10
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図書館で『禍いの大衆文化』という本を、手にしたのです。いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・この本にも、その「禍い」にどう折り合ってきたかという歴史が述べられているようです。【禍いの大衆文化】小松和彦著、KADOKAWA、2021年刊<「BOOK」データベース>より「禍い」に襲われた人々は、様々な文学・絵画・芸能・信仰を生み出してきた。その多くは娯楽の側面も持ち、世相を反映しながら、時代や地域に根付いていく。過去・現在の民衆の心性を解き明かす、研究プロジェクトの第2弾!<読む前の大使寸評>いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・この本にも、その「禍い」にどう折り合ってきたかという歴史が述べられているようです。rakuten禍いの大衆文化「第8章 近代、サイの目、疫病経験」で近代の疫病経験を、見てみましょう。p285~287<「伝染病」の誕生> 幕末から明治にかけて、疫病は、ひとつの転機を迎えた。疫病がどのように生じるかという理解の仕方が、この時期、更新されたのである。 集団を襲う病としての疫病は、古来、さまざまな原因にむすびつけられ理解されてきた。あるときは神罰。仏罰として、またあるときは国政の不調の結果や、非業の死をとげた貴人の怨恨(御霊)のしわざとして語られた。 明治期まで多くの子どもらを死地に追いやった疱瘡(のちにいう天然痘)の場合、疱瘡神という特異な形象とむすびつけられた。疱瘡への罹患は、疱瘡神の来訪ととらえられ、人びとは患者が軽く安々と回復するよう疱瘡神を饗応した。疫病は、身体に発する現象とは考えられておらず、下界の出来事に呼応して身体に生ずる現象ととらえられていたのだった。 そうした疫病への理解が、短期間のうちに更新されたのが、いまいう幕末から明治にかけての数十年の次期である。日本列島では19世紀初頭より、それまで経験したことのない疫病が流行するようになっていた。長崎に1817(文化14)年に現れた「神経疫」(腸チフスか)や、西日本を中心に1822(文政5)年に流行した「ころり」(コレラ)などが、それである。 その過酷な病状をみて、一部の医師らは、病因を解明し治療法を探るべく、西洋の医学書の翻訳に励んだ。そして、身体を内外から害する「毒」という病因論に替え、物理的な病原物質が病を「伝染」させるという病因論に着目するようになったのである。 疫病を、外界の何者かによる身体の集合的な侵襲とみるか、病原物質の伝播に起因する病の集団的発症とみるかは、非常に大きな転換である。幕末期には、まずは西洋近代医学を研究する医師が、つづいて為政者が、後者へと疫病の理解を切り替えていった。 病が病原物質の「伝染」により発症するのであれば、その経路を断ち切るとともに、発症を未然に防ぐ措置をとらねばならない。西洋流の環境改善策や海港検疫が日本にも紹介され、種痘(天然痘の予防接種)が積極的に推奨されるようになった。 かくて、肥前瘡など一部の皮膚病の説明に用いられていた「伝染」という概念は、維新前後に急激に変容する。コレラを筆頭に、病原物質の物理的な拡散により集団的に重篤な症状をひき起こさせる病が「伝染病」として国家にマークされ、その予防を掲げる法制度がしだいに構築されてゆく。疫病は近代にいたり、日常から徹底して排除すべきであり、また排除可能な病の集合へと変貌したのだった。<「衛生双六」にみる明治期の疫病> では、明治期の疫病、すなわち「伝染病」は、日常世界にどのように現れ、いかに排除すべきよう説かれたか。本章では、「衛生」をテーマに明治期に制作された三点の絵双六から、その様相を探ってみたい。道中双六 いま「絵双六」というのは、日本に15世紀後半になり現れた卓上競技である。歴史的に先行する「盤双六」と同様に、競技者が順にサイコロを振り、いかに早く駒を「振出」から「上り」まで進められるかを競う。投書、極楽浄土を「上り」とする「浄土双六」として登場したものが、時代とともに種類を増やしていった。 全盛期には、発達した木版印刷技術のもと、色鮮やかな絵双六も作成されるようになった。また、駒の進め方にも工夫がみられた。従来型の「浄土双六」や「道中双六」のように、決められた道順をサイコロの目の数だけ進んでゆく「廻り双六」とは別に指定されたサイコロの目にしたがって特定のマス目へと飛ぶ「飛び双六」も編みだされたのだった。 さて、本章で以下にみる「衛生」がテーマの絵双六は、いずれも「振出」から何度も病を経験しつつ「上り」へと至る飛び双六である。飛び双六の面白さは、一葉の紙の上に、多種多様な物語が展開される点にあろう。衛生双六もまた例外ではなく、サイコロの一投一投によって、「上り」までの道筋がころころと変化する。疫病に「伝染」したのち、「伝染病院」に飛んで収容されるか、「迷信」に走るか、「売薬」に頼るかによって、健康・長寿を得るか「死亡」に導かれるか、運命が分かたれるのである。『禍いの大衆文化』2:予言獣としてのアマビエ『禍いの大衆文化』1:コレラの妖怪
2021.11.10
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今回借りた4冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・父の詫び状・怪獣記・文学界(2021年2月号)・平成ネット史<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【父の詫び状】向田邦子著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>より宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/06予約、副本7、予約10)>rakuten父の詫び状【怪獣記】高野秀行著、講談社、2007年刊<出版社>より怪獣ジャナワールを探す著者を次々と襲う怪しい現象・事件…。そして湖に浮かぶ謎の黒い物体。未知動物・UMAを追って世界騒然!驚きの怪獣探索ノンフィクション。<読む前の大使寸評>証拠写真がたくさん載っているが、だいたい未知動物・UMAというのが胡散臭いわけで・・・眉にツバして読んでみます。<図書館予約:(11/03予約、副本1、予約0)>rakuten怪獣記【文学界(2021年2月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<商品の説明>より通算1000号記念号 短篇競作 村上龍、山田詠美他<読む前の大使寸評>表紙に出ているように創刊1000号記念特大号とのことで、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年2月号)【平成ネット史】NHK『平成ネット史(仮)』取材班編、幻冬舎、2021年刊<出版社>より2019年1月に放送され、トレンド1位となった特別番組「平成ネット史(仮)」を待望の書籍化。平成がいかにインターネットと進化してきたか、堀江貴文、宇野常寛らの論客が語る。また、ニコニコ動画、iモード、mixi、LINEの創始者などの開発秘話も。番組では取り上げられなかった取材成果も多数盛り込んだ、インターネット史決定版!<読む前の大使寸評>追って記入rakuten平成ネット史************************************************************図書館大好き517
2021.11.09
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図書館の雑誌類リサイクルフェアで『THE BIG ISSUE JAPAN 第359号』という雑誌を、手にしたのです。表紙に特集「紙の力 ポストデジタル文化」とあるが、このコピーにキャッチされたわけでおます。【THE BIG ISSUE JAPAN 第359号】雑誌、ビッグイシュー日本、2019年刊<bigissue>より紙の力 ポストデジタル文化アナログ文化の「強く、深い」つながりを築く力が発見されつつある。SNS、AI、電子マネー、ブロックチェーン……。社会のあらゆるものがデジタル化される今、若者世代を中心に「古い」と思われているアナログの魅力を再発見するムーブメントも起きている。そんなアナログを代表する“紙”がもつ新たな可能性を研究する柴田博仁さん(「富士ゼロックス」研究技術開発本部)に「電子メディアより深い読みをもたらす〝紙の力の秘密〟」について聞いた。<読む前の大使寸評>表紙に特集「紙の力 ポストデジタル文化」とあるが、このコピーにキャッチされたわけでおます。bigissueTHE BIG ISSUE JAPAN 第359号「紙の力 ポストデジタル文化」の続きを、見てみましょう。p9~10<紙の力 ポストデジタル文化> 「私たちは0歳の時から絵本などに触れ、紙の操作が身体に染みついているので、認知負荷(作業を行う際に脳にかかる負荷)も限りなくゼロに近い。一方の電子メディアは、メーカーやアプリによって操作性がバラバラであり、多機能である分、認知負荷は高い傾向にあります」 また、集中力を妨げる刺激の少ない紙の本に対し、ディスプレイはアイコンやカーソル、メールの着信音などの「外乱刺激」が多く“浅い読み”を誘発する問題点もある。特定の語句をクリックすると別のページに飛んで意味を解説してくれる「ハイパーリンク」も「人を何となく理解した気にさせ、深く考えない人間をつくってしまう可能性がある」と柴田さんは危惧する。 「ウェブが蔓延し『私は知らなくていい。知っている人を知っているから』と考える人もいますが、紙を使った“深い読み”によって叩き込まれた知識が頭の中にあるからこそ、人はそれらを道具レベルで使いこなし、新しい自分の理論を確立することができるはずです」 同じことは書くシーンについてもいえる。たとえば公園のデザインをする際、初期の段階では紙に鉛筆で描いたほうが頭の中のイメージを外在化しやすいという。 「いきなりパソコンに向かうと、まっすぐきれいな線を引くことに気を取られ、公園を誰にどのように利用してもらうかといった本来考えるべき課題がおろそかになる。デザインは悩ましく苦しいものです。そこから逃れたいという誘惑に負けないためにも、プロほどあえて逃げ場のない紙を使います」『THE BIG ISSUE JAPAN 第359号』1
2021.11.09
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