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図書館で予約していた『続ラガナ一家のニッポン日記』という本を待つこと1週間ほどでゲットしたのです。この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。【続ラガナ一家のニッポン日記】ドメニコ・ラガナ著、角川書店、1983年刊<レヴュー>よりアルゼンチンからやって来たラガナさんは、外国の人にしては珍しく、読み書きから日本語に入りました。でも、相当レベル高いです。難しい熟語バンバン出てきます。エッセーとしては、外国人のビックリ日本滞在記、ではありません。本人の言う通り、日本に馴染みすぎて、その辺り日本人の期待にはあまり答えられてません。<読む前の大使寸評>この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。<図書館予約:(4/21予約、副本1、予約0)>amazon続ラガナ一家のニッポン日記日本人の謙遜が語られているので、見てみましょう。p214~216<息子の比較深層心理学的考察> 息子は日本の公立小学校に編入されて以来、日本人の深層心理構造に関して、往々にして意外な意見を述べる。 一例を挙げれば、一昨日、野球遊びから帰宅すると、やや興奮した様子で、日本人はわれわれ西洋人が思い込んでいるように謙遜しすぎるどころか、西洋人よりも自己主張に汲々としている、とまあこのような古今未曾有の説を立てた。言いかえると、日本人の中には、ぼくらアルゼンチン人よりも自慢好きが多いということになる。 それはまぎれもなく、比較心理学者、比較社会学者、比較言語学者、比較文学者、比較人類学者、比較経済学者、比較政治学者、比較・・・・・・、つまり、日本のインテリゲンチャの中心を成している学者の定説を覆すような見解にちがいない。 そういうわけで、息子がどういう具体的な証拠を握っているかを調べればよかったのに、憂国の情に燃えている妻は、「そう?だから、アルゼンチンのほうがいいでしょう、アントニオちゃん」 息子はちょっと考えてから、「いや、そうでもないよ。それでも、みんないいやつだからね」 あとは話が脱線してしまったから、略しておこう。 いずれにしても、息子が日本の比較学界に確実で決定的な証拠を提出するまでは、ぼくとしては、日本人が謙遜しすぎるという説を維持しなければならないと思う。 しかし、だからといって、ぼくら西洋人が反対の極端に走ってしまって、高慢すぎるという仮説推理が正しいというわけではない。 ぼくらだって、謙虚さを美徳としないわけではないし、自分の家を茅屋(ぼうおく)、自分の妻を愚妻、自分の会社を弊社、自分の手紙を拙墨、自分の贈物を粗品と形容しないとしても、おれの豪華な邸宅、おれの才媛で夫思いの、多芸にして優しく、億万長者の一人娘で美しく、上品でユーモアに富んでいる、またとないワイフ、などなどとは言わない。 とはいうものの、従来の日本の比較学界の多くの学者の論文の翻訳調の日本語の真の意味のニュアンスの把握の困難さのせいか、普通の日本人の・・・・・・いや、普通の日本人は、ぼくら西洋人がみんな自慢家だと思い込んでいるようだ。 困るのは、小生のように、日本語で意思を疎通させようとしている西洋人だ。 何故かといえば、こっちが謙遜すれば、相手はこっちのいうことを文字通りに解釈して、こっちのことを実際以上にも愚劣に思ってしまうからだ。 例えば、拙者がはじめてA誌に原稿を持ち込んだとき、「へたくそな日本語でこれを書きましたが、お宅の雑誌に載せていただければ・・・・・・」 と、言いかけると、編集部の人は、困ったような顔になって、英語らしき言語で愛想を言い、鞄から原稿を取り出そうとしている余を、自我のない日本人にしては思いがけない迫力のある丁重さで玄関まで送った。 ウーム 確かに謙虚な日本語を駆使する西洋人なんて、なかなかお目にかからないもんね。ラガナさんのような特殊例は除外するだけでんがな。『続ラガナ一家のニッポン日記』2:『続ラガナ一家のニッポン日記』1:続ニッポングリッシュ入門()
2021.04.30
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図書館で予約していた『続ラガナ一家のニッポン日記』という本を待つこと1週間ほどでゲットしたのです。この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。【続ラガナ一家のニッポン日記】ドメニコ・ラガナ著、角川書店、1983年刊<レヴュー>よりアルゼンチンからやって来たラガナさんは、外国の人にしては珍しく、読み書きから日本語に入りました。でも、相当レベル高いです。難しい熟語バンバン出てきます。エッセーとしては、外国人のビックリ日本滞在記、ではありません。本人の言う通り、日本に馴染みすぎて、その辺り日本人の期待にはあまり答えられてません。<読む前の大使寸評>この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。<図書館予約:(4/21予約、副本1、予約0)>amazon続ラガナ一家のニッポン日記息子さんの操る日本語あたりを、見てみましょう。p149~153<息子の文芸批評> 子煩悩(妻は親バカという表現があまり好きではないようだ)の妻をはじめ、みんな息子の日本語ばかりほめたたえるのを聞いて、ぼくも、まあ肩身が広いというか。 だが、「驚きました。あなたよりもお上手にしゃべれるようになりましたね」 とか、「やはり、子供はハヤいですね。たった9ヶ月でおとうさんよりずっとチャンとした日本語が話せるようになったんですから」 とか、「ナマリも何もないわね。あなたより・・・・・・」 とかなど、十年以上もホネを折っているぼくのニッポンゴより日本語らしい日本語をしゃべっていると言われると、何となく、その、何と言ったらいいのか。「もちろん、まだあなたのように書けないでしょうけどネ」 と、慰めるように言ってくれる人もいるが、息子が持ってきた二学期の通知表によると、作文も上達しているようだ。(中略) 通知表を読んでから、「どうしてフエを持って行かないの」 と、聞くと、「どこかへおき忘れちゃったんだ」 というので、新しいフエを買うためのお金をやった。息子はこれからは音楽にも精を出す約束をしたあと、「おとうさんが新聞に書いているのは、連載小説なの」 ぼくは思いがけない質問に驚いて、「いや。小説じゃないよ」「そう?」 と、息子は失望したようにぼくを見た。「ノン・フィクションなんだよ」 と、ぼくは重々しく言った。「ノン・フィクションって?」「それは、空想、つまり作り話じゃなくて、事実をもとにして書いたものだよ。おとうさんのニッポン日記の場合、まあ、身辺雑記というものだろうな」 息子は眉をひそめて、「身辺雑記って?」 ぼくはわかりやすい言葉で説明してやった。息子はしばらく黙ってから、「そう?」 ぼくは笑って、「うん、まあ、そうだなあ」「そんなら、どうして小説を書いてみないの」 ぼくは頭を掻いて、「小説など、おとうさんには書けないから、しかたがないな」 息子はちょっと考え込んでから、「ぼく、大きくなったら、日本語で小説を書きたいと思うんだよ」 ウン この父にして、この子ありでんな♪ラガナ一家の息子のしゃべる日本語はラガナ氏より流暢のようだが、『洋書ラビリンスへようこそ』2に出ているピーター・ケアリーさんの息子チャーリーの日本語もなかなかのようです。『続ラガナ一家のニッポン日記』1()
2021.04.30
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<コロナ禍で思うこと>4月29日感染者数連休初日の29日、神戸で一番込み合うはずの南京町では、人出は閑散としていたようです。それから毎日報道される医療情報は・・・兵庫、神戸はすでに医療崩壊しているような有様です。この状況では自宅療養を余儀なくされているコロナ重症患者は・・・自宅で死ね!ということか?(神戸市の自宅待機中の重症患者は4/30現在1800人で、容態急変の場合は医師が治療に向かうとのこと。逆向きの救急車やがな)このままでは国民すべてがコロナ禍で溺れてしまうのではないか。コロナ病棟の看護士や医療従事者たちの奮闘や責任感には、本当に頭が下がる思いがします。今、日本で求められる対応は大規模で且つ、期限付きの対応であり、日本が最も不得意とするパフォーマンスである。与党政府の対応は、これまでは口先だけで逃げ回って国民が諦めるというパターンであったが、もうそれでは逃げきれない待った無しの状況が今後続くのです。政府上層部がとった処置は、ブレーキとアクセルを同時に踏むような曲芸だったわけで・・・では、どの部署が、誰が悪かったのか?書いているうちに、だんだんヒートアップしてくるが・・・コロナワクチン接種がまだなので、頭を冷やして以下の接種手続きを行う予定でおます。***********************************************************************<コロナワクチン接種手続き>神戸市のコロナワクチン接種手続きを以下のとおりメモしたのです。接種手続きは全国的に早かったが、電話もネットもつながらず、いまだに予約がとれていないのですが、接種申込お助け隊に頼んで近日中に予約する予定です。<お知らせを読んで>・お知らせ入手:4月20日・予約はコールセンターに4月21日電話したけど全然つながらず、ネットも不調でした。<希望接種場所>みやもと内科循環器科 <希望接種日時>・1回目:5月12日13時・2回目:6月03日13時希望にそわないなら別の日時とする。<余診票準備>・本人記入・医師記入を何処で?(センターにに事前確認)新型コロナワクチン予約マニュアル新型コロナワクチン予約サイト<コロナワクチン予約の方法について>①お手元に接種券が届いてから予約ができます。②予約が可能な集団接種会場・診療所・病院の一覧をホームページ・広報紙(特別号)でお知らせします。③接種を受けたい場所と日時を決め、WEBまたはコールセンターにお電話で予約をお願いします。<最寄接種場所>みやもと内科循環器科 神戸学園都市ビル3F<新型コロナワクチン接種申込お助け隊>神戸市では、インターネットでの予約申し込みが不安な方でもスムーズに予約ができるよう、「新型コロナワクチン接種申込お助け隊」を区役所等に配置し、ワクチン接種予約のお手伝いをします。■お手伝いの内容・ご自身のスマホを使っての予約のお手伝い(操作案内)・スマホをお持ちでない方の代行予約■接種申込お助け隊の配置場所、時間帯西神中央出張所(5F)午前8時15分からの整理券交付を予定しています。
2021.04.30
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<『続ラガナ一家のニッポン日記』1>図書館で予約していた『続ラガナ一家のニッポン日記』という本を待つこと1週間ほどでゲットしたのです。この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。【続ラガナ一家のニッポン日記】ドメニコ・ラガナ著、角川書店、1983年刊<レヴュー>よりアルゼンチンからやって来たラガナさんは、外国の人にしては珍しく、読み書きから日本語に入りました。でも、相当レベル高いです。難しい熟語バンバン出てきます。エッセーとしては、外国人のビックリ日本滞在記、ではありません。本人の言う通り、日本に馴染みすぎて、その辺り日本人の期待にはあまり答えられてません。<読む前の大使寸評>この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。<図書館予約:(4/21予約、副本1、予約0)>amazon続ラガナ一家のニッポン日記日本語習得や孤立している日本語に触れているあたりを、見てみましょう。p140~143<続ニッポングリッシュ入門> 今日受け取った手紙はほとんど前の「ニッポングリッシュ入門」に関するものだ。 ある高等学校の国語の先生は、手紙というよりは、論文みたいなものを書いてくれた。ぼくの言う「ニッポングリッシュ」に象徴的、終末論的なものを見て、ニッポングリッシュこそ近い将来において日本の標準語になってしまうのではないか、という説を立てているのだ。 そういう可能性について考えてみただけでも、ぞっとする。 志賀直哉は、敗戦直後、フランス語を日本の国語に採用することを提案したようだ。ニッポングリッシュと外国語では、どっちもどっちだが、ちゃんとした外国語なら、まだそのほうがましだろう。 ある未婚の婦人は、婦人解放運動の観点から例の「ニッポン日記」を分析して、ぼくが西洋人、男尊女卑に傾いているのではないか、という恐ろしい結論を出している。それは、ぼくがという表現を使っているからだ。それを見て、大きなショックを受けたそうだ。 申し訳のないエラーをした。今後は女ことばのことをと呼ぶことにするから、今度だけはお許しいただきたい。 ぼくはうっかりして「女」と書いてしまうことがあるが、「女」というやまとことばより「女性」という漢語的表現ほうが上品とされていることぐらいはよく知っているし、これからは、気をつけるつもりだ。 ぼくは、妻も証言できるように、男尊女卑でもないし、女ごころ、いや、女性心を解さない男でも、女性嫌いでもない。 言語心理学に深い興味を持っているらしい読者から異色の手紙をもらった。 敬語は日本社会にいける上下関係を、反映する言語的現象であり、助詞は実質的意味を表す独立の単語に。文法的意味を表す独立しない形式の語がついて文法的機能を果たす日本語の特徴である、ということを詳しく説明してくれてから、外国人としゃべるとき、ニッポングリッシュを使っている日本人の内部には、非常に複雑な現象が起こるという。 この読者の意見では、ニッポングリッシュで意思を疎通させようとしている日本人は、ことによって、日本社会特有の上下関係に強いられているからの開放感を覚え、に溺れるとともに、敬語も助詞もなかった幼児の懐かしさで胸がいっぱいになるという。 ぼくは日本人ではないから、この解釈が正しいかどうか、わからない。 いずれにしても、例えば、上役に「わかる?」、「わからない?」というふうに扱われている日本人の平社員が、エラそうな外人に「わかる?」、「わからない?」と言うときは、読者のいうような喜悦感を覚えないとは限らない。 読者から、変体仮名を交えた草書体で書かれた書簡を受け取った。筆跡は見事なものだが、やたらに振り仮名がつけてあるので、折角の美も損なわれているように思われる。もちろん、読者は、ぼくが日本の字を習ったとき、草書からはじめたことを知るはずはあるまい。しかし、草書や変体仮名に片仮名のルビをつけるよりは、楷書か、ローマ字を使ったほうがいいのではないだろうか。 手紙の内容は外国人であるぼくには、「日本人の言葉について、乱れているなというような発言をする資格はない」というくらいのことになる。 日本は日本人の国であり、日本語は日本人の言葉であるというのは、自明の理だ。 しかし、日本人は外国人に入国を拒絶することはできるが、日本語を使うことを禁じることはできない。どこの国の人でも、自由に、勝手に日本語を自分の言葉にすることができる。 そういう意味では、日本語は日本人の言葉ではない。人間の言葉だ。芸術作品が芸術家から独立しているように、言葉もそれを作った民族から独立している。国境にこだわりすぎる人たちが何と言おうとも、どこの国の人でも、日本人と全く同じように、日本語について発言できるのだ。ウーム 「日本語は日本人だけの言葉ではない」という論旨は外国人でないと出てこないでしょうね・・・驚いた次第でおます。なお、『西洋古典こぼればなし』にこの本が紹介されていました。
2021.04.29
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図書館で予約していた『マナーはいらない』という本を待つこと3ヵ月でゲットしたのです。Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪【マナーはいらない】三浦しをん著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書…!金言ばかりのWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」を完全書籍化。<読む前の大使寸評>Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪<図書館予約:(1/9予約、4/10受取)>rakutenマナーはいらない11皿目で「セリフ」について、見てみましょう。p88~91<セリフについて(前編)> これまで、「推敲」「枚数感覚」「構成」「人称」「1行アキ」「比喩表現」「時制・時間感覚」について考えてきましたが、ほかに小説を書くうえで大事なことってあるか?・・・・・・たくさんある気もするけれど、なにしろ私自身が、理詰めでものを考えようとするとすぐに、「んぎゃー、無理!」ってなる派なので、もう思いつかないです。 たとえば、「セリフ」や「描写」は大事なポイントですが、登場人物の性格や作品の色合いによって決まってくる面が多いでしょうから、「こうするのがいい」と一概には言えません。なによりも、作者個々人の感性や好みやリズムによるところ大ですものね。「こうしてみたら」と言われても、なかなか反映や修正がむずかしい部分だということは、経験からもわかります。 セリフや描写に関しては、自分で自分の弱点に気づき、なんとかクリアすべく工夫を重ねるしかないと思うのですが、あくまでも「私の場合は」ということで、書いてみます。もし、少しでもご参考になることがあれば幸いです。 小説を書きはじめたころ、「どうも私が書く登場人物のセリフは、ぎごちないというか芝居がかっているな」と感じていました。創作物なのですから、「現実ではこんなこと言わんだろ」というセリフがあったって、もちろんいいのです。むしろそういうセリフがあってこそ、物語が盛りあがり、読者として胸キュンすることが多々あるのではないのか、諸君!と、なぜか演説調になるのであるが、しかし私が書くセリフはそんなレベルじゃなく、とにかくぎごちないことはなはだしい(気がした)。こりゃいかんな。なんとかせねば。 そこで私が実践したのは、「電車内で他人の会話に聞き耳を」です。それまでも、電車内で乗客の会話を聞くともなしに聞いているのが大好きだったのですが、よりいっそう本腰を入れて、耳をそばだてました。タヌキのキン〇マぐらい広がった私の耳が邪魔で、満員電車がよりいっそう窮屈なものになってしまったことをお詫びします。 その結果わかったのは、 一、いわゆる「男言葉」「女言葉」は、現代の口語表現ではあまり使われていない。 二、現実の会話は、けっこうあちこちに話題が飛んだり、肝心なところまで行き着かな いうちになんとなく終わってしまったりと、決して理路整然とはしていない。 ということでした。 以降、セリフの語尾に気をつけて書くようになりました。女性の登場人物だからといって、語尾に「わよ」「よね」を多用したり、男性の登場人物だからといって、語尾に「だぜ」「さ」を多用したりするのは、古くさく感じられるうえに、ぎごちなさを醸しだす要因にもなるので、なるべく避けたほうが無難です。 また、「現実の会話は、決して理路整然とはしていない」を、小説にどう反映するかですが、これはなかなか塩梅がむずかしいです。現実に倣いすぎて、ダラダラと無駄なセリフの応酬をつづけすぎてしまうと、「話がちっとも進まねえな」と読者をいらいらさせる危険性がある。かといって、セリフのみに頼ってぱっぱと話を進めると、「全部をセリフで説明すんのやめろ」と、これまた読者がいらいらしてしまう。「無駄なセリフの応酬がありつつも、実は会話を通して、もしくは会話をするあいだも、的確にストーリーが進んでいる」というのが、ベストな塩梅でしょう。 『マナーはいらない』3:1行アキの作法p55~58『マナーはいらない』2:短篇の構成についてp22~24『マナーはいらない』1:枚数感覚についてp18~21()
2021.04.29
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「外国人作家」でしょうか♪<市立図書館>・続ラガナ一家のニッポン日記・繊細な真実・絵本作家ターシャ・テューダー<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【続ラガナ一家のニッポン日記】ドメニコ・ラガナ著、角川書店、1983年刊<レヴュー>よりアルゼンチンからやって来たラガナさんは、外国の人にしては珍しく、読み書きから日本語に入りました。でも、相当レベル高いです。難しい熟語バンバン出てきます。エッセーとしては、外国人のビックリ日本滞在記、ではありません。本人の言う通り、日本に馴染みすぎて、その辺り日本人の期待にはあまり答えられてません。<読む前の大使寸評>この本のことを『西洋古典こぼればなし』という本で知り、予約していたのだが・・・読み書きから日本語を習得するとは如何なるものか? 興味深いのでおます。<図書館予約:(4/21予約、副本1、予約0)>amazon続ラガナ一家のニッポン日記***********************************************************【繊細な真実】ジョン・ル・カレ,著、早川書房、2014年刊<「BOOK」データベース>よりポール・アンダースンの偽名を与えられた外務省職員は、英領ジブラルタルのホテルの一室で苛立ちを露わにしていた。彼は閣外大臣クインの代理として、テロリスト捕獲のための“ワイルドライフ作戦”に顧問として参加していた。だが、秘密任務に関わった経験は皆無で、なぜ自分が呼ばれたのか見当もつかない。やがてポールは、作戦が成功裏に終了したとだけ告げられ、任を解かれる。一方、クインの秘書官トビー・ベルは、大臣の不審な行動を監視していた。ジブラルタルでの作戦には胡散臭い民間防衛企業の男の影がちらついていたからだ。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten繊細な真実************************************************************【絵本作家ターシャ・テューダー】ターシャ・テューダー, 内藤里永子著、KADOKAWA、2014年刊<「BOOK」データベース>よりターシャの絵本世界に旅をしましょう!世界初の本です。初期から中期へ、後期へ、“たぐい稀なターシャ”が現れてきます。ターシャ・テューダー絵本・挿絵作品年譜付き。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten絵本作家ターシャ・テューダー************************************************************図書館大好き482
2021.04.28
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在69位・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、副本13予約218)現在35位・小川洋子『密やかな結晶』(10/8予約、副本4、予約59)現在3位・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在354位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在9位・出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記:(1/06予約、副本5、予約58)現在11位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在173位・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、副本2、予約9)現在3位・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、副本7、予約197)現在75位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在81位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在590位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)・鎌田由美子『「よそもの」が日本を変える』(4/26予約、副本1、予約6)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・椎名誠『遺言未満』:図書館未収蔵・池内紀『すごいトシヨリBOOK』・田口俊樹『日々翻訳ざんげ』・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・ヤマザキマリ『生贄探し』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・『生態学者の目のツケドコロ』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:3/16以降> ・中島京子『夢見る帝国図書館』(3/09予約、3/16受取)・多和田葉子『星に仄めかされて』(1/05予約、3/18受取)・三上 修『電柱鳥類学』(3/10予約、3/21受取)・NHKスペシャル取材班『やばいデジタル』(12/23予約、3/21受取)・川上弘美『神様2011』(3/21予約、3/26受取)・川上弘美『某』(3/31予約、4/06受取)・三浦しをん『マナーはいらない』(1/9予約、4/10受取)・ショーン・タン『内なる町から来た話』(11/3予約、4/22受取)・塩田武士『騙し絵の牙』(4/19予約、4/22受取)・『ラガナ一家のニッポン日記』(4/21予約、4/27受取)***********************************************************************【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【ワールドサイドをほっつき歩け!】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>よりEU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/19予約、副本13、予約218)>rakutenワールドサイドをほっつき歩け【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記】宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>rakuten出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【ウイルスの意味論】山内一也著、みすず書房、2018年刊<出版社>よりその生と死はどこか奇妙だ。分解された親から複製され、破壊されても蘇り、体を捨て情報として潜伏し、突然実体化する。常識を問う書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本1、予約0)>amazonウイルスの意味論【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenクララとお日さま【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【「よそもの」が日本を変える】鎌田由美子著、日経BP、2021年刊<出版社>よりコロナ禍で日常生活や働き方が激変し、心のどこかで「これまで通りの生き方で本当にいいのか」と悩んでいる人も多いのではないだろうか。ニューノーマルは見たことのない世界ではなく、「デジタル化」「多様性」「環境意識」といった後回しにしてきた問題が目の前に突き付けられただけーー。JR東日本でエキナカや地域活性化を成功させてきた著者が、「『What if?』という自問自答が必要」「仕事と生き方は融合していく」「サステナブルが日常に」など、個人や企業の「これからの生き方」を提示する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/26予約、副本1、予約6)>rakuten「よそもの」が日本を変える【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。図書館予約の軌跡255
2021.04.28
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図書館で『洋書ラビリンスへようこそ』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。【洋書ラビリンスへようこそ】宮脇孝雄著、アルク、2020年刊<「BOOK」データベース>より日々、好奇心の赴くままに膨大な洋書を読んできた翻訳家の乱読・多読な読書案内。読むほどに洋書や翻訳書やいろいろな本が読みたくなってくるエッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。rakuten洋書ラビリンスへようこそ『ニッポン大誤解』というタイトルからして面白そうなので、見てみましょう。p290~293作家の父が息子と共に日本へオタク文化探訪の旅に出る ピーター・ケアリー(Peter Carey)はオーストラリアの作家で、『イリワッカー』『オスカーとルシンダ』『ケリー・ギャングの真実の歴史』という代表作が訳されている。その割に、あまり知られていないのは、翻訳文学の読者でも、オーストラリアの歴史に密着した重厚な作風に抵抗があるせいかも知れない。 重厚な作風といっても、ほら話系のユーモア小説にも分類できて、出世作の『イリワッカー』などは、139歳の詐欺師が語る偽オーストラリア史の体裁を取っている。『オスカーとルシンダ』は、レイフ・ファインズ、ケイト・ブランシェット主演で映画化されているので、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれない。 どの作品もかなり分厚くて、読み通すだけの時間がとれず、うちでは積ん読状態になっているが、2005年に新作が出たときには、以下の三つの点で、ちょっとびっくりした。まず、ほかの本と違って、かなり薄いこと。次に、小説ではなく、ノンフィクションだったこと。そして、日本文化をテーマにしていたことである。 題して、Wrong About Japan(訳せば『ニッポン大誤解』といった感じ)。この本もしばらく本棚の片隅で眠っていたが、たまたま手に取って、読み始めたら、つい引き込まれて、読みふけってしまった。 簡単にいえば、2002年、ケアリーさんが息子を連れて日本に来たときの滞在記である。 ケアリーさんは、故郷オーストラリアを離れ、ニューヨークに住んでいるが、12歳の息子、チャーリーのことを、ちょっと心配していた。チャーリーは無口で、あまり友だちもいないのだ。 ところが、そんなチャーリーに近頃変化が表れた。アニメやマンガなどの日本文化にどっぷりはまっているらしいのである。ビデオ屋に行けば、『菊次郎の夏』とかいう映画を借りてくる。一度返しても、また借りてくる。毎晩、30分だけアメリカの純文学を読むのがチャーリーの日課だが、それが終わると、『AKIRA』とかいうマンガを読んでいる。もう6巻目に入っているらしい。 ケアリーさんはもともと日本文化に興味があったので、息子とのコミュニケーションを深めるチャンスだと思い、勉強を始める。その成果が上がって、息子が『はだしのゲン』を読んでいると。こんなのもあるぞ、といって、スタジオ・ジブリの『火垂るの墓』を差し出せるくらいになっている。 しまいには、チャーリーも、こんな話をするようになる。「ねえ、パパ、もしペリー提督が日本に行かなかったら、原子爆弾は落とされなかったかなあ」「うん、そうかもしれないね」「だったら、ゴジラも生まれなかったことになるね」ガンダムは侍ではなかった・・・。父親の日本観は次々否定されることに そのとき、ケアリーさんはこう思う。The kid who would never talk in class was now blimming with new ideas he wasn't shy to discuss. I was exited by him and for him; and for myself too, because I'd already visited Japan twice and now realised I had a perfect pedagogic rationale for indulging my interest further.“Would you like to go to Japan?”I asked.“If you like,”he said, so dry I couldn't believe it. 学校でひと言も口を利かなかった子が、今ではいろいろなことを考え、進んで議論しようとしている。そのことに私は興奮したし、チャーリーのためにもいいことだと思った。それは、私にとってもいいことだった。 なぜなら、私はすでに二度も日本に行っていて、もう一度行って興味を深めたいと思っていたが、そのための教育上の口実ができたからである。 「日本に行きたいかい?」私は尋ねた。「まあね」まったく気のない返事だったので、私は信じられなかった。 チャーリーの言うとは、お寺や美術館や日本庭園のことで、それより彼はアニメの監督に会ったり、秋葉原に行ったりすることを望んでいた。ケアリーさんの日本におけるエージェントが、『機動戦士ガンダム公式百科事典』を出版した講談社と縁があったこともさいわいして、アニメ関係者と会える段取りもつき、喜び勇んで二人は日本へと向かい、浅草の日本旅館に宿を取って、オタク文化探訪の旅に出る。 ケアリーさんは日本通のつもりだったが、今度の旅で、自分が日本についてさまざまな誤解をしていたことを、自分の理解がまだ浅かったことを知る。この本も通訳、翻訳についてR19>に収めておくものとします。『洋書ラビリンスへようこそ』1()
2021.04.28
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図書館で『西洋古典こぼればなし』という本を手にしたのです。ラテン語で書かれた「クマのプーさん」が興味深いのです。ところで、帰って調べてみると、この本を借りたのは2度目であると判りました。で、この紹介記事は(その3)とします。【西洋古典こぼればなし】柳沼重剛著、岩波書店、1995年刊<「MARC」データベース>より文化と文明を分けて考える根拠は何か。古典期の音読の習慣はいつ、どのようにして黙読へと移行したのか…。研究の途上にふと感じた疑問や興味をきっかけに、言葉の語源や来歴を探索するエッセイ集。<読む前の大使寸評>ラテン語で書かれた「クマのプーさん」が興味深いのです。amazon西洋古典こぼればなしCivilisation「文明」という概念について述べられているので、見てみましょう。p8~10「文化」「文明」という言葉について:三 Civilisationという言葉は18世紀の後半にフランスで作られたもので、それが間もなくイギリスに輸入されたわけである。これはまた驚くべきことで、「文明」などという、それこそ文明のいちばん基本的な語彙である語が、やっと18世紀にできたとは、ちょっと信じがたいことである。第一civilisationは、ラテン語civis(市民)の形容詞civilis(市民の)を語源としている。 ラテン語が語源だのに18世紀の前半までこの語はなかったというのはおかしいではないか、といぶかしく思われるであろう。大体、言葉がなかったのだから、「文明」という概念もなかったことになるのか。 まさかそんなことはないだろうと誰でも思うだろうし、実際、ある概念を表す言葉がなかったということが直ちに、その概念そのものもまたなかったということを意味しない、というのは時々あることである。しかしそれなら、18世紀後半にわざわざこの語を造らなければならなかった事情があるはずで、それはどんな事情だったのか。あるいは、おれまでは文明のことを何といっていたのか。たちまちそういうことが知りたくなる。 Civilisationという語はラテン語でできていることは確かだが、ラテン語そのものにはcivilisationという語はない。Civilityの語源となったcivilitasならばある。しかしそれは、さっきジョンソンとボズウェルが使っていた「野蛮の反意語」として使われたのではない。 例えばクィンティリアヌスの『弁論術教程』2.15.25がこの語を使っているのは「弁論術というのはcivilitasと弁証術の一部門の影」という文章の中でだが、これは実はプラトンの『ゴルギアス』463dからの引用で、プラトンの原語はpolitikeだから、これは「都市(国家)を形成する市民として生きる術」、簡単にいえば「政治術」である。 スエトニウスが『アウグストゥス伝』51.1でアウグストゥス帝の美点を列挙する中で、「彼の仁慈とcivilitasを伝えている文献証拠は山ほどある」と言う場合、これは「普通の市民であること」→「いばらないこと」「控えめ(であること)」という意味である。だから近代のcivilisationに当たるラテン語はcivilitasではない。 とすると何といったのか。私に思いつくものといえば、cultusまたはculturaとhumanitasである。このうちcultusはcultureの語源になったものだという見当はすぐつくだろう。 Coloという動詞(耕す)に-tus(「……すること」)という接尾辞をつけたもの。だからcultusの元々の意味は「耕すこと」で、やがて比喩的に「心を耕すこと」という意味でも使われるようになった。culturaの方は、そのcultusを-turaという接尾辞(「……された状態」)に置き換えたもの。だから「耕された状態」である。こうしてculturaに当たる語は、すでにラテン語にcultusとculturaとして生まれていたわけである。『西洋古典こぼればなし』2:外国人が日本語を学ぶとはp134~138『西洋古典こぼればなし』1:ラテン語で書かれた「クマのプーさん」p167~170()
2021.04.27
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図書館で予約していた『マナーはいらない』という本を待つこと3ヵ月でゲットしたのです。Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪【マナーはいらない】三浦しをん著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書…!金言ばかりのWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」を完全書籍化。<読む前の大使寸評>Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪<図書館予約:(1/9予約、4/10受取)>rakutenマナーはいらない7皿目で1行アキの作法について、見てみましょう。p55~58<1行アキについて(前編)> は~、もうアドバイスできることなんてないよ! そもそも私、あんまり論理的に考えず、自分の書きたいように小説を書いちゃてるしなあ。にもかかわらず、「小説を書く際に気をつけるべき点」をアドバイスなんて、おこがましいにもほどがあるぜ。 早くもネタ切れの危機に瀕しているコース料理(?)ですが、担当編集さんから、「『1行アキの入れかた』で、気をつけてるところはありますか?」と、質問をいただきました。 それ、重要! 私も投稿作を拝読していて、ちょっと気になっていたので、7皿目では「1行アキ」について書いてみることにします。 近年、コバルト短篇小説新人賞の最終候補作で散見されるのが、「なんか1行アキの位置とかお作法とかが変かも?」という作品です。みなさん、自作の小説のどんな局面で、1行アキを入れていらっしゃいますか? 小説(ひいては創作物全般)には、いろんな「お約束」があります。ストーリー展開のパターンや、登場人物の性格づけのセオリーは、作劇上のお約束だと言えるでしょう。具体例を挙げると、ドラえもんはさまざまな秘密道具をポケットから出してくるけど、ネズミが極端に苦手ですよね。こういったお約束が有効に働くと、物語がより効果的に転がっていきます。 しかしお約束は「ストーリー展開」や「登場人物の性格づけ」だけではなく、「小説の表記」に関しても、ある程度存在しているものなのです。たとえば、「この一文に、余韻や含みを持たせたい」というときは、「そうだったのか・・・・・・。」 と表記しますよね。「そうだったのか・・・。」 と表記しても、表現したいことはなんとなく伝わってきます。でも、「中黒(・)を三つ重ねる」のではなく、「三点リーダー(…)を二つ重ねる」のが、小説における表記の一般的なお約束です。 しかし、これはまあ些細なことだ。もちろん、一般的な表記のお約束に則って書いたほうがいいとは思いますが、いざとなったらゲラ(校正刷り)で直せますから、大丈夫です。 お使いのパソコンで、どう打ったら「・・・・・・」を出せるのかわからない、というかたは、「・・・」としとけばよろしいかと思います。「あまり小説を書き慣れていないんだな」という印象を選考するひとに与えてしまうかもしれませんが、それが原因で新人賞に落ちるということはありえません。 ただ、「・・・・・・」よりもっと重要な、表記のお約束があります。それが1行アキです。この1行アキを、自在かつ効果的に使いこなせるかどうかで、小説の出来にも影響が出てくるからです。 近ごろの投稿作で散見されるのは、1行アキの乱用です。これはたぶん、インターネット上で文章を読み書きする機会が増えたことが関係しているのだろうと思います。 たしかにネット上では、あんまりダラダラと文章がつづいていると非常に読みにくい。そのため、1行アキを多く入れる傾向があります。でも、基本的に紙で読むことを想定した小説の場合は、1行アキを入れるのは必要最小限に抑えたほうがいいでしょう。そうすることによって、1行アキの効果が増すからです。 では、1行アキはどういうときに入れるものなのか。私が思うに、 一、語り手(視点)が変わるとき。 二、場面転換するとき(ある程度、時間の飛躍があるときなど)。 です。ウーム ネット上の読み書きと、原稿用紙上の読み書きは違うので……三浦さんが1行アキの乱用を指摘するんだろうね。 それから、大使の場合三点リーダー(…)を一つで打っていたけど、二つ重ねで打つべきかな。『マナーはいらない』2:短篇の構成についてp22~24『マナーはいらない』1:枚数感覚についてp18~21()
2021.04.27
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図書館で『デザイン偉人伝』という本を手にしたのです。日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪【デザイン偉人伝】松田行正著、左右社、2020年刊<「BOOK」データベース>より俵屋宗達はトリミングの達人、モネはオールオーバーの先駆者だった!…「デザイン」という言葉が生まれるずっと以前から偉業は成されていた!偉人たちの手法や着想のヒントを時代背景とともに解き明かす。目からウロコのデザイン史!<読む前の大使寸評>日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪rakutenデザイン偉人伝ポスターの流行が語られているので、見てみましょう。p100~10419世紀パリのポスター流行の背景 19世紀後半、シェレはポスターというメディアを創始したが、ポスターが注目を浴びるようになったのにも当然背景がある。 まず、紙の大量生産が可能となったこと。それまであった事前検閲制度が撤廃されたこと。印刷技術が発達したこと、加えて、パリのあるセーヌ県知事、オスマン男爵による大改造によってパリが味気なくなったための彩りをポスターが担ったこと。新聞などのメディアの発達などが挙げられる。シェレのポスター それまでのパリは路地が入り込み、汚物やゴミなどをそのまま道路に投げ捨てていたため不衛生極まりなかった。そうした都市の汚物はセーヌ川を汚染した。飲み水をセーヌ川から得ていたため、疫病もあとを絶たなかった。 また、道路が入り組んでいたため、暴動が起きたときも簡単に鎮圧ができず、ゲリラ活動にうってつけだった。暴動はフランス革命以来、パリの名物でもあった。 皇帝になったナポレオン三世は、オスマン男爵に、パリの衛生状態改善とともに、軍隊をすぐ派遣できる広くてまっすぐな道路づくりを命じた。 そして、凱旋門を中心に放射状に広い道路が延び、円形の道路が放射状の各道路を結ぶ、現在のパリ市街ができあがった。 画一的な形に生まれ変わったパリは、オノレ・ド・バルザックやヴィクトル・ユーゴーらが描いた往年の風情を失った。規則性が都市をつまらなくしたのだ。かつての入り組んだ街路では、暴動によるバリケードばかりではなく、大道芸、演芸小屋、劇場などが並び、「街路は娯楽に捧げられていた」。 その風情を幾分か取り戻した気分にさせてくれたのがシェレが描いたポスターだった。踊り子たちが乱舞する姿態は、かつてのパリの猥雑さを彷彿させてくれた。 また、1851年にロンドンで世界初の万国博覧会が開催され、フランスを含めてヨーロッパ各国は、工業化をめざした。それにともなってメディアも発達する。新聞、雑誌、キオスク、展示会、音楽会、サーカス・見世物などの興行も発展した。新聞は広告収入も得るようになり、広告の重要性が高まるとともに、イラストレーターなどのクリエーターの需要も増えた。情報化社会のはじまりである。そのなかでポスターは媒体の最前線に位置づけられた。 ■シェレのポスター革命 シェレは、1858年に、オペレッタの創始者、ジャック・オッフェンバックの依頼で公演ポスターの制作を引き受ける。オッフェンバックのオペレッタは当時最先端だった。 このときにつくったのポスターが世界初の多色リトグラフのポスターとなった。一応タイトル文字は絵柄の一部として使っているような感じだが、あまり評判を呼ばなかった。 おそらく、テーマに沿っているとはいえ色使いが、濃い緑とくすんだオレンジで地味だったのと、全体にイラストがゴチャゴチャしてポイントが明快ではなかったことが理由として挙げられる。 その後、シェレはパトロンを得て、自らのリトグラフ工房をつくり、ポスター制作に仕事の中心を置いた。(中略) 以後シェレは、十数年で1000点くらいのポスターを制作したというから驚く。シェレなしではパリを語れない時代だった。 そして、シェレの活躍は、ポスターを蒐集するギャラリーや富裕層を生むなど、ポスター表現をアートにした。戦間期、ベル・エポック時代を迎え、ポスター・アートが、蔓延する享楽に火を注いだ。『デザイン偉人伝』2『デザイン偉人伝』1()
2021.04.27
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図書館で『デザイン偉人伝』という本を手にしたのです。日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪【デザイン偉人伝】松田行正著、左右社、2020年刊<「BOOK」データベース>より俵屋宗達はトリミングの達人、モネはオールオーバーの先駆者だった!…「デザイン」という言葉が生まれるずっと以前から偉業は成されていた!偉人たちの手法や着想のヒントを時代背景とともに解き明かす。目からウロコのデザイン史!<読む前の大使寸評>日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪rakutenデザイン偉人伝シェレのポスター革新的だったジュール・シェレが語られているので、見てみましょう。p92~97文字を絵として扱ったシェレ 文字を絵のように扱っているといえば、真っ先に浮かぶのは書道である。書道は、紀元前の中国にまで遡る。日本は9世紀ごろの平安時代から、中国では時代ごと、あるいは統治者が替わるたびに公用書体も切り替わった。したがって書道で書かれる書体は時代を投影したものだった。 ところが日本で「かな」が発明され、書道に活かされるようになると、書体の枠を超えて自由に羽ばたくことができるようになった。 中国・日本以外だと書道ではなく、カリグラフィと呼ばれる。 ここで採り上げるジュール・シェレは、書道・カリグラフィでもなく、文字を絵の一部、絵に文字を組み込んで一体化させた最初の人である。いまでは、とりたてていうほどのこともない普通の表現だが、それが当たり前でなかった時代のシェレの試みはきわめて革新的だった。■装飾文字の発達 文字を飾って絵のように扱った現存する最古の本は、スコットランドの福音書の写本『ケルズの書』(8~9世紀)。キリストのモノグラムを渦巻き模様などで飾っている。ケルト神秘思想から生れた表現だ。ケルズの書神や聖なる存在は人のかたちではなく、彩色、光、装飾といった「イリュミネーション」という言葉で総合されるような形象で顕現する(清水徹『書物について』) そして、その後の写本では文頭の一文字を絵のように飾ることが当たり前となった。 12世紀ごろ登場したブラックレター体は、垂直線を基本として細い線などで飾りつけた書体。全体に太い垂直線が目立ち、黒々としているところから「ブラックレター」体と呼ばれるようになった。そして、天に伸びたゴシック建築のイメージもある装飾文字となった。 当時使っていた紙は羊皮紙で、ヤギや羊の皮からつくったので当然高くつく。前出の『ケルズの書』一冊では、約190頭の子羊を屠ってつくったとされている。 そこで、高価な羊皮紙を節約してページを圧縮するために、文字幅を削ったブラックレター体が生れた。傾けた太いペンで一気に書け、装飾部分もペンを傾けたままで表現できるので、写本時間も節約できた。黒々としているため、各文字の判別を容易にするために飾りがついたのだろう。いずれにせよ、読む以前にみて楽しむ書体として開発された。 ブラックレター体は、その美しさから一種荘厳な感じがしてドイツを中心に人気があったが、独特な飾りが読みづらく、18世紀には廃れる。 20世紀はじめに、タイポグラファー、ルドルフ・コッホがブラックレター体をリ・デザインして、モダンな味付けをした。過去の栄光を利用して勢力拡大を図ることを基本方針としていたヒトラーは、コッホによってモダンに生まれ変わったブラックレター体を公用書体とし、告知・命令文などで使った。ユダヤ人迫害文も主にブラックレター体が使われ、書体の印象は悪くなった。■書体に注目する ヨーロッパで書体への関心が高まったのは、もうすでに触れたが、グーテンベルグによって印刷がはじまってから、手書きでなく金属活字をつくらなければならないので、どんな書体にするかが重要案件となった。 グーテンベルグは写本時代の主流だったブラックレター体にこだわっていたが、ルネサンス真っ盛りのイタリアでは、ブラックレター体は醜いと、通称ユマニスト書体を開発した。 書体が主張した最初の例といえば、18世紀後半のボドニ体、ディド体だろう。ボドニ体、ディド体は、イギリスで産業革命がはじまったころ、イタリアとフランスで開発された。いわば、「工業化」というイメージに沿った書体。それまで書体にあった余計なニュアンスを極力はぶいて、縦線は太く、横線は細くとメリハリを利かせた書体だ。 このメリハリのおかげで書体に緊張感が生まれ、ボドニ体が並んでいるだけで空白が保たれると評判になった。そこから、ボドニ体、ディド体は、近代化された書体という意味でモダン・ローマン体と呼ばれた。 19世紀はじめには、ボドニ体のようなセリフ体の縦横の太さを同じにした通称スラブ・セリフ体、スラブ・セリフ体から張り出し部分(セリフ)をとったサン・セリフ体(日本ではゴシック体と呼ぶ)が登場、インパクトのある書体という考え方が定着する。『デザイン偉人伝』1()
2021.04.26
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図書館で『デザイン偉人伝』という本を手にしたのです。日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪【デザイン偉人伝】松田行正著、左右社、2020年刊<「BOOK」データベース>より俵屋宗達はトリミングの達人、モネはオールオーバーの先駆者だった!…「デザイン」という言葉が生まれるずっと以前から偉業は成されていた!偉人たちの手法や着想のヒントを時代背景とともに解き明かす。目からウロコのデザイン史!<読む前の大使寸評>日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪rakutenデザイン偉人伝等伯の松林図屏風アヴァンギャルドな等伯を見てみましょう。p32~34フラットカラーで余白に意味をみつけた等伯■等伯とフラットカラー 長谷川等伯は安土桃山時代の代表的な画家。ほかに狩野永徳、海北友松らがいる。かれらは、金箔地を使った「フラットカラー」を推し進めたことで知られている。このあたりはおいおい説明する。いいかえれば、フラットカラーは、当時の先進的な、いわばアヴァンギャルドな表現だったのだ。 したがって、この三人のどの人物を取り上げても問題はないが、本章では、そのなかの等伯に光を当てる。等伯は水墨画でもすばらしい作品を残していたからだ。 フラットカラー(平塗り)とは、壁や紙面の全部、あるいは、大きな面積を一色で塗りつぶすこと、印刷用語では「ベタ塗り」という。 フラットカラーは、20世紀以降、グラフィック・デザインはもちろん、アート・建築・プロダクトなどあらゆるジャンルにおいて、これなしではデザインが成立しないほどお馴染みの表現となった。 日本では、安土桃山時代以降の日本画、浮世絵、そして20世紀のマンガ、アニメと、連綿と二次元表現を追及してきた。「余白」や「シンプル」という発想もこの二次元表現からの派生概念で、フラットカラーがそれらを促した。 それでは、なぜ日本人は二次元表現を好んだのか。そのあたりからはじめてみよう。大きな要因はいくつかあるが、そのひとつは「かな」の発明だったといえる。■「かな」による自由なデザイン 日本語を表記するためには漢字だけではもどかしかった。そのため、漢字の音だけを使って表記する万葉仮名もつくってみた。しかし、意味のある漢字と音だけの漢字の混在はやはりもどかしい。和歌を表現するのにいまひとつ伝わらないような気がした。いや漢字だけの連なりはそのように感じさせた。 その穴を埋めたのが、宮中の女性たちがつくった「かな」である。彼女たちは漢字を使うことを許されていなかったので、彼女たちだけに通じる仲間内の符合を、漢字をもとにつくった。「かな」は、当時の権力側である男性たちの目の届かないところで自由な発想でつくられたのだった。 そんな、小さい世界からはじまった、漢字のニュアンスを秘めた「かな」を、紀貫之などの男性陣も、和歌を書くのに便利だ、女性を口説くのにちょうどいい、などと使いはじめ、より洗練され、とうとう日本を代表する文字のヒーローにまでのし上がった。 漢字だけの堅苦しい世界にアニマ(生命)を与えたのだった。「かな」のその自由な線の動きが、漢字と漢字をつなぐ役目を超えて、重要なヴィジュアル要素の一部となって全体に躍動感をもたらした。 そして、漢字とかなで書かれた和歌は、「料紙」と呼ばれた、模様紙などを貼り合わせて風景のイメージを表現した紙に記された。料紙は「かな」が映えることをめざしてつくられたのだった。 背景のなかで自由に躍る、シンプルな線による「かな」の視覚効果は絶大で、背景と文字という二次元性が浮かび上がった。加えて、「かな」のシンプルな線が、平面性に基いた形への執着をもたらした。「輪郭」の魅力に気づいたのだった。家紋文化はこの輪郭の延長にあり、のちの浮世絵の輪郭中心の表現につながっていく。ウーム シンプルな線による「かな」の視覚効果ってか・・・このヴィジュアルな発想には驚いたのでおます。
2021.04.26
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図書館で予約していた『内なる町から来た話』という本を待つこと5ヵ月半でゲットしたのです。めくってみると予想以上に文章が多く、大人向きの絵本になっています。マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪【内なる町から来た話】ショーン・タン著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作!<読む前の大使寸評>めくってみると予想以上に文章が多く、大人向きの絵本になっています。マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪<図書館予約:(11/3予約、副本3、予約35)>rakuten内なる町から来た話クマの集団訴訟を、見てみましょう。p175~176<クマが弁護士をつけた。> じつにシンプル、かつ恐ろしい。 長い長い年月の末、誰も思い出せないし思い出す気もしないほど長い年月の末に、クマたちは法定代理人を通じて、はじめて声をあげた。クマ語を習得した黒い法衣の男女が、依頼人が銃で撃たれることなく市中を歩くことを許可した分厚い証書を高々とかかげ、そして彼らはあるいた。 銃を持った警官や動物管理局の職員の前を過ぎ、呆気にとられるドライバーや通行人や勤め人や買い物客の前を過ぎ、裁判所の大きな建物の中にまっすぐ入っていった。 そして私たちは知った。人類が訴えられたのだということを。かつてないほど大規模な集団訴訟だった。クマ科対ホモ・サピエンス。 だが驚くのはまだ早かった。 私たちは知った。人間の法律だけが地球上の法体系ではなかったということを。唖然とする法廷を前に、クマ側の弁護士たちは説明した。 この世には種の数だけ法律があり、その下ではすべての動物は法的主体である。そしてそれら法体系が一つのヒエラルキーを形成している。そのヒエラルキーにおいて、人間法はさほど上位ではなく(どうやらセイウチ法の下あたりらしかった)、たいていの場合、クマ法のほうが優先される。私たちがそのことをまったく知らなかったことじたい、クマ側の主張の正しさを裏付けているように思われた。 驚いたかって? たしかに。だが不安はなかった。こんなことで怖じ気づく人類ではない。私たちはおよそ金で買える最高の弁護士チームを雇い、ただちに猛反撃を開始した。クマ法などというものは認めない! そんな馬鹿げたものが存在するはずがない! 悔しかったら現物を見せてみろ! するとクマ側は見せた。 たしかにそれは存在した。私たちが今まで目もくれなかったような場所に、まごうかたなくはっきりと。ニジマスの尾びれに。樹皮の裏に。川床の泥の層のあいだに。ガやチョウの鱗粉に。大陸を一周する、筆記体のように曲がりくねった海岸線に。コケに、砂に、朝露に、ベリー菓の種子の配列に、花粉に、バクテリアに、あらゆるものに。石を薄くスライスして正しい角度で光を当てれば、それはそこに、文字通り“石に刻まれ”ていた。 それは恥じ入るほどに美しく、疑う余地がなく、そして恐ろしかった。そのすべてだった。これまでずっと都会のオフィスで仕事をしてきて、人間界のファイルキャビネットと図書館の中身しか知らなかった弁護士チームにとっては、なおのことそうだった。私たちは知った。それらはしょせん人間の書いたものにすぎなかったのだと。世界全体から見れば、じつにちっぽけなものだったと。 だが驚くのはまだ早かった。 クマ側の弁護士たちは、私たちの要請に応じて人間の言葉に翻訳した訴状を提出した。書類の束が入った巨大な箱、その箱がぎっしり詰まったコンテナ、そのコンテナを荷台に満載したトラック、そのトラックが列をなして、地平線のかなたまで連なっていた。都市の交通をマヒさせて、トラックは一台また一台と最高級の法律事務所の車寄せにバックで入っていき、蛍光灯という蛍光灯、マホガニーの合板という合板をびりびりと震わせた。 その眺めだけでも気持ちがくじけるというのに、訴状の中身は、さわりを読んだだけで暗澹たる気分になるものだった。それは何万年にもわたって人類が積み重ねてきた罪状の数々だった。ウーム この本は絵本のような体裁をしているが、その内容は高学年の子供あるいは大人向けになっているようですね。この絵本も絵本あれこれR7に収めておくものとします。『内なる町から来た話』1()
2021.04.26
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図書館で予約していた『内なる町から来た話』という本を待つこと5ヵ月半でゲットしたのです。めくってみると予想以上に文章が多く、大人向きの絵本になっています。マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪【内なる町から来た話】ショーン・タン著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作!<読む前の大使寸評>めくってみると予想以上に文章が多く、大人向きの絵本になっています。マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪<図書館予約:(11/3予約、副本3、予約35)>rakuten内なる町から来た話文章のページの冒頭を、見てみましょう。p11~13 ワニが87階に住んでいる。しかも、すこぶる快適に。 きれいな水と泥と葦がたっぷりとあり、気温も湿度も適度に保たれ、新鮮な肉が週に二度運びこまれる。 壁は継ぎ目のない長い1枚ガラスで、太陽は東の端から西の端まで一日かけてゆるゆると渡っていく。 下界の全爬虫類がうらあやむ、ぜいたくな日光浴だ。もちろん金融街を一望できる眺めは絶品だ。見えない場所にある通風孔からは、自然界の有線BGMさながら沼地の環境音がエンドレスに流される。要するに、ワニたちは時の止まった楽園を生きている。 はるか下界で熱波のような都会の喧騒にまみれている哀れな僕らをよそに、ここでは昨日と変わらぬ今日が繰り返され、名前も番号もない月が来ては去り、年は音もなく蒸発してゆく。 みんな疑問に思うだろう。ワニたちはここがどこだか理解しているんだろうか。そもそも他の階にひしめくおおぜいの勤め人たちは、エレベーターのボタンの横に書かれたという表示を何だと思っているんだろう。これが文字通りの意味だと、一度も想像してみたことはないんだろうか? それとも実体のないただのイメージだとでも思っているんだろうか・・・ファッションブランド、保険会社、広告代理店、はたまたIT企業の名前? 自分たちとは取り引きもアポイントもない、したがって何の興味もない、この街にはゴマンとある会社の一つだとでも? 待合室というのは得てして人から想像力を奪う場所だけれど、エレベーターは、この世でいちばん狭い待合室にほかならない。 いちど下の階の勤め人たちが天井からの水漏れに気づいたことがあったが、それも修繕されて何十年か経つ。上の階の勤め人たちは、自分のエナメルの靴の真下で太古の大トカゲどもがのたくっているなどとは想像だにしていない。 そんな彼らも気づいていることが一つある・・・デスクでうとうとするときまって、暗いジャングルを裸で逃げまどい、言葉にならないサルの悲鳴をあげている夢を見る。そして目が覚めると生まれ変わったように体じゅうに力がみなぎり、頭もすっきり冴えわたっているのだ。 88階のオフィスが昼寝用のハンモックを導入したところ業績がめざましくアップした、というのは今もこの街の語り草だ。彼らはそれを“ひらめき”と呼ぶが、裸のサルの知恵などしょせんその程度のもの。ワニの叡智の足元にも及ばない。(中略) 裸のサルのやることなど、しょせんその程度のもの。ワニたちのひんやり涼しい脳内では、この街はただの待合室にすぎない。ある一時期ひょっこり出現した、彼らにとっては取り引きもアポイントもなく、したがって何の興味もない、この世でもっとも巨大な待合室に。この絵本も絵本あれこれR7に収めておくものとします。この本の姉妹編ともいえる『遠い町から来た話』を紹介します。遠い町から来た話3()
2021.04.25
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図書館で『洋書ラビリンスへようこそ』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。【洋書ラビリンスへようこそ】宮脇孝雄著、アルク、2020年刊<「BOOK」データベース>より日々、好奇心の赴くままに膨大な洋書を読んできた翻訳家の乱読・多読な読書案内。読むほどに洋書や翻訳書やいろいろな本が読みたくなってくるエッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。rakuten洋書ラビリンスへようこそロアルド・ダール大使の好きなロアルド・ダールが述べられているので、見てみましょう。p64~67短篇の名人ロアルド・ダールの童話は大人をも魅了する 1990年に亡くなったロアルド・ダール(Roald Dahl)は、世界中に読者をもつしあわせな作家だった。初期の頃は「短篇の名人」といわれ、『あなたに似た人』という短篇集(原題はSomeone Like You、ペンギン・ブックスに入っていて、翻訳はハヤカワ文庫から出ている)などは、半世紀ほど前から小説好きの必読書になっている。 やはりすでに亡くなった日本の作家、森揺子さんも、デビューしたときに「ロアルド・ダールのような短篇を書きたい」といったはずである。松本清張もダールの短篇を下敷きにした作品を書いている。 「南から来た男」や「味」といった代表作(どちらも『あなたに似た人』に収録)は、ギャンブル愛好家、ワイン収集家などを扱って、いかのも洒落た大人の小説だったが、どういうわけか、1960年代以降のダールは、童話作家に転身してしまった。 もしかしたら、今の読者の中には、ロアルド・ダールのことを児童文学者だと思っている人がいるかもしれない(映画や舞台になった『チャーリーとチョコレート工場』が有名ですね)。 ここで思い出話をすれば、数十年前、列車でイギリスを旅行したとき、スコットランドに近い田舎の駅で、乗り換え列車の到着を2時間ほど待たされたことがある。あちらの国鉄(今は民営化)は、時刻表通りに来ないのが普通なのである。 待合室には、幼い女の子を連れた若い母親と、スコットランド訛りの老夫婦がいた。この老夫婦のじいさんのほうは、まだ昼下がりだというのに早くも酔っ払っていて、いろいろこちらに話しかけてきたのだが(「なに? 日本から来た? ちょっと待て。前に日本の首都の名前を聞いたことがある。ええと、あれは、たしか、そうじゃ、ヨコハマだろう!」)、親子連れのほうはベンチで本を読んでいた。 人がそばで本を読んでいると、何だか気になるもので、じいさんの相手をしながらちらちら見ているうちに、表紙が目に入って、ロアルド・ダールの童話だとわかった。そのお母さんも、初めのうちは子供に読んで聞かせていたのだが、やがて自分が話に引き込まれたらしく、そばに娘がいるのも忘れて、熱心に黙読を始めた。当然、子供のほうは、窓の外を見ながら、つまらなそうな顔をしていた。 ダールの童話には大人を夢中にさせる魅力があるらしい、と気がついたのはそのときである。奇妙な言語障害をもつ牧師が田舎町に着任して・・・ ダールの童話は、日本でもあらかた翻訳されているが、現地では亡くなったあとも遺作が何冊か出版されている。今回紹介する、『ニブルズウィックの牧師さん』(The Vicar of Nibbleswicke)もその1冊で、短いながらもなかなか楽しめる作品だ。 ひと言でいえば、これは言語障害の若い牧師のお話である。主人公のリー牧師は、子供の頃、言語障害に苦しみ、どうにか克服したはずだったが、新任の牧師としてニブルズウィックという田舎町に着任したとたん、またその障害に苦しみ始める。 ただし、彼の症状は特殊なもので、ときどき単語が逆さまになって口から出てくるのだ。たとえば、こんな具合である。‘My dear Miss Twerp!' cried the Reverend Lee.‘I am your new rotsap! My name is Eel,Rovert Eel' A small black and white dog appeared between Miss Prewt's legs and began to growl. The Reverend Lee bent down and smiled at the dog.‘Good god' he said ‘Good little god'「どうも、トゥワープさん!」と、リー牧師はいった。「新任の牧者です。イールと申します。ロバート・イールです」 そのとき、白と黒のぶち犬がミス・プリュートの足もとに現れ、低くうなり始めた。リー牧師はしゃがみ込んで犬に笑いかけた。「いい神ですね」と、彼はいった。「かわいい神さまだ」 要するに、Prewtという名前はTwerpになり、pastor(牧者)はrotsap(「馬鹿げたウィスキー」と解釈できなくもない)になって、vicar(牧師)はracivになるのである。犬と神がさかさまになるのも困ったものだが、自分の名前Leeは、何と、Eel(うなぎ)になってしまう。玄関にやってきた人が、「わたしはウナギです」と自己紹介すれば、誰だって驚くだろう。 奇妙な言語障害をもつ牧師がやってきて、田舎町に愉快な騒動が起こる、というのは、童話の筋としてやや異色だが、言語障害というテーマをダールが選んだのには理由がある。もともと、この作品は、ロンドンの言語障害治療センターの依頼を受け、晩年のダールが無償で書いた童話だったのだ。最初はその言語障害治療センターのパンフレットでしか読めなかったものが、こうして普通の本のかたちで改めて出版されたのである。()
2021.04.25
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図書館で予約していた『マナーはいらない』という本を待つこと3ヵ月でゲットしたのです。Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪【マナーはいらない】三浦しをん著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書…!金言ばかりのWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」を完全書籍化。<読む前の大使寸評>Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪<図書館予約:(1/9予約、4/10受取)>rakutenマナーはいらない3皿目の「短篇の構成について」を、見てみましょう。なかなか本格的な講座になっているのが、ええでぇ♪p22~24<短篇の構成について(前編)> 「小説の書きかたを考えてみよう」というコース料理(?)も、三冊目。推敲の大切さが骨の髄まで染みこみ、枚数感覚を養うトレーニングも怠りないぜ、となったところで、今回のお皿は「構成について」です。 もちろん、各人が自由に、やりやすい方法で構成を立てていいですし、あえて構成を立てないという選択をしてもいいと思います。ただ、まだあまり小説を書き慣れていない場合は、構成を立ててから取り組んだほうが、筆が進むのではないかなという気がします。 そこで、「三十枚の短編」の構成の立てかたを例に、考えてみます。小説に関して、「こうすればうまくいく」という絶対の公式はないので、以下をご参考に、ご自身でカスタマイズしてみてくださいね。 推測なのですが、「こういう話を書きたい」と思いつくとき、「こういう話」として思い浮かんでいるものの内実は、おおまかに言って二種類にわけられる気がします。 一、登場人物の会話、置かれたシチュエーションなどが思い浮かんでいる。 二、登場人物に関しては曖昧で、むしろ「ある感情」だったり、作品の雰囲気や主題のようなものだったりが思い浮かんでいる。 私は圧倒的に「二」のパターンばかりで、登場人物がどんなひとか、どういう会話を交わすのかは、当初はほぼ思い浮かんでいません。しかし、小説を書いているひとに話を聞くと、「一」のパターンのかたも相当数いるようです。「話が思い浮かんだ時点」ですら、ひとによって傾向がさまざまなのですから、一口に「構成を立てる」と言っても、なかなかむずかしいですよね・・・。 短篇の場合、キレ味や読後の余韻が重要になってきますから、あまり微に入り細を穿った構成は立てなくてもいいでしょう。まず、話の「肝」となる部分を頭のなかで定めます。肝とは、ストーリーが大きく展開する部分、あるいは登場人物の感情が一番高まる部分です。 「登場人物の会話」がまっさきに思い浮かぶひとの場合(以下、「『一』のパターン」とします)、その会話が肝になるかもしれません。「ある感情や雰囲気や主題のようなもの」がまっさきに思い浮かぶひとの場合(以下、「『二』のパターン」とします)、「ある感情」がいよいよ発生するシーンや主題が立ちあらわれるシーンが肝になるケースが多いでしょう。 「一」のパターンの場合、問題となるのは、思い浮かんだ会話が、短篇の冒頭のワンシーンだった、というケースです。冒頭に肝が来る小説も皆無ではないですが、常道はやはり、肝が中盤以降に来る構成でしょう。となると、冒頭の会話しか思い浮かんでいない場合、そこからまったく話を進められないことになってしまいます。 では、どうするか。登場人物の性格や、どんな立場でどういう暮らしをしているのかを、具体的に想像します。名前ももちろんつけます。「どんなひとなのか」をつかむのです。そのうえで、冒頭の会話をしているひとたちの身に、なにか決定的な破滅(あるいは修復)が起こるとしたら、どんなエピソードがふさわしいか、を考えます。そのエピソードを、中盤以降の肝として設定するのです。『マナーはいらない』1:枚数感覚についてp18~21
2021.04.25
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・内なる町から来た話・騙し絵の牙・デザイン偉人伝・洋書ラビリンスへようこそ<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【内なる町から来た話】ショーン・タン著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作!<読む前の大使寸評>めくってみると予想以上に文章が多く、大人向きの絵本になっています。マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪<図書館予約:(11/3予約、副本3、予約35)>rakuten内なる町から来た話***********************************************************【騙し絵の牙】塩田武士著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>より大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!<読む前の大使寸評>出版界で牙を剥いた男というサスペンス調もさることながら、出版業界という舞台設定が興味深いのです。<図書館予約:(4/19予約、副本19、予約7)>rakuten騙し絵の牙************************************************************【デザイン偉人伝】松田行正著、左右社、2020年刊<「BOOK」データベース>より俵屋宗達はトリミングの達人、モネはオールオーバーの先駆者だった!…「デザイン」という言葉が生まれるずっと以前から偉業は成されていた!偉人たちの手法や着想のヒントを時代背景とともに解き明かす。目からウロコのデザイン史!<読む前の大使寸評>日本絵画のフラット性をデザインという物差しで語っているところが・・・ええでぇ♪rakutenデザイン偉人伝************************************************************【洋書ラビリンスへようこそ】宮脇孝雄著、アルク、2020年刊<「BOOK」データベース>より日々、好奇心の赴くままに膨大な洋書を読んできた翻訳家の乱読・多読な読書案内。読むほどに洋書や翻訳書やいろいろな本が読みたくなってくるエッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、見事なまでに知らない本ばかりであるが・・・欧米では知られた本のようで、興味深いのでおます。rakuten洋書ラビリンスへようこそ************************************************************図書館大好き481
2021.04.24
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在69位・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、副本13予約218)現在35位・小川洋子『密やかな結晶』(10/8予約、副本4、予約59)現在3位・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在354位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在9位・出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記:(1/06予約、副本5、予約58)現在11位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在173位・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、副本2、予約9)現在3位・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、副本7、予約197)現在75位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在81位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在590位・『ラガナ一家のニッポン日記』(4/21予約、副本1、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・椎名誠『遺言未満』:図書館未収蔵・桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』・桐野夏生『日没』・池内紀『すごいトシヨリBOOK』・オードリー・タン 自由への手紙・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・頭木弘樹『食べることと出すこと』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・柏耕一『交通誘導員ヨレヨレ日記』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:3/05以降> ・平松洋子『買えない味』(3/01予約、3/05受取)・中島京子『夢見る帝国図書館』(3/09予約、3/16受取)・多和田葉子『星に仄めかされて』(1/05予約、3/18受取)・三上 修『電柱鳥類学』(3/10予約、3/21受取)・NHKスペシャル取材班『やばいデジタル』(12/23予約、3/21受取)・川上弘美『神様2011』(3/21予約、3/26受取)・川上弘美『某』(3/31予約、4/06受取)・三浦しをん『マナーはいらない』(1/9予約、4/10受取)・ショーン・タン『内なる町から来た話』(11/3予約、4/22受取)・塩田武士『騙し絵の牙』(4/19予約、4/22受取)***********************************************************************【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【ワールドサイドをほっつき歩け!】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>よりEU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/19予約、副本13、予約218)>rakutenワールドサイドをほっつき歩け【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記】宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>rakuten出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【ウイルスの意味論】山内一也著、みすず書房、2018年刊<出版社>よりその生と死はどこか奇妙だ。分解された親から複製され、破壊されても蘇り、体を捨て情報として潜伏し、突然実体化する。常識を問う書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本1、予約0)>amazonウイルスの意味論【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenクララとお日さま【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ラガナ一家のニッポン日記】ドメニコ・ラガナ著、角川書店、1983年刊<レヴュー>よりアルゼンチンからやって来たラガナさんは、外国の人にしては珍しく、読み書きから日本語に入りました。でも、相当レベル高いです。難しい熟語バンバン出てきます。エッセーとしては、外国人のビックリ日本滞在記、ではありません。本人の言う通り、日本に馴染みすぎて、その辺り日本人の期待にはあまり答えられてません。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/21予約、副本1、予約0)>amazonラガナ一家のニッポン日記【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。図書館予約の軌跡254
2021.04.24
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図書館で『コロナ後の世界』という本を手にしたのです。コロナ禍第4波にさらされる神戸市は、かなり危ない状況にあるわけで・・・この本を読もうと思った次第です。【コロナ後の世界】筑摩書房編集部、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>より免疫学、精神医学、社会学、哲学・現代思想、経済学、医学史、政治学、科学史など、第一線で活躍する12人の知性による、圧倒的熱量の論集!世界を襲ったCOVID―19。深刻かつ多方面にわたるその影響。危機の正体と、到来する未来を、多角的に検証。<読む前の大使寸評>コロナ禍第4波にさらされる神戸市は、かなり危ない状況にあるわけで・・・この本を読もうと思った次第です。rakutenコロナ後の世界まず免疫学の立場から新型コロナを、見てみましょう。なお、この本の出版時にはワクチンが未完成であり、変移株も発生していなかったので、それらには触れていません。p14~16免疫からみえるコロナの行く末:小野昌弘■新型コロナウイルス感染症とは何か 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2ウイルス)は、2019年に武漢で流行が始まり、中国各地から短期間で世界中に広がった。2020年6月現在、世界で約1千万人が感染し、約50万人が死亡している。 新型コロナウイルスに比較的近縁のウイルスには、重症急性呼吸器症候群(SARS)関連コロナウイルスと中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスがあり、いずれも元々は野生動物のウイルスが人間に感染したものと考えられる。遠縁のコロナウイルスには、普通の風邪を引き起こす原因となるウイルスも複数ある。 新型コロナウイルスは、コウモリを宿主とするウイルスとの類似性が高いため、こうしたウイルスが何らかの形で人間に感染したものと推測されているが、それ以上の詳細はわからない。 新型コロナウイルスのように、人間と動物の両方に感染できる病原体によって生じる感染症は人獣共通感染症と呼ばれ、これ自体は珍しくない。 人の手が加えられていない自然に近接する開発地域は、新たな人獣共通感染症の震源地でもある。野生動物のウイルスが初めて人間に感染し、そのウイルスが人から人へと伝播する性質を獲得していた場合、人間には免疫がないために地域内で感染が容易に広がり得る(感染の突発的発生=アウトブレイク)。それに加え、昨今のグローバル化で地域・国境を超えた人および物の移動が激しくなっているため、アウトブレイクが適切に封じ込められなければ容易に世界的大流行(パンデミック)に到り得ると警戒されてきた。その懸念が現実化したのが、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックである。(中略) 一般に新型コロナウイルスによる感染症には、命にかかわる重い症状というイメージがつきまとうが、実のところ、近縁ウイルスによるSARSやMERSに比べると、無症状・軽症の人が多いとみられる。しかしこの特徴が、新型コロナウイルスの封じ込めを困難にしたと考えられる。 実際、新型コロナウイルス感染症では、感染直後でまだ症状が出る前の段階でもウイルスを排出し、他者に感染させる可能性がある。軽症であれば、外出や旅行もしてしまうだろう。そして咳による飛沫や唾液に含まれるウイルスから感染するので、密閉・密集・密接が重なる、いわゆる三密の状況を回避することと、手洗いの重要性が説かれることとなる。 無症状者・軽症者の割合は、感染調査と統計的な推測に基づくため、研究の進展によりその数値も変わるはずだが、おそらく感染しても8割以上の人は重症化することなく治癒する。一方で、高齢者や循環器疾患・糖尿病・極度の肥満を持つ患者、ステロイド服用中の患者は重症化する可能性が高い。()
2021.04.24
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<仏文書籍あれこれR2> 最近、図書館で借りた本と、古い蔵書なんですが、仏文書籍について適当に集めてみます。なお、辞書や専門書は除外します。・『Voyage au centre de la Terre』2009年刊・『Au sud de la frontiere, a l'ouest du soleil』2008年刊・『Apres le tremblement de terre』2002年刊・『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』1999年刊・『KAFU Le Bambou nain』1998年刊・Polaroids de Jeunes Filles(1994年刊)・LE JACASSIN(1970年)・Le Petit Prince(1968年)・L'histoire vecue de la seconde guerre mondialeII:Le siege(1963年)R2:『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』を追加【Voyage au centre de la Terre】Jules Verne著、Livre De Poche、2009年刊<商品の説明>よりFollows Professor Lidenbrock, his nephew Axel, and their guide Hans as they venture deep into a volcanic crater in Iceland on a journey that leads them to the center of the earth and to incredible and horrifying discoveries<読む前の大使寸評>なんと言っても、l'edition originale の挿絵が大量に載っているのが嬉しい♪amazonVoyage au centre de la Terre***********************************************************************【Au sud de la frontiere, a l'ouest du soleil】村上春樹著、Distribooks、2008年刊<カスタマー・レヴュー>よりEcrit alors que Murakami est toujours en exil (a Princeton aux Etats-Unis), "Au sud de la frontiere, a l'ouest du soleil" n'est publie que quatre ans apres son predecesseur, le tres fumeux "Danse, danse, danse".En lisant la quatrieme de couverture, je prends peur: on craint le Murakami sentimentaliste qui avait a mon sens completement echoue dans "Norwegian Woods/La ballade de l'impossible".Heureusement, "Au sud..." n'a rien a voir.D'abord parce que le style est profondement resserre, et la chronique des 37 ans de la vie de cet homme, Hajime, ne prend que 200 pages environ. Pourtant on sait beaucoup de choses de lui a la fin du roman, et le lecteur est devenu, un peu, son intime.<読む前の大使寸評>おお 村上春樹作品の仏訳版ではないか・・・ということで借りたわけでおます♪尚、太子の借りたペーパーブックは、BUSSIERE CAMEDAN IMPRIMERIES社、2002年版のものでした。amazonAu sud de la frontiere, a l'ouest du soleil【太子注】この本の日本語原題は「国境の南、太陽の西」で、村上春樹の7作目の長編小説です。***********************************************************************【Haruki Murakami-Apres le tremblement de terre】Haruki-Murakami著、10*18、2002年刊<カスタマー・レヴュー>より①Un simple battement d'aile de papillon en Amazonie peut-il declencher par une reaction en chaine un tremblement de terre au Japon ? Cela tombe bien, Murakami nous le prouve dans cette suite de nouvelles, toujours aussi subtiles, profondes et surnaturelles ! Oui, un evenement peut bouleverser votre vien comme la lecture de mon commentaire et l'achat de ce roman que vous ne regretterez pas !②この短編小説集は、阪神淡路大地震の闇と少なからず孤独な心が通ずる主人公達の魂の再生の物語だと私は理解しました。最後の「蜂蜜パイ」の淳平は西宮市夙川出身で早稲田の文学部を卒業した短編専門の小説家、つまりそれはもう一人の有り得たかもしれない村上さんの姿でした。本書は読者の人生経験に即して深いメッセージを伝えることが出来る優れた短編小説だと思います。<読む前の大使寸評>「神の子どもたちはみな踊る」が含まれた短篇集であるが、「Apres le tremblement de terre」(大震災後)という書名の日本版なんてあったかな?amazonHaruki Murakami-Apres le tremblement de terre『Haruki Murakami-Apres le tremblement de terre』2:「蜂蜜パイ」の冒頭『Haruki Murakami-Apres le tremblement de terre』1:「神の子どもたちはみな踊る」の冒頭***********************************************************************【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourous持ってけ泥棒価格の絵本 1持ってけ泥棒価格の絵本 2***********************************************************************【KAFU Le Bambou nain】Ccatherine Cadou訳、Picquier poche、1998年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>この本をチョイスしたのは表紙の浮世絵がキレイだったこと、それと錆びつきかけたフランス語のブラッシュアップになると思ったからです。amazonKAFU Le Bambou nain***********************************************************************【Polaroids de Jeunes Filles】Jean-Philippe Delhomme著、光リン社、1994年刊<商品の説明>よりフランスのイラストレーター、ジャン・フィリップ・デロームの作品集。1988年から1992年の4年間にわたり、フランスのファッション雑誌『グラムール』に連載された中から後半に掲載された作品95点をショートストーリーとともにまとめた一冊です。<読む前の大使寸評>日本の新書より大きくて細長い特殊サイズである。各ページの構成は。上半分にカラー画像、下半分にストーリー文章となっていて、これまた独特でおます。なお、私が借りた本の表紙はモノクロ(左側)の方です。yahooPolaroids de Jeunes Filles『Polaroids de Jeunes Filles』1***********************************************************************【LE JACASSIN】Daninos Pierre著、Le Livre De Poche、1970年刊<大使寸評>皮肉、かつお笑いの辞典であるが、この本だけで仏語を修めるものではありません(当然です)本屋ではHacshtte社のLE LIVRE DE POCHEシリーズがすぐ目に付くが、このシリーズは日本の角川文庫、岩波新書などよりもっとシェアが大きいシリーズなんでしょう。AmazonLE JACASSIN***********************************************************************【Le Petit Prince】Antoine De Saint-Exupery著、HEINEMANN EDUCATIONAL、1968年刊<「BOOK」データベースより>ふるさとの星を出発した星の王子さまは、命令好きの王さまの星や、うぬぼれ男の星などを旅します。最後に地球にやってきて、サハラ砂漠で飛行機を修理中のパイロットに出会います。心をとらえて離さない不思議な物語。 <大使寸評>私が買ったのはHEINEMANN EDUCATIONAL社(英国)のハードカバーであるが、さすがにこの本はアマゾンで出なかったので、アマゾンのMariner Books社の情報を載せました。AmazonLe Petit Prince***********************************************************************【L'histoire vecue de la seconde guerre mondiale II : Le siege】Marabout社、1963年刊<裏表紙説明>よりEn 500 photos et 100 000 mots, cet ouvrage uni-que en son genre nous presente la -guerre 1940/45 comme une experience humaine complete, tant a l'echelle des nations que des individus. Chacun des quatre volumes forme un tout, mais, ensemble, ils tentent une exploration en profondeur de l'epoque contemporaine. L'histoire vecue de la seconde guerre mondiale donne une vision immediate et saisissante des divers aspects de la plus complexe, la plus tragique et la plus heroique epopee que l'humanite ait enduree.Ce deuxieme tome de l'histoire vecue de la seconde guerre mondiale s'ouvre sur la resistance acharnee de la Grande-Bretagne contre les as-sauts de la machine de guerre nazie. II se pour-suit par les hostilites dans l'Atlantique Nord et la Mediterranee, l'invasion des Balkans et de la Grece, le combat-poursuite dans les deserts d'Afrique, l'attaque-suicide de l'Allemagne contre la Russie et l'inhumaine cruaute des batailles d'hiver. Pearl Harbour et la suite des victoires japonaises en Extreme-Orient terminent le volume.<大使寸評>第2次世界大戦シリーズで日本にも言及しているので、軍事オタクにとって見過ごせない本である。フランスの書籍ECは古書に関しても、いけてるやん♪bibliopocheL'histoire vecue de la seconde guerre mondiale II : Le siegeフランス語リンク集/All Aboutフランス関連の蔵書
2021.04.23
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三宮の古書店の店頭で『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』という絵本を、手にしたのです。おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourousこの絵本の最終ページを、見てみましょう。p96 ≪Miss Bianca..., chuchote Bernard, vourez-vous m'epouser? -Oh! cher Bernard,j'avais tellement peur que vous ne me le demandiez jamas≫, repond-elle, au comble du bonheur. Et Bernard offle enfin le precieux bijoux a sa ravissante fiancee...持ってけ泥棒価格の絵本 1
2021.04.23
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図書館で『パンダの丸かじり』という本を手にしたのです。おお 東海林さんの「丸かじりシリーズ」ではないか、東海林さんのエッセイ集の評判は言わずと知れたことで、すぐ借出しカートに入れたのです。【パンダの丸かじり】東海林さだお著、朝日新聞出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より粗食一筋。笹一筋。無心に笹の葉をかじる姿は尊くて…抱腹絶倒の東海林ワールド、シリーズ第43弾!超長寿連載「あれも食いたいこれも食いたい」最新刊!<読む前の大使寸評>おお 東海林さんの「丸かじりシリーズ」ではないか、東海林さんのエッセイ集の評判は言わずと知れたことで、すぐ借出しカートに入れたのです。rakutenパンダの丸かじり「鶏むね肉の“向き”」が述べられているので、見てみましょう。p32~36鶏むね肉の“向き” 昨年(2017年)の「今年の漢字」、覚えていますか。「北」でした。 では昨年の「今年の一皿」というの知ってました? あったんです。そういうの。「今年の漢字」ほど有名ではないがやってたんです、そういうのも。 昨年の「今年の一皿」は「鶏むね肉料理」というもの。 ちなみに一昨年が「パクチー料理」でその前の年が「おにぎらず」でした。「今年の一皿」はどういうものかというと、「優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食を『今年の一皿』とする」という、ちゃんとした理念のもとに「ぐるなび総研」という有識者の、ちゃんとした審査を経て選出された、ちゃんとちゃんとの大賞なのである。 ぼくはそのことを知らなかったのだが、コンビニに行くと「鶏むね肉」の花盛り。 どこのコンビニに行っても、「鶏」と銘打って、パックされた鶏むね肉が何種類も並んでいる。 味つけも「プレーン」「スモーク」「ガーリック」など様々。 どのパックにも「鶏むね肉」ないし「鶏胸肉」の文字が入っている。 つまり「鶏もも肉」ではないということ。 鶏肉には「もも肉」と「むね肉」の二大勢力があって、確かむね肉よりもも肉のほうが人気があったはず。 クリスマスのときなど、もも肉の足の先っぽにリボンをつけて七面鳥ふうに飾り立ててみんな喜んで食べていたはず。 値段ももも肉が100グラム123円ならむね肉は88円ぐらいで、断然もも肉のほうが高いはず。 なのに、なぜそのもも肉のほうが推挙されたのか。 やっぱり「今年の一皿」の理念の「その年の世相を反映し」のところにあるような気がする。 すなわち、世の中の健康志向、低脂肪、低カリリー、高たんぱく、低糖質、低価格といったあたりが高く評価されたのではないか。「今年の一皿」は、文学で言えば、芥川賞、直木賞に相当するとも考えられる。 両賞には候補作がつきものである。「今年の一皿」にも当然対象候補があったはず。 当然、もも肉も候補に挙げられたはず。その結果、もも肉は敗れたことのなる。 もも肉の悔しさは想像に余りある。特に身内の争いであるゆえ事は深刻なのではないか。このことが後に禍根を残すことにならなければよいが。 いま評判の、コンビニで花盛りの「鶏むね肉」の実体はどのようなものなのか。 いろいろある種類の中の一つ「プレーン」を買ってきた。 透明なパックなので中がよく見える。いやに白くて、一見プラスチックのような、無機質な感じの肉のカタマリが見える。 (中略) ただ一つだけ気になることがあった。 形である。肉のカタマリがパックに入って売られているわけだが、パッと見たとき、“向き”がわからないのだ。 向き、というか、方角というか。あの、ホラ、マンションの広告がときどき新聞にはさまって来ますね。間取りとか、方角とか。ここが玄関で、そうか、こっちが北か、とか。 自分で買うわけではないが、そうやって見て、そうか、このマンションはおよそこうなっているのだな、と。納得というほどではないが、とりあえず心が落ちつくというか、そういう心理状態になることがありますよね。 コンビニの「鶏むね肉」にはそれがない。 コンビニの「鶏むね肉」の形はいろいろで、大きな小判みたいのもあれば地図の四国風もあるし、紡錘みたいな形のものもある。 ただ、これだと、さっきも書いたように“向き”がわからない。東海林さだおさんの「分別」について平松洋子さんが賛辞を述べているので紹介します。『オール讀物(2020年11月号)』()
2021.04.23
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<『たちどまって考える』5>本屋の店頭で『たちどまって考える』という新書を手にしたのです。パラパラとめくってみると、ヤマザキマリの最新評論集のような本になっています。これは図書館予約している場合ではないでえ・・・ということで、衝動買いしたわけでおます。【たちどまって考える】ヤマザキマリ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりパンデミックを前に動きを止めた社会。世界を駆ける漫画家・ヤマザキマリもこれほど長期間家に閉じこもり、自分や社会と向き合ったのは初めてだった。しかしその結果「たちどまることが実は必要だったのかもしれない」という想いにたどり着く。ペストからルネサンスが開花したようにまた何かが生まれる?混沌とした日々を生き抜くのに必要なものとは?自分の頭で考え、自分の足でボーダーを超えて。あなただけの人生を進め!<読む前の大使寸評>ヤマザキマリの最新評論集のような本になっています。これは図書館予約している場合ではないでえ・・・ということで、衝動買いしたわけでおます。rakutenたちどまって考える「第3章 たちどまって考えたこと」でが語られているので、見てみましょう。p146~148<なぜ日本人の内なる“広辞苑”は薄いのか> 画廊「ガレリア・ウプパ」で出会った人たちに知識不足をあれこれバカにされながらも、私は自分がもっている“広辞苑”のページ数を増やす大切さを知ることができました。 自分の辞書を分厚くすること、つまりボキャブラリーを増やして知識や教養を深めることは、会話や議論を豊かにするだけでなく、視野を広げ、思考力や想像力をも逞しくし、ひいては生きる力そのものを強くするということです。 この個々人がもつ内なる辞書に関して、今の日本人とイタリア人の間の比較で気になることがあります。それはお年寄りに対する認識です。 イタリアは日本に負けず劣らずの高齢化社会です。イタリアにおけるCOVID-19の感染者の拡大は、そんなお年寄りと同居する家庭が少なくないことにも要因があるとされていますが、イタリアでは基本的にお年寄りはどんな人であろうと、「分厚い辞書の持ち主」として無条件に敬う風潮が強い。 片や今の日本は、お年寄りへの敬愛の念が昔ほどないように見えます。特に文化的な分野を見ていると、若者ばかりがもてはやされ、お年寄りは表に出てくることを遠慮しているような印象を覚えます。そんな社会においては自分の“広辞苑”が薄いことを気に留めない、というよりも薄いこと自体に気づいていない人が多いように感じるのです。 お年寄りは何はともあれ、年齢を重ねることでしか人間が得ることのできない知恵や感性をもっている。 先日テレビで見た戦災孤児のドキュメンタリーで、80代半ばの元戦災孤児のお年寄りが、親の死に目を見ても泣かなかったという話のあとで、思わず母親のお墓の前で嗚咽を漏らしているシーンが出ていました。あの涙の凄まじさは人生の重さそのものであり、長く生きてきた人は、それだけで敬われるべきものだと感じました。 小津安二郎の、戦後の日本の過渡期を切り取った映画作品では、すでに家族に煙たがられるお年寄りを捉えていますが、それでも私の子ども時代までは、地域にある種の威圧感を放っているお年寄りは存在していました。 『サザエさん』にも盆栽を大事に手入れする地域のカミナリオヤジが出てきます。江戸時代にまで遡ってしまうと、そもそも人々の寿命が今ほど長くはありませんでしたが、それでも「ご隠居」と呼ばれるお年寄りたちは経験を積んだ生き字引き、分厚い辞書の持ち主という扱いを受けていたように思います。 日本でお年寄りのプレゼンスが弱まったきっかけがあるとすれば、高度経済成長期ではないでしょうか。テクノロジーの進化や外来文化が浸透していく勢いに付いていけないお年寄りの“足手まとい感”が、その時点で生まれてしまったのかもしれませんね。ウン マリさんが綴る文章には、常々、年に似合わなほど老成した鋭さがあると感服していたが、その語彙と感性には、このような“広辞苑”に裏打ちされていたんでしょうね。『たちどまって考える』4:ニッポンのコロナ感染『たちどまって考える』3:ニッポンの世間体p204~206『たちどまって考える』2:外国語の習得p200~203『たちどまって考える』1:漫画家のくせにp195~197()
2021.04.22
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図書館で予約していた『マナーはいらない』という本を待つこと3ヵ月でゲットしたのです。Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪【マナーはいらない】三浦しをん著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。あの作品の誕生秘話や、手書き構想メモを初公開。もちろん(某きらめく一族への)爆笑激愛こぼれ話も満載で、全・三浦しをんファン必読の書…!金言ばかりのWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」を完全書籍化。<読む前の大使寸評>Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」の単行本化とのこと・・・ええでぇ♪<図書館予約:(1/9予約、4/10受取)>rakutenマナーはいらないニ皿目の「枚数感覚について」を、見てみましょう。p18~21<枚数感覚について> 「小説なんて書いてられっか!」ってぐらい暑い日がつづいていますが、みなさまお元気でしょうか。夏ノ暑サニモ負ケズ、1日ニ五枚ノ原稿ヲ書ク、サウイフモノニワタシハナリタイ。ぐすんぐすん。 ところで、問題は「五枚」です。この「五枚」とは、A5用紙にびっしり五枚でも、ティッシュペーパーに五枚でもなく、原稿用紙に五枚です。 「そんなことはわかっとるわい!」とおっしゃるでしょうけれど、待たれぃ。話を聞いてくだされ。 実際に原稿用紙に手書きしているかたは、現在では少数派だと思います。私もこの原稿をパソコンで書いています。しかし日本語の原稿では、いまでも分量の基準が「原稿用紙」なのです。もっと言うと、20字×20行=400字詰めの原稿用紙です。 出版社から小説やエッセイの原稿を依頼される場合、「75枚でお願いします」 「10枚でお願いします」などと言われます。これらはティッシュペーパーではなく、「400字詰めの原稿用紙で換算して、75枚(あるいは10枚)」という意味です。 例外として、雑誌のレイアウトがかっちり決まっている場合や、新聞からの依頼は、たとえば「13字×52行でお願いします」と、字数×行数を細かく指定されます。広告関係の依頼の場合は、「1600字でお願いします」とざっくりした文字数を提示されることもあります。 しかし原則は、あくまでも原稿用紙換算です。小説家としてデビューしたら、主に出版社と仕事をするはずなので、「原稿用紙1枚ぶん」がどれぐらいの分量なのか、身体感覚としてつかんでおかなければなりません。そうじゃないと、依頼された枚数でどれぐらいの内容が書けるものなのか、まったく見当もつかないまま執筆に取りかからねばならない、ということになってしまうからです。 この問題は、小説の構成をどうたてたらいいのか、ということとも深くかかわっています。たとえば、コバルト短篇小説新人賞の規定は、「原稿用紙25~30枚」です。しかし応募原稿を拝読していると、「内容に枚数が合ってないな」と感じる作品にしばしば遭遇します。30枚に話が入りきらず、駆け足になったり尻切れトンボになったり、逆に、枚数がまだあるのに、エピソードをふくらましきれず終わっていたり。 こういうケースは、一言で言えば「構成の失敗」なのですが、その背景には、「原稿用紙1枚の分量、そして原稿用紙30枚の分量を、身体感覚としてつかめていない」という問題があるのでは、と推測されます。 みなさんはパソコンで文章を書くとき、字数はどういうふうに設定しておられますか? また、行数がちゃんと表示される設定にしておられますか? 手の内を明かしますと、私は「1行20字」設定で書いています。行数も表示し、常に自分が、いまどのぐらい書いているかを意識しています。ちなみにここまでで、原稿用紙3枚とちょっとです。 枚数の感覚がまだつかめていないな、というかたは、「1行20字」あるいは「1行40字」設定にし、「いま原稿用紙換算でどれぐらい書いたところなのか」を、パッと暗算しやすいようにしたほうがいいと思います。そうすれば、「これぐらい書いて、5枚なのか。そのわりに話が全然進んでないぞ」「もう25枚目に差しかかってるのだから、そろそろ話を収束させる方向に持っていかないと」といった具合に、書く際の目安になります。 これを繰り返しているうちに、「30枚の短篇だから、こういう展開にしよう」と、書くまえに構成を立てる力がついてきます。つまり、枚数に見合った話を思いつきやすくなるのです。 いま何枚目を書いているのか把握できない状況で執筆するのは、地図も道しるべも通行人もない場所で迷子になってるのと同じです。自分がどれだけ歩いてきたのか、あと何キロ歩けば目的地にたどりつけるのか、まずはその点を身体的に把握するのが肝心です。 自宅から最寄り駅まで、何分かければ到着するか、みなさんは経験則としてわかっておられるでしょう。それと同様に、「原稿用紙30枚」なら30枚の分量を把握すべく、字数×行数を意識しながら、経験を積まなければなりません。(中略) この感覚を養わないかぎり、「せっかく構成を立てたのに、思いどおりに枚数に収まらなかった」という悲劇が起こりつづけます。場数を踏めば感覚は身につくので、枚数を意識しながら書くよう、心がけてみてください。ここで、三浦しをん著『舟を編む』を見てみましょう。「枚数感覚」は当然としてバッチリでしょうね。【舟を編む】三浦しをん著、光文社、2011年刊<「BOOK」データベース>より玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていくー。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのかー。<読む前の大使寸評>映画化された作品でもあるが、まだ読んでなかったのです。遅ればせではあるが、読んでみようと思ったのです。rakuten舟を編む『舟を編む』3:『大渡海』の完成祝いパーティp256~259『舟を編む』2:荒木が大手出版社に入社したあたりp6~7『舟を編む』1:冒頭の語り口p3~4()
2021.04.22
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図書館で『人間的なアルファベット』という本を手にしたのです。丸谷さんの雑学満載の“よみもの辞書”がいいではないか♪【人間的なアルファベット】丸谷才一著、講談社、2010年刊<「BOOK」データベース>よりエロスとユーモア溢れる丸谷版“A to Z”。ACTRESSからZIPPERまで―色っぽくって面白い!知的雑学満載の、軽妙洒脱な“よみもの辞書”。<読む前の大使寸評>丸谷さんの雑学満載の“よみもの辞書”がいいではないか♪amazon人間的なアルファベット東洋文庫内のモリソン書庫丸谷さんがモリソン図書館について語っているので、見てみましょう。p312~314YES(イエス) 吉行淳之介さんに言はせると、女が逃げるのは引きとめられるのを期待して逃げるのであつて、それは「いやよいやよはいいよの裏よ」といふ諺(?)の通りださうである。つまり「いやよいやよは…」といふ女性心理論を肯定してゐる。 ほかの話題ならともかく、この手のことに関しては、吉行さんの意見は重んじるに値する。もつともこれは艶福の人の体験から割出しての説で、つまりデータが偏向してゐる。一般論とするのは危険だらうな。 その「いやよいやよは…」で、G・E・モリソンの、外交官と女についての考察のことを思ひ出す。 モリソン何それ? とけげんな顔をされるに決まつてるから、まづこの男のことを説明しなければならない。 わたしがこの男のことを知つたのはウッドハウス映子さんの『日露戦争を演出した男モリソン』上下(新潮文庫)によつてで、この元版は1988年に東洋経済新報社から出た本ですが、じつにおもしろい。ぜひ御一読あれ。 元版が縁遠い感じなので手に取らず、といふよりも、書名すら知らなかつたのですが、かういふ読みごたへのある好著が安い値段で手にはいる。単行本をじつくり書いてその上で文庫本といふ仕組はいいですね。新書版といふのは、窮屈な枠組みのなかで書くと決められてゐるから、その点どうも書き足りなくなる傾向があるやうだ。といふよりも、あまり書くことがないのに無理やり本にした感じの新書本もある。その点この文庫本には日露戦争についての新情報が詰まっている。 でも、わたしがこの二冊本を手に取つたのは、日露戦争に対する関心ももちろんあるけれど、むしろ、おや、あの東洋文庫のモリソンぢやないかな? といふ気持のせいでした。 東京の駒込に、三菱財閥が建てた東洋文庫といふ研究所ないし図書館があつて、これは中国に関する欧文書コレクションの代表的なもの。例の『長安の春』の石田幹之助先生が長く主幹をしてゐた。ここで『長安の春』について一言述べたいところですが、それは省略。でも、読んでぜつたい損をしない現代古典だとだけ言つて置きませう。寝ころんで読んで碩学の学問を楽しめる名著であります。 この東洋文庫の基本になつたのがモリソンといふ外国人ジャーナリストの蔵書でした。うろ覚えで書くのですが、たしか彼は杜村と号してゐたやうな気がする。杜はモリ、村はソンでモリソンですね。それを三菱財閥が途方もない金額で買ひ取つた。その噂をわたしは、おそらく植村清二先生から伺つてゐましたから、おや、あのモリソンぢやないか、と思つたのです。 果してその通り。 ウッドハウス映子さんの本によると、彼は北京において、大勢の清国人使用人を雇い、大邸宅に住んでゐた。その通りがモリソン・ストリートと呼ばれたことでも、邸の宏壮がわかります。 「大きな正門の脇には、ユニオン・ジャックが備え付けてある。門内には、中国風の建物に囲まれた大きな中庭がある。モリソンが寝起きする棟は右手で、左手の長い別棟がかの有名なモリソン図書館であつた」 これですね。このモリソンはもともと蒐集癖の強い男ださうで、招待状、劇場のプログラム、レストランのメニュー、電車の乗車券などみな取つて置く。とりわけ本に目のないたちで、1897年の北京着任以来、中国関係の欧米書を集めた。それが義和団の乱のときあやふく戦火をまぬかれたので、これは大変と、コンクリート建て別棟の書庫を造つたのです。 このコレクションはすごいもので、その道では垂涎の的でした。みんながほしがつてゐた。 1917(大正6)年、モリソンはこの2万4000冊に及ぶ蔵書を手放さうと決意しました。各国の大学がこれを狙つたことは言ふまでもありません。しかし手に入れたのは日本だつた。情報を聞き込んだのっが一足早かつたせいもあるが、三菱の岩崎久弥の決断がすごかつた。言ひ値通り3万5千ポンドで買ひ取つたのである。今に直せば35億円と言はれてゐる由。日本の東洋学がこれによつて大きく進展したことは言ふまでもない。昔の金持は学術を愛したなあ。(中略) 外交官と女とがペアになるところが、冒頭で予告したモリソンの考察の妙味ですから。 早口でやりますよ。 まづオーストラリア生まれであるモリソンは、大英帝国を愛すること極めて熱烈でした。そして時あたかも帝国主義の時代であつたし、世紀末から20世紀初頭にかけてのイギリスは、南ア戦争のため国力を消耗して、東洋におけるロシアの進出ぶりに手を焼いてゐた。 ところがザ・タイムス(ロンドン・タイムス)の北京駐在員であるモリソンは、義和団の乱のとき、日本軍の軍紀の正しさと強さ、勇敢さに感心して、大変な日本びいきになり、このすばらしい日本を抱き込んで母国イギリスの利益を守らう、そのためには両国の同盟を結ぶに限ると考へ、種々画策し、暗躍して、つひに成功したのです。だから、日本は彼のおかげで日露戦争に勝つた、とも言へる。 その意味で、『日露戦争を演出した男モリソン』と司馬遼太郎『坂の上の雲』とは相互補完的関係にあるでせう。前者は西欧の眼によつてあの戦争を見てゐるし、後者は日本の眼で見てゐる。さらに言へば、前者は主人公の性生活をあけすけに書いてゐるのに対して、後者は色気ぬきである。『人間的なアルファベット』1()
2021.04.22
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図書館で『人間的なアルファベット』という本を手にしたのです。丸谷さんの雑学満載の“よみもの辞書”がいいではないか♪【人間的なアルファベット】丸谷才一著、講談社、2010年刊<「BOOK」データベース>よりエロスとユーモア溢れる丸谷版“A to Z”。ACTRESSからZIPPERまで―色っぽくって面白い!知的雑学満載の、軽妙洒脱な“よみもの辞書”。<読む前の大使寸評>丸谷さんの雑学満載の“よみもの辞書”がいいではないか♪amazon人間的なアルファベット丸谷さんが引用の芸を語っているので、見てみましょう。p220~223QUOTATION(引用) 永井荷風『墨東奇譚』の出だしのところ、荷風その人を思はせる、といふよりも作者のほうでさう思つてくれと読者に頼んでゐるやうに書いてゐる初老の語り手=主人公が、吉原の近くの古本屋で、明治初年の古雑誌と古着の長襦袢を買ひ、風呂敷包みにして歩いてゐると巡査から呼びとめられて交番へ連れてゆかれる。名を問はれて、 「大江匡」と答へた時、巡査は手帳を出したので、「匡はハコに王の字をかきます。一タビ天下ヲ匡スと論語にある字です。」 自分の名前を説明するのにその出典(『論語』の「一匡天下」)を持出してゐるわけです。これは普通「天下を一匡す」(天下を正す、の意)と読んでゐるやうですが、まあそんなことはこの際どうでもいい。とにかくかういふ具合に、根拠や考証のため他の文句や事例を引いて言ふ、他人(まれには自分)の台詞を引合ひに出して使ふのが引用ですね。これは演説や文章の技術、レトリックのなかの大物で、しよちゆう用ゐられます。 ここでちよつと余談。 かういふ巡査への厭がらせなど、『墨東奇譚』が出たころの読書人たちに快哉を叫ばせるものだつたでせうね。何しろあのころ、日本の知識人は、軍部とか官憲とかに痛めつけられてフウフウ言つてたのだから、ちよつとしたことでも抵抗のしるしみたいに取つて嬉しがつた。 でもわたしは中学二年生か三年生のころこの箇所を読んで、すこし馬鹿ばかしかつたし、巡査がかはいさうな気がしたな。あの連中、『論語』なんて言はれたつて、チンプンカンプンにきまつてるもの。 ところでこの引用といふことですが、昔からある手だつた。 たとへば『マタイによる福音書』27章、イエスの最後、 さて、第六刻から、闇が地のすべてを襲い、第九刻に及んだ。また、第九刻頃に、 イエスは大声を上げて叫び言つた、 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」 これは、「わが神よ、わが神よ、なぜ私をお見捨てになつたのか」という意味である。 十字架にかけられたイエスのこの叫びは、旧約聖書『詩篇』のダビデの歌の引用ですね。一体に先人は、危機に臨んだとき、ちやんと出典がある台詞を口にしたがつた。伝統といふ権威のせいで自分の言ふことが立派になると思つたのだらう。それは一種の儀式であつた。 もちろん、もつと普通の引用もありますよ。『平家物語』巻第十「海道下」、三位中将平重衡が一谷で生捕りにされ、梶原景時によつて関東に連行される。遠江の国池田の宿に着いて宿の長者(宿駅の女主人で遊女たちの長)の娘、侍従のところに泊る。この遊女の奉つた和歌があまりに見事なので、重衡が作者はどういふ者かと問ふと、景時答へて言ふには、御存じではありませんか。この者こそは、島の大臣殿()が遠江の国の国守でいらしたとき、お召しになり、御寵愛を賜はつた者。年老いた母がこの土地にをりますので、しきりにお暇をいただきたいとお願ひしましたのに御承知なさらなかつたので、ちようど弥生のはじめのころでしたゆえ、 いかにせむ都の春も惜しけれどなれしあづまの花やちるらむ と申上げましたところ、お聞き届け下さったといふ、東海道随一の歌の名手でございます。 じつに効果的な引用の芸ですね。言うまでもなく詠草の美によつて、今宵、貴人の枕席に侍る遊女の教養と美を示し、東国へ連れ去られる平家の公達と美女との一夜の恋の哀れ深さをほのめかしてゐる。わたしは『平家』のかういふ所が好きですね。 梶原景時は、いはば同時代のゴシップを伝へたわけですが、一般に古典から引くのが多い、ちようどイエスがしたやうに。これは当然ですね。 そして古典を引用することは学識とか教養とかを見せることになりますし、古典とまではゆかなくたつて、同時代のものでもいいけれど、周知の名文句をうまく使へば相手もおもしろがる。語り手と聞き手の共同体が一時的に成立するわけで、それゆえこれはいろんな人々によつてしきりに愛用される手です。()
2021.04.21
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当り次第」でしょうか♪<市立図書館>・西洋古典こぼればなし・パンダの丸かじり・コロナ後の世界<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【西洋古典こぼればなし】柳沼重剛著、岩波書店、1995年刊<「MARC」データベース>より文化と文明を分けて考える根拠は何か。古典期の音読の習慣はいつ、どのようにして黙読へと移行したのか…。研究の途上にふと感じた疑問や興味をきっかけに、言葉の語源や来歴を探索するエッセイ集。<読む前の大使寸評>ラテン語で書かれた「クマのプーさん」が興味深いのです。amazon西洋古典こぼればなし【パンダの丸かじり】東海林さだお著、朝日新聞出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より粗食一筋。笹一筋。無心に笹の葉をかじる姿は尊くて…抱腹絶倒の東海林ワールド、シリーズ第43弾!超長寿連載「あれも食いたいこれも食いたい」最新刊!<読む前の大使寸評>おお 東海林さんの「丸かじりシリーズ」ではないか、東海林さんのエッセイ集の評判は言わずと知れたことで、すぐ借出しカートに入れたのです。rakutenパンダの丸かじり************************************************************【コロナ後の世界】筑摩書房編集部、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>より免疫学、精神医学、社会学、哲学・現代思想、経済学、医学史、政治学、科学史など、第一線で活躍する12人の知性による、圧倒的熱量の論集!世界を襲ったCOVID―19。深刻かつ多方面にわたるその影響。危機の正体と、到来する未来を、多角的に検証。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenコロナ後の世界************************************************************図書館大好き480
2021.04.21
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<図書館予約の軌跡254>『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在69位・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、副本13予約218)現在35位・小川洋子『密やかな結晶』(10/8予約、副本4、予約59)現在3位・ショーン・タン『内なる町から来た話』(11/3予約、副本3、予約35)現在1位・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在354位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在9位・出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記:(1/06予約、副本5、予約58)現在11位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在173位・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、副本2、予約9)現在3位・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、副本7、予約197)現在75位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在81位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在590位・塩田武士『騙し絵の牙』(4/19予約、副本19、予約7)現在1位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・椎名誠『遺言未満』:図書館未収蔵・桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』・桐野夏生『日没』・『ラガナ一家のニッポン日記』・池内紀『すごいトシヨリBOOK』・オードリー・タン 自由への手紙・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・頭木弘樹『食べることと出すこと』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・柏耕一『交通誘導員ヨレヨレ日記』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:2/09以降> ・丸谷才一「笹まくら」(2/04予約、2/09受取)・剃刀の刃/サマセット・モーム選集第5巻(2/08予約、2/13受取)・平松洋子『買えない味』(3/01予約、3/05受取)・中島京子『夢見る帝国図書館』(3/09予約、3/16受取)・多和田葉子『星に仄めかされて』(1/05予約、3/18受取)・三上 修『電柱鳥類学』(3/10予約、3/21受取)・NHKスペシャル取材班『やばいデジタル』(12/23予約、3/21受取)・川上弘美『神様2011』(3/21予約、3/26受取)・川上弘美『某』(3/31予約、4/06受取)・三浦しをん『マナーはいらない』(1/9予約、4/10受取)・塩田武士『騙し絵の牙』(4/19予約、4/23受取予定)***********************************************************************【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【ワールドサイドをほっつき歩け!】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>よりEU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/19予約、副本13、予約218)>rakutenワールドサイドをほっつき歩け【内なる町から来た話】ショーン・タン著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作!<読む前の大使寸評>マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪<図書館予約:(11/3予約、副本3、予約35)>rakuten内なる町から来た話【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記】宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>rakuten出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【ウイルスの意味論】山内一也著、みすず書房、2018年刊<出版社>よりその生と死はどこか奇妙だ。分解された親から複製され、破壊されても蘇り、体を捨て情報として潜伏し、突然実体化する。常識を問う書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本1、予約0)>amazonウイルスの意味論【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenクララとお日さま【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【騙し絵の牙】塩田武士著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>より大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/19予約、副本19、予約7)>rakuten騙し絵の牙【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。図書館予約の軌跡253
2021.04.21
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図書館で『仕事にしばられない生き方』という新書を手にしたのです。日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。【仕事にしばられない生き方】ヤマザキマリ著、小学館、2018年刊<「BOOK」データベース>よりチリ紙交換のバイトに始まり、絵描き、大学教師、テレビリポーター、普通の勤め人等々、経験した職業は数知れず。働き方を考え続けてきた漫画家が体験を元に語る、仕事やお金との向きあい方。好きな仕事ならばどこまでもがんばるべきなのか。金にならない職業をいつまで続けるか、などについて考察。さらに、契約を軽視する日本の慣行についても言及。「働くこと」を考えるヒントが満載の体験的人生論!<読む前の大使寸評>日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。rakuten仕事にしばられない生き方マリさんがポルトガル生活を語っているので、見てみましょう。p234~237■経済面だけでは計れないリスボンのよさ 私達が暮らすことになったその家も、やはり高台にありました。ポルトガルの昔ながらの家というのは、角がないというか、部屋自体が丸いんです。そこがまず気に入って、バルコニーに出ると、一望のもとに町の雑踏を見下ろすことができました。 リスボンは、坂や階段の多い町ですが、そのおかげで鍛えられているのか、じいちゃん、ばあちゃんが元気で幸せそうに見えるのも、高ポイント。うちの向かいに住んでいたアメリゴというおじいさんは、引っ越したばかりでまだ水道も通っていない私達家族のために、毎日、わざわざタライで水をくんでは、黙ってドアの前に置いておいてくれました。 さすがペアソが住んでいただけあって、作家や文化人も暮らしていたその界隈も、どこか下町気質で人情味にあふれていました。ベッピーノがひと足早くシカゴに行くことになった時も、リスボンに残る私とデルスを心配して「大丈夫? 何かあったら言ってね」と、ご近所さんがしきりに声をかけてきては、何かと世話を焼いてくれたものでした。 高い買い物なんかしたことがなかった。そんなもの、たぶん売ってなかったし、売っていたとしても欲しいとも思わなかったでしょう。あれが欲しい、これが欲しいという欲望が、きれいさっぱりどこかに行っちゃったみたいな。 周りも、みんな、つましい人達ばかりだったので、自分達にお金がないということもまったく負担にならなかったし、むしろお金があるように振る舞うことの方が恥かしい。リスボンで暮らしていると「この世に生きててほんとによかったよ! 地球っていいな」と思えることがいつもあった。 風光明媚な町だということもあるけれど、そこで暮らしている人達の謙虚で誇り高いたたずまいや、地に足のついた実直な生活感が、町全体の息づかいになって、満ち満ちていたからでしょう。 そういうところで暮らしていると、ただ歩いて、空を見て、行きかう人とふと目が合っただけで、生きていくっていうのは悪くないもんだなあと思えてくるのでしょう。 明日はシカゴに発たなければならないという日に、私は、引っ越しの準備や漫画の過労やら何やらで脱水症状を起こし、ぶっ倒れて、フランシスコ=ザビエル病院に運び込まれました。漫画家というのは、いったんスイッチが入ると「あと何ページ描くまでは」と水も飲まず、トイレにも行かず、ひたすら描き続けてしまうことがあって、脱水症状を起こしたり、膀胱炎になるくらいのことは、私自身、とっくに慣れっこになっているというか、ほとんど職業病みたいなところがあります。 とはいえ、まさか出発の前日にこんなことになるなんて、私もびっくりしたし、ベッピーノからは「シカゴに来るのが、そんなに嫌だったの?」と仮病の疑いまでかけられる始末。 点滴を打ってもらって、翌日に体が回復すると「やれやれ」と気を取り直して、ベッピーノが待つシカゴに向かいました。そうして「テルマエ・ロマエ」が売れた後は、仕事の量が一気に増えたこともあって、突然ぶっ倒れたことなんかケロリと忘れたみたいに、働きに働き続けてしまった。 あれも描きたい、これも描きたいと、寝る時間も惜しんで無我夢中で描いていると、ほかのことは何もかもどうでもよくなってしまって、いっそのこと倒れるまで描き続けて、もしまたぶっ倒れたら、また点滴を打ってもらえばいいとさえ思っていたのです。『仕事にしばられない生き方』2:スティーブ・ジョブズ『仕事にしばられない生き方』1:骨太の貧乏生活()
2021.04.20
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図書館で『仕事にしばられない生き方』という新書を手にしたのです。日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。【仕事にしばられない生き方】ヤマザキマリ著、小学館、2018年刊<「BOOK」データベース>よりチリ紙交換のバイトに始まり、絵描き、大学教師、テレビリポーター、普通の勤め人等々、経験した職業は数知れず。働き方を考え続けてきた漫画家が体験を元に語る、仕事やお金との向きあい方。好きな仕事ならばどこまでもがんばるべきなのか。金にならない職業をいつまで続けるか、などについて考察。さらに、契約を軽視する日本の慣行についても言及。「働くこと」を考えるヒントが満載の体験的人生論!<読む前の大使寸評>日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。rakuten仕事にしばられない生き方マリさんがスティーブ・ジョブズを語っているので、見てみましょう。p146~149■たったひとりでも味方がいてくれたら どん底に落ちた時でも、とりあえず生きてさえいれば、うちの母なら非難したりはしないだろう、そう確信していたことも、大きかったと思います。 母には、私が妊娠したことも、デルスを産んだことも、言いませんでした。余計な心配を増やすという以前に、忙しい母をおもんばかると、とても言い出せなかった。帰国後、「実は、新しい家族が増えました」と言ったら、一瞬ぽかんとしたけど、自分も女手ひとつで娘達を育ててきた人ですから、すぐに「あらそう、よかったじゃない」。そして「〇」とも。 ありがたいことに、ヴァイオリンを教える時も、ちっちゃかったデルスをおんぶしたままやってくれたりして、子育てもうんと手伝ってくれました。責められることもなかったし、なぜそうなったのか、理由を問い質したりもしなかった。それまでのすべてと別れ、帰国した私にとって、それがどんなに心強かったか。 母は母で波瀾万丈の人生を歩いてきたんでしょうね、たぶん。でもそれは母がしゃべりたくなった時に、しゃべってくれたらいいことで、私もあえて聞かないし、聞かなくても、そういう片鱗から「生きているとお互い、いろんなことがあるよね」というのが汲み取れるわけです。(中略) そのせいでしょうか。のちに『スティーブ・ジョブズ伝』を3年かけてコミカライズした時、変人、変人と言われ続けた彼の気持ちがわかるような気がしたんです。 アップルの創業者のひとりであり、iPodやiPhoneなどエポックメイキングなツールを生み出したスティーブ・ジョブズとは、どんな男だったのか。その人物像に迫った評伝は、アメリカで刊行されると、たちまちベストセラーになりました。漫画化しないかという話があった時、実はいったん依頼をお断りしたんです。 理由は、カリスマ的な人物の輝かしいサクセスストーリーには興味がもてなかったし、何より子どもがアップルストアで散財ばかりしていたので、その商売の体制が嫌いだったから。 でもその後、息子デルスの「なんで?しっかり原作を読んだら、絶対に面白いと思うよ」のひと言に背中を押されるようにして、とりあえず原作を読んでみたら、彼の孤独、一切の妥協をしないあり方に惹きつけられたのです。 人からは傲慢な支配者だと非難され、アップル社を追われ、パートナーだったウォズニアックと袂を分かつことになっても、なぜ、自分のやり方を貫くことができたのか。 どこかに帰属しようと思うと、そこのルールに自分を合わせないといけなくなる。でもジョブズは、誰も自分のことを理解してくれなくて、組織を追い出されることになったとしても構わない、いつだって身ひとつの自分に戻るだけだと思っていたんだと思います。 そして、そんなふうに腹をくくることができたのは、ジョブズの養父母が、どんなに変人だろうと「スティーブは特別」と言い続けてくれたからだと思うんです。生まれる前から養子に出されることが決まっていて、実の親に捨てられたと思っていたジョブズにしたら、この人達さえ自分のことをわかっていてくれたらそれでいいと、100万の味方を得た思いだったに違いありません。『仕事にしばられない生き方』1:骨太の貧乏生活
2021.04.20
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図書館で『仕事にしばられない生き方』という新書を手にしたのです。日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。【仕事にしばられない生き方】ヤマザキマリ著、小学館、2018年刊<「BOOK」データベース>よりチリ紙交換のバイトに始まり、絵描き、大学教師、テレビリポーター、普通の勤め人等々、経験した職業は数知れず。働き方を考え続けてきた漫画家が体験を元に語る、仕事やお金との向きあい方。好きな仕事ならばどこまでもがんばるべきなのか。金にならない職業をいつまで続けるか、などについて考察。さらに、契約を軽視する日本の慣行についても言及。「働くこと」を考えるヒントが満載の体験的人生論!<読む前の大使寸評>日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。rakuten仕事にしばられない生き方マリさんの骨太の貧乏生活を、見てみましょう。p72~76■やりたい仕事とお金のための仕事と 若くして、家族のもとを離れ、海の向こうで暮らすことになったおかげで、自立心は、早くから鍛えられることになったと思います。お金がないことも、絵の勉強をするために来ているのだと思えば、そこまでつらいとは思いまえんでした。 とはいえ、仕送りの5万円は、家賃を払ってしまうと、いくらも残らない。 絵を描くことでは食べてはいけませんから、どうしても違う仕事をすることになって、だんだん、絵を描く時間さえとれなくなっていったことが、つらかった。 俳優やミュージシャンのっような仕事を目指している人も、そうなりがちだと思うのですが、そうなりがちだと思うのですが、やりたいことでは食べていけないからと別の仕事をするうちに、その仕事にとられる時間にとられる時間の方が長くなっていく。 そうなった時に、自分の気持ちとどう折り合いをつけるのか。 やりたいことで身を立てたいと思ってはいても、それがどうしてもうまくいかなかった時に、この先も続けていくべきか。それとも、どこかで踏ん切りをつけるべきなのか。 私の場合も、そのことが、次第に心に重くのし掛かってくるようになったのです。 結局、フィレンツェには、17歳から29歳まで10年以上、暮らすことになりました。 楽しいこともあったけど、それを思い出せないくらい、大変なことが山ほどあったので、まさかそんなに長くいることになるなんて思ってもみませんでした。 生活していくためには、自分の意にそわない仕事もやらざるをえませんでしたから、そういう時に、どうしのいでいかばいいのか。 フィレンツェ時代の自分なりの仕事とのつきあい方について、少し長くなりますが、振り返ってみたいと思います。 歴史をさかのぼれば、フィレンツェはもともと金融都市として栄えた町です。 日本でもよく名の知られたフェラガモが入っている建物だって、もともとは銀行ですから。ルネッサンスの中心地として文化や芸術が花開いたのも、銀行家、政治家として莫大な財産を築き上げたメディチ家がボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロほか、名だたる芸術家達のパトロンになったからでした。(中略)■詩人と暮らして そしてフィレンツェは、私にとってジュゼッペと暮らした街です。 同じアパートに住んでいた4歳年上の彼は、ジャン・コクトーそっくりのとても整った顔立ちをしていました。初めて会った時、マヤコフスキーという36歳で自殺した旧ソビエトの詩人の詩集を持っていて「俺も36歳で自殺して死ぬから」とよく言っていました。「ま、死なないだろうな」って、内心、思っていましたけど。 ジュゼッペは詩人であり、プロレタリアートにかぶれたバリバリの左翼でした。金持ちのお坊ちゃんが詩人を志して、左翼思想にかぶれるとどうなるか。 まったく働かなくなる。 たまに皿洗いの仕事を見つけてきたというから、やれやれと思っていると、2日ともたずにやめてしまいました。そりゃあ、そうですよ。「36歳で死ぬ」みたいな世界観の人に肉体労働が長続きするわけがない。 ほとんどひと目惚れみたいに恋に落ちたのは、彼があまりにも、私が頭の中で思い描いていた「詩人」のイメージにピッタリだったからです。そして、自分で望んで来たわけじゃなかったイタリアに滞在し続けられる理由を、あの頃の私が必要としていたからだと思います。好きな人がいれば、簡単に諦めて日本に戻ろうと思わなくなりますから。 彼と一緒に暮らし始めてからは、光熱費も食費も何もかも私持ちでしたから、ますます生活は苦しくなりました。それなのに彼は、欲しい本があると我慢できなかった。腹が立つけど、詩人に向かって「本を買うな」とは言えませんでした。演奏家という商売の人に向かって「楽器を買うな、楽譜を買うな」と言えないのと同じです。 「なんだか、うちの母と似たような人をつかんじゃったな」と思った時には、あとの祭り。うちの母なんて「」って、ジュゼッペのことをずっと毛嫌いしてましたが、どこか自分と似た匂いを感じていたに違いありません。
2021.04.20
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先日、著者の『神様2011』を読んで良かったので、さっそく『某』を借出し予約したものですが・・・図書館でこの本を受け取って帰って調べてみると、この本を借りたのは2度目であると判りました。(ちょうど1年前に借りていました)で、この紹介記事は(その5)とします。【某】川上弘美著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より名前も記憶もお金も持たない某は、丹羽ハルカ(16歳)に擬態することに決めた。変遷し続ける“誰でもない者”はついに仲間に出会うー。愛と未来をめぐる、破格の最新長編。<読む前の大使寸評>先日、著者の『神様2011』を読んで良かったので、さっそく『某』を借出し予約したものですが・・・図書館でこの本を受け取って帰って調べてみると、この本を借りたのは2度目であると判りました。(ちょうど1年前に借りていました)rakuten某最後の変身「ひかり」を、見てみましょう。p353~355<ひかり> ひかりが、人間のように、死ぬ。そのことの意味を、ぼくは考えようとする。でも、こんな短い時間に、考えられるわけがない。考えつくせるわけがない。 ほら、時間がないよ、何回も言うけど。 元アマンダが、早口で言う。子どもの声で、言う。子どもは、きらいだ。あたりちらすように、思う。それから、いそいでサングラスをはずす。 ひかり、どうして変化しないの。 ぼくがそう聞いても、ひかりは答えなかった。血はまだ完全には止まっていない。止血はしたけれど、縫う技術がぼくにはない。鈴木さんと高橋さんには連絡をした。すぐにこちらに向かうと、二人とも言っていたけれど、あんまり切迫したくちぶりではなかった。ぼくたちの仲間は、死ぬ、ということを、うまく理解できないのだ、たぶん。 ぼくは、死、ということについて、幼いころからいつも心を揺さぶられてきた。ひかりだけが、ぼくのその心を理解しようとつとめてくれたのだった。 ひかり。 ぼくはまた、呼びかける。 ひかりが目をあけた。せわしかった呼吸が、少しだけ、楽になったようだ。 みのり。 ひかりが答える。小さな声で。 あたし、もう変化できないんだ。 え。 ひかりが何を言っているのか、一瞬理解できなかった。変化できない? だって、ひかりはこれまで、何回も変化してきたのではなかったのだろうか。 そういえば、と、思いつく。仲間が変化するところを、ぼくは一度でも実際に見たことがあったろうか。鈴木さんも、高橋さんも、ずっと変化していなかったし、ひかりは自分が変化するところをぼくには見せなかった。 ねえ、仲間たちは、ほんとうに、変化ってものをおこなってるの? それは、実はつくりばなしかなにかだったりして? このままひかりがあっけなく死んでしまうのではないかと怖れながら、聞く。 ううん、変化、ちゃんと、するよ。 でも、ひかりは今、できないって。 うん、あたしはこの十何年か、1回も変化できていないの。 (中略) 成長すると、変化できなくなっちゃうわけ? わからない。サンプルが少なすぎて。あたしの場合だけだもの。一般化は、無理。 そこまで話すと、ひかりがまたぐっすりと目を閉じてしまった。 ひかり、ひかり。呼びかける。必死に。 ひかりはどんどん青ざめてゆく。透きとおってゆく。呼吸がまた浅くなる。ひかり。ひかり。しっかりして、ひかり。ネタバラシになるのだが、結局、ひかりは亡くなってしまいます。だけど、某の後継者が現れてくるわけで・・・この小説のテーマは「バトンタッチ」あたりになるのでしょうか。『某』4:ラモーナp145~148『某』3:マリ(源氏名はレミ)p101~103 『某』2:山中文夫時代p93~95『某』1:冒頭の語り口p5~7()
2021.04.19
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図書館で『オール讀物(2020年11月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙にもある“祝・東海林さだお「男の分別学」40周年”というコピーに太子のツボが疼くわけでおます。【オール讀物(2020年11月号)】雑誌、文芸春秋、2020年刊<商品説明>より祝・東海林さだお「男の分別学」40周年◆記念対談東海林さだお×田原総一朗「好奇心と性が僕らの原動力」◆偏愛エッセイ 我が人生最高の「分別学」荻原浩/酒井順子/平松洋子/新井見枝香/柄本佑<読む前の大使寸評>表紙にもある“祝・東海林さだお「男の分別学」40周年”というコピーに太子のツボが疼くわけでおます。rakutenオール讀物(2020年11月号)東海林さんの「分別」について平松洋子さんが賛辞を述べているので、見てみましょう。p97~98 <「不本意」とのタタカイ:平松洋子> 「分別」。やっかいな言葉です。カタい二文字が成熟とやせ我慢のせめぎ合いを迫ってくる。でも、たまには「人間ができている」なんて言われてみたくて、なけなしの「分別」を発動して世間と向き合うわけです。これ、けっこうつらい。 ところが、の三重苦を、あろうことか40年背負ってきたのが東海林さんである。肩のひとつでも揉んであげたくなるのだが、いや、ちょっと待った。 東海林さんにとって、「分別」とのタタカイは最高のゴチソウ、最高のサプリメントである。おろおろしながら内心うきうき、わくわく、どきどき、両手に一本ずつ箸を握って、チャンチャカ茶碗を鳴らす姿がまぶたに浮かぶ。 しかも、微妙な状況であればあるほど、東海林さんの筆は冴える。名編は枚挙にいとまがないけれど、たとえば「旅館の朝食について」(『ショージ君の旅行鞄』所収)をみてみよう。 日頃から「朝食抜きの思想」をよりどころとするショージ君は、旅先の旅館で朝っぱらから悶絶する。午前8時半、部屋のみんなが朝食会場の広間に出払うと落ち着かなくなり、「ま、梅干しにお茶だけでも」。「朝食抜きの思想」の威厳を保ったまま席につくと、とたんに自分の前に並んでいる料理が陣地に見え、数秒前まで思いもかけなっかった執着心がむくむくと湧き上がる。 「ここからここまではオレの料理だかんな」 いつのまにか、「分別」とは遠い場所に運ばれている。ここからはもう怒涛の展開。味噌汁のなまぬるさに舌打ちしつつアジの干物を攻め、かまぼこ、わさび漬け、生卵、海苔、納豆…段取りを気にしいしい、朝っぱらから肩で息をしつつ挑むせせこましい自分がいる。 くつろいでいるはずなのに、こころのなかでは修羅場、ときどき自己崩壊。その不本意なタタカイに七転八倒するさまを、眠狂四郎ばりの円月殺法によって笑いをまぶしながら斬り、世にさらす東海林さんである。茶碗を叩いていた箸を、気がつけば刀に持ち替えている。オソロシか~。 5年前、肝細胞がんが発見されて人生初の長期入院生活を経験した東海林さんは、こんなシ言を書き記している。 「不本意は人生の一大テーマである。人生は不本意の連続である」(『ガン入院オロオロ日記』) 思えば、東海林さんは40年をつうじて「分別という不本意」の沼を、えんえん探求し続けてきたのだった。 のほほんとした旅先の朝食。 ガケっぷちの闘病生活。 逆方向のふたつは、じつは同一線上にあると教えてくれる人物は、東海林さん意外にはいない。ガケっぷちの『ガン入院オロオロ日記』を紹介します。【ガン入院オロオロ日記】東海林さだお著、文藝春秋、2017年刊<「BOOK」データベース>より病院食、ヨレヨレパジャマ…見るもの聞くもの、すべてが目新しい。おや、なんだか面白くなってきたぞ。堂々四十日!【目次】初体験入院日記/官能で「もう一度ニッポン」/大冒険水陸両用バス/粉もん大好き/〆切り5分前/ミリメシはおいしい/流行語大研究/初詣はおねだりである/「肉フェスティバル」は肉爛漫/そうだ、蕎麦食いに行こう/分類学入門/ガングロを揚げる<読む前の大使寸評>胃を全摘出した者としては、この本には切実な関心が湧くのでおます。rakutenガン入院オロオロ日記『ガン入院オロオロ日記』5:座談会「雑誌って面白い!」p169~172『ガン入院オロオロ日記』4:明るい老人哲学p107~110『ガン入院オロオロ日記』3:廊下ガラガラp28~32()
2021.04.19
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、穀雨のあたりを見てみましょう。和暦p12<穀雨>種蒔きの時期と穀物を育てる恵みの雨の節気 現行の暦では4月20日ころから立夏の前日までの期間が「穀雨」である。「春」の最後の節であり、「夏」が近づいていることが日々体感できる季節である。『暦便覧』には、「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されているが、「穀雨」のころの雨は、全ての穀物の生長を助ける雨であり、これが名前の由来ともなっている。 穀雨のころは、農業では種蒔きの時期にあたるが、節気の名前からわかる通り、植物の成長に欠かせない柔らかく優しい雨に恵まれる時期ともなっている。自然の摂理のすばらしさを感じると同時に、植物も動物も、そして人間も大いなる自然に「生かされている」とも言えそうである。 また、この時期の雨は「百穀春雨」とも呼ばれているが、百穀の植物を潤おし、芽を出させる穀雨は、天からの恵みの水でもあったのである。 穀雨を過ぎると、暦の上では夏に入るが、立夏直前に「八十八夜」を迎えることになる。 八十八夜は「お茶の葉の摘む時」。清明節前に摘んだ茶葉は「明前茶」、清明から穀雨までの茶葉は「雨前茶」、穀雨以後の茶葉は「雨後茶」と呼ばれ、それぞれが繊細な特徴を持つ茶葉であると言われている。穀雨の時期の七十二候は、次のようになっている。 初候「葦始生(あしはじめてしょうず)」葦が芽を吹き始める。 次候「霜止出苗(しもやみてなえいず)」霜が終り稲の苗が生長する。 末候「牡丹華(ぼたんはなさく)」牡丹の花が咲く。二十四節季の清明に注目
2021.04.19
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図書館で『トキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)』という雑誌を、手にしたのです。おお トキワ荘と日本マンガってか・・・興味深い特集やでぇ♪【トキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)】雑誌、新潮社、2020年刊<出版社>より 手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫……。日本マンガ界のスターたちが若かりし頃を過ごした伝説のアパートがある。4畳半の部屋が並ぶその「トキワ荘」に彼らが住んでいたのは10年ほどに過ぎないが、残された驚愕のエピソードは数多い。 藤子F、藤子A、石ノ森、赤塚が行方不明になった手塚の連載を代筆したり、赤塚がギャグマンガでブレイクするきっかけとなったピンチヒッター事件があったり――。そんなトキワ荘の青春を、ルポマンガで人気の吉本浩二による描きおろし絵物語でご紹介。 紅一点の水野英子をはじめ、住人だったマンガ家たちのインタビューからも熱気が伝わってくる。さらに、当時発表された貴重作品から39頁分を一挙再録。そして7月に開館した「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」を徹底取材。内装はもちろん、壁の汚れや階段のきしむ音、時代を物語る家具や雑貨など、綿密な調査によるリアルな再現の舞台裏にも迫る。<読む前の大使寸評>おお トキワ荘と日本マンガってか・・・興味深い特集やでぇ♪shinchoshaトキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)p14~21<トキワ荘と日本マンガの夜明け> 手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫…。 彼らが住んでいた伝説のアパートが「トキワ荘」です。 手塚の登場はいわば日本マンガの“ビッグバン”。 衝撃を受けた少年たちはマンガを描き始め、 そんな中から頭角を現してきた若きマンガ家たちが、 ひと部屋4畳半の小さなアパートに集い、 マンガの“宇宙”はぐんぐん膨張していったのです。 マンガに一途な思いを捧げた若者たちの熱きドラマをたどり、 黎明期の日本マンガ表現の“革新”に迫る特集をお届けします。■「トキワ荘」とは? トキワ荘は、2階建ての木造アパートだった。当時の最寄り駅は、西武池袋線で池袋駅からひとつめの「椎名町」。昭和27年(1952)12月に棟上げされた。 ひと部屋は4畳半で、1階と2階それぞれに10部屋ずつあった。風呂はなく、炊事場とトイレは協同。このアパートの2階に、マンガ家たちが続々と入居してくるのだ。<トキワ荘の青春> ■「ジャングル大帝」最終回、藤子A感涙のアシスタント 『新宝島』『ロストワールド』『メトロポリス』・・・。 戦後まもなく刊行された手塚治虫のマンガ単行本は、日本の少年たちに大きな衝撃をあたえた。映画的な動きやスピード感、SF設定などによる長大なストーリー等々、「のらくろ」や「冒険ダン吉」といった従来のマンガとは、まったく違っていたのだ。 そんな手塚マンガがいよいよ雑誌連載へと進出し、大人気となった記念碑的作品が「漫画少年」誌の「手塚治虫」だった。この連載中に、手塚は兵庫県の宝塚から東京へと居を移し、昭和28年(1953)にはトキワ荘に入居する。 その頃、藤子・F・不二雄と藤子不二雄Aは、富山県高岡市で二人三脚でマンガを描いていた。もちろん彼らも手塚治虫に心酔し、その背中を追っていたのだ。 昭和29年2月、藤子Aは、東京を訪れていた。勤めていた地元の新聞社を辞めて、いよいよマンガ一本で勝負すべく、上京の準備を進めていたのだ。下宿予定の親戚の家に挨拶に行き、出版社をまわり、最後にトキワ荘の手塚を訪ねた。しかし、手塚は超多忙。「これからカンヅメにされるから」と、向かいの部屋の寺田ヒロオを紹介してくれた。 寺田は「漫画少年」の投稿者の中では最高峰にランクされる存在だった。藤子Aは、寺田とは初対面ながら、すぐに意気投合した。そして1週間ほども、寺田の4畳半の部屋で寝泊りさせてもらうことになった。 すると、寺田から声がかかった。「ピンチなので、手伝ってほしい」。描いていたのは、なんと「ジャングル大帝」の最終回! レオと探検隊が、吹雪の中でバタバタと倒れていく…。感動的なシーンだ。 手塚は、仕事中は必ずといっていいほど、音楽をかける。この時は、チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』だった。 壮大なメロディーが部屋中に響きわたる中、藤子Aは、こぼれ落ちる涙をこらえることができなかった。
2021.04.18
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ネットに「なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのか」という刺激的な記事が出ていたので、見てみましょう。日本の生産性の低さもさることながら・・・厚生労働省の怠慢もひどいようです。2021/04/10なぜ、日本は韓国よりも貧しくなったのかより 日本の生産性が先進国の中で低いということは知られるようになった。生産性が低いということは実質所得が低いということであり、貧しいことである。 世界で広く使われている豊かさの指標は一人当たり実質購買力平価GDPである。日本は、この豊かさの指標で、韓国よりも貧しくなった。 まず事実を確認し、なぜそうなってしまったのかを考える。日本が遅れた理由として、多くの人が主張する、「日本はキャッチアップを終えて先進国になったのだから、もはやキャッチアップ型の成長はできない。これからの成長を支えるのは独自性と独創性だ」という言説にあると考える。しょうもない独自性と独創性にこだわるうちに、日本は豊かさにおいて、アメリカにキャッチアップするどころか、キャッチダウンし、シンガポール、香港、台湾、韓国に次々と抜かれることとなった。実質購買力平価GDP■コロナ禍でも見える日本の遅れ 産業だけでなく、政府の機能においても、遅れている。コロナショックの中で、日本の政府も世界の水準に追いついていないことが多々あると分かった。 世界中の先進国が、国民の所得を把握し、コロナショックで経済的に傷ついた人々に素早く給付金を配布することができたが、日本はそれができなかった。 世界は感染者をスマホの位置情報などで把握しているのに、日本は電話で感染経路を洗い出そうとしていた。結局、人手不足とプライバシーの壁に阻まれ、それもできなくなっている。 日本は世界一の医療供給体制を維持していると言われていたが、欧米の10分の1の感染者で医療崩壊の危機を招いている。 ワクチンを作れず、その接種体制でも世界に遅れている。せっかく購入したワクチンを、世界では1瓶で6回接種できるのに日本では5回しか接種できない。日本の報道機関は、厚生労働種の説明に従って、6回接種できる「特殊な注射器」と伝えているが、日本の5回が特殊で、6回接種できる注射器が世界標準なのだ。貴重な薬剤を無駄にしない方が良いに決まっている。日本は世界標準に遅れている。遅れていることを認めない厚労省の言語操作に追随してしまっている。 日本は遅れていることを素直に認めなければならない。豊かに楽しくするためには、世界を豊かに楽しくしているものを学び真似て貪欲に取り入れ、新しい試みをする人の邪魔をしないことだ。その後で、日本の独自性と独創性を考えても遅くはない。厚生労働省の怠慢と言えば・・・COCOAアプリの不具合もひどかったようです。政府はデジタル庁を新設するようだが、同じ陣容(官僚組織)ならあまり期待できないのかも?COCOA不具合、業者任せだった厚労省担当者…アプリ知識不足が原因と総括厚生労働省の怠慢と言えば・・・コロナの重症患者対応の病院の看護士の給料が下がっているそうです。これには厚生労働省の怠慢が絡んでいないはずはないと思うのだが。
2021.04.18
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三宮駅近くの古書店で、『THE FANTASTIC KINGDOM』という洋書を格安(Ballantine Books、500円)でゲットしたのです。何をもって格安というか?…古書業者は稀少性をもって値をつけるが、一方、私は希少性など関係なく、その本が納得できる安さであれば…それすなわち格安なんですね♪ということで、格安でゲットした本を並べてみます。・持ってけ泥棒価格の絵本・THE FANTASTIC KINGDOM・清水義範ができるまで・ミヒャエル・エンデ『モモ』・映画でボクが勉強したこと・THE BONNIE & CLYDE BOOK・ガロ(1982年2、3月号)・ガロ(1993年8月号)・アサヒグラフ(1983年)R5:『持ってけ泥棒価格の絵本』を追加<持ってけ泥棒価格の絵本>三宮の古書店の店頭で『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』という絵本を、手にしたのです。おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourousおお 1910年代のアーサー・ラッカムの挿絵が満載ではないか・・・これぞ格安というものですよ♪【THE FANTASTIC KINGDOM】Dabid Larkin編、Ballantine Books、1978年刊、2020.2.24購入<Most helpful customer reviews>よりI’ve owned this book since it was first published and it makes a marvelous gift for a younger generation who have never seen these classics. A real appreciation for the master illustrators of children’s literature. It should be reprinted!<大使寸評>おお 1910年代のアーサー・ラッカムの挿絵が満載ではないか・・・これぞ格安というものですよ♪amazonTHE FANTASTIC KINGDOM『THE FANTASTIC KINGDOM』2:ディズニーからの勧誘『THE FANTASTIC KINGDOM』1:アーサー・ラッカム大学の文化祭のバザーで50円でゲットしたけど、掘り出し物というんでしょうね♪【清水義範ができるまで】清水義範著、大和書房、2001年刊<「BOOK」データベース>より稀代のパスティーシュ作家はいかにして生まれたか。好きなコトバのあれこれから、創作の秘密、ヘンテコな本の話まで人気作家のすべてがわかるはじめての自伝的エッセイ集。<大使寸評>稀代のパスティーシュ作家でも、自分の特性を見つけるのに数十年間、悩んだようですね…小説家を目指す大使の行く末に暗雲が湧き上がるようでおま。shogakukan清水義範ができるまで『清水義範ができるまで』1駅前の定期的フリーマーケットで100円でゲットしたけど、掘り出し物というんでしょうね♪【モモ】ミヒャエル・エンデ著、岩波書店、2005年刊<「BOOK」データベース>より町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上。<読む前の大使寸評>駅前の定期的フリーマーケットで100円でゲットしたけど、掘り出し物というんでしょうね♪rakutenモモ<『映画でボクが勉強したこと』3>三宮の古書店で『映画でボクが勉強したこと』という本を、手にしたのです。1993年発刊時の定価が1300円で、この店の売値が500円なら格安ではないか…ということで買い求めたのです。帰って、楽天の古書を調べたら285円となっていたが…これも想定内です。ところで、この本の挿絵を南伸坊が描いているのだが・・・素晴らしい出来でおます♪【映画でボクが勉強したこと】清水義範著、毎日新聞社、1993年刊<「BOOK」データベース>より感動を教わり、愛を教わり、ユーモアを教わり、こんな風に生きたいものだと、人生までも教わった。名作も面白い、駄作もおもしろい、珍品ももちろんオモシロイ。映画への愛と感謝と、清水義範という人ならではの発見に満ちた、オールタイム・映画エッセー。<大使寸評>1993年発刊時の定価が1300円で、この店の売値が500円なら格安ではないか…ということで買い求めたのです。帰って、楽天の古書を調べたら285円となっていたが…これも想定内です。ところで、この本の挿絵を南伸坊が描いているのだが・・・素晴らしい出来でおます♪amazon映画でボクが勉強したこと大使は一時期、シャーリー・マクレーンに入れあげていたのだが、清水さんも大ファンだったようです。『THE BONNIE & CLYDE BOOK』「さんちか古書大即売会」なるものが、さんちかホールで8月8日まで開かれているが…本日『THE BONNIE & CLYDE BOOK』という洋書を格安(口笛文庫、500円)でゲットしたのです。ぱらぱらとめくってみると、意外に写真の多い本である。写真満載のシナリオ本となっているが、映画を再現するにはこの作りが最善でんがな♪【THE BONNIE & CLYDE BOOK】Wake, Sandra著、Simon & Schuster、1972年刊<Note>よりIncludes a screenplay of Bonnie and Clyde based on the original screenplay by David Newman and Robert Benton.<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、意外に写真の多い本である。写真満載のシナリオ本となっているが、映画を再現するにはこの作りが最善でんがな♪hathitrustTHE BONNIE & CLYDE BOOK************************************************************【ガロ(1982年2、3月号)】雑誌、青林堂、1982年刊<商品情報>より(管理人編)目録<読む前の大使寸評>めくってみると、杉浦日向子「袖もぎ様」と荒木経惟「能理子純愛路線」が目についたのです。それに、ちょっと黄ばんでいるが、値段が300円とチョーお徳である。poyotaガロ(1982年2、3月号)「袖もぎ様」************************************************************三宮センター街の古書店で『ガロ(1993年8月号)』を格安でゲットしたのです♪【ガロ(1993年8月号)】雑誌、青林堂、1993年刊<商品情報>より特集 「つげ義春」する!-映画『ゲンセンカン主人』公開記念:つげ義春インタビュー、赤瀬川原平・上野昂志・黒川創・川崎ゆきお・とうじ魔とうじ・高野慎三・ユズキカズ・安彦麻理絵・三橋乙揶・杉作J太郎/ガロ名作劇場17 勝又進「狸」/「パースペクティブキッド」刊行記念 ひさうちみちおインタビュー イタガキノブオ/松井雪子/鳩山郁子/安部慎一/三本義治/友沢ミミヨ/唐沢商会/QBB/土橋とし子/沼田元氣/みぎわパン/ねこぢる/松沢呉一/高杉弾/中ザワヒデキ/四方田犬彦 etc.<読む前の大使寸評>特集:「つげ義春」する!と銘打った本号が、売価で500円(定価550円)という優れモンでおました♪anamonガロ(1993年8月号)************************************************************『アサヒグラフ(1983年)』暇な大使が三宮駅近辺をブラついていたら、兵庫県古書組合主催の古本市に遭遇したのです。・・・で、手元不如意の大使がゲットしたのがこの2点です。双方とも300円なりのお手ごろ価格でおました♪2015-08-01古本市にてより1983年のアサヒグラフの決め手は、なんといっても杉浦日向子のカラー漫画でおま。だいたい、古本の値段なんて希少価値が第一であって、本の内容とか文化なんて二の次なんである。買う大使のほうも、希少価値なんてどうでもいいわけで、本の内容さえ良ければいいわけで・・・これって双方にとって、案外とWin-Winの関係ではないだろうか♪
2021.04.18
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<持ってけ泥棒価格の絵本>三宮の古書店の店頭で『Bernard et Bianca au Pays des kangourous』という絵本を、手にしたのです。おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。【Bernard et Bianca au pays des kangourous】Les classiques Disney編、France loisirs社、1999年刊<商品の説明>よりAmmareal est une librairie professionnelle specialisee dans le livre d?occasion. Nous expedions partout dans le monde. Nous avons plus de 250 000 ouvrages en stock dont un grand nombre de livres techniques et academiques. Nous reversons jusqu?a 15% du prix de vente de chaque livre a des organisations caritatives, des bibliotheques et des associations luttant contre l?illettrisme. Ce que nous ne vendons pas nous le donnons, ce que nous ne donnons pas nous le recyclons.<読む前の大使寸評>おお フランス語版のディズニー絵本が200円で売られているが・・・持ってけ泥棒価格が嬉しいのです。abebooksBernard et Bianca au Pays des kangourous大蛇が出てくるあたりを、見てみましょう。p48~49 Ils se posent au bord d'une riviere alors qu'un enorme serpent surgit de l'eau.≪Attention!≫ avertit Jake en bondissant sur le monstre. Et d'un geste habile, il le baillonne.≪Ecoute, Tortillon, ordonne-t-il, tu vas nous conduire a destination. Pas de caprices! Compris?≫Docilement, le serpent glisse au fil de l'eau, charge de ses trois passagers.
2021.04.17
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「処世訓」でしょうか♪<市立図書館>・人間的なアルファベット・仕事にしばられない生き方・トキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)・「男の分別学」(オール読物2020年11月号)<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【人間的なアルファベット】丸谷才一著、講談社、2010年刊<「BOOK」データベース>よりエロスとユーモア溢れる丸谷版“A to Z”。ACTRESSからZIPPERまで―色っぽくって面白い!知的雑学満載の、軽妙洒脱な“よみもの辞書”。<読む前の大使寸評>丸谷さんの雑学満載の“よみもの辞書”がいいではないか♪amazon人間的なアルファベット************************************************************【仕事にしばられない生き方】ヤマザキマリ著、小学館、2018年刊<「BOOK」データベース>よりチリ紙交換のバイトに始まり、絵描き、大学教師、テレビリポーター、普通の勤め人等々、経験した職業は数知れず。働き方を考え続けてきた漫画家が体験を元に語る、仕事やお金との向きあい方。好きな仕事ならばどこまでもがんばるべきなのか。金にならない職業をいつまで続けるか、などについて考察。さらに、契約を軽視する日本の慣行についても言及。「働くこと」を考えるヒントが満載の体験的人生論!<読む前の大使寸評>日々「仕事にしばられない生き方」で暮らしている大使にとって必要性は薄いが、ヤマザキマリが説く骨太な生き方には惹かれるのでおます。rakuten仕事にしばられない生き方【トキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)】雑誌、新潮社、2020年刊<出版社>より 手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫……。日本マンガ界のスターたちが若かりし頃を過ごした伝説のアパートがある。4畳半の部屋が並ぶその「トキワ荘」に彼らが住んでいたのは10年ほどに過ぎないが、残された驚愕のエピソードは数多い。 藤子F、藤子A、石ノ森、赤塚が行方不明になった手塚の連載を代筆したり、赤塚がギャグマンガでブレイクするきっかけとなったピンチヒッター事件があったり――。そんなトキワ荘の青春を、ルポマンガで人気の吉本浩二による描きおろし絵物語でご紹介。 紅一点の水野英子をはじめ、住人だったマンガ家たちのインタビューからも熱気が伝わってくる。さらに、当時発表された貴重作品から39頁分を一挙再録。そして7月に開館した「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」を徹底取材。内装はもちろん、壁の汚れや階段のきしむ音、時代を物語る家具や雑貨など、綿密な調査によるリアルな再現の舞台裏にも迫る。<読む前の大使寸評>おお トキワ荘と日本マンガってか・・・興味深い特集やでぇ♪shinchoshaトキワ荘と日本マンガの夜明け(芸術新潮2020年11月号)【オール讀物(2020年11月号)】雑誌、文芸春秋、2020年刊<商品説明>より祝・東海林さだお「男の分別学」40周年◆記念対談東海林さだお×田原総一朗「好奇心と性が僕らの原動力」◆偏愛エッセイ 我が人生最高の「分別学」荻原浩/酒井順子/平松洋子/新井見枝香/柄本佑<読む前の大使寸評>表紙にもある“祝・東海林さだお「男の分別学」40周年”というコピーに太子のツボが疼くわけでおます。rakutenオール讀物(2020年11月号)************************************************************図書館大好き479
2021.04.17
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在95位・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、副本13予約218)現在46位・小川洋子『密やかな結晶』(10/8予約、副本4、予約59)現在6位・ショーン・タン『内なる町から来た話』(11/3予約、副本3、予約35)現在4位・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在375位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在11位・出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記:(1/06予約、副本5、予約58)現在21位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在188位・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、副本2、予約9)現在5位・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、副本7、予約197)現在89位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在87位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・椎名誠『遺言未満』:図書館未収蔵・桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』・桐野夏生『日没』・『ラガナ一家のニッポン日記』・池内紀『すごいトシヨリBOOK』・オードリー・タン 自由への手紙・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・頭木弘樹『食べることと出すこと』:図書館未収蔵・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・柏耕一『交通誘導員ヨレヨレ日記』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:2/09以降> ・丸谷才一「笹まくら」(2/04予約、2/09受取)・剃刀の刃/サマセット・モーム選集第5巻(2/08予約、2/13受取)・平松洋子『買えない味』(3/01予約、3/05受取)・中島京子『夢見る帝国図書館』(3/09予約、3/16受取)・多和田葉子『星に仄めかされて』(1/05予約、3/18受取)・三上 修『電柱鳥類学』(3/10予約、3/21受取)・NHKスペシャル取材班『やばいデジタル』(12/23予約、3/21受取)・川上弘美『神様2011』(3/21予約、3/26受取)・川上弘美『某』(3/31予約、4/06受取)・三浦しをん『マナーはいらない』(1/9予約、4/10受取)***********************************************************************【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【ワールドサイドをほっつき歩け!】ブレイディみかこ著、筑摩書房、2020年刊<「BOOK」データベース>よりEU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/19予約、副本13、予約218)>rakutenワールドサイドをほっつき歩け【内なる町から来た話】ショーン・タン著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より“人間を訴えたクマ”“カエルを救う秘書”“空の魚を釣り上げた兄弟”25話のセンス・オブ・ワンダー!世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞2020年受賞作!<読む前の大使寸評>マルチタレントのショーン・タンは元々、絵本作家であり・・・大使はそのイラストが大好きでおます♪<図書館予約:(11/3予約、副本3、予約35)>rakuten内なる町から来た話【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記】宮崎伸治著、フォレスト出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。-なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本5、予約58)>rakuten出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【ウイルスの意味論】山内一也著、みすず書房、2018年刊<出版社>よりその生と死はどこか奇妙だ。分解された親から複製され、破壊されても蘇り、体を捨て情報として潜伏し、突然実体化する。常識を問う書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本1、予約0)>amazonウイルスの意味論【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenクララとお日さま【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。図書館予約の軌跡252
2021.04.17
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。・中国はこれからどうなるのか?・アメリカ大統領選を総括する・アメリカの新しい論調から「ベーシックインカムについて」・韓流ドラマとコミュニケーション・プラットフォーム・文化日報への寄稿「パンデミックとその後の世界」・反知性主義者たちの肖像・『沈黙する知性』韓国語版序文・書評・食いつめものブルース 山田泰司・書評・白井聡「武器としての「資本論」・『街場の親子論』のためのまえがき・パンデミックをめぐるインタビュー・ホ・ヨンソン『海女たち』書評・2020年度寺子屋ゼミ受講要項・『山本太郎から見える日本』から・『人口減社会の未来学』から・「サル化する世界」についてのインタビュー・映画『Workers被災地に起つ』神戸・元町映画館でのアフタートーク・週刊金曜日インタビュー・桜を見る会再論・『Give democracy a chance』2・『Give democracy a chance』1・沈黙する知性・China Scare・[週刊ポスト」問題について・『低移民率を誇る「トランピアンの極楽」日本の瀕死』・『ネット右翼とは何か』書評・『最終講義』韓国語版あとがき・『「そのうちなんとかなるだろう」あとがき』・『参院選にあたって』・『廃仏毀釈について』・『論理は跳躍する』・『「おじさん」的思考』韓国語版序文・『市民講座』韓国語版のための序文・空虚感を抱えたイエスマン・大阪万博という幻想・外国語学習について・大学院の変容・貧乏シフト・『知日』明治維新特集のアンケートへの回答・カジノについて・中国の若者たちよ、マルクスを読もう・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき・直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」・人口減社会に向けて・時間意識と知性・Madness of the King・吉本隆明1967・大学教育は生き延びられるのか?・こちらは「サンデー毎日」没原稿・奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切り・米朝戦争のあと(2件)・気まずい共存について********************************************************************内田先生かく語りき8目次(目次全文はここ)(その33):『日本のイデオクラシー』を追記2021/04/03日本のイデオクラシーより ローマ時代の法諺に「事実の無知は弁疏となるが、法の無知は弁疏とならず」というものがある。ある事実を知らなかったというのは罪を逃れる言い訳になるが、その行為を罰する法律があることを知らずにその行為をなしたものは罪を逃れることができないという意味である。 国会での大臣や役人たちの答弁を聴いていると、彼らがこの法諺を熟知していることわかる。国民に疑念を抱かせるような行為について「あった」と言えば責任を取らなければならない。「なかった」と言えば、後から「あった」という事実が判明すると虚偽答弁になる。そこで、窮余の一策として彼らが採択したのが「国民に疑念を抱かせるような行為があったかなかったかについての記憶がない」という「事実の無知」による弁疏であった。事実の無知については、これを処罰することができないから、これは遁辞としては有効である。 けれども、政治家や官僚がかかる弁疏を繰り返した場合には「重大な事実について頻繁に記憶が欠如するような人間が果たして国政の要路にあってよろしいのか」という懸念が生じることは避けがたい。 その懸念をどうやって解消するか? この懸念を退けるロジックは一つしかない。それは「知的に不調であることは政治家や官僚の職務遂行上の欠格条件ではない」というルールを政府が公認することである。 いや、改めて公認するまでもなく、わが国はだいぶ前からこの新ルールを採用していた。記憶がしばしば欠損する、論理的にものが考えられない、事前に告知された質問にしか回答できない、不都合な質問についてはつねに回答を差し控える・・・といった知的無能は今では公人である上での特段の支障とは見なされていない。それどころか、おのれの立場を危うくしかねない質問には一切回答しないで正面突破するというふるまいそのものが「権力」及び「権力に対する忠誠心」の記号として高く評価されさえする。 知的無能が指導者の資質として肯定的に評価されるような統治システムのことを「イディオクラシー」と呼ぶ。「愚者支配」である。デモクラシーが過激化したときに出現する変異種である。(中略) 今の日本はもうデモクラシーとは呼べない状態になっているのではないか。統治者の無能と無知のレベルが限界を超えて、統治者自身、もはや民衆の利害が何であるかがわからなくなっているからである。しかたがないので、とりあえず自分と縁故者の利害だけを専一的に図るだけで日々を過ごすようになった。「イディオクラシー」とはそのことである。2021/04/03後手に回る政治より 私たちは子どもの頃から「後手に回る」訓練をずっとされ続けている。「教師の出した問いに正解する」という学校教育の基本スキームそのものが実は「後手に回る」ことを制度的に子どもたちに強いているものだからである。教師の出す問いに正解すれば報酬があり、誤答すると処罰されるという形式で状況に処することに慣れ切った子どもたちは、そのようにして「構造的に後手に回る人間」への自己形成する。 それは会社に入った後も変わらない。仕事というのは、すべて上司から「課題」や「タスク」を出された後に、それに適切な「回答」をなすという形式でなされ、上司によってその成否を査定されるものだと信じているサラリーマンたちは全員が「後手に回る」人である。 なぜ日本社会ではこれほど念入りに「後手に回る」訓練を国民に強いるのか? 難しい話ではない。権力者に頤使されることに心理的抵抗を感じない人材を育成するためである。「問いと答え」というスキームにすっぽり収まって生きていると、「問いを出す上位者」と「答えを求められる下位者」の間で非対称的な権力関係が日々再生産されているということに気づかない。でも、そうなのである。 記者会見で、記者からの質問に答えず、自分の方から(記者が絶対に答えを知らないようなトリヴィアルな)質問を向けて、記者を追い詰めることを得意としている政治家がいた(いまもいる)。彼らは直感的に「質問をする者が先手を取り、正解を考える立場に追いやられた者が後手に回る」ということ、そして、いったん後手に回ったものには勝ち目がないことを知っているのである。 たしかに相手をやり込めるにはうまいやり方だが、そんな姑息な技術に熟達しても一国のリーダーにはなれない。リーダーに求められているのは記者や野党議員を相手にマウントをとってみせることではない。状況の「先手を取る」ことである。 適切な感染症対策をてきぱきと講じて、感染拡大を未然に防ぎ、権力者に阿諛追従する官僚ではなく、諫言することをいとわない有能な官僚を重用していれば、「こんなこと」は起きていなかった。「起きなくてもいい問題」は起こさない。それが統治者において「先手を取る」ということである。そのことに気づかない限り、首相は最後まで「後手に回り」続ける他ないだろう。(以降、全文は内田先生かく語りき(その32)による)
2021.04.16
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図書館で『文壇アイドル論』という本を手にしたのです。中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪【文壇アイドル論】斎藤美奈子著、岩波書店、2002年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだったー書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。<読む前の大使寸評>中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪rakuten文壇アイドル論俵万智の言語感覚を、見てみましょう。p32~36<歌って踊れるJポエム> 1987年がどんな年だったか、あなたは覚えているでしょうか。 この年、日本の貿易黒字は過去最高を記録しました。「地上げ屋」が流行語になったのも、火災保険会社がゴッホの「ひまわり」を53億円で落札したのもこの年です。そう、87年とは、すなわち「バブル元年」だったのです。 日本中が好景気に浮かれまくっていたそんな年の5月、「」というゴージャスなキャッチフレーズをひっさげて、俵万智の第一歌集『サラダ記念日』は発売されました。 愛人でいいのとうたう歌手がいて言ってくれるじゃないのと思う 「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 「言ってくれる」 「言ってしまって」 「言ったから」。書き写しながら、ああ、どれも軽い媚を含んだ「言って」の歌だったのかと認識した次第ですが、ともあれ右の三首によって「サラダ現象」と呼ばれるほどのブームが起こり、高校の一国語教師だった25歳の女性は、一夜にして「国民的なアイドル」になってしまったのでした。 『サラダ記念日』の売れ方は、歌集としてはもちろん、書籍界全体に照らしても異常というほかありません。5月の発売の3ヵ月後に100万部突破、その年のうちに200万部突破。89年発行の文庫まで含めると、ざっと300万部。歌集としては空前絶後の数字です。 何によらず一冊の本が100万部を超えるためには、ふだんはあまり本を読まない層をも引き込むパワーがいります。というか、ふだんはあまり本を読まない層にアピールした本だけが、ミリオンセラーの資格を得るのです。 それは『ノルウェイの森』とて同じことですが、『サラダ記念日』は小説ではなく歌集です。いいかたを変えれば「短文集」です。ここに何か、80~90年代の文学の潮流、あるいは文化の傾向を解く鍵がひそんでいるかもしれません。■俵万智は中高年男性のアイドルだった まず『サラダ記念日』に対する反応から。彼女の歌が受けたのは、同年代の女性の共感を誘ったからだとよくいわれます。もちろんそれもまちがいではないでしょう。 しかし、調べてみると意外や意外、デビュー以来、彼女を取り上げたメディアは、女性誌ではなく男性誌のほうがむしろ多いのです。有識者による書評その他も、お目々にハートを浮かべた中高年男性からのラブコールなのでした。まず第一に指摘したいのは、何よりも女性は素直に、てらうことなく表現することである。これは簡単そうで実はむずかしい。男が和歌をつくると教養が邪魔をして、どうしても「なりにけるかも」になってしまう。(略)平安朝以来の和歌が絶えずつくられ続けてきたのも、日本人の記憶のなかに平安朝が非常に崇高でうらやましい世界としてあり、そこに表れた男女の感情の機微がお手本にされたからである。その意味で『サラダ記念日』に描かれた幸福な世界は、手の届かないほどではないけれども、ちょっとうらやましいという要素がある。(渡部昇一「おんなと歌の時代」/「Voice」1987年11月) 思想信条のちがいを超えて、並みいる中高年男性をノックダウンさせたこと。彼女の歌のパワーはここにある、とまずいっておかねばなりません。渡部昇一と大江健三郎がともに絶賛する本など、そうざらにあるものではないでしょう。 ところで、右の批評を読む限り、彼らが俵万智にシビレた理由は二つあったことがわかります。ひとつは短歌らしからぬ斬新な口語体で若い女性の日常を歌ったこと。もうひとつは、しかし単に斬新なのではなく、和歌(!)という「古典」「伝統」の継承者であること。まとめていえば「古い革袋(短歌という形式)に新しい酒(新しい感受性)」という評価です。 これは本当でしょうか? というのも私の評価はまるで逆だからなのです。俵万智以前にも、たとえば寺山修司のように、ポピュラリティを獲得した歌人がいたことはたしかです。が、伝統的な「和歌」はもちろん、俵万智を現代短歌の系譜のなかで眺めても、なぜ彼女が受けたかはみえてきません。 短歌という形式は、はたして「古い」のでしょうか。また、彼女の感受性は「新しかった」でしょうか。とてもそうは思えません。「新しい革袋に古い酒」。つまり、新しい文体(物語形式)で古い感受性(物語内容)を歌ったからこそ、彼女の歌は万人に受け入れられたのではなかったでしょうか。『文壇アイドル論』3:「知の巨人」立花隆『文壇アイドル論』2:村上龍『文壇アイドル論』1:村上春樹()
2021.04.16
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図書館で『文壇アイドル論』という本を手にしたのです。中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪【文壇アイドル論】斎藤美奈子著、岩波書店、2002年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだったー書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。<読む前の大使寸評>中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪rakuten文壇アイドル論「知の巨人」立花隆を、見てみましょう。p157~161<神話に化けたノンフィクション> 70年代から80年代にかけて、これからはノンフィクションの時代だ、みたいにいわれていた時期がありました。立花隆の名前がメディアに躍り出たのは、そんな時期です。彼にはすでに著作もありましたが、事実上の出世作はやはり「文芸春秋」1974年11月号に載った「田中角栄研究…その金脈と人脈」でしょう。この記事が引き金となって、翌月、田中内閣は退陣。立花隆は一躍「巨悪を暴く正義のジャーナリスト」として名をはせたのです。 ところで、「文芸春秋」の同じ号に、「金脈と人脈」と並んでもう一本の「角栄物」が載っていたことをご存知でしょうか。児玉隆也「淋しき越山会の女王」です。田中内閣を退陣に追いやったのは、じつは二本の記事の合わせ技によるものであり、この号はたちまち完売、75年には二本あわせてJCJ賞()も受賞しています。 しかし、その後の立花隆と児玉隆也は、大きく明暗を分けることになりました。 児玉隆也は「ガン病棟の九十九日」という壮絶な闘病記を残し、田中内閣退陣のわずか1年後、75年に亡くなります。享年38.あまりにも早すぎる死でした。 他方、立花隆はその後も精力的に仕事をつづけ、20年後には名実ともに日本の言論界のトップに立つことになります。1995年には自身のバックステージを明かした『ぼくはこんな本を読んできた』がベストセラーとなり、同じ年、東京大学先端科学技術研究センターの客員教授に迎えられます。 ジャーナリズムからもアカデミズムからも評価される学識の広さ。一介のノンフィクション作家ないしジャーナリストないし評論家の枠には収まらない、知のゼネラリストとしての名声。彼に与えられたニックネームは、じつに「知の巨人」でした。 96年に出版された「文芸春秋」臨時増刊号「立花隆のすべて」は、そんな彼の到達点を見せつけるものだったといえましょう。帯の惹句は「知の巨人の不断の歩み」。希代のヨイショ本というべきこのムックには、各界の名士による賛辞が満載されています。立花氏は現代の日本では珍しくいろいろな領域に強い好奇心をもつ。そしてその好奇心のもち方も並大抵ではない。そのため文献を余すところなく読み、そのことについて知っている多くの人に問いただす。こういう立花氏のすさまじい好奇心は現代の日本のジャーナリストや学者の水準をはるかに超えている。氏はソクラテス的意味における哲学者といってよい。(梅原猛「ソクラテス的意味における哲学者」/「文芸春秋」臨時増刊号「立花隆のすべて」)(中略)■貧乏ルポライターがもてた時代 70年代から80年代にかけて、ノンフィクションが一世を風靡したした時代があったと申しました。正確にいうと、この時代には、ノンフィクションではなくルポルタージュ、ノンフィクション作家ではなくルポライター、と呼ぶのが流行っていたはずです。 フランス語の「ルポルタージュ」と英語の「ライター」を折衷した「ルポライター」という語は考えてみれば変なことばでありまして、これは竹中労が自らの肩書きとして発明した造語だそうです。50年代から週刊誌記者をやっていた竹中は、雑誌の記事が、企画を立てる編集者、取材をするデータマン(取材記者)、彼らの報告(データ原稿)を文章にするアンカーマン(執筆者)という三者分業体制になっていることに疑問を持った。そこで、自らの問題意識から出発し、自分の足で現場を歩き、自ら筆をとる誇り高い肩書きとして「ルポライター」を名乗ったのです。 で、立花隆と児玉隆也です。「文芸春秋」の同じ号を飾った「田中角栄研究…その金脈と人脈」と「淋しき越山会の女王」は、対象へのアプローチの方法から文章のタッチまで、なにもかもが正反対でした。児玉隆也の記事は、竹中労がいうような意味での「ルポルタージュ」です。立花隆がとった方法はまったく逆。大勢のデータマンを投入して膨大な資料を収集し、自身はアンカーマンに徹するという方法でした。『文壇アイドル論』2:村上龍『文壇アイドル論』1:村上春樹()が
2021.04.16
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図書館で『コメ食の民族誌』という新書を手にしたのです。「農耕の起源」に大きな関心を持つ大使にとって、この本は興味深いのでおます。【コメ食の民族誌】福田一郎×山本英治著、中央公論社、1993年刊<「BOOK」データベース>よりネパール―雲南―日本を結んでコメ食を基盤とする生活と文化が成立した。豆類、雑穀からコメへ。主食の変化は食生活のみならず栽培植物の品種、栽培技術、宗教儀礼、生活様式、さらには社会構造と深く関わっている。コメ食はネパール、雲南の各民族にどう滲透し、影響を与えているのか。植物学者と社会学者の共同作業によりシェルパ族、グルン族、徳宏タイ族等それぞれの対応を日本と比較検討、コメ文化の伝播とその逆流の意味を問う。<読む前の大使寸評>「農耕の起源」に大きな関心を持つ大使にとって、この本は興味深いのでおます。amazonコメ食の民族誌「7 日本の稲作とコメ食」で日本の稲作を、見てみましょう。p137~141<日本人はなぜコメを主食に選んだか> 今地図を広げてみると、日本列島は南の沖縄から北の北海道まで、北緯25度から45度までにわたる位置を占めている。これまで問題にしていたネパールや雲南は、それぞれ北緯29度、22度でずっと南の国である。 コメ食を論ずるとき、南に起源していたイネの栽培を、日本人はよくぞ北海道の北端までひっぱりあげたものだと感じざるをえない。それには北に住むわれわれ日本人がなぜ主食にコメを選んできたかという問題が考えられる。 その問題を解く手立てとして、われわれの祖先は日本列島に来る前に、コメの味を知っていたのではないかという説が成立しうる。それは結果として、コメをたずさえて海を渡って来たのではないかということになる。私はこの説を強く支持したい。 これまでみてきたように、一度コメの味を知った民族は決してコメを捨てていない。何とかしてこれを栽培し、食べていこうと努力している。日本の稲作の歴史は、山国であるが故に開墾して水田を耕作するのに苦労し、北国であるが故に冷害に悩まされた闘いの連続であったにちがいない。コメの味を知った民族でなければ、こんな北国に、こんな山国にイネをもちこまなかったであろう。 日本人の祖先がイネの種子をもって、南から渡来したということを最初に唱えたのは民俗学者の柳田国男であった。彼は晩年『海上の道』の著で、日本人を構成する中心は稲作民族で、南西の島伝いに渡来したと言っている。また、農学者安藤広太郎は長年にわたってイネの育種に尽したが、「日本の稲作は、中国江南地方でコメを常食としていた南方民族が北九州に侵入し来たり、稲作を伝えたことに始まるものと思われ、そのイネは江南地方で栽培されていたジャポニカ型うるち米であった」と述べ、その日本への渡来の時代は「弥生式土器の時代の紀元前1世紀の頃で、これより多く遡らないものと思われる」と推定している。 これらの説は、最近1970年代に中国の浙江省河姆渡遺跡で発見された出土稲の炭素14年代測定の結果、今から7000年前のコメ粒が存在した事実と照合してきわめて興味深い。河姆渡は湘江河口に近く、日本までの距離は東京から九州ぐらいで、海上で黒潮にのれば、そんなに遠い距離ではない。5000年の年月を経て、その後の2000年の中国と日本の結びつきの可能性は十分考えられる。 この原稿を書いているとき(1992年3月)、こんなニュースが入ってきた。紀元前1000年の縄文時代後期末のものと判定される稲籾の圧痕がついた土器片が、岡山県総社市の南溝手遺跡から出土したというのである。これは日本で最古のコメと言える。長さ6.6ミリ、幅3.8ミリの楕円形のコメ粒であるが、これは明らかにジャポニカ型に属する点が注目される。 一方、1977年愛知県知多半島の先苅 ( マズカリ)貝塚から出土した貝類の年代は、5000年から8000年前となっている。これでみると、日本列島に最初に住みついた縄文人は貝や魚などの海産物を食べ、トチノキ、カヤノキなどの木の実を拾い、山の動物を追って生活していたと推察できる。稲作より以前に焼畑と畑作物の時代があったことを、文化人類学者の佐々木高明氏が唱えている。 知多半島は太平洋に面し、不思議なことに貝塚はいずれも太平洋岸に多く存在している。日本人の起源は一本の道だけでなく、幾筋も時代を異にしてたどりついたのかもしれない。そのなかにコメの味を知っていた民族がいて、その民族を中心に稲作が広がっていったのではなかろうか。 次に問題となるのは、われわれ日本人はどうしてコメのなかでも、丸く短いジャポニカ型を選んできたかということである。日本最古の総社のコメがジャポニカ型であったことに、考える示唆が与えられている。 その理由はジャポニカ型がインド型より耐寒性があることである。中国の北のほう、山手のほう、ネパールの山手のイネがみなジャポニカ型であるのは、寒いところではジャポニカ型が適応してよく育つからに他ならない。 もう一つ、ジャポニカ型とインディカ型の違いは、ジャポニカ米のほうに粘りがあり、インディカ米のほうがパサパサしている点である。これは両型のコメ粒に含まれているデンプンの性質の微妙な違いにもとづくもので、それを構成しているアミロースとアミロペクチンの含有量によって決められている。 ジャポニカ米に粘りがあるというのは、アミロペクチンの量が多いからで、それが100パーセント含まれると「モチ米」となる。また、ジャポニカ型のコメにはほとんど香りはなく淡白で、刺身や焼魚など味がうすい惣菜にマッチするが、インディカ型のコメは炊くとほんの少々香りがあって味覚、嗅覚を多様にするので、ピラフ、パエリャ、カレー料理に合うといわれている。『コメ食の民族誌』3:西双版納(シーサンパンナ)のモチ米食『コメ食の民族誌』2:カレー料理の起源『コメ食の民族誌』1:はじめに()
2021.04.15
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図書館で『ことば遊びの楽しみ』という新書を手にしたのです。 おお、阿刀田高さんがことばに関する薀蓄を述べている本ではないか・・・ことば、言語には大使のツボがうずくのでおます。【ことば遊びの楽しみ】阿刀田高著、岩波書店、2006年刊<「BOOK」データベース>より「竹やぶ焼けた」「貴社の記者、汽車で帰社した」「世の中は澄むと濁るの違いにて、刷毛に毛があり禿に毛がなし」。日本語ほど盛んにことば遊びが楽しまれてきた言語はあるまい。幼い頃からその多彩な遊びを愛してきた作家が、古今の傑作や自らの創作をまじえて、駄じゃれ、いろは歌、回文、アナグラムなどの豊かな世界へと案内する。<読む前の大使寸評> おお、阿刀田高さんがことばに関する薀蓄を述べている本ではないか・・・ことば、言語には大使のツボがうずくのでおます。rakutenことば遊びの楽しみ「第5章 なぞの構造」で、無駄口を見てみましょう。p102~106■ああ言えば、こう言う 鈴木棠三は無駄口について、 むだ口には、大別して二つの型がある。一つは、相手のことば尻を取って、それを秀句にして茶化すものである。たとえば、 何がなんきんとうなすかぼちゃ 何か用か九日十日 蟻が鯛なら芋虫ゃくじら どういう門だ広徳時の門だ の如き例がそれである。この場合は、あげ足とりから、憎まれ口、あくたいになることが多い。 第二には、自分の言おうとすることばをまともに言わず、途中から秀句にしておどけるもので、 驚き桃の木山椒の木 うそを築地の御門跡 そうは虎の皮の褌 そうで有馬の水天宮 といったもの。これも、相手のことばの代わりに、自分の言いかけたことば尻を取って、自らあげ足取りをする形とも見られる。(中略) 鈴木棠三の分類にはこだわらず、ただ次々に思い浮かぶものを並べてみれば、 おそれいりやの鬼子母神 そうか、越谷、千住の先よ あきれ蛙の頬かむり あたりき車力、馬のけつ せんずりかいて寝てしまえ 行田の米で、おしまいだ ありが十匹、ありがとう 堪忍信濃の善光寺 痛いの、痛いの、飛んで行け! こ(子)の次は、孫だ さよう、しからば、ごもっとも 知らん顔の半兵衛さん 言わぬが花の吉野山 滑って転んでトッテンシャン だんだんよくなる法華の太鼓 敵もさるもの引っかくものだ 感心、韓信股くぐり ばちが当れば太鼓で受ける 平気、平気の平左衛門 弱虫、毛虫、つまんで捨てろ 来たか長さん待ってたホイ なんだかんだで鼻かんだ たまげた駒下駄あずま下駄 ござるの尻はまっ赤でござる 結構毛だらけ猫灰だらけ お菓子かったら袋をやろう その手は桑名の焼きはまぐり しょうがなければ、みょうががあるぞ 見上げたもんだよ屋根屋のふんどし たいしたもんだよ蛙の小便(中略) 地震、雷、火事、親父 空は晴れても心は闇だ 聞くも涙、語るも涙 ほかにもまだまだたくさんあるだろう。むしろ、こんなに多くの無駄口を持っていること自体に、私たちの、私たち庶民のことばの豊かさを見ることができるのではないか。『ことば遊びの楽しみ』2:漢字の成立『ことば遊びの楽しみ』1:駄じゃれも日本文化()
2021.04.15
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先日、著者の『神様2011』を読んで良かったので、さっそく『某』を借出し予約したものですが・・・図書館でこの本を受け取って帰って調べてみると、この本を借りたのは2度目であると判りました。(ちょうど1年前に借りていました)で、この紹介記事は(その4)とします。【某】川上弘美著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より名前も記憶もお金も持たない某は、丹羽ハルカ(16歳)に擬態することに決めた。変遷し続ける“誰でもない者”はついに仲間に出会うー。愛と未来をめぐる、破格の最新長編。<読む前の大使寸評>先日、著者の『神様2011』を読んで良かったので、さっそく『某』を借出し予約したものですが・・・図書館でこの本を受け取って帰って調べてみると、この本を借りたのは2度目であると判りました。(ちょうど1年前に借りていました)rakuten某ラモーナへ変身したあたりを、見てみましょう。p145~148<ラモーナ> ナオが恋しかった。ナオとマリとは、最初のころをのぞいては、兄と妹のように暮らしていた。でも、寒い時にはマリはナオのふとんにもぐりこみ、いつもナオにくっついていた。 ナオ。 と、マリが呼ぶと、ナオは眠りながらマリの手を握ってくれた。 ナオが恋しくて、なつかしくて、マリはもうマリのかたちでいるのが、いやになった。だから、マリは今の私、ラモーナになったのだ。年齢は、25歳。人間類似の生きものとしての精神年齢はまだきっと25歳には達していないのだろうけれど、マリのかたちをとっていた最初のころよりも、ラモーナの肉体と精神の成熟度はへだたっていない。 ナオのいない日本には、住みたくなかった。だから私は、カナダへと渡ったのだ。ずいぶん昔、同じキャバクラで働いていt女の子が、お金をためてカナダに語学留学をしたことを思いだしたからだ。 私は、英語を話す。というよりも、私になったとたんに、英語が私にとっていちばん重い言語だということが、すぐにわかったのだった。それはちょうど、ハルカから春眠になった時に、また春眠から文夫になった時、あるいは文夫からマリになった時に、語彙が微妙に変化していったことと、同質の変化だった。 英語で喋り、英語で考えるようになると、かわりに日本語は、遠いものになった。覚えているのだけれども、遠いもの。たとえば、私という存在の記憶の中にある英語の領域を七とすると、日本語は三、という感じだろうか。少なくはないが、多くもない。たいがいの時は背景に没している、というふうである。 私はトロントに住んでいる。マリだったころにためたお金が、少しある。パスポートは、夜逃げ屋の親方に頼んで偽造してもらった。あんた、マリのともだちなの? ほんとうに? で、マリは今どこにいるの? 日本のパスポートでいいの? あんた、外国人なんじゃないの、日本語も下手だし、ま、いいや。このところ入管が厳しいから、通るかどうか、わからないけどね。うまくやりなよ。 親方は、ゆっくりと日本語を喋る私を見上げながら、早口で言った。ラモーナになった私は、おおかたの日本人よりも背が高い。私に自分の早口が全部理解できるとは、親方は思っていないようだった。でも、私はもちろん理解できた。わからないふりをしながら、親方の声に聞き入っていると、親方の優しさが、なんとなく感じられた。マリはきっと、親方に好かれていたのだ。そのことが、はじめてわかった。 トロントでの最初のころの1日は、こんなふうだった。 泊まっていたのは、ドミトリー。個室ではなく、相部屋の宿泊施設だ。日本でワーキングホリデーの申請をしてきたので、旅行での滞在よりも、長くいられる予定だった。仕事が決まるまでは、ともかくお金を減らさないようにしなければと、格安のドミトリーに泊まったのだ。 親方のパスポートは、たいへんに有効だった。ラモーナなどという架空の人間のパスポートでカナダのワーホリの申請をするのはかなり困難だったと思うのだけれど、世の中のしくみについては、今まで生きてきた経験からも、かなり穴が多いとわかっているので、まあ、そこは「蛇の道はへび」なのだろう。「蛇の道はへび」というのは、ナオが好きだった言葉だ。マリとしての記憶は、自分の中の日本語領域の変化につれて、濃い部分と薄い部分がまだらになったけれど、この言葉は面白い言葉なので、日本語としてよく覚えている。 ドミトリーには、さまざまな人間がやってくる。国もさまざまなら、年齢もさまざまだ。若い人間の方が多いが、年齢を重ねた人間もいる。 私は、ぼんやりと一日を暮らしていた。明るくなると、外へとでかけて行く者がほとんどなのだけれど、私は昼過ぎまで部屋で眠ったり起きたりし、おなかがすくと安いサンドイッチを買ってそのへんのベンチで食べ、またすぐに部屋に戻ってきた。ベッドの中、あるいはベッドの周辺で午後を過ごし、たまに近くまで散歩にでた。 夜になると、相部屋の人間たちが三々五々帰ってくるので、なんとなく会話をかわす。 最初によく会話をかわすようになったのは、赤毛のニ十代のアイルランド人の女の子だった。大学で経済を勉強していると言っていた。あなたは何か勉強している? と聞かれ、一瞬ぽかんとしてしまった。ハルカだったころと、春眠だったころのことを、ほんの少しだけ、思い出した。 「まあ、いろいろ。でも、学校では、あんまりいろんなことは、学んでない」 あいまいに、答えておいた。まちがいではないし。『某』3:マリ(源氏名はレミ)p101~103 『某』2:山中文夫時代p93~95『某』1:冒頭の語り口p5~7()
2021.04.14
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図書館で『文壇アイドル論』という本を手にしたのです。中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪【文壇アイドル論】斎藤美奈子著、岩波書店、2002年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだったー書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。<読む前の大使寸評>中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪rakuten文壇アイドル論村上続きというわけではないが、お次は村上龍を、見てみましょう。p189~191<五分後のニュースショー> 『あの金で何が買えたか』『おじいさんは山へ金儲けに』『「教育の崩壊」という嘘』『収縮する世界 閉塞する日本』『だまされないために、わたしは経済を学んだ』2000年前後に出た村上龍の著作リストの一部です。 1990年代も後半になって、村上龍はとつぜん立花隆の後をゆく「知のゼネラリスト」の道を歩みはじめたようにみえます。 彼はいまや現代社会のあらゆる現象に関心をもつ「全方位型作家」なのです。ひとつの証拠が「国文学」臨時増刊号(2000年7月)の村上龍特集でありましょう。「“現代のエッジ”を行く」という副題のついたこの本には「村上龍・変移するフェイズ6」()と称して六つの側面からみた村上龍論が載っています。 六つのフェイズとは、世界経済・金融/学校/戦争・暴力/フーゾク/キューバ・音楽/映画。なかでも昨今とくに発言がめだつのは「経済・金融」についてでしょう。いまをときめく経済学者も賛辞をおくっています。 村上が想定した情況通りに日本経済は進んでいる。2001年3月2日に日経平均株価は416円の大幅下落を記録した。日銀が利下げを発表した予算案が衆議院を通過した、ちょうどその日である。この文章が印刷される頃の事態を予測することはできないが、『希望の国のエクソダス』が描くように泥沼が始まっているかもしれない。村上作品の持つ崩壊感覚…その底流には、実は「歴史との符合」という不気味さが漂っているのだ。(金子勝「「幻想の経済」という現実」/「国文学」2001年7月) マルクス主義経済学出身の金子勝と、小泉内閣の経済政策担当大臣である竹中平蔵。金融政策、IT政策、構造改革、グローバリズムに対するスタンス、何もかも正反対とさえいえる二人の経済学者がともに「村上龍こそ正しいエコノミストだ」と述べているのは興味深いところです。 これは科学者が立花隆を礼賛したのと同じ構図にも見えますが、ややちがうのは、彼らが称賛しているのが小説(近未来小説『希望の国のエクソダス』)である点でしょうか。 90年代のとくに後半以降、村上龍はジャーナリスティックな問題作、新聞の経済面や社会面をにぎわすような出来事と密着した小説を次々と発表してきました。いうならば、ノンフィクションにしてもよかったような題材を、彼はフィクションに仕立ててきたのです。「小説は不毛だから読まない」と公言する人も少なくない文学離れの時代に、経済問題や教育問題や通信技術を積極的に作品にとりいれて、ビジネスマンやジャーナリストやエコノミストにまで幅広く読まれる「稀有な純文学作家」になった村上龍。 1976年に『限りなく透明に近いブルー』でデビューした当時にはとうてい考えられなかった展開です。 ウン 不肖大使も『希望の国のエクソダス』を高く評価しております。【希望の国のエクソダス】村上龍著、文芸春秋、2002年刊<内容紹介より>2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界、経済界に衝撃を与える一大勢力に成長していく。その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった。壮大な規模で現代日本の絶望と希望を描く傑作長編。<大使寸評>非常に刺激的な設定を設けているが、今どきの中学生はラインにはまって群れているだけではないか。さすがの村上の予見も、やや外れたのかも?文春希望の国のエクソダス『文壇アイドル論』1()
2021.04.14
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図書館で『熱帯』という本を手にしたのです。神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」ってか・・・奇妙な本ではないか。【熱帯】森見登美彦著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より沈黙読書会で見かけた『熱帯』は、なんとも奇妙な本だった!謎の解明に勤しむ「学団」に、神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと、「部屋の中の部屋」…。東京の片隅で始まった冒険は京都を駆け抜け、満州の夜を潜り、数多の語り手の魂を乗り継いで、いざ謎の源流へー!<読む前の大使寸評>神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」ってか・・・奇妙な本ではないか。rakuten熱帯「第五章 熱帯の誕生」で、「物語」の秘密を見てみましょう。p475~477 その大広間には豪奢な絨毯が敷かれ、大勢の美しい人たちが寛いでいた。 いたるところに御馳走の皿や飲み物が置かれて、赤い上衣を着た学団の猿たちが給仕に立ちまわっている。 僕がおずおずと大広間に入っていくと、あたりの喧噪がピタリと止んだ。広間に居合わせた誰もが期待に充ちた目で僕を見つめているようだ。人々が静かに分かれて一筋の道を作った。その道の先には帳に包まれた大理石の台があり、ひとりの女性が身を起こしている。 「シャハラバード様」 学団の猿がちょこんと座って言う。 「シンドバッド様をお連れいたしました」 僕はその台の前に跪いた。 シャハラバードはしばらく僕を見つめてから言った。 さまよえるシンドバッドよ。 あなたはどうしてここにいるのか。それを語りなさい。 そこで僕はこれまでの人生を語った。子どもの頃からの冒険への憧れ。死の床にあった父の忠告。その忠告に背いて旅に出たこと。行く先々で出会ったこと。そして大鯨によって船を沈められ、気がつけばこの島へ流れついていたこと。 「いまはただこの身ひとつです。我が故郷バクダードへ帰ることができますよう、シャハラバード様のお力添えを賜りたく存じます」 僕が語り終えると、シャハラバードは次のように言った。 さまよえるシンドバッドよ。もしもバグダードへ帰ることを望むなら、我が願いを叶えていただかなくてはなりません。それはある未完の「物語」を持ち帰ることです。 僕は深く頭を垂れて言った。 「お言葉承り、仰せに従います」 シャハラバードはおごそかな声で言う。 この門をくぐることを決めたのはあなた自身なのです。 この物語の扉が人の手によって閉じられるとき、我が言葉に充たされた千の夜は千の扉を開く。そのときにこそ私たちは、新しい世界を、新しい生命を生きることになるでしょう。あなた方が生きたいと願うように、私たちもまた生きたいと願うのです。この物語が最後の語り手のもとへ届き、我が願いの成就せんことを! そしてシャハラバードが語った物語とは…。 ◇ …その物語とは? 僕は遠い異国にある宮殿から、冬の夜祭りへと引き戻された。 一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。魔王の語りに耳を傾けているうちに、僕ははるか遠くへ旅をしていたのである。 ようやく我に返ってテーブルの向こうを見ると、白熱電球に照らされた魔王はひとまわりも年老いたように見えた。まるでその「物語」の来歴を語ることに精魂を使い果たしてしまったかのようだった。 「その物語とはなんです?」 「この世界は夢と同じもので織りなされている」 魔王はカードボックスを示し、古いレコードのように掠れた声で語り続ける。 「語り手を失うとき、すべてはこの海に沈み、存在と非尊愛の狭間を漂う無数の断片へと還っていく。この群島の森羅万象、そこに暮らす人々、そしておまえ自身もだ。ネモよ物語ることによって汝みずからを救え」ネタバレになるのだが、これから最後まで読みすすめると・・・僕は佐山尚一であることに気づくのです。『熱帯』2:池内氏のノートp48~55『熱帯』1:『熱帯』という謎の本p12~16
2021.04.13
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図書館で『文壇アイドル論』という本を手にしたのです。中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪【文壇アイドル論】斎藤美奈子著、岩波書店、2002年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだったー書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。<読む前の大使寸評>中を覗くと、アイドルとして村上春樹に村上龍、俵万智、立花隆、田中康夫らが取り上げられていて・・・ええでぇ♪rakuten文壇アイドル論まず冒頭の村上春樹を、見てみましょう。p3~<ゲーム批評にあけくれて> 1980年代後半の「文壇アイドル」を語るとき、村上春樹の名前はやはりはずせません。 とりわけ80年代後半の村上春樹は、飛ぶ鳥どころか飛んでいる飛行機さえも落としそうな勢いでした。88年の年間ベストセラーは一位が『ノルウェイの森』、三位が『ダンス・ダンス・ダンス』。ともに堂々ミリオンセラーを記録しています。『ノルウェイの森』にいたっては、ほぼ1年で350万部にまで達したのですから、尋常なことではありません。 村上文学の特徴はしかし、単に「売れたこと」だけではありません。彼は文学プロパーのゴタク心を非常にくすぐる作家だったのです。本格的な作家論、作品論から、ファンクラブ的なアンソロジーやエッセイ、雑誌の特集号まで、村上春樹と名のつく本の多いこと。ネットで探索してみたら、本人以外の手になる単行本だけで50件近くヒットしました。 よって「春樹現象をめぐる謎」は二つの面から設定できるでしょう。 (A)なぜ村上春樹はそんなに売れる(売れた)のか。 (B)なぜ村上春樹はそんなに論じられる(論じられた)のか。 売れ行きナンバーワン、批評に取り上げられる頻度もおそらくナンバーワンの彼の本が「浅読みも深読みもできる小説」 「シロウト受けもクロウト受けもする小説」なのはまちがいありません。Aの謎ついてはしかし、これ以上深入りする必要はないでしょう。「春樹はなぜ僕らをシビレさせるのか」についての論文やエッセイなら、それこそ山のようにある。それより興味深いのは「なぜ彼らは春樹について語らずにはいられなかったか」です。 1990年に発行された80年代を検証する河出書房新社発行のムックのなかで、黒川創がおもしいことを書いています。サブカルチャーは、今や「サブ(副次)」に甘んずる文化ではない。そんなことは当たり前だ。しかし、そういうことを大マジメに論議しなければならなかったのも、80年代という時代であった。なぜそんなことになったのかと言えば、サブカルチャーを新たに“発見”してしまった人々がいたためである。(略)男のインテリというのは悲しい生き物で、「ああ、おもしろかった!」では、絶対に、すまないのである。その「ああ、おもしろかった!」となる“理由”が必要なのである。以後、なんでマンガはおもしろいのか、本当にマンガはおもしろいのかと、80年代のインテリ男たちの、苦行と論争に満ちた長い旅が始まるのである。(黒川創「かくも長き批評の不在」/『エイティーズ』1990年) 右は大島弓子らマンガについての批評(の批評)なのですが、村上春樹にも、いや村上春樹にこそ、これは当てはまる現象だったように思います。 春樹をめぐる「苦行と論争に満ちた長い旅」は、当時の子どもたち(大人もですが)を魅了したサブカルチャーの最前線、コンピュータゲームを思わせるところがあります。主人公の知力・体力・武力がレベルアップしていくにしたがって、次々と新たなモンスターとの戦いが待っているロール・プレイング・ゲーム(RPG)です。なかでもオタクな連中は、与えられたゲームで遊ぶだけでは飽きたらず、ゲームに隠された裏ワザを発見する「新たなゲーム」に熱狂しました。 子どものゲームオタクが「ドラゴン・クエスト」の裏ワザ探しにハマったように、大人の文学オタクがどれほど「ハルキ・クエスト」に血道をあげたか、その足跡を、しばしたどってみましょう。ウーム この本が出された2002年頃は、ノーベル文学賞候補というお祭騒ぎが起る前なのか・・・村上春樹も軽く扱われているようですね。この本も村上春樹アンソロジーR11に収めておくものとします。()
2021.04.13
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