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図書館で『言語化力』という本を、手にしたのです。なんだかハウツー本のような体裁にも見えるけど・・・著者はThe BreakthroughCompany GO(ザ・ブレイクスルーカンパニー ゴー)という会社に勤めているだけあって、内容はクリエイティブである。【言語化力】三浦崇宏著、角川書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えをうまく伝えられない」「うまく話せず、プレゼンで負けてしまった」「SNSで発信しても誰も見てくれない」を解決する、君の言葉を「最強の武器」にする方法。<読む前の大使寸評>なんだかハウツー本のような体裁にも見えるけど・・・著者はThe BreakthroughCompany GO(ザ・ブレイクスルーカンパニー ゴー)という会社に勤めているだけあって、内容はクリエイティブである。rakuten言語化力序章の冒頭を、見てみましょう。p14~15<「保育園落ちた 日本死ね」> 2016年のことだ。たった一人の、街に生きる普通の女性の、無名のアカウントから発信されたツイートが、1000人以上の人にリツイートされて、メディアにも取り上げられ、国会での議論になるほどの大きなテーマになった。 保育園に入れなかったというむきだしの事実と、日本の社会制度に対する批判がわずか10文字につまった言葉。有名人でも学者でもない、たった一人のツイートが、国を動かすきっかけになった。そんな奇蹟がわりと普通に起こる。 私たちは、今、そんな社会に生きている。 一方で、「上司と話が合わない」「自分の意見が言えない」といった、日常的なやりとりにおける、言葉を取り巻くちょっとした難しさや、日常の困りごとも、まだまだたくさんある。言葉は人を動かすことができるからこそ、人は言葉に悩む。 インターネットとスマホの普及により、社会における情報の流通量は飛躍的に増加した。言葉を取り巻く状況は、10年前と比べるとかなり変わってきている。もっと言うと言葉で何かを動かしたり、変えられる可能性がますます広がっている時代だ。「言葉」の力はより強くなっていく。これこそ言葉にするまでもない確信が、ぼくにはある。 この時代に言葉をうまく使って生きていくために、3つのポイントをわかっておいてもらいたい。1 誰もが「伝える価値」を持つ時代になった。2 言葉こそが最強の問題解決の手段だ。 ―未来を作ることは、数字やテクノロジーだけではできないし、人間関係を改善するの は言葉でしかない。3「言葉」を駆使すれば、闘わないで勝てる。『言語化力』1
2021.07.31
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図書館で『言語化力』という本を、手にしたのです。なんだかハウツー本のような体裁にも見えるけど・・・著者はThe BreakthroughCompany GO(ザ・ブレイクスルーカンパニー ゴー)という会社に勤めているだけあって、内容はクリエイティブである。【言語化力】三浦崇宏著、角川書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えをうまく伝えられない」「うまく話せず、プレゼンで負けてしまった」「SNSで発信しても誰も見てくれない」を解決する、君の言葉を「最強の武器」にする方法。<読む前の大使寸評>なんだかハウツー本のような体裁にも見えるけど・・・著者はThe BreakthroughCompany GO(ザ・ブレイクスルーカンパニー ゴー)という会社に勤めているだけあって、内容はクリエイティブである。rakuten言語化力まず「はじめに」を、見てみましょう。p5~8<はじめに> ぼくはThe BreakthroughCompany GO(ザ・ブレイクスルーカンパニー ゴー)という会社でクリエイティブディレクターという仕事をしている。クリエイティブディレクターというのは、従来は広告制作の責任者という意味で使われる言葉だったが、ぼくや、GOという会社でこの言葉を使うときはちょっと意味合いが違う。 それは、「アイデアの力で社会や企業の活動に変化を起こす専門家」という意味だ。 事実、ぼくはこれまでに何度もクリエイティブの力で変化を起こしてきた。ビジネスパーソンの間で『キングダム』という歴史長編漫画のブームを巻き起こした。「新聞広告の日に」に朝日新聞の見開き30段に「左ききのエレン」という漫画を掲載した。この日、朝日新聞は街で売り切れ、ツイッターは爆発した。 一つひとつの仕事は当然ぼく一人では成し遂げられない。チームのみんなで一丸となって向かうからこそ、大きな変化を生み出すことができる。 しかし、そのためには、どんな変化を起こすかを定義しないといけない。まだ誰も見たことがない、変化した後の新しい世界に、みんなで目指して進むためにはどうすればいいのか。 ここでも、言葉が機能する。 たとえば、会社なら「前年同月比何%アップ目標」と言われるだけでは、ただただ数字を積み上げるための変わらない毎日が続くだけだ。 でも何%アップさせるために「こんな変化を起こそう」「こんなことを目指そう」と目標を言葉で定義することができたら、そこには新しい世界が広がる。 ぼくの例に戻すと、『キングダム』は単なる漫画じゃない。「日本一売れているビジネス本」として再定義した。朝日新聞では「広告」ではなく「コンテンツ」として再定義することで、多くの人が喜んで手に取ってくれるようになった。 これらの変化のきっかけになっているのはいずれも言葉だ。誰も見たことがない新しい現実。誰もが見たいが、まだ訪れていない未来。それを形にして、共有し、みんなが目指せる目標に変えるのは、実は言葉が持つ最も優れた機能だ。しかも、言葉は原材料も資本金もいらない。あなたの心から、脳から、もしかしたら人生から生れる、最もシンプルで、可能性に満ちた資源だ。左ききのエレンより
2021.07.31
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図書館で『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』という本を、手にしたのです。なんか既視感のある本だが、まあいいかと借りたのです。帰って調べると4年前に借りていたのです。(またか)【サイクス=ピコ協定 百年の呪縛】池内恵著、新潮社、2016年刊<「BOOK」データベース>より百年前の「秘密協定」は、本当に諸悪の根源なのか?いまや中東の地は、ヨーロッパへ世界へと難民、テロを拡散する「蓋のないパンドラの箱」と化している。1916年、英・仏の協定によって地図の上に無理やり引かれた国境線こそが、その混乱を運命づけたとする説が今日では専らだ。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。危機の本質を捉える緊急出版!<読む前の大使寸評>なんか既視感のある本だが、まあいいかと借りたのです。帰って調べると4年前に借りていたのです。(またか)rakutenサイクス=ピコ協定 百年の呪縛協定区域クルド民族の悲願を見てみましょう。p81~84<第3章 クルドの夢はなるか?>■クルド民族の悲願 それではクルド人とはどのような民族なのだろうか。なぜこれまで国家を持てなかったのか。独立に至る道にはどのような障害が待ち構えているのだろうか。 実は、民族そして国民としての意識というものも、それほど自明のものではない。多くの国で民族意識が育っており、民族を単位とした国民としての帰属意識が存在しているのは、実際には国家があって、国民意識、民族意識を涵養する政策を採っているからである。 逆に、「少数民族」とはなぜ生まれるのだろうか。それは、逆説的だが、その民族が住む国に「支配民族」や「多数派の民族」がいるからであり、国家の政策が特定の民族意識を強め、特定の言語や文化を国民統合の基礎として打ち出しているからである。 もちろん、これは民族や国民という観念が、制度や政策によって作られる側面がある、ということを指摘しているだけであって、民族が幻想だとか、まるっきり何もないところから作り出せる、と主張しているわけではない。(中略) トルコ、イラク、シリア、イランの4ヶ国にまたがった地域に主に住んでいるクルド人の総人口はおよそ三千万ほどだと言われる。それぞれの国では国民国家形成の過程で、トルコ人や、アラブ人や、イラン人の民族意識を涵養する民族主義政策が採用されてきた。その陰で少数民族として生きてきたのがクルド人である。 トルコで長らく「山岳トルコ人」と呼ばれ、シリアでは「クルド系アラブ人」、イランでもクルド語はペルシャ語の方言とみなされるなど、少数民族としての存在すら公にはみとめられなかった時期も長い。 しかしそのような「迫害」こそがクルド人という民族を作り上げてきたという面もある。例えば民族意識の根幹である言語の面から見れば、これらの三千万人とも言われる人々の話す言語は決して一体ではない。実際には、クルド語には多くの方言があり、大きな分類だけでもクルマンジー語、ソラニー語、ザザ語といったものがあるが、それらは言語学者によれば文法や語彙を異にする別の言語とされる。 もちろん、民族主義は言語学者によって指導されるものではない。これらの言語を話す人々は実際の生活上は密接な関係を持ち、同一民族への帰属意識を持っている。それぞれの地域で歴史上積み重ねてきた関係からくるクルド人としての自己認識と、そして彼らをクルド人とみなす多数派・支配民族や、少数民族として排斥する、あるいは認定・保護する、国家の政策によって、形作られてきたものでもある。 なお、クルド人はこの4ヶ国以外に、隣接する南コーカサスに位置するアルメニアやゼルバイジャンにも居住している。主権国家に分かたれた現在の国境線の中に置いてみると理解しにくいかもしれないが、オスマン帝国やロシア帝国の版図の中に置きなおしてみるとそれほど不思議ではない。クルド人の広がりは、帝国内での自由な移動、あるいは強制移住や難民としての不本意な移動の双方を通じて生じたものである。 クルド人の存在自体は長く知られていた。12世紀にイラクやシリアからエジプトにかけてを征服したアイユーブ朝のスルターンのサラディンがクルド人であったことはよく知られている。また、アナトリア南東部は長くクルディスターンと呼ばれてきた。その意味で、クルド人の独自の言語や文化の存在は古くから知られていた。しかし同時に、近代においてクルド人による国民国家を作ろうとする運動は、その形成や統一で遅れをとった。それはなぜなのだろうか。 第一に、クルディスターンが、隣接する複数の大国・帝国の間にあり、緩衝地帯として、それぞれの大国から介入・干渉を受け、分割して統治されてきたという経緯がある。クルディスターンはオスマン帝国とペルシャ帝国の間で長く係争の対象になっていた土地であり、南下政策でコーカサス山脈を越えてきたロシア帝国もここに関与してきた。『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』1:アラビアのロレンスp124~128『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』2:20世紀は難民の世紀p100~104『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』3:無理やり引かれた国境線p19~21
2021.07.31
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<土用のうな丼>毎日蒸し暑いので、夏バテのおそれがあるわけで・・・今年の土用は28日だったが、まだ間に合うということで、うな丼を食べようと思うのだ!専門店のうな丼がベストであるが、実際は駅前のすき家あたりになるかも? 夏の土用は、「小暑」から数えて13日目ころから立秋の前日までということになる。従って、厳格な作法では、「暑中見舞い」は立秋の前日までであり、これを過ぎると「残暑見舞い」となる。 また、土用の丑の日も年4回あるが、ウナギを賞味する風習は夏に限定されている。二十四節季の小暑に注目(復刻)
2021.07.30
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図書館で『宇宙の誕生と終焉』という本を手にしたのです。大使のツボでもあるブラックホールやダークマターがわかりやすく解説されているようです。・・・と言うことで迷わず借りたのです。【宇宙の誕生と終焉】松原隆彦著、SBクリエイティブ、2016年刊<「BOOK」データベース>より宇宙の始まりはどうだったのか?外に時間がないとはどういうことか?どんな物質でできているのか?そして私たちの住む地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?宇宙に興味をもつ方が抱く数々の疑問に応えるため、宇宙論を長年専攻してきた新進気鋭の著者が、誕生から終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説していく。<読む前の大使寸評>大使のツボでもあるブラックホールやダークマターがわかりやすく解説されているようです。・・・と言うことで迷わず借りたのです。rakuten宇宙の誕生と終焉「第5章 宇宙の終焉」でブラックホールの終焉を見てみましょう。p181~183<5-7 銀河系の終焉> 宇宙にある銀河の数々は、今後も衝突・合体を繰り返す。銀河の平均的なサイズは大きくなり、数は減っていくだろう。また、宇宙の加速膨張により、最終的には自分自身を除くほかの銀河が宇宙の地平面の外へでて行ってしまう。 地平面の外にある銀河同士はいかなる関係ももてなくなるため、個々の銀河は宇宙の中で孤立する。こうなると、銀河の衝突はもはや起きなくなる。事実上、宇宙には銀河が1つしかないのと同じだ。そういう宇宙にから生れた知的生命がいれば、自分がいる銀河系がそのまま宇宙全体だと考えることになるだろう。 銀河系の中にある星々の寿命はまちまちだ。基本的に大きな星は太く短い生涯を送り、小さな星は細く長い生涯を送る。大きな星は、その活動の最後に内部にある物質を宇宙空間に戻すため、それがふたたび新しい星をつくる原材料になる。だが、一部は白色矮星や中性子星、ブラックホールとして残されるため、徐々に新しく星をつくるための材料が宇宙空間から減っていく。 銀河系のなかで、もっとも長く輝くことができる星は、小さな星だ。太陽の1/10程度の質量しかない赤色矮星という種類の星は、約10兆年生き延びて暗く輝き続ける。だが、それも永遠のことではなく、徐々に星の光は失われていく。 もはや新しく星を生むための材料もなくなり、その後には星や惑星の残骸、ブラックホールなど、光を発しない黒い天体だけが残される。宇宙は光が失われた暗黒の世界に帰するのだ。 星々の光が失われたあとも、それらの残骸は光らない銀河として存在し続ける。銀河の中心部には超巨大ブラックホールがあり、その周辺を暗黒の天体やダークマターが運動する、という状態が続く。ブラックホールの周りを運動する天体は、まっすぐブラックホールに向かわないかぎり、ブラックホールに吸収されることはない。回転の力が働くためだ。 むしろ長い間には、天体どうしの相互作用によって軽い星は銀河の外へ放りだされてしまう。銀河から放りだされた星は、そのまま銀河から遠ざかっていき、最終的には地平面の外へでて行って、2度と戻ってこない。(中略) 銀河が大きいうちは、中心にある超巨大ブラックホールに星が吸収される確立は少ない。まれに近づきすぎて吸収されてしまうものもある。だが、星の多くが外へ放りだされて銀河が縮小すれば、残された星がブラックホールに吸収される確立も増えていく。十分な時間が経てば、すべての星は、外へ放りだされるかブラックホールに吸収されるかのどちらかの運命をたどる。銀河からは星が消え去り、超巨大ブラックホールだけが残されることになるだろう。『宇宙の誕生と終焉』1
2021.07.30
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図書館で『宇宙の誕生と終焉』という本を手にしたのです。大使のツボでもあるブラックホールやダークマターがわかりやすく解説されているようです。・・・と言うことで迷わず借りたのです。【宇宙の誕生と終焉】松原隆彦著、SBクリエイティブ、2016年刊<「BOOK」データベース>より宇宙の始まりはどうだったのか?外に時間がないとはどういうことか?どんな物質でできているのか?そして私たちの住む地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?宇宙に興味をもつ方が抱く数々の疑問に応えるため、宇宙論を長年専攻してきた新進気鋭の著者が、誕生から終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説していく。<読む前の大使寸評>大使のツボでもあるブラックホールやダークマターがわかりやすく解説されているようです。・・・と言うことで迷わず借りたのです。rakuten宇宙の誕生と終焉先ず、ダークマターから見てみましょう。p114~117<3-6 重力レンズでダークマターを「見る」> 最近では重力レンズ効果という方法を使うことによって、ダークマターの存在をもう少し直接的に観測することができるようになった。ダークマターの集まっている方向を見てもダークマター自体は見えないが、その奥にある銀河からの光はダークマターを通過して私たちまでやってくる。その光はダークマターのつくりだす重力の影響を受けて、進路がわずかに曲げられる。ダークマターがレンズのような役割を果たすのだ。これを重力レンズ効果という。 いびつなレンズを通過してきた像が歪んで見えるのと同様に、重力レンズ効果を受けると銀河の像が歪められる。その歪みを詳細に分析すると、ダークマターがどのくらいそこにあるのかがわかるのだ。 銀河団に付随するダークマターは重力レンズ効果によって数多く観測されている。なかでも図3-6は弾丸銀河団という有名なものだ。図3-6 ここに写っている銀河画像は光学望遠鏡によって観測されたもので、青い色はダークマターのある場所を示し、赤い色は原子などでできたガス状の物質のある場所を示している。後者はⅩ線観測によって求められたものだ。 この銀河団は、2つの銀河団が衝突した直後という変わった状態にある。ガス状物質もダークマターも2つに分裂しているのは、そのせいだ。ここで、ガス状物質よりもダークマターのほうが遠くへ分離しているのが見てとれる。これは、ダークマターというものが重力以外の相互作用をほとんどしないためだ。相互作用をしないと自分自身やほかの物質をすり抜けてしまう。このため、衝突した場所から遠く離れたところへ行くことができるのだ。 一方、ガス状物質は自分自身と相互作用をするので、ダークマターのようにはすり抜けることができず、衝突した場所からあまり遠くへ行かれない。このため真ん中近くにたまっている。<3-7 ダークマターの正体はいまだ不明> このように、現代では宇宙空間に存在するダークマターの様子がかなりよくわかるようになっていて、単なる理論上の仮説という域を大きく超えている。とはいえ、その正体がなにかはいまだに謎だ。宇宙観測でわかるのは、ダークマターが質量をもつ物質のようなものということだけである。つまり重力の相互作用をするなにものかということだ。 理論的な仮説にもとづいて、未知の素粒子がダークマターの正体ではないかという推測がある。この場合、重力以外に弱い相互作用をするのであれば、実験的に直接検出できる可能性がある。実際、ニュートリノはそういう粒子であり、以前にはダークマターの有力候補とsれていた。だが、宇宙観測で得られているダークマターの性質を説明できないことがわかり、現在では、ニュートリノはダークマターの主要成分ではないことが知られている。少なくとも、私たちが確実に存在すると知っている粒子では説明できないことがはっきりしている。 そこで、弱い相互作用をする未知の素粒子を検出してダークマターの手がかりを得ようとする実験が世界中で行われている。いまのところ確実な証拠は見つかっていない。この本も宇宙への関心に収めるものとします。
2021.07.30
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図書館で『「中国」という神話』という本を手にしたのです。目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。【「中国」という神話】楊海英著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。<読む前の大使寸評>目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。rakuten「中国」という神話ウランバートル郊外のチンギス・ハーン像「第三章 チンギス・ハーンは中国の英雄?」でチンギス・ハーンを、見てみましょう。p112~116<1世界史におけるチンギス・ハーンの評価> かつてチンギス・ハーンといえば、残酷な侵略者のイメージだった。しかし、今や日本の読書界では「世界史の創造者」とのイメージがほぼ定着している。それは、著名な歴史家の岡田英弘の『世界史の誕生』や、杉山正明の『大モンゴルの世界―陸と海の巨大帝国』など、開拓的な著作が従来の偏見と差別的な遊牧民観=モンゴル観を変えた結果である。 ここでいう「差別的な遊牧民観=モンゴル観」とは、中国のように彼らを「野蛮な人々で、文化も後進的だ」とする認識を指す。日本の歴史学者の研究成果は、偏見に満ちた中国側の史料だけではなく、ペルシャ語やアラビア語、それにモンゴル語とテュルク系諸言語などからなる史料群を広く渉猟するようになり、グローバルな視点で歴史の真相に接近できたからである。ことにソ連崩壊後、それらの史料へのアクセスが容易になり、研究は大きく進展した。 欧米においても、同じである。 チンギス・ハーンはみごとに「殺戮者」や「侵略者」から「平和国家の先駆け」へと変身した。アメリカの文化人類学者ジャック・ウェザーフォードは新しいチンギス・ハーン像を提示する時に戦略的な方法を取った。彼は自著『パックス・モンゴリカ―チンギス・ハーンがつくった新世界』をまず、モンゴル国で出版して、チンギス・ハーンに関する知識に飢えていたモンゴル人の要望に応えた。 現地での好評につづきアメリカで出版されると、たちまち『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーにランクインした。ウェザーフォードは以下のようにチンギス・ハーンを評価する。<チンギス・ハンの帝国は彼を取り巻く多くの文明を結びつけ、融合させ、新しい世界秩序をもたらした。 1262年に彼が生れたころの旧世界は、それぞれすぐ隣の文明しか知らないに等しいローカルな文明群から成っていた。中国でヨーロッパのことを聞いた人はいなかったし、ヨーロッパで中国のことを聞いた人もおらず、また記録に残るかぎりそのふたつのあいだを旅した人もいなかった。 ・・・彼は人類社会を一変させたのだ。チンギス・ハンの軍勢は、倒れた主君を隠密に埋葬するため、ふるさとのモンゴル地方へ運ぶ。> ウェザーフォードはモンゴル語の年代記やその他の史料をふんだんに引用し、モンゴル人が伝えるところのチンギス・ハーン関連の遺跡をまんべんなく訪ね歩いた。 ウェザーフォードは更に語る。 近代に入ってから、西洋のキリスト教徒の植民地主義者もロシア人共産主義者も、みな自らを「解放者」に仕立てあげるために、チンギス・ハーンを「人類史のどん底に引きずりおろ」して、虐殺者や侵略者に書き換えた、という。 一方、近年では、内陸アジアの「ステップの視野」に立つイギリスの歴史家・旅行作家のジョン・マンによる著作『チンギス・ハン―その生涯、死、そして復活』が注目を集めた。ジョン・マンもまたモンゴル全域を旅し、各地各界のモンゴル人にインタビューをし、草原に暮らす遊牧民が如何に「英雄なる祖先の栄光」を誇りに思っているかを活写し、欧米が今日までに意図的に歪曲してきた「チンギス・ハーンの本来の歴史」の復原に力を入れた。 ジョン・マンはまず二つのセンセーショナルな記事に注目する。その一つは、1995年12月に『ワシントン・ポスト』紙が、チンギス・ハーンを「過去千年で最も重要な人物」に選んだ特集記事。もう一つは、権威あるオックスフォード大学などの研究者チームが発表した成果だ。それはチンギス・ハーンには「今日、1600万人もの子孫がいる」というものだった。『「中国」という神話』2:ウイグル人「テロ」の背景『「中国」という神話』1:モンゴル人を殺して匈奴を愛す
2021.07.29
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図書館で『「中国」という神話』という本を手にしたのです。目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。【「中国」という神話】楊海英著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。<読む前の大使寸評>目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。rakuten「中国」という神話「第六章 ウイグル人「テロ」の背景」で中華の本質を、見てみましょう。p195~198<中国流植民地支配の本質> 新疆ウイグル自治区は中国に編入されてから激変を経験してきた。人口の面では1949年には僅か29万人しかいなかった中国人は今や800万人以上に膨れ上がった。これには各地に駐屯する人民解放軍の数は含まれておらず、実態は不明である。 中国人の侵略をどのように理解すべきか。 私は、移民屯田は典型的な植民地体制だと認識し、研究してきた。中国は古典的な植民地主義支配をすすめているが、日本の研究者や言論人はそうした事実を見て見ぬふりをしてきたのではないか。それは植民地支配とは西洋や日本帝国主義の特産物であって、「人類の理想郷である社会主義国家」に植民地的な側面はありえない、という風に考え、思考停止の状態に陥っていたかろうであろう。 貧しいプロレタリアートと貧しい農民は民族の垣根を越えて団結し合い、「美しい理想の国家」を建設する、とマルクス・レーニン主義者たちは嘘をついた。その嘘を信じた日本人も大勢いた。 貧しいウイグル人やチベット人、そしてモンゴル人たちを差別し、抑圧してきたのもまた決して裕福ではない中国人であるとの事実をどのように解釈すべきだろうか。これは、19世紀以来、人類に突き付けられた未解決の課題である。<ウイグル人の歴史的背景から中華を眺める> 新疆ウイグル自治区で起こっている抵抗運動について、日本のマスコミも大方、中国人による政治的な抑圧と民族差別、そして深刻な経済的な搾取に原因がある、と分析し報道している。こうした論点も正しいが、もう少し、ウイグルの視点から民族問題の構造に切りこむ必要もあるのではないか。 ウイグル人は内陸アジアのテュルク系の民族である。 テュルク系の民族はユーラシアの東西に分布し、その総人口は約7億人以上に上る。このテュルク系諸民族の大家庭のなかで、ただ一つ、ウイグルだけが独自の民族国家を擁していない。 他の同胞たちは独立国家か、ロシア連邦(旧ソ連邦)内で自治共和国を形成してきた。ウイグル人は中国において、有名無実の「民族区域自治」の権利(もし、それらしきものがあるとするならば)だけを享受している。 ウイグル人たちもユーラシアの仲間と同じように、独自の民族国家を創設しようと努力してきた。彼らは1940年代に「東トルキスタン共和国」を立ち上げていた。「東トルキスタン共和国」には新疆のモンゴル人とカザフ人、それにタタール人も加わり、調和した体制が敷かれていた。この国家はそのままウイグル人主体の国家になるか、ソ連邦に加わるかの寸前まで進んでいた。しかし、ソ連と中国との間で交わした戦後体制に関わる協定により、中国領内に留まる決定が出された。 こうした戦後体制構築の決定に少数民族のウイグル人は参加していなかった。大国同士で勝手に弱小民族の命運を左右していたのである。言い換えれば、今の戦後体制は、少数民族の犠牲の上に成り立っているので、限界に来ているのも至極、自然の流れである。 中国共産党も結党当初の1920年代から中華人民共和国の成立直前までは、辺境の諸民族に「民族自決権」を与える、と約束していたのは周知の事実である。建国にあたって、「アメリカ帝国主義が新疆とチベット、それに内モンゴルの分離を画策しているので、民族自決ではなく、区域自治に変更する」と政策を一方的に変えた。 諸民族からすれば、それまでの民族自決云々は、所詮はフロンティアの人々の離反を食い止めるための方策でしかなかったと映った。自分たちは騙された、との心情がずっとウイグル人とチベット人、そしてモンゴル人の脳裏から離れなかったのである。『「中国」という神話』1
2021.07.29
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図書館で『「中国」という神話』という本を手にしたのです。目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。【「中国」という神話】楊海英著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。<読む前の大使寸評>目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。rakuten「中国」という神話「第一章 中華民族は兄弟という神話」で匈奴と呼ばれたモンゴル民族を、見てみましょう。p38~42<3 モンゴル人を殺して匈奴を愛す> 中国人は、紀元前からユーラシア大陸で活躍した匈奴を「モンゴル民族の祖先」と見なす。そして、「匈奴族もモンゴル民族も、我が国の北方の少数民族で、その政権は我が国の地方政権だった」と弁じる。 それに対し、日本の歴史学者の沢田勲はその名著『匈奴―古代遊牧国家の興亡』(1996年)の中で以下のように指摘する。 そもそも近代の概念「民族」で古代の歴史を語るには限界があり、匈奴が打ち立てたのは独自の遊牧国家で、漢王朝の属国ではなく、「中国の古代少数民族」でもない。むしろ漢王朝が成立した最初の頃は、匈奴の方が遥かに強かったので、漢の高祖も匈奴の単于と「兄弟」と称せざるを得なかった、と。そして沢田勲は次のように喝破している。 沢田勲の研究によると、匈奴と漢の両国家間の外交的なやりとり、たとえば国書の形式や言葉遣いを見ても、実際は匈奴の方が上だった。実力の面で強かった匈奴と対等な関係を構築したかのような概念操作は、「中華思想を標榜する漢の哀れな見栄の現れであった」と沢田勲は指摘している。 漢王朝の「和親」政策とはどんなものだったのだろう。 沢田に言わせると、中国人の女性を異民族に嫁がせる行為は一種の懐柔政策であるという。ただし、異民族が強かった時には皇帝直系の娘が、中国が優位に立つと、皇室以外の女性が選ばれた。王昭君も、皇帝家の出身ではなかったので、漢と匈奴の関係が逆転していた時期の産物である。 日本人の考古学者は以下のように論じる。 強度が建設したのは遊牧帝国で、漢との関係もユーラシア東部における大国同士の国際関係である。漢籍の記録を見ると、紀元前33年に王昭君をもらおうとして呼韓邪単于が漢の朝廷を訪れた際に、どのように彼を迎えるかをめぐり、皇帝と臣下たちの間で議論が湧き起こった。 最終的には、匈奴は漢の暦を使わない敵国であるので、臣下の礼ではなく客分の礼で対応し、呼韓邪単于が藩臣と称しても、漢は謙虚な気持ちを見せて臣下扱いせずに、諸侯王よりも上に置く待遇をするのが妥当だ、決着している。王昭君が嫁いだあとの両国関係は、しばらくは順調だった、という。 このような実証的な成果を踏まえた日本の研究者たちと、中国人史家の見解はまったく異なる。彼らは、漢王朝と匈奴の和解は「民族団結」だったと説くのだ。中国を代表する「匈奴史家」は、広東省出身の林幹だとされている。現代中国で語られる自身と匈奴の関係史は、ほとんど林幹の見解に沿ったものなので、彼がどういう人物であるかに注目する必要がある。■モンゴルの「罪」を発見した林幹 1966年から中国文化大革命が勃発すると、内モンゴル自治区では大規模なジェノサイドが実行された。政府の公式見解によると、当時、人口約150万人弱のモンゴル人に対し、中国政府は34万人を逮捕し、2万7900人が殺害され、12万人に身体障害が残った。モンゴル人たちはかつて「民族分裂的な活動」を行った内モンゴル人民革命党員の残党であるとの理由で虐殺されたのである。これは、かつて「日本のウパイであった」ということだ(楊海英『墓標なき草原』2009年)。 内モンゴル人民革命党は、コミンテルン(共産主義インターナショナル)とモンゴル人民共和国の支持で、戦前の1925年秋に成立した、モンゴル人の民族主義の政党である。日本が内モンゴルに進出していた時期、同党の党員の多くは日本の力を借りて中国から独立しようと模索した。同胞との統一は、1945年2月に結ばれた「ヤルタ協定」の密約によって葬られたため、内モンゴルのモンゴル人は仕方なく中国人との共生を選ばざるを得なかった。 「ヤルタ協定」の密約では、北方4島をソ連に、内モンゴルを中国に譲渡する、と決めていた。もちろん、このヤルタの会議場にはモンゴル人や日本人のために用意された椅子はなかった。 中国政府から有名無実の「区域自治」を与えられた内モンゴルであるが、1960年代になって、すでに解散させられていた内モンゴル人民革命党の「罪」がふたたび発見された。発見したのが他でもない、「匈奴史家」の林幹である。 林幹は、1957年に打ちモンゴル大学が創建された際に、中国内地から「辺境の人々を援助する人材」として政府から派遣されてきた。彼は歴史を調べようとして自治区の公文書を読みあさり、モンゴル人の「過去の民族分裂的な活動」を見つけた。彼は早速、自らの「発見」を中国政府の情報機関に報告した。 中国政府の情報機関は「内モンゴル人民革命党」は解散しておらず、地下に潜伏して活動していると判断した。ここから、大勢のモンゴル人が逮捕され、殺戮されていったのである。この記事も嫌中本あれこれR7に収めるものとします。
2021.07.29
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当り次第」でしょうか♪<市立図書館>・宇宙の誕生と終焉・言語化力・草原からの使者<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【宇宙の誕生と終焉】松原隆彦著、SBクリエイティブ、2016年刊<「BOOK」データベース>より宇宙の始まりはどうだったのか?外に時間がないとはどういうことか?どんな物質でできているのか?そして私たちの住む地球や太陽系、はては宇宙自体はどのように終わりを迎えるのか?宇宙に興味をもつ方が抱く数々の疑問に応えるため、宇宙論を長年専攻してきた新進気鋭の著者が、誕生から終焉までをストーリー仕立てにしてわかりやすく解説していく。<読む前の大使寸評>大使のツボでもあるブラックホールやダークマターがわかりやすく解説されているようです。・・・と言うことで迷わず借りたのです。rakuten宇宙の誕生と終焉【言語化力】三浦崇宏著、角川書店、2020年刊<「BOOK」データベース>より「自分の考えをうまく伝えられない」「うまく話せず、プレゼンで負けてしまった」「SNSで発信しても誰も見てくれない」を解決する、君の言葉を「最強の武器」にする方法。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten言語化力【草原からの使者 沙高楼奇譚】浅田次郎著、文芸春秋、2012年刊<「BOOK」データベース>よりロンドンの超高級カジノの一夜は夢のように過ぎたー。大資産と才気、家柄、すべてを持った青年の驚愕の告白とは。総裁選の真実、大馬主が体験した運命の勝負、そしてアメリカ人退役軍人たちの「もう一つの戦い」。金と名誉を得た者だけが味わう甘美と戦慄を、浅田次郎が精緻に織り上げた傑作短編集。【目次】宰相の器/終身名誉会員/草原からの使者/星条旗よ永遠なれ<読む前の大使寸評>浅田さんの傑作短編集とあれば、まず「外れ」はないだろうし、期待できそうやでぇ♪ところで、帰って調べてみるとこの本を借りるのは2度目であることが分かりました。(またか)rakuten草原からの使者 沙高楼奇譚************************************************************図書館大好き499
2021.07.28
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図書館で『冫 にすいです。』という本を手にしたのです。目次を見ると多彩な対談者見られるわけで・・・冒頭にかわぐちかいじ氏を配しているのが、ええでぇ♪【冫 にすいです。】冲方丁著、角川書店、2013年刊<「BOOK」データベース>より『天地明察』『光圀伝』の異才が各ジャンルの強者達と語り合った7年の軌跡。仕事とは。創作とは。そして、日本人とは。熱く濃密な対談集。<読む前の大使寸評>目次を見ると多彩な対談者見られるわけで・・・冒頭にかわぐちかいじ氏を配しているのが、ええでぇ♪rakuten冫 にすいです。井坂氏との対談を見てみましょう。p139~143<小説にしか出来ないこと:井坂幸太郎> ■リベンジの思いで書き始めた『マリアビートル』冲方:『マリアビートル』敢行、おめでとうございます。ここが面白かった、良かったと具体的に言いたいんですが、ネタバレしそうで怖いですね(笑)。何の予備知識もなく読み始めたので、途中で『グラスホッパー』(角川文庫)に続く世界の話なんだと気づいてビックリしました。井坂:『マリアビートル』は『グラスホッパー』が出た頃からタイトルだけは決まっていたんです。『グラスホッパー』は出た直後、僕の周りで評判が悪かったんですよ。冲方:え! そうだったんですか?井坂:正確には本が出る前から。最後のゲラをやっている頃に、プロモーションの関係なのかゲラを読んでる人がいて、そういった人から、「今回のはどこが面白いのか分かりませんでした」みたいなメールが届いたりして。「まだゲラやっているのに!」って(笑)。冲方:ひどーい! それはへこむわ(笑)。井坂:そうなんですよ! 発売後も結構、評判は悪くて(苦笑)、僕としては自信があったから、正直ショックで、だからすぐにリベンジしてやると思って。「同じ世界観の小説で、今度は面白いって言わせてやる!」と。タイトルも虫つながりで『マリアビートル』と決めて。その後、書く余裕が全然なくなって6年後になってしまったんですけど。冲方:最初から新幹線の中で物語が展開するという設定だったんですか?井坂:6年前には頭になかったですね。嫌な子どもと復讐する男の話、というアイディアはあったんですが。で、去年、ある漫画家さんとお会いする機会があって、この人は次にこんなのを描いたら面白いんじゃないかって勝手に考えたのが、「新幹線の中で殺し屋同士が戦う話」だったんです。でも、その漫画家さんの反応は「ふーん」みたいな感じで(笑)。その後、「これは自分で書いたほうが面白くなるかも」と思ったんです。冲方:面白くなると思ったということは、ディテールまで思い浮かんでいたんですか?井坂:どうなんだろう。ただ、殺し屋が新幹線の中を走っているところに、別の殺し屋が乗ってくることで物語が動く。その瞬間ってすごくワクワクするんじゃないか、ということだけは思ってましたね。それと、新幹線の中だけで完結する物語ってあまりないんじゃないですか。それも面白いなと思って。ただ、電車の中だけの話なんて誰でも思いつくことだから、先に誰かが書いてしまうんじゃないかっていう不安はありましたね。冲方:新幹線の中だけ、というのは大変だから、やりたがる作家はあまりいないんじゃないかな(笑)。しかも東北新幹線の東京駅から盛岡駅まで、と限定されているし。井坂:確かに大変でした。唯一よかったのは、編集者に原稿の進捗状況を知らせるときに「大宮まで書きました」と言えたこと(笑)。冲方:わかりやすい(笑)。しかし、限定された空間で、しかも通路が1本しかない。すぐに鉢合わせしてしまいますよね。プロットの組み立てが大変だったんじゃないですか?井坂:試行錯誤ですね。どちらに逃げても袋小路じゃないですか。書き始めてからそのことに気づいて。すぐつかまっちゃうじゃん。と(笑)。ただ、『モーニング』に『モダンタイムズ』を連載していたときに、物語が袋小路に入って、どうやって突破しよう、と毎回担当者と知恵を絞ったことがあったんです。その時の経験が生きたのかもしれない。『冫 にすいです。』1以前に読んだ『グラスホッパー』を付けておきます。【グラスホッパー】伊坂幸太郎著、角川書店、2007年刊<「BOOK」データベース>より「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとにー「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。<大使寸評>【バッタは蝗害を起こす前に、普段の「孤独相」と呼ばれる体から、「群生相」と呼ばれる移動に適した体に変化する。これを相変異と呼ぶ】この本のタイトル『グラスホッパー』はサバクトビバッタを比喩しているとのこと。なるほど、都会の孤独な殺し屋は、サバクトビバッタなのか。伊坂幸太郎の作品としては珍しく、希望が語られることはなく、殺しに徹しています。rakuteグラスホッパー
2021.07.28
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図書館で『冫 にすいです。』という本を手にしたのです。目次を見ると多彩な対談者見られるわけで・・・冒頭にかわぐちかいじ氏を配しているのが、ええでぇ♪【冫 にすいです。】冲方丁著、角川書店、2013年刊<「BOOK」データベース>より『天地明察』『光圀伝』の異才が各ジャンルの強者達と語り合った7年の軌跡。仕事とは。創作とは。そして、日本人とは。熱く濃密な対談集。<読む前の大使寸評>目次を見ると多彩な対談者見られるわけで・・・冒頭にかわぐちかいじ氏を配しているのが、ええでぇ♪rakuten冫 にすいです。冒頭のかわぐちかいじ氏との対談を見てみましょう。p17~20<かわぐちかいじ> ■「核」の問題は避けて通れない冲方:『ジパング』は「過去の日本」、『太陽の黙示録』は「未来の日本」と、二作はどちらも取材が困難な舞台を選んでいます。例えば『太陽の黙示録』のように、日本が南北に分裂した後の政治状況や文化風土の状況などは取材のしようがありません。なぜこのような困難な題材を選択されたのでしょうか。かわぐち:実際の取材は不可能でも、想像力は働きますからね。現在の世界状況から見るとこうなるだろうというある程度の予測はつきますし、その予測を元に資料を集めることもできる。終戦後のベルリン、朝鮮半島、ヴェトナムなどの例を見ても分かる通り、国土が二分されるという状況はまったくリアリティのない話ではないですから。 それと、日本が大地震によって物理的に国土が分断され、南と北でそれぞれ別の国家体制が敷かれることになったら我々日本人はどうなるだろうと想像すると、「日本人」とは何か、「日本」とは何か、と考える糸口になるんじゃないかと思うんです。自分のことは、自分を鏡に映してみないとなかなか分からない。『太陽の黙示録』と『ジパング』は、その鏡を作っているような気持ちなんですよ。 冲方:原爆は「日本人」にとっての鏡であると同時に、「人類」というものを一番実感できる鏡であると思うんです。『ジパング』では、核爆弾の原料であるウランを「」と言葉だけで抽象的に表現するのではなく、鉛の箱に入れたそのモノ自体を具体的にマンガの中で描いていることに驚きました。「日本人」と「人類」の問題に対して、かわぐち先生が真正面から向かい合っている証拠だと思います。■マンガが「健康的」である理由かわぐち:『ジパング』と『太陽の黙示録』は、読者が「日本人であることはそんなに悪くないな」と自信を持てるような作品にしたいと思っているんだよね。日本人である自分がうぬぼれたいところと、否定したいところ、それらを「劇」の中できちんと見せていきたいなと。 このところ韓流ブームとやらで、韓国の映画とかドラマが日本にどっと押し寄せてきているでしょ。僕は「」が好きなので(笑)、わりと観てる方だと思うんだけど、だから余計ね、日本人の自分たちがどういう物語を作れるかということをよく考える。 冲方:実は僕は、父親の仕事の都合で、14歳までネパールや東南アジアで育ち、学校はアメリカンスクールだったという、滅茶苦茶な環境で教育を受けました。子どもの頃の僕が見てきた世界地図は、アメリカの世界地図だったんですよ。世界の中心に日本が印刷された世界地図ではなく、日本が右端つまり“極東”に印刷された世界地図を目にしていたことで、日本と世界との関係を常に考えさせられたんです。 外国人の友達からは「日本ってどこにあるの?」「日本はGNP第2位だけど、世界の中で日本が果している役割って何?」と質問攻めにあって、その都度自分なりの回答を作る必要に迫られていいた。でも、中学2年の時に日本に帰ってきて周囲を見渡してみると、「日本とは何か?」という意識はどこにもなかった。ないから日本社会の中に生きている実感が湧かないんじゃないかなと思うんですね。かわぐち先生のマンガを読むと、その実感が蘇ってくる感覚があります。かわぐち:その「実感の無さ」は、今すごく大きな問題だと思うんだよね。韓国ドラマを観ると、「人間」が濃いんですよ。社会の中に生きている実感を持った人間たちが躍動している。日本のドラマは軽いんだよね。でもね、終戦前後の昔の日本映画を観ると、その頃の登場人物はみなその実感を持っているんだよ。 戦後の日本は徐々に、社会性と生きている実感を奪うような時代になっていったんだと痛感しました。ただ、韓国のドラマが日本のものと違うもう一つの点は、運命に翻弄される人々が描かれやすいことなんです。でも、人間ってたとえ善人であっても他者を翻弄してしまうことだって普通にありうるわけじゃないですか。冲方:僕も韓国の戦争映画は何本か観ているんですが、すべって翻弄された側の視点から描かれていますよね。正直、泣かされるんですけど、物足りないと感じることも少なくない。かわぐち:確かに、翻弄されてしまう人物のリアルさたるや、日本人は圧倒されますよ。でも、「自分は翻弄された側である」という視点のみでは、当然描けない部分が出てくる。韓国のドラマが世界に発信しうる普遍性に辿り着くためには、「人は善人でも他者を翻弄してしまうことがある」というもう一つの視点を獲得していかなければならないと思う。 冲方:韓国がそれを獲得する前に、こちらがもっといい作品を作りたいですね。11年前に読んだ『ジパング』シリーズを付けておきます。 「ジパング」シリーズ購入に踏み出し20巻まで購入したが、本棚に収まらず狭い部屋に散らかるではないか・・・・これはアカン。これはアカンということで、コミック喫茶なるものに初めて踏み込み、以降2回通って全43巻を読破したのです(良かったね)コミック喫茶の時間料金制は店によって違うのだが、ある店では5時間を選べば安かったのに3時間を選び、あげく超過料金を払わされ地団太踏んだ大使であるが(悔しいのだ)
2021.07.27
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和田誠さんの「仕事場対談」という本を読んだのですが、一歩間違えば変人と言われかねない規格外の人がいたりして、面白いのです。これをきっかけに、イラスト作品が気にいっている人、その生き方が面白い人など・・・ネットからイラスト作品を探してみました。なお東京イラストレーターズ・ソサエティ(略称TIS)の顔ぶれを見てみると・・・和田さん交遊関係や私のご贔屓は旧世代になっていることがわかります。当然かもしれないが。気になるイラストレーターの作品を並べてみます。・アーサー・ラッカム・ショーン・タン・ジョン・テニエル・ヤン・シュヴァンクマイエル・ベン・シャーン・横尾忠則・テリー・ギリアム・沢野ひとし・下谷二助・宇野亜喜良・ささめやゆき・田島征三・安西水丸・和田誠・山本容子・佐野洋子・山藤章二R4:「アーサー・ラッカム」を追加<アーサー・ラッカム『リップ・ヴァン・ウィンクル』>図書館で『リップ・ヴァン・ウィンクル』という絵本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくって見るとアーサー・ラッカムの挿絵集のような装丁になっていて・・・ええでぇ♪【リップ・ヴァン・ウィンクル】ワシントン・アーヴィング×アーサー・ラッカム著、新書館、1981年刊<Customer reviews>より 始めて見るタイトルでしたが、ラッカムが好きなので購入してみました。この本に収録されているタイトルは本題の一話のみですが、その代わり本の厚さの半分はカラーイラストです。このイラストの豊富さは、ラッカム自身、リップ・ヴァン・ウィンクルがの愛読者だったからだそうです。 これはアメリカ版浦島太郎ですが、違いは、浦島太郎は”海の世界”の描写が結構長く書かれてありますが、こちらは、”夢の世界”は約三ページしかありません。その代わりリップの性格、生活、そして戻ってきてからの、アメリカの様子、政治の事・・・人々、世の中の変貌の様子が、詳しく書かれてあります。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくって見るとアーサー・ラッカムの挿絵集のような装丁になっていて・・・ええでぇ♪amazonリップ・ヴァン・ウィンクル『リップ・ヴァン・ウィンクル』1<夏のルール>図書館で『夏のルール』という本を手にしたが・・・・おお ショーン・タンの新刊の絵本やないか♪【夏のルール】ショーン・タン著、河出書房新社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりきょうだいがいる人もいない人も大人も子供もみんなの心にじん、と残る『アライバル』『遠い町から来た話』のショーン・タンが描くあたらしい夏のものがたり。<大使寸評>すばらしい作品がならぶ、ショーン・タンの絵本の最新刊(2015年時点)です。不安感と郷愁が垣間見えるのは・・・・ディアスポラあるいは移民としての原点が見えるようです。ついでに、持論をひとこと・・・・強大な漢族と対峙するニッポンも、ディアスポラの不安感は他人事ではないわけです。rakuten夏のルール<ジョン・テニエル>図書館で『図説不思議の国のアリス』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・この本にはアリスとキャロルのポートレート、キャロル自筆のイラスト、ジョン・テニエルの挿絵、アーサー・ラッカムの挿絵などがてんこ盛りであり、まさにビジュアル本という感じでおます。【図説不思議の国のアリス】桑原茂夫著、河出書房新社、2013年刊<「BOOK」データベース>よりおかしな住人の出自を探り、奇妙な論理を読み解く、魅惑のワンダーランドの完全ガイド。【目次】序章 不思議の国への招待(『不思議の国のアリス』の成立/地下の国こそ不思議の国 ほか)/第1章 アリスの「不思議の国」へー『不思議の国のアリス』を読む(ウサギ紳士に誘い込まれたアリス、深い穴を落下/いきなり小さくなったアリス ほか)/第2章 アリスの「鏡の国」へー『鏡の国のアリス』を読む(アリス、鏡の国でチェスの駒を驚かせる/鏡を通して見ればちゃんと読める文字 ほか)/第3章 アリスとキャロルと写真術(キャロルにとっての写真術/キャロルの時代の写真術 ほか)<読む前の大使寸評>この本にはアリスとキャロルのポートレート、キャロル自筆のイラスト、ジョン・テニエルの挿絵、アーサー・ラッカムの挿絵などがてんこ盛りであり、まさにビジュアル本という感じでおます。rakuten図説不思議の国のアリス『図説不思議の国のアリス』1【ヤン・シュヴァンクマイエル】【不思議の国のアリス】ヤン・シュヴァンクマイエル, ルイス・キャロル著、国書刊行会、2011年刊<「BOOK」データベース>より幻想芸術の魔術師が描くルイス・キャロルの夢の王国。新装版にて待望の復刊。<読む前の大使寸評>シュールでインパクトのあるイラストが、ええやんけ♪借りたのはエスクァイア マガジン ジャパン社2006年刊の初版です。rakuten不思議の国のアリス不思議の国のアリスbyドングリ【ベン・シャーン】社会派画家としても、クロスメディア・アーティストとしても別格ですね。ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト【横尾忠則】この人も別格ですね。天井桟敷のポスターを描いていた頃がいちばん元気だったかも。横尾忠則の日記【テリー・ギリアム】映画監督なので、イラストレーターと並べるのは失礼かもしれないが・・・監督の描くコンセプトボードはイラストとして、立派なものでんな♪テリー・ギリアム監督アンソロジーからジャバー・ウォッキーの挿絵を、おまけだ♪ジョン・テニエルによるジャバウォック若きテリー・ギリアム監督はジャバー・ウォッキーの詩と絵にインスパイアされたそうです。【沢野ひとし】独特の哀愁がただようが・・・・へたうまで、「これなら俺でも描ける」と思わせてくれるイラストレーターである。(実は、椎名誠との2人3脚という強力なメリットを生かして、今の地位を得たものである)でも、シロウトにやる気を起こさせたことは、社会に貢献できたのかも?【下谷二助】破天荒な海外生活を経験しながらも、本筋のアートに辿りついたようです。【宇野亜喜良】このイラストは・・・うまいとしかいいようがないでぇ♪【ささめやゆき】ささめやゆき:絵本ナビ【田島征三】田島征三の生き方に惹かれるものがあるのです。田島征三オフィシャルホームページより1940年 大阪府堺市で兄征彦と一卵性双生児として生まれる。6歳から19歳までを自然豊かな高知県(6~11歳 芳原村(現春野町)、11~19歳 高知市朝倉)で暮らす。この時期に、小川で魚を手づかみで持ったりした時の、生き物が掌の中で暴れる感触は今も創作の根になっているという1989年に日の出町に残る最後の美しい谷間が第2の巨大ゴミ処分場計画候補地になっていることを知り、夫婦で反対運動をおこすことを決意する。森の中で反対運動をしている間に森の植物や小動物との連帯を強く感じ、インスピレーションを得る。 胃がんを患い、胃の2/3を摘出する手術を行う。転地療法のため、伊豆高原(静岡県伊東市)に移住する。(1997年)手術後、体力をつけようと森の中を歩いていた時、シロダモ大木に呼び止められた気がしてふと立ち止まる。翌年の秋、その実を集めて制作した絵本『ガオ』を出版する。「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」は、新潟県十日町市の鉢集落にあります。JR十日町駅から「鉢」行きの路線バスに揺られ、市街地を抜け、信濃川を渡り、山を越え、谷を越え、また山を登ると現れる、すり鉢の形をした集落。ここ「鉢」にある、2005年に廃校になった真田小学校が、2009年7月26日、空間絵本美術館として生まれ変わりました。【安西水丸】村上春樹と組んで文庫本に登場することが多い人ですが、東京イラストレーターズ・ソサエティ(略称TIS)の理事長なんですね。偉いんだ。【和田誠】多くのイラストレーターとの交遊があり、人徳があるのでは。平野レミ、和田誠を偲ぶ「なんで私をすきになったのか、聞いてみたかったな」和田誠:東京イラストレーターズ・ソサエティ【山本容子】この人の銅版画もええなぁ♪ この人から教わった著名イラスレーターも多いそうです。これは、虫愛づる姫君のようですね。山本容子美術館【佐野洋子】絵本「100万回生きたねこ」の作者として、また作家として有名ですね。amazon100万回生きたねこ【山藤章二】おっと 山藤章二さんを抜かすわけには、いかないだろう。(あと何人も抜けているかも?)週刊朝日 山藤章二の似顔絵塾 掲載作品一覧和田誠さんの「仕事場対談」という本を紹介します。【仕事場対談】和田誠著、河出書房新社、2001年刊<「MARC」データベースより>和田誠が仕事上影響を受けて来たイラストレーター24名の仕事場を訪れ、制作から過去・日常・趣味までさまざまな話を聞き出し、創作の秘密に迫る! 巻末に番外編・同世代3名との対談つき。『イラストレーション』連載。 <大使寸評>27人との対談なので、和田さんが嫌う人でなければ(笑)、古手の著名イラストレーターは、ほぼ網羅しているのかも。一歩間違えば変人と言われかねない規格外の人がいたりして、面白い本である。個人的に気になる人は・・・下谷二助、沢野ひとし、安西水丸、南伸坊、田島征三、横尾忠則、ささめやゆき、山本容子、長新太、宇野亜喜良、etcAmazon仕事場対談
2021.07.27
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「外交・安保」でしょうか♪<市立図書館>・冫 にすいです。・国境の人びと・サイクス=ピコ協定 百年の呪縛・「中国」という神話<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【冫 にすいです。】冲方丁著、角川書店、2013年刊<「BOOK」データベース>より『天地明察』『光圀伝』の異才が各ジャンルの強者達と語り合った7年の軌跡。仕事とは。創作とは。そして、日本人とは。熱く濃密な対談集。<読む前の大使寸評>目次を見ると多彩な対談者見られるわけで・・・冒頭にかわぐちかいじ氏を配しているのが、ええでぇ♪rakuten冫 にすいです。【国境の人びと】山田吉彦著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>より境界だからこそ晒される脅威と苦難。だが、そこにも根を下す人々がいた。北は択捉島から南は沖ノ鳥島まで、東は南鳥島から西は与那国まで、世界で六番目に広い「海」を持つ日本。その国境はすべて海の上にある。紛争の最前線、北方領土、対馬、竹島、尖閣諸島をはじめ、99に上る国境離島のことごとくに足を運び、自らの目で確かめた著者が、そこで暮す“人”を通じて問い直す「この国のかたち」-。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten国境の人びと【サイクス=ピコ協定 百年の呪縛】池内恵著、新潮社、2016年刊<「BOOK」データベース>より百年前の「秘密協定」は、本当に諸悪の根源なのか?いまや中東の地は、ヨーロッパへ世界へと難民、テロを拡散する「蓋のないパンドラの箱」と化している。1916年、英・仏の協定によって地図の上に無理やり引かれた国境線こそが、その混乱を運命づけたとする説が今日では専らだ。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。危機の本質を捉える緊急出版!<読む前の大使寸評>なんか既視感のある本だが、まあいいかと借りたのです。帰って調べると4年前に借りていたのです。(またか)rakutenサイクス=ピコ協定 百年の呪縛【「中国」という神話】楊海英著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。<読む前の大使寸評>目次を見てみると、どれも興味深いテーマが並んでいます。・・・モンゴル生れで静岡大学教授という著者の出自には一目置くわけでおます。rakuten「中国」という神話************************************************************図書館大好き498
2021.07.26
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図書館で『サブマリン』という本を手にしたが・・・家裁調査官・陣内と武藤が登場する『チルドレン』の続編みたいなお話しになっているようです。【サブマリン】伊坂幸太郎著、講談社、2016年刊<ブログのレビュー>より『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。<読む前の大使寸評>家裁調査官・陣内と武藤が登場する『チルドレン』の続編みたいなお話しになっているようです。rakutenサブマリン">この本の冒頭の語り口を、見てみましょう。p3~5 「ええと、名前何だったか。棚ボタ君か」 「陣内さん、棚岡ですよ」慌てて訂正する。 僕と陣内さんは車の後部座席に座っていた。あいだには少年が乗っており、その彼が棚岡佑真なのだ。 「武藤、おまえ、奥さんから怒られないのか、細かすぎるって」 「名前を茶化すのは絶対やっちゃだめだ。ってよく言ってたじゃないですか」 「そういうことを言うのはどうせ、ろくでもない」 「昔の陣内さんですよ」 社内は一瞬しんと静まり返る。真ん中に座る棚岡佑真は無表情で俯き気味だ。僕が出会うのはたいがい何らかの事件を起こした少年だが、その少年たちの中には不貞腐れている者も少なくない。そして棚岡佑真も不貞腐れている。 自分の息子のことを考えた。今のところはまだ保育園で女の子に泣かされ、二つ年下の妹にも手を焼き、半べそになることが多いくらいだが、あと十数年すればこの彼のようになるのかと思うと、なかなか実感が湧かない。 「まあ実際、名前を馬鹿にしたり、頭髪が薄いだとか厚いだとか、緊張すると顔が赤くなるだとかな、本人にもどうにもなんないことをネタにするのはレベルが低いんだよ。笑えないっての」 「今、棚ボタ君と呼んだ人が言うと、説得力ありますね」 陣内さんはむすっとした面持ちで少し黙った。抗弁しようと頭を働かしていたのかもしれないが、やがて犯人が自白するかのような勢いで、「すまん、名前のことを茶化したのは俺が悪かった」と手を合わせ、隣の少年を拝むようにした。どんなに負け戦でも粘りに粘り、結果として引き際を失うのが常の陣内さんも稀にこうして潔い。 車は、東京少年鑑別所に向かっている。警察での取り調べを受け、拘留期間を終え、拘置所から家庭裁判所まで運ばれてきた少年は、裁判官が面談の末、「保護措置が必要」と判断するとそのまま鑑別所へと護送される。車に乗るのは裁判所職員で、誰が行くかは順番で決まっているのだが陣内さんは半ば強引に、 「俺が行く、俺が行く」と割り込んできた。暇だったのだろう。 暇だからという理由でルールは変えられないから、ああだこうだと一応、大義名分を掲げ、まわりはろくにそれを聞かなかったものの、面倒だから陣内さんが行けばいいですよ、となった。 「そういえば、武藤、びっくりするくらいがっかりな情報を仕入れたんだけどな」 「異動してきて、また陣内さんと同じ職場になった時の僕も、かなり、びっくりがっかりしまいたよ。あれ以上ですか」(中略) 家裁の調査官は三人で一チームの「組」となることが多い。同じ組にはなりませんように、と祈ったが、祈れば祈るほど、現実はそうなってしまうのか、見事、陣内さんの「組」に属することになった。これもまた逃れられぬ運命なのか、と天を仰いだ。 おまけに、同じ組のもう一人、僕よりも若い調査官であるところの木更津安奈がこれまた捕らえどころのない女性で、血が流れているのかいないのか、同じ色の血が流れているのかいないのか、感情が表に出ないタイプで、無気力とまではいかないが、何かと言えば、 「そこまでする必用がありますか?」が口癖の人物であった。 世の中の大半のことは、「そこまでする必用がある」とは言い難く、それを言い出すのなら古代エジプトの建築物も科学の進歩も否定されかねない。誰だってメリットデメリットの計算ではなく、気まぐれや思いつき、もしくは致し方がない事情でこなしているのだ。少なくとも僕はそうだ。 「必要かどうか、を重視するならもういっそのこと、ずっとカプセルに入って、寝ていればいいよ」と言いたくなることもあったが、木更津安奈が、「そういうカプセルがあれば、そうします」と真面目に答えてくるのは予想できるため、言わない。この記事も伊坂幸太郎の世界に収めるものとします。
2021.07.26
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在200位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在2位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在60位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在50位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在425位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在183位・鎌田由美子『「よそもの」が日本を変える』(4/26予約、副本1、予約6)現在3位・マイケル・サンデル『実力も運のうち』(5/05予約、副本1、予約73)現在39位・ヤマザキマリ『生贄探し』(5/14予約、副本1、予約19)現在8位・『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(5/30予約、副本2、予約16)現在13位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在265位・『生態学者の目のツケドコロ』(6/28予約、副本3、予約21)現在18位・『チャイニーズ・タイプライター』(7/17予約、副本1、予約3)現在5位・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、副本1、予約16)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・『大人の恐竜図鑑』・『レアメタルの地政学』・『中国の大盗賊』・ブレイディみかこ『他者の靴を履く―アナーキック・エンパシーのすすめ』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・『理不尽ゲーム』 ・野外鳥類学を楽しむ・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:須磨図書館でみっけ・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:5/13以降> ・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、5/13受取)・『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(1/06予約、5/13受取)・清水義範『大人のための文章教室』(5/15予約、5/26受取)・川越宗一『熱源』(6/08予約、6/06受取)・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、6/06受取)・ケン・リュウ『生まれ変わり』(5/26予約、6/15受取)・田口俊樹『日々翻訳ざんげ』(4/29予約、6/20受取)・『超ひも理論と宇宙のすべてを支配する数式』(6/14予約、7/03受取)・平松洋子『韓国むかしの味』(7/05予約、7/09受取)・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、7/18受取)***********************************************************************【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【「よそもの」が日本を変える】鎌田由美子著、日経BP、2021年刊<出版社>よりコロナ禍で日常生活や働き方が激変し、心のどこかで「これまで通りの生き方で本当にいいのか」と悩んでいる人も多いのではないだろうか。ニューノーマルは見たことのない世界ではなく、「デジタル化」「多様性」「環境意識」といった後回しにしてきた問題が目の前に突き付けられただけーー。JR東日本でエキナカや地域活性化を成功させてきた著者が、「『What if?』という自問自答が必要」「仕事と生き方は融合していく」「サステナブルが日常に」など、個人や企業の「これからの生き方」を提示する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/26予約、副本1、予約6)>rakuten「よそもの」が日本を変える【実力も運のうち】マイケル・サンデル著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より「努力と才能で、人は誰でも成功できる」この考え方に潜む問題が見抜けますか?100万部突破『これからの「正義」の話をしよう』から11年ー格差と分断の根源に斬りこむ、ハーバード大学哲学教授の新たなる主著。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/05予約、副本1、予約73)>rakuten実力も運のうち【生贄探し】ヤマザキマリ×中野信子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より幸せそうな人を見ると、モヤッとする、相手が得をすると損した気持ちになる、抜け駆けする人が痛い目に遭うのは当然、お前だけを特別扱いできない、などー日本人の思考の傾向は脳の特徴だった。豊かで多様性のある生き方のために、中野信子とヤマザキマリがアドバイス。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本1、予約19)>heibonsha生贄探し【分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議】河合香織著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>よりクラスター対策に「3密」回避。未知の新型コロナウイルスに日本では独自の対策がとられたが、その指針を示した「専門家会議」ではどんな議論がなされていたのか?注目を集めた度々の記者会見、自粛要請に高まる批判、そして初めての緊急事態宣言…。組織廃止までの約五カ月、専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描く迫真のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/30予約、副本2、予約16)>rakuten分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【生態学者の目のツケドコロ】伊勢武史著、ベレ出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より生物と生物、生物と環境との関係を調べる、生物学の一分野である生態学。生きものについて知りたい、自然を守りたいと願う人にとって、生態学的な見方は必ず役に立つ。自然と生きもの、人間との関係を見つめ直す7つの章。【目次】第1章 人に囲まれて/第2章 暮らしのなかで/第3章 文化に触れて/第4章 外国を旅して/第5章 里山に生きて/第6章 森を歩いて/第7章 研究をとおして<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/28予約、副本3、予約21)>rakuten生態学者の目のツケドコロ【チャイニーズ・タイプライター】トーマス・S・マラニー著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より中国語タイプライターの“不可能性”から繙かれる圧巻の言語技術文化史。漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源まで、波瀾と苦渋に満ちた展開を鮮やかに辿る。<読む前の大使寸評>圧巻の言語技術文化史ってか・・・これは読むしかないでぇ♪<図書館予約:(7/17予約、副本1、予約3)>rakutenチャイニーズ・タイプライター【生命海流】福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊<「BOOK」データベース>より福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>rakuten生命海流【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。
2021.07.25
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。・中国はこれからどうなるのか?・アメリカ大統領選を総括する・アメリカの新しい論調から「ベーシックインカムについて」・韓流ドラマとコミュニケーション・プラットフォーム・文化日報への寄稿「パンデミックとその後の世界」・反知性主義者たちの肖像・『沈黙する知性』韓国語版序文・書評・食いつめものブルース 山田泰司・書評・白井聡「武器としての「資本論」・『街場の親子論』のためのまえがき・パンデミックをめぐるインタビュー・ホ・ヨンソン『海女たち』書評・2020年度寺子屋ゼミ受講要項・『山本太郎から見える日本』から・『人口減社会の未来学』から・「サル化する世界」についてのインタビュー・映画『Workers被災地に起つ』神戸・元町映画館でのアフタートーク・週刊金曜日インタビュー・桜を見る会再論・『Give democracy a chance』2・『Give democracy a chance』1・沈黙する知性・China Scare・[週刊ポスト」問題について・『低移民率を誇る「トランピアンの極楽」日本の瀕死』・『ネット右翼とは何か』書評・『最終講義』韓国語版あとがき・『「そのうちなんとかなるだろう」あとがき』・『参院選にあたって』・『廃仏毀釈について』・『論理は跳躍する』・『「おじさん」的思考』韓国語版序文・『市民講座』韓国語版のための序文・空虚感を抱えたイエスマン・大阪万博という幻想・外国語学習について・大学院の変容・貧乏シフト・『知日』明治維新特集のアンケートへの回答・カジノについて・中国の若者たちよ、マルクスを読もう・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき・直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」・人口減社会に向けて・時間意識と知性・Madness of the King・吉本隆明1967・大学教育は生き延びられるのか?・こちらは「サンデー毎日」没原稿・奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切り・米朝戦争のあと(2件)・気まずい共存について********************************************************************内田先生かく語りき8目次(目次全文はここ)(その36):『紀伊田辺聖地巡礼の旅』を追記2021/07/23紀伊田辺聖地巡礼の旅より 宗教学者で僧侶の釈徹宗先生と「聖地巡礼」の旅を続けている。 もう十年以上前に、神戸女学院大学で「現代霊性論」という授業をしたのがきっかけである。宗教についてのさまざまなトピックを二人で掛け合いで論じた。学期の終わりに、授業で言及された仏閣仏像の現物を学生に見せようということになって、釈先生の解説を伺いながら、東寺の立体曼荼羅や三十三間堂の千手観音などを拝観してから南禅寺前で湯豆腐を頂いた。先達に導かれて聖地を巡歴することの楽しさをこの時に知って、そこから「聖地巡礼」のシリーズ企画が始まった。 大阪上町大地、奈良の三輪、京都紫野、熊野古道、長崎隠れキリシタンの旅、対馬と続き、今回はご縁があって紀伊田辺を訪れた。 この地の真言宗高山寺は合気道開祖植芝盛平翁のお墓がある「合気道家の聖地」である。すぐ近くには南方熊楠のお墓がある。田辺の生んだ三大偉人(もう一人は弁慶)のうち二人が一つのお寺の中に並んでいるのである。よほど引きの強い聖地に違いない。 お墓参りをしてから、ご住職から開山由来を伺うと、ここは高野山から龍神山を経由して、神島(かしま)に至る「龍脈」のキーポイントだそうである。伝承では、龍神山から天狗が神島へ飛来する途中で、高山寺の松の木で休憩するという。 墓参の翌日は船から上陸禁止の神島を眺めた。島には熊楠が守った貴重な植物相が保存されている。昭和天皇が熊楠の案内で粘菌を見るために訪れたことで知られている。かつてこの島に営巣していた鵜の群れは、島を追われた時、まっすぐ高山寺の松の木に向かったそうである。空中にも「龍脈」が通っているのかも知れない。 ひさしぶりに俗塵を離れて、聖地の霊威に打たれてきた。今の日本では、ときどき浮世離れしないと身体が持たない。2021/06/10成長と統治コストより こうやって学生たちの日常生活を猜疑心の強い親に監視させるという仕組みを作ったのが「学費値上げ」だったのです。そして、この政策はみごとに功を奏して、学生運動は一気に火が消えたようになりました。もちろん、他にもさまざまな歴史的理由があったわけですけれど、一番効いたのは「学費値上げ」でした。 警察であれ公安であれ、公的機関を使って過激派学生を管理しようとしても、コストがかかり過ぎる。何十万もの過激派学生を監視するだけの人的リソースなんか政府にはありません。だから、親に子どもを監視させるという「隣組」システムを導入した。これが日本人のメンタリティにジャストフィットして、おかげで学生運動の鎮圧に成功した。 今は国立大学の入学金は282,000円、授業料が年間535,800円です。入学金と半期授業料だけで55万円を用意しなければなりません。50年前の55倍です。僕の時だと、ほとんどの受験生はお年玉を貯めた「豚の貯金箱」を叩き割れば1万円くらいは出せた。いま合格発表時に55万円の現金を持っている受験生はまずいないでしょう。だから、進学先の決定は「金主」である親に一任するしかない。 進学先の決定権が自分にないというのは大きいことです。「苦学」できる環境なら、親が「そんなことを学んで何になる!」と激怒するような専門分野を選んでも、「自分で学費出すから、好きにさせてよ」と言えた。でも、もうそれが言えなくなった。それによって「不本意入学」する学生が激増した。自分には興味がないけれど、親が「そこじゃないと金を出さない」と言うのでやむなく進学したという領域で学生が知的ブレークスルーを遂げるということはまったく期待できません。それどころか、子どもたちは「自分の進路選択が正しく、親の判断は間違っていた」ということを証明するために親に「金をドブに捨てた」と後悔させるように無意識的にふるまうようになる。 つまらなそうな顔で通学し、最低限の勉強しかせず、最低の成績で卒業する。でも、それは「無意識的に」していることですから止めようがない。実際には驚くほど多くの大学生がそうふるまっている。ほんとうにもったいないことだと思います。それくらいだったら、本人が「やりたい」ということをさせておけばよいと思うんですけれどね。 とにかく授業料値上げによって、日本の高校生は進路決定権を失い、大学生は「苦学」という選択肢を奪われました。たしかにそれによって大学生は自由度と覇気を失い、学生運動は一気に下火になり、大学はたいへん管理し易い場所になりました。でも、それによって同時に日本の学術的な生産力は深い傷を負ったのでした。(以降、全文は内田先生かく語りき(その32)による)
2021.07.25
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図書館に予約していた『クララとお日さま』という本を待つこと約4ヶ月でゲットしたのです。AFのクララが主人公で、第一人称となっているが・・・これって、クローン人間が主人公となった『わたしを離さないで』と同じような構成ですね。【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>AFのクララが主人公で、第一人称となっているが・・・これって、クローン人間が主人公となった『わたしを離さないで』と同じような構成ですね。<図書館予約:(3/20予約、7/18受取)>rakutenクララとお日さま第二部の語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。p90~92<第二部>より 「じゃ、気が変わったのよ。これでいい? それに、クララはただのAFじゃない。クララ、リックに何か言ってやって」 「AFなんていらないって言ってた」 「やめてよ、リック。小さいころの約束なんて、全部守れるわけじゃないでしょ? AFのどこがいけないのよ」 ジョジーの両手はいまリックの左肩にあります。体重をかけ、まるで相手の身長を押さえ込んで、自分と同じ高さにしようとしているかのようです。でもリックはジョジーの近さをまったく気にせず、むしろ当然のことととらえています。 この少年はジョジーにとって、ある意味、母親と同等に大切な人なのではないか・・・わたしはふとそう思いました。この少年とわたしの目的には、重なり合う部分がいくつもあるかもしれません。そうなら、この少年がジョジーの人生模様にどう位置づけられるのか、これからよく観察し、理解していかねばなりません。 「リックに会えて嬉しいです」と、わたしは言いました。 「リックはあそこの家の人ですか。不思議です。わたしはこれまであの家に気づきませんでした」 「ああ」とリックは言いましたが、まだわたしを見ようとしません。 「母さんとぼくとっであそこに住んでいる」 三人とも二軒の家の方角を向きました。ジョジーの家の外観をじっくり見ることができたのは、このときがはじめてです。家は予想よりやや小さく、屋根の縁が予想よりやや尖った感じがしましたが、それ以外は、ほぼ家の中で想像していたとおりでした。 板を丁寧に重ね合わせて壁をつくり、白に近い色に塗っています。構造的に見ると、三個の独立した箱をつなぎ合わせた複雑な形状になっています。リックの家は少し小さめです。遠いから小さく見えるというだけではなく、実際に小さいと思います。やはり木の板で造られていますが、構造的には箱が1個だけの単純な造りです。幅より高さが目につく家で、草地の中に立っています。 「リックとジョジーは互いを見ながら育ったのですね」とわたしはリックに言いました。 「あの二軒の家のように」 リックは肩をすくめ、 「まさに見ながらだな」と言いました。 「リックにはイギリス訛りがありますね」 「かも。ちょびっとな」 「ジョジーにいいお友達がいて嬉しいです。わたしの存在が、いいお友達関係の邪魔にならないといいのですが」 「そう願うよ。けど、友情には多くの邪魔が入るものでさ」 「もういいか。さあ」と丘の下からメラニアさんの大きな声が聞こえてきました。 「いま行きます」とジョジーが叫び返し、リックに「いいこと、リック、わたしだってこんな集まり、楽しくないのよ。あなたにいてほしい。だから来て」と言いました。 リックはまた手のリモコンに注意を向けていて、鳥がいっせいに空中に舞い上がりました。以前、読んだ『わたしを離さないで』を付けておきます。【わたしを離さないで】カズオ・イシグロ著、早川書房、2006年刊<商品の説明>より自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点<大使寸評>村上龍の「歌うクジラ」にも階層化され、資質が劣化した新人類が登場するが・・・・この新人類もイシグロの描くクローン、リドリースコットが描くレプリカントを彷彿とさせるのです。クローンや異質な新人類が主人公となり自己を語るとは驚愕の視点であり・・・・これはもう、なんでもありのSFの領域というほかありませんね。amazonわたしを離さないで 「〇」 (〇)
2021.07.24
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文芸春秋8月号の特集記事で「寝そべり族」を紹介したが、22日付けの朝日新聞でも報道されているので見てみましょう。「タン平族(寝そべり族)」と呼ばれる人びとの生き方が、中国で共感を呼んでいる。激しい競争社会や発展がもたらした価値観の多様化が背景にあるようだが、中国メディアは今後の中国の経済成長を阻害しかねないとして警鐘を鳴らしている。(北京=高田正幸)■「幸せな家庭」努力したけど 「家を持ち、家族を養う『普通』の父親になりたかった。今はそれさえ難しいと感じる」。SNS上で「寝そべり族」だと自称している男性は、そうため息をついた。最大都市の上海で、高層ビルを望むアパートで暮らしているという。 男性によると、新疆ウイグル自治区の農村で生まれ育ったが、酒浸りだった父親と折り合いが悪かった。高校生の頃からアルバイトで学費を稼いだ。安定した仕事につき、幸せな家庭を築きたいと努力を重ねた。 だが、目指していた公務員は倍率が高く断念。友人のつてで上海の不動産仲介会社で働いた。朝8時から夜10時までの週6日勤務で給与は歩合性。なかなか成果が上がらず、家を買うのは夢のようだった。 そんなある日、同僚がふと「おやじにベンツを買ってもらった」と話しているのを聞いた。「一生働いても彼の親にはかなわない」と、努力する理由を見失ってしまった。 昨年7月に退職。貯金を切り崩したり、日雇いの仕事をしたりして暮らす。 自分のような人が「寝そべり族」と呼ばれ、似たような人びとが多くいることをSNSで知ったのは最近のことだ。今年春から流行った言葉で、仕事や結婚、出産に積極的でなく、物欲が少ない若者たちを指す。SNSに「私ものんびり泳ぐ魚のように生きたい」と書き込まれるなど共感が広がり、わずか数ヶ月でほとんどの中国人が知る言葉になった。 福建省の男性(22)は昨年夏に就職した衣服店をわずか1ヵ月でやめた。両親が不動産を所有しており、今後も最低限の衣食住に不安はない。男性はもともと絵を描くのが好きで、インターネットで個人や企業の依頼を受けて報酬をもらっている。額は多くないが、小遣いとしては十分だ。 「『寝そべり族』は社会の発展には役立たないかもしれないが、自分が好きなことを大事にする。人には人の選択があるということだ」と男性は話す。■背景に厳しい競争社会/「奮闘」促す論調も 「寝そべり族」が生れた背景には、激烈な競争社会があると見られている。 市場化や都市化が急速に進んだ中国では、家賃や教育費が高騰。一方で結婚や出産を重要視し、老いた親の面倒も見るという中国の伝統的観念も根強く残っている。 この二つの圧力に応じるためには、「良い大学に進み、良い仕事に得ることが『勝ち組』である」との考えは根強い。SNSでは数年前から、仲間内での競争にすり減っていく人たちのことを指す「内巻」という言葉も流行している。 中国人民大学で社会学を研究する劉少傑教授は、「寝そべり」は、「青年らによる社会生活における表現の一つ。社会生活の多様化、多元化を表している」として、「善しあしの評価を下すのは難しい」と話す。 ただ、こうした「寝そべり族」に対して、中国メディアは否定的な論調が目立つ。中国メディアの南方日報は「『寝そべり』は恥だ」と切り捨てる。光明日報は「寝そべり族」は経済の発展に不利だとして「奮闘させる必要がある」という論評を掲載。いずれも国営新華社通信が転載した。 メディアが寝そべり族を問題視するのは、結婚や出産を望まず消費意欲ない彼らのような集団が大きくなれば、国家の発展に影を落とすからだ。 政府によると、2013年に結婚を届け出た夫婦は1347万組いたが20年には813万組にまで減少。出生数の減少にも歯止めがかからず、20年の出生数は約1200万人でピーク時の半分以下だ。少子高齢化が進めばマーケットは縮小し、労働人口がへって経済成長が鈍化する。 共産党は今年5月、一組の夫婦につき3人まで子どもを生んでいいとする緩和策に踏み切ったが、「寝そべり族」の表面化が表しているように、若者の結婚や出産への意欲は高くはなく、効果は未知数だ。 上海で若者の就職支援などにあたる「趣業教育」の周燕玲代表は「新型コロナウィルスを経て人びとの生活は不安定化し、それによって就職や仕事をめぐる競争は激化し労働環境も悪化している。寝そべり族もさらに増えていくだろう」と語る。Yahoo!ニュースが「中国で静かな反乱?」と報じているが・・・やはり、重過ぎる荷を乗せると馬は動けないようですね。
2021.07.24
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本屋の店頭で『文芸春秋(2020年8月号)』を、手にしたのです。ウーム 今月号は読みどころがたくさん載っていて、特集「中国共産党の野望と病理」も充実しているので、手元不如意の太子も・・・久々に買い求めたのです。【文芸春秋(2021年8月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<Customer reviews>より①今月は中国特集号だ。一帯一路政策、サイバーテロ、宇宙人戦争、台湾への圧力、ウイグル弾圧と枚挙に暇がない。②習近平は中華帝国の再来を目指している。ウイグル弾圧や香港の民主化運動場弾圧、台湾への圧力強化が国際社会から非難されても一向に構わない。主権は中国にある。③台湾への圧力強化は間違いなく日米中関係を悪化させる。中米に挟まれて苦しむのは日本である。これ以上米中関係を悪化させないように仲介役を務めるのが日本の外交政策である。④善隣外交の手腕が日本に求められている。お勧めの一冊だ。<読む前の大使寸評>追って記入amazon文芸春秋(2021年8月号)最近の中国新人類を、見てみましょう。p152~158<中国新人類「寝そべり族」の生態:山谷剛史> 人々の所得が上がる一方の中国。最低賃金は上海で月2590元、日本円で4万4000円強だ。続く北京で2320元(今年8月より。約4万円)、内陸は人件費が安いがそれでも例えば四川省で1780元(3万円強)。これは、あくまで最低賃金であり、花形のIT職などのホワイトカラーを中心に月1万元(17万2000円)以上稼ぐ人も珍しくない。こうした所得の上昇を背景に、中国は「生産大国」であるだけでなく「消費大国」となりつつある。 なかでも旺盛に消費をしているのは、働き盛りの30代、40代。だが、厳密には彼らの世代だけではない。その子供世代も、親の価値観の影響を受けて旺盛に消費しているのだ。 30代、40代は、貧困を知らず、文化大革命以降の急激な経済成長や環境の変化だけを経験している。賃金、物価、不動産価格が毎年のように上がるなかで、宵越しの金は持たないとばかりに消費してきた。 価格が安くなるのは、スマートフォンやパソコンくらいだが、これまた、性能がよいからといった理由で、日本人よりもずっと高頻度で買い換える。日本のように二年しばりで安いスマートフォンで済まそうとせず、新しい機種を買おうとするのだ。 子供にお古のスマートフォンを与える親もいれば、新品を買い与える親もいるが、いずれにしても子供が使うスマートフォンも高性能だ。 文化大革命の影響を受けなかった45歳よりも若い世代が、中国ではちょうど「ネット世代」に当たる。そんなネットに理解ある親たちは、自分の子供たちのネット利用も後押しするのだ。 とくにコロナ禍では、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン授業も行われた。連絡網はテンセント製のチャットアプリ「ウィーチャット」で、国威発揚番組の視聴が自宅学習の課題となれば、それを家で見た子供の姿を写真で撮ってチャットで送ったりする。スマートフォンを持ち込み禁止とする学校も多いが、その場合も、安全のため、子供にスマートウォッチをつけさせる。 要するに、中国の子供は、ほぼ常時「ネットとつながっている」のだ。 ネット利用が日常化しているこの世代の親子は、当然、キャッシュレスの電子マネーやECサイトも大いに活用しているが、そこにこの世代特有の金銭感覚も加わる。■「爆買い」する子供も セコイア・キャピタルの「〇〇后欠娯楽消費研究報告」によれば、2000年代生れの若者の貯金は、八割近くが1000元(1万7000円強)以上もあるという。 しかもお金の使い方について、親が古い考えに囚われていないので、子供自身に裁量の余地がある。だから子供も旺盛に消費しているのだが、富裕層の家になると、欲しいものをキャッシュレスで大人買い(爆買い)する子供もいて、そんな金持ちの子供を狙って、学校の周りには、子供向けの日本製などの輸入文具や輸入おもちゃを売る店まで出現しているのだ。 では、そんな中国の子供たちは、ネットで何を観ているのか。 中国の学生が使うネットサービスで人気なのは、ニコニコ動画からインスパイアを受けた動画サイトの「ビリビリ」と、ウィーチャットと同じくテンセント製のチャットアプリの 「QQ」、それにティックトックのライバル「快手」だ。小遣いに余裕があり、しかもキャッシュレスなので、学生であっても、見たい有料動画を気軽に見ることができる。(中略) 人気の動画サイト「ビリビリ」のサイト名は、もともと日本のライトノベル『とある魔術の禁書目録』に登場する準主役級女子中学生「御坂美琴」のあだ名「ビリビリ」からつけられている。ここで見られる動画も、当初は日本の尾アニメやテレビ番組で、このサイトには、日本好きの学生や若者が集まり、 「私設クールジャパンの大本営的なサイト」のような様相を呈していた。(中略) だが、近年では、中国のアニメ業界も力をつけてきて、良い作品をコンスタントに出すようになった。「ビリビリ」でも、中国のアニメ作品の割合が高まり、中国のアニメの愛好者も増えてきている。(中略)■ 「国潮(国産)」ブーム一方で、中国の若者は、中国ブランドにも凝りだしている。中国の伝統的デザインをパッケージに入れ込んだ製品が人気となるブーム「国潮(グオチャオ)」が起きているのだ。(中略) こうした若者世代の傾向には、一長一短があるだろう。以前よりも馬鹿正直に他人を信用して被害に遭う若者のニュースが報じられるようになる一方で、中古商品の取引サービスが活性化している。中古商品の個人間での取引は、一定の「信頼」がないと成立しないので、以前とは隔世の感だ。従来は、スマートフォンを買い取って中身を低スペックのものに入れ替えて販売するような業者もいたが、客を裏切らず騙さない明朗会計なサービスが登場し、最近ではメルカリとアリババの中古商品のECアービスが提携するというニュースも報じられている。 金ばかりを求める傾向が弱まっていることも、中国の若者世代の特徴だ。消費もせず横たわるように何もしたくないニートのような 「横たわり族、寝そべり族」と呼ばれる若者まで出てきたのである。■ 「寝そべり族」の登場 4月のことだ。中国ネット掲示板の 「百度貼吧」で、「タンピン(寝そべり)は正義」という書き込みが話題になった。いわく「家も車も買わず消費せず、結婚もせず、子供も作らず、労働時間を減らし、シンプルな生活をし、他人の奴隷とならず、自分の楽しさを求める」「一日ニ食、年に一、二ヶ月だけ働けば満足」というものだ。これが多くの若者に刺さって拡散した。『文芸春秋(2021年8月号)』3:量子科学衛星の脅威『文芸春秋(2021年8月号)』2:台湾侵攻「日米極秘訓練」『文芸春秋(2021年8月号)』1:中国の「巨大な監視社会」やネットカルチャー
2021.07.23
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ、なかなか梅雨明け宣言の出ない異常気象であるが・・・『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり天満天神祭(7月25日)この本で、大暑のあたりを見てみましょう。和暦p19<大暑>厚い日々、雨乞いの神事が行われた水涸れの候「大暑」は、現行の暦では7月23日ころに初日を迎え、立秋(8月7日ころ)の前日までがその期間である。快晴が続くなか気温は上がり続ける。『暦便覧』では「暑気いたりつまりたるゆえんならばなり」と記されている。「小暑」の期間から始まっている「土用」は、「立秋」の前日までがその期間となっている。 旧暦で暮らした時代は、田植えが終り梅雨も明けると、「大暑」の期間は快晴が続くため、「水路の涸れ」が最大の関心事だった。そのため、かつては「雨乞い」の神事が産土神の鎮座する神社で行われていたようだ。雨乞いの神事では、古式豊かな作法が厳格に守られ、雨乞いだけでなく、安産や家族の幸福などが祈られたという。こうした行事は新暦以降、次第に失われ、現在では「祭り」や「伝承」でしか知ることができないものも多い。 さらに失われつつある風物詩は、「打ち水」。かつては夕方になると一斉に、道路や庭に水を撒き、埃を鎮めたり涼を求めたりしたものだが、空調の導入や住環境の変化で、やはり少しずつ廃れていった習慣のひとつである。 大暑の期間の七十二候は以下の通り。「桐始結花」桐の実が生り始める、「土潤むし暑」土が湿ってむし暑くなる、「大雨時行」時として大雨が降る。むし厚い日々、水を求め、水に悩まされるということだろうか。二十四節季の小暑に注目(復刻)
2021.07.23
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図書館で『カムイの世界』という本を手にしたのです。「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪【カムイの世界】堀内みさ, 堀内昭彦著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より文字文化を持たなかったアイヌが、代々語り継いできた精神と伝統を、数年にわたるアイヌの人々との心の交流を経て、現代の語り部たちの「言葉」を丁寧に聞き取り、守り継がれてきた儀式や祭祀、聖地、そしてカムイが宿る北海道の壮大な風景を写真で紹介。今に生きるアイヌの魂を探す旅。<読む前の大使寸評>「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪rakutenカムイの世界">語り継がれたアイヌ語とはどんなかな、と言語として興味深いのです。p83~85<ユカラ(叙事詩)> 「うちの両親は、アイヌ語を使わない人たちだった」 開口一番、おっとりとした口調で木幡サチ子さんはそう言った。さらに、 「私は自分がアイヌだと思ったことは一度もない。学校でもアイヌと言われたことはないの」 これが他のアイヌの人の言葉なら、さほど驚かなかったにちがいない。明治からの同化政策時代、親が子にアイヌの言葉や文化を一切教えなかった話は、いろいろな人から聞いていたからだ。だが相手はユカラの名手、木幡さんである。 ユカラとはアイヌの口承文芸のひとつで、一般に英雄叙事詩と訳される。もっとも、実際は英雄だけでなく人間の物語などもあり、特にさまざまなカムイが自分のことを語るユカラは、カムイユカラ(神謡)と呼ばれている。 木幡さんのユカラは、歌のようにリズミカルで、アイヌ語も心身一体となった自然な語り口。聞いていると自ずと身体が動き、拍子を取ってしまう。おそらくアイヌ語本来の響きが鮮明に耳に残り、自らも繰り返し口にして体に染み込ませてきたのだろう、その木幡さん節とでも言うようなユカラを聞いて、幼い頃からアイヌ語に慣れ親しんできたにちがいないと、勝手に思い込んでいたのだった。■おばあさんの記憶 今年(2019年)90歳の木幡さんは、母方の祖母のみ秋田県出身で、他の身内のほとんどはアイヌという環境で育った。63年連れ添った、今は亡きご主人も母親がアイヌ。もっとも、結婚後は働きづめの毎日で、アイヌ語やユカラのことなど考える余裕はまったくなかったという。 「造材の下請けの仕事をしていたんだけど、旦那が人前に出てしゃべるう人ではなかったから、山で切った木材の受け入れなんか全部私がして。車の免許も36歳のときに取って、4トントラックも運転していたんだよ」 そんな暮らしに変化が起きたのは、木幡さんが59歳のときだった。仕事中に怪我をして入院。見舞いに来た語主人から、今度平取町内で、はじめてアイヌの歌と踊りを披露する文化祭を開催することになったから、「母さん何か話してくれ」と頼まれたのだ。 「旦那はアイヌ文化保存会の理事をしていたの。でも、私は自分をアイヌだと思ったことはなかったし、アイヌ語なんて話せるわけないしょって、最初は言ったんだよ」 だが、そのとき思い出したのが、父方の祖母が語ってくれたユカラだった。 実は木幡さんは、両親の仕事の都合で、5歳からの2年ほど、父方の祖母と一緒に暮らしていたことがあったのだ。 「そのばあさんは、オンネフチ、コタンで一番年の多いおばあさんと呼ばれていて、手のひらひとつでお祓いができる人だった。具合が悪い人を治す力があったから、1日に何人も家に訪ねて来る人がいたんだよ。アイヌ語も、たとえば『ワッカ カタワエー(水汲んでおいで)』とか、『ワッカ エンコレー(水ちょうだい)』とか、小さい子どもでもわかるような言葉を話していたのね」 こうして木幡さんは、入院中6人部屋のベッドの上で幼い頃の記憶を辿り、耳に残っていたおばあさんのユカラを思い出してはメモを取り、夜、布団をかぶってひそひそとアイヌ語の練習を繰り返したという。 本番当日は、アイヌ語や文化の保存、継承に尽力した、萱野茂さんの奥様、れい子さんにアイヌの伝統衣装を着せてもらい、舞台に上がった。 「アイヌ模様の着物なんて、生まれてはじめて着たの。見たこともなかったから」 ユカラの出来を尋ねると、 「私は一生懸命お話したんだよ。でもね、萱野茂先生は『こーの人、アイヌ語へーただよ』って言ったんだ」 萱野さんの口調を真似しているのか、茶目っ気たっぷりに言う。 「だから私なりにがんばって練習したけど、やっぱり下手なんだなと思って。そしたら最後に、『あなたは頭がいいね』っていう表彰状をくれたの。それで、よーし、それならアイヌ語を習ってみようと思って」 以来、萱野さんが主催するアイヌ語教室に通う日々が始まった。■真似ることから 木幡さんの覚え方は、単語を一つひとつ覚えるのではなく、過去に録音されたユカラの音源を何度も聴き、自らも繰り返し語って心身に染み込ませるという、まさに口伝えに近い方法。テープレコーダーも、これまで20機ほど駄目にしたという。 もともと文字を持たないアイヌ民族は、ユカラに限らず、たとえば子どもに大切なことを伝えるときは、何度も繰り返し言い聞かせ、徹底的に覚え込ませるという方法を取ってきた。 ユカラの語源も、本来は「真似る」。自分に聞かせてくれたあの人より、もっと上手に語れるようになろうと、最初は真似から始めて、口から口へと語り継がれてきた。節を付けるのは、語る方も聞く方も頭に入りやすいから。昔は夕飯の後などに、毎晩囲炉裏を囲んで語られたという。『カムイの世界』1ところで、アイヌ差別表現に関する報道によれば、日テレの番組担当者の低レベルの認識が暴露されたようです。日テレ「スッキリ」アイヌ差別表現で放送倫理違反 BPOより 日本テレビの情報番組でアイヌ民族への差別発言が放送された問題で、BPO=放送倫理・番組向上機構は「放送倫理違反があった」とする意見書を発表しました。 問題の発言があったのは情報番組「スッキリ」の今年3月の放送で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリーを紹介した際、「あ、犬」と表現しました。 この表現は歴史的にも繰り返し使われてきた差別表現でしたが、番組担当者にはその認識がなく、コーナー自体は事前収録だったにもかかわらず、特にチェックされないまま放送されました。 BPOは日テレのチェック体制が極めて甘かったと批判。アイヌ民族への差別問題に関する知識が決定的に不足していたと指摘し「放送倫理違反があった」と結論付けました。
2021.07.22
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図書館で『カムイの世界』という本を手にしたのです。「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪【カムイの世界】堀内みさ, 堀内昭彦著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より文字文化を持たなかったアイヌが、代々語り継いできた精神と伝統を、数年にわたるアイヌの人々との心の交流を経て、現代の語り部たちの「言葉」を丁寧に聞き取り、守り継がれてきた儀式や祭祀、聖地、そしてカムイが宿る北海道の壮大な風景を写真で紹介。今に生きるアイヌの魂を探す旅。<読む前の大使寸評>「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪rakutenカムイの世界">さて、アイヌのサケ迎えとは、どんなかな。p59~62<アシリチェプノミ(サケ迎え)> 澄んだ水が豊かに流れる千歳川。その水面に木洩れ日がきらめいている。 9月。川で生まれ、海で育ったサケが、再び生まれ故郷の川を遡上してくるこの季節、千歳では新しいサケを迎える儀式、アシリチェプノミが行われる。 アイヌの人々にとって、サケは大切な食糧。この時期は、道内各地でサケ迎えの儀式が行なわれている。 「サケはカムイチェプ、つまり神の魚。アイヌにとっては他の食べ物とは違う、とても身近な主食なんだよ」 そう話すのは、アシリチェプノミの副祭主、中村吉雄さん。アイヌ語でサケは「シペ」とも呼ばれ、「本当の食べ物、主食」という意味がある。日本人にとっての米と同じ位置づけということだ。■貴重な保存食 かつて、千歳川には多くのサケが遡上していた。「ぼっこ(棒)を立てても倒れない」とは、アイヌの人々がよく使う表現で、この時期は、棒が倒れる隙間もないほどサケがひしめき合っている川が多かったのだ。 アイヌの人々は、秋になると日々食べる分のサケを獲り、切り身にして焼いたり、野菜と一緒に煮てオハウという具だくさんの汁物にして食べていた。内臓や白子、筋子は塩漬けに、頭の軟骨は細かく叩いてチタタプというタタキにし、骨は軽く炙ってスナック菓子のように食べたという。さらに、皮は靴として生まれ変わり、背びれが滑り止めに使われた。サケは捨てるところがないと言われる所以である。 だが、サケが何より重宝されたのは、貴重な保存食になったからだ。 「千歳のサケは脂やけしないのが特徴。他の川より長く回遊して遡上するから、その間に脂が抜けてしまう。その分保存も利くから、3年以上は持つよ」 中村さんは言う。 保存には、主として囲炉裏の上に、お腹を開いたサケを丸ごと一匹吊るし、燻しをかけるトバという方法が用いられた。もっとも、外に干すこともあれば、早く乾燥するように三枚におろして干すなど、用途や目的により干し方はさまざまだったという。昔は塩が貴重だったことから、保存は乾燥に頼ることが多かったのだ。 さらに、雪が積もると、丸ごと雪の中に埋めて凍らせた。そのサケを薄く切り、溶けかけを食べるルイベ(溶けるもの)は、今もアイヌに関係なく、道内で広く知られる食べ方だ。■豊漁を願わない アシリチェプノミの儀式は、まずアイヌ民族の伝統的な捕獲方法、マレク漁でサケを捕り、それをアペフチカムイ(火のカムイ)に捧げることから始まる。マレクとは鉤銛のこと。魚を突くと銛が反転し、魚がうごくほどに体に食い込む仕掛けになっている。 儀式の直前、その日漁を行う少年が丸木舟の上でカムイノミを行っていた。マレク漁は舟に乗って行われるのだ。まだ中学生らしいその少年は、最初に舟の先頭部分に挿してあるイナウの先端に、シラリ(酒粕)を、続いてトノト(御神酒)をイクパスイというヘラ状の祭祀具で捧げ、オンカミ(礼拝)をした。 「サケが獲れるように、じゃなくて、怪我なく無事に終わるようにって祈るんだぞ」 一連の所作を見守っていた青年が声をかける。 そのとき、中村さんの言葉を思い出した。それは、アシリチェプノミは豊漁を祈る儀式かと確認したときだった。 「いいかい。アイヌは豊漁や大漁を願わない民族だ。サケが上がってくれてありがとう。それだけだ。そこを勘違いしないでほしい」 終始穏やかな中村さんの口調が、その瞬間、諭すような毅然とした声に変わった。では、お願いごとはしないのか。そう尋ねると、 「具体的にこれをくださいと言うことはしない。ただ感謝して、またコタンに戻ってきてくださいとお願いするんだ。そうしたら、次は形を変えて何かを与えてくれる。それは別の食べ物かもしれないし、子どもが授かることかもしれない。そういう発想なんだ、アイヌは」 と言う。アイヌのサケ漁をネットで見てみましょう。伝統漁法を千歳川で マレク使いサケ採捕-千歳アイヌ協会より 千歳アイヌ協会(中村吉雄会長)は15日から千歳川上流域で伝統漁具マレク(自在もり)を使ったサケ漁を複数回行う。若い世代への漁法継承を目的とし、来年1月31日までの期間を設け、すでに道の特別採捕許可を受けた。道内河川では、儀式以外に民族的な冬季のサケ漁に許可が出るケースは珍しい。大切な主食の一つで、生活するための糧となったサケを得てきた漁の復活は大きな弾みになる―と関係者は期待している。 アイヌ民族はサケを「カムイチェプ(神の魚)」と呼んで、食料とする以外にも皮も靴などに加工するなどしてきたが、明治政府がサケ漁を禁止して以降、自由な捕獲ができない状況が続いてきた。 今回は道が、千歳アイヌ協会を実施主体とする形で道アイヌ協会に許可した。市内水明郷の王子製紙第4発電所ダムから下流700メートル地点までの区間で、50匹を上限にマレクで捕獲できるとする内容だ。サケのふ化増殖事業やインディアン水車での漁業に配慮し、影響のない時期に漁を行う。
2021.07.22
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『小川洋子対話集』という本で、小川洋子が翻訳家を含めて台湾人作家と対談しているが興味深い企画であった。ということで、中国語に関わる作家を集めてみました。大使の場合、頻出するのは多和田葉子となっています。・文学界(2019年1月号)・小川洋子対話集(2007年刊) ・エクソフォニー(2003年刊)・天安門(2003年刊)***********************************************************************『文学界(2019年1月号)』1:多和田葉子と台湾人作家・温又柔との対談『小川洋子対話集』7:小川洋子と台湾人作家・李昴との対談『エクソフォニー』1:多和田葉子と中国女性作家との交流『天安門』4:ラストエンペラー***********************************************************************<『文学界(2019年1月号)』1>図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)***********************************************************************【小川洋子対話集】小川洋子著、幻冬舎、2007年刊<「BOOK」データベース>より日ごろ孤独に仕事をしている著者が、詩人、翻訳家、ミュージシャン、スポーツ選手と語り合った。キョロキョロして落ち着きがなかった子供時代のこと、想像力をかきたてられる言葉や文体について、愛する阪神タイガースへの熱い想い、名作『博士の愛した数式』秘話など心に残るエピソードが満載。世界の深みと、新たな発見に心震える珠玉の対話集。<読む前の大使寸評>小川洋子対話集ってか…目次を見ると対話者が異色で、期待できそうである♪amazon小川洋子対話集***********************************************************************【エクソフォニー】多和田葉子著、岩波書店、2003年刊<「BOOK」データベース>より自分を包んでいる(縛っている)母語の響きからちょっと外に出てみると、どんな音楽が聞こえはじめるのか。母語の外に出ることにより、言語表現の可能性と不可能性という問題に果敢に迫る、境域の作家多和田葉子の革新的書き下ろしエッセイ集。<読む前の大使寸評>著者の『地球にちりばめられて』という小説を読んでいるところであるが、イラチな太子はさっそくこのエッセイ集を予約していたのです。<図書館予約:(8/31予約、9/05受取)>rakutenエクソフォニー***********************************************************************<『天安門』4>図書館に予約していた『天安門』という本を、待つこと4日でゲットしたのです。このところ多和田葉子の作品を集中的に読んでいるが・・・リービ英雄も日米を往還し、日本語と中国語に堪能な作家であり、どこか多和田葉子を彷彿とするのです。【天安門】リービ英雄著、講談社、1996年刊<「BOOK」データベース>より史上初!アメリカ人の芥川賞候補!上海の女、毛主席が破壊した米外交官の家。アジアの巨体な歴史に揺さぶられるひとりの白人少年-日本アメリカ中国を越境する新しい世界文学の傑作。<読む前の大使寸評>このところ多和田葉子の作品を集中的に読んでいるが・・・リービ英雄も日米を往還し、日本語と中国語に堪能な作家であり、どこか多和田葉子を彷彿とするのです。<図書館予約:(9/17予約、9/21受取)>rakuten天安門
2021.07.21
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図書館で『21世紀の民俗学』という本を手にしたのです。この本の目次を見ると、テクノロジー、景観認知症、戦後建築、UFO学など民俗学ではふつう扱わないテーマが載っていて興味深い。『21世紀の民俗学』と題した民俗学は・・・日本人の変わらぬ本質を捉え得るものなのか?と思うのです。【21世紀の民俗学】畑中章宏著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>よりインターネット、スマホ、最新テクノロジーが神仏・祭り・習俗と絡みあう新世紀のリアルとは?新しいと思われていることが古いものに依存していて、古くさいと思われていたことが新しい流行の中にあるー。柳田国男や宮本常一以来、不安定で流動的な現象の中にこそ日本人の変わらぬ本質を見てきた民俗学が、新時代に切り込む。<読む前の大使寸評>この本の目次を見ると、テクノロジー、景観認知症、戦後建築、UFO学など民俗学ではふつう扱わないテーマが載っていて興味深い。『21世紀の民俗学』と題した民俗学は・・・日本人の変わらぬ本質を捉え得るものなのか?と思うのです。rakuten21世紀の民俗学">東日本大震災が民俗学で語られるほど、時が経ったようですね。p171~177<大震災の「失せ物」> 「21世紀の民俗学」の連載を始めたのは、2016年3月11日のことである。最初の原稿が「ザシキワラシ」や「自撮り棒」のことを取りあげたものだったように、東日本大震災をとくに意識したわけではなかった。ただそこでも、「家庭アルバム」を論じながら、震災についてはふれていた。そのことをいま思い出した。 「景観認知症」と題して、こつ然と現れた更地に、どんな建物が立っていたか記憶を呼び戻せない、ということをめぐって書いたこともある。そこでも、被災地のかさ上げについて少しふれていた。 景観だけではなく、過去の経験についてもわたしは、きっちりと思い出すことが難しくなってきているような気がする。今年の3月2日の夜、ツイッターで若狭の「お水送り」のようすが、写真を添えてつぶやかれているのを目にした。そうだった。震災の起こった年の3月2日、わたしは、その場にいたのだ。 福井県小浜市の神宮寺がおこなうこの行事は、遠敷川河畔の「鵜の瀬」から奈良に向けて水を送るもので、その水が10日後に、東大寺二月堂の「若狭井」から水を汲む「お水送り」となる。3月2日の夜は小浜に宿をとり、松明行列を追って歩いたのである。 翌日は、小浜市や西隣のおおい町や高浜町の神仏像をめぐり、その夜は、大島半島の付け根にある和田浜の民宿に泊まった。敦賀から久しぶりに小浜線に乗り、「美浜」や「若狭高浜」といった駅名に、このリアス式の海辺が“原発銀座”と呼ばれる海辺であることを思い出していた。 民宿の主人によると、このあたりの旅館や民宿は、夏場の海水浴客以外は大飯原発関連の宿泊客で、もっているのだそうである。せっかくだし、大飯原発のPR施設で、原子炉屋内を三分の一で再現した「3分の1ワールド」など、原子力を実体験できる「エル・パーク・おおいおおいり館」に立ち寄ってみようかと思ったけれど、東京で用事があったためあきらめた。和田浜には、早朝からサーファーがいて、いい波が立っていた。 帰京してから仕事仲間に、お水送りのこと、美しい千手観音像のこと、“原発銀座”のことなどについて話した。3月の5日だったか6日だったか、人に薦められて、山口県祝島の対岸に建設が予定されている原子力発電所を、反対運動の側から描いた映画を観にいった。こうした数日を過ごしていたのに、近年になく原発づいているなどと、思うこともなかった。そうして、3月11日の大地震があり、その翌日に福島の原発で大事故が起こったのである。■失せ物絵馬 震災以降、東北にはなんどとなく足を運び、これまでの本にも書いてきたはずだ。しかし、最も印象に残っていることはどんなことか、と聞かれてもおそらく即答できない。いろんな場面が錯綜しすぎたり、大事なことを忘れているような気がするからだ。そんなことを考えながら、わたしはまた三陸の被災地に赴いた。(中略) 牡鹿半島の表浜を南下すると、かさ上げ途上の集落、高い防潮堤ができつつある海岸線、打ち捨てられたような浜など、復興のありようが異なる風景が次々と現れる。 県道から小渕浜の集落に降りていくと、高台に五十鈴神社があり、開け放たれた拝殿に「失せ物絵馬」が奉納されている。「失せ物絵馬」は、船の上から金物などを海中に落としてしまったとき、その落とした物を描いて神社に納める、東東北沿岸特有の習俗である。 そのほとんどは半紙や障子紙、画用紙などに、筆やエンピツ、サインペンなどで、包丁、錨、小刀などが描かれる。現代のものになると、船外機やスクリューなど大型の機械類もある。 こうした「紙絵馬」を奉納するのは、三陸の海に住む龍神が金属を忌避するという信仰に基き、陸に上がったら、何をさしおいても失せ物を描いて納めるのだという。速やかに報告し謝罪しないと、龍神の怒りに触れ豊漁が望めないと考えるのが奉納の最たる理由だが、落とした物を絵に託し、気持ちの切り替えをはかることでもあるらしい。『21世紀の民俗学』1
2021.07.21
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図書館で『21世紀の民俗学』という本を手にしたのです。この本の目次を見ると、テクノロジー、景観認知症、戦後建築、UFO学など民俗学ではふつう扱わないテーマが載っていて興味深い。『21世紀の民俗学』と題した民俗学は・・・日本人の変わらぬ本質を捉え得るものなのか?と思うのです。【21世紀の民俗学】畑中章宏著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>よりインターネット、スマホ、最新テクノロジーが神仏・祭り・習俗と絡みあう新世紀のリアルとは?新しいと思われていることが古いものに依存していて、古くさいと思われていたことが新しい流行の中にあるー。柳田国男や宮本常一以来、不安定で流動的な現象の中にこそ日本人の変わらぬ本質を見てきた民俗学が、新時代に切り込む。<読む前の大使寸評>この本の目次を見ると、テクノロジー、景観認知症、戦後建築、UFO学など民俗学ではふつう扱わないテーマが載っていて興味深い。『21世紀の民俗学』と題した民俗学は・・・日本人の変わらぬ本質を捉え得るものなのか?と思うのです。rakuten21世紀の民俗学">この本の序に、民俗学の成り立ち、展望が語られているが・・・・さて、どんなかな。p1~5<序・・・21世紀の「感情」> 21世紀の今日に起こった眼の前の事象について、民俗学を切り口にこれから綴っていきたいと思う。 現在進行形の出来事、流行、風俗にかんして、ほかの学問ではなく、なぜあえて民俗学という学問とその方法を用いるのか。それはさっき生まれ、いつ終わってしまうかわからない、不安定で流動的な現象を捉えるには、民俗学が最も有効だと思っているからである。(中略) 本書でも、伝統行事や風習の変貌、風俗流行にとどまらず、未来のことや宇宙のこと、現代の社会制度のことを取りあげていこうと思う。またわたしの関心領域である神仏習合や仏教美術、写真や建築についても積極的にふれていくことになるだろう。またそれらは、土地や場所、記憶や記録、あるいは広い意味での信仰について考えることであり、すべて感情にかかわることなのである。 わたしが本格的に文章を書くようになったのは、東日本大震災以降のことである。東日本大震災で日本社会が「取りこぼした」ものがあったような気がしたからだ。 震災後、社会学者や土木工学者による数値などのデータをもとにした分析を目にするたび、わたしは違和感を覚えた。数字が伝える情報は貴重だけれども、感情に踏み込んだ論評があまりにも少なすぎると感じた。津波の際に生死を分けたのは、「行政」によるものか、「運命」によるものか。 いまあえて、「運命」と「行政」というふつうでは対語として用いられない二字熟語を並べてみたのは、こういった引き裂かれた言葉でしか、だれもが表現していないように思うからである。復興、復旧のなかでの鎮魂や供養のあり方、放射能汚染から避難した人びと、事故後も原発を支持する人びとの感情を、わたしはいまだ捉えきれずにいる。 大災害を「生き延びてしまった」という後ろめたい気持ち、言葉にもできないほの暗い思いは数次では表しえない。おどろおどろしいイメージ化を拒むもやもやした感情が、TwitterのようなSNSで吐き出されていた。震災直後の雰囲気には、インターネット全体に瘴気のような禍々しさを感じたものだが、いまでも変わることがない。(中略) 日本の民俗学を創始したとされる柳田国男は、信仰を通じて過去の日本人の感情を理解し、日本人とは何かを明らかにしようとした。柳田は、「」と、学問の出発点を、自らの生家に置いている。柳田とは異質の民俗学をつくりあげたとされる宮本常一も、貧しい農家の長男としての出自と不可分な貧困の問題に取り組み続けた。 人類学がフィールドワークにおいて観察対象からある種の距離をとった記録を重視するのとは異なり、民俗学では扱う対象と研究社の距離がほんらいは近いはずである。伝承や風習、流行を、当事者として見つめて考える立場だといえよう。わたしは民俗学のアカデミックな教育を受けたものではないけれど、感情を揺さぶられた経験をもとに、等身大の体と自分の頭で、過去の事象、現在進行形の現象について考えているつもりだ。
2021.07.20
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<ゴジラvsコング>ハリウッド版のゴジラ映画が公開されていて、その一見、子供だましのようなポスターを見て、大使は観に行くかどうか、迷っていたのだが・・・迷わずに観に行くべきでしょうね♪【ゴジラvsコング】アダム・ウィンガード監督、2020年、米制作<Movie Walker press >より怪獣たちの戦いにより甚大な被害を受けた人類が再建を図る中、特務機関モナークは未知の土地で危険なミッションを進め、巨大怪獣のルーツをつかもうとしていた。そんな時、ゴジラが再び地上に出現。怒りを露わに、世界を危機へ陥れていくゴジラに対抗すべく、人類は髑髏島からコングを連れ出す。だが、その決断によって引き起こされた“最強”対決は、人類や地球の存亡を左右する事態へと発展していく。 <観る前の大使寸評>子供だましのようなポスターを見て、大使は観に行くかどうか、迷っていたのだが・・・迷わずに観に行くべきでしょうね♪Movie Walkerゴジラvsコングハリウッド版のゴジラ映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を付けておきます。見る前に同じように迷っているが・・・ゴジラの魅力には敵わないのです。***********************************************************************<ゴジラ キング・オブ・モンスターズ>ハリウッド版のゴジラ映画が公開されていて、ハリウッド映画嫌いの大使は観に行くかどうか、迷っていたのだが・・・どでかいモンスターの破壊力を観たいということで、結局観にいくことにしたのです。【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】マイケル・ドハティ監督、2019年、米制作、2019.6.03鑑賞<Movie Walker作品情報>より 日本が世界に誇る怪獣映画シリーズ『ゴジラ』。そのハリウッド版となる『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界を描くSFアクション。 復活した神話時代の怪獣モスラ、ラドン、キングギドラとゴジラが激突。世界の破滅を阻止せんとする未確認生物特務機関モナークの活躍を描く。前作に引き続き、渡辺謙がモナークの生物学者役で出演する。<観る前の大使寸評>どでかいモンスターの破壊力を観たいということで、結局観にいくことにしたのです。<観た後の大使寸評>『GODZILLA ゴジラ』の続編ということで、未確認生物特務機関「モナーク」の秘密基地が世界中に作られていて、やや子供だましではあるが目をつぶっておこう。だいたい太子にしても、アンギラス、ラドン、モスラと見続けてきたが、キングギドラあたりで、もうこんな子供だましは卒業だと思ったわけで・・・可愛げのない子供であった(汗)。おっと、ケチをつけるわけではない。この続編は全篇にわたって怪獣バトルが繰り広げられていて、けっこう騒がしいというか面白いのです。キングギドラが地球外生命体、ゴジラが地球生まれの怪獣として、この2体の覇権争いがメインテーマとしてあるわけで・・・その脇を古代生物学者の家族や、シーシェパードのような環境テロ集団や、ゴジラを愛する芹沢猪四郎博士(渡辺謙)たちがかためております。それから、エンドロールには、アンコール画面が観られるので、お見逃しなく。(かなりネタバレになったかな)Movie Walkerゴジラ キング・オブ・モンスターズ
2021.07.20
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今回借りた4冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「男性作家の小説」でしょうか♪<市立図書館>・クララとお日さま・サブマリン・カムイの世界・21世紀の民俗学<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【クララとお日さま】カズオ・イシグロ著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。生きることの意味を問う感動作。愛とは、知性とは、家族とは?ノーベル文学賞受賞第一作、カズオ・イシグロ最新長篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenクララとお日さま【サブマリン】伊坂幸太郎著、講談社、2016年刊<ブログのレビュー>より『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenサブマリン">【カムイの世界】堀内みさ, 堀内昭彦著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より文字文化を持たなかったアイヌが、代々語り継いできた精神と伝統を、数年にわたるアイヌの人々との心の交流を経て、現代の語り部たちの「言葉」を丁寧に聞き取り、守り継がれてきた儀式や祭祀、聖地、そしてカムイが宿る北海道の壮大な風景を写真で紹介。今に生きるアイヌの魂を探す旅。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenカムイの世界">【21世紀の民俗学】畑中章宏著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>よりインターネット、スマホ、最新テクノロジーが神仏・祭り・習俗と絡みあう新世紀のリアルとは?新しいと思われていることが古いものに依存していて、古くさいと思われていたことが新しい流行の中にあるー。柳田国男や宮本常一以来、不安定で流動的な現象の中にこそ日本人の変わらぬ本質を見てきた民俗学が、新時代に切り込む。<読む前の大使寸評>この本の目次を見ると、テクノロジー、景観認知症、戦後建築、UFO学など民俗学ではふつう扱わないテーマが載っていて興味深い。『21世紀の民俗学』と題した民俗学は・・・日本人の変わらぬ本質を捉え得るものなのか?と思うのです。rakuten21世紀の民俗学">************************************************************図書館大好き497
2021.07.19
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漢民族は嫌いだが、漢字文化圏という括りが好きな大使である。何でかなぁ?・・・ということで、漢字について集めてみました。甲骨文字・チャイニーズ・タイプライター・日本古代語と朝鮮語・閉された言語・日本語の世界・朝鮮日報が日本の国語辞典を評価・『漢字と日本人の暮らし』・『呪いの思想』・漢文の有用性・お言葉ですが・・・別巻2*********************************************************************<漢字の世界2>目次・漢字の来し方行く末・『呆韓論』・韓国での漢字教育・呉音、漢音、唐音、慣用音の違い・漢字排斥の弊害にあえぐ韓国・韓国から見た日本・韓国、台湾の漢字事情・漢字文化を考える*********************************************************************<漢字の世界1>目次・韓国で漢字復活・韓国が漢字効用に目覚めた・漢字がつくった東アジア・「中国文明の謎」第2集・漢字のベクトル・『おどろきの中国』3・『韓国が漢字を復活できない理由』・『漢字で覚える韓国語』R5:『チャイニーズ・タイプライター』を追記【チャイニーズ・タイプライター】トーマス・S・マラニー著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より中国語タイプライターの“不可能性”から繙かれる圧巻の言語技術文化史。漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源まで、波瀾と苦渋に満ちた展開を鮮やかに辿る。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/17予約、副本1、予約3)>rakutenチャイニーズ・タイプライター<『日本古代語と朝鮮語』2>父親から受け継いだ「日本古代語と朝鮮語」という本であるが、終戦時には朝鮮で小学校の教員だった父の経歴から、朝鮮関係の蔵書が充実しています。かなり専門的な本で、特に漢字、文化の伝来について述べられているのが、興味深いのでおます。【日本古代語と朝鮮語】大野晋編「日本古代語と朝鮮語」毎日新聞社、1975年刊<「BOOK」データベースより>アマゾンでは古書となるこの本にはデータもレビューもありません。で、この本の感想とエッセンスです。<大使寸評>漢字が渡来した時期の日本語はどんな言葉だったのか?という興味がわくし・・・中国に過剰適応してしまった朝鮮では、漢文はどう読まれたか?とにかく大使の関心は漢字にむかうわけです。Amazon日本古代語と朝鮮語『日本古代語と朝鮮語』2:朝鮮半島の種族構成『日本古代語と朝鮮語』1:中国語の音韻史<『閉された言語・日本語の世界』1>同音異義の漢字の成立理由が、中国語と対比して述べられています。p75~79■漢字語は音声と文字の交点に成立する 私はかねてから日本語は伝達」メディアとしてはテレビのような性格を持っていると主張している。音声を使って話している時でさえも、使われている漢字語の視覚的な映像を同時に頭の中で追っているのである。 これは決してすべての人が漢字を一字一画に至るまで、いつも正確に意識しているというわけではない。ある音形をきいたときに、それに対応するいくつかの、意味が関係のある漢字を思い浮かべ、前後の関係からどれか一つに決定するという意味である。「・・・官房長官がシ案を作りました」とニュースで聞くと、「私案」かな、それとも「試案」かなと一種の絵合わせを頭の中でやっていくのだ。この頃では、アナウンサーが御親切に「こころみ」の案だとか、「わたくし」の方だとか、ちょっと声を落として注をつけ始めたようだが、日常会話でも相手が使った言葉の文字を尋ねたり、自分の用いた語の表記に「さんずい」だとか「てへん」だなどと注を加えることは、しばしば経験する。 てのひらを出して字を書き示す習慣も日本独特で、西欧人はペラペラと綴りをそらでいう。私たちは字面を思い浮かべないと落ち着かない。 日本語に比べると、表記が原則的として表音である言語では、話すことはラジオのようなもので、すべての情報が音声という聴覚的刺激に託されている。そこで音形が同じで、意味に関連性があるような二つ以上の語は極端に嫌われ、互いに衝突するものとして一方が排除されてしまうのである。 日本語において表記が視覚的な情報源として働くということに対する言語構造上の理由は二つある。この二つは互いに原因であり結果であるという密接な関係に立っているが、現象としては一応別個の事実として考えるおとができる。 第一はすでに同音語の考察で明らかのように、お互いに同音で、しかも意味がなんらかの点で関連がある漢字が非常に多いということである。例えば「コウ」という発音を持った普通に用いられる漢字の数は、75にのぼる。これはポケット版である『岩波国語辞典』の見出し項目として出ているものだけであるから、大型の辞書にのっているものを数えれば、その数ははるかに多くなると考えられる。 この75の漢字のどれだけが、実際の会話の中で同音衝突を起こす可能性があるのかは簡単に決定できない。文の前後の脈絡次第で思わぬところで意味が混同されたり、取りちがえられることがあり得るからだ。荒天、好天や紅海、黄海などは衝突することは確実である。このようなとき、どんな字を使うのかという、表記に関する知識、つまり視覚的な情報が、曖昧性、多様性を解消することになるのである。(中略) 書かれた文字を見て、それをどう発音するかわからなくても、あるいはすぐ思い出せなくても意味はちゃんと分かることがあるのは誰でも経験することであろう。これはテレビを見ていて、音声を消してもある程度なんのことだか分かるのと比べられる。ラジオは消したらおしまいである。 以上の考察から明らかになったことは、西欧諸国の言語のように、文字表記が原則的には表音的な性質を持っている場合には、文字という視覚的情報は本質的には重複性がきわめて強いということである。 これに対し日本語の漢字語では、文字は音声からは別個に独立した情報源であり得るので、音声が等しくても、そして意味に関連があっても、文字さえ違えば同音衝突によるはじき出しが起こらないのは当然である。 この点で同じ漢字を使う中国語の場合と、日本漢字のそれとはかなり違っている。日本語の中に組込まれた漢字の音形は、日本語の音韻体系が中国語に比べて非常に単純であるために、もとの発音とは似ても似つかぬほど簡略化されてしまった。日本語には中国語のような声調(四声)の区別、有気無気の対立がなく、そして音節末の子音の存在を許さない。そこでもとの中国語ではまったく別の音形であった多くの漢字が、日本語に入ると同音になり、中国語では想像もつかないような数多くの同音異義の漢字が生れたのである。 このような日本化された漢字の表す概念(意味)は、もはや音的情報のみでは自立不可能となり、視覚的情報との交点においてはじめて明確に決定されることになった。【閉された言語・日本語の世界】鈴木孝夫著、新潮社、1975年刊<「BOOK」データベース>より日本語を話す人=日本人という「単一言語国家」であり、歴史上侵略された経験がない日本人は、いかなる言語を育んできたのか。数種類の一人称代名詞をもち、「相手依存」で自己規定する私たちの言葉の不思議。言語社会学の第一人者が、言語と文化への深い洞察をもとに、日本語観、外国観、そして日本人の自己像を考える。時代を経ても色褪せない必読の論考。<読む前の大使寸評>発行年度がかなり古い本であるが、当時で32刷となっているように・・・・いわゆるロングセラーなんだろうね♪ 借りた本は1990年発行となっています。rakuten閉された言語・日本語の世界<朝鮮日報が日本の国語辞典を評価>朝鮮日報が日本の国語辞典を評価しているので、見てみましょう。2018/04/08国語辞典の差、韓日の知力差より 先日、日本で静かな文化的事件が起きた。岩波書店が国語辞典の「広辞苑」の第7版を出したのだ。日本には1万種類を超える辞典、事典があふれる。そんな国で多くの国語辞典の一つが改訂版を出したところで大したことではなかろうというかもしれない。しかし、クリック数回でインターネットであらゆる辞典が見られる時代だ。民間の出版社が新たな紙の辞典を発売したことを決して軽く見るべきではない。(中略) 広辞苑は10年ごとに同じ作業を進めてきた。市民にも門戸を開いた。初期には日本初のノーベル物理学賞受賞者である湯川秀樹のような人物も解釈に参加したという。辞典に完璧はない。しかし、完璧に向かった改善の努力をやめないことが重要だ。日本にはそうした国語辞典が複数ある。個性もはっきりしている。言葉を扱い表現することが文化の水準を決定するとすれば、これは大きな力になる。 日本も「紙の辞典」が退潮する現象を経験した。広辞苑も1998年の第5版が100万部、2008年の第6版が50万部と販売が落ち込んだ。第7版は6月までの販売目標を20万部に設定している。しかし、インターネット時代に紙の辞典に1万5000円も払う人が20万人もいるということはむしろ驚くべきだ。いい加減な辞典を無料で使うより、カネを払っても信頼できる辞典が欲しいという人たちだ。彼らが日本の国語辞典を支える力だ。広辞苑はソウル光化門の教保文庫でも15部が売れたという。 韓国では国語辞典という市場自体が死滅した。人々がポータルサイトを利用するからだ。出版社の辞典チームは解体された。それゆえ、改訂競争で辞典の質を高める機会も消えた。国民の税金で設立した国立国語院の標準国語大辞典は1999年の初版発行以降、一度も改訂版を出していない。 オンラインでも本格的な改訂はなされていない。載せるべきものと載せなくてもよいものを区別できず。単語の最も正確な意味も盛り込まれていないという批判が根強い。オンライン辞典が大勢ならば、読者がオンライン国語辞典の誤りを指摘し、修正を求めて声を上げなければならない。国語辞典の差が韓国と日本の知力の差をもたらすと思うと恐ろしい。韓国で出版された韓国語辞典とやらを見たことがないのだが、漢字の扱いはどうなっているのだろうか?漢字抜きの韓国語辞典など、意味不明が拡散して、かえって混乱が生じるのではないかと思ったりするのだが。<『漢字と日本人の暮らし』>(長くなるので省略、全文はここ)
2021.07.19
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17日の近畿地方は高気圧に覆われておおむね晴れ、大阪管区気象台は、「近畿地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。(NHK)梅雨が明け、大暑が近づく小暑ということで、小暑の記事を復刻します。なお、夏の土用の丑の日は、2021年は7月28日となります。(2020年は7月21日)<二十四節季の小暑に注目(復刻)>早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は七十二候でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、小暑のあたりを見てみましょう。今年は梅雨前線が居すわっていて異常気象のようですね。和暦p18<小暑>梅雨が明け、夏本番、土用の鰻が美味な季節「小暑」は、現行の暦で7月7日ころから次の節気「大暑」の前日までの節気である。夏至の日から数えて15日目になる。 梅雨明けが近付き、暑さが本格的になるころで、『暦便覧』には「大暑来れる前なればなり」と記されている。 小暑に入ると、蝉が本格的に鳴き始める。多くの蝉が競うように一斉に鳴きたてる様子を、時雨に例えた「蝉時雨」という季語がある。うるさいほどの蝉の大合唱だが、ここを先途とばかりに鳴く蝉に、一抹のもの哀しさを感じさせられる季語でもある。小暑から立秋までは、節気にまつわる行事がたくさんある。 まず「暑中」と「土用の丑の日」。「夏の土用」の18日間が「暑中」の期間になっている。「土用」は年4回あり、立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの前日までの18日間が「土用」にあたる。 夏の土用は、「小暑」から数えて13日目ころから立秋の前日までということになる。従って、厳格な作法では、「暑中見舞い」は立秋の前日までであり、これを過ぎると「残暑見舞い」となる。 また、土用の丑の日も年4回あるが、ウナギを賞味する風習は夏に限定されている。 小暑の期間の七十二候は以下の通り。「温風至」暖かい風が吹いて来る、「蓮始開」蓮の花が開き始める、「鷹乃学習(鷹即ち技を習う)」鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える。二十四節季の夏至に注目
2021.07.18
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図書館で『小川洋子対話集』という本を、手にしたのです。小川洋子対話集ってか…目次を見ると対話者が異色で、期待できそうである♪(帰って調べてみると、この本を4年まえに借りていたことが分かったのです。で、この記事をその7としています)【小川洋子対話集】小川洋子著、幻冬舎、2007年刊<「BOOK」データベース>より日ごろ孤独に仕事をしている著者が、詩人、翻訳家、ミュージシャン、スポーツ選手と語り合った。キョロキョロして落ち着きがなかった子供時代のこと、想像力をかきたてられる言葉や文体について、愛する阪神タイガースへの熱い想い、名作『博士の愛した数式』秘話など心に残るエピソードが満載。世界の深みと、新たな発見に心震える珠玉の対話集。<読む前の大使寸評>小川洋子対話集ってか…目次を見ると対話者が異色で、期待できそうである♪amazon小川洋子対話集台湾文学に関する鼎談を、見てみましょう。なお、藤井さんは李さんの作品を和訳した翻訳家です。p82~86<言葉の海>小川:李昴さん、遠いところを日本までおいでくださいまして、まことにありがとうございます。きょうは、文学を愛する者同士としてお話しできればと思います。 李昴さんの小説を読んで避けて通れないのは、李昴さんが生まれ育ち、そして小説の舞台にもたびたび登場している鹿港という町です。かつては台湾米を大陸に輸出するための港として栄えながら、急流の河が流し込む土砂に埋まり、20世紀初めには廃港になってしまったという、町そのものがすでにひとつの物語であるかのようなところです。路地、暗がり、古いお屋敷、そこに住む古めかしい人々、そういうものがすべて、李昴さんの作家としての血となり肉になっていったような気がします。鹿港という町に李昴さんが生れたことが、台湾の文学にとって大いなる幸運であったといえるでしょう。 李昴さんの作品はおそらく、フェミニズム文学というような便利な表現で語られることが多いと思います。けれども、男性と女性、あるいは支配する者と支配される者というような二者間の対立を単純に描くものではありません。たとえば『夫殺し』という長篇は、飢えにかられて行きずりの兵士に握り飯二個で身をまかせ、その後行方不明になったとされる母をもつ林市という女性が、屠夫である夫・陳江水に嗜虐的な凌辱をたびたび加えられたあげく、朦朧とした意識のなかで夫を殺してしまうという物語です。 一見、男女の相克を描いているように見えますが、林市が夫を刀で刺したとき大量に噴き出す血液と、夫に擱かされた林市がベッドで流す血液、屠られた豚から流れる血、この三つの血液の描写には、すさまじいエネルギーがあふれていて、彼らが単にさげすんだりさげすまれたりしているだけの存在ではない。いやむしろ、生命の源を象徴するような崇高さを持っていると感じられます。(中略) 李:『夫殺し』という小説は、台湾で出版されたときには、内容が血なまぐさく、しかも性に関する描写が過剰であるというので、たくさんの批判を受けました。一方、日本では藤井省三先生の翻訳のおかげで、多くの方に愛読していただいて、とても感激した覚えがあります。 現在台湾で出版されている小川洋子さんの本は4冊あります。『純白的渇望』(『完璧な病室』)、『不冷的紅茶』(『冷めない紅茶』)、『不安的幸福』(『妊娠カレンダー』)の3冊は読んだのですが、あと1冊は十数年前に出たものなので、見つけられませんでした。 小川さんの小説で好きなのは、夫婦とか兄弟とか、どのような関係であっても、登場人物のあいだにきわめて安定した距離感があるところです。これは、私の小説の血なまぐささとはきわめて対照的な特徴だと思います。 作品を読む限りでは、小川さんはかなり孤独な人ではないかという印象を受けました。というのは、小川さんの小説では、愛や希望というものが、あまり表面には出ないようなかたちで、実にクールに隠されていますから。 たとえば、『完璧な病室』という作品は、若くして不治の病にかかった弟と、彼を介護する姉をめぐる物語です。通常、私たちにとって、病室というのはあまり快適な空間とはいえません。ところが小川さんの小説では、現実の雑多で混乱した世界から隔離されたかのような、すっきりした美しい世界として描かれています。(中略)藤井(司会):自己紹介かたがた、お互いの作品に対する感想を語っていただきました。実は、今回、日本と台湾を代表するふたりの作家に対談をしていただくにあたって、同じテーマで短篇を競作したうえで、それをめぐって対話していただくという企画をたてています。これは台湾、中国といった中国語圏と日本との間では初めての試みとなります。 小川さんは岡山県出身で、現在は神戸のすぐ隣の芦屋にお住まいです。李昴さんは古い港町である鹿港の出身で、おふたりとも海辺に生まれ育ったということから、「海」をテーマに選ばせていただきました。 李昴さんの作品は『海峡を渡る幽霊』、小川さんはずばり『海』というタイトルで、それぞれ翻訳であらかじめお読みになっています。まず小川さんから李昴さんの『海峡を渡る幽霊』についてお話しいただきたいのですけれども。小川:私の洋子という名前は、親はおそらく太平洋のように広い心を持った子どもにという願いをこめてつけたのだと思いますが、その意に反して、小さな川という姓の人と結婚してしまいました。なかなか思惑どおりにいかないものですね(笑)。 さて、「海」という共通のテーマをいただいたのですが、その海のとらえ方がふたりの間でこんなにも違っていたことがとても嬉しくて、大変興味深く読むことができました。 私が描いた短篇は、海がテーマでありながら、実は海が出てこない物語です。ところが、『海峡を渡る幽霊』は、海そのものが主人公であるといってもいいものです。なにより、作者自身が、書き手ではなく、あたかも語り手であるかのような錯覚を与える独特な文体が非常に魅力的でした。遠い昔におばあさんにおとぎ話を聞かせてもらった、そいう喜びを思い出させてくれます。 『小川洋子対話集』1:翻訳家の柴田元幸さん、作家のレベッカ・ブラウンさんとの対談p69~72『小川洋子対話集』2:翻訳家の柴田元幸さん、作家のレベッカ・ブラウンさんとの対談の続きp133~136『小川洋子対話集』3:田辺聖子さんとの対談p11~14『小川洋子対話集』4:翻訳家の岸本佐知子さんとの対談p48~51『小川洋子対話集』5:田辺聖子さんとの対談(続き)p16~20『小川洋子対話集』6:翻訳家の岸本佐知子さんとの対談(続き)p71~74この本も小川洋子ミニブームに収めるものとします。
2021.07.18
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・池井戸潤『半沢直樹 アルルカンと道化師』(11/29予約、副本33、予約644)現在210位・内田樹『コモンの再生』(1/05予約、副本2、予約21)現在3位・村上春樹『一人称単数』(1/27予約、副本26、予約301)現在72位・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、副本9、予約89)現在51位・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在439位・桐野夏生『日没』(4/24予約、副本24、予約300)現在196位・鎌田由美子『「よそもの」が日本を変える』(4/26予約、副本1、予約6)現在3位・マイケル・サンデル『実力も運のうち』(5/05予約、副本1、予約73)現在44位・ヤマザキマリ『生贄探し』(5/14予約、副本1、予約19)現在10位・『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』(5/30予約、副本2、予約16)現在13位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在274位・『生態学者の目のツケドコロ』(6/28予約、副本3、予約21)現在19位・『チャイニーズ・タイプライター』(7/17予約、副本1、予約3)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・『大人の恐竜図鑑』・『レアメタルの地政学』・『中国の大盗賊』・ブレイディみかこ『他者の靴を履く―アナーキック・エンパシーのすすめ』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・『理不尽ゲーム』 ・野外鳥類学を楽しむ・オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』・小野正嗣『多和田語の世界』:図書館未収蔵・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・多和田葉子『文字移植』:図書館未収蔵・高野秀行「怪獣記」・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:須磨図書館でみっけ・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:5/13以降> ・ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在(2/18予約、5/13受取)・『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(1/06予約、5/13受取)・清水義範『大人のための文章教室』(5/15予約、5/26受取)・川越宗一『熱源』(6/08予約、6/06受取)・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』(9/19予約、6/06受取)・ケン・リュウ『生まれ変わり』(5/26予約、6/15受取)・田口俊樹『日々翻訳ざんげ』(4/29予約、6/20受取)・『超ひも理論と宇宙のすべてを支配する数式』(6/14予約、7/03受取)・平松洋子『韓国むかしの味』(7/05予約、7/09受取)・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』(3/20予約、7/18受取予定)***********************************************************************【半沢直樹 アルルカンと道化師】池井戸潤著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より東京中央銀行大阪西支店の融資課長・半沢直樹のもとに、とある案件が持ち込まれる。大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版舎・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/29予約、副本33、予約644)>rakuten半沢直樹 アルルカンと道化師【コモンの再生】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<出版社>より天下りのマッチポンプ、地方の過疎化、アンチ・グローバル化現象……コモン(共有地)の再生が日本の活路を開く!・西部劇『シェーン』が示すコモンをめぐる原理的な主題・ベーシックインカムの成否を決定づける要素とは?・トランプ現象とアンチ・グローバリズムの流れ・マナーの悪い「幼児的」なオヤジのマウンティングについて・明治維新前の藩制度とフランスのコミューンの共通点・「自我の支配」から解放される瞑想のやり方……etc.分断を超えて、新しい共同幻想が立ち上がる希望の書。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/05予約、副本2、予約21)>rakutenコモンの再生【一人称単数】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。【目次】石のまくらに/クリーム/チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ヤクルト・スワローズ詩集/謝肉祭/品川猿の告白/一人称単数<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/27予約、副本26、予約301)>rakuten一人称単数【武器としての「資本論」】白井聰著、東洋経済新報社、2020年刊<「BOOK」データベース>より資本主義を内面化した人生から脱却するための思考法。【目次】本書はどんな『資本論』入門なのか/資本主義社会とは?-万物の「商品化」/後腐れのない共同体外の原理「無縁」-商品の起源/新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」-「包摂」とは何か/失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」-魂の「包摂」/「人生がつまらない」のはなぜかー商品化の果ての「消費者」化/すべては資本の増殖のためにー「剰余価値」/イノベーションはなぜ人を幸せにしないのかー二種類の「剰余価値」/現代資本主義はどう変化してきたのかーポスト・フォーディズムという悪夢/資本主義はどのようにして始まったのかー「本源的蓄積」/引きはがされる私たちー歴史上の「本源的蓄積」/「みんなで豊かに」はなれない時代ー階級闘争の理論と現実/はじまったものは必ず終わるーマルクスの階級闘争の理論/「こんなものが食えるか!」と言えますか?-階級闘争のアリーナ<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/06予約、副本9、予約89)>rakuten武器としての「資本論」【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【日没】桐野夏生著、岩波書店、2020年刊<「BOOK」データベース>よりあなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/24予約、副本24、予約300)>rakuten日没【「よそもの」が日本を変える】鎌田由美子著、日経BP、2021年刊<出版社>よりコロナ禍で日常生活や働き方が激変し、心のどこかで「これまで通りの生き方で本当にいいのか」と悩んでいる人も多いのではないだろうか。ニューノーマルは見たことのない世界ではなく、「デジタル化」「多様性」「環境意識」といった後回しにしてきた問題が目の前に突き付けられただけーー。JR東日本でエキナカや地域活性化を成功させてきた著者が、「『What if?』という自問自答が必要」「仕事と生き方は融合していく」「サステナブルが日常に」など、個人や企業の「これからの生き方」を提示する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/26予約、副本1、予約6)>rakuten「よそもの」が日本を変える【実力も運のうち】マイケル・サンデル著、早川書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より「努力と才能で、人は誰でも成功できる」この考え方に潜む問題が見抜けますか?100万部突破『これからの「正義」の話をしよう』から11年ー格差と分断の根源に斬りこむ、ハーバード大学哲学教授の新たなる主著。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/05予約、副本1、予約73)>rakuten実力も運のうち【生贄探し】ヤマザキマリ×中野信子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より幸せそうな人を見ると、モヤッとする、相手が得をすると損した気持ちになる、抜け駆けする人が痛い目に遭うのは当然、お前だけを特別扱いできない、などー日本人の思考の傾向は脳の特徴だった。豊かで多様性のある生き方のために、中野信子とヤマザキマリがアドバイス。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本1、予約19)>heibonsha生贄探し【分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議】河合香織著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>よりクラスター対策に「3密」回避。未知の新型コロナウイルスに日本では独自の対策がとられたが、その指針を示した「専門家会議」ではどんな議論がなされていたのか?注目を集めた度々の記者会見、自粛要請に高まる批判、そして初めての緊急事態宣言…。組織廃止までの約五カ月、専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描く迫真のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/30予約、副本2、予約16)>rakuten分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【生態学者の目のツケドコロ】伊勢武史著、ベレ出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より生物と生物、生物と環境との関係を調べる、生物学の一分野である生態学。生きものについて知りたい、自然を守りたいと願う人にとって、生態学的な見方は必ず役に立つ。自然と生きもの、人間との関係を見つめ直す7つの章。【目次】第1章 人に囲まれて/第2章 暮らしのなかで/第3章 文化に触れて/第4章 外国を旅して/第5章 里山に生きて/第6章 森を歩いて/第7章 研究をとおして<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/28予約、副本3、予約21)>rakuten生態学者の目のツケドコロ【チャイニーズ・タイプライター】トーマス・S・マラニー著、中央公論新社、2021年刊<「BOOK」データベース>より中国語タイプライターの“不可能性”から繙かれる圧巻の言語技術文化史。漢字についての発想の転換や戦時中の日中関係、入力や予測変換といった現在につながる技術の起源まで、波瀾と苦渋に満ちた展開を鮮やかに辿る。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/17予約、副本1、予約3)>rakutenチャイニーズ・タイプライター【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。
2021.07.18
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本屋の店頭で『「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号』という雑誌を手にしたが…図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。【「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号】雑誌、Wedge、2021年刊<Wedge社サイト>より現代文明を支える「砂」、「土(レアアース)」、「水」─。世界ではいま、これらの戦略資源の奪い合いが起こっている。ありふれた素材の「砂」は高層ビルから半導体まであらゆるものに使われ、「土(レアアース)」は世界の自動車メーカーが参入する電気自動車(EV)に欠かせない。そして生命に欠かすことのできない「水」……。それぞれの資源ウォーズの最前線では何が起こっているのか。<読む前の大使寸評>図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。wedge「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号もう一つの特集:「共産党100年」論を見てみましょう。p65~67<1000年経ても変わらない「盗賊王朝」中国共産党の本質:岡本隆司> 先般、中国文学者の高島俊男氏が亡くなった。享年84。平易軽妙な文章で、複雑難解な漢語漢文と中国事情を、世に広めてくれた文筆家である。 数ある代表作のうち、歴史屋のイチオシといえば、『中国の大盗賊』(講談社現代新書)。版を重ねて、ベストセラーにもなった。 「盗賊」といっても、ドロボーの話ではない。そもそも中国と日本では、スケールも中身もちがう。日本の「盗賊」はやはりドロボー、いかめしい漢語でいうくらいだから、大がかりな窃盗団・強盗団をイメージするのがおそらく正しい。 それに対し中国で「盗賊」というと、規模の大小にかかわらず、もっとありふれた、永続的な組織を指す。広域暴力団や武装マフィアを想起したほうが、むしろ実態に近い。 もちろん暴力団ともマフィアとも異質、高島氏も日本にはないもおのなので、原語で「盗賊」と呼ぶしかないという。というのも「盗賊」でありながら、それが拡大成長をとげれば、天下をとって君臨することもあるからで、中国史とは「盗賊」の興亡がつくってきた歴史でもあった。 そんな歴史を描く『中国の大盗賊』の白眉は、毛沢東の中国共産党・中華人民共和国を歴代「盗賊王朝」の悼尾に配したくだりにある。それなら「盗賊王朝」とは何か、毛沢東政権がなぜそうなのか、について説明がなくてはならない。■「一統」を尊ぶ中国、西側諸国の常識と前提が異なる 中国は厖大な大陸であり、そこには多種多様な言語・習俗の人々が混交し、せめぎあって暮らしてきた。そうした世界を治めるため、発明されたのが中国の王朝体制である。独尊独裁の天子を戴くエリート官僚制が、各地の多種多様な社会をとりまとめるというシステムであり、少なく数えても1000年以上にわたり続いてきた。社会が多元的なために、政体はかえって、何よりも一統を尊ぶ、というありようなのである。 こうしたシステムでは、政府上層がたとえ一元性を保っても多元的な基層社会の隅々にまで、その権力・統制は浸透しないし、逆に基層社会の実情も、政府権力に伝わりにくい。上層のエリートと下層の庶民に大きな隔絶が生じる。為政者は民衆を信じず、民衆はそれ以上に政府を信じない。 中国では以上のようなありようが、時代によって程度の差こそあれ政治社会の史的構造をなし、その特質となってきた。そうした意味で中国は、人権・政体・法制など多くの位相で、西側諸国の常識とする前提と異なった世界なのである。 そうした中国世界の所産が「盗賊」だった。あるいは「秘密結社」と呼んだりもする。体制と隔離した民間社会を構成する独自の自活組織が反体制化したもので、しばしば大がかりな武装をしていた。 「盗賊」とは社会不安から生じ。治安の悪化・政情の不穏をひきおこし、助長し拡大し、やがて各地に割拠し、ついには政権まで奪取してしまい、王朝に転化しかねないというような存在である。実際にそうやって天下をとろうとした成功と失敗が、中国史を彩ってきた。 紀元前3世紀、漢の高祖・劉邦は、司馬遼太郎の小説もあって、日本人にもおなじみだろうか。「盗賊」皇帝の「元祖」・典型である。下って14世紀、明の太祖・朱元璋(洪武帝)も、著しい成功例だった。 『中国の大盗賊』の語るところでは、明の李自成・清の洪秀全が著名な失敗例である。失敗例はほかにもおびただしくあり、大小とりまぜて枚挙に暇が無い。 成功例は上にあげたくらいで、もとより希少である。そして現在のところ、最後の成功例こそ、毛沢東の中国共産党にほかならない。(中略) つまり現在の中国政府は、「盗賊王朝」のなれのはてなのである。それなら自らを育み、成り立たせた政治体制・社会構造を全面的に覆滅はできない。毛沢東の文化大革命はどうやらそれをめざしたために暴走し、中国自らが大きなダメージを受けた。10年しか続かなかったゆえんであろう。■中国の歴代政権が抱える宿命的な脆弱さ 中国共産党は今年で、「結党100年」と標榜している。天下をとってからも古希以上、それだけ続けば、史上なみいる「王朝」に勝るとも劣らず長命で、やはり「王朝」と呼ぶにふさわしい。10年はおろか、わずか4年で亡んだ正統王朝もあるからである。 しかも政体・社会の本質が変わっていないとすれば、史上の「王朝」時代の事象・史実の既視感がつきまとうのも、当然というべきであろう。朱元璋(洪武帝) たとえば14世紀後半に「盗賊」の朱元璋が建設した明朝は、「中華」の統合をめざし、国内統合や対外関係の両面において、理念先行の画一的・統制的な施策に固執した。やがて世界経済の発展とともに、各地の勢力が強まって多元化の様相を深めた時勢の変化に対応しきれず、行き詰まって17世紀半ばに亡んだ。 その後を承け、在地勢力に対する放任に転じて、政治・経済を立てなおしたのが、清朝である。しかしながら、多元の共存をはかった放任は、統制力の不足をもたらし、欧米・日本など列強の勢力浸透を許して、国土がバラバラになりかけた。これが19世紀の末のことである。 統制・画一と放任・多元の組み合わせ、あるいはその振幅の大小が、政局・政策・政体を規定する。こうしたパターンで近現代の中国を説明できるといっても、おそらく過言ではあるまい。「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-3:チャイナウォッチャーと経済学者との対談「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-2:デジタル・リヴァイアサン「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-1:レアアースショックから10年
2021.07.17
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本屋の店頭で『文芸春秋(2020年8月号)』を、手にしたのです。ウーム 今月号は読みどころがたくさん載っていて、特集「中国共産党の野望と病理」も充実しているので、手元不如意の太子も・・・久々に買い求めたのです。【文芸春秋(2021年8月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<Customer reviews>より①今月は中国特集号だ。一帯一路政策、サイバーテロ、宇宙人戦争、台湾への圧力、ウイグル弾圧と枚挙に暇がない。②習近平は中華帝国の再来を目指している。ウイグル弾圧や香港の民主化運動場弾圧、台湾への圧力強化が国際社会から非難されても一向に構わない。主権は中国にある。③台湾への圧力強化は間違いなく日米中関係を悪化させる。中米に挟まれて苦しむのは日本である。これ以上米中関係を悪化させないように仲介役を務めるのが日本の外交政策である。④善隣外交の手腕が日本に求められている。お勧めの一冊だ。<読む前の大使寸評>追って記入amazon文芸春秋(2021年8月号)中国の量子科学衛星や宇宙ビジネスを見てみましょう。p130~134<宇宙を支配する「量子科学衛星」の脅威:青木節子>■21世紀のスプートニクショック 1957年10月、米国に衝撃が走りました。「スプートニクショック」です。人工衛星の打ち上げにどちらが先に成功するかを米ソが競っていたなかで、ソ連が世界初のの打ち上げに成功したのです。このニュースが流れると、先を越された米国民は集団ショック状態に陥りました。 そして2016年8月、「21世紀のスプートニクショック」とも言える事件が起こります。中国が「量子科学衛星」というこれまでになかったタイプの人工衛星「墨子」の打ち上げに成功したのです。 量子科学衛星とは、量子暗号通信技術を搭載した人工衛星のことです。この通信技術は、光子(光の粒子)の性質を利用したもので、いかなる計算機でも解読できず、盗聴・傍聴が原理的に不可能とされています。 量子暗号通信は、軍事、外交、金融市場など、秘匿性の高い情報伝達が死活的に重要な分野での覇権を左右する技術です。 ただこれを地上の光ファイバーを用いて行う場合は、光の減衰が生じるので伝播損失が激しく約300キロメートルしか伝送できないという欠点があります。そのため、例えば、日本全国をカバーするには、3000~5000程度の地上局を設置する必要があると言われています。 しかし、量子科学衛星を用いると、こうした問題も一挙に解決します。人工衛星は真空を航行するため、光の減衰が起こらず、全世界をカバーする量子暗号通信網が可能になるのです。 そこで中国は、量子科学衛星をいち早く打ち上げました。実用化には、衛星の通信実験だけでなく、衛星と地上をつなぐ技術や施設も必要となりますが、中国は、この分野でも技術開発を先行して進めています。 現在、宇宙と量子暗号のやり取りができる人工衛星は、「墨子」のほかにありません。軍事・外交のパワーバランスに直結する死活的に重要な技術開発分野で、米国は中国の後塵を拝してしまったのです。■中国の宇宙ステーションだけが? 中国の宇宙開発は、その他の分野でも留まるところを知りません。 2019年1月、中国は、世界で初めて、月の「裏側」への探査機(ジョウガ4号)の着陸を成功させました。「見えない場所」に着陸させ、しかも、気温なども過酷な環境下で着陸後も探査を継続するのは至難の業と言えます。 月面だえでなく火星探査でも中国は、破竹の勢いです。 2020年7月、中国は、火星探査機の打ち上げに成功し、「2021年6月までに」という当初の予定通りに、5月14日、無人探査機「天間1号」の火星への着陸への着陸を成功させました。着陸自体は米ソに続き3番目ですが、火星の表面で探査車を用いる無人探査を行う国としては米国に続き2番目となったのです。 さらに4月29日、中国は、大型宇宙ステーションの基幹施設「天和」の打ち上げを成功させました。今後、2基(間天と夢天)の施設も打ち上げて、3基を連結して独自の宇宙ステーション(天宮)を来年中に完成させる予定です。(中略) 衛星測位システムの分野でも、中国は、米国を凌ぐ勢いです。 中国版GPS「北斗」は、2000年から2020年の間に、計55基の衛星を打ち上げており、運用停止やバックアップ用のものを除いて計35機で運用されています。米国のGPSは31機体制なので、数の単純比較で言えば、米国をすでに上回っているのです。『文芸春秋(2021年8月号)』2:台湾侵攻「日米極秘訓練」『文芸春秋(2021年8月号)』1:中国の「巨大な監視社会」やネットカルチャー
2021.07.17
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本屋の店頭で『文芸春秋(2020年8月号)』を、手にしたのです。ウーム 今月号は読みどころがたくさん載っていて、特集「中国共産党の野望と病理」も充実しているので、手元不如意の太子も・・・久々に買い求めたのです。【文芸春秋(2021年8月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<Customer reviews>より①今月は中国特集号だ。一帯一路政策、サイバーテロ、宇宙人戦争、台湾への圧力、ウイグル弾圧と枚挙に暇がない。②習近平は中華帝国の再来を目指している。ウイグル弾圧や香港の民主化運動場弾圧、台湾への圧力強化が国際社会から非難されても一向に構わない。主権は中国にある。③台湾への圧力強化は間違いなく日米中関係を悪化させる。中米に挟まれて苦しむのは日本である。これ以上米中関係を悪化させないように仲介役を務めるのが日本の外交政策である。④善隣外交の手腕が日本に求められている。お勧めの一冊だ。<読む前の大使寸評>追って記入amazon文芸春秋(2021年8月号)かわぐちかいじの漫画でも描かれた先島諸島有事であるが・・・この特集号では、実戦を見据えた日米共同のリアルな演習が計画されているとレポートされています。。p104~107<迫る台湾侵攻「日米極秘訓練」の全貌:安田峰俊>■「台湾危機で日本有事」の深層 注目すべきは、すでに三年前より、海兵隊と陸自が極めてリアルな共同演習を行っていたことである。しかも、演習の土台となるシナリオには、台湾に近い日本の先島諸島(宮古島、石垣島や与那国島など)が組み入れられていたのだ。 「台湾有事が勃発すれば、地政学的に台湾に近い日本の先島諸島へも中国の攻撃があると考えたのは純軍事的な発想であり、陸自とも共有した。特に、先島諸島にある幾つかの空港は台湾侵攻作戦を行う中国にとって、そこに日米舞台が集結すれば、戦略的な判断で事前に制圧する可能性があり、それを奪還する作戦の『エクササイズ』は極めて重要だと認識していた」(太平洋海兵隊関係者) そして今、海兵隊と陸自の「エクササイズ」は遥かにグレードアップすることとなった。そこには重大な理由があった。 * 台湾を巡り、米中の緊張度が高まっている、と内外の多くのメディアが発信している。その中で特に注目されたのが、今年3月下旬、新しくインド太平洋軍司令官に指名されたアメリカ海軍のジョン・アキリーノ海軍大将の記者会見での言葉だ。 「中国は台湾に対する支配権を取り戻すことを『最優先課題』と位置付けており、この問題は大半の人が考えているよりもはるかに切迫しているというのが私の意見だ。われわれは受けて立たなければならない」 その後、国内のメディアで、台湾有事が起これば、“日本もタダでは済まない”“日本有事となる”・・・との論調や解説を多く目にするようになった。 しかし、“日本もタダでは済まない”“日本有事となる”とは、いったい何が起きるというのか。 台湾侵攻を狙う中国の人民解放軍とアメリカ軍との間でもし戦争が起こるとすれば日本はどう関わるのか、いかなる被害が出るのか・・・その実際の様相がなかなかイメージできない。 それを探るべく、今回、日米の関係者への取材で明らかになったことは、想像を遥かに超えた「現実」であった。■キーン・エッジで台湾危機で台湾侵攻を想定 前述した、海兵隊と陸自の「エクササイズ」がグレードアップしたこととは、半年後に開催が予定されている、ある日米合同演習のことだ。 5月下旬、神奈川県座間市にある、陸自の作戦を統括する組織「陸上総体」の一組織「日米共同部」が詰める施設に、海兵隊の幹部たちが参集した。「日米共同部」とは、陸自がアメリカ軍と共同して戦闘を行うための“調整所”だ。(中略) この演習は、日米舞台の間では「キーン・エッジ」という名称で呼ばれている。よく耳にする「YS」とも「ヤマサクラ」とも呼ばれる日米合同演習は、そのシナリオが非現実的なものも一部含まれる一方、「キーン・エッジ」は、「まさしく“今、そこにある危機”をテーマとする極めてリアルな演習」(海兵隊関係者)である。 前出のアメリカ太平洋海兵隊関係者によれば、今回のシナリオは、ズバリ、中国・人民解放軍による台湾侵攻対処作戦のうち、先島諸島での陸自との共同作戦をテーマにしているという。 「キーン・エッジで、“台湾侵攻対処作戦における先島諸島での陸自との共同作戦”がメニューとなる意味は重大だ」(同関係者) では、この「キーン・エッジ」でいかなる内容の演習が行われようとしているのか、それについて海兵隊関係者の取材を進めていくうちに、“日本もタダでは済まない”“日本有事となる”・・・その答えの一つが見えてきたのである。■第一列島線に海兵隊を展開 「キーン・エッジ」を巡る「日米共同部」での海兵隊と陸自の協議の冒頭、海兵隊側から、「最優先テーマとしたい」とするメニューを陸自側に提案したという。 「我々(海兵隊)が『EABO』(遠征前進基地作戦)を行うために『MLR』(海兵沿岸連隊)を先島諸島へ初期配置する時、日本の『法的縛り』について検証し、問題点を洗い出したい、そう陸自側に要請した」 聞き鳴れない名称が連続するが、これには説明が必要だ。 前出の太平洋海兵隊関係者が解説する。 「中国による台湾侵攻の危険度アップや南シナ海における覇権拡大を受け、我々は、2年前『MPS』(海洋圧迫戦略)を作成した。狙いはズバリ“西太平洋における中国の軍事侵攻は失敗する”ことを、中国の指導者に知らしめて軍事的行動を抑止するおとにある」 それに基いて、中国と正面で対峙するⅢMEF(海兵隊第3海兵遠征軍)は大きな戦略転換を行なったという。 「それは『EABO』と呼ぶまったく新しいコンセプトの作戦の作成だ。第一列島線のインサイド(内側=中国側)で、人民解放軍が軍事作戦を成功させるための必要条件と認識している航空優勢、海上優勢と情報支配についての情報を確保すること。また、アメリカの同盟国・友好国の領土を占領するなどの侵略にによって目的を達成する能力を、中国の作戦部隊への攻撃によって低下させ、中国が第一列島線を越えて力を行使するのを阻止するための作戦である」 具体的に言えば「EABO」とは、海兵隊の小規模の編成部隊が海を渡って戦略的に重要な島や土地に移動し、監視、対艦ミサイルの発射、堅牢な前方給油・弾薬補給基地の設置、敵への妨害工作などの任務を遂行した後、海沿いに別の場所に移動するという概念だ、と同関係者は説明した。かわぐちかいじの漫画を付けておきます。空母いぶき 5より 占領された先島諸島2島の武力奪還のため、「いぶき」艦載機が現場海域の航空優勢を確保!!続いて、中国軍駆逐艦2艦が艦隊の行く手を阻む!! 撃沈による戦火拡大を避けるため、敵艦の武装のみを破壊する高難度作戦にイージス護衛艦「ちょうかい」が挑む・・・!!!そして、多良間島に置かれた対艦ミサイル掃討のため、「いぶき」航空団司令・淵上が空に上がる!!!『文芸春秋(2021年8月号)』1
2021.07.16
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本屋の店頭で『文芸春秋(2020年8月号)』を、手にしたのです。ウーム 今月号は読みどころがたくさん載っていて、特集「中国共産党の野望と病理」も充実しているので、手元不如意の太子も・・・久々に買い求めたのです。【文芸春秋(2021年8月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<Customer reviews>より①今月は中国特集号だ。一帯一路政策、サイバーテロ、宇宙人戦争、台湾への圧力、ウイグル弾圧と枚挙に暇がない。②習近平は中華帝国の再来を目指している。ウイグル弾圧や香港の民主化運動場弾圧、台湾への圧力強化が国際社会から非難されても一向に構わない。主権は中国にある。③台湾への圧力強化は間違いなく日米中関係を悪化させる。中米に挟まれて苦しむのは日本である。これ以上米中関係を悪化させないように仲介役を務めるのが日本の外交政策である。④善隣外交の手腕が日本に求められている。お勧めの一冊だ。<読む前の大使寸評>追って記入amazon文芸春秋(2021年8月号)中国の「巨大な監視社会」やネットカルチャーを、見てみましょう。p144~147<「習近平の個人情報」を盗んだ男たち:安田峰俊> 今年7月1日に建党百年を迎えた中国共産党が近年ひときわ腐心しているのが、イノベイティブなIT技術の積極的導入による社会のスマート化と、その技術を国内治安の維持に応用することだ。 今年、中国の治安維持予算は1850億元(約3兆900億円)規模に達した。膨大な費用を投じることで構築されたのが、人類史上でも最大規模の巨大な監視社会である。 中国では全国民に、ICチップでデータ管理された顔写真入りの身分証が発行され、その常時携帯と、長距離移動やホテル宿泊の際の提示が義務付けられている。旅先で提示された身分証はカードリーダーで読み込まれて公安部のデータベースに送られるため、旅行や外泊の履歴、海外や香港・マカオへの渡航歴や登場便名はすべて個人情報と紐付けされた形で当局に記録される。 加えて中国では、民間企業が保管する個人情報ですら当局が自由に使用できる。たとえば、個人の銀行の口座残高、携帯電話の番号やGPS(位置情報)、WechatというLINEに似たメッセンジャーアプリのアカウントと会話・通信履歴、QRコードを用いたキャッシュレス決済の利用情報、フードデリバリーや配車アプリの使用履歴・・・といった現代の便利な都市生活を支える情報の一切は、すべて個人と紐付けされた形で公安部に把握されている。 さらに中国全土には約2億台の監視カメラが存在し、都市部では顔認証機能によってまたたく間に個人の特定が可能である。加えて中国の警官たちには、派出所の巡査や交通警官など最末端の人材にいたるまで「警務通」と呼ばれるスマホ状の移動端末が配備されている。たとえ屋外にいても、端末に身分証番号を打ち込めば、クラウド上にある全国民のデータベースから当該人物の戸籍情報や顔写真が表示される。瞬時に相手の身元を調べられる仕組みだ。 いまや中国においては、監視カメラのAIと警官が持つ「警務通」の双方によって、戸籍を持つあらゆる国民の身元の洗い出しが一瞬でおこなえるうえ、個人の移動・消費・他者とのコミュニケーション内容といったあらゆる情報も、すべて当局が把握することが可能となっている。 ・・・もっとも、ほぼ全国民の情報がデータ化されたことで、意外な問題も生れた。 すなわち、本来ならば最高レベルの国家機密に属するはずの、習近平をはじめとした党高官やその家族の個人情報ですらも、データベースのなかに含まれていたことだ。彼らとて現代中国の社会で生きる民である以上、デジタルな情報管理の網からは逃れられない。 結果、これが体制の意外な泣きどころとなる。2018年ごろから、各種の手段で入手した中国共産党の高官やそのファミリーの機密情報をインターネット上に公開する行為(ドキシング)を通じて、党体制に反抗する若いネットユーザーのグループが現れるようになったのだ。 彼らは通称「悪俗圏」と総称される。一昔前に話題になった国際ハッカー集団のアノニマスや機密公開サイト『ウィキリークス』の中国版、と説明すれば多少はイメージが湧きやすいかもしれない。 しかも悪俗圏の最高レベルのリーダーの一人は、なんと日本国内で暮らしている。本記事では彼の告白を軸に、近年の中国共産党を揺るがせている前代未聞の事態の全貌を描き出していくこととする・・・。■習近平の個人情報を暴く方法 「中国人民はみんな、18桁の身分証番号を割り当てられている。すなわち、最初の6桁が戸籍登録地の地域番号、次の8桁が生年月日、残る4桁のうち1桁は性別だ。これは習近平だって利害じゃない」 地方都市のファミリーレストランで、目の前の若者が喋り続けていた。彼は広東省シンセン市生まれの肖彦鋭(26)。いまや中国国内では大量逮捕によってほぼ壊滅した、悪俗圏の最高幹部の数少ない生き残りである。2018年以降、日本で事実上の亡命生活を送り、関西地方のある小都市で暮らしている。 「まず、習近平の身分証番号が特定されたのは2018年9月なのだが、これをやったのは僕らの仲間じゃなかった。なぜなら技術的には非常に簡単で、誰でもできることだったからだ。習近平の戸籍登録地や性別、誕生日は公開情報だから、実は18桁の番号のうち15桁までは予測できる。不明なのはたった3桁だけだ。総当り式で試せば番号を特定できてしまう。解析のためのプログラムを組むまでもなく、その気になれば手動でも可能な作業だよ」 身分証明番号が本物かどうかを確かめる最も簡単な方法は、その番号を使って中国IT最大手のテンセント社のウェブサービスに新規ユーザー登録をおこなうことである。 なぜならテンセント社は民間企業とはいえ、中国人の大部分が使用しているメッセンジャーアプリ「We Chat」や「QQ」の提供元だ。 これらは事実上の国民的通信インフラなので、提供元であるテンセント社の利用者情報の登録システムは、中国公安部のデータと直結している。日本では考えられないこの仕組みを、あべこべに利用するのだ。(中略)゙■中国の「Z世代」オタクの反乱 悪俗圏はもともと『百度テイエハ』というネット掲示板のコミュニティが発祥だ。日本の『2チャンネル』(現5チャンネル)系のネットカルチャーや日本アニメを好むオタクが中心のサブカルチャー的な集まりである。 「習近平政権下の2015年ごろから掲示板での言論が不自由になったので『悪俗ウィキ』や『シナウィキ』というサイトを作った。特に2018年末に始めた『シナウィキ』は、中国共産党との敵対姿勢を前面に出した」 すなわち肖彦鋭は、悪俗圏の中心である二つのサイトを立ち上げて運営していた人物なのだ。 『悪俗ウィキ』『シナウィキ』はそれぞれ、執筆権限を持つユーザーが自由に書き込みや編集をおこなえる『ウィキペディア』に似たオンライン百科事典だった(現在はいずれも閉鎖)
2021.07.16
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図書館で『池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾』という本を、手にしたのです。物知り池上さんの説く「中国・香港・台湾」とは如何なものか。2016年発刊の本書は、香港の雨傘運動にも触れています。【池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾】池上彰著、小学館、2016年刊<「BOOK」データベース>より「反日」「反中」を鵜のみにしない、偏見を捨てよ、客観的な国際感覚を磨け! 渾身の授業録!!【目次】第1章 「分断の歴史」から見る中国、台湾、香港/第2章 「共産党による独裁」から見る中国/第3章 「中進国の罠」から見る中国/第4章 「破壊された文化」から見る中国/第5章 「ひまわり&雨傘」から見る中国、台湾、香港/第6章 「外交戦略」から見る中国、台湾<読む前の大使寸評>物知り池上さんの説く「中国・香港・台湾」とは如何なものか。2016年発刊の本書は、香港の雨傘運動にも触れています。rakuten池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾第二次大戦後のふたつの中国を、見てみましょう。p38~41<ふたつの中国。本当の中国はどちらだ> 1949年1月、共産党が国民党との争いに勝利します。敗れた国民党は中国大陸にいることができなくなりました。逃げる場所は台湾しかありません。一挙に100万人もの国民党軍が大陸から台湾に逃げ込んできました。 共産党が統治している大陸では、1949年10月に中華人民共和国が建国されました。一方、台湾に渡った国民党はそのまま中華民国を名乗り続けます。大陸には中華人民共和国、台湾には中華民国。さあ、本当の中国はどっちなんだ、という問題がここから起こります。 台湾の中華民国のトップである蒋介石は、もう一度、大陸を取り戻すことを夢見ていました。再び大陸に攻め込んで、共産党を倒し、中華民国を再建するんだと。 一方、中国共産党は、中国全土を支配してこそ、初めて中華人民共和国の統一が成し遂げられると考えています。つまり台湾を中華人民共和国のものにして初めて中国の統一が達成されるわけです。中華人民共和国ができて以来、中国共産党はいずれ台湾を手に入れるぞ、という固い決意を現在まで持ち続けているのです。 第二次世界大戦が終わった後、1945年に国際連合が発足すます。戦争に勝った連合国側のアメリカ、イギリス、ソ連など5ヶ国が常任理事国となりました。中国も常任理事国です。しかし国連ができた時、中国はまだ中華民国が統治していました。ですから、中華人民共和国が誕生した後も、国連に加盟しているのは台湾の中華民国という状態が続いていました。 大陸の中華人民共和国のほうが圧倒的に人口は多い。台湾しか統治していない中華民国を中国の代表にし続けることには、国際的に無理があります。1971年に国連総会の決議で、中国の代表は中華人民共和国に変更されました。 中華民国はその決定を不服とし、国連を脱退します。以降、台湾の中華民国は国際的には認められないまま存在しています。中国の代表が中華人民共和国になるまで、台湾は英語でRepublic of Chinaの名称でしたが、国連脱退以降はChinese exile Government in Taipei(台北に存在する中国亡命政府)となり、略してChinese Taipeiとなっています。 リオデジャネイロ・オリンピックの開会式で、日本のメディアは「205の国と地域」が参加していますと報道しました。その「地域」のひとつは、台湾のことを指している、というわけです。 第二次世界大戦後、日本も中国との間に日華平和条約を結びます。その相手は中華民国でした。しかし、やはり中国を代表するのは中華人民共和国だろうということになり、1972年に日本は当時の田中角栄首相が、中華人民共和国との間で国交を正常化します。 それまで日本は台湾、つまり中華民国ととても仲がよかったわけです。それを捨てて、中華人民共和国と国交を結ぶとなると、非常に難しい立場になります。(中略) そこで日本は「中国が台湾は中華人民共和国の不可分の領土であると主張していることを、日本側としては十分理解し、尊重する」という言い方をしました。つまり、日本は、台湾は中華人民共和国の一部だとは認めていないが、中華人民共和国が台湾は中華人民共和国の一部だという主張は理解し、それを尊重します、という非常に微妙な表現をしたのです。 同じ頃、アメリカも中華人民共和国との国交を正常化させました。アメリカはどう対応したのかというと「中華人民共和国が、台湾も中華人民共和国の一部だと主張していることをテイクノート(Take Note)する」と表現しました。 Take Noteは、直訳すると、「ノートをとる」という意味になります。中華人民共和国の主張を留意、つまり気に留めておきますということです。アメリカも日本と同様の対応をしたということですね。
2021.07.15
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図書館で『樽とタタン』という本を、手にしたのです。中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。【樽とタタン】中島京子著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあの店に来ていた人たちは、誰もがどことなく孤独だった。小さな喫茶店でタタンと呼ばれた私が、常連客の大人たちから学んだのは、愛の不平等やしもやけの治し方、物語の作り方や別れについて。甘酸っぱくてほろ苦いお菓子のように幸せの詰まったものがたり。<読む前の大使寸評>中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。rakuten樽とタタン同じ名前のトモちゃんを、見てみましょう。p193~197<さもなきゃ死ぬかどっちか> 学校が終わって、喫茶店に行く途中の坂道で、わたしはまた声をかけられた。 「待って。ねえ、待ってったら」 そう呼ぶ声がして、振り向くとトモコがそこにいた。 「いっしょに帰ろうよ」 とトモコは言った。 「いいけど、トモちゃんの家はこっちの方向なの?」 「違うけど、いいの。うちに帰っても、誰もいないんだもん」 「トモちゃんも鍵っ子なの?」 「そう」 鍵っ子、という言葉はいまでも使われているのだろうか。 当時は母親が働いている家は少なくて、鍵を持たされて自分で家野ドアを開けて一人で親の帰りを待っている子どもたちはそう呼ばれた。 厳密には当時のわたしは、喫茶店で時間を潰してから家に帰る習慣になっていて、親はわたしより早く帰宅していることが多かったが、鍵を持っていた。だから、わたしは自分を「鍵っ子」に分類することにしていた。 「じゃあ、いっしょに喫茶店に行く?」 「喫茶店?」 「そう。坂の下にあるの。わたしはいつもそこでマスターを手伝ってるの」 「アルバイト?」 「お金はもらってないけど、ホットミルクやフレンチトーストがもらえたりするの」 「行きたい! 行く!」 トモコがなぜだか両手をパーにして高くあげたので、私たちはハイタッチを交わすことになった。 わたしはそれまで一度も、学校の友だちを赤い樽のある喫茶店に連れて行ったことがなかった。そこでほかの小学生に出会ったこともなかった。学校とその店は少し離れていたし、喫茶店というのは昔もいまも、あまり小学生向きの店ではないからかもしれない。ただ、わたしが友だちを連れて行かなかったのには理由があって、学校にいる時の自分と、店にいる時の自分は、別人とは言わないまでも、別人格のようなところがあり、友だちにそれを知られるのが面倒くさかったのだ。 学校で比較的仲良くしていた友だちは、放課後に塾や習い事に通っていたりした。わたしも、なにかそのようなことをしているみたいなふりをしたように覚えている。あるいは、家の事情で放課後は遊べないのだと説明していただろうか。 ともかく、小学校入学以来ずっと、わたしは一人で店に通っていて、それをとやかくいう友だちも、連れて行きたいというほどの友だちもあらわれなかった。 ごく自然に、わたしはその日トモコといっしょに店に行くことになったのだが、そのときはそれがめずらしいことだという意識もなかった。 ちりんちりんと鈴を鳴らして、いつものように店に駆け込むと、トモコはいっしょに駆け込んできた。 「おう。お帰り」 とマスターが言った。 「今日ね、友だちを連れてきたの。トモコっていうの。トモちゃん。わたしたち、おんなじ名前なの」 マスターは、おもしろそうに口をゆがめた。 そこには、老小説家と、生物学者のバヤイと、珍しいことに神主が来ていた。神主は若い色白の男性を連れていた。それはトミーとは別の人だったが、神主にとってはトミーと似たような存在だったのかもしれない。 「だから、ミルクをふたっつ、お願いします」 そうわたしが頼むと、マスターはちょっと困ったような顔をした。牛乳が足りないんだろうかと、わたしは考えた。 「じゃ、やっぱり、一つでいいや。いっしょに飲むから。ね、トモちゃん」 マスターはくすっと笑ってうなづいた。老小説家は読んでいた新聞から目を上げて、 「その子は、あんたの双子の姉さんなんだろう。うん?」 と言った。 わたしは老小説家の冗談にはすっかり慣れていたので、 「それか、妹か」 と、答えた。 「アタシは前から知ってたんだ。おまえさんが双子だっていうのはさ。こんなちっちゃいときからだよ。タタン姉妹は双子だったんだから」 老小説家が嬉しそうに自説を開陳すると、奥のほうでバヤイが静かに異議をとなえた。 「タルト・タタンは19世紀にフランスのタタン姉妹が経営していたホテル・タタンの厨房で誕生したが、アップルパイを作ろうとして失敗したステファニーと、その妹のカロリーヌのばやい、顔はそんなに似ていない。姉妹であるという記録はあるが、双子だったという記述はない」 「え? そうなんだっけ。アタシャ、双子だって信じてたよ」 そんな会話を二人がするのを聞きながら、わたしはトモコに話しかけた。 「よかったら、ここに座ってて。わたしはマスターの手伝いをするから」 トモコは赤い樽にちょこんと腰かけた。そしてランドセルから図書館で借りた本を取り出して読み始めた。『樽とタタン』2:体も心も丈夫な祖母『樽とタタン』1:小さな喫茶店で
2021.07.15
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本屋の店頭で『「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号』という雑誌を手にしたが…図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。【「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号】雑誌、Wedge、2021年刊<Wedge社サイト>より現代文明を支える「砂」、「土(レアアース)」、「水」─。世界ではいま、これらの戦略資源の奪い合いが起こっている。ありふれた素材の「砂」は高層ビルから半導体まであらゆるものに使われ、「土(レアアース)」は世界の自動車メーカーが参入する電気自動車(EV)に欠かせない。そして生命に欠かすことのできない「水」……。それぞれの資源ウォーズの最前線では何が起こっているのか。<読む前の大使寸評>図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。wedge「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号チャイナウォッチャーと経済学者との対談を、見てみましょう。中島厚志:新潟県立大学国際経済学部享受阿古智子:東京大学大学院総合文化研究科教授p74~75<転換期の世界経済と中国、問われる経営者の覚悟> 新型コロナウィルスの影響からいち早く抜け出そうとする米中。中国が世界の製造強国を目指す中、米国は「米国雇用計画」で自国の製造力や半導体などサプライチェーン強化を掲げるなど、中国を意識した動きが加速。 一方、新疆ウイグル自治区での強制労働問題では日本企業の動向に世界が注目する。激変する世界で中国の本質を見抜く力が問われている。編集部:新型コロナウィルス感染症発生から1年半。現在の世界経済・情勢をどう見ているか。中島:今回のコロナ禍は、明らかに世界経済の大きな「転換点」になるということだ。人々の安心・安全意識が強まり、消費行動が日本のみならず世界的にも変わる。 また、ポストコロナを見据えてグリーン経済化とデジタル経済化が加速する契機になるだろう。特に、米国や欧州連合(EU)は、大規模な財政政策を打ち出している。 さらに、今回のコロナ禍で、出生率が世界的に下がっている。人口増加が成長率を決めるとはいえないが、世界の経済成長には下押し圧力となる。また、休校などにより学業に滞りが出ている。特に途上国では、すぐにオンライン授業に振り替えられない。国ごとの平均修学年数と一人当たり国民所得には相関関係が見られることから、数十年後にイノベーションの鈍化や人材の高度化が遅れるなどの影響が出てくる可能性もある。 一方で、大きな自然災害後は復興の過程で経済成長が加速するという状況が内外問わず観測されている。今回は、主要国では従来にも増して巨額の財政出動を行っており、今後、ワクチン接種が順調に進めば、世界経済の拡大もあり得る。阿古:私は今回のコロナ禍で、「民主主義国家」と「権威主義国家」で、その対応方法が大きく分かれたことに注目している。民主主義国家の中でも、リスクに対応できる国とそうでない国に分かれてしまった。 一方、権威主義国家の代表である中国は、強力なロックダウン(都市封鎖)を行ない、封じ込めには成功した。だが、初期段階で情報を隠蔽した疑いが強く、告発した医師や専門家たちが次々と逮捕され、SNS上で発信する市民の情報も封じ込められるなど、権威主義国家の陰の部分も露呈した。編集部:今後の世界経済の中で、中国の行方をどう見ているのか。中島:中国は、一人当たりの所得が、まだまだ伸びる余地がある。また、広大な国土や、集積で成長を押し上げる膨大な「都市人口」も持つ。沿岸部は現在、相当な過密状態になっていることは事実だが、さらに多くの人口を許容できる環境整備などが進めばさらなる成長余地があるといえる。 逆説的な言い方だが、国有企業にさらなる成長ポテンシャルもある。他国では類を見ない多額の国家資金を投入し、企業買収する形で、10年前には小規模な半導体やITの国有企業が世界有数の企業に成長している。 これらを総合的に勘案すれば、中国経済の伸びしろは十分にあるということだ。 一方で、注視すべきことは人口減少である。20年の国勢調査で中国の出生数は2割減、生産年齢人口(15~64歳)は8年連続減となった。また、高齢者の割合が高まっており、人口動態面では成長力が高まる余地は乏しい。したがって、少子高齢化の中で、生産性をどこまで高められるかがカギだ。阿古:人口減少によって中国でも社会保障の財源が厳しくなる。そもそも、中国は社会保障システムが全国で統一されていない。戸籍制度があり、上海に住んでいても上海の戸籍がない外地出身の人は、上海の水準の医療保険や教育サービスが受けられない。また、中国は富の偏在が極めて大きい。 食糧安全保障もある。14億人をいかに満足に食べさせていくかは、いつの時代も中国の為政者の重要な役割である。農村部で一定数の食糧生産力を維持しなければならない。大都市のみならず、中規模都市でも経済を発展させる戦略が必要になるだろう。 中島:世界貿易における輸出面にも着目したい。2000年代初頭、中国の成長あ輸出の伸長によって牽引されてきた。足元、コロナ禍で中国の医薬品やマスクが世界から求められて、中国の輸出は大変伸びているが、今後もこの状況が続くとは考えにくい。 また、世界の自由貿易において、競争環境を歪めるような中国の国有企業支援は好ましくない。世界の中で企業の自由な競争環境をつくっていく意味でのイコールフィッティングを形成できるかが重要だ。阿古:別の観点でいえば、中国は、民間企業で伸びる可能性のある企業を伸ばせていない、あるいはEC(電子商取引)大手のアリババへの規制が象徴しているように、潰しにかかっているとも取れるケースもある。 中国共産党は、一党独裁体制を堅持するため、自分たちに代わる勢力が台頭したりすることがあってはならないのである。 中国共産党は今年、結党100年を迎える。彼らにとってみれば、過去の栄光、つまり、帝国や列強と戦い、中華人民共和国を建国したという、ある種の“神話”によって、国をまとめていかなければならない。「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-2:デジタル・リヴァイアサン「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-1:レアアースショックから10年
2021.07.14
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図書館で『のっけから失礼します』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。【のっけから失礼します】三浦しをん著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より『BAILA』好評連載に5本の書き下ろしを加えた、自称「構想5年!」の超大作。ありふれているのに奇想天外な日常が綴られる三浦しをんワールド炸裂の抱腹絶倒エッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。rakutenのっけから失礼します「あとがき」のあとに、この「巻末おまけ書き下し」がありました。p284~<もふもふパンダ紀行> みなさん・・・、お読みになられていますか・・・。これ以降のページは、心のきれいなかただけに見えるインクで刷られています・・・。あ、「読めてる」というお声が聞こえてきました。心のきれいな読者ばっかりでうれしいです。 このおまけエッセイが無事に収録できたのは、印刷所が総力を結集して、心のきれいなかたにだけ見える特殊インクで印刷してくださったおかげです。私は印刷所に足を向けずに寝ている! いや、まだこの原稿書き終わってないのに寝るな! 今後は、「『締め切り』って言っても、本当の締め切りはまださきなんだろう」なんて勘ぐるのはやめて、告げられた日にちをきれいな心で真摯に受け止める、サウイフモノニワタシハナリタイ。 急に片言になったのではなく、宮沢賢治オマージュです。・・・賢治と印刷所のみなさまにお詫び申しあげます。 さて、と(切り替え早い)。パンダを見たよ。 片言のつぎは寝か、と思われるだろうが、私は覚醒している。本当にパンダを見たのだ。むろん、あんな愛らしき生き物が拙宅近辺(東京郊外)の道をふらふら歩いているはずはない。和歌山県の白浜にある「アドベンチャーワールド」へ行って、見たのだ。 「東京に住んでいるなら、上野の動物園で見ればいいんじゃないか?」というご意見もあろう。しかし私がぼんやりしているうちに、上野で生れたシャンシャンはけっこう大きくなっていた。すくすく育ったシャンシャンをテレビのニュースで見て、「人間の赤子と同様、パンダの子どももあっという間に大きくなるんだなあ」と驚いた。 大人のパンダがいやだというわけではないが、せっかくならコロッコロのチビパンダを見たいのが人情というもの。この調子で子パンダを見るチャンスを逃したまま一生を終えるのかとよんぼりしていたところ、「BAILA」連載担当者のNさんが、 「パンダなら、白浜のアドベンチャーワールドにごろごろいますよ。つい先日も赤ちゃんがうまれました」 と言うではないか。 「え、そうなの!? パンダって、そんなにごろごろいるようなものなんですか?」 Nさんは、お母さんが和歌山県のご出身で親戚も多く住んでいるので、幼少のころからしょっちゅう白浜へ遊びにいっていた。そのため、アドベンチャーワールドのパンダ事情にも詳しいようなのだ。 「アドベンチャーワールドには、永明というパンダ界のスーパーモテ男がいるんですよ。人間でいうと70歳ぐらいらしいんですけど、いまも現役。『交尾がうまい!』『雌をとろかす!』と評判です」 「だれが判定したんですか、そんなこと」 「さあ・・・。とにかく永明のおかげで、これまでアドベンチャーワールドでは15頭ものパンダが生まれました。先日生れた赤ちゃんパンダのお父さんも、永明です」 「15頭! しかしちょっとよくわからないんですが、交尾のうまさと子どもができるかどうかに、いかなる相関関係があるのでしょうか」 「パンダの雌って、1年に3日ぐらいしか発情期がないうえに、好みじゃない雄が寄ってきても見向きもしないらしいんです。そこで、我らが永明の登場です。彼はどんな気むずかしい雌もその気にさせるモテ男ですから。永明のモテ力がすごいおかげで、アドベンチャーワールドでは自然繁殖を行ってるそうですよ」 「なるほど」『のっけから失礼します』5:うちのぼうや『のっけから失礼します』4:青(っぽ)い鳥『のっけから失礼します』3:先住民・イゾラドの孤独『のっけから失礼します』2:本屋さんに関するエッセイ『のっけから失礼します』1:もやしとぬた
2021.07.14
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先日、『のろのろ歩け』という中篇小説集を読んで良かったのだが・・・中島京子が「河合隼雄物語賞・学芸賞」の物語賞を受賞したと、新聞に載っていました。・・・河合隼雄物語賞とは西加奈子も受賞した渋い賞である♪なかなかいけてるやないけ。で、この際、中島京子関連を集めてみます。・夢見る帝国図書館(2019年刊)・樽とタタン (2018年刊)・怖い絵のひみつ。(2017年刊)・現実の中に非論理性(2015/7/16)・長いお別れ(2015年刊)・小さいおうち(山田洋次監督、2013年制作)・眺望絶佳 (2012年刊)・のろのろ歩け(2012年刊)・東京観光 (2011年刊)・エルニーニョ(2010年刊)・エ/ン/ジ/ン(2009年刊)・ツアー1989(2006年刊)・イトウの恋(2005年刊)R9:『樽とタタン』を追記【夢見る帝国図書館】中島京子著、文藝春秋、2019年刊<出版社>より「図書館が主人公の小説を書いてみるっていうのはどう?」作家の〈わたし〉は年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史をひもとく小説を書き始める。もし、図書館に心があったならーー資金難に悩まされながら必至に蔵書を増やし守ろうとする司書たち(のちに永井荷風の父となる久一郎もその一人)の悪戦苦闘を、読書に通ってくる樋口一葉の可憐な佇まいを、友との決別の場に図書館を選んだ宮沢賢治の哀しみを、関東大震災を、避けがたく迫ってくる戦争の気配を、どう見守ってきたのか。<読む前の大使寸評>冒頭をちょっと読むと・・・年上の友人・喜和子さんの、常識人とはかけ離れた、気ままで圧倒的な迫力に引き込まれるのです。<図書館予約:(3/09予約、副本15、予約0)>rakuten夢見る帝国図書館『夢見る帝国図書館』2:弱冠22歳のベアテ・シロタの活躍『夢見る帝国図書館』1:喜和子さんの気質【樽とタタン】中島京子著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあの店に来ていた人たちは、誰もがどことなく孤独だった。小さな喫茶店でタタンと呼ばれた私が、常連客の大人たちから学んだのは、愛の不平等やしもやけの治し方、物語の作り方や別れについて。甘酸っぱくてほろ苦いお菓子のように幸せの詰まったものがたり。<読む前の大使寸評>中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。rakuten樽とタタン『樽とタタン』2:団地の思い出『樽とタタン』1:小さな喫茶店で【怖い絵のひみつ。】中野京子著、KADOKAWA、2017年刊<「BOOK」データベース>より「怖い絵」展の主要14作品を中野京子が徹底解説!「怖い絵」を楽しむために知っておきたい5つのこと。あの「怖い絵」はここにある。世界「怖い絵」MAP。「怖い絵」展オリジナルグッズ。汗と涙と苦労の連続!?「怖い絵」展ができるまで。<読む前の大使寸評>各地の美術館で「怖い絵」の展覧が続いているが・・・このブームの発端は中野京子の「怖い絵」シリーズだったようですね。rakuten怖い絵のひみつ。<現実の中に非論理性>中島京子さんが小説「かたづの!」で第3回河合隼雄物語賞を受賞したそうです。・・・なかなか、渋い賞ではないか♪2015/7/16現実の中に非論理性―物語賞・中島京子さんより心理学者で元文化庁長官の故・河合隼雄さんの業績を記念した第3回河合隼雄物語賞・学芸賞(河合隼雄財団主催)の授賞式が7月に京都市内であった。 人の心を支えるような物語を作り出した文芸作品に与えられる物語賞に選ばれたのは、作家の中島京子さん(51)の小説「かたづの!」(集英社)。江戸初期の南部藩に実在した女性領主の苦難の人生を、彼女が少女期に接した羚羊(かもしか)の一本角の視点から描いた物語だ。 中島さんは「物語というものが事実に見える何かより、ときに深く真実を照らしてくれると信じさせてくれたのが河合先生。受賞はうれしい」とあいさつした。 選考委員の作家、小川洋子さんは「理屈に合わない、時に馬鹿げた視点で物事を見ることで、現実の中の非論理的なものが見えてくる。角の言葉を聞く耳を持ち、事をややこしくするのは男の論理と思っている女性のキュートな魅力が小説を支えている」と評した。しかし、ま~、アラファイブという年齢が、エアーポケットというか、渋いというか、なんともビミョーである。<長いお別れ>短編、中篇に抜群の切れ味を見せる中島さんの私小説はどんなかな♪というわけで・・・期待を込めて読んでみようということでおます。【長いお別れ】中島京子著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をするー。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。<読む前の大使寸評>短編、中篇に抜群の切れ味を見せる中島さんの私小説はどんなかな♪というわけで・・・期待を込めて読んでみようということでおます。大使の父も、晩年の数年はボケていたが…老人とはそういうものだと思っていたわけです。ときどき父の思い出が出てくる、今日この頃である。<図書館予約:(11/23予約、7/23受取)>rakuten長いお別れ長いお別れbyドングリ【小さいおうち】山田洋次監督、2013年制作、2015年3月1日テレビで鑑賞<movie.walker解説>より第143回直木賞に輝いた中島京子の同名ベストセラー小説を、名匠・山田洋次監督が映画化したミステリアスなドラマ。とある一家で起きた恋愛事件の行方を見守った1人の女中。60年後、彼女がつづったノートを手にした青年によってその出来事が紐解かれていくさまが描かれる。女中を黒木華、一家の若奥様を松たか子が演じる。<大使寸評>雇い主に対するたったひとつの背信を抱えて、その女中は生涯を終えたのです。彼女の生き方を定めたのは、女中という雇用環境と戦争という時代背景があったわけで・・・結婚するには、社会的環境が整っていなかったと言うべきか?movie.walker小さいおうち小さいおうちbyドングリ【眺望絶佳】中島京子著、角川書店、2012年刊<「BOOK」データベース>より昭和33年、東京タワーが立ったあの頃から遠くここまで来てしまった。それでもわたしたちは立っていなければならない。スカイツリーのように。もの悲しくも優雅な、東京タワーとスカイツリーの往復書簡。2011年の静謐と小さな奇跡を切りとった、「東京」短篇集。<読む前の大使寸評>中島ワールドの真骨頂!とのこと・・・・中島さんの短編は期待できそうかも♪rakuten眺望絶佳眺望絶佳byドングリ【のろのろ歩け】中島京子著、文芸春秋、2012年刊<「BOOK」データベース>より『北京の春の白い服』-1999年、中国初のファッション誌創刊に向けて派遣され北京で奔走する夏美。『時間の向こうの一週間』-2012年の上海、赴任したばかりで多忙な夫の代わりに家探しを引き受けた亜矢子。『天燈幸福』-「台湾に三人おじさんがいるのよ」という亡き母の言葉を手がかりに旅に出た美雨。時間も、距離も越えて、新しい扉をひらく彼女たちの物語。<読む前の大使寸評>中島京子の小説ならいけてるのではないか…映画の『小さいおうち』も良かったし。rakutenのろのろ歩けのろのろ歩けbyドングリ【東京観光】中島京子著、集英社、2011年刊<「BOOK」データベース>より恋情、妄想、孤独、諧謔…中島京子ワールドへようこそ女の部屋の水漏れが、下に住む男の部屋の天井を濡らした。女が詫びに訪れたのをきっかけに二人は付き合い出し、やがて男は不思議な提案をするが…。(「天井の刺青」)。直木賞作家が紡ぐ珠玉の7篇。<読む前の大使寸評>おお 中島京子の短篇小説集ではないか・・・このところ、海外作家の短篇小説を集中して読んだので、趣向を変えて国産の短編小説を読むのもええやんけ、ということでおます。amazon東京観光【エルニーニョ】中島京子著、講談社、2010年刊<「BOOK」データベース>より女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう二人。直木賞受賞第一作。21歳の女子大生・瑛と7歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。<読む前の大使寸評>追って記入amazonエルニーニョ【エ/ン/ジ/ン】ムック、角川グループパブリッシング、2009年刊<「BOOK」データベース>より身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待状を受け取った、葛見隆一。仕事と恋人を失い、長い人生の休暇にさしかかった隆一は、会場でミライと出逢う。ミライは、人嫌いだったという父親の行方を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、二つのあだ名だけ。痕跡を追い始めた隆一の前に、次々と不思議な人物が現れる。記憶の彼方から浮かび上がる、父の消えた70年代。キューブリック、ベトナム戦争、米軍住宅、そして、特撮ヒーロー番組“宇宙猿人ゴリ”―。<読む前の大使寸評>追って記入amazonエ/ン/ジ/ン【ツアー1989】中島京子著、集英社、2006年刊<「BOOK」データベース>より記憶はときどき嘘をつく。香港旅行の途上で消えた青年は何処へ。15年前の4日間をめぐる4人の物語。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、中国ツアーの短篇小説集のようである。怖い物見たさというか村上春樹風でもあるし借りたわけでおます。amazonツアー1989【イトウの恋】中島京子著、講談社、2005年刊<商品の説明>より「FUTON」に続く会心の書下ろし第二弾明治に日本を旅した英人女性の通訳の日本人若者の手記と現代のさえない独身男と男勝りの女性との関係を重ねて、欧米と日本、男と女の今を機知とユーモアで描く。<読む前の大使寸評>おお イザベラ・バードの通訳と関係を重ねて描くという着想が、いいではないか♪amazonイトウの恋
2021.07.13
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図書館で『樽とタタン』という本を、手にしたのです。中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。【樽とタタン】中島京子著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあの店に来ていた人たちは、誰もがどことなく孤独だった。小さな喫茶店でタタンと呼ばれた私が、常連客の大人たちから学んだのは、愛の不平等やしもやけの治し方、物語の作り方や別れについて。甘酸っぱくてほろ苦いお菓子のように幸せの詰まったものがたり。<読む前の大使寸評>中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。rakuten樽とタタン体も心も丈夫な祖母を、見てみましょう。p79~82<ぱっと消えてぴっと入る> 3歳から12歳まで暮らしていた団地の思い出は、まったく同じ外見の建物から、知らない人が出たり入ったりする、あの光景につきる。団地に住んでいる子供の悪夢は、家に帰るとまったく知らない人たちがいて、「お帰り」「お風呂に入りなさい」「ご飯を食べなさい」と言ったりすることだろう。 じっさい、わたしは一度、とても小さいときに迷子になって他人の家に上がり込み、そこに母や父がいないので恐慌をきたした経験があった。 理科の教科書に載っていた蟻の巣にどこか似ている団地が、わたしの幼少時の世界観を形成した。蟻の巣めいたその空間から出るのは、これはこれで怖いのである。両親から離れることを意味したし、外の世界は誰に踏みつぶされるかわからないところだというイメージがある。しかし蟻の巣は蟻の巣で、巣穴の中を無尽に走る道のどこか1本でも間違えれば、自分の家に帰れなくなる恐ろしい場所のような気がして、怖い。 あまりの怖さに、わたしは幼稚園を1日で退園してしまい、小学校に上がるまでは、家族といっしょでなければ、ほとんど外に出なかった。わたしの子守として、田舎から高齢の祖母がよばれた。父は六人兄弟の六番目で、父の母である祖母は長男といっしょに暮らしていたが、共働きという当時ああまり見かけない夫婦の形態を選んだ末っ子のために、七十幾つの重い腰を上げて、団地の3LDKに移り住んだ。 明治生まれの祖母は、台所の脇の四畳半に居室を構え、夜も私といっしょに寝てくれた。祖母の話は、桃太郎やかぐや姫、一寸法師といった定番の他に、「為せば成る為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と言って藩政の立て直しをした米沢藩の藩主・上杉鷹山の母が、鷹山が子どものころに、破れた障子に切り貼りをしてみせて倹約の大切さを教えたのだとか、仁徳天皇が民のかまどから煙が上がるのを見てたいそう喜んだとかいった、わたしと同世代の子どもたちはあまり知らないような話が多かった。(中略) 戦争中は、隣組でいちばん勇壮な竹槍遣いであったという、体も心も丈夫な祖母は、午前中にわたしと幼児番組を見尽くすとすっかり飽きてしまい、自分のためにお茶を、わたしには湯冷ましを湯呑に入れて、母の作り置きした弁当を広げる。 「食べてすぐ寝ると牛になるけんどな」 と、食後に昼寝する祖母は、必ず言った。 しかし、食べると眠くなるのも事実で、わたしと祖母は仲良く午睡を楽しむのだった。 「体がなまるから、出かけるか」 昼寝から醒めると、これまた母が用意しておいたおやつを食べながら、祖母は言う。そうしてわたしたちは、散歩に出るのだった。 祖母といっしょなら、どこへ行くのも平気だった。団地を蟻の巣に例えるならば祖母は女王蟻。というわけでは必ずしもなかったが、そんなことはどうでもよく思われた。腰に手をあてて、ゆっくり歩く祖母と小学校就学前のわたしの歩幅は、ほかの誰よりも相性がよかった。 「食べてすぐ寝たけど牛になんなかったね」 隣や後ろを飛んだり跳ねたりしながら歩くわたしに、祖母は目を細めて言った。 「わっかんねえぞぉ。ひとさまから見りゃあ、おれたちゃあ、はあ、牛になってるかしんねえぞぉ」 祖母の言葉は田舎の方言だった。 「はあ」というのが、なかなか習得しにくく、調子のよさを作るために入れる擬音のようなものかと思っていたが、これにもこれで意味があるようで、のちのち調べたところによると、「はあ」というのは「はや」が訛ったもので、「もう」とか「すでに」といった意味があるらしい。 本人たちが気づかないだけで、「はあ」牛になっている祖母と孫娘。のっそりのっそりと近所を散歩して歩くのだった。『樽とタタン』1:小さな喫茶店で
2021.07.13
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図書館で『のっけから失礼します』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。【のっけから失礼します】三浦しをん著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より『BAILA』好評連載に5本の書き下ろしを加えた、自称「構想5年!」の超大作。ありふれているのに奇想天外な日常が綴られる三浦しをんワールド炸裂の抱腹絶倒エッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。rakutenのっけから失礼しますしおんさんのそそっかしいエピソードを、みてみましょう。p255~257<うちのぼうや> 言い訳めくが、少々気が急いていたし、駐輪場が満杯だったので、最寄り駅の道端に自転車を停め、銀行でお金を下ろしたりスーパーで買い物をしたりして、バスで帰った。 ・・・え? と思われたかたもいらっしゃるだろう。書いてて私も、「おーい、なにかお忘れじゃないかい?」と自身の行動にツッコミを入れざるを得なかった。なんで自転車で行って、バスで帰ってきちゃってんの! 大丈夫なのか私。 むろん、「しまった、自転車!」とバスを降りる時点で気づいた(遅い)。しょうがないから買ったものを自宅に置いたのち、再びバスに乗って駅前へとんぼ返りした。自転車はなかった。 「ぼうやー!わたしのぼうや、どこにいるのー!」 と探しまわるも、影も形も見当たらない。路上駐車ということで、撤去されてしまったらしい。あたしのぼうやが、ひとさらいに・・・! と泣き崩れる(嘘)。まだ2時間も経ってないぐらいだぜ。勤勉すぎやしないか、私が住んでいる区の職員のみなさまよ。 ふと見ると、自転車が軒並み撤去された道端には看板が設置してあり、「ここで保管してるよ。取りにきてね。三千円を徴収するよ」ってな旨とともに地図が掲示してあった。歩いていくには、ちょっと遠い。しかも三千円か・・・。私のぼうや(自転車)、駐輪場でもひときわ目立つほどボロボロで、そろそろ買い替えなきゃと思ってたんだよな・・・。 必死に探しまわったくせに自転車を引き取りにはいかず、ひとまずバスに乗って自宅に帰る。この往復のバス代はなんだったんだ、まったくの無駄ではないか、とも思ったが、落ち着いて考えたかったのだ。 撤去された自転車を引き取りにいったら三千円。しかし引き取りにいかなかったら、たぶんそのまま行政がわが処分するのだろう。だとすると、私が選択すべき道はひとつではないか? ここは鬼になって、ぼうやを撤去された事実をなかったことにする! そうすれば、三千円をはらわなくてすむうえに、ボロボロのぼうやをタダで処分できるのだ! そして新品のぼうやを迎え入れる・・・。うしし。 就寝した(鬼である)。だが、なかなか眠りが訪れない。 私とぼうやのつきあいは、もう十年になんなんとする。ぼうやは赤いママチャリで、カスタムしてうしろにも籠がついている。(中略) とにかく、愛着があるのだ。鬼になってはみたものの、いまもぼうやは夜の闇のなか、慣れぬ撤去自転車置き場でポツンと、「あれれ~、どうしてぼく、こんなとこにいるんだろう。早く迎えにきてー」って思ってるんだろうなと思うと、涙がにじんできて眠れないのである。(追って記入予定)『のっけから失礼します』4:青(っぽ)い鳥『のっけから失礼します』3:先住民・イゾラドの孤独『のっけから失礼します』2:本屋さんに関するエッセイ『のっけから失礼します』1:もやしとぬた
2021.07.13
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図書館で『のっけから失礼します』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。【のっけから失礼します】三浦しをん著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より『BAILA』好評連載に5本の書き下ろしを加えた、自称「構想5年!」の超大作。ありふれているのに奇想天外な日常が綴られる三浦しをんワールド炸裂の抱腹絶倒エッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。rakutenのっけから失礼しますワカケホンセイインコ「青い鳥」というタイトルに惹かれて・・・鳥は大使のツボなんで、つい見てみました。p70~73<青(っぽ)い鳥> 両親が住む家の庭に、ミモザの木がある。ミモザはマメ科だそうで、ほわほわした黄色い花が咲き終わると、灰色のさやえんどうみたいなものが枝からたくさんぶらさがる。 ある日の早朝、母から電話がかかってきた。 「ちょっと! ミモザの木に、緑色の大きな鳥が来てるの!」 寝ぼけた状態で電話に出た私は、 「ああん? ウグイス?」 と尋ねた。 「ちがうわよ! ウグイスみたいにくすんだ緑じゃなく、もっと鮮やかな色の鳥。しかも、カラスぐらい大きい。オウムだと思う!」 母は、「町田駅前で平井堅を見た」と言い張る人だ。町田市民には申し訳ないが、東京都町田市をご存じのかたなら、平井堅氏はいないだろうということをおわありいただけるはずだ。母が目撃したのは、たぶん歌手ではなく、「顔の濃いひと」で、そのとき本物の平井堅はというと、港区とかにいたはずだ。よって私は、母がオウム云々と言いだしたのを聞いて、 「このひと、また幻覚を見てるな・・・」と思った。 しかし母は、 「オウムだ」と譲らない。しかたがないので翌朝、両親の家へ行き、居間の窓辺に潜伏してミモザの木を監視した。 すると、 「キュエエエ」と聞き慣れぬ鳥の鳴き声が響き、鮮やかな緑色の鳥が枝に舞い降りた。カラスとまではいかないが、体長40センチは確実にある。長い尾は、きれいな青。くちばしは赤い。南国そのものといった鳥で、つがいらしく二羽いる。 「ほ、ほんとだ、オウムだ!」 私は驚き、母は 「そうでしょ?」と勝ち誇った。そんな私たちをよそに、二羽のオウムはミモザのさやをくちばしでむしり取り、器用に片足で持って、なかの実をえぐりだして食べている。からになったさやはポイッと捨て、また次をむしる。むっしゃむっしゃと大変な食欲だ。 そこへ父が起きだしてきた。 「あれ、オウムがいる。そういえば30年ぐらいまえにも、この近所で電線にとまっているオウムを見かけたなあ」 「また適当なことを言って」 と、母はおかんむりだ。 「そんないほいほい、オウムがいるはずないでしょ。本当に見たなら、どうして話題にしなかったのよ」 「いま思い出して、話題にしてるじゃないか」 「ふつうだったら忘れない。私ならその日のうちに、『オウムを見た』って言う。だいたいあなたは、晩御飯を黙って暴食するばっかりで、会話のセンスってもんに欠けている」 オウム目撃の事実を即座に報告しなかったせいで、 「気が利かない」と人格攻撃される父。 この夫婦はいつもこんな調子なので、仲裁するだけ無駄だ。ミモザからオウムのつがい(こちらは仲良し)が飛び立ったのを機に、私は自宅へ戻り、パソコンの前に座った。「緑 オウム」で画像検索する。 その結果、緑の鳥の正体はオウムではなく、ワカケホンセイインコという、大型のインコのようだと判明した。最初はペットとして飼われていたものが、脱走したりなどで野生化し、東京都内では30年ほどまえから群れが確認されているのだそうだ。 となると、過去にも見た、という父の証言にも信憑性がある。見た事実を、なぜ今まで忘れてたたのかは、よくわからないが。まあ、我が子の顔すら忘れがちなほど、些細なこと(?)は気にしないひとなので、明らかに南国風の鳥が住宅街にいても、 「ところで、今日の夕飯なにかな」と、さっさとべつのことに気を取られてしまっただろう。 庭に来た大型インコは、羽を切られているふうでもなく、自由に飛びまわっていた。ひとに飼われていたことはなく、生れたときからストリートチルドレンだったと推察される。かれらの親か祖父母世代は、人間のもとから逃げだし、路上(というか大空)で出会った相手と愛を育んで、着々と子孫を増やした。そうして生れた子どもたちも、元気に生長し、恋に落ちて、むっしゃむっしゃとミモザの実を食べている。ウーム 逞しい大型インコたちではないか。仲良しのつがいと、しをんさんのご両親を比べる辺りもいい線いってるやないけ♪『のっけから失礼します』3:先住民・イゾラドの孤独『のっけから失礼します』2:本屋さんに関するエッセイ『のっけから失礼します』1:もやしとぬた
2021.07.12
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図書館で『小川洋子対話集』という本を、手にしたのです。小川洋子対話集ってか…目次を見ると対話者が異色で、期待できそうである♪(帰って調べてみると、この本を4年まえに借りていたことが分かったのです。で、この記事をその5としています)【小川洋子対話集】小川洋子著、幻冬舎、2007年刊<「BOOK」データベース>より日ごろ孤独に仕事をしている著者が、詩人、翻訳家、ミュージシャン、スポーツ選手と語り合った。キョロキョロして落ち着きがなかった子供時代のこと、想像力をかきたてられる言葉や文体について、愛する阪神タイガースへの熱い想い、名作『博士の愛した数式』秘話など心に残るエピソードが満載。世界の深みと、新たな発見に心震える珠玉の対話集。<読む前の大使寸評>小川洋子対話集ってか…目次を見ると対話者が異色で、期待できそうである♪amazon小川洋子対話集翻訳家の岸本佐知子さんとの対談(続き)を、見てみましょう。p71~74<「あるある」の教祖、ニコルソン・ベイカー>小川:岸本さんの本には共感することが多いんですよ。岸本:でも私は書くのが大嫌いなんですよ、子供の頃から。小川:そんなこと言わずに書いてくださいよ。でも、その書くの嫌だな、嫌だなっていう嫌々な感じが、またいい味を出してるんですよね(笑)。「私、これ書きたい!」っていうような図々しさはなくて、「いや、私、ちょっと書けないんですけど・・・」って。そこが岸本さんの味わい深さ。岸本:ありがとうございます。この間押入れを整理していたら、小学校の頃の作文が出てきたんですけど、今と全然変わってないんですよ。いかに句読点を増やし、改行を多くして、三枚なら三枚を埋めるかっていうことだけに苦心してて(笑)。だから今でも千字書けと言われても、「千も書けない!」って思うんですよ。だって千っていったら、すごい数ですよ。小川:そうですよね。一から千まで口で数えるだけでも大変なのにね。千粒の大豆を食べろって言われたら、食べられない。岸本:千回腹筋やれって言われたってできませんし。小川:アッハッハッハ、そう考えたら千字書くことって本当に大変。だけど、岸本さんだってこうして本を丸々一冊書いちゃうんですから。岸本:いや、だから毎回「もう死ぬ!」って思いながら書いてました。『翻訳の世界』という雑誌に連載したのが最初だったんですけど、そのときに依頼してきた編集者がたまたま高校時代に仲のよかった子だったんで、断れなかったんですよ。小川:よかったですねぇ。きっと編集の神様が付いていらしたんですよ。岸本:どうですかねぇ。でも、実はそのときたまたまニコルソン・ベイカーを訳していたんです。彼は、普通だれもこんなこと活字にすることを思いつかないだろうっていうことをテーマに小説を書く作家なんですね。靴紐はなぜ左右同時期に切れるのかとか、ストローがコーラのなかで浮かぶ理由だとか、そういうことを大真面目に語る人なんです。だから、「ああ、こういうのってありなんだな」っていうのはありましたね。小川:なるほど、「こういう話を書いてもいいんだ!」と思われた。岸本:そう。だからこの本を出して一番多かった反応は「自分も同じことを考えてた!」っていう声だったんですよ。私の書いたものって、全部だれもがひそかに思っていること、いわば「あるある」なんです。特別私だけがそのことについて考えていたわけじゃなくて、あえて文字にしたっていうだけ。小川:ああ、実はみんな似たようなこと、同じようなことを体験していたり、記憶していたりするんだけど、それをなかなか言葉にはしないですもの。岸本:たとえば私が中学生くらいの頃によくテレビで流れていたという園芸用殺虫剤のコマーシャルソングのことを書いたんですけど、すごく反響が多かったんです。「これは、葉の汁を吸うアブラムシ/これは、花の色が悪くなるハダニ・・・」っていう歌をいまだに頭のなかで歌っているっていうことを書いたんですが「自分も覚えてる!」って。それで途中歌詞がわからなかったところも、いろんな方から教えてもらって。小川:そういう意味では、新幹線の先っぽをクルクル回したらポンと外れそうだっていう話も面白いですね。でもそのなかに新幹線の妖精がいるとまでは考えなかったんですけどね。岸本:フフフ、いたら嫌だなと思って。小川:だからニコルソン・ベイカーとの出会いとというのは、結構な転機になったんじゃないですか? 彼の作品を読んで、自分でも書く気になられて、その後も継続的に彼の作品を訳してらっしゃる。岸本:そうですね。最初に出版社のほうから「こんなのあるけどどう?」ってベイカーの『中二階』という作品を読ませてもらったんです。読んで普通に面白いのは他にもいっぱいあるんですけど、その『中二階』はメーターの針がピーンと振り切れるくらい面白かったんです。ただ、翻訳するのはあまりに大変だと思ったんで一度は断ってしまったんです。だけどその後、どうしても忘れられなくて、やっぱりやらせてくださいといって取り返しちゃったんですよ。小川:ああ、やっぱり別れ難かった。岸本:そうですね。でもやっぱりすごく難しくて、全部訳すのに結局三年もかかってしまった。その間に編集者が替り、出版社が替り・・・。小川:ああ、そういうこと、よくありますね。岸本:それに大変だったのは、ベイカーの作品って、辞書には載っていない言葉が多くて。当時はまだインターネットもなかったので。小川:偏執狂的っですものね。だからニコルソン・ベイカーを岸本さんの頭の中で漢字に変換すると「荷凝尊」だって書いてありましたものね。荷が重くて、凝り性だけれど、尊敬すべき作家だって(笑)。岸本:そうなんです。 『小川洋子対話集』1:翻訳家の柴田元幸さん、作家のレベッカ・ブラウンさんとの対談p69~72『小川洋子対話集』2:翻訳家の柴田元幸さん、作家のレベッカ・ブラウンさんとの対談の続きp133~136『小川洋子対話集』3:田辺聖子さんとの対談p11~14『小川洋子対話集』4:翻訳家の岸本佐知子さんとの対談p48~51『小川洋子対話集』5:田辺聖子さんとの対談(続き)p16~20この本も小川洋子ミニブームに収めるものとします。
2021.07.12
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図書館で『樽とタタン』という本を、手にしたのです。中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。【樽とタタン】中島京子著、新潮社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあの店に来ていた人たちは、誰もがどことなく孤独だった。小さな喫茶店でタタンと呼ばれた私が、常連客の大人たちから学んだのは、愛の不平等やしもやけの治し方、物語の作り方や別れについて。甘酸っぱくてほろ苦いお菓子のように幸せの詰まったものがたり。<読む前の大使寸評>中島京子といえば、最近は絵画鑑賞に関する本が増えてきたが・・・昭和50年代の東京郊外の喫茶店で、京子さんが見た人生模様とはどんなかな。rakuten樽とタタンこの本の冒頭を、見てみましょう。p7~9<「はくい・なを」さんの一日> わたしに「タタン」というあだ名をつけたのは、あごに長い白いひげをたくわえた、おじいさんの小説家だった。 3歳から12歳まで住んでいた小さな町の、小さな喫茶店で小説家と知り合った。 9年間暮らしたその町について、覚えていることはあまり多くないが、その大半があの喫茶店での出来事なのは、どうしてなのか。住んでいたのはア、郊外の団地だったが、似たような家族がそっくりの間取りの家にひしめくように暮らすその場所のことはさほど思い出さない。いずれにしても、あの町を離れてもう30年以上経つ。 坂の下にあった一軒の喫茶店には、週刊誌や角のめくれた漫画があり、コーヒーの匂いがたち込めていた。店はそのころには珍しく喫煙が禁止で、その代わり、奥にあるドアを開けて裏庭に出るとドラム缶を逆さにしたテーブルもどきが置いてあり、喫煙者はいつもそこで立ったままうまそうに煙草を吸っていた。 店がにぎわうことはたいしてなかったが、途切れることなく誰かが来て静かに時間を過ごしたり、何か話し込んだりしていた。 小学生だったわたしは、毎日その店に通っていた。学校が終わると家に帰らずに坂の下の喫茶店に行った。喫茶店にはほかに子供はいなかった。面倒見のいい女の人もいなかった。ただ、そのときそのときの客と、無口なマスターがいるばかりだった。 わたしの両親は共働きだったので、保育所代わりに預けられていたのだ。6時ごろになると、仕事を終えた母があらわれて、一杯だけコーヒーを飲む。わたしもホットミルクやコカ・コーラがもらえて、二人でいっしょに家に帰る。母とマスターが交わしていたのは挨拶くらいで、親しそうに話している姿なども思い浮かばないが、学童年齢の娘を預るという、あれはいったいどういう種類の契約だったのだろう。 おとなしくしているなら、つまり、店の備品やカップを割ったり、大声で泣いたり走ったり、店の客を怒らせたりしなければ、わたしはそこで何をしていてもいいことになっていた。そしてわたしはたいてい何もしなかった。 店の隅っこに赤い大きな樽があった。コーヒー豆を入れていた樽を、店の装飾用に手に入れて赤いペンキを塗ったのだろう。樽の腹には真ん丸く穴が空いていたので、体が小さかったころはそこから樽の中に入ってじっとしていた。本を持って入ることもあったが、何もなくても、狭い場所でじっとしていられれば幸せな子供だった。 少し体が大きくなると、マスターが日曜大工で樽を椅子に作り替えてくれたので、同じ店の隅の赤い椅子に座って本を読んだりうつらうつらしたり、好きなだけそこでじっとしていた。 白いひげの小説家はその店の常連の一人で、わたしを樽の中に見つけると時々声をかけてくれた。 「おまえさん」 と、彼はわたしを呼んだ。 「いつも樽といっしょにいるんだね。樽とおまえさんは一心同体だね。樽といっしょなら、タタンと呼ぼうかな。樽とタタン。いつもいっしょ。おまえさんには姉さんか妹がいるだろう?」 わたしは樽の中でうん、とうなずいた。 実際には姉も妹もいなかったが、自分に双子の姉がいるという想像をするのが好きだったからだ。 「そうだ。タタンは姉妹なんだ。お菓子を作るのがうまいんだ。失敗作すらうまいんだ。おまえさんもお菓子を作るのはうまいんだろうね」 わたしは樽の中でうん、とうなずいた。 実際には一度も作ったことがなかったが。 以来、わたしはその店で「タタン」と呼ばれることになった。
2021.07.12
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図書館に予約していた『韓国むかしの味』という文庫本を、待つこと4日でゲットしたのです。カラー写真満載のビジュアル本であるが・・・どれもが味わい深い小さな店のレポートになっているのがええでぇ♪ 10年前の本なので、今その店があるかどうかは定かではないが。【韓国むかしの味】平松洋子著、新潮社、2011年刊<ブログのレビュー>より韓国全土を30年近く旅した著者の、むかしの味の記録。ガイドブックには載っていない、華やかではない、それでいて味わい深い庶民の味が紹介されています。それは大都市ソウルでも。「食べる旅は人に出会う旅でもある」との著者の言葉のとおり、出会った料理の作り手たちの、引き継がれた味、歴史、想いは、料理の味わいに深い感慨を与えています。<読む前の大使寸評>カラー写真満載のビジュアル本であるが・・・どれもが味わい深い小さな店のレポートになっているのがええでぇ♪ 10年前の本なので、今その店があるかどうかは定かではないが。<図書館予約:(7/05予約、副本3、予約0)>rakuten韓国むかしの味">仁寺洞 智異山の家庭式韓定食(二人前)韓国料理で意外だったのは、生野菜やナムルが美味しかったことです。そのナムルが気になるので、求禮の「ドンウォン食堂」を見てみましょう。p38~40野生であればあるほどナムルはおいしい 「とびきりナムルがおいしい」と韓国全土に名を馳せる土地、それが全羅南道・求禮(クレ)だ。毎月3と8のつく日に開かれる求禮の五日市には、霊峰・智異山のふもとで採れた野草がいっせいに集まると聞き、市の立つ日に合わせて一路求禮に向かった。 早朝、市に入るなり目を見張った。トゥルプ(タラの芽)、コサリ(わらび)、コグマスン(さつまいもの茎)、カジュク(ニワウルシ)・・・露店にあふれている葉っぱ、野草、山菜は切り口まできりっと立って新鮮そのもの、豊富な量にも圧倒される。 長年、おなじ場所で露店を出しているソンさんに頼んで、うっすら霧の残る翌朝、自分の摘み場所に案内してもらった。市で偶然知りあったソンさんだが 「わたしの大学生の息子も調査研修で日本に行ったとき、ずいぶんお世話になったから」と、こころよく案内を引き受けてくれた。 ソンさんは63歳、夫のキムさんは65歳。智異山のふもとに代々譲り受けた土地があり、農薬も肥料も使わず、夫婦で野草(ナムル)を何十種類も栽培している。市場へ売りに行くのは妻のソンさんの役目だ。 「ナムルは野生であればあるほどおいしい。野菜も人も、たっぷり陽を浴びて自然のなかで育ったものに勝るものはないから。農薬や肥料を使うと確実に育つけれど、からだによくないし、味もおちる。子どものころから土といっしょに育ちながら学んできました」 土地の手入れを引き受ける夫のキムさんが言う。 「苦いものこそからだにいいから、ナムルも毎日かならず食べなくちゃいけないよ」 青空の下で味わった智異山のナムルはえぐみ、ほろ苦さ、噛めば噛むほどいろんな味わいが滲み出てくる。その求禮の「ドンウォン食堂」(現在は閉店)にとびきりの「ナムル名人」のハルモニがいると小耳にはさんだ。イ・ナムドクさん、68歳。もともとイさんは20年にわたって求禮一と評判を取った食堂の女主人だった。 名士や政治家までイさんの味を求めてやってくるうち、イさんの手は「ミウォンの手」つまり「味の素の手」と呼ばれ始めた。「おいしさが湧き出る」、そんな特別の手というわけである。『韓国むかしの味』1:普州式ピビムパプ
2021.07.11
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図書館に予約していた『韓国むかしの味』という文庫本を、待つこと4日でゲットしたのです。カラー写真満載のビジュアル本であるが・・・どれもが味わい深い小さな店のレポートになっているのがええでぇ♪ 10年前の本なので、今その店があるかどうかは定かではないが。【韓国むかしの味】平松洋子著、新潮社、2011年刊<ブログのレビュー>より韓国全土を30年近く旅した著者の、むかしの味の記録。ガイドブックには載っていない、華やかではない、それでいて味わい深い庶民の味が紹介されています。それは大都市ソウルでも。「食べる旅は人に出会う旅でもある」との著者の言葉のとおり、出会った料理の作り手たちの、引き継がれた味、歴史、想いは、料理の味わいに深い感慨を与えています。<読む前の大使寸評>カラー写真満載のビジュアル本であるが・・・どれもが味わい深い小さな店のレポートになっているのがええでぇ♪ 10年前の本なので、今その店があるかどうかは定かではないが。<図書館予約:(7/05予約、副本3、予約0)>rakuten韓国むかしの味">ナムルピビムパプやナムルが気になるので、見てみましょう。p120~124普州式ピビムパプ 「いらっしゃい」 店の奥から気さくな笑顔がのぞいた。キム・チョンヒさん、53歳。「天凰食堂」の末っ子と結婚して28年、今では店を一手に引き受けて伝統の味を預る3代めだ。 翌朝8時過ぎ、まず「天凰食堂」の仕事ぶりを見せてもらうことになった。買い物や仕込みを、キムさんは毎朝早くから始める。買い物先は、すぐ裏手の市場のなか。野菜も牛肉もごま油も唐辛子も、取引先は開店以来おなじ。エプロン姿のままくるくる回って、仕入れをすませる。 「野菜は毎日新鮮なものを買います。ごま油も、必ずその日の搾りたて。代々ずっと店が守ってきた決めごとです」 急いで店に戻り、キムさんは厨房に駆け込む。まず最初に手をつけたのは、買いたての乾燥ムール貝と干しだこ。ふたつを小鍋に入れて水を入れ、ことこと煮始めた。 「これが、うちの味の秘密です」 あっさり言うので、こちらが拍子抜けしてしまう。「濃く煮出しただし汁を、ピビムパプに少しかけるのです。つまり天然のうまみ調味料というわけです。つくりかたは義母から教わりました」 柔らかく煮えた乾燥ムール貝は細かく刻んで生の牛肉に混ぜ、叩いてユッケにする。これは普州のスタイルだ。 「天凰食堂」の開店は正午。つくり置きは一切なしだから、午前中の3、4時間が勝負どきだ。こしらえるナムルだけで最低8種類。大豆もやし、だいこん、スクチュ(もやし)、ほうれんそう、ミナリ(せり)、コサリ(わらび)、ねぎ、板海苔、14年相棒を務める手伝いの女性とふたり、惚れ惚れする手早さでナムルに仕立てていく。 とはいえ、その量の多いこと。大豆やもやしひとつゆでても、釜からすくい上げた大ざるがしなる。だいこん、ほうれんそう、金だらいに山盛り。大きな板海苔はばりばりちぎってほぐす・・・脇目もふらず手を動かす様子に年季がこもる。 けれども、注意ぶかく見るうち、わかってくる。ナムルひとつずつ、調理法も味つけも、微妙に、または大きく違う。だいこんは醤油だけ入れてさっと炒める。スクチュはじっくり火を通してゆでるけれど、ほうれんそうは緑が鮮やかに変わったら、すぐ引き上げる。 ミナリの味つけは醤油、ごま、ごま油。コサリはあらかじめ細かく刻んでおき、くわえるのは醤油とこしょうだけ。
2021.07.11
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図書館で『のっけから失礼します』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。【のっけから失礼します】三浦しをん著、集英社、2019年刊<「BOOK」データベース>より『BAILA』好評連載に5本の書き下ろしを加えた、自称「構想5年!」の超大作。ありふれているのに奇想天外な日常が綴られる三浦しをんワールド炸裂の抱腹絶倒エッセイ集。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると気安いテーマのエッセイが並んでいて・・・どこを読んでも頭のコリがほぐれるような気がするのです。rakutenのっけから失礼します初代ゴジラゴジラやアマゾンの先住民・イゾラドが語られているので、見てみましょう。いずれも「未知との遭遇」という括りで紹介されています。p135~139<未知との遭遇> 夏のあいだ、仕事ばっかりしてましたよ! 噂に聞く海の家って、楽しそうだなあ。季節の行楽をあまりしたことがないので、夢想と期待だけがどんどんふくらんでいく。ふつうに洋服を着てる状態でも、海の家に行っていいのだろうか。ほら、わたくしがうっかり水着など着用してしまった日にゃあ、「うわあ、海からトドならぬトド型怪獣が出没した!」と、浜辺が大パニックになるかもしれんからな。 あ、怪獣といえば、話題の映画『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督)を見た。仕事ばっかりしとらんじゃないか。がつり遊んどるじゃないか。 私が見たことあるゴジラシリーズは、初代『ゴジラ』(本田猪四郎監督)とハリウッド版『GODZILLA』(ローランド・エメリッヒ監督)ぐらいなのだが、前者は傑作、後者はすでに記憶から抹消済みである。今度の『シン・ゴジラ』はどうかなーと、特撮ファンどやされそうな軽い気持ちで見にいったら、おもしろかった! ゴジラがまじでこわくてよかった。 荒ぶるゴジラのせいで、東京は踏みつぶされ焼かれて大変なことになる。当然、人間がわも反撃するのだけれど、戦車の砲弾とかミサイルとかがバンバン命中し、「ちょっと痛い…」ってなってるゴジラを見ていると、「みんなでよってたかってゴジラをいじめないで!」という気持ちにもなってくるのが不思議だ。私が住んでいるあたりもゴジラの通り道になり、壊滅状態になったっぽいというのに、なぜゴジラに思い入れてしまうのか…。 かといって、人間がわのドラマに感情移入できないかというと、そんなことはない。「ああ、なんとかしてゴジラを止めて」とハラハラもしている。双方を応援してしまう感じは、初代『ゴジラ』を見たときの感覚と通じるなと思った。人間とゴジラは立場が異なり、決して通じあえない仲なのだが、どちらが善でどちらが悪といったように、単純に二分化できるものではない。 ゴジラは「荒神」や自然災害の象徴だ、という解釈は以前からあるが、たしかにそうかもしれない。台風や津波そのものに善悪の基準を適用することはできない。それはゴジラと同様、ただただ圧倒的な荒ぶり、エネルギーなんであって、その荒ぶりがもたらした事象からなんらかの感情を抱いたり言動を選択したりするのは、すべてひとの心がなすことだ。 つまり、ゴジラが出没したとしても、もし地球上に人間がいなかったら、「こりゃあ攻撃しないと大変なことになる」と判断する存在もいないわけで、ゴジラは気がすむまで暴れたのち、海へ帰っていったかもしれないのである。善悪や敵味方という概念を生みだすのは、ひとの心以外にない、ということだ。 似たようなことを、『NHKスペシャル 大アマゾン最後の秘境(第4集)最後のイゾラド』というテレビ番組を見ていて感じた(やっぱり仕事してないじゃないか、私)。これがすごいドキュメンタリーで、アマゾンの森のなかで生きる未知の先住民との接触の記録なのである。 「イゾラド」と呼ばれるかれらは、文明社会とまったく交流がなく、裸で暮らしているらしい。ほかの先住民の言葉が一部通じるみたいなのだが、詳しいことはまったく不明。何人いるのかも、なんという部族なのかもわからない。(中略) 怪獣になぞらえるのは失礼だが、イゾラドが発散するわけのわからないエネルギー、「荒ぶり感」は、ゴジラと通じるものがある気がした。出没にはなんらかの事情があるのだろうとうかがわれるのだが、それもこちらが勝手にそう思おうとしているだけなのかも、という気もして、困惑が深まるあたりも。 そしてなにより、こわい。「わからない」存在がこわい。善悪で割り切れず、敵なのか味方なのか判断がつけられない状態がこわい。まさに、イゾラドはゴジラ的なのである。たぶんイゾラドも、「文明人」のことを同じように感じているだろう。 そうか、人間ってのは、世界を善悪や敵味方で識別しないと落ち着かない生き物なんだなと、『シン・ゴジラ』と『大アマゾン』を見て思ったのだった。けれど世界は当然ながら、そんな単純な二元論で成り立っていない。だからこそ、ゴジラとイゾラドは何度でも出没し、そのたびに我々は恐怖におののきながらも、かれらに心惹かれずにはいられないのだろう。(中略) 森からいきなり現れた先住民の男性二人。「アウレ」と「アウラ」と名づけられた彼らは、ほかのだれにも通じない言葉を使っていた。つまり、この地球上で、アウレがなにかを語りあえる相手はアウラだけ、アウラがなにかを語りあえる相手はアウレだけ、という状況なのだ。 ところが、アウレが亡くなってしまう。アウラの話す言葉を理解できるひとは、とうとう一人も存在しなくなったということだ。ちょっともう、想像を絶する孤独である。言語学者が一生懸命、アウラの用いる言語を解明しようとするのだが、あまりうまくいかない。 一緒に番組を見ていた弟は、 「アウラにポルトガル語を教えてあげたほうが話が早いんじゃないか!? とにかく、だれかアウラと会話してやってくれ!」 とめずらしくテレビに向かって叫んでいたが、その気持ちもわかる。私も「アウラよ~」と滂沱の涙であった。 これまでも、こうして消えていった言語はたくさんあったのだろう。だれにも通じない言語を抱えて生きる、最後のひとり。そのひとがどんな思いでいるのか、言語で通じあえないがゆえに、周囲のひとたちは十全には理解できないわけだが、しかしテレビという映像表現のおかげで、アウラの言動や振る舞いから伝わってくるものはある。 それがせめてもの救いであり希望であるのかもしれないとは思うけれど、アウラはアウレとしゃべる夢を見るのかなあと想像すると、なんかもう切なくてたまらなくなったのだった。ウーム だれにも通じない言語を抱えて生きる最後のひとりってか・・・たしかに想像を絶する孤独感である。『のっけから失礼します』2:本屋さんに関するエッセイ『のっけから失礼します』1:もやしとぬた
2021.07.11
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本屋の店頭で『「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号』という雑誌を手にしたが…図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。【「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号】雑誌、Wedge、2021年刊<Wedge社サイト>より現代文明を支える「砂」、「土(レアアース)」、「水」─。世界ではいま、これらの戦略資源の奪い合いが起こっている。ありふれた素材の「砂」は高層ビルから半導体まであらゆるものに使われ、「土(レアアース)」は世界の自動車メーカーが参入する電気自動車(EV)に欠かせない。そして生命に欠かすことのできない「水」……。それぞれの資源ウォーズの最前線では何が起こっているのか。<読む前の大使寸評>図書館では新刊雑誌の借出しはしていないので、つい、この雑誌を購入したわけです。表紙におどるコピー「砂、土、水を飲み込む世界」にキャッチされたといいますか。wedge「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号「中国のレアアース戦略」について仏ジャーナリスト、ギヨーム氏が語っているので、観てみましょう。(インタビュアー:木村成人)p30~32<中国のレアアース戦略と「デジタル・リヴァイアサン」> スマートフォンや電気自動車(EV)に不可欠なレアメタル(希少金属)。先進国は今「温室効果ガス排出ゼロ」につき進む。落し穴はないのか。 著書『レアメタル地政学』でレアメタルの需要が激増する中、中国が支配力を増す危険性を指摘した仏ジャーナリスト、ギヨーム・ピトロン氏に聞いた。木村:21世紀は「レアメタルの世紀」なのか。ギヨーム:蒸気機関は石炭、内燃機関は石油によって可能になった。私たちは今、ソーラーパネル、スマートネットワーク、風力タービン、電気自動車(EV)、電力貯蔵による3番目のエネルギー転換を経験している。19世紀は「石炭の世紀」、20世紀は「石油の世紀」だった。21世紀は「レアメタルの世紀」になる。木村:本書を書いた動機は何か。ギヨーム:2009年からレアメタルに興味を持った。翌10年に日本はレアメタルの一種、レアアース(希土類)危機を経験した。この問題に取り組む必要があると確信したのは、レアメタル業界で働く人々が「レアメタルは新しい石油だ」と話していたからだ。 彼らは「これは未来であり、重要なテーマになる。中国がすべてを握り、私たちは中国に依存する。中国はレアメタルを売るだけでなく、それを使った素晴らしい技術を売るバリューチェーンを支配する」と予測した。レアメタルの物語はエネルギーの未来、グリーン革命の未来、デジタルの未来、中国の未来と野心を教えてくれる。 レアメタルは未来を見つめる鏡だ。私の祖国フランスでは誰もレアメタルに興味を持っていなかった。本を書くために日本を二度訪れたが、日本では誰もがレアアースを知っていた。デジタル化が進む日本はレアアースをより必用としていた。この重要性が高まるにつれ、中国の支配力が強まることに警鐘を鳴らす必用があると考えた。木村:レアメタルの採掘でどれぐらい汚染が広がるのか。ギヨーム:鉄や銅、アルミニウムの金属と比較すると、レアメタルは1000~3000倍稀少だ。同じ量を精製する場合、数千倍以上の岩石から抽出する必要がある。最も汚染するのは大量の化学物質や水を使って岩石から鉱物を100%精製する過程だ。レアアースは地中でトリウムやウランと混ざっていることが多く、分離プロセスで放射性物質が出る。 法律で労働者の健康を守ることを義務付けられていれば汚染を管理できる。中国でも規制は存在するが、現場では有名無実だ。北京から遠く離れた現場ではカオスが広がる。彼らは無責任に行動し、規制を気にせず、やりたい放題だ。重金属や科学物質で汚染された水は処理されず、廃棄されている。放射線が放出され、がんの原因となる。木村:取材で訪れた中国の「がんの村」で何を見たのか。ギヨーム:11年に取材で内モンゴル自治区の包頭市を訪れた。19年に再訪すると「がんの村」は破壊され、中国で最も重要なレアアース企業の敷地になっていた。ドローンで空から撮影したが、何も残っていなかった。農民は新しい町に移り、巨大な人工湖が造られていた。人々は今もがんについて語り合っていた。木村:デジタルや脱炭素経済への移行は美徳だが、莫大なコストを伴う。コインの両面、美徳と罪をどう考えるか。ギヨーム:グリーンでクリーン、排出ゼロ技術という言葉は環境を語る時に使われる。しかし現場に行き、これらの技術がもたらす環境汚染を目の当たりにすると明らかな矛盾に気付かされる。 先進国の消費者は負の側面に気付かない。採掘と精製は先進国では行われず、他国で処理されるからだ。先進国の私たちはクリーン技術を生産しているという幻想を抱いている。 グリーンな世界を作るためにはデジタル技術が必要だ。デジタル技術が環境に優しい世界を創り出すという信仰がデジタル・リヴァイアサン(怪物)を生み落とした。 国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビレル事務局長も「野心的な温暖化対策とそれを実現するために不可欠な鉱物の入手可能性の間にミスマッチがある。放置しておくと潜在的な脆弱性はクリーンエネルギーの将来に向けた世界的な進歩をより遅く、費用のかかるものにする恐れがある」と警鐘を鳴らす。木村:私たちはハイテクの巨人ステラやアップルに目を閉ざしている。ギヨーム:アップルのiPhoneにはレアアースが使われている。ネオジムはスマホを振動させ、インジウムはタッチスクリーンを可能にする。テスラは多くのレアメタルを使用している。テスラ車のモーターにはレアアアースが必要だ。バッテリーにはグラファイトやコバルトが使われる。ニッケル、マンガン、リチウムもだ。 テスラのメッセージには矛盾がある。「テスラのEVを購入するのは責任ある市民だ」と言うが、将来、環境をさらに悪化させる恐れさえある。しかしコロナ危機は生長を10%失う世界を誰も望んでいないことを浮き彫りにした。ポストコロナは新しい“生長神話”を必要としているのだ。 デジタル技術は私たちに可能性を提供し、グリーン技術は経済に再び活力を与える。だが、途上国の人たちに「私たち先進国は金持ちになったので、パーティーは終わりだ」とは言えない。木村:すべての負担は中国が引き受け、ダンピングで生産や市場を支配しようとしている。ギヨーム:中国は、非常に戦略的なレアアースに限れば最大90%を独占する可能性さえある。石油輸出国機構(OPEC)は13ヵ国で、世界における原油生産量のシェアは40%。中国は一国でデジタルへの移行に必用な戦略的な鉱物の最大90%を握る。中国はレアアースのリソースを持たない国を恫喝できる。 中国の戦略はまずレアアースの生産費用と価格を下げる。生産費用の中に人的コストや生態学的コストは含まれていない。最終価格に労働者のがんを治療する病院建設や汚染水を処理する費用を上積みすると実際の価格はハネ上がる。しかし中国ではこれらのコストは含まれない。木村:中国はどのようにしてレアメタルの関連技術を先進国から移転しているのか。ギヨーム:中国は「産業を中国に移転しない限り、レアメタルを手に入れることはできない。しかし移転すれば代わりに100%%純粋なレアメタルを手に入れられる。我々にあなた方の技術を渡せ」と迫ってくる。中国は非常に狡猾で戦略的であり過去20年間、そのようなトレードオフで技術を手に入れてきた。 中国は今やレアメタルだけでなく、製品のソーラーパネルや風力タービン、バッテリー、電気自動車も販売している。レアメタルを保有する中国は発展する可能性のある産業戦略を持っている。グリーン経済がもたらす仕事は中国に持っていかれる恐れがあるため、今後、経済問題に発展するだろう。ウン 中国の産業戦略がよく分かりました。この『レアメタル地政学』という本を図書館で探してみよう。「砂、土、水を飲み込む世界」:Wedge7月号-1
2021.07.10
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