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2014.02.15
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カテゴリ: アート
図書館で『木と漆(民芸の教科書3)』という本を手にしたが、木地師が載っているやんけ♪
・・・ということで借りたのです。
目下のところ、木地師とかWOOD JOB!(ウッジョブ)が大使の関心事なんです。

徳島の「半田塗」は廃れたが・・・
この本を読むと、東北や北陸など木工品産業は曲がりなりにも健在のようですね。
各地の木工品について読み進めたが、北陸の状況について紹介します。


<山中木地挽物> よりp108~109
 石川県にある漆器の産地にはそれぞれに特徴がある。「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」そして「木地の山中」だ。「木地の山中」については県内にとどまらず、本書の取材を続けるなかで、各産地やつくり手からもずいぶんと耳にした。川連や会津、輪島などの大産地にも当然木地師はいるものの、数をこなすためには山中の木地に頼らざるをえない部分があるそうなのだ。

 いまや全国の漆器、とくに椀などの挽物の生産地といっても過言ではない山中だが、ここにいたったことについては大きくふたつの理由が考えられる。
 ひとつは、産地としての成り立ちだ。山中は安土桃山時代の天正年間に、越前の国から山伝いに入ってきた木地師の集団が、山中温泉の真砂という集落に住みついたことが起源といわれる。江戸時代中期に木地挽物の技術が伝達されて以降は、とくに挽物の産地として大きく発展を遂げていった。

<木地生産協同組合を設立し、漆器用木地の一大産地へ>
 そしてもうひとつは産地として、「木地の山中」の伝統をさらに推し進めたことだ。それが、木地屋が協同で出資して始まったという「山中漆器木地生産協同組合」の設立だ。こちらでは、それまで各々の木地屋でおこなっていた原木の仕入れから、「粗取り」と呼ばれる半製品の状態に加工するまでの作業が一括しておこなわれる。

 工場に入ると、ケヤキ、トチなどの樹種別、寸法別に大まかに加工された椀がうず高く積まれており、その奥では機械音が響き、4名の従業員が黙々と粗取りの作業をおこなっていた。それらを木地屋が購入し、注文に応じて製品の仕上げて、山中および全国の塗師や漆芸家へと出荷していくというしくみだ。
 原木の仕入れ、粗取りというもっとも手間にかかる工程を組合でまとめて請負うことにより、木地師の作業の効率は飛躍的に向上し、全国から寄せられる大量注文にも対応できるようになった。それが原木の大量仕入れによるさらなるコストの削減を促すという好循環を生み出した。

 現在の組合長で、木地師でもある中出利成さんは、「全国の漆器の椀もののほとんどは、山中でつくられたと思ってもらってもいい」と胸を張る。原木の仕入れは月に一度、中出さんと職員が岐阜の原木市場へ足を運び、ケヤキやトチ、ミズメなどを購入するそうだ。これが木地となり、全国へ出荷されていくということを考えると、中出さんたちの役割は大きい。

 漆器と聞くと、塗りのこと、あるいは漆のことに目が行きがちだ。しかし、うつわの使い勝手の大部分を決めるのはそのかたち。ところが近現代の漆の世界では、そこがなおざりにされてきた感は否めない。結果として、全国の漆器産地には塗師があふれ、木地師の数は減ってしまった。その現状に山中は目をつけ、全国の木地の生産地として確固たる地位を築いた。また近年は中国などへの指導もおこなっていると聞く。活力を失っている漆器の産地も少なくないなか、歴史を重んじ、強みを理解した山中の試みは注目に値する。


塗りの種類もいろいろあって、この本では9種類の塗りが載っています。。
大使の好みは、木目の見える拭漆(摺漆)なんだけど・・・
摺漆

その拭漆を売りにしている小田原漆器を読んでみます。

<ケヤキの木目を活かした堅牢で美しい木地> よりp75
 室町時代中期に興り、北条氏により発展。江戸時代には地理的にも近い江戸で実用漆器として多用された小田原漆器。その背景には、一番に箱根山系の豊富な木材、また北条氏康が武具に漆を塗るために招いた多数の塗師の存在や、かつて相模漆が産出されたことなどが挙げられる。

 特筆すべきは、漆器の産地のなかでは石川の山中漆器と同じく、木地挽きの技術の高さで知られることだ。
(中略)
 戦後の最盛期には300人の木地師、100人の塗師を擁していた小田原漆器も、現在職人の数は往時の10分の1以下となり、漆器屋もわずか2軒に。余談だが、通常漆器の産地では、塗師が木地師を下請け的にあつかい、漆器の販売も塗師が手がけることがほとんどだ。しかし、小田原では逆で、取材で訪れた大川木工所もその名の通り、木地の制作がメインなのだが、店を構えている。このように塗師よりも木地師の立場が強いのも、木地挽きに端を発する小田原漆器ならではの他産地にはない特色である。

 出迎えてくれたのは、3代目の大川肇さん。小田原漆器の特徴について、次のように語ってくれた。
「素朴というか、田舎風というか・・・。木の息づかいが感じられるものです。ケヤキの木目を活かすのに、生漆を何度も摺り込む技法(摺漆)を用います。盆などの平物は板目、椀などの深さのあるものは柾目で取ります。うつわの種類としては椀や盆が中心です。私が工房に入った30数年前は全盛期で、箱根や湯河原などの温泉旅館向けの茶びつや菓子盆、縁の立ち上がりが低い独特な形の『仁取盆』などがよく売れました。」




民芸

萩原健太郎著、グラフィック社、2012年刊

<内容紹介>より
“木の文化"といわれる日本の暮らしを支えてきた木の道具たち。伝統的な木工品、漆工品をいまも守り続ける全国23カ所のつくり手たちをレポート。
木のある暮らしの魅力を再認識できる一冊。
産地を訪ねて、大館曲げわっぱ(秋田県)/樺細工(秋田県)/川連漆器(秋田県)/岩手の桶(岩手県)/鳴子漆器(宮城県)/会津塗(福島県)/小田原漆器(神奈川県)/木曾漆器(長野県)/松本民芸家具(長野県)/飛騨春慶(岐阜県)/庄川挽物木地(富山県)/輪島塗(石川県)/山中木地挽物(石川県)/若狭塗箸(福井県)/大塔坪杓子(奈良県)/郷原漆器(岡山県)ほか

【久野恵一】
手仕事フォーラム代表。地域手仕事文化研究所主宰。もやい工藝店主。1947年生まれ。武蔵野美術大学在学中に民俗学者・宮本常一に師事。松本民藝家具の創始者・池田三四郎との出会いをきっかけに民藝の世界へ。大学卒業後、仲間5人と「もやい工藝」をはじめ、その後独立。北鎌倉を経て現在の鎌倉市佐助に店舗を構える。40年にわたり1年の3分の2は手仕事の産地をめぐり、買いつけや調査、職人をプロデュースする活動を続けてきた。2011年まで日本民藝協会の常任理事を務め、現代の民藝運動と積極的に関わる。


<読む前の大使寸評>
“木の文化"とかWOOD JOB!(ウッジョブ)が大使のこだわりでおます。

amazon 木と漆(民芸の教科書3)


木地師について に収めておきます。
日本木地師学界HP
山中漆器
小田原漆器






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Last updated  2014.02.16 14:07:56
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