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2016.03.24
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カテゴリ: 経済
図書館で『限界マンション』という本を手にしたが・・・・
現在、じわじわと進行している限界マンションが今後どうなるのか気になるのです。
また、不動産のリノベーションやシェアハウスへの転用など、空き家関連ビジネスの現状も気になるのです。



マンション

米山秀隆著、日本経済新聞出版社、2015年刊

<出版社情報より>
▼老朽化したマンションの末路は、スラムか廃墟か。居住者の高齢化と建物の老朽化という「2つの老い」により、空室が増え、管理組合が機能せず半ば放置される「限界マンション」化がじわじわと進行している。

▼しかし、建て替えができるだけの容積率の余裕がある物件も、区分所有権を解消し解体するための費用を積み立てている物件も少ない。朽ち果てるまで放置するしかないのか。50年も保たない耐久性と区分所有権というマンションの矛盾が生んだ時限爆弾がいよいよ炸裂しようとしている。

▼限界マンション化を防ぐ手立てはあるのか。どうすれば建て替えを実現できるのか。購入者にとってマンションは終の棲家となりうるのか。前著『空き家急増の真実』で空き家問題を世に問い大きな反響を巻き起こした著者が、リサーチとデータをもとに、次なる空き家問題であるマンションの末路を冷徹に分析する。

【目次】
序章 マンションという住まいの末路
第1章 マンションの歴史ーー埋め込まれた時限爆弾
第2章 マンションの二つの老いと建て替えの現実
第3章 限界マンション化にどのように立ち向かうか
第4章 空き家問題の現在
終 章 空き家問題の今後の展開と限界マンション

<読む前の大使寸評>
現在、じわじわと進行している限界マンションが今後どうなるのか気になるのです。
また、不動産のリノベーションやシェアハウスへの転用など、空き家関連ビジネスの現状も気になるのです。

rakuten 限界マンション



素人考えでも、マンションの建て替えの困難さが分かるのだが、その辺りを見てみましょう。
p115~120
 なぜ、日本のマンション法制が建て替えのみを予定しているかといえば、繰り返しになるが、マンション寿命の短さと、種有権への強いこだわりが関係していると考えられる。
<日本のマンション事情の特殊性>
 前述のように、過去に建て替えが行われたケースでは、築後30~34年というケースがもっとも多かったが、中にはわずか20年前後で建て替えを行わざるを得なくなったケースもある。コンクリートの寿命は通常であれば60年程度、良好な条件が満たされれば100年は保つといわれているが、初期に建てられたマンションは60年の半分程度で建て替えの必用が生じている。

 もっとも、昭和初期に建てられた同潤会アパートは、築後60年を経て建て替えられるようになり、比較的長い寿命を保ったといえなくもないが、内部設備の老朽化はそれよりはるかに早く進行し、建て替えはそれ以前から切実な問題となっていた。

 日本のマンション寿命が短いのは、初期のマンションでは、コンクリートの打設にも問題があったためともいわれる。耐久性が劣る水分が多いコンクリート(いわゆるシャブコン)が使われたという例や、悪質なケースでは海砂が使用され、塩分により鉄筋が錆びるなどして、耐久性が著しく落ちたという例もある。

 さらに、日本の建設業界全体が長い間、マンションに限らず、多くの建築物について、耐久性に十分配慮して長く使うという発想には立たず、建てては壊すというスクラップアンドビルトの発想に立って、建築物を作ってきたという根本的な問題もある。スクラップアンドビルトのほうが、仕事がなくならず、建設業界にとっては好都合である。
(中略)
 要するに、寿命が長くなかったため、区分所有者がそこに永住することができなくなり、切実な問題として、建て替え問題が日本のマンションで現れたということになる。その際、デベロッパーにとっては、建て替え自体が新たなビジネスチャンスともなるため、建て替えに関する法律の整備や政策的支援の実現などについては、熱心に取り組んできた。
 このように日本のマンションにおいて、建て替えが実際問題として重視される背景には、マンションの寿命が長くなかったという事情が深く関わっている。そこにはスクラップアンドビルトの発想に立つ、デベロッパーの事業姿勢も反映されている。

<区分所有権解消の合理性>
 一方、所有権に対するこだわりであるが、いったん取得したマンションの区分所有権を永久に持ち続けたいという要求は、建て替えを行うことによってのみ満たされる。この場合、全員一致で建て替えを行うのであれば問題はないが、全員の同意が得られない場合、多数が建て替えを望むにもかかわらず、建て替えられないという問題が発生する。これについては、前述のように、区分所有法の1983年改正で建て替え決議の規定が設けられ、2002年改正でその要件が緩和されたため、現在では自由を問わず、5分の4の多数によって建て替え決議ができるようになっている。
(中略)

 これも多数の利益を守るためには必要と考えられているのが現状であるが、そもそも老朽化した場合に、建て替え以外の選択肢が事実上ないことが問題ともいえる。老朽化し、もはや取り壊す以外の選択がないと多数が考えた場合、建て替えを行うのではなく、区分所有権を解消し土地を売却するという方向が、マンション法制で積極的に予定されていれば、そのほうがむしろ合理的に処理できる可能性がある。
(中略)

 前述のように、寿命が短く、建て替えを当然のように考える日本の特殊なマンション事情には、マンションを分譲の形態で販売することと、老朽化した後に建て替えることに利益を見出してきた供給者側の論理がいまだにまかり通っていることも色濃く反映されている。


限界マンションになった場合、空家法適用のプレッシャーが強まるわけだが、その辺りを見てみましょう。
p187~188
<空家法におけるマンションの扱い>
 空家法での空き家の定義には、住宅以外の建築物、空き店舗や空きビルなども含め、すべての建築物が含まれる。その場合、空き家になっているかどうかは棟単位で判断される。
 長屋建てや共同住宅の建築物は、すべての住戸が空き家になっていなければ、法の対象にはならないというのが立法者の立場である。ただし長屋の場合は、歯抜け状態になって使われているような事例もあり、個々の住戸を独立して捉えることも不可能ではない。
(中略)
 一方、アパートやマンションなど共同住宅の場合は、1戸単位で徐却することは不可能であり、長屋のような考え方は成り立たない。したがって、法の対象になるのは、募集を止めてすべてが空いた状態になっている賃貸アパート・マンションや、分譲マンションでもまったく居住者がいない状態になっているものに限られる。

 条例では、募集を止めて荒廃した賃貸アパートについて、代執行を行った例がある(東京都大田区)、荒廃したリゾート旅館が代執行されたケースもある(新潟県長岡市)。
 分譲マンションの場合は、将来的に居住者がいなくなり、スラム化が進んだ場合には、この法の対象になる可能性が出てくることになる。

<空家法の効果と予想される弊害>
 空家法と税制改正によって、特定空家の所有者に対してプレッシャーが強まる。これが空き家所有者の行動に与える影響としては、特定空家にならないように維持管理を行う、賃貸化するなど物件を活用する、あるいは維持管理コストと将来的な税務負担を考えて売れるうちに売るなどの選択を行うことが考えられる。こうした行動変化をにらみ、ハウスメーカーや不動産事業者などが空き家の管理、流動化を請け負うサービスを相次いで開始しており、空家法の効果はこうした面でも表れている。


『限界マンション』1





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Last updated  2016.03.24 00:30:37
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