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2016.12.17
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『縄文農耕の世界』という本を手にしたのです。
なんか既視感のある本やけど、まいいかと借りたのだが・・・
帰って調べてみたら1ヵ月前に借りていたことが判明したのです(イカン イカン)



縄文

佐藤洋一郎著、PHP研究所、2000年刊

<「BOOK」データベース>より
 農耕文化は従来弥生時代の水田稲作の渡来が起源とされてきた。だが三内丸山をはじめ縄文遺跡で発掘されるクリは栽培されたものではないか?縄文人は農耕を行っていたのではないか?著者によれば、「ヒトの手が加えられるにつれ植物のDNAのパターンは揃ってくる」という。
 その特性を生かしたDNA分析によって、不可能とされていた栽培実在の証明に挑む。本書では、定説を実証的に覆した上で、農耕のプロセスからそれがヒトと自然に与えた影響にまで言及する。生物学から問う新・縄文農耕論。

<読む前の大使寸評>
なんか既視感のある本やけど、まいいかと借りたのだが・・・
帰って調べてみたら1ヵ月前に借りていたことが判明したのです(イカン イカン)

rakuten 縄文農耕の世界



『縄文農耕の世界』1~3との重複をさけて、読み進めたのです。
p82~83
<第2章 縄文農耕の実像にせまる>
 三内丸山遺跡ブームのきっかけとなって改めて注目を集めることになった縄文農耕。いまのところ、言葉だけが一人歩きしていて、内容の議論はもうひとつという感じを受ける。いったい縄文農耕とはどのようなものだったのか。

 日本列島の「農耕の始まり」というと、私たちはすぐに水田耕作の渡来を心に思い描く。つまり日本列島の農耕は水田稲作という完成された文化要素が海を越えてやってきたことに始まり、それ以前の時代は耕作のない原始時代であったと考えてしまう。また縄文稲作をめぐる議論はその渡来の時期に関するものがほとんどで、その性質についてはまったく蚊帳の外におかれてきた。

 縄文農耕の実態を正しく理解するには、まず、「日本列島における農耕の始まりが水田稲作の渡来にある」という呪縛から自分たちの心を解き放つことが必用である。水田耕作がないことは農耕がないこと、つまり野蛮であることを意味しない。現代に生まれ育った私たち現日本人に、水田やイネのない農耕を感覚として理解することは大変なことである。いや、水田稲作でない稲作、水稲でないイネを理解するさえ、やさしいことではない。
 だが、この地球上には、水田を伴わない稲作、水稲でないイネはいくらでも存在する。というよりも、私たちが日ごろ目にする水田のような田は、日本列島以外の土地では朝鮮半島や中国大陸のほんの一部でしか見られない。

 水田に植えられる水稲の品種は、ごく最近にイネがもち込まれた米国カルフォルニアやオーストラリアを別にすれば、朝鮮半島と中国大陸のごく一部など、限られた土地に分布するばかりである。イネのことはまたいずれ詳しく書くことして、イネのない時代、水稲のない時代の農耕のスタイルについて考えてみることにしよう。

 縄文時代の栽培植物を調べていくと、そこには二つの違ったタイプのものがあることが見えてくる。ひとつは海を渡って栽培植物として渡来しってきたもの。つまり帰化植物としての栽培植物である。もうひとつはどうも日本列島のどこかで栽培化されたと思われるものである。日本列島と他の地域で独立に栽培化されたものもあるかもしれないが、それらもこれに含めて考えることにする。縄文耕作にはこの二種類の栽培植物が関係している。

 また、渡来してきた帰化植物と思われる植物たちを見ていると、これらの渡来にはいくつかの時期と経路があったように思えてくる。本章ではこれらについて書いてみたい。


『縄文農耕の世界』1から「ヒエ日本原産説」あたりを、再度、見てみましょう。

<ヒエは日本列島原産か>
 ヒエといえば、今では水田の雑草か、あるいはとるに足りない穀物の一つと考えられている。それは、アワ、キビ、モロコシなどとともに「雑穀」という名称で総称される穀物である。

 「雑穀」とは何だろうか。日本語で「雑」という字を使うとき、そこには、重要でない、その他大勢、とるに足りないといった消極的なイメージがつきいまとう。「雑穀」もまさにその一つで、イネ、ムギなどの主要穀物以外のとるに足りない穀物という意味でもある。

 アワ、キビ、ヒエなどとひとつひとつに名前はついているものの、名前で呼ばれることはむしろ少ない。農学部の先生でも、特別の専門家でもない限りアワとヒエを区別することはできないし、ましてやイヌビエとタイヌビエを区別することなど絶望的である。

 この、雑穀といわれる植物たちが、いつ、地球のどこで栽培化されたものか、わかっていることはわずかしかない。アワについては、考古学的な論証から、北部中国、いわゆる黄河文明の発祥地とその周辺が疑われてはいるが、生物学的な検証は行われていない。キビになると事態はさらに深刻で、何もわかっていないという表現のほうがぴったりする。
 この手に負えない代物に果敢に挑戦したのが、『雑穀のきた道』の著者である竜谷大学の坂本寧男さんである。坂本さんは・・・こういう先輩に対してたいそう失礼な言い方になるが・・・、研究者としてもちょっと変わった方でおられる。だから雑穀などという、人が見捨てたものに光明を当てることができたのだと思うが、その坂本さんが十年余り前に人を驚かせる発言をしたことがある。

 ヒエが日本列島原産だというのである。坂本さんは、ヒエといわれる植物を、日本を含む東アジアに分布するタイプとインド亜大陸を中心に分布するタイプとに分けた。そうしてその上で、遺伝学的な見地からヒエの起源を次のように考えた。

 坂本さんのことばを引用しながら考えてみよう。
 「従来から(ヒエが)中国東部で起源したという考えがあったが、現在までに考古学的にそれを証明するような遺物は中国では出土していない。また、詩経、本草綱目などにも栽培ビエの記述がないので、中国においてはその栽培の歴史が新しいと考えられる。(中略)
(ヒエは)おそらく日本で栽培化され、その後朝鮮、中国に栽培雑穀の一つとして導入されたと考ええる説があり、私はその可能性はきわめて高いと考えるようになった」(『雑穀のきた道』128ページ)

 この坂本発言がきっかけとなって、ヒエが日本列島原産ではないかという「ヒエ日本原産説」はしだいに定着しつつある。ヒエだけではなく、アワ、キビなどといった雑穀全般への関心がようやく高まりつつあるのである。


二度借りた本であるが。読んだ箇所を以下に並べておきます。
『縄文農耕の世界』1 <ヒエは日本列島原産か>p84~86、<イネはあったか>p103~107
『縄文農耕の世界』2 <「海上の道」の痕跡をどう証明するか>p124~126、<日本列島を巡る複数の縄文街道>p133~134
『縄文農耕の世界』3 <ヒトに撹乱されてできた耕地>p171~173





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Last updated  2016.12.17 10:48:44
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